JP2005115333A - 光学濃度変化要素、光学素子および撮影ユニット - Google Patents

光学濃度変化要素、光学素子および撮影ユニット Download PDF

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Abstract

【課題】発色状態とするのに低電圧印加で済み、応答速度が速く、発色状態から消色状態へもどったときに完全に消色する等の優れた特性を備え、電圧印加に応じて光学濃度が変化する光学濃度変化要素、該光学濃度変化要素と電磁波起電力発生要素と組み合わせた光学素子、該光学素子を用いた撮影ユニットの提供。
【解決手段】アノード上、カソード上の各々に、電子授受可能であり、電子授受の結果、可視域の分光吸収スペクトルが変化する材料および可視域の分光吸収スペクトルが実質的に変化しない材料の少なくともいずれかの材料を有し、該材料の酸化電位とアノード半導体材料のフラットバンド電位とが特定の関係を満し、かつ該材料の還元電位とカソード半導体材料のフラットバンド電位とが特定の関係を満す光学濃度変化要素、この光学濃度変化要素と電磁波に応答し起電力を発生する起電力発生要素とを含む光学素子、この光学素子を有する撮影ユニット。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発色状態とするのに小さな電圧印加で済み、応答速度が速く、発色状態から消色状態へもどったときに完全に消色する等の優れた特性を備えた電圧印加に応じて光学濃度を変化させる光学濃度変化要素、とくにエレクトロクロミック素子、該光学濃度変化要素と電磁波起電力発生要素とを組み合わせた光学素子、および該光学素子を用いた撮影ユニットに関する。
電圧印加に応じて光学濃度を変化させる光学濃度変化要素として、エレクトロクロミック素子が知られている。エレクトロクロミック素子は、電圧を印加して電子が流出入した結果、光学濃度が変化する素子であり、表示装置、自動車用防眩ミラー、建材用窓等に応用されている。
エレクトロクロミック素子としては、電子授受可能であり、電子授受の結果として光学濃度が変化する材料をナノ多孔質材料に化学吸着させたナノ多孔質電極を利用するものが知られている。このような電極を用いることによって、応答速度の速いエレクトロクロミック素子の作製が可能になることが開示されている (例えば特許文献1、特許文献2、非特許文献1参照)。ナノ多孔質材料の種類としては、特許文献1なら半導体材料、特許文献2なら金属的レベルまでに不純物をドープした金属酸化物層が用いられている。
このような、(i)ナノ多孔質材料に、(ii)電子授受可能な材料(電子授受の結果、波長400nm〜700nmの光学濃度が変化する材料でも良いし、変化しない材料でも良い)を吸着させたナノ多孔質電極を利用したエレクトロクロミック素子を鋭意検討した結果、前記(i)ナノ多孔質材料と、(ii)電子授受可能な材料の組み合わせ次第で、エレクトロクロミック素子が好ましくない性能を示すことが判明した。ここで言う好ましくない性能とは、エレクトロクロミック素子を発色させるのにより大きな電圧を印加する必要がある、エレクトロクロミック素子の応答速度が遅くなる、発色状態から消色状態へ戻ったときに完全に消色されず残色が生じる等である。
エレクトロクロミック素子としては、当然、発色状態とするのに小さな電圧印加で済む、エレクトロクロミック素子の応答速度が速く、発色状態から消色状態へもどったときに完全に消色する、ことが望ましく、エレクトロクロミック素子の性能を悪化させないことが切望されている。
特表2000−506629号公報 特表2003−511837号公報 ジャーナルオブフィジカルケミストリー B (Journal of PhJournal of Physical Chemistry B),2000年,104巻,11449頁
本発明の目的は、発色状態とするのに小さな電圧印加で済み、応答速度が速く、発色状態から消色状態へもどったときに完全に消色する等の優れた特性を備えた電圧印加に応じて光学濃度を変化させる光学濃度変化要素、とくにエレクトロクロミック素子を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記光学濃度変化要素と電磁波起電力発生要素とを組み合わせた光学素子、および該光学素子を用いた撮影ユニットを提供することにある。
本発明によれば、下記構成の光学濃度変化要素、光学素子、および撮影ユニが提供され、本発明の上記目的が達成される。
1.半導体材料を含むアノードと半導体材料を含むカソードとを有し、該アノードまたはカソード上に、電子授受可能であり、電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する材料を少なくとも1種類有する光学濃度変化要素において、
アノード上に、電子授受可能であり、電子授受の結果として
(a)波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する材料、
(b)波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない材料、
の少なくともいずれか一方の材料を少なくとも1種類有し、該材料の酸化電位Eoとアノード半導体材料のフラットバンド電位Fbaとが−1.3≦Fba−Eo≦0.3なる関係を満たし、かつ、
カソード上に、電子授受可能であり、電子授受の結果として
(c)波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する材料、
(d)波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない材料、
の少なくともいずれか一方の材料を少なくとも1種類有し、該材料の還元電位Erとカソード半導体材料のフラットバンド電位Fbcとが−0.3≦Fbc−Er≦1.3なる関係を満たすことを特徴とする光学濃度変化要素。
2.光学濃度変化要素内に、電子授受可能な材料が少なくとも3種類有することを特徴とする上記1記載の光学濃度変化要素。
3.光学濃度変化要素内に、波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない材料を少なくとも1種類含むことを特徴とする上記1または2に記載の光学濃度変化要素。
4.光学濃度変化要素の消色状態の波長400nmにおける光学濃度が0.2以下であることを特徴とする上記1〜3記載のいずれかに記載の光学濃度変化要素。
5.光学濃度変化要素の消色状態の波長400nm〜500nmにおける光学濃度の平均値、500nm〜600nmにおける光学濃度の平均値、および600nm〜700nmにおける光学濃度の平均値が、いずれも0.1以下であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の光学濃度変化要素。
6.電磁波に応答し起電力を発生させる起電力発生要素と、該起電力により駆動される上記1〜5のいずれかに記載の光学濃度変化要素とを含むことを特徴とする光学素子。
7.上記6に記載の光学素子を有することを特徴とする撮影ユニット。
8.撮影ユニットがレンズ付きフィルムであることを特徴とする上記7に記載の撮影ユニット。
本発明の光学濃度変化要素、とくにエレクトロクロミック素子は、発色状態とするのに小さな電圧印加で済み、応答速度が速く、発色状態から消色状態へもどったときに完全に消色する等の優れた特性を備え、電圧印加に応じて素早く光学濃度を変化させることができる。
このような本発明の光学濃度変化要素は、電磁波起電力発生要素とを組み合わせて光学素子となし、カメラなどの撮影ユニットに好ましく適用される。
以下、本発明についてさらに詳述する。
本発明において、「光学濃度」とは、光学濃度変化要素に対する入射光強度をI0、透過光強度をITとしたときに、下記数式(1)で算出される値Aである。
数式(1):A=−log(IT/I0
本発明において、「ナノ多孔質材料」とは、表面により多くの物質が吸着できるようにナノメートルオーダーの凹凸を形成し表面積を増やした材料を意味する。多孔質化の程度は「粗さ係数」によって表される。
本発明において、「ナノ多孔質半導体材料の粗さ係数」とは、該当する半導体材料層表面の、投影した平面に対する実際に有効な表面積の割合である。具体的には、BET法を用いて測定することができる。
本発明において「消色状態」とは、光学濃度変化要素の両極を短絡する、あるいは両極間に逆電圧を印加する、すなわち発色させる際にかける電圧と正負逆の方向に電圧を印加する、などして光学濃度変化要素の光学濃度を可能な限り低い状態に置いた時を指す。
本発明において「半導体材料」とは一般的な定義に従う。例えば、物理学辞典(培風館刊)によれば、「半導体材料」とは、金属と絶縁体との中間的な電気抵抗をもつ物質を意味する。
本発明において、「電子授受可能な材料」とは、電子授受可能であり、電子授受の結果、「波長400〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する材料(エレクトロクロミック材料)」と、「波長400〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない材料(無色酸化還元材料)」の両方とも含むこととする。また、ここでいう「波長400〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する材料」とは、400〜700nmの波長範囲で光学濃度が0.05以上変化する材料を指し、一方「波長400〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない材料」とは、400〜700nmの波長範囲で光学濃度が0.05以上変化しない材料を指す。
本発明において、「電子授受可能な酸化電位Eo」とは、アノード半導体材料上に電子授受可能な材料を吸着させた該半導体材料電極をCV (サイクリックボルタンメトリー) 測定した際、正味の酸化電流が最大になる電位のことを指す。なお、「正味の酸化電流」とは、電子授受可能な材料を吸着させたアノード半導体材料をCV法で測定して得られた電流値から、電子授受可能な材料を吸着させなかったアノード半導体材料 (つまり、アノード半導体材料のみ) をCV法で測定して得られた電流値、を引いた値を意味する。
本発明において、「電子授受可能な還元電位Er」とは、カソード半導体材料上に電子授受可能な材料を吸着させた該半導体材料電極をCV法した際、正味の還元電流が最大になる電位のことを指す。なお、「正味の還元電流」とは、電子授受可能な材料を吸着させたカソード半導体材料をCV法で測定して得られた電流値から、電子授受可能な材料を吸着させなかったカソード半導体材料 (つまり、カソード半導体材料のみ) をCV法で測定して得られた電流値、を引いた値を意味する。
また、本発明において、CV測定は、25℃で行い、エレクトロクロミック素子と同じ構成条件で行うこととする。例えば、CV測定に用いる溶液は、エレクトロクロミック素子の電解液と同一の溶媒に同一濃度の支持塩を溶解させた溶液を用い、該溶液における酸素および水の濃度を最小限に抑える処理を行うものとする。なお、CV法については、例えば「電気化学測定法」(技報堂出版)を参照されたい。
本発明において、半導体材料のフラットバンド電位とは、MS (モットショットキー) 法によって測定したフラットバンド電位のことを指す。また、MS測定においても、CV測定と同様、25℃で行い、エレクトロクロミック素子と同じ構成条件で行うこととする。例えば、MS測定の際用いる溶液はエレクトロクロミック素子の電解液と同一の溶媒に同一濃度の支持塩を溶解させた溶液を用い、該溶液における酸素および水の濃度を最小限に抑える処理を行うものとする。なお、MS法については、例えば「電気化学測定法」(技報堂出版)を参照されたい。
カソード上において、電子授受可能な材料の還元電位Erとカソード半導体材料電極のフラットバンド電位Fbcとの関係において、Fbc電位がEr電位よりも余りに+側 (貴側) の場合、エレクトロクロミック素子を発色させるのに大きな電圧が必要となり、また発色状態から消色状態への応答速度が遅くなってしまう。一方で、Fbc電位がEr電位よりも−側 (卑側) の場合、エレクトロクロミック素子は電圧を印加しない状態でも、光を照射させたりすると勝手に応答して発色してしまい、電圧のみでの制御が難しくなる。
アノード上において、電子授受可能な材料の酸化電位Eoとアノード半導体材料電極のフラットバンド電位Fbaとの関係において、Fba電位がEo電位よりも+側 (貴側) の場合、エレクトロクロミック素子は電圧を印加しない状態でも勝手に応答して発色してしまい、電圧での制御が難しくなる場合があり得る。一方で、Fba電位がEo電位よりも余りに−側 (卑側) の場合、エレクトロクロミック素子を発色させるのに大きな電圧が必要となり、また発色状態から消色状態への応答速度が遅くなってしまう。
本発明において「エレクトロクロミック材料(または無色酸化還元材料)のナノ多孔質半導体材料への吸着」とは化学結合あるいは物理結合によってナノ多孔質半導体材料表面にエレクトロクロミック材料(または無色酸化還元材料)が結合する現象を指し、吸着の定義は一般的な定義に従う。
エレクトロクロミック材料のナノ多孔質半導体材料表面への吸着は例えば以下に示すような方法で検出が可能である。
エレクトロクロミック材料が吸着したと思われるナノ多孔質半導体材料を0.1MNaOH溶液に浸漬させ、40℃で3h振とうする。この際に用いる溶液の量はナノ多孔質半導体材料の塗布量に応じて決められ、塗布量1g/m2あたり0.5mlが適当である。振とう後の溶液の吸収スペクトルを分光光度計で測定する。その結果、用いたエレクトロクロミック材料の吸収帯が検出され、該吸収帯ピークの吸光度が0.01以上であった時、ナノ多孔質半導体材料にエレクトロクロミック材料が「吸着」していたとみなす。なお、この際に用いる浸漬液(この場合はNaOH)の種類、濃度や振とうの温度、時間は用いたナノ多孔質半導体材料やエレクトロクロミック材料の種類に応じて決定されるもので、上記に限定されるものではない。
なお、対象が無色酸化還元材料の場合にも同様の手段で検出することができる。この際、吸収帯ピーク波長が極めて短波長側にある等の理由で分光光度計による検出が困難な場合には、他の手法 (例えば、高速液体クロマトグラフィー) を用いることができる。
本発明において「電磁波」とは、一般的な定義に従う。例えば、物理学辞典(培風館刊)によれば、電場と磁場には、時間的に一定な静的場と時間的に変動し空間の遠方まで伝播する波動場があり、この波動場が電磁波と定義されている。具体的には、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波に分類される。本発明が対象とする電磁波はこれら全てを含むものであるが、本発明の光学素子をカメラユニットの調光システムとして適用する場合に特に対象となるのは、好ましくは紫外線、可視光線、赤外線であり、より好ましくは紫外線、可視光線である。
本発明の光学濃度変化要素は、外部から電圧印加することで該要素の濃度を変化させることができる。また、前記光学濃度変化要素を用いた本発明の光学素子は、該光学濃度変化要素を駆動する電圧供給源が電磁波に応答し起電力を発生させる起電力発生要素である、という特徴を有する。したがって、本発明の光学素子は、電磁波の強度に応じて該光学素子を透過する透過光量を制御する調光素子として利用することが可能となる。
以下、本発明の光学濃度変化要素および光学素子の各要素について説明する
本発明において「起電力を発生させる要素(起電力発生要素)」とは、電磁波エネルギーを電気エネルギーに変換する要素をいう。より具体的には太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池が代表例として挙げられる。太陽電池を構成する材料は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、テルル化カドミウムやセレン化インジウム銅等の化合物が挙げられる。これらの化合物を用いた太陽電池としては公知のものを本発明の光学素子の用途に応じて選択して使用することができる。
また、色素によって増感された酸化物半導体を用いた光電変換素子(以後、色素増感光電変換素子と略す)およびこれを用いた光電気化学電池について、Nature(第353巻、第737〜740頁、1991年)、米国特許4927721号、特開2002−75443号公報等に記載された技術も、本発明の起電力発生要素として利用することができる。このような色素増感光電変換素子もまた、本発明の起電力発生要素として好ましい。
また、電磁波センサーと電圧源を組み合わせて起電力発生要素としてもよい。この場合の電磁波センサーは特に限定されないがフォトトランジスタ、CdSセンサー、フォトダイオード、CCD、CMOS、NMOS、太陽電池等が挙げられる。電磁波センサーの材料は応答させたい電磁波の波長に応じて適切なものを選ぶことができる。電圧源は特に限定されないが乾電池、鉛蓄電池、ディーゼル発電機、風力発電機等が挙げられる。ここでいう乾電池としてはアルカリ乾電池、マンガン乾電池などの一次電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池のいずれであってもよい。
本発明の好ましい起電力発生要素は、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンを材料とする太陽電池、色素増感光電変換素子、およびフォトトランジスタと乾電池の組み合わせである。本発明の光学素子をカメラユニットに適用する場合、起電力発生要素は、照射される電磁波(特に太陽光)の強度に応じた大きさの起電力を発生するのが好ましい。
本発明において「光学濃度を変化させる要素(光学濃度変化要素)」とは、起電力発生要素により発生した起電力、すなわち電気エネルギーにより光学濃度を変化させ、電磁波の透過率を変化させる要素をいう。
光学濃度変化要素は、「電極表面において電子授受可能で電子授受の結果として波長400〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する材料(エレクトロクロミック材料)」、および「電極表面において電子授受可能で電子授受の結果400〜700nmの分光吸収スペクトルが変化しない材料(無色酸化還元材料)」の少なくともいずれか一方の材料を少なくとも1種吸着させたナノ多孔質半導体材料、さらに該ナノ多孔質半導体材料を支持する導電性コーティングを担持した支持体、および支持塩が溶解した電解液などから構成される。図1に光学濃度変化素子の代表的な構成例の1例を示す。図1において、エレクトロクロミック材料および無色酸化還元材料は、表面積が大きなナノ多孔質半導体材料からなる電極(アノード(33a)およびカソード(33b))に吸着している。該エレクトロクロミック材料は、導電性コーティング32から供給される電気エネルギーに応じて400〜700nmの光学濃度が変化する。光学濃度変化要素を透過する光は、前記エレクトロクロミック材料の光学濃度の変化に応じてエレクトロクロミック材料に吸収される。その結果、光学濃度変化素子の透過光量は変化する。また、光学濃度変化要素の形態は、図1の形態に限定されることなく用途に応じて多様な形態をとることができる。例えば、光学フィルター、レンズ、絞り、ミラー、窓、メガネ、表示パネル等が挙げられる。カメラユニットに用いる場合、好ましい形態は光学フィルター、レンズ、絞りである。
