JP2005112737A - ルテニウム錯体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【目的】新規なルテニウム錯体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】3価のルテニウム化合物とトリホスフィン化合物とを水素雰囲気下で反応させ、ルテニウム1原子に対して、2分子のジケトン及び1分子のトリホスフィン化合物が結合しているリン−ルテニウム錯体を得る。
【効果】PETを水素気流中で、1段階で解重合さらに水素化還元して、テレフタル酸の還元生成物である1,4−ベンゼンジメタノールおよびエチレングリコールを高収率で製造するための触媒になる。
【選択図】なし。

Description

本発明は、有機リン−ルテニウム錯体及びその製造方法に関する。本発明のルテニウム錯体は、ポリエステル類の水素化反応、モノマーエステル類の水素化反応において有効な触媒として利用できる。
近年、遷移金属錯体を用いた触媒反応について盛んに研究が行われており、新規の有機金属錯体の合成が進められている。その中の一つの例として、配位子としてホスフィン化合物を用いた遷移金属錯体が、オレフィンの水素化反応・アルコールの脱水素反応などに有効であることが知られている。例えば、Triphosのようなリン配位子を有する金属錯体は、オレフィンの水素化・ヒドロホルミル化反応に高い触媒活性を示すことが知られている。
有機リン−ルテニウム錯体の製造法は、いくつも知られているが、1個のルテニウム原子に2個のリン原子が結合した有機リン−ルテニウム錯体の製造は容易ではない。1個のルテニウム原子に2個のリン原子が結合した有機リン−ルテニウム錯体の製造法としては、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウムに、亜鉛及び2,3−ジメチル−1,3−ブタジエンを反応させてビス(アセチルアセトナト)(2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン)ルテニウムとし、これに有機ホスフィンを反応させる方法などが知られている(非特許文献1)。しかしながら、これらの製造方法は2段階の工程を必要とし、かつ亜鉛などの助剤を用いるので、廃棄物処理や経済性に問題があった。
また、実質的に水素を含有しない雰囲気下で加熱することにより、1個のルテニウム原子に2個のリン原子が結合した有機リン−ルテニウム錯体触媒を合成する方法が報告されている(特許文献1参照)。しかし、この特許では、Triphosのようなトリホスフィン化合物を用いた例はなく、3個のリン原子のうちの2個のリン原子が配位しているという記述もない。
特開2003−238579号公報 Organometallics,(1991,Vol10,p3635)
本発明は、ポリエステル樹脂からアルコール類を製造する方法において有効な触媒となり得る、リン−ルテニウム錯体を提供することを課題とする。また、亜鉛などの金属化合物を使用せずに、このルテニウム錯体を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記の事情に鑑み鋭意検討を行った結果、3価のルテニウム化合物とトリホスフィン化合物とを水素雰囲気下で加熱し、反応させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、1個のルテニウム原子に2個のリン原子・4個の酸素原子が結合(配位結合を含む)した有機リン−ルテニウム錯体に関する。特に、組成式がRu5153で表される、有機リン−ルテニウム錯体に関する。また、ポリエステル樹脂からアルコール類を1段階で製造する方法において有効な触媒となる、有機リン−ルテニウム錯体に関する。さらに、1工程で亜鉛などの金属化合物を使用せずに製造する有機リン−ルテニウム錯体の製造方法に関する。
具体的には、下記の有機リン−ルテニウム錯体及びその製造方法に関する。
(1)一般式[1][式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表されるルテニウム錯体。
Figure 2005112737
(2)3価のルテニウム化合物と有機リン化合物とを水素雰囲気下で加熱することにより、一般式[1][式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表されるルテニウム錯体を製造する方法。
(3)組成式が、Ru5153で表される、前記ルテニウム錯体及びその製造方法。
(4)ルテニウム原子1個に対して、4個の酸素原子、2個のリン原子が配位している有機リン−ルテニウム錯体である、前記ルテニウム錯体及びその製造方法。
(5)有機リン化合物のリン原子3つのうち、2つがルテニウム1原子に配位している有機リン−ルテニウム錯体である、前記ルテニウム錯体及びその製造方法。
(6)ルテニウム原子に、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン(本発明では、Triphosと略称する場合がある)とアセチルアセトナトの2分子とが結合した構造からなる、前記ルテニウム錯体及びその製造方法。
(7)原料となる3価のルテニウム化合物が、Ru(R3 [式中、R、R、Rは、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表される、前記ルテニウム錯体の製造方法。
(8)原料となる3価のルテニウム化合物が、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウムである、前記ルテニウム錯体の製造方法。
(9)原料となる有機リン化合物がR15C(CR10PR[式中、R、R、R、R10、R15は、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表される、前記ルテニウム錯体の製造方法。
(10)原料となる有機リン化合物が、トリホスフィン化合物である、前記ルテニウム錯体の製造方法。
(11)Ru(R3で表される3価のルテニウム化合物とR15C(CR10PR[式中、R、R、Rは、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表されるトリホスフィン化合物とを水素雰囲気下で反応させ、ルテニウム原子1個に対して、2分子の(R)及び1分子のトリホスフィン化合物2個のリン原子が結合している有機リン−ルテニウム錯体及びその製造方法。
(12)水素圧が0.1から15MPaである、前記ルテニウム錯体の製造方法。
(13)反応温度が80から200℃である、前記ルテニウム錯体の製造方法。
本発明は、ルテニウム錯体及びその実施容易な製造方法を提供する。
本発明のルテニウム錯体は、エステル化合物の水素化分解反応によるアルコールの製造に高い触媒活性を示す。特に、本発明のルテニウム錯体を触媒に使用して、ポリアルキレンテレフタレートを水素気流中で、1段階で解重合さらに水素化還元して、テレフタル酸の還元生成物である1,4−ベンゼンジメタノールおよびエチレングリコールを高収率で製造することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明において、原料として用いる3価のルテニウム化合物の供給形態としては、錯化合物等が挙げられる。特にカルボニル化合物との錯化合物であるのが好ましく、最も好ましくはカルボニル化合物がジケトン化合物である。特に好ましくはジケトン化合物が、アセチルアセトン誘導体である化合物であり、中でも1個のルテニウム原子に3個のアセチルアセトン誘導体が結合した構造を有するルテニウム化合物が好ましく、具体的にはトリス(アセチルアセトナト)ルテニウム、トリス(ヘキサフルオロアセチルアセトナト)ルテニウム等が挙げられる。
本発明で用いる有機リン化合物としては、一般式[2][式中、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表される、1分子中にリン原子を3個有する有機ホスフィン化合物が使用される。
Figure 2005112737
有機ホスフィン化合物としては、例えばトリス(ジフェニルホスフィノメチル)メタン、1,1,1−トリス(ジメチルホスフィノメチル)エタン、1,1,1−トリス(ジエチルホスフィノメチル)エタン、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタンなどが挙げられる。
本発明において、ルテニウム化合物と配位子となる有機リン化合物とを混合し、好ましくはルテニウム化合物/リン化合物のモル比が1となるように混合し、水素加圧下で、加熱して反応させることにより、配位子のリン原子2個が1個のルテニウム金属と結合した有機リン−ルテニウム錯体を得ることができる。ルテニウム化合物に対する有機リン化合物の量が少なすぎると、十分な量のルテニウム錯体が生成しない傾向がある。逆に多すぎると、有機リン化合物の損失が大きくなる傾向があり、経済的に好ましくない。
本発明において、反応温度は80から200℃の範囲が好適であるが、100から150℃の範囲がさらに好適であり実用的である。反応温度が低すぎると原料のルテニウム化合物が大きく残存する、あるいは目的の錯体へ反応が進行しない傾向がある。また、高すぎる場合には有機リン配位子等の分解が生じ、目的とする錯体を合成することが困難になる傾向がある。
本発明においては、ルテニウム化合物と配位子となる有機リン化合物とを、水素雰囲気下で加熱して反応させる。本反応における水素分圧は0.1から15MPaが好適であるが、3から10MPaがさらに好適で実用的である。本発明において、溶媒分圧および水素分圧の上限は反応面での規制はないが、必要以上に高圧になると特殊な耐圧設備が必要となって経済的ではなく、反応系の全圧が15MPa以下となるようにすることが実用的である。反応系内の圧力は、基本的には、上記水素圧力に加えて、溶媒及び生成物の蒸気圧の合計となる。また反応時間は6時間から24時間程度で十分に高い原料転化率を得ることができる。
本発明において、反応を迅速に完結させるためには系内を十分に混合することが好ましい。混合する手段に特に制限はないが、振とう機や攪拌機などの往復動作や回転動作をするものによる強制的混合手段を用いることが好ましい。
本発明において、反応を迅速に完結させるためには系内を十分に混合することが好ましく、反応原料以外の溶媒を使用する。溶媒としては、ジエチルエーテル・THF・ジオキサン等のエーテル化合物、ヘキサン・ヘプタン等の脂肪族炭化水素化合物、ベンゼン・トルエン等の芳香族炭化水素化合物を用いることができる。その中でTHFが特に最適に用いることができる。
本発明において、反応終了後に得られる溶液は黄色やオレンジ色の均一系溶液となっている。この溶液を濃縮した後、THF・塩化メチレン等の極性溶媒とヘキサン・ペンタン等の非極性溶媒を用いて、再結晶操作をすることによって、得られたルテニウム錯体を単離精製することができる。
本発明のルテニウム錯体は、ルテニウム1原子に、1分子のトリホスフィン化合物の2個のリン原子、及び、2分子のジケトンの4個の酸素原子が結合した錯体である。本発明のルテニウム錯体としては、具体的には、組成式がRu5153で表され、ルテニウム1原子に、1分子の1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン(Triphos)の2個のリン原子、及び、2分子のアセチルアセトナトの4個の酸素原子が結合した錯体が挙げられる。
本発明のルテニウム錯体は、ポリエステル類の水素化反応、モノマーエステル類の水素化反応において有用である。上記の反応に使用される場合、有機リン−ルテニウム錯体は単離精製してから用いてもよく、また単離精製せずにそのまま用いてもよい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によりその範囲を限定されるものではない。
実施例1
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、ルテニウム(III)アセチルアセトナト401.7mg、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン626.3mg、THF3mLを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で6.0MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は7.3MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、6.8MPaまで低下した。17時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。室温まで冷却し、その後、落圧、開放した。オレンジ色均一透明液体が得られた。反応液をナスフラスコに移し、溶媒を留去するとオレンジ色固体が得られた。THFとヘキサンを用いて再結晶操作をした。661.2mgの黄色固体が得られた。
