JP2005114500A - 光学特性の不均一性測定方法および装置ならびにこれを利用した製品良否判定装置 - Google Patents

光学特性の不均一性測定方法および装置ならびにこれを利用した製品良否判定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 シャドウマスクやカラーフィルタなど、光学特性が均一であるべき測定対象物について、ムラ領域を正確に認識し、不均一性の評価値を高精度で得る。
【解決手段】 測定対象物を撮像して画像データとして入力し、ムラ領域を強調するためのフィルタリング処理を行う。各画素の輝度値についての最頻値Hfを求め、輝度値が最頻値Hfよりも小さい画素の領域U1や、輝度値が最頻値Hfよりも大きい画素の領域U2を、ムラ領域と定義する。ムラ領域U1,U2内の各画素についての輝度値と最頻値Hfとの差の合計を、画像データを構成する全画素数で除した値を、ムラの程度を示す評価値Mとして算出する。評価値Mが所定の許容値を越える製品および最頻値Hfが所定の基準最頻値より大きく外れている製品を不良品とすることにより製品検査を行う。
【選択図】 図6

Description

本発明は、光学特性の不均一性測定方法および装置ならびにこれを利用した製品良否判定装置に関し、特に、本来は光学特性が均一であるべき製品について、光学特性の不均一部分の存在を認識し、製品としての良否判定を行うために利用できる技術に関する。
紙やフィルムといった一様な表面を有する材料をはじめとして、シャドウマスク、カラーフィルタ、プラズマディスプレイパネルの背面板、液晶テレビの表示画面、ブラウン管テレビの表示画面といった工業製品は、本来は光学特性が均一であるべき性質をもっている。もちろん、これらの製品も、ミクロ的に観察すれば、微細な周期的凹凸構造などが存在することになるが、マクロ的に観察すれば、均一な光学特性が得られることになる。逆に言えば、これらの工業製品をマクロ的に観察した際に、不均一性(いわゆるムラ)が生じていれば、製品として何らかの不良が生じていることになる。
このように、工業製品の光学特性の不均一性を測定する技術は、当該製品の出荷前の良否判定に利用することができる。たとえば、カラーフィルタの場合、開口面積の均一性や着色層の膜厚の均一性などの検査に利用することができ、プラズマディスプレイパネルの背面板では、リブ形成前のリブ材の膜厚の均一性、リブ形成後のリブ間隔の均一性、リブ間に充填される蛍光体の発光量の均一性などの検査に利用することができる。また、紙については、色や厚みの均一性の検査に利用することができ、フィルムについては、膜厚の均一性、透過率や拡散率の均一性の検査に利用することができる。
下記の特許文献1には、周期性パターンを有する工業製品について、光学特性の不均一性を測定して定量化する周期性パターンのムラ定量化方法が開示されている。この方法では、測定対象物を撮像して得られた画像データに対して所定のフィルタリング処理を施し、画像データを構成する個々の画素の輝度値の平均値を境に面積分し、積分結果を積分面積で除算して規格化した値を、当該測定対象物についての不均一性を定量的に示す評価値として用いている。
特許第3224620号公報
前掲の特許文献1に開示された測定方法では、画像データを構成する個々の画素の輝度値の平均値を基準として、ムラ領域の定義を行っていた。すなわち、平均値から外れた輝度値をもった領域をムラ領域として認識し、定量的な評価を行っていた。しかしながら、平均値を算出するプロセスでは、正常な領域の輝度値のみならず、ムラ領域の輝度値も算入されるため、平均値を基準としてムラ領域を定義した場合、ムラ領域の正確な認識を行うことができず、精度の高い評価値を得ることができないという問題がある。
そこで本発明は、ムラ領域を正確に認識し、精度の高い評価値を得ることができる光学特性の不均一性測定方法および装置を提供することを目的とし、また、これを利用した製品良否判定装置を提供することを目的とする。
(1) 本発明の第1の態様は、光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定する光学特性の不均一性測定方法において、
測定対象物を撮像することにより、所定の輝度値をもった画素の集合からなる画像データを入力する画像データ入力段階と、
画像データ入力段階によって入力された画像データを構成する各画素の輝度値の最頻値を求める最頻値演算段階と、
画像データを構成する各画素のそれぞれについて輝度値と最頻値との差を求め、差が所定の許容誤差を越える画素からなる領域をムラ領域と定義するムラ領域定義段階と、
ムラ領域内の各画素の輝度値と最頻値との隔たりの程度を示す値を、測定対象物についての光学特性の不均一性を示す評価値として求める評価値算出段階と、
を行うようにしたものである。
(2) 本発明の第2の態様は、上述の第1の態様に係る光学特性の不均一性測定方法において、
画像データ入力段階で入力された画像データに対して、所定の画像処理を施す画像処理段階を更に付加し、
最頻値演算段階において、画像処理が施された画像データに対して最頻値を求める処理を行い、ムラ領域定義段階において、画像処理が施された画像データに対してムラ領域を定義する処理を行い、評価値算出段階において、画像処理が施された画像データに対して評価値を求める処理を行うようにしたものである。
(3) 本発明の第3の態様は、上述の第1または第2の態様に係る光学特性の不均一性測定方法において、
評価値算出段階において、「ムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と最頻値との差』の合計を、画像データを構成する全画素数で除した値」を評価値として算出するようにしたものである。
(4) 本発明の第4の態様は、上述の第3の態様に係る光学特性の不均一性測定方法において、
評価値算出段階において、処理対象となる画像データによって示される画像を複数のブロックに分割し、個々のブロックごとに、「当該ブロック内に存在するムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と画像データ全体について求められた最頻値との差』の合計を、当該ブロック内の全画素数で除した値」を当該ブロックに関する評価値として算出し、ブロックごとに算出された評価値のうちの最大値を、画像データ全体についての評価値とするようにしたものである。
(5) 本発明の第5の態様は、光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定する光学特性の不均一性測定装置において、
測定対象物を撮像することにより、所定の輝度値をもった画素の集合からなる画像データを生成する撮像手段と、
撮像手段によって生成された画像データを構成する各画素の輝度値の最頻値を求める最頻値演算手段と、
画像データを構成する各画素のそれぞれについて輝度値と最頻値との差を求め、差が所定の許容誤差を越える画素からなる領域をムラ領域と定義するムラ領域定義手段と、
ムラ領域内の各画素の輝度値と最頻値との隔たりの程度を示す値を、測定対象物についての光学特性の不均一性を示す評価値として求める評価値算出手段と、
を設けるようにしたものである。
(6) 本発明の第6の態様は、上述の第5の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
撮像手段により生成された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理手段を更に設け、
最頻値演算手段が、画像処理が施された画像データに対して最頻値を求める処理を行い、ムラ領域定義手段が、画像処理が施された画像データに対してムラ領域を定義する処理を行い、評価値算出手段が、画像処理が施された画像データに対して評価値を求める処理を行うようにしたものである。
(7) 本発明の第7の態様は、上述の第6の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
画像処理手段が、所定のフィルタ用マトリックスを用いたフィルタリング処理を実行するようにしたものである。
(8) 本発明の第8の態様は、上述の第7の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
画像処理手段が、特定の方向性もしくは周期性をもつ不均一性を強調する作用をもったフィルタ用マトリックスを用いたフィルタリング処理を実行するようにしたものである。
(9) 本発明の第9の態様は、上述の第5〜第8の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
評価値算出手段が、「ムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と最頻値との差』の合計を、画像データを構成する全画素数で除した値」を評価値として算出するようにしたものである。
(10) 本発明の第10の態様は、上述の第9の態様に係る光学特性の不均一性測定装置において、
評価値算出手段が、処理対象となる画像データによって示される画像を複数のブロックに分割し、個々のブロックごとに、「当該ブロック内に存在するムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と画像データ全体について求められた最頻値との差』の合計を、当該ブロック内の全画素数で除した値」を当該ブロックに関する評価値として算出し、ブロックごとに算出された評価値のうちの最大値を、画像データ全体についての評価値とするようにしたものである。
(11) 本発明の第11の態様は、上述の第5〜第10の態様に係る光学特性の不均一性測定装置に、更に良否判定手段を付加することにより製品良否判定装置を構成するようにし、
良否判定手段が、良否判定の対象製品を測定対象物として不均一性測定装置に与えたときに、評価値算出手段によって算出される評価値が、所定の許容値以内である場合には良品、許容値を越える場合には不良品と判定するようにしたものである。
(12) 本発明の第12の態様は、上述の第11の態様に係る製品良否判定装置において、
良否判定手段が、標準的な良品からなる基準製品を測定対象物として不均一性測定装置に与えたときに最頻値演算手段によって求められた最頻値を、基準最頻値として記憶する機能を有し、良否判定の対象製品について求められた最頻値と基準最頻値との差が、所定の許容値を越える場合には、当該対象製品を不良品とする判定を行うようにしたものである。
(13) 本発明の第13の態様は、上述の第5〜第10の態様に係る光学特性の不均一性測定装置もしくは上述の第11または第12の態様に係る製品良否判定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムを用意し、このプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して配布できるようにしたものである。
本発明に係る光学特性の不均一性測定方法および装置によれば、画像データを構成する個々の画素の最頻値を基準として、ムラ領域の定義を行うようにしたため、ムラ領域を正確に認識し、精度の高い評価値を得ることができるようになる。また、これを利用した製品良否判定装置を用いれば、より正確な良否判定が可能になる。
以下、本発明を図示する実施形態に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る製品良否判定装置の基本構成を示すブロック図である。図に100番台の符号で示した撮像手段110、画像処理手段120、最頻値演算手段130、ムラ領域定義手段140、評価値算出手段150なる各構成要素からなる部分が、本発明に係る光学特性の不均一性測定装置であり、これに良否判定手段210を付加したものが、本発明に係る製品良否判定装置になる。光学特性の不均一性測定装置は、光学特性が均一であるべき測定対象物10について、光学特性の不均一性を定量的に測定するための装置であり、製品良否判定装置は、この光学特性の不均一性測定装置による測定結果に基づいて、測定対象物10として与えられた製品の良否を判定する装置である。
測定対象物10は、本来、光学特性が均一であるべき物であれば、どのようなものであってもかまわない。具体的には、前述したとおり、紙、フィルム、シャドウマスク、カラーフィルタ、プラズマディスプレイパネルの背面板、液晶テレビの表示画面、ブラウン管テレビの表示画面といった様々な工業製品を、測定対象物10として与えることができる。なお、本願において「光学特性が均一」とは、既に述べたとおり、マクロ的に観察した際の均一性を意味しており、ミクロ的に観察した場合に、微細な凹凸構造や周期的パターンをもった製品であっても、本発明における測定対象物10として適した物になる。
撮像手段110は、測定対象物10を撮像することにより、所定の輝度値をもった画素の集合からなる画像データ20を生成する機能をもった構成要素である。このような機能をもった構成要素であれば、具体的には、どのような構成によって撮像手段110を実現してもかまわない。
図2は、撮像手段110の具体的な構成例を示す側面図である。この例では、搬送機111、光源112、ラインセンサカメラ113によって、撮像手段110が構成されている。搬送機111は、測定対象物10を図の矢印で示す搬送方向に沿って搬送する機能を有する。この例では、測定対象物10は平板状の製品であり、その上面が測定対象となっている。もっとも、この不均一性測定装置は、必ずしも測定対象の「上面の構造的な不均一性」を測定するだけでなく、「測定対象の上面に形成された膜の厚みの不均一性」を測定する用途にも利用することが可能である。たとえば、測定対象物10上に、ある程度の透光性を有する材料からなる膜が形成されていた場合、膜の上面で反射した光と膜を透過して下面で反射した光との干渉による輝度分布が得られ、この輝度分布は膜厚の分布に依存したものになる。したがって、この不均一性測定装置により、測定対象物10の上面に形成された厚みの不均一性を測定することも可能である。光源112は、測定対象物10の上面の線状領域(紙面に垂直な領域)を照明する機能を有し、ラインセンサカメラ113は、当該照明領域を一次元の画像データとして取り込む機能を有している。搬送機111によって、測定対象物10は図の右方向へと搬送されてゆくので、ラインセンサカメラ113から出力される一次元画像データを時系列的に並べれば、測定対象物10の上面の二次元画像データを得ることができる。この二次元画像データは、所定の輝度値をもった二次元配列画素の集合からなる画像データ20になる。
もちろん、図2に示す撮像手段110の構成は一例を示すものであり、撮像手段110は、たとえば、二次元CCDカメラなどを用いて構成することも可能である。撮像時の解像度(画素の密度)は、任意に設定することが可能であるが、測定対象物10の性質により、前述したマクロ的な観察が可能な程度にしておくようにする。また、輝度値の階調数も任意に設定することができるが、ここでは説明の便宜上、輝度値を8ビットで入力することにより、1画素を0〜255の輝度値で表現した場合の例を述べることにする。したがって、撮像手段110によって入力された画像データ20は、0〜255の輝度値をもった画素の二次元配列として与えられることになる。
図3(a) は、撮像手段110によって入力した画像の一例を示す平面図であり、図3(b) は、この入力画像における一点鎖線上の画素の輝度値を示すグラフである。図3(a) に示す例では、画像上の2ヶ所にムラ領域U1,U2が形成されており、図3(b) に示すように、これらムラ領域U1,U2内の画素については、輝度値が低下している。本発明に係る光学特性の不均一性測定装置は、このようなムラ領域U1,U2の存在による光学特性の不均一性を定量的に評価するための装置である。
ここでは、説明の便宜上、まず、前掲の特許文献1に開示されている従来の定量化方法の基本概念を簡単に説明しておこう。図4は、この基本概念を説明するための輝度値分布グラフである。なお、図4は、一次元画素配列についての輝度値分布を示すグラフであるが、実際には、撮像手段110による撮像により、二次元画素配列についての輝度値分布が得られることになる。
従来の方法の基本的な考え方は、画像データを構成する個々の画素の輝度値の平均値を基準としてムラ領域の定義を行う、というものである。たとえば、図4に示す例では、図に破線で示す平均値Avの輝度レベルが基準として用いられ、この基準レベルよりも小さな輝度値を有する部分(図にハッチングを施して示す部分)が、ムラ領域U1,U2と定義され、定量的な評価が行われることになる。しかしながら、平均値Avを算出するプロセスでは、正常な領域の輝度値のみならず、ムラ領域U1,U2自身の輝度値も算入されるため、平均値Avを基準としてムラ領域を定義した場合、ムラ領域の正確な認識を行うことができず、精度の高い評価値を得ることができないという問題がある。たとえば、図4に示す例の場合、ムラ領域U1は、点P1〜P2の区間として認識され、ムラ領域U2は、点P3〜P4の区間として認識されているが、実際には、これら点P1〜P4は、各ムラ領域の正確な境界位置を示すものではない。図4に示す例の場合、ムラ領域の正確な境界位置は、点Q1〜Q4にならなければならない。
このように、輝度値の平均値を基準としてムラ領域を定義すると、必ずしも正確なムラ領域の定義を行うことができず、不均一性を示す評価値を高い精度で得ることができなくなる。本発明は、このような問題点に着目したものであり、その特徴は、輝度値の平均値Avの代わりに、輝度値の最頻値(最も出現頻度の高い輝度値:本明細書では、High Frequencyの頭文字をとってHfと記述する)を基準としてムラ領域の定義を行うようにする点にある。図5は、本発明の基本原理を説明するための一次元画素配列についての輝度値分布を示すグラフである。図示のとおり、輝度値の最頻値Hfを基準とし、この基準から外れる輝度値をもった画素からなる領域をムラ領域U1,U2と定義すれば、ムラ領域の境界をより正確に定義することができるようになる。具体的には、図5に示す例では、基準となる最頻値Hfよりも小さな輝度値を有する部分(図にハッチングを施して示す部分)が、ムラ領域U1,U2と定義され、定量的な評価が行われることになる。その結果、ムラ領域U1は、点Q1〜Q2の区間として認識され、ムラ領域U2は、点Q3〜Q4の区間として認識される。結局、図4に示す例に比べて、ムラ領域の境界位置をより正確に認識することが可能になり、精度の高い評価値を得ることができる。
