JP2005111939A - インクヘッドのメンテナンス装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のインクヘッドのメンテナンス装置は、装置全体が搬送ベルト上から横方向に退避しているため、画像形成装置全体が大型化しており、設置面積の縮小が難しいという問題があった。
【解決手段】本発明は、複数に分割されて等間隔で搬送方向と直交する前後方向に沿って設けられたヘッド列1A〜1D間のスペースに、前後方向に移動可能なオイルパンを配置し、オイルパン上でヘッド列1A〜1Dの各ヘッドユニット2の配置同様にメンテナンスユニット4A〜4D及びキャップ部7をそれぞれ配置する画像形成装置であり、画像形成時にはそのスペースにメンテナンスユニット4A〜4D及びキャップ部7を退避させることにより、画像形成装置の小型化を実現するインクヘッドのメンテナンス装置である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、複数に分割されて等間隔で搬送方向と直交する前後方向に沿って設けられたヘッド列1A〜1D間のスペースに、前後方向に移動可能なオイルパンを配置し、オイルパン上でヘッド列1A〜1Dの各ヘッドユニット2の配置同様にメンテナンスユニット4A〜4D及びキャップ部7をそれぞれ配置する画像形成装置であり、画像形成時にはそのスペースにメンテナンスユニット4A〜4D及びキャップ部7を退避させることにより、画像形成装置の小型化を実現するインクヘッドのメンテナンス装置である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、画像形成媒体にインクを吐出させて画像を形成するインクジェット方式画像形成装置のインクヘッド及びノズルをメンテナンスするメンテナンス装置に関する。
一般に、インクジェットヘッドを用いた画像形成装置は、インクヘッドのヘッドノズルからインクを吐出して印刷をおこなうため、定期的或いは印刷枚数に応じて、ノズルがインクで詰まることを防止するために、メンテナンスが必要となっている。
このメンテナンスとしては、ノズルから残留するインクを吸引してノズルの目詰まりを除去及び防止する吸引メンテナンス、ノズル形成面の汚れや吸引メンテナンスにより付着したインク滴を除去するためのワイピングメンテナンス、専用に設けたインク受けに強制的にインクを吐出させるスピッティングメンテナンス等がある。
これらのメンテナンスのