JP2005112772A - クロメン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発色時の色調が中間色を示し、発色感度が高く、退色速度が速く、良好なフォトクロミック性の耐久性を有するフォトクロミック化合物を提供する。
【解決手段】 下記式で示される化合物のように、インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造を基本骨格として有し、該インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造の8位の炭素原子にメトキシ基等のHammett数σの絶対値が0.01以上の置換基を有するクロメン化合物。
【化1】
Figure 2005112772

【選択図】 なし

Description

本発明は、フォトクロミック眼鏡レンズの用のフォトクロミック化合物として有用な新規なクロメン化合物に関する。
フォトクロミズムとは、ある化合物に太陽光あるいは水銀灯の光のような紫外線を含む光を照射すると速やかに色が変わり、光の照射をやめて暗所におくと元の色に戻る可逆作用のことである。この性質を有する化合物はフォトクロミック化合物と呼ばれ、フォトクロミックプラスチックレンズの材料として使用されている。
このような用途に使用されるフォトクロミック化合物においては、(1)紫外線を照射する前の可視光領域での着色度(以下、初期着色という。)が低い、(2)紫外線を照射した時の着色度(以下、発色濃度と言う。)が高い、(3)紫外線を照射し始めてから発色濃度が飽和に達するまでの速度が速い(以下、発色感度が高いともいう。)、(4)紫外線の照射を止めてから元の状態に戻るまでの速度(以下、退色速度という。)が速い、(5)この可逆作用の繰り返し耐久性がよい及び(6)使用されるホスト材料への分散性が高くなるように、硬化後にホスト材料となるモノマー組成物に高濃度に溶解するといった特性が求められている。
このような要求を満足し得るフォトクロミック化合物としては、インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造を基本骨格として有するクロメン化合物が知られている(特許文献1及び2参照)。
一方、フォトクロミックプラスチックレンズにおいては、グレーまたはブラウンなどの中間色に発色することが好まれており、このような中間色は、発色時の色調の異なる数種類のフォトクロミック化合物、具体的には430〜530nmに発色時の極大吸収を有する黄色〜赤色の化合物と、550〜650nmに発色時の極大吸収を有する紫色〜青色の化合物とを混合することによって得られている。
しかしながら、このような方法で色調調節を行なった場合には、混合された化合物のフォトクロミック物性の違いにより、種々の問題が生じる。例えば、黄色に発色する化合物の繰り返し耐久性が青色に発色する化合物のそれと比較して低い場合、長期にわたって使用していくと、徐々に発色色調が青色の強い色調へと変化してしまうという問題が発生し、また、黄色化合物の発色感度と退色速度が青色化合物のそれと比べて低い場合、発色途中の色調は青みが強く、退色途中の色調は黄色みが強い色調となってしまうという問題等が発生する。
このような問題は、発色時に2つ以上の吸収極大を有し、単一の化合物で中間色に発色する化合物を使用することにより解決できると考えられる。これまで発色時に2以上の吸収極大を有するフォトクロミック化合物として下記式(A)〜(C)に示すような化合物が知られているが、中間色に発色し且つ前記(1)〜(6)に示すような要求を満足するフォトクロミック化合物は知られていない。
即ち、下記式(A)
Figure 2005112772
で示されるクロメン化合物(特許文献3参照)は、430〜530nmの吸収が、550〜650nmの吸収に比べて低く、発色色調としては中間色を示さない。
また、下記式(B)
Figure 2005112772
で示されるクロメン化合物(特許文献4参照)は、初期着色が高い上、繰り返し耐久性が低いという問題があった。
また、下記式(C)
Figure 2005112772
で示されるクロメン化合物(特許文献5参照)は、中間色に発色するものの、退色速度が遅い上、繰り返し耐久性が今一つ低いという問題があった。
国際公開第99/15518号パンフレット 国際公開第2001/60811号パンフレット 国際公開第96/14596号パンフレット 国際公開第2000/35902号パンフレット 国際公開第2001/19813号パンフレット
そこで、本発明は、発色色調として中間色を示し、さらに上記した化合物に比べフォトクロミック特性をさらに向上させ、初期着色が少なく、発色感度が高く、退色速度が速く、且つ劣化時の着色の少なく、繰り返し使用した場合の発色濃度の低下が少ない、すなわちフォトクロミック性の耐久性に優れたクロメン化合物であり、さらに使用する基材となるモノマー組成物に高濃度で溶解しうるクロメン化合物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった。その結果、優れたフォトクロミック特性を与えることが知られているインデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造を基本骨格として有するクロメン化合物において、インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造の8位に特定の置換基を導入した場合には、その優れたフォトクロミック特性を損なうことなく中間色に発色するという知見を得、本発明を完成するに至った。
即ち、第一の本発明は、下記式
Figure 2005112772
(式中、数字は炭素原子および酸素原子の位置を表す。)
で示されるインデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造を基本骨格として有するクロメン化合物であって、前記インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造の8位の炭素原子に、Hammett数σpの絶対値が0.01以上の置換基を有することを特徴とする前記クロメン化合物である。
また、第二の本発明は、上記本発明のクロメン化合物を含有するフォトクロミック組成物である。さらに第三の本発明は、その内部に前記本発明のクロメン化合物が分散した高分子成型体を構成部材として有するフォトクロミック光学物品であり、第四の本発明は、少なくとも1つの面の全部又は一部が本発明のクロメン化合物が分散した高分子膜で被覆された光学基材を構成部材として有する光学物品である。
本発明のクロメン化合物は、発色時の色調が中間色を示し、初期着色が小さく、発色感度が高い、発色濃度が高い、および溶液中または高分子固体マトリックス中に分散させても速い退色速度を示すという優れたフォトクロミック性を示すばかりでなく、優れた耐久性を示す。したがって、例えば、本発明のクロメン化合物を用いてフォトクロミックレンズを作成した場合には、屋外へ出た時にすばやく、濃く中間色に発色して、屋外から室内に戻った時にすばやく退色して元の色調に戻り、さらに長時間使用可能な耐久性の高いフォトクロミックレンズを得ることが出来る。
本発明のクロメン化合物は前記したインデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造を基本骨格として有し、該インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造の8位の炭素原子に、Hammett数σの絶対値が0.01以上の置換基{当該置換基は前記式(1)におけるRに相当する。}を有することを特徴とする。ある特定の置換基「X」のHammett数σはp位に置換基Xが結合したp−置換安息香酸の解離定数K、置換基Xを有しない安息香酸の解離定数基準K及び反応定数ρ用いて下記式
log(K/K)=ρσ
で定義されるものであり、様々な置換基についてのσがこれまでに調べられている(例えば、稲本直樹著、「化学セミナー10 ハメット則−構造と反応性−」、昭和58年6月20日、丸善株式会社発行、付録Iの付表1参照。)
インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造を基本骨格として有するクロメン化合物は、優れたフォトクロミック特性を示すことが知られているが、その8位に上記特定の置換基を有することによりその優れたフォトクロミック特性を維持しつつ、単一化合物で濃く中間色に発色することが可能となる。
インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造の8位の炭素原子に結合する置換基は、σの絶対値が0.01以上の置換基であれば特に制限されないが、(s1)アルキル基、(s2)アルコキシ基、(s3)アリール基、(s4)アラルコキシ基、(s5)アミノ基、(s6)メルカプト基、(s7)アシル基、(s8)ハロゲン原子および(s9)シアノ基から成る群より選ばれる少なくとも1種の置換基であるのが好適である。
前記(s1)のアルキル基は特に制限はされないが、一般的には炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。好適なアルキル基を例示すると、メチル基(σ=−0.14)、エチル基(σ=−0.13)、n−プロピル基(σ=−0.12)、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基(σ=−0.15)等を挙げることができる。前記(s2)のアルコキシ基は特に制限されないが、一般的には炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。好適なアルコキシ基を具体的に例示すると、メトキシ基(σ=―0.28)、エトキシ基(σ=−0.21)、n−プロポキシ基(σ=−0.26)、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。前記(s3)のアリール基は、特に制限はされないが、一般的には炭素数6〜10のアリール基が好ましい。好適なアリール基を例示すると、フェニル基(σ=−0.01)、1−ナフチル基(σ=−0.08)、2−ナフチル基(σ=−0.02)等を挙げることができる。置換アリール基における置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、アリール基の他、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とアリール基とが結合する置換もしくは非置換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基等が置換したもの{結合する環がアリール基の環である他は、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とアリール基とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基と同じである。}、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。これら置換基が結合する位置は特に限定されず、その総数も特に限定されない。前記(s4)のアラルコキシ基としては、特に限定はされないが、炭素数6〜10のアラルコキシ基が好ましい。好適なアラルコキシ基を具体的に例示すると、フェノキシ基(σ=−0.49)、ナフトキシ基等を挙げることができる。前記(s5)のアミノ基としては、特に限定はされないが、アルキル基またはアリール基が置換したアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、またはジアリールアミノ基が好ましい。好適な置換アミノ基を具体的に例示すると、メチルアミノ基(σ=−0.77)、エチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジメチルアミノ基(σ=−0.83)、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基(σ=−0.11)、モルホリノ基(σ=−0.50)、ピペリジノ基(σ=−0.83)、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、インドリニル基等を挙げることができる。前記(s6)のメルカプト基は特に制限はされないが、一般的には炭素数1〜5のメルカプト基が好ましい。好適なメルカプト基を具体的に例示すると、メチルメルカプト基(σ=0.28)、エチルメルカプト基、n−プロピルメルカプト基、イソプロピルメルカプト基、n−ブチルメルカプト基、sec−ブチルメルカプト基、t−ブチルメルカプト基等を挙げることができる。前記(s7)のアシル基は特に制限されないが、一般的には炭素数1〜5のアシル基が好ましい。好適なアシル基を具体的に例示すると、エタノイル基(σ=0.44)、n−プロパノイル基、イソプロパノイル基、n−ブタノイル基、sec−ブタノイル基、t−ブタノイル基等を挙げることができる。前記(s8)のハロゲン原子としてはフッ素原子(σ=0.06)、塩素原子(σ=0.22)、臭素原子(σ=0.23)、又はヨウ素原子(σ=0.28)を挙げることができる。
また、前記一般式(1)中のRは色素のダブルピーク性が特によいという観点からHammett数σが負となる基が特に好適である。Hammett数σが負の値をとる基は、一般的には電子供与性基に属する。このようなHammett数σが負となる電子供与性基としては上述の基の中では、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルコキシ基、アミノ基、メルカプト基等が該当する。
本発明のクロメン化合物の中でも、発色時の色調が中間色を示し、発色感度が高く、退色速度が速く、良好なフォトクロミック性の耐久性を有するという観点から、下記式(1)で示されるクロメン化合物が好適である。
Figure 2005112772
上記式(1)中のRおよびRは、それぞれ独立に、下記グループ(I)又は(II)の何れかのグループに属する基の中から選ばれる1種の基であるか、又はR及びRが互いに結合してインデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造の13位にスピロ結合する環であって下記グループ(III)に属する何れか1種の環を形成する基である。
〔グループ(I)〕
(i-1)水素原子;(i-2)ヒドロキシ基;(i-3)置換若しくは非置換のアルキル基;(i-4)置換若しくは非置換のシクロアルキル基;(i-5)置換若しくは非置換のアリール基;及び(i-6)ハロゲン原子。
〔グループ(II)〕
(ii-1) −C(O)Wで示される基〔但し、Wはヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、モノ置換フェニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基1個を置換基として有するモノアルキルアミノ基または炭素数1〜6のアルキル基2個を置換基として有するジアルキルアミノ基である。〕;
(ii-2) −ORで示される基〔但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換基としてフェニル基1個を有する炭素数1〜3(該炭素数にフェニル基の炭素数は含まない)のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基が1個結合しているモノアルキル置換フェニル基を置換基として有する炭素数1〜3(該炭素数に当該置換基の炭素数は含まない)アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が1個結合しているモノアルコキシ置換フェニル基を置換基として有する炭素数1〜3(該炭素数に当該置換基の炭素数は含まない)のアルキル基、置換基として炭素数1〜6のアルコキシ基を有する炭素数2〜4(該炭素数に当該置換基の炭素数は含まない)のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、置換基として炭素数1〜4のアルキル基1個を有する環を構成する炭素数が3〜7のモノアルキル置換シクロアルキル基、炭素数1〜6のクロロアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、−CH(R)Xで示される基である{但し、Rは、水素または炭素数1〜3のアルキル基であり、Xは−CN、−CFまたは−COOR10で示される基である(但し、R10は水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)}〕;及び
(ii-3) −C(O)Yで示される基である(但し、Yは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、非置換のアリール基、モノまたはジ置換のアリール基、フェノキシ基、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を1又は2有するモノまたはジアルキル置換フェノキシ基、置換基として炭素数1〜6のアルコキシ基を1又は2有するモノまたはジアルコキシ置換フェノキシ基、アミノ基、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を1又は2有するモノ又はジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基が1個又は2個結合しているモノ又はジアルキル置換フェニル基を置換基として有する置換アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基が1個又は2個結合しているモノ又はジアルコキシ置換フェニル基を置換基として有する置換アミノ基である。)
〔グループ(III)〕
(iii-1) 環を構成する炭素数が3〜20である置換若しくは非置換の脂肪族環;
(iii-2) 上記脂肪族環に置換若しくは非置換の芳香族環または置換若しくは非置換の芳香族複素環が縮環した縮合多環;
(iii-3) 環を構成する原子数が3〜20である置換若しくは非置換の複素環;及び
(iii-4) 上記複素環に置換若しくは非置換の芳香族環または置換若しくは非置換の芳香族複素環が縮環した縮合多環。
前記グループ(I)〜(III)に属する各基について、一義的に構造が定まらない基について好適な基を例示すればそれぞれ次のような基を挙げることができる。
即ち、グループ(I)について、(i-3)の置換若しくは非置換のアルキル基のうち好適なものとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等を挙げることができる。また、(i-4)の置換若しくは非置換のシクロアルキル基のうち好適なものとしてはシクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。また、(i-5)の置換若しくは非置換のアリール基のうち好適なものとしてはフェニル基、ナフチル基、メトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基等を挙げることができる。また、(i-6)のハロゲン原子うち好適なものとしてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
また、グループ(II)について、(ii-1)の−C(O)Wで示される基のうち好適なものとしては、カルボキシル基、アセチル基、エチルカルボニル基等を挙げることができる。また、(ii-2)の−ORで示される基のうち好適なものとしてはメチルエーテル基、エチルエーテル基、プロピルエーテル基、フェニルメチルエーテル基等を挙げることができる。また、(ii-3)の−C(O)Yで示される基のうち好適なものとしては、アルデヒド基、カルボキシル基、フェニルカルボニル基等を挙げることができる。
さらに、グループ(III)について、(iii-1)の置換若しくは非置換の脂肪族環のうち好適なものとしてはシクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロヘプタン環等を挙げることができる。また、(iii-2)の縮合多環のうち好適なものとしてはフェナントレン環等を挙げることができる。また、(iii-3)の置換若しくは非置換の複素環のうち好適なものとしてはチオフェン環、フラン環、ピリジン環等を挙げることができる。また、(iii-4)の縮合多環のうち好適なものとしてはフェニルフラン環、ビフェニルチオフェン環等を挙げることができる。
およびRとしては、これら基の中でも退色速度が特に速くなるという観点からは、(iii-1)又は(iii-2)であるのが好ましい。また、初期着色を低減する観点からは(iii-1)。RおよびRとして特に好適な基を具体的に挙げると、互いに結合して単環を与える基としてシクロヘキサン環、シクロオクタン環、シクロヘプタン環等を与える基、ビシクロ環を与える基として、ノルボルナン環、ビシクロナン環を与える基、トリシクロ環を与える基として、アダマンタン環を与える基を挙げることができる。なお、脂肪族炭化水素環がスピロ環である場合には、脂肪族炭化水素環のどの炭素がスピロ炭素となってもよい。RおよびRとして最も好適なものをこれらが結合して形成する環の形で例示すると次のようなものを挙げることができる。
Figure 2005112772
前記式(1)中のR3およびR4は、それぞれ独立に、下記式(2)で示される基、下記式(3)で示される基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、又はアルキル基であるか、又はR3とR4とが互いに結合して脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を構成する基である。
Figure 2005112772
Figure 2005112772
なお、前記式(2)中のR11は、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。ここで、置換もしくは非置換のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜10の非置換のアリール基;又は当該非置換のアリール基の水素原子の1〜7個、特に1〜4個が、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、アリール基、窒素原子をヘテロ原子として有し当該窒素原子でアリール基とが結合する置換もしくは非置換の複素環基又は(s7)該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基及び)トリフルオロメチル基から成る群より選ばれる少なくとも1種の置換基で置換された基であるのが好適である。置換アリール基の中で好適な基を具体的に例示すると、メチルフェニル基、エチルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、ジメトキシフェニル基、トリメトキシフェニル基、モルホリノフェニル基、メトキシビフェニル基、ジメチルアミノフェニル基等を挙げることができる。
また、置換若しくは非置換のヘテロアリール基は特に限定されないが、該基があまりに嵩高くなってしまうと発色しにくくなってしまうという理由から、チエニル基、フリル基、ピロリニル基、ピリジル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフラニル基、ベンゾピロリニル基等の炭素数4〜12の非置換のヘテロアリール基又は当該非置換のヘテロアリール基の水素原子の1〜9個、特に1〜4個が、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、置換アミノ基、アリール基、窒素原子をヘテロ原子として有し当該窒素原子でヘテロアリール基とが結合する置換もしくは非置換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基及びトリフルオロメチル基から成る群より選ばれる少なくとも1種の置換基で置換された基であるのが好適である。置換ヘテロアリール基の中で好適な基を具体的に例示すると、メチルチエニル基、メトキシチエニル基、ジメチルチエニル基、ジメトキシチエニル基、ジメチルアミノチエニル基、ビフェニルアミノチエニル基、メチルフリル基、メトキシフリル基、ジメチルフリル基、ジメトキシフリル基、ジメチルアミノフリル基、ビフェニルアミノフリル基、メチルピロリニル基、メトキシピロリニル基、ジメチルピロリニル基、ジメトキシピロリニル基、ジメチルアミノピロリニル基、ビフェニルアミノピロリニル基、メチルピリジル基、メトキシピリジル基、ジメチルピリジル基、ジメトキシピリジル基、ジメチルアミノピリジル基、ビフェニルアミノピリジル基、メチルベンゾチエニル基、メトキシベンゾチエニル基、ジメチルベンゾチエニル基、ジメトキシベンゾチエニル基、ジメチルアミノベンゾフラニル基、ビフェニルアミノベンゾピロリニル基等を挙げることができる。