図5に示すムラ領域U1,U2は、いずれも輝度値が最頻値Hfよりも小さいムラ領域であるが、逆に、輝度値が最頻値Hfよりも大きいムラ領域についての認識も可能である。たとえば、図6に示す例では、ムラ領域U1は、輝度値が最頻値Hfよりも小さいムラ領域であり、ムラ領域U2は、輝度値が最頻値Hfよりも大きいムラ領域である。やはり、点Q1〜Q4は、各ムラ領域の正確な境界位置を示している。
以上、便宜上、一次元画素配列についての輝度値分布を示すグラフを用いた説明を行ったが、実際には、二次元画素配列についての輝度値分布に基づいて、最頻値Hfが算出され、各ムラ領域は所定の面積をもった二次元領域として認識されることになる。
さて、再び図1を参照しながら、この装置の各構成要素の機能を説明する。既に述べたとおり、測定対象物10は、撮像手段110により撮像され、画像データ20が生成される。ここに示す実施形態では、撮像手段110により生成された画像データ20は、画像処理手段120に与えられ、所定の画像処理が施される。図示の画像データ30は、画像処理手段120によって画像処理が施された後のデータである。画像処理手段120による画像処理の内容については、後に詳述するが、たとえば、所定のフィルタ用マトリックスを用いたフィルタリング処理を実行することにより、ムラ領域を強調する処理を施すことが可能になる。なお、この画像処理手段120は、本発明を実施する上で必須の構成要素ではないので、画像処理が必要ない場合には、撮像手段110により生成された画像データ20を、画像データ30の代わりに用いてもかまわない。
こうして、画像処理手段120による画像処理が施された画像データ30(あるいは、撮像手段110で入力されたままの画像データ20)は、最頻値演算手段130、ムラ領域定義手段140、評価値算出手段150に与えられ、それぞれ所定の処理が実行される。
まず、最頻値演算手段130では、与えられた画像データ30(もしくは画像データ20)を構成する各画素の輝度値の最頻値Hfを求める処理が行われる。ここに示す例では、各画素は、8ビットの輝度値、すなわち、0〜255のいずれかの輝度値を有している。最頻値演算手段130では、画像を構成する全画素のもつ輝度値についての最頻値Hfが求められる。こうして求められた最頻値Hfは、ムラ領域定義手段140および評価値算出手段150に与えられる。
ムラ領域定義手段140は、与えられた最頻値Hfに基づいて、ムラ領域を定義する処理を実行する。その基本原理は、既に述べたとおりである。たとえば、図6に示す例の場合、最頻値Hfよりも小さな輝度値をもつ画素の集合としてムラ領域U1が定義され、最頻値Hfよりも大きな輝度値をもつ画素の集合としてムラ領域U2が定義されている。したがって、たとえば、輝度値の最頻値Hf=128であったような場合、輝度値が127以下の画素からなる領域および輝度値が129以上の画素からなる領域が、それぞれムラ領域として定義されることになる。
ただ、実用上は、ムラ領域ではない正常な領域(非ムラ領域)の画素の輝度値は、必ずしも最頻値Hfに等しくなるわけではないので、ムラ領域か否かの判断には、ある程度の許容誤差をもたせておくのが好ましい。具体的には、最頻値Hfに対する上方許容誤差Δ1と、下方許容誤差Δ2とを定義し、上限閾値Hf+Δ1および下限閾値Hf−Δ2を設定し、輝度値が上限閾値Hf+Δ1以下であり、かつ、下限閾値Hf−Δ2以上であるような画素からなる領域を非ムラ領域と認定し、輝度値が上限閾値Hf+Δ1を越えるか、あるいは下限閾値Hf−Δ2未満であるような画素からなる領域をムラ領域と認定すればよい。別言すれば、画像データを構成する各画素のそれぞれについて、輝度値と最頻値Hfとの差を求め、差が所定の許容誤差を越える画素からなる領域をムラ領域と定義すればよい。
たとえば、輝度値の最頻値が、Hf=128であり、上方許容誤差Δ1および下方許容誤差Δ2をいずれも3に設定した場合、上限閾値は、Hf+Δ1=131、下限閾値は、Hf−Δ2=125になるので、輝度値が132以上の画素からなる領域および輝度値が124以下の画素からなる領域(輝度値と最頻値Hfとの差が許容誤差3を越える画素からなる領域)がムラ領域と定義されることになる。
こうして、最頻値Hfおよび各ムラ領域が定まると、評価値算出手段150によって、測定対象物10についての光学特性の不均一性を示す評価値が算出される。この評価値としては、ムラ領域内の各画素の輝度値と最頻値Hfとの隔たりの程度を示す値を用いればよい。ここに示す実施形態の場合、「ムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と最頻値Hfとの差』の合計を、画像データを構成する全画素数で除した値」を評価値として算出するようにしている。
たとえば、図7に示すような輝度値分布が得られた場合、それぞれ輝度値K1〜K13をもった13個の画素によってムラ領域が構成されることになる。この場合、ムラ領域内の各画素について求めた輝度値K1〜K13と最頻値Hfとの差の合計値は、
Σi=1〜13 |Ki−Hf|
なる式で表されるので、評価値Mは、画像内の全画素数をGとすれば、
M = (Σi=1〜13 |Ki−Hf|) / G
なる式で得られることになる。輝度値K1〜K13と最頻値Hfとの差は絶対値として求めているので、図6に示すように、輝度値が最頻値Hfよりも小さいムラ領域U1と、輝度値が最頻値Hfよりも大きいムラ領域U2との双方が存在する場合にも、最頻値Hfからの隔たりの程度を集計することができる。なお、差の合計を、画像内の全画素数Gで除しているのは、画像の全面積に応じた正規化を行うためである。一般に、測定対象物10の面積が大きくなればなるほど、ムラ領域の面積も増えることになるので、画像の全面積に応じて正規化を行って評価値Mを求めるようにすれば、面積の大きな測定対象物と面積の小さな測定対象物とについて、同一尺度の評価値Mを用いてムラの程度を比較することができるようになる。
良否判定手段210は、こうして算出された評価値Mに基づいて、測定対象物10として与えられた製品(良否判定の対象製品)の良否判定を行う。すなわち、良否判定手段210内には、あらかじめ評価値Mについての許容値が記憶されており、良否判定の対象製品を測定対象物10として用意したときに、評価値算出手段150によって算出される評価値Mが、この許容値以内である場合には良品、許容値を越える場合には不良品と判定し、良否判定結果を出力する処理が行われる。その結果、ムラの程度が著しい製品については、不良品との判定結果が得られることになる。