光学濃度変化要素を構成する支持体は、特に限定されるものではないが、ガラス、プラスチック、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート(PAR)、ポリアミド、ポリイミド(PIM)、ポリスチレン、ノルボルネン樹脂(ARTON)、アクリル樹脂、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等が挙げられ、その用途、形態に応じて適宜選択することができる。本発明の光学素子が対象とする電磁波に対する吸収が小さいものを選択するのが好ましく、λ=400nm〜700nmの光に対してはガラス、PET、PEN、TACまたはアクリル樹脂が特に好ましい。また、支持体表面の反射による透過光の損失を避けるために、支持体の表面に反射防止層(例えば、酸化珪素の薄層など)を設ける事も好ましい。その他にも、素子への衝撃を防ぐ衝撃吸収層、摩擦による素子の損傷を防ぐ対擦過層、対象外の電磁波(例えば、可視光用の光学素子における紫外光)をカットする電磁波吸収層などの各種機能層が表面に設けられていても良い。
光学濃度変化要素を構成する電気伝導層は、特に限定されないが、金属薄膜(金、銀、銅、クロム、パラジウム、タングステンおよびその合金等)、酸化物半導体膜(酸化錫、酸化銀、酸化亜鉛、酸化バナジウム、ITO(酸化錫をドープした酸化インジウム)、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、FTO(フッ素をドープした酸化錫)、AZO(アルミニウムをドープした酸化亜鉛)、導電性窒化薄膜(窒化チタン、窒化ジルコニウム、窒化ハフニウム)、導電性ホウ化物薄膜(LaB6)、スピネル型化合物(MgInO4、CaGaO4)、導電性高分子膜(ポリピロール/FeCl3)、イオン伝導性膜(ポリエチレンオキサイド/LiClO4)、無機・有機複合膜(酸化インジウム微粉末/飽和ポリエステル樹脂)等が挙げられる。本発明の光学素子が対象とする電磁波に対する吸収の小さいものを選択するのが好ましく、λ=400nm〜700nmの光に対しては酸化錫、FTOおよびITOが特に好ましい。また、対象とする電磁波の吸収をより小さくするため、電気伝導層は所望の導電性が確保できる中で可能な限り薄い事が好ましい。より具体的に言うならば電気伝導層の厚みは1000nm以下が好ましく、200nm以下がより好ましく、100nm以下が特に好ましい。
光学濃度変化要素を構成する半導体材料としては、次に挙げる例に特に限定されるものではないが、例えば以下に示すような金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物が挙げられる。
金属酸化物としては、次に挙げる例に特に限定されるものではないが、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化珪素、酸化鉛、酸化タングステン、酸化錫、酸化インジウム、酸化ニオブ、酸化カドミウム、酸化ビスマス、酸化アルミニウム、酸化第一鉄等およびその複合化合物、さらにはそれらにフッ素、塩素、アンチモン、燐、砒素、ホウ素、アルミニウム、インジウム、ガリウム、珪素、ゲルマニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、錫等をドープした物、が挙げられる。あるいは酸化チタンの表面にITO、アンチモンドープ酸化錫、FTO等をコートしたものでもよい。
金属硫化物としては、次に挙げる例に特に限定されるものではないが、硫化亜鉛、硫化カドミウムおよびその複合化合物、さらにはそれらにアルミニウム、ガリウム、インジウム等をドープした物等が挙げられる。あるいは他の素材の表面に金属硫化物をコートしたものでもよい。
金属窒化物層としては、次に挙げる例に特に限定されるものではないが、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、窒化インジウムおよびその複合化合物、さらにはそれらに少量の異種原子(錫、ゲルマニウム等)をドープした物が挙げられる。あるいは他の素材の表面に金属窒化物をコートしたものでもよい。本発明の光学素子が対象とする電磁波に対する吸収の小さいものを選択するのが好ましく、λ=400nm〜700nmの光に対しては酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛、硫化亜鉛または窒化ガリウムが好ましく、酸化錫または酸化亜鉛が特に好ましい。
本発明では、こうした半導体材料にエレクトロクロミック材料を吸着させることでエレクトロクロミック材料への円滑な電子流出入を実現し、光学濃度変化要素が短時間で光学濃度を変化させることを可能とする。この際、半導体材料に対するエレクトロクロミック材料の吸着量が多ければ多いほど、より濃い濃度の発色が可能となる。半導体材料はより多くのエレクトロクロミック材料の吸着を可能とするためにナノ多孔質化して表面積を増し、20以上の粗さ係数を持つことが好ましく、150以上の粗さ係数を有することが特に好ましい。
このような多孔質を形成するに手段として、例えば、ナノメートルオーダーの超微粒子を結着させる方法が挙げられる。この場合、用いる粒子のサイズやサイズの分散性を最適化することで、電磁波が半導体材料で吸収あるいは散乱されて生じる透過光の損失を最低限に抑えることが可能となる。用いる粒子のサイズは好ましくは100nm以下、より好ましくは1nm以上60nm以下、さらに好ましくは2nm以上40nm以下である。また、サイズはなるべく単分散であることが好ましい。また、粒子サイズ、サイズの分散性の最適化などによっても、本発明の光学素子の応答速度を速めることができる。
本発明では、こうしたエレクトロクロミック材料が吸着した半導体材料を二層以上用いてもよい。用いる各層は同じ組成の物でもよいし、異なる組成の物でもよい。エレクトロクロミック材料が吸着した半導体材料をエレクトロクロミック材料の吸着していない半導体材料と組み合わせて用いてもよい。
光学濃度変化要素を構成するエレクトロクロミック材料は、ビオローゲン系色素、フェノチアジン系色素、スチリル系色素、フェロセン系色素、アントラキノン系色素、ピラゾリン系色素、フルオラン系色素、フタロシアニン系色素、等の有機色素、ポリスチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリベンジン、ポリイソチアナフテン、等の導電性高分子化合物類、酸化タングステン、酸化イリジウム、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化バナジウム、酸化モリブデン、酸化チタン、酸化インジウム、酸化クロム、酸化マンガン、プルシアンブルー、窒化インジウム、窒化錫、窒化塩化ジルコニウム等の無機化合物、などが挙げられる。
本発明において、有機化合物の特定の部分を「基」と称した場合には、当該部分はそれ自体が置換されていなくても、一種以上の(可能な最多数までの)置換基で置換されていても良いことを意味する。例えば、「アルキル基」とは置換または無置換のアルキル基を意味する。
このような置換基をWとすると、Wで示される置換基としては、特に制限は無いが、例えば、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、トリシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、複素環基(ヘテロ環基と言っても良い)、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基を含む)、アンモニオ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノ基、シリル基、ヒドラジノ基、ウレイド基、ボロン酸基(−B(OH)2)、ホスファト基(−OPO(OH)2)、スルファト基(−OSO3H)、その他の公知の置換基、が例として挙げられる。
また、2つのWが共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
上記の置換基Wの中で、水素原子を有するものは、これを取り去り更に上記の基で置換されていても良い。そのような置換基の例としては、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)、が挙げられる。より具体的には、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセチルアミノスルホニル)、アリールカルボニルアミノスルホニル基(例えば、ベンゾイルアミノスルホニル基)、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メチルスルホニルアミノカルボニル)、アリールスルホニルアミノカルボニル基(例えば、p−メチルフェニルスルホニルアミノカルボニル)が挙げられる。
ビオローゲン系色素とは、例えば一般式(1)、(2)、(3)に示す構造に代表される化合物である。