また、式中のR12は、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子である。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられる。また上記のハロゲン原子を具体的に例示すると、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を挙げることができる。また、nは1〜3の整数であるが、原料入手の観点からnは1であるのが好適である。
式(2)で示される基のうち好適な基を例示すれば、フェニル−エチレニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エテニル基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル)−エテニル基、(4−モルホリノフェニル)−エテニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エテニル基、(4−ユーロリジノフェニル)−エテニル基、(4−メトキシフェニル)−エテニル基、(4−メチルフェニル)−エテニル基、(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エテニル基、(2−メトキシフェニル)−エテニル基、フェニル−1−メチルエテニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−1−メチルエテニル基、(4−メトキシフェニル)−1−メチルエテニル基、フェニル−1−フルオロエテニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−1−フルオロエテニル基、2−チエニル−エテニル基、2−フリル−エテニル基、2−(N−メチル)ピロリニル−エテニル基、2−ベンゾチエニル−エテニル基、2−ベンゾフラニル−エテニル基、2−(N−メチル)インドリル−エテニル基等を挙げることができる。
また、前記式(3)において、R13は、前記R11と同じ置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基である。また、mは1〜3の整数であるが、原料入手の容易さの観点からmは1であるのが好適である。式(3)で示される基のうち好適な基を例示すれば、フェニル−エチリニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エチニル基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル)−エチニル基、(4−モルホリノフェニル)−エチニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エチニル基、(4−ユーロリジノフェニル)−エチニル基、(4−メトキシフェニル)−エチニル基、(4−メチルフェニル)−エチニル基、(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エチニル基、(2−メトキシフェニル)−エチニル基、2−チエニル−エチニル基、2−フリル−エチニル基、2−(N−メチル)ピロリニル−エチニル基、2−ベンゾチエニル−エチル基、2−ベンゾフラニル−エチニル基、2−(N−メチル)インドリル−エチニル基等を挙げることができる。
また、R3またはR4としての置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基は、上記R11における置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基と同じである。
また、R3またはR4としてのアルキル基は前述のRとして説明した(i-3)の非置換アルキル基と同義である。
また、R3とR4とが一緒になって脂肪族炭化水素環を形成する場合に於ける、脂肪族炭化水素環としては、特に制限はされないが、好適な環を具体的に例示すると、アダマンタン環、ビシクロノナン環、ノルボルナン環等を挙げることができる。また、R3とR4とが一緒になって芳香族炭化水素環を形成する場合に於ける、芳香族炭化水素環としては、特に制限はされないが、好適な環としては、フルオレン環等を挙げることができる。
なお、R3、R4の少なくとも1方は、置換もしくは非置換のアリール基又は置換もしくは非置換のヘテロアリール基、またはこれら基を有する基であることが好ましい。さらに、R3およびR4の少なくとも1方は、下記(a)〜(i)に示される何れかの基であることが特に好ましい。
(a) 置換アミノ基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基;
(b) 窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とアリール基またはヘテロアリール基とが結合する置換もしくは非置換の複素環基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基;
(c) 前記(b)における置換もしくは非置換の複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基;
(d) R11が置換アミノ基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(2)で示される基;
(e) R11が窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とアリール基またはヘテロアリール基とが結合する置換もしくは非置換の複素環基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(2)で示される基;
(f) R11が前記(e)における置換もしくは非置換の複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(2)で示される基;
(g) R13が置換アミノ基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(3)で示される基;
(h) R13が窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とアリール基またはヘテロアリール基とが結合する置換もしくは非置換の複素環基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(3)で示される基;又は
(i) R13が前記(h)における置換もしくは非置換の複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基である式(3)で示される基。
なお、上記(a)〜(c)における置換アリール基においては、置換基の置換する位置は特に限定されず、その総数も特に限定されないが、置換位置はアリール基がフェニル基であるときは3位または4位に置換されることが好ましく、その数は1であることが好ましい。当該置換アリール基としての、好適なものを具体的に例示すると、4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル基、4−(N,N−ジフェニルアミノ)フェニル基、4−モルホリノフェニル基、4−ピペリジノフェニル基、3−(N,Nジメチルアミノ)フェニル基、4−(2,6−ジメチルピペリジノ)フェニル基等を挙げることができる。
また、前記(a)〜(c)における置換ヘテロアリール基において、置換基が置換する位置は特に限定されず、その総数も特に限定されないが、その数は1であることが好ましい。当該置換ヘテロアリール基として好適なものを具体的に例示すると、4−(N,N−ジメチルアミノ)チエニル基、4−(N,N−ジエチルアミノ)フリル基、4−(N,N−ジフェニルアミノ)チエニル基、4−モルホリノピロリニル基、6−ピペリジノベンゾチエニル基、6−(N,Nジメチルアミノ)ベンゾフラニル基等をあげることができる。