ところで、本発明に係る光学特性の不均一性測定装置を用いた測定を行うと、画像データ30内に不均一性が生じている場合には、当該不均一性の程度が、評価値算出手段150から出力される評価値として示されることになる。しかしながら、画像データ30内の各画素のもつ輝度値が均一である限りは、当該輝度値が本来の輝度値から著しく外れていたとしても、そのような事実を評価値として示すことはできない。
たとえば、良品を測定対象物10として与えた結果、ほとんどの画素の輝度値が128になるような画像データ30が得られたとしよう。別言すれば、全画素の輝度値が128になるような画像データ30が得られれば、測定対象物10として与えられた良否判定の対象製品は良品と判断できることになる。この場合、もし良否判定の対象製品について、一部の領域の輝度値が50になるような画像データ30や、一部の領域の輝度値が240になるような画像データ30が得られた場合には、当該一部の領域がムラ領域と認識され、このムラ領域の輝度値と最頻値128との隔たりを示す評価値が出力されることになるので、良否判定手段210は、当該対象製品を不良品と判定することができる。
ところが、全画素の輝度値が50になるような対象製品や、全画素の輝度値が240になるような対象製品の場合、輝度値の最頻値Hfはそれぞれ50および240になるため、ムラ領域は認識されず、評価値算出手段150から出力される評価値は良品についての評価値と全く変わりない。これは、評価値算出手段150から出力される評価値が、あくまでも光学特性の不均一性を示す評価値であり、製品の良否を示す評価値ではないことから、むしろ当然である。しかしながら、本来の良品であれば、全画素の輝度値が128になるべきところ、全画素の輝度値が50になったり、240になったりする測定結果が得られたとすれば、そのような対象製品は明らかに不良品である。
そこで、実用上は、良否判定手段210には、予め良品についての基準最頻値SHfを記憶させておき、良否判定の対象製品について求められた最頻値Hfとこの基準最頻値SHfとの差が、所定の許容値を越える場合には、当該対象製品を不良品とする判定を行う機能ももたせておくのが好ましい。
具体的には、まず、標準的な良品からなる基準製品を用意し、この基準製品を測定対象物10として与えたときに、最頻値演算手段130によって求められた最頻値を基準最頻値SHfとして、予め良否判定手段210内に記憶させておくようにする。上述の例の場合、値128が基準最頻値SHfとして記憶されることになる。そして、良否判定手段210が、個々の良否判定の対象製品についての判定を行う際には、評価値算出手段150から与えられる評価値に基づく判定を行うとともに、最頻値演算手段130が求めた最頻値Hfと基準最頻値SHfとの差に基づく判定も行うようにすればよい。この差が所定の許容値を越える場合には、不良品なる判定が行われることになる。上述の例のように、50あるいは240といった最頻値が得られた場合、基準最頻値128との差が大きいため、不良品なる判定がなされることになる。
以上、図1のブロック図に基づいて、本発明の一実施形態に係る光学特性の不均一性測定装置およびこれを利用した製品良否判定装置の構成を説明した。この図1にブロックとして示す各構成要素のうち、撮像手段110は、図2に示すような具体的な撮像装置によって構成される要素であるが、画像処理手段120、最頻値演算手段130、ムラ領域定義手段140、評価値算出手段150、良否判定手段210は、いずれもコンピュータに専用のプログラムを組み込むことにより構成される要素である。したがって、本発明に係る光学特性の不均一性測定装置あるいは製品良否判定装置は、実際には、図2に示す各構成要素にコンピュータを接続することにより実現することができる。
続いて、画像処理手段120で実施される画像変換処理の具体的を述べておく。前述したように、画像処理手段120は、撮像手段により生成された画像データ20に対して所定の画像処理を施し、画像データ30を生成する機能を有している。この実施形態の場合、所定のフィルタ用マトリックスを用いたフィルタリング処理が実行される。図8は、このようなフィルタ用マトリックスの一例を示す図である。図8(a) は3行3列のマトリックス、図8(b) は5行5列のマトリックスであり、いずれも二次元画素配列を二次微分する機能を果たすフィルタを構成する。いずれのフィルタも、中心部のセルの値が+4、外周部の各辺の中央のセルの値が−1、その他のセルの値が0となっており、このようなフィルタを用いたフィルタリング処理を施すことにより、方向性をもたないムラを強調する効果が得られる。マトリックスの大きさに応じた大きさのムラを強調する効果が得られるので、用いるマトリックスの大きさは、強調したいムラの大きさに応じて定めるようにすればよい。
一方、図9は、方向性をもったムラを強調する効果を有する一次元マトリックスの一例を示す図である。いずれのフィルタも、中心部のセルの値が+2、両端部のセルの値が−1、その他のセルの値が0となっており、このようなフィルタを用いたフィルタリング処理を施すことにより、方向性をもたないムラを強調する効果が得られる。具体的には、図9(a) に示す縦長の一次元マトリックスは、図示のような横長のムラ領域U3を強調する効果を有し、図9(b) に示す横長の一次元マトリックスは、図示のような縦長のムラ領域U4を強調する効果を有する。一次元マトリックスの長さと強調されるムラの短辺方向の長さとの間には相関があるので、用いるマトリックスの長さは、強調したいムラの短編方向の長さに応じて定めるようにすればよい。
この他、ムラが周期的に生じる可能性のある測定対象物10については、周期性をもつ不均一性を強調する作用をもったフィルタ用マトリックスを用いたフィルタリング処理を実施すればよい。もちろん、画像処理手段120で行う画像処理は、ムラを強調する画像処理に限定されるわけではなく、たとえば、平均値フィルタやガウシアンフィルタなどの平滑化フィルタを用いた画像処理を行ってもかまわない。なお、上述した種々のマトリックスを用いたフィルタリング処理は公知の技術であるので、具体的なフィルタリング処理の手順についての説明は本願では省略する。
図10は、図1に示す製品良否判定装置を用いた製品検査の手順を示す流れ図である。まず、ステップS1において、画像データの入力処理が行われる。具体的には、図2に示すような構成をもつ撮像手段110を用いて、測定対象物10(良否判定の対象製品)を撮像する作業が行われる。実際には、ラインセンサカメラ113から得られる画像データが、画像データ20としてコンピュータに入力されることになる。続く、ステップS2では、入力された画像データ20に対して、画像処理手段120による画像処理が実施される。具体的には、上述したフィルタを用いたフィルタリング処理が実施され、画像データ30が得られる。
次に、ステップS3において、画像データ30を構成する個々の画素の輝度値についての最頻値Hfが求められる。これは、図1に示す最頻値演算手段130の処理として述べたとおりである。そして、ステップS4において、この最頻値Hfと、予め記憶されていた基準最頻値SHfとの差が、予め設定されていた所定の許容値TH1以内であるかが判定される。ここで、基準最頻値SHfは、予め基準となる良品について測定しておいた基準となる最頻値の値である。両者の差が、許容値TH1を越えていた場合には、このステップS4の段階で、当該対象製品を不良品とする判定(ステップS9)が行われることになる。これは、既に説明したとおり、画像データを構成する全画素の輝度値が均一であっても、良品の輝度値とは大きく異なる輝度値をもった製品については、不良品として排除するための措置であり、良否判定手段210によって実行される。
ステップS4において、差が許容値TH1以内であると判断された場合には、ステップS5において、ムラ領域Uの定義が行われる。すなわち、予め定められた所定の許容誤差Δ1,Δ2に基づいて、上限閾値Hf+Δ1および下限閾値Hf−Δ2が設定され、上限閾値Hf+Δ1を越える輝度値を有する画素の集合からなる領域および下限閾値Hf−Δ2未満の輝度値を有する画素の集合からなる領域が、ムラ領域Uと定義されることになる。これは、図1に示すムラ領域定義手段140の処理として述べたとおりである。
続くステップS6では、評価値Mの算出が行われる。具体的には、図1に示す評価値算出手段150の処理として述べたとおり、
M = (Σi=1〜n |Ki−Hf|) / G
なる式により、評価値Mが得られることになる。ここで、Kiは、ムラ領域に所属する第i番目の画素の輝度値であり、nは、ムラ領域に所属する画素の総数、Gは画像内の画素の総数である。
そして、ステップS7において、得られた評価値Mが、予め設定されていた所定の許容値TH2以内であるかが判定される。評価値M≦許容値TH2であった場合には、ステップS8へと進み、良品との判定がなされ、評価値M>許容値TH2であった場合には、ステップS9へと進み、不良品との判定がなされることになる。この判定処理は、図1に示す良否判定手段210の処理として述べたとおりである。
結局、この図10の流れ図に示す手順によれば、測定対象物10として与えられた良否判定の対象製品について、2とおりの基準による良否判定がなされることになる。第1の基準は、ステップS4における判定基準であり、ステップS3で求められた最頻値Hfと基準最頻値SHfとの差が許容値TH1以内であるかどうかの判定が行われる。この判定により、輝度値が全体的に良品の輝度値と外れているような製品については、ムラ領域が存在しなくても不良品として排除されることになる。そして、第2の基準は、ステップS7における判定基準であり、ステップS6で求められた不均一性の評価値Mが許容値TH2以内であるかどうかの判定が行われる。この判定により、ムラの程度が大きな製品については、不良品として排除されることになる。
最後に、局在化したムラについての評価値をより適確に得るための変形例を述べておく。上述した実施形態の場合、評価値算出手段150によって算出される評価値Mは、画像内の全画素数Gで除する正規化が行われた値となっている。このような正規化は、測定対象物10の面積に左右されない評価値を得るという意味では有用であるが、画像内の一部分のみに局在化して顕著なムラが生じていたような場合、最終的な評価値Mは、全画素数Gによる除算が行われた値になるため、比較的小さな値になってしまうという欠点がある。ここで述べる変形例は、このような欠点を補うためのものである。
この変形例では、評価値算出手段150により、処理対象となる画像データによって示される画像を複数のブロックに分割する処理が行われ、個々のブロックごとに、「当該ブロック内に存在するムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と画像データ全体について求められた最頻値との差』の合計を、当該ブロック内の全画素数で除した値」が、当該ブロックに関する評価値として算出される。そして、ブロックごとに算出された評価値のうちの最大値が、画像データ全体についての評価値として出力されることになる。
この変形例の目的を、図示する具体例に即して説明しよう。いま、図11に示すように、元の画像を16個のブロックB11〜B16に分割したものとしよう。ここで、図のブロックB16内にハッチングを施して示す領域がムラ領域であったとすると、上述の式による評価値Mは、このムラ領域内の各画素のもつ輝度値と最頻値Hfとの差の合計を、全画像(16個のブロックをすべて含む領域)の画素数で除することにより得られる。いわば、全画像の面積による除算により正規化が行われることになる。もちろん、このような正規化処理は、ムラが全画像に分布している場合には有効である。ところが、図示のように、ムラ領域がブロックB16内にのみ局在しているようなケースでは、ブロックB16内のムラの程度を示すパラメータを、ムラが存在しないその他のブロックB1〜B15を含む全画像の面積で除することになるため、ムラの程度が希釈化されてしまうことになる。実際、図のブロック16のみを画像データ30として与えた場合に得られる評価値と、図の16個のブロックすべてを含む画像を画像データ30として与えた場合に得られる評価値とを比較すると、後者は前者の16分の1の値となってしまう。このような事態は、図示のように、欠陥となるムラ領域を含む製品を、良品と判断する誤った処理を行う原因になり好ましくない。
このような欠点を是正するためには、次のような処理を行えばよい。まず、最頻値演算手段130における最頻値Hfを求める処理や、ムラ領域定義手段140におけるムラ領域を定義する処理は、これまで述べてきた基本的な実施形態と同様に、全16個のブロックからなる全体の画像を処理対象として実行する。そして、評価値算出手段150における評価値の算出処理を行う際にだけ、個々のブロックごとに、評価値の算出を別個独立して行うようにする。具体的には、個々のブロックについて、「当該ブロック内に存在するムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と画像データ全体について求められた最頻値との差』の合計を、当該ブロック内の全画素数で除した値」を、当該ブロックに関する評価値として算出するようにする。すなわち、図示のブロックB16についての評価値M16は、図にハッチングを施して示すムラ領域内の各画素についての『輝度値と、画像全体について求められた最頻値Hfとの差』の合計を、ブロックB16内の全画素数で除した値として求められる。
要するに、ここで述べる変形例では、最頻値Hfを求める際には、全16ブロックに所属するすべての画素の輝度値を対象にするのに対し、ブロックB16についての評価値M16を計算する上での除数としては、ブロックB16内の画素数を用いるようにする。いわば、ブロックB16内のムラの程度を示すパラメータを、画像の全面積ではなく、ブロックB16の面積で正規化した値として、ブロックB16についての固有の評価値M16が算出されることになる。同様に、ブロックB1〜B15についても、それぞれ固有の評価値M1〜M15が算出される(図示の例の場合、ブロックB1〜B15にはムラ領域は存在しないので、M1〜M15はいずれも0になる)。こうしてブロックごとに算出された評価値M1〜M16のうちの最大値を、画像全体についての評価値として定義する。この例の場合、ブロックB16について算出された評価値M16が、この画像全体についての評価値Mとして出力されることになる。
このようなアプローチをとれば、図示のように、ムラが局在するような画像についても、より適確な評価値を算出することができるようになり、ムラが局在する製品があったとしても、これを不良品とする正しい判定を下すことができるようになる。なお、個々のブロックの大きさは、実際の製品に生じるムラの大きさや分布具合などを考慮して適宜定めるようにすればよい。また、ブロックの分割態様は、必ずしも図11に示すように、個々のブロックがそれぞれ別個独立した領域となるようにする必要はない。たとえば、図12に示すように、ブロックB1の一部とブロックB2の一部とが共通の領域を有するように、複数のブロック間において空間的に重複する領域が生じるような分割態様も可能である。
本発明の一実施形態に係る製品良否判定装置の基本構成を示すブロック図である。 図1に示す撮像手段110の具体的な構成例を示す側面図である。 (a) は、撮像手段110によって入力した画像の一例を示す平面図であり、(b) は、この入力画像における一点鎖線上の画素の輝度値を示すグラフである。 先行技術として開示されている不均一性測定方法における不均一性の定量化の概念を示す一次元輝度値分布グラフである。 本発明に係る不均一性測定方法における不均一性の定量化の概念を示す一次元輝度値分布グラフである。 本発明に係る不均一性測定方法によって認識された輝度値の小さなムラ領域U1と輝度値の大きなムラ領域U2を示す一次元輝度値分布グラフである。 本発明に係る不均一性測定方法によって測定された画素の一次元輝度値分布の一例を示すグラフである。 図1に示す画像処理手段120による画像処理に利用されるフィルタ用マトリックスの一例(方向性をもたないムラを強調する効果をもったマトリックスの例)を示す図である。 図1に示す画像処理手段120による画像処理に利用されるフィルタ用マトリックスの別な一例(方向性をもったムラを強調する効果をもったマトリックスの例)を示す図である。 図1に示す製品良否判定装置を用いた製品検査の手順を示す流れ図である。 本発明の変形例に係る不均一性測定装置で実施される画像の分割態様の一例を示す平面図である。 本発明の変形例に係る不均一性測定装置で実施される画像の別な分割態様の一例を示す平面図である。
符号の説明
10…測定対象物
20…画像データ(入力されたままの画像データ)
30…画像データ(画像処理後の画像データ)
110…撮像手段
111…搬送機
112…光源
113…ラインセンサカメラ
Av…輝度値の平均値
B1〜B16…分割ブロック
Hf…輝度値の最頻値
K1〜K13…輝度値
P1〜P4…グラフ上の点
Q1〜Q4…グラフ上の点
S1〜S9…流れ図の各ステップ
U1〜U4…ムラ領域

Claims (13)

  1. 光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定するための方法であって、
    測定対象物を撮像することにより、所定の輝度値をもった画素の集合からなる画像データを入力する画像データ入力段階と、
    前記画像データ入力段階によって入力された画像データを構成する各画素の輝度値の最頻値を求める最頻値演算段階と、
    前記画像データを構成する各画素のそれぞれについて輝度値と前記最頻値との差を求め、差が所定の許容誤差を越える画素からなる領域をムラ領域と定義するムラ領域定義段階と、
    前記ムラ領域内の各画素の輝度値と前記最頻値との隔たりの程度を示す値を、前記測定対象物についての光学特性の不均一性を示す評価値として求める評価値算出段階と、
    を有することを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  2. 請求項1に記載の不均一性測定方法において、
    画像データ入力段階で入力された画像データに対して、所定の画像処理を施す画像処理段階を更に有し、