Figure 2005115333
一般式(1)、(2)、(3)中、V1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12、V13、V14、V15、V16、V17、V18、V19、V20、V21、V22、V23、及びV24は水素原子、又は一価の置換基を表す。
1、R2、R3、R4、R5、及びR6は水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表す。
1、L2、L3、L4、L5、及びL6はメチン基、又は窒素原子を表す。
1、n2、及びn3は0、1、又は2を表す。
1、M2、及びM3は電荷均衡対イオンを表し、m1、m2、及びm3は分子の電荷を中和するのに必要な0以上の数を表す。
1、V2、V3、V4、V5、V6、V7、V8、V9、V10、V11、V12、V13、V14、V15、V16、V17、V18、V19、V20、V21、V22、V23、及びV24は水素原子、又は一価の置換基を表し、V同士が互いに結合していても、環を形成していても良い。また、他のR1〜R6、及びL1〜L6と結合していても良い。
一価の置換基としては、前述のWが挙げられる。
1、R2、R3、R4、R5、及びR6は水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基であり、好ましくはアルキル基、アリール基、及び複素環基であり、さらに好ましくはアルキル基、及びアリール基であり、特に好ましくはアルキル基である。R1〜R7として表されるアルキル基、アリール基、及び複素環基として、具体的には、例えば、好ましくは炭素原子1から18、さらに好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、好ましくは炭素原子1から18、さらに好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の置換アルキル基{例えば置換基として前述のWが置換したアルキル基が挙げられる。特に、酸基を持つアルキル基が好ましい。ここで、酸基について説明する。酸基とは、解離性プロトンを有する基である。具体的には、例えばスルホ基、カルボキシル基、スルファト基、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)、スルホンアミド基、スルファモイル基、ホスファト基(−OP(=O)(OH)2)、ホスホノ基(−P(=O)(OH)2)、ボロン酸基、フェノール性水酸基、など、これらのpkaと周りのpHによっては、プロトンが解離する基が挙げられる。例えばpH5〜11の間で90%以上解離することが可能なプロトン解離性酸性基が好ましい。さらに好ましくはスルホ基、カルボキシル基、−CONHSO2−基、−CONHCO−基、−SO2NHSO2−基、ホスファト基、ホスホノ基であり、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基であり、さらに好ましくはホスファト基、ホスホノ基であり、最も好ましくはホスホノ基である。
具体的には、好ましくはアラルキル基(例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、2−(4−ビフェニル)エチル、2−スルホベンジル、4−スルホベンジル、4−スルホフェネチル、4−ホスホベンジル、4−カルボキシベンジル)、不飽和炭化水素基(例えば、アリル基、ビニル基、すなわち、ここでは置換アルキル基にアルケニル基、アルキニル基も含まれることとする。)、ヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、カルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル)、ホスファトアルキル基(例えば、ホスファトメチル、2−ホスファトエチル、3−ホスファトプロピル、4−ホスファトブチル)、ホスホノアルキル基(例えば、ホスホノメチル、2−ホスホノエチル、3−ホスホノプロピル、4−ホスホノブチル)、アルコキシアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例えば、2−フェノキシエチル、2−(4−ビフェニロキシ)エチル、2−(1−ナフトキシ)エチル、2−(4−スルホフェノキシ)エチル、2−(2−ホスホフェノキシ)エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基(例えば、エトキシカルボニルメチル、2−ベンジルオキシカルボニルエチル)、アリーロキシカルボニルアルキル基(例えば、3−フェノキシカルボニルプロピル、3−スルホフェノキシカルボニルプロピル)、アシルオキシアルキル基(例えば、2−アセチルオキシエチル)、アシルアルキル基(例えば、2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキル基(例えば、2−モルホリノカルボニルエチル)、スルファモイルアルキル基(例えば、N,N−ジメチルスルファモイルメチル)、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−[3−スルホプロポキシ]エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル、3−フェニル−3−スルホプロピル、4−フェニル−4−スルホブチル、3−(2−ピリジル)−3−スルホプロピル)、スルホアルケニル基、スルファトアルキル基(例えば、2−スルファトエチル基、3−スルファトプロピル、4−スルファトブチル)、複素環置換アルキル基(例えば、2−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル、2−(2−ピリジル)エチル、テトラヒドロフルフリル、3−ピリジニオプロピル)、アルキルスルホニルカルバモイルアルキル基(例えば、メタンスルホニルカルバモイルメチル基)、アシルカルバモイルアルキル基(例えば、アセチルカルバモイルメチル基)、アシルスルファモイルアルキル基(例えば、アセチルスルファモイルメチル基)、アルキルスルフォニルスルファモイルアルキル基(例えば、メタンスルフォニルスルファモイルメチル基)、アンモニオアルキル基(例えば、3−(トリメチルアンモニオ)プロピル、3−アンモニオプロピル)、アミノアルキル基(例えば、3−アミノプロピル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、4−(メチルアミノ)ブチル、グアニジノアルキル基(例えば、4−グアニジノブチル)}、
好ましくは炭素数6から20、さらに好ましくは炭素数6から10、特に好ましくは炭素数6から8の、置換または無置換アリール基(置換アリール基としては例えば、置換基の例として挙げた前述のWが置換したアリール基が挙げられる。特に、酸基を持つアリール基が好ましく、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基が置換したアリール基であり、特に好ましくはホスファト基、ホスホノ基が置換したアリール基であり、最も好ましくはホスホノ基が置換したアリール基である。具体的にはフェニル、1−ナフチル、p−メトキシフェニル、p−メチルフェニル、p−クロロフェニル、ビフェニル、4−スルホフェニル、4−スルホナフチル、4−カルボキシフェニル、4−ホスファトシフェニル、4−ホスホノフェニルなどが挙げられる。)、好ましくは炭素数1から20、さらに好ましくは炭素数3から10、特に好ましくは炭素数4から8の、置換または無置換複素環基(置換複素環基としては置換基の例として挙げた前述のWが置換した複素環基が挙げられる。特に、酸基を持つ複素環基が好ましく、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基が置換した複素環基であり、特に好ましくはホスファト基、ホスホノ基が置換した複素環基であり、最も好ましくはホスホノ基が置換した複素環基である。具体的には2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、3−ピラゾリル、3−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、2−イミダゾリル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、2−ピリダジル、2−ピリミジル、3−ピラジル、2−(1,3,5−トリアゾリル)、3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリル、5−メチル−2−チエニル、4−メトキシ−2−ピリジル、4−スルホ−2−ピリジル、4−カルボキシ−2−ピリジル、4−ホスファト−2−ピリジル、4−ホスホノ−2−ピリジルなどが挙げられる。)が挙げられる。
また、他のR、V1〜V24、及びL1〜L6と結合していても良い。
1、L2、L3、L4、L5、及びL6は、それぞれ独立にメチン基、又は窒素原子を表すが、好ましくはメチン基である。L1〜L6で表されるメチン基は置換基を有していても良く、置換基としては前述のWが挙げられる。例えば置換又は無置換の炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、特に好ましくは炭素数1から5のアルキル基(例えば、メチル、エチル、2−カルボキシエチル、2−ホスファトエチル、2−ホスホノエチル)、置換または無置換の炭素数6から20、好ましくは炭素数6から15、更に好ましくは炭素数6から10のアリール基(例えば、フェニル、o−カルボキシフェニル、o−ホスファトフェニル、o−ホスホノフェニル)、置換または無置換の炭素数3から20、好ましくは炭素数4から15、更に好ましくは炭素数6から10の複素環基(例えば、N,N−ジメチルバルビツール酸基)、ハロゲン原子(例えば、塩素、臭素、沃素、フッ素)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、炭素数0から15、好ましくは炭素数2から10、更に好ましくは炭素数4から10のアミノ基(例えば、メチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノ、N−メチルピペラジノ)、炭素数1から15、好ましくは炭素数1から10、更に好ましくは炭素数1から5のアルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ)、炭素数6から20、好ましくは炭素数6から12、更に好ましくは炭素数6から10のアリールチオ基(例えば、フェニルチオ、p−メチルフェニルチオ)などが挙げられる。また他のメチン基と結合して、環を形成していても良く、もしくはV1〜V24、及びR1〜R6と結合していても良い。
1、n2、及びn3は0、1、又は2を表し、好ましくは0、1であり、さらに好ましくは0である。n1〜n3が2以上の時、メチン基、又は窒素原子が繰り返されるが同一である必要はない。
1、M2、及びM3は化合物のイオン電荷を中性にするために必要であるとき、陽イオン又は陰イオンの存在を示すために式の中に含められている。典型的な陽イオンとしては水素イオン(H+)、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アリカリ土類金属イオン(例えば、カルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであっても良く、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマー又は色素と逆電荷を有する他の色素を用いても良い。また、CO2 -、SO3 -、P(=O)(−O-)2は、対イオンとして水素イオンを持つときはCO2H、SO3H、P(=O)(−OH)2と表記することも可能である。
1、m2、及びm3は電荷を均衡させるのに必要な0以上の数を表し、好ましくは0〜4の数であり、さらに好ましくは0〜2の数であり、分子内で塩を形成する場合には0である。
以下にビオローゲン系色素の化合物を具体例として示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005115333
Figure 2005115333
フェノチアジン系色素とは、下記一般式(6)に示す構造に代表される化合物である。
Figure 2005115333
一般式(6)中、V25、V26、V27、V28、V29、V30、V31、及びV32は水素原子、又は一価の置換基を表し、V同士が互いに結合していても、環を形成していても良い。また、他のR7と結合していても良い。
一価の置換基としては、前述のWが挙げられる。
7は水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基であり、好ましくはアルキル基、アリール基、及び複素環基であり、さらに好ましくはアルキル基、及びアリール基であり、特に好ましくはアルキル基である。R1〜R7として表されるアルキル基、アリール基、及び複素環基として、具体的には、例えば、好ましくは炭素原子1から18、さらに好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の無置換アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、オクタデシル)、好ましくは炭素原子1から18、さらに好ましくは1から7、特に好ましくは1から4の置換アルキル基{例えば置換基として前述のWが置換したアルキル基が挙げられる。特に、酸基を持つアルキル基が好ましい。ここで、酸基について説明する。酸基とは、解離性プロトンを有する基である。具体的には、例えばスルホ基、カルボキシル基、スルファト基、−CONHSO2−基(スルホニルカルバモイル基、カルボニルスルファモイル基)、−CONHCO−基(カルボニルカルバモイル基)、−SO2NHSO2−基(スルフォニルスルファモイル基)、スルホンアミド基、スルファモイル基、ホスファト基(−OP(=O)(OH)2)、ホスホノ基(−P(=O)(OH)2)、ボロン酸基、フェノール性水酸基、など、これらのpkaと周りのpHによっては、プロトンが解離する基が挙げられる。例えばpH5〜11の間で90%以上解離することが可能なプロトン解離性酸性基が好ましい。さらに好ましくはスルホ基、カルボキシル基、−CONHSO2−基、−CONHCO−基、−SO2NHSO2−基、ホスファト基、ホスホノ基であり、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基であり、さらに好ましくはホスファト基、ホスホノ基であり、最も好ましくはホスホノ基である。
具体的には、好ましくはアラルキル基(例えばベンジル、2−フェニルエチル、2−(4−ビフェニル)エチル、2−スルホベンジル、4−スルホベンジル、4−スルホフェネチル、4−ホスホベンジル、4−カルボキシベンジル)、不飽和炭化水素基(例えばアリル基、ビニル基、すなわち、ここでは置換アルキル基にアルケニル基、アルキニル基も含まれることとする。)、ヒドロキシアルキル基(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル)、カルボキシアルキル基(例えば、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、3−カルボキシプロピル、4−カルボキシブチル)、ホスファトアルキル基(例えば、ホスファトメチル、2−ホスファトエチル、3−ホスファトプロピル、4−ホスファトブチル)、ホスホノアルキル基(例えば、ホスホノメチル、2−ホスホノエチル、3−ホスホノプロピル、4−ホスホノブチル)、アルコキシアルキル基(例えば、2−メトキシエチル、2−(2−メトキシエトキシ)エチル)、アリーロキシアルキル基(例えば、2−フェノキシエチル、2−(4−ビフェニロキシ)エチル、2−(1−ナフトキシ)エチル、2−(4−スルホフェノキシ)エチル、2−(2−ホスホフェノキシ)エチル)、アルコキシカルボニルアルキル基(例えば、エトキシカルボニルメチル、2−ベンジルオキシカルボニルエチル)、アリーロキシカルボニルアルキル基(例えば、3−フェノキシカルボニルプロピル、3−スルホフェノキシカルボニルプロピル)、アシルオキシアルキル基(例えば、2−アセチルオキシエチル)、アシルアルキル基(例えば、2−アセチルエチル)、カルバモイルアルキル基(例えば、2−モルホリノカルボニルエチル)、スルファモイルアルキル基(例えば、N,N−ジメチルスルファモイルメチル)、スルホアルキル基(例えば、2−スルホエチル、3−スルホプロピル、3−スルホブチル、4−スルホブチル、2−[3−スルホプロポキシ]エチル、2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル、3−スルホプロポキシエトキシエチル、3−フェニル−3−スルホプロピル、4−フェニル−4−スルホブチル、3−(2−ピリジル)−3−スルホプロピル)、スルホアルケニル基、スルファトアルキル基(例えば、2−スルファトエチル基、3−スルファトプロピル、4−スルファトブチル)、複素環置換アルキル基(例えば、2−(ピロリジン−2−オン−1−イル)エチル、2−(2−ピリジル)エチル、テトラヒドロフルフリル、3−ピリジニオプロピル)、アルキルスルホニルカルバモイルアルキル基(例えば、メタンスルホニルカルバモイルメチル基)、アシルカルバモイルアルキル基(例えば、アセチルカルバモイルメチル基)、アシルスルファモイルアルキル基(例えば、アセチルスルファモイルメチル基)、アルキルスルフォニルスルファモイルアルキル基(例えば、メタンスルフォニルスルファモイルメチル基)、アンモニオアルキル基(例えば、3−(トリメチルアンモニオ)プロピル、3−アンモニオプロピル)、アミノアルキル基(例えば、3−アミノプロピル、3−(ジメチルアミノ)プロピル、4−(メチルアミノ)ブチル、グアニジノアルキル基(例えば、4−グアニジノブチル)}、
好ましくは炭素数6から20、さらに好ましくは炭素数6から10、特に好ましくは炭素数6から8の、置換または無置換アリール基(置換アリール基としては例えば、置換基の例として挙げた前述のWが置換したアリール基が挙げられる。特に、酸基を持つアリール基が好ましく、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基が置換したアリール基であり、特に好ましくはホスファト基、ホスホノ基が置換したアリール基であり、最も好ましくはホスホノ基が置換したアリール基である。具体的にはフェニル、1−ナフチル、p−メトキシフェニル、p−メチルフェニル、p−クロロフェニル、ビフェニル、4−スルホフェニル、4−スルホナフチル、4−カルボキシフェニル、4−ホスファトシフェニル、4−ホスホノフェニルなどが挙げられる。)、好ましくは炭素数1から20、さらに好ましくは炭素数3から10、特に好ましくは炭素数4から8の、置換または無置換複素環基(置換複素環基としては置換基の例として挙げた前述のWが置換した複素環基が挙げられる。特に、酸基を持つ複素環基が好ましく、さらに好ましくはカルボキシル基、ホスファト基、ホスホノ基が置換した複素環基であり、特に好ましくはホスファト基、ホスホノ基が置換した複素環基であり、最も好ましくはホスホノ基が置換した複素環基である。具体的には2−フリル、2−チエニル、2−ピリジル、3−ピラゾリル、3−イソオキサゾリル、3−イソチアゾリル、2−イミダゾリル、2−オキサゾリル、2−チアゾリル、2−ピリダジル、2−ピリミジル、3−ピラジル、2−(1,3,5−トリアゾリル)、3−(1,2,4−トリアゾリル)、5−テトラゾリル、5−メチル−2−チエニル、4−メトキシ−2−ピリジル、4−スルホ−2−ピリジル、4−カルボキシ−2−ピリジル、4−ホスファト−2−ピリジル、4−ホスホノ−2−ピリジルなどが挙げられる。)が挙げられる。
また、V25〜V32と結合していても良い。
1は硫黄原子、酸素原子、窒素原子(N−Ra)、炭素原子(CVaVb)、又はセレン原子を表わし、好ましくは硫黄原子である。なお、Raは水素原子、アルキル基、アリール基、又は複素環基を表わし、前述のR1〜R7と同様なものが挙げられ、同様のものが好ましい。Va及びVbは、水素原子、又は一価の置換基を表わし、前述のV1〜V32と同様のものが挙げられ、同様のものが好ましい。
4は化合物のイオン電荷を中性にするために必要であるとき、陽イオン又は陰イオンの存在を示すために式の中に含められている。典型的な陽イオンとしては水素イオン(H+)、アルカリ金属イオン(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオン)、アリカリ土類金属イオン(例えば、カルシウムイオン)などの無機陽イオン、アンモニウムイオン(例えば、アンモニウムイオン、テトラアルキルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、エチルピリジニウムイオン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウムイオン)などの有機イオンが挙げられる。陰イオンは無機陰イオンあるいは有機陰イオンのいずれであっても良く、ハロゲン陰イオン(例えば、フッ素イオン、塩素イオン、ヨウ素イオン)、置換アリールスルホン酸イオン(例えば、p−トルエンスルホン酸イオン、p−クロルベンゼンスルホン酸イオン)、アリールジスルホン酸イオン(例えば、1,3−ベンゼンスルホン酸イオン、1,5−ナフタレンジスルホン酸イオン、2,6−ナフタレンジスルホン酸イオン)、アルキル硫酸イオン(例えば、メチル硫酸イオン)、硫酸イオン、チオシアン酸イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ピクリン酸イオン、酢酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオンが挙げられる。さらに、イオン性ポリマー又は色素と逆電荷を有する他の色素を用いても良い。また、CO2 -、SO3 -、P(=O)(−O-)2は、対イオンとして水素イオンを持つときはCO2H、SO3H、P(=O)(−OH)2と表記することも可能である。
4は電荷を均衡させるのに必要な0以上の数を表し、好ましくは0〜4の数であり、さらに好ましくは0〜2の数であり、分子内で塩を形成する場合には0である。
以下にフェノチアジン系色素の化合物を具体例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005115333
スチリル系色素とは、下記式(7)に示す基本骨格を持つ化合物である。
Figure 2005115333
式中、nは1〜5である。この化合物は式中の任意の場所に任意の置換基を有して良く、特にカルボキシル基、スルホン酸基、ホスホン酸基等の吸着性の置換基を有することは好ましい。以下に示す化合物を具体例として挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005115333
こうしたエレクトロクロミック材料のうち、有機化合物は、その置換基を変えることにより、吸収波長をコントロールすることができる。また、光学濃度を変化させるエレクトロクロミック材料を2種以上用い、光学濃度変化要素が異なる波長の光学濃度を変化させることを可能とするのも好ましい。
本発明の光学素子をカメラユニットなどの調光素子として用いる場合、光学光を均一に吸収するニュートラルグレーに近い吸収特性を有することが好ましく、濃度変化要素は可視光、好ましくは複数の異なる波長の可視光、より好ましくは青色光,緑色光および赤色光を吸収することが好ましい。さらには、電子授受可能で電子授受の結果として波長400nm〜700nmの範囲の分光吸収スペクトルが変化する複数の材料の組み合わせにより実現させることができる。2種以上の好ましい組み合わせは、ビオローゲン系色素−フェノチアジン系色素、ビオローゲン系色素−フェロセン系色素、フタロシアニン系色素−プルシアンブルー、ビオローゲン系色素−酸化ニッケル、ビオローゲン系色素−酸化イリジウム、酸化タングステン−フェノチアジン系色素、ビオローゲン系色素−フェノチアジン系色素−スチリル系色素、ビオローゲン系色素2種(置換基の異なる2種)−フェノチアジン系色素、ビオローゲン系色素2種(置換基の異なる2種)−スチリル系色素、ビオローゲン系色素2種(置換基の異なる2種)−酸化ニッケルなどである。
また、これらのエレクトロクロミック材料の電気化学反応を促進するために、無色酸化還元材料が光学濃度変化要素内に存在していても良い。無色酸化還元材料は、アノードナノ多孔質半導体材料表面、カソードナノ多孔質半導体材料表面のいずれか一方または両方に吸着して存在しても良いし、電解液中に溶解して存在していても良い。
半導体ナノ多孔質材料に吸着させる無色酸化還元材料は、例えば下記式(1)
式(1):A−B
で示されるような基本構造をもつ材料である。式中、Aは多孔質半導体ナノ多孔質材料へ吸着する部分であり、Bは電子授受する部分である。Aは好ましくはカルボシキル基、スルホ基、ホスホノ基、ホスファト基であり、特に好ましくはホスホノ基、ホスファト基である。Bは例えば以下に示すような構造である。
Figure 2005115333
無色酸化還元材料として、以下に示す材料を具体的に挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005115333
光学濃度変化要素を構成する電解質は、溶媒と支持電解質からなる。支持電解質は荷電の授受により、それ自身は決して電気化学反応を起さず、導電性を高める役目を担う。溶媒としては極性を有するものが好ましく、具体的には水、メタノール、エタノールなどのアルコール、酢酸などのカルボン酸、アセトニトリル、プロピオンニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、ジメチルアセトアミド、メチルピロリジノン、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジメトキシエタン、プロピレンカルボネート、エチレンカルボネート、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、スルホラン、トリメチルホスフェイト、ピリジン、ヘキサメチレン酸トリアミド、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
支持電解質は溶媒中でイオンとして荷電のキャリアーとして働くもので、イオン化し易いアニオンとカチオンで組み合わされた塩である。カチオンとしては、Li+、Na+、K+、Rb+、Cs+を代表とする金属イオン及びテトラブチルアンモニウムイオンを代表とする4級アンモニウムイオンが挙げられる。またアニオンとしては、Cl-、Br-、I-、F-を代表とするハロゲンイオン、硫酸イオン、硝酸イオン、過塩素酸イオン、トシラートイオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン等が挙げられる。その他の電解質として、LiCl/KClを代表とする溶融塩系、イオン伝導体、超イオン伝導体を代表とする固体電解質系、イオン交換膜のような膜状のイオン導電性物質を代表とする固体高分子電解質系が挙げられる。
本発明の光学素子としては、光学濃度変化要素の材料を適切に組み合わせる、すなわち支持体、電気伝導層、エレクトロクロミック材料の種類を最適化する、また半導体材料の種類や粒子サイズを最適化することによって、消色状態でのλ=400nmの光学濃度を0.2以下(好ましくは0.125以下)に抑えることが好ましい。また同様にして、消色状態でのλ=400nm〜500nmの光学濃度の平均値、消色状態でのλ=500nm〜600nmの光学濃度の平均値および消色状態でのλ=600nm〜700nmの光学濃度の平均値をすべて0.1以下にすることが好ましい。一方で電磁波照射に対して応答した際のλ=400nm〜700nmの光学濃度の平均値が0.5以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましく、0.95以上であることが特に好ましい。
本発明の光学素子において、光学濃度変化要素と起電力発生要素の接続に当たっては直接接続しても良いし、増幅用、保護用などの機能を持った回路を介しても良い。また、光学濃度変化要素と並列に接続した抵抗を有し、光遮断時の印加電圧の解消を促進するような回路構成となっていてもよい。