また、前記(d)〜(f)の式(2)で示される基において、式(2)中のR11は、前記(a)〜(c)の置換アリール基又は置換ヘテロアリール基と同義である。当該式(2)で示される基として好適な基を例示すると、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エテニル基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル)−エテニル基、(4−モルホリノフェニル)−エテニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エテニル基、(4−ユーロリジノフェニル)−エテニル基、(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エテニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−1−メチルエテニル基、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−1−フルオロエテニル基等を挙げることができる。
また、前記(g)〜(i)の式(3)で示される基において、式(3)中のR13は前記(a)〜(c)の置換アリール基又は置換ヘテロアリール基と同義である。当該式(3)で示される基として好適な基を例示すると、(4−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エチニル基、(4−(N,N−ジエチルアミノ)フェニル)−エチニル基、(4−モルホリノフェニル)−エチニル基、(4−ピペリジノフェニル)−エチニル基、(4−ユーロリジノフェニル)−エチニル基、(2−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル)−エチニル基、2−(N−メチル)インドリル−エチニル基、(4−(N−メチルピペラジノ)フェニル)−エチニル等を挙げることができる。
前記式(1)におけるRは、Hammett数σの絶対値が0.01以上の置換基であり、これら基についてはインデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造の8位の炭素原子に結合する基として既に説明した。
前記式(1)におけるR及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とインデン環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基である。これらのうちアルキル基、アルコキシ基、アリール基、アラルコキシ基、ハロゲン原子およびシアノ基は、前記(s1)のアルキル基、(s2)のアルコキシ基、(s3)アリール基、(s4)のアラルコキシ基、(s5)アミノ基、(s8)ハロゲン原子および(s9)シアノ基とそれぞれ同義である。
アラルキル基は特に制限されないが、炭素数7〜11のアラルキル基が好ましい。好適なアラルキル基を例示すると、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基等を挙げることができる。
窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とインデノ環またはナフタレン環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基としては、特に制限されないが、該複素環基を構成する炭素原子の数が2〜10、特に2〜6であるものが好ましい。該複素環内にはインデノ環またはナフタレン環とが結合する窒素原子の他に更にヘテロ原子が存在していてもよい。該ヘテロ原子は特に限定されないが、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が好適である。また、該基の置換基としては、前記置換アリール基における置換基と同様なものが挙げられる。
窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とインデノ環またはナフタレン環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基として好適なものを具体的に例示すると、モルホリノ基、ピペリジノ基、ピロリジニル基、ピペラジノ基、N−メチルピペラジノ基、インドリニル基等を挙げることができる。
これら置換基であるRの置換数を示すpは0〜3の整数である。Rが結合する位置は特に制限されないが、6位に置換する(結合する)のが好ましく、またその総数も特に限定されないが、1又は2、特に1であるのが好適である。なお、pが2又は3であるとき、各Rは互いに異なっていてもよい。
が6位に置換する場合の置換基としては、上述した置換基の中でも、Hammett数σが−0.49〜−0.20を有する中程度の電子供与性基あるいはHammett数σが−0.19〜−0.01を有する弱い電子供与性基が、初期着色を抑えながらダブルピーク性を強くすることができるため、特に好ましい。
Hammett数σが−0.49〜−0.2の中程度の電子供与性基を具体的に挙げると、メトキシ基(σ=―0.28)、エトキシ基(σ=−0.21)、プロポキシ基(σ=−0.26)等のアルコキシ基、p−ジメチルアミノフェニル基(σ=−0.22)、p−ジエチルアミノフェニル基(σ=−0.22)等のp−アルキルアミノフェニル基等が挙げられる。
Hammett数σが−0.19〜0.01の弱い電子供与性基を具体的に挙げると、フェニル基(σ=−0.01)、1−ナフチル基(σ=−0.08)、2−ナフチル基(σ=−0.02)等のアリール基、p−メトキシフェニル基(σ=−0.04)、o,p−ジメトキシフェニル基(σ=−0.08)等のアルコキシアリール基、p−モルホリノフェニル基(−0.16)等のp−含窒素原子複素環アリール基、チエニル基(σ=−0.1)等のヘテロアリール基、メチル基(σ=−0.14)、エチル(σ=−0.13)基、プロピル基(σ=−0.12)等のアルキル基、シクロヘキシル基(σ=−0.16)等のシクロアルキル基が挙げられる。
これら置換基であるRの置換数を示すqは0〜4の整数である。Rが結合する位置は特に制限されず、またその総数も特に限定されないが、2以下であるのが好適である。なお、qが2又は3であるとき、各Rは互いに異なっていてもよい。
本発明において、効果の点から好適なクロメン化合物は、下記式(4)
Figure 2005112772
{式中、R、R、R、R、R及びqは、それぞれ前記式(1)におけるものと同義であり、R14は、前記式(1)におけるRで示される基と同義であり、rは0〜2の整数であり、下記式(5)
Figure 2005112772
で示される基は、それぞれアルキル基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有してもよい脂肪族炭化水素環基である。}
で示されるクロメン化合物である。
さらに好ましい本発明のクロメン化合物は、Rが、アミノ基を置換基として有するアリール基又はヘテロアリール基;窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とアリール基またはヘテロアリール基とが結合している置換もしくは非置換の複素環基を置換基として有するアリール基又はヘテロアリール基;又はこれらにおける置換もしくは非置換複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基;を置換基として有する置換アリール基又は置換ヘテロアリール基である上記式(4)で示されるクロメン化合物である。
本発明において好適なクロメン化合物を具体的に例示すれば、次のような化合物を挙げることができる。
Figure 2005112772
Figure 2005112772
Figure 2005112772
Figure 2005112772
Figure 2005112772
本発明の前記一般式(1)で示されるクロメン化合物は、一般に常温常圧で無色、あるいは淡黄色、淡緑色の固体または粘稠な液体として存在し、次の(イ)〜(ハ)のような手段で確認できる。
(イ) プロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定することにより、δ5.0〜9.0ppm付近にアロマティックなプロトン及びアルケンのプロトンに基づくピーク、δ1.0〜4.0ppm付近にアルキル基及びアルキレン基のプロトンに基づくピークが現れる。また、それぞれのスペクトル強度を相対的に比較することにより、それぞれの結合基のプロトンの個数を知ることができる。
(ロ) 元素分析によって相当する生成物の組成を決定することができる。
(ハ) 13C−核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR)を測定することにより、δ110〜160ppm付近に芳香族炭化水素基の炭素に基づくピーク、δ80〜140ppm付近にアルケン及びアルキンの炭素に基づくピーク、δ20〜80ppm付近にアルキル基及びアルキレン基の炭素に基づくピークが現われる。
本発明の一般式(1)で示されるクロメン化合物の製造方法は、特に限定されず如何なる合成法によって得ても良い。一般に好適に採用される代表的な方法を以下に説明する。
すなわち、下記の一般式(6)
Figure 2005112772
{式中のR、R2、R、R、R、pおよびqは、前記一般式(1)における定義と同義である。}
で示されるヒドロキシ−フルオレノン誘導体と下記一般式(7)
Figure 2005112772
{式中のR3、R4は前記一般式(1)における定義と同義である。}
で示されるプロパギルアルコール誘導体とを酸触媒存在下で反応させる方法である。
前記一般式(6)で示されるヒドロキシ−フルオレン誘導体および前記一般式(7)で示されるプロパギルアルコール誘導体の合成法は特に限定されない。前記一般式(6)で示されるヒドロキシ−フルオレン誘導体は、例えば、下記一般式(8)
Figure 2005112772
{式中のR、R、R、pおよびqは、前記一般式(1)における定義と同義である。}
で示されるカルボン酸誘導体を、Curtius転位、Hofmann転位、Lossen転位等の方法によりカルボン酸をアミンに変換し、のちにSandmeyer反応等によりジアゾニウム塩からブロマイドに変換し、得られたブロマイドをマグネシウムやリチウム等と反応させ有機金属試薬を調製し、これを下記式(9)
Figure 2005112772
{式中、RおよびRは、前記一般式(1)と同義である。}
で示されるケトンと−10〜70℃で10分〜4時間反応させて、下記式(10)
Figure 2005112772
{式中のR、R2、R、R、R、pおよびqは、前記一般式(1)における定義と同義である。}
で示されるアルコール体を得、その後、該アルコール体を中性〜酸性条件下で、10〜120℃で10分〜2時間反応させ、アルコールをスピロ化することにより合成できる。
調製した有機金属試薬と前記式(10)で示されるケトンとの反応比率は、広い範囲から採用されるが、一般には1:10〜10:1(モル比)の範囲から選択される。反応温度は、通常−10〜70℃が好ましく、溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使用される。
その後、得られたアルコール体を中性〜酸性条件下でスピロ化する。この時の酸触媒として酢酸、塩酸、硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酸性アルミナ等を前記式(10)で示されるアルコール体100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で用いるのが好適である。反応温度は、通常10〜120℃が好ましく、溶媒としては、例えば、酢酸、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使用される。
また、前記一般式(7)で示されるプロパギルアルコール誘導体は、例えば、前記一般式(7)に対応するケトン誘導体とリチウムアセチリド等の金属アセチレン化合物と反応させることにより合成できる。
前記一般式(6)で示される化合物と一般式(7)で示される化合物との酸触媒存在下での反応は、たとえば、次のようにして行なわれる。
すなわち、これら2種の化合物の反応比率は、広い範囲から採用されるが、一般には1:10〜10:1(モル比)の範囲から選択される。また、酸触媒としては硫酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、酸性アルミナ等が用いられ、前記一般式(6)で示される化合物と(7)で示される化合物(反応基質)の総和100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲で用いられる。反応温度は、通常0〜200℃が好ましく、溶媒としては、非プロトン性有機溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン等が使用される。
生成物の精製方法としては特に限定されない。例えば、シリカゲルカラム精製を行い、さらに再結晶により、生成物の精製を行こうことができる。
本発明の前記一般式(1)で示されるクロメン化合物は、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン等の一般の有機溶媒によく溶ける。このような溶媒に一般式(1)で示されるクロメン化合物を溶かしたとき、一般に溶液はほぼ無色透明であり、太陽光あるいは紫外線を照射すると速やかに発色し、光を遮断すると可逆的に速やかに元の無色にもどる良好なフォトクロミック作用を呈する。
このような一般式(1)の化合物におけるフォトクロミック作用は、高分子固体マトリックス中でも同様な特性を示す。かかる対象となる高分子固体マトリックスとしては、本発明の一般式(1)で示されるクロメン化合物が均一に分散するものであればよく、光学的に好ましくは、例えばポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリジメチルシロキサン、ポリカーボネート等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。
さらに、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモー4ーメタクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン等の多価アクリル酸及び多価メタクリル酸エステル化合物;ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、酒石酸ジアリル、エポキシこはく酸ジアリル、ジアリルフマレート、クロレンド酸ジアリル、ヘキサフタル酸ジアリル、ジアリルカーボネート、アリルジグリコールカーボネート、トリメチロールプロパントリアリルカーボネート等の多価アリル化合物;1,2−ビス(メタクリロイルチオ)エタン、ビス(2−アクリロイルチオエチル)エーテル、1,4−ビス(メタクリロイルチオメチル)ベンゼン等の多価チオアクリル酸及び多価チオメタクリル酸エステル化合物;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、β−メチルグリシジルメタクリレート、ビスフェノールA−モノグリシジルエーテル−メタクリレート、4−グリシジルオキシメタクリレート、3−(グリシジル−2−オキシエトキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−(グリシジルオキシ−1−イソプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−グリシジルオキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルアクリレート等のアクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物;ジビニルベンゼン等のラジカル重合性多官能単量体を重合してなる熱硬化性樹脂を挙げることができる。
また、これらの各単量体とアクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、2−ヒドロキシエチルメタクリレート等のアクリル酸及びメタクリル酸エステル化合物;フマル酸ジエチル、フマル酸ジフェニル等のフマル酸エステル化合物;メチルチオアクリレート、ベンジルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート等のチオアクリル酸及びチオメタクリル酸エステル化合物;スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ビニルナフタレン、α−メチルスチレンダイマー、ブロモスチレン等のビニル化合物等のラジカル重合性単官能単量体との共重合体が挙げられる。
本発明の一般式(1)で示されるクロメン化合物を上記高分子固体マトリックス中へ分散させる方法としては特に制限はなく、一般的な手法を用いることができる。例えば、上記熱可塑性樹脂とクロメン化合物を溶融状態にて混練し、樹脂中に分散させる方法、または上記重合性単量体にクロメン化合物を溶解させた後、重合触媒を加え熱または光にて重合させ樹脂中に分散させる方法、あるいは上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂の表面にクロメン化合物を染色することにより樹脂中に分散させる方法等を挙げることができる。
本発明のクロメン化合物はフォトクロミック材として広範囲に利用でき、例えば、銀塩感光材に代る各種の記憶材料、複写材料、印刷用感光体、陰極線管用記憶材料、レーザー用感光材料、ホログラフィー用感光材料などの種々の記憶材料として利用できる。その他、本発明のクロメン化合物を用いたフォトクロミック材は、フォトクロミックレンズ材料、光学フィルター材料、ディスプレイ材料、光量計、装飾などの材料としても利用できる。
例えば、フォトクロミックレンズに使用する場合には、均一な調光性能が得られる方法であれば特に制限がなく、具体的に例示するならば、本発明のフォトクロミック材を均一に分散してなるポリマーフィルムをレンズ中にサンドウイッチする方法、あるいは、本発明のクロメン化合物を前記の重合性単量体中に分散させ、所定の手法により重合する方法、あるいは、この化合物を例えばシリコーンオイル中に溶解して150〜200℃で10〜60分かけてレンズ表面に含浸させ、さらにその表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミックレンズにする方法などがある。さらに、上記ポリマーフィルムをレンズ表面に塗布し、その表面を硬化性物質で被覆し、フォトクロミックレンズにする方法などもある。
以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1
下記の5−ヒドロキシ−(7H)ベンゾ(c)フルオレン誘導体
Figure 2005112772
1.0g(0.0024mol)と、下記のプロパギルアルコール誘導体
Figure 2005112772
1.1g(0.003mol)とをトルエン70mlに溶解し、さらにp−トルエンスルホン酸を0.020g加えて加熱還流下、1時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し、シリカゲル上でのクロマトグラフィーにより精製することにより、緑色粉末状の生成物0.93gを得た。収率は54%であった。
この生成物の元素分析値は、C79.79%、H7.14%、N1.81%、О11.26%であり、C4851NОの計算値であるC79.86%、H7.12%、N1.94%、О11.08%に極めてよく一致した。
また、プロトン核磁気共鳴スペクトルを測定したところδ1.0〜3.0ppm付近にテトラメチルシクロヘキサン環のメチル、メチレンプロトンに基づく18Hのピーク、δ3.0〜4.0ppm付近にモルホリノ基のメチレンプロトン及びメトキシ基のメチルプロトンに基づく17Hのピーク、δ5.6〜9.0ppm付近にアロマティックなプロトン及びアルケンのプロトンに基づく16Hのピークを示した。
さらに13C−核磁気共鳴スペクトルを測定したところ、δ110〜160ppm付近に芳香環の炭素に基づくピーク、δ80〜140ppm付近にアルケンの炭素に基づくピーク、δ20〜60ppmにアルキルの炭素に基づくピークを示した。
上記の結果から単離生成物は、下記構造式で示される化合物であることを確認した。
Figure 2005112772
実施例2〜13
実施例1と同様にして表1、表2及び表3に示したクロメン化合物を合成した。得られた生成物について、実施例1と同様な構造確認の手段を用いて構造解析した結果、表1、2及び3に示す構造式で示される化合物であることを確認した。また、表4にこれらの化合物の元素分析値、各化合物の構造式から求めた計算値及び1H−NMRスペクトルの特徴的なスペクトルを示した。
Figure 2005112772
Figure 2005112772
Figure 2005112772
Figure 2005112772
実施例14〜26、及び比較例1〜4
実施例1で得られたクロメン化合物は重合性単量体と混合後、レンズ基材表面に塗布し重合したのち、物性を評価した。フォトクロミック重合性組成物としては、ラジカル重合性単量体である2,2−ビス(4−メタクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン/ポリエチレングリコールジアクリレート(平均分子量532)/トリメチロールプロパントリメタクリレート/ポリエステルオリゴマーヘキサアクリレート(ダイセルユーシービー社、EB−1830)/グリシジルメタクリレートをそれぞれ50重量部/10重量部/10重量部/10重量部/10重量部の配合割合で配合した。このラジカル重合性単量体の混合物90重量部に対して、実施例1で得られたクロメン化合物1重量部を添加し十分に混合した後に、重合開始剤である1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを0.5重量部、安定剤であるビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートを5重量部、シランカップリング剤であるγ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランを7重量部、およびN−メチルジエタノールアミンを3重量部添加し、十分に混合した。
続いて上記方法で得られた混合液の約2gをMIKASA製スピンコーター1H−DX2を用いて、レンズ基材(CR39:アリル樹脂プラスチックレンズ;屈折率=1.50)の表面にスピンコートした。この表面がコートされたレンズを窒素ガス雰囲気中で出力120mW/cmのメタルハライドランプを用いて、3分間照射し、塗膜を硬化させた後にさらに120℃の恒温器にて加熱処理を行うことでフォトクロミック硬化薄膜を得た。
得られたフォトクロミック硬化薄膜(膜厚30μm)を試料とし、これに、浜松ホトニクス製のキセノンランプL−2480(300W)SHL−100をエアロマスフィルター(コーニング社製)を介して20℃±1℃、重合体表面でのビーム強度365nm=2.4mW/cm2,245nm=24μW/cm2で120秒間照射して発色させ、前記試料のフォトクロミック特性を測定した。フォトクロミック特性は次のようなもので評価した。
(1) 最大吸収波長(λmax): (株)大塚電子工業製の分光光度計(瞬間マルチチャンネルフォトディテクターMCPD1000)により求めた発色後の最大吸収波長である。最大吸収波長は、発色時の色調に関係する。
(2) 初期着色{ε(0)}: 前記最大吸収波長における光未照射状態の吸光度。例えばメガネレンズのような光学材料においては、この値が低いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
(3) 発色濃度{ε(120)−ε(0)}: 前記最大吸収波長における、120秒間光照射した後の吸光度{ε(120)}と上記ε(0)との差。この値が高いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
(4) 黄色/青色比:(3)で得られた発色濃度において、黄色周辺領域における最大吸収波長と、青色周辺領域における最大吸収波長の比を示したものである。この値が1に近いほど、ダブルピーク性が高いといえる。
(5) 発色感度(sec.):光照射により、試料の前記最大波長における吸光度が飽和に達するまでの時間。この時間が短いほど、発色感度に優れているといえる。
(6) 退色半減期〔t1/2(min.)〕: 120秒間光照射後、光の照射を止めたときに、試料の前記最大波長における吸光度が{ε(120)−ε(0)}の1/2まで低下するのに要する時間。この時間が短いほどフォトクロミック性が優れているといえる。
(7) 残存率(%)={(A50/A0)×100}: 光照射による発色の耐久性を評価するために次の劣化促進試験を行った。すなわち、得られた重合体(試料)をスガ試験器(株)製キセノンウェザーメーターX25により50時間促進劣化させた。その後、前記発色濃度の評価を試験の前後で行い、試験前の発色濃度(A0)および試験後の発色濃度(A50)を測定し、{(A50/A0)×100}の値を残存率(%)とし、発色の耐久性の指標とした。残存率が高いほど発色の耐久性が高い。
(8) 着色変化度(△YI)=YI(50)−YI(0): 光未照射時の色調の耐久性を評価するために、上記劣化促進試験前後の試料について、スガ試験機(株)製の色差計(SM−4)を用いて色差を測定した。劣化に伴う着色変化度を試験後の着色度の値{YI(50)}から試験前の着色度の値{YI(0)}を引いた差{△YI}を求め、耐久性を評価した。△YIが小さいほど光未照射時の色調の耐久性が高い。