この得られた固体物の質量分析とNMRによる構造解析を実施した。FD−MSによる高分解能測定(分解能3000)の結果、m/z918.38〜928.47とm/z934.50〜944.57に分子量分布を持つことがわかった。さらに、理論同位体比の計算から、それぞれの組成式は、主成分としてのRu5153と副生成物としてのRu51533であることが確認された。H−NMR、13C−NMR、31P−NMR、CH−COSY分析の結果、得られた黄色固体の主成分は、ルテニウム1原子に、1分子の1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタンの2個のリン原子と2分子のアセチルアセトナトの2個の酸素原子が結合した、式[1]で表される構造を持つ錯体であると推定された。
また、副生成物(含有量5重量%)としてのRu51533は、ルテニウム1原子に、1分子の1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタンの一リン酸化物の、酸化していない2個のリン原子及び2分子のアセチルアセトナトの2個の酸素原子が結合した錯体であると推定された。
H−NMR(400MHz、CDCl):δ 0.559(s、3H、−CH),1.200−1.257(m、1H、−CH−),1.340(s、3H、−CH)、1.444(s、3H、−CH)、1.727(s、3H、−CH)、1.821(s、3H、−CH)、2.051(d、1H、−CH−)、2.269−2.299(m、2H、−CH−)、2.440−2.496(m、2H、−CH−)、4.707(s、1H、−CH=)、4.882(s、1H、−CH=)、6.837−8.084(m、30H、Ph);13C−NMR(100MHz、CDCl):δ 23.51(−CH−)、27.380、27.610、28.038、28.087(−CH)、31.592(−CH)、36.561(−CH−)、38.700(−C−)、49.478(−CH−)、90.742(−CH=)、127.125−134.349(Ph)、138.216−139.795(−C=)、184.139−185.209(−C−)、31P−NMR(161MHz、CDCl):δ −27.337(s)、25.573(s)、45.071−45.364(d)、48.897−49.190(d)
IR(KBr)3059cm−1、2366cm−1、2360cm−1、1653cm−1、1578cm−1、1516cm−1、1433cm−1、1406cm−1、1093cm−1、692cm−1、521cm−1
実施例2
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、ルテニウム(III)アセチルアセトナト211.2mg(0.53mmol)、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン323.5mg(0.52mmol)、THF3mLを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で6.8MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は8.2MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、6.8MPaまで低下した。20時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。室温まで冷却し、その後、落圧、開放した。黄色均一透明液体が得られた。反応液をナスフラスコに移し、溶媒を留去すると黄色固体が得られた。塩化メチレンとヘキサンを用いて再結晶操作をした。160.5mgの黄色固体が得られた。
分析の結果、得られた黄色固体の主成分及び副生成物(含有量5重量%)は、実施例1と同様である。
実施例3
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、ルテニウム(III)アセチルアセトナト200.3mg(0.50mmol)、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン317.2mg(0.51mmol)、THF3mLを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で5.9MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は7.1MPaまで上がった。その後、120℃に保持した。24時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。室温まで冷却し、その後、落圧、開放した。反応液をナスフラスコに移し、溶媒を留去すると黄色固体が得られた。塩化メチレンとヘキサンを用いて再結晶操作をした。102.8mgの黄色固体が得られた。
分析の結果、得られた黄色固体の主成分及び副生成物(含有量5重量%)は、実施例1と同様である。
実施例4
内部に攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、ルテニウム(III)アセチルアセトナト202.5mg(0.51mmol)、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン318.2mg(0.51mmol)、THF3mLを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で6.0MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は7.4MPaまで上がった。その後、120℃に保持した。20時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。室温まで冷却し、その後、落圧、開放した。反応液をナスフラスコに移し、溶媒を留去すると、354.3mgの黄色固体が得られた。分析の結果、得られた黄色固体の主成分及び副生成物(含有量5重量%)は、実施例1と同様である。