本発明の光学素子は、車両用窓材料、表示装置、カメラ関連光学素子などいずれにも適応できる。本発明の光学素子の有効性を発揮できる一応用例がカメラ関連光学素子である。大版・中版のカメラ、一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、レンズ付きフィルム、デジタルカメラ、放送用カメラ、映画用フイルムカメラ、映画用デジタルカメラ、携帯電話向けカメラユニット、8mmムービーカメラなどいずれのカメラユニット対しても有効である。特に特徴を発揮できる例として、レンズ付きフィルムに代表される複雑な制御機構を必要としない簡易な撮影システムがある。特徴を発揮できる別の例として、CCDあるいはCMOSを撮像素子とするデジタルカメラがあり、撮像素子のダイナミックレンジの狭さを補うことができる。
本発明の光学素子をカメラユニットに応用する場合に、光学濃度変化要素は、レンズの光軸上に設置されることが好ましい。また、起電力発生要素と、光学濃度変化要素、およびカメラの感光要素(感光材料(フィルムなど)やCCD)とは、光吸収特性(光吸収波長や分光感度)の重なりが大きいほど好ましい。特に、光学濃度変化要素の吸収波長域とカメラの感光要素の分光感度域の重なりが大きいほど好ましい。これにより、カメラの分光感度域全体に渡って、ニュートラルグレーな調光性を実現できる。
本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
本発明のエレクトロクロミック型光学濃度変化要素について説明する。具体的な形態は図1に示すような形態である。
(1)試料101(実施例)の作製
試料101(実施例)は、(i)カソード用ナノ多孔質酸化錫電極の作製、(ii)アノード用ナノ多孔質酸化錫電極の作製、(iii)クロミック色素の吸着、(iv)エレクトロクロミック素子の組み立て、の手順で作製した。
(i)カソード用ナノ多孔質酸化錫電極の作製
直径約40nmの酸化錫の水分散液にポリエチレングリコール(分子量20,000)を加え、均一に攪拌して塗布液を作製した。塗布基板には、導電性SnO2蒸着膜で被覆した厚さ0.7mmの透明導電ガラスを用いた。なお、該透明導電ガラスには導電膜とは反対側に反射防止膜がついている。この透明導電ガラス基板のSnO2導電膜上に酸化錫が9g/m2となるように、塗布液を均一に塗布した。塗布後、450℃で30分間、塗布された透明導電ガラス基板を焼成し高分子を除去することで、ナノ多孔質酸化錫電極を得た。上記手法に従って作成した電極はおよそ750の表面粗さ係数を持っていた。
(ii)アノード用ナノ多孔質酸化錫電極の作製
平均直径5nmの酸化錫の水分散液にポリエチレングリコール(分子量20,000)を加え、均一に攪拌して塗布液を作製した。塗布基板には、導電性SnO2蒸着膜で被覆した厚さ0.7mmの透明導電ガラスを用いた。なお、該透明導電ガラスには導電膜とは反対側に反射防止膜がついている。この透明導電ガラス基板のSnO2導電膜上に塗布液を均一に塗布した後に450℃まで100分かけて昇温し、450℃で30分間焼成して高分子を除去した。酸化錫の合計塗布量が7g/m2となるまで塗付と焼成を繰り返し、ナノ多孔質酸化錫電極を得た。上記手法に従って作成した電極はおよそ750の表面粗さ係数を持っていた。
(iii)エレクトロクロミック材料の吸着
エレクトロクロミック材料には下記エレクトロクロミック材料(V−1)および(P−1)を用いた。エレクトロクロミック材料V−1は還元されて発色し、エレクトロクロミック材料P−1は酸化されて発色する性質を有する。なお、エレクトロクロミック材料V−1およびP−1の発色状態の分光吸収スペクトルは互いに相異なる。即ち、発色すると2種類のエレクトロクロミック材料は異なる波長の光学濃度を変化させる。
Figure 2005115333
V−1を水溶媒中に、P−1をメタノールの混合溶媒中に、各々濃度が0.02ml/lになるように溶解した。V−1溶液には(i)で作製したナノ多孔質酸化錫電極を、P−1溶液には(ii)で作製したナノ多孔質酸化錫電極を40℃で3時間浸漬して、各エレクトロクロミック材料を各ナノ多孔質酸化錫材料に吸着させた。浸漬後、ナノ多孔質酸化錫電極を各々の溶媒で洗浄し、さらに真空乾燥した。
(iv)エレクトロクロミック素子の組み立て
V−1材料を吸着させたナノ多孔質酸化錫電極およびP−1材料を吸着させたナノ多孔質酸化錫電極を図4に示したように対向させ、その隙間に0.2mol/lの過塩素酸リチウムのγ−ブチロラクトン溶液を電解質として封入しエレクトロクロミック素子試料101を組み立てた。V−1色素を吸着させた酸化錫ナノ多孔質電極を(−)極に、P−1色素を吸着させた酸化錫ナノ多孔質電極を(+)極に、接続することで試料101は発色した。また、両電極を短絡することで試料101は消色した。
上記試料101に対して、ナノ多孔質半導体材料の変更により表1に示すように試料102を作製した。なお、FbcとErとが−0.3≦Fbc−Er≦1.3なる関係を満たしているときは○を、満たしていないときは×とし、同様にFbaとEoとが−1.3≦Fba−Eo≦0.3なる関係を満たしているときは○を、満たしていないときは×とした。
Figure 2005115333
続いて、作製した試料101(本発明)および試料102(比較例)の性能を調べた。試料101(本発明)に1.5V電圧印加すると、30秒以内に515nmでの光学濃度は0.9増加した。次いで、両電極を短絡すると、20秒以内に完全に消色した。一方で、試料102(比較例)に1.5V電圧印加すると、30秒後の515nmでの光学濃度の増加は0.6であった。また、両電極を短絡しても、完全に消色するのに1分以上かかった。なお、消色速度については、30秒以内に消色した場合は○、30秒以内に消色しなかった場合は×とした。Δ光学濃度は大きいほど良く、消色速度は速いほど良い。以上の結果を下表2にまとめる。
Figure 2005115333
表2に示すように、本発明の電位の関係を満たす試料101(本発明)は、電位の関係を満たさない試料102(比較例)よりも、優れた性能を示した。
〔実施例2〕
表3に示すような試料201(本発明)、試料202(比較例)を作製した。
Figure 2005115333
作製した試料201(本発明)および試料202(比較例)の性能を調べた。試料201(本発明)に1.5V電圧印加すると、30秒以内に610nmでの光学濃度は1.0増加した。次いで、両電極を短絡すると、20秒以内に完全に消色した。一方で、試料202(比較例)に1.5V電圧印加すると、30秒後の610nmでの光学濃度の増加は0.5であった。また、両電極を短絡しても、完全に消色するのに1分以上かかった。以上の結果を下表4にまとめる。
Figure 2005115333
表4に示すように、本発明の電位の関係を満たす試料201(本発明)は、電位の関係を満たさない試料202(比較例)よりも、優れた性能を示した。
〔実施例3〕
表5に示すような試料301(本発明)、試料302(比較例)を作製した。
Figure 2005115333
作製した試料301(本発明)および試料302(比較例)の性能を調べた。試料301(本発明)に1.5 V電圧印加すると、30秒以内に610nmでの光学濃度は1.0増加した。次いで、両電極を短絡すると、20秒以内に完全に消色した。一方で、試料302(比較例)は、電圧を印加しない場合も発色してしまい、610nmでの光学濃度が増加した。これは、エレクトロクロミック素子の制御性という観点から、好ましい性能でない。以上の結果を表6にまとめる。
Figure 2005115333
表6に示すように、本発明の電位の関係を満たす試料301(本発明)は、電位の関係を満たさない試料302(比較例)よりも、優れた性能を示した。
〔実施例4〕
表7に示すような試料401(本発明)、試料402(本発明)を作製した。
Figure 2005115333
作製した試料401(本発明)および試料402(本発明)の性能を調べた。試料401(本発明)、試料402(本発明)とも、1.5V電圧印加すると30秒以内に光学濃度は0.90増加し、両電極を短絡すると20秒以内に完全に消色した。ただし、試料401(本発明)と試料402(本発明)とは発色状態の色相が異なった。具体的には、試料401(本発明)が深い青色だったのに対し、試料402(本発明)はグレーであった。これより、エレクトロクロミック材料を2種吸着させた場合も、本発明の電位関係を満たせば、優れた性能を示すことが分かった。
〔実施例5〕
表8に示すような試料501(本発明)、試料502(比較例)を作製した。
Figure 2005115333
続いて、作製した試料501(本発明)および試料502(比較例)の性能を調べた。試料501(本発明)に1.5V電圧印加すると、30秒以内に515nmでの光学濃度は0.9増加した。次いで、両電極を短絡すると、20秒以内に完全に消色した。一方で、試料502(比較例)に1.5V電圧印加すると、30秒後の515nmでの光学濃度の増加は0.6であった。また、両電極を短絡しても、完全に消色するのに1分以上かかった。以上の結果を下表9にまとめる。
Figure 2005115333
表9に示すように、本発明の電位の関係を満たす試料501(本発明)は、電位の関係を満たさない試料502(比較例)よりも、優れた性能を示した。
〔実施例6〕
本発明の光学素子をレンズ付きフィルムユニットに搭載した実施例を示す。