また、クロメン化合物として実施例2ないし13で得られた化合物を用いた以外は、上記と同様にしてフォトクロミック重合体を得、その特性を評価した。その結果をまとめて表5に示す。
Figure 2005112772
さらに、比較のために、下記式(A)、(B)、(C)、(D)
Figure 2005112772
Figure 2005112772
Figure 2005112772
Figure 2005112772
で示される化合物を用い同様にしてフォトクロミック重合体を得、その特性を評価した。その結果を表6に示す。
Figure 2005112772
本発明のクロメン化合物を用いた実施例14〜26におけるフォトクロミック重合体では、比較例1、2、3および4のフォトクロミック重合体に比べて、発色感度、退色速度、およびフォトクロミック性の耐久性のすべての点において優れている。

Claims (6)

  1. 下記式
    Figure 2005112772
    (式中、数字は炭素原子および酸素原子の位置を表す。)
    で示されるインデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造を基本骨格として有するクロメン化合物であって、前記インデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造の8位の炭素原子に、Hammett数σの絶対値が0.01以上の置換基を有することを特徴とする前記クロメン化合物。
  2. 下記一般式(1)で示される請求項1に記載のクロメン化合物。
    Figure 2005112772
    {式中、RおよびRは、それぞれ独立に、下記グループ(I)又は(II)の何れかのグループに属する基の中から選ばれる1種の基であるか、又はR及びRが互いに結合してインデノ(2,1−f)ナフト(1,2−b)ピラン構造の13位にスピロ結合する環であって下記グループ(III)に属する何れか1種の環を形成する基であり、
    グループ(I):(i-1)水素原子;(i-2)ヒドロキシ基;(i-3)置換若しくは非置換のアルキル基;(i-4)置換若しくは非置換のシクロアルキル基;(i-5)置換若しくは非置換のアリール基;及び(i-6)ハロゲン原子
    グループ(II):(ii-1)−C(O)Wで示される基〔但し、Wはヒドロキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、フェニル基、モノ置換フェニル基、アミノ基、炭素数1〜6のアルキル基1個を置換基として有するモノアルキルアミノ基または炭素数1〜6のアルキル基2個を置換基として有するジアルキルアミノ基である。〕;
    (ii-2)−ORで示される基〔但し、Rは炭素数1〜6のアルキル基、置換基としてフェニル基1個を有する炭素数1〜3(該炭素数にフェニル基の炭素数は含まない)のアルキル基、炭素数1〜6のアルキル基が1個結合しているモノアルキル置換フェニル基を置換基として有する炭素数1〜3(該炭素数に当該置換基の炭素数は含まない)アルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基が1個結合しているモノアルコキシ置換フェニル基を置換基として有する炭素数1〜3(該炭素数に当該置換基の炭素数は含まない)のアルキル基、置換基として炭素数1〜6のアルコキシ基を有する炭素数2〜4(該炭素数に当該置換基の炭素数は含まない)のアルキル基、炭素数3〜7のシクロアルキル基、置換基として炭素数1〜4のアルキル基1個を有する環を構成する炭素数が3〜7のモノアルキル置換シクロアルキル基、炭素数1〜6のクロロアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、−CH(R)Xで示される基である{但し、Rは、水素または炭素数1〜3のアルキル基であり、Xは−CN、−CFまたは−COOR10で示される基である(但し、R10は水素または炭素数1〜3のアルキル基である。)}〕;及び(ii-3)−C(O)Yで示される基である(但し、Yは水素、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、非置換のアリール基、モノまたはジ置換のアリール基、フェノキシ基、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を1又は2有するモノまたはジアルキル置換フェノキシ基、置換基として炭素数1〜6のアルコキシ基を1又は2有するモノまたはジアルコキシ置換フェノキシ基、アミノ基、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を1又は2有するモノ又はジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、炭素数1〜6のアルキル基が1個又は2個結合しているモノ又はジアルキル置換フェニル基を置換基として有する置換アミノ基又は炭素数1〜6のアルコキシ基が1個又は2個結合しているモノ又はジアルコキシ置換フェニル基を置換基として有する置換アミノ基である。)
    グループ(III):(iii-1)環を構成する炭素数が3〜20である置換若しくは非置換の脂肪族環;(iii-2)該脂肪族環に置換若しくは非置換の芳香族環または置換若しくは非置換の芳香族複素環が縮環した縮合多環;(iii-3)環を構成する原子数が3〜20である置換若しくは非置換の複素環;及び(iii-4)該複素環に置換若しくは非置換の芳香族環または置換若しくは非置換の芳香族複素環が縮環した縮合多環
    3およびR4は、それぞれ独立に、下記式(2)で示される基、下記式(3)で示される基、置換もしくは非置換のアリール基、置換もしくは非置換のヘテロアリール基、又はアルキル基であるか、又はR3とR4とが互いに結合して脂肪族炭化水素環もしくは芳香族炭化水素環を構成する基であり、
    Figure 2005112772
    (式中、R11は、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、R12は、水素原子、アルキル基、またはハロゲン原子であり、nは1〜3の整数である。)
    Figure 2005112772
    (式中、R13は、置換もしくは非置換のアリール基、または置換もしくは非置換のヘテロアリール基であり、mは1〜3の整数である。)
    は、Hammett数σの絶対値が0.01以上の置換基であり、
    及びRは、それぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、アラルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、置換もしくは非置換のアリール基、ハロゲン原子、アラルキル基、窒素原子をヘテロ原子として有し該窒素原子とインデン環とが結合する置換もしくは非置換の複素環基、又は該複素環基に芳香族炭化水素環もしくは芳香族複素環が縮合した縮合複素環基であり、pは0〜3の整数であり、qは0〜4の整数であり、p又はqがそれぞれ2以上の整数である場合、複数存在するR又はRは、それぞれ互いに異なっていてもよい。}
  3. 下記式(4)
    Figure 2005112772
    {式中、R、R、R、R、R及びqは、それぞれ前記式(1)におけるものと同義であり、R14は、前記式(1)におけるRで示される基と同義であり、rは0〜2の整数であり、下記式(5)
    Figure 2005112772
    で示される基は、アルキル基、アルコキシ基、アミノ基、置換アミノ基から選ばれる少なくとも1種の置換基を有してもよい脂肪族炭化水素環基である。}
    で示される請求項2に記載のクロメン化合物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のクロメン化合物を含有するフォトクロミック組成物。
  5. その内部に請求項1乃至3に記載のクロメン化合物が分散した高分子成型体を構成部材として有するフォトクロミック光学物品。
  6. 少なくとも1つの面の全部又は一部が請求項1乃至3に記載のクロメン化合物が分散した高分子膜で被覆された光学基材を構成部材として有する光学物品。
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