    最頻値演算段階において、前記画像処理が施された画像データに対して最頻値を求める処理を行い、ムラ領域定義段階において、前記画像処理が施された画像データに対してムラ領域を定義する処理を行い、評価値算出段階において、前記画像処理が施された画像データに対して評価値を求める処理を行うことを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  3. 請求項1または2に記載の不均一性測定方法において、
    評価値算出段階において、「ムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と最頻値との差』の合計を、画像データを構成する全画素数で除した値」を評価値として算出することを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  4. 請求項3に記載の不均一性測定方法において、
    評価値算出段階において、処理対象となる画像データによって示される画像を複数のブロックに分割し、個々のブロックごとに、「当該ブロック内に存在するムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と前記画像データ全体について求められた最頻値との差』の合計を、当該ブロック内の全画素数で除した値」を当該ブロックに関する評価値として算出し、ブロックごとに算出された評価値のうちの最大値を、前記画像データ全体についての評価値とすることを特徴とする光学特性の不均一性測定方法。
  5. 光学特性が均一であるべき測定対象物について、光学特性の不均一性を定量的に測定するための装置であって、
    測定対象物を撮像することにより、所定の輝度値をもった画素の集合からなる画像データを生成する撮像手段と、
    前記撮像手段によって生成された画像データを構成する各画素の輝度値の最頻値を求める最頻値演算手段と、
    前記画像データを構成する各画素のそれぞれについて輝度値と前記最頻値との差を求め、差が所定の許容誤差を越える画素からなる領域をムラ領域と定義するムラ領域定義手段と、
    前記ムラ領域内の各画素の輝度値と前記最頻値との隔たりの程度を示す値を、前記測定対象物についての光学特性の不均一性を示す評価値として求める評価値算出手段と、
    を備えることを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  6. 請求項5に記載の不均一性測定装置において、
    撮像手段により生成された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理手段を更に備え、
    最頻値演算手段が、前記画像処理が施された画像データに対して最頻値を求める処理を行い、ムラ領域定義手段が、前記画像処理が施された画像データに対してムラ領域を定義する処理を行い、評価値算出手段が、前記画像処理が施された画像データに対して評価値を求める処理を行うことを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  7. 請求項6に記載の不均一性測定装置において、
    画像処理手段が、所定のフィルタ用マトリックスを用いたフィルタリング処理を実行することを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  8. 請求項7に記載の不均一性測定装置において、
    画像処理手段が、特定の方向性もしくは周期性をもつ不均一性を強調する作用をもったフィルタ用マトリックスを用いたフィルタリング処理を実行することを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  9. 請求項5〜8のいずれかに記載の不均一性測定装置において、
    評価値算出手段が、「ムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と最頻値との差』の合計を、画像データを構成する全画素数で除した値」を評価値として算出することを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  10. 請求項9に記載の不均一性測定装置において、
    評価値算出手段が、処理対象となる画像データによって示される画像を複数のブロックに分割し、個々のブロックごとに、「当該ブロック内に存在するムラ領域内の各画素について求めた『輝度値と前記画像データ全体について求められた最頻値との差』の合計を、当該ブロック内の全画素数で除した値」を当該ブロックに関する評価値として算出し、ブロックごとに算出された評価値のうちの最大値を、前記画像データ全体についての評価値とすることを特徴とする光学特性の不均一性測定装置。
  11. 請求項5〜10のいずれかに記載の不均一性測定装置に、更に良否判定手段を付加することにより構成される製品良否判定装置であって、
    前記良否判定手段が、良否判定の対象製品を測定対象物として前記不均一性測定装置に与えたときに、評価値算出手段によって算出される評価値が、所定の許容値以内である場合には良品、前記許容値を越える場合には不良品と判定することを特徴とする製品良否判定装置。
  12. 請求項11に記載の製品良否判定装置において、
    良否判定手段が、標準的な良品からなる基準製品を測定対象物として不均一性測定装置に与えたときに最頻値演算手段によって求められた最頻値を、基準最頻値として記憶する機能を有し、良否判定の対象製品について求められた最頻値と前記基準最頻値との差が、所定の許容値を越える場合には、当該対象製品を不良品とする判定を行うことを特徴とする製品良否判定装置。
  13. 請求項5〜10のいずれかに記載の光学特性の不均一性測定装置もしくは請求項11または12に記載の製品良否判定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムまたはこのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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