実施例5
内部に、攪拌子が加えられている外径20mm・内容積20mLのガラス製筒状容器で内張りされた、高圧用圧力計が取り付けられた外径28mm、高さ90mmのSUS製高圧反応容器に、空気雰囲気下で、ルテニウム錯体[1]20.4mg、HFIP2mL、トリエチルアミン28μLを加えて攪拌した。さらに、平均直径4mmに粉砕したポリエチレンテレフタレート樹脂(PET.(株)日本ユニペット社製、商品名RT553)194.9mgを加えた後、反応器を密閉した。反応器内を水素置換し、水素で4.0MPaまで加圧した。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が120℃に到達した時、オートクレーブ内の圧力は4.7MPaまで上がった。その後、120℃に保持すると圧力は徐々に減少し、9.5MPaまで低下した。3時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。その後、落圧、開放して反応液をガスクロマトグラフ分析にかけた。その結果、テレフタル酸の還元生成物である1,4−ベンゼンジメタノール及びエチレングリコールがそれぞれ、原料であるPET樹脂の各モノマー単位に対してほぼ100mol%の収率で得られた。収率は原料のPETのモノマー単位-(OCH2CH2O2CC6H4-4-CO-)を構成するテレフタル酸及びエチレングリコールを1単位として計算した。
比較例1
内部に攪拌子が入れられている内容積50mLのガラス製二口ナスフラスコに、ルテニウム(III)アセチルアセトナト399.0mg(1.00mmol)、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン953.7mg(1.51mmol)、メタノール20mL、トリエチルアミン(1.39mL)を加えた。反応器内を水素置換した(0.1MPa)。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始し、加熱還流した。22時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。室温まで冷却した。ルテニウム(III)アセチルアセトナトが残留しており、反応は進行しなかった。
比較例2
内部に攪拌子が入れられている内容積50mLのガラス製二口ナスフラスコに、ルテニウム(III)アセチルアセトナト203.4mg(0.51mmol)、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン473.2mg(0.75mmol)、THF15mL、トリエチルアミン(700μL)を加えた。反応器内を水素置換した(0.1MPa)。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始し、加熱還流した。19時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。室温まで冷却した。ルテニウム(III)アセチルアセトナトが残留しており、反応は進行しなかった。
比較例3
内部に攪拌子が入れられている内容積50mLのガラス製二口ナスフラスコに、ルテニウム(III)アセチルアセトナト202.2mg(0.51mmol)、1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタン329.9mg(0.53mmol)、THF3mLを加えた。金属浴に反応器を入れ回転数200r.p.m.で攪拌機を回転させながら昇温を開始し、加熱還流した。23時間反応させた後、ヒーターを切り反応器を室温まで冷やし、反応を停止させた。室温まで冷却した。ルテニウム(III)アセチルアセトナトが残留しており、反応は進行しなかった。

Claims (9)

  1. Figure 2005112737
    一般式[1][式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表されるルテニウム錯体。
  2. ルテニウム1原子に、1分子の1,1,1−トリス(ジフェニルホスフィノメチル)エタンと2分子のアセチルアセトナトが結合した、請求項1に記載のルテニウム錯体。
  3. 3価のルテニウム化合物と有機リン化合物とを水素雰囲気下で加熱することにより、一般式[1][式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17、R18、R19は、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表されるルテニウム錯体の製造方法。
  4. 3価のルテニウム化合物が、Ru(R3[式中、R、R、Rは、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表される、請求項3に記載のルテニウム錯体の製造方法。
  5. 3価のルテニウム化合物が、トリス(アセチルアセトナト)ルテニウムである、請求項3に記載のルテニウム錯体の製造方法。
  6. 有機リン化合物が、トリホスフィン化合物である、請求項3に記載のルテニウム錯体の製造方法。
  7. 有機リン化合物が、R15C(CR10PR[式中、R、R、R、R10、R15は、各独立に、水素、炭素数1〜12個のアルキル基またはアリール基である。]で表される、請求項3に記載のルテニウム錯体の製造方法。
  8. 水素圧が0.1から15MPaである、請求項3に記載のルテニウム錯体の製造方法。
  9. 反応温度が80から200℃である、請求項3に記載のルテニウム錯体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7615671B2 (en) 2007-11-30 2009-11-10 Eastman Chemical Company Hydrogenation process for the preparation of 1,2-diols

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