本実施例の形態のレンズ付きフィルムユニットは、図2および図3に示されるように、(1)調光フィルター23(光学濃度変化要素)、(2)太陽電池13(起電力発生要素)を搭載したものである。太陽電池13をユニット外部に設けることで、外部光の強度に応じた起電力を発生させ、その起電力に応じて調光フィルター23にて、写真フィルム16に到達する光量を調節し、高輝度環境下でのオーバーネガを防ぐことができる。
(1)調光フィルター
本実施例では、実施例4で作製した試料402を調光フィルターとして用いた。太陽電池と接続する際にはV−1色素を吸着させた酸化錫電極を太陽電池の(−)極に、P−1色素を吸着させた酸化錫電極を同(+)極に、繋いだ。
(2)太陽電池
太陽電池としては、シリコン型SS−3012DS(SINONAR社製)を用いた。それら太陽電池のユニットセルを約1.5Vの起電力が発生させられるようにに直列に繋いだ。使用した太陽電池の模擬太陽光(キセノンランプとOriel社製 AM1.5分光フィルターを使用)の光量に対する起電力特性を図5に示す。
上記の(1)調光フィルターと(2)太陽電池を用い、下記表1に示す構成のレンズ付きフィルムユニットを作製した。使用したフィルムのISO感度は1600、絞りはF8、シャッター速度は1/85”である。この条件で構成される撮影システムを用いた場合、EV=8.4の条件で写真を撮影した際に最適の濃度のネガが得られる。
Figure 2005115333
試料602に用いた光学素子の太陽電池起電力に対する光学濃度特性を図6に示す。また、これらの結果から得られる、太陽電池と調光フィルターを結合した光学素子の光量に対する光学濃度応答特性を図7に示す。なお、ここに示した光学濃度はλ=400nm〜700nmの平均値である。なお、絞りを+1するということは透過光量を半分にすることに相当し、光学濃度でいうと0.3の上昇に相当する。図7に示すように、この光学素子の絞りは光遮断時には+0.3で、そこにEV=11.5の光を照射することで+2.9まで、EV=12.0以上の光を照射することで+3.0まで絞りが増加した。変化の応答時間は5秒であった。なお、EVとは明るさを示す値であり、照度の実用単位luxを用いて示した明るさLから、下記数式(2)により、算出される値である。
数式(2):EV=log2(L/2.4)
先ほど示した絞りとの関係で述べると、ある光学素子の絞りを+1することはその光学素子を通して受取る光の明るさのEV値が1減少することに相当する。
上記601、602のユニットを使用して、EV=6.4(暗い室内に相当)〜15.4(真夏の晴天時に相当)の範囲の明るさの場面で撮影を行い、富士写真フイルムCN−16現像処理を3分15秒間行なった。その結果得られたネガの露出レベルの比較を表2に示す。なお、露出レベルとは処理後のネガの濃度の適正さを評価したもので、最適なネガの濃度を0とおいた。前述の様に今回用いた撮影システムの場合、EV=8.4の条件で写真を撮った際に最適の濃度のネガが得られる、すなわち露出レベル=0となる。露出レベル+1とは、適正なグレー濃度から1絞り分濃い(=光学濃度で言うと0.3高い)事を、露出レベル−1とは、適正なグレー濃度から1絞り分薄い(光学濃度で言うと0.3低い)事を意味する。
Figure 2005115333
ここで得られたネガを元にプリントを行う事を想定した場合、ある程度の露出レベルのずれは補正可能となる。具体的には−1〜+4までの範囲の露出レベルのネガならば、プリント時に補正可能であり、「撮影に成功した写真」を得ることができる。露出レベルが先程の範囲内にない場合にはプリント時での補正が追いつかず、「失敗写真」となってしまう。上記の条件で撮影したネガからプリントした場合に得られた写真が成功しているか失敗しているかを表12に示した。○が成功で×が失敗である。
Figure 2005115333
表12から、以下のことが分かる。調光システムを持つ本発明602は、調光システムを持たない比較例601に比して照度の低い条件(EV値が小さい条件)での撮影可能領域がやや狭まっているものの照度の高い条件(EV値が大きい条件)での撮影可能領域が大幅に広がっており、総合してより広い撮影領域を持つカメラシステムが実現されている。
〔実施例7〕
本実施例は、電子スチルカメラに調光フィルターを装備した実施例である。本発明の電子スチルカメラは、図8に示したようにレンズとCCDの間に実施例4で作製した試料402を調光フィルターとして搭載し、更に図9に示したように外装部に実施例4と同じフォトトランジスタを設置し電子スチルカメラに内蔵された電池を電源として調光フィルターを制御するように接続した。実施例6のレンズ付きフィルムユニットと同様の比較実験を行ったところ、本発明はダイナミックレンジの狭い電子スチルカメラではレンズ付きフィルムユニットの場合よりも顕著な調光効果を発揮した。
〔実施例8〕
本実施例は、携帯電話用の撮像ユニットに調光フィルターを装備した実施例である。携帯電話の撮像ユニットのレンズ上に実施例1と同様にして作製した調光フィルターを搭載し、更に撮像ユニットの周囲に実施例3と同じフォトトランジスタを設置し携帯電話に内蔵された電池を電源として調光フィルターを制御するように接続した。本実施例の撮像ユニットを搭載した携帯電話は、本発明のような光学素子を持たない撮像ユニットと比較してより幅広い露光条件での撮影が可能であった。
本発明の光学濃度変化要素の代表的な一構成例を示す概略断面図である。 本発明の光学素子を有するレンズ付きフィルムユニットの要部の概略断面図である。 本発明の光学素子を有するレンズ付きフィルムユニットの一例の外観図である。 本発明の光学濃度変化要素の一例(調光フィルター)の構成を示す概略断面図である。 実施例6で用いた太陽電池の起電力応答特性を示すグラフである。 実施例6で用いた調光フィルターの起電力応答特性を示すグラフである。 実施例6で用いた本発明の光学素子の起電力応答特性を示すグラフである。 本発明の光学素子を有する電子スチルカメラの要部の概略断面図である。 本発明の光学素子を有する電子スチルカメラの一例の概略外観図である。
符号の説明
1 レンズ付きフィルムユニット
4 撮影レンズ
5 ファインダー
6 ストロボ発光部
8 シャッターボタン
13 太陽電池
16 写真フィルム
18 遮光筒
20 レンズホルダー
21 アパーチャー
22 露光開口
23 調光フィルター
24 絞り
29 光軸
31 支持体
32 導電性コーティング
33a,b エレクトロクロミック材料が吸着した金属酸化物層
34 電解質
35 スペーサー

Claims (8)

  1. 半導体材料を含むアノードと半導体材料を含むカソードとを有し、該アノードまたはカソード上に、電子授受可能であり、電子授受の結果として波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する材料を少なくとも1種類有する光学濃度変化要素において、
    アノード上に、電子授受可能であり、電子授受の結果として
    (a)波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する材料、
    (b)波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない材料、
    の少なくともいずれか一方の材料を少なくとも1種類有し、該材料の酸化電位Eoとアノード半導体材料のフラットバンド電位Fbaとが−1.3≦Fba−Eo≦0.3なる関係を満たし、かつ、
    カソード上に、電子授受可能であり、電子授受の結果として
    (c)波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが変化する材料、
    (d)波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない材料、
    の少なくともいずれか一方の材料を少なくとも1種類有し、該材料の還元電位Erとカソード半導体材料のフラットバンド電位Fbcとが−0.3≦Fbc−Er≦1.3なる関係を満たすことを特徴とする光学濃度変化要素。
  2. 光学濃度変化要素内に、電子授受可能な材料が少なくとも3種類有することを特徴とする請求項1記載の光学濃度変化要素。
  3. 光学濃度変化要素内に、波長400nm〜700nmの分光吸収スペクトルが実質的に変化しない材料を少なくとも1種類含むことを特徴とする請求項1または2に記載の光学濃度変化要素。
  4. 光学濃度変化要素の消色状態の波長400nmにおける光学濃度が0.2以下であることを特徴とする請求項1〜3記載のいずれかに記載の光学濃度変化要素。
  5. 光学濃度変化要素の消色状態の波長400nm〜500nmにおける光学濃度の平均値、500nm〜600nmにおける光学濃度の平均値、および600nm〜700nmにおける光学濃度の平均値が、いずれも0.1以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学濃度変化要素。
  6. 電磁波に応答し起電力を発生させる起電力発生要素と、該起電力により駆動される請求項1〜5のいずれかに記載の光学濃度変化要素とを含むことを特徴とする光学素子。
  7. 請求項6に記載の光学素子を有することを特徴とする撮影ユニット。
  8. 撮影ユニットがレンズ付きフィルムであることを特徴とする請求項7に記載の撮影ユニット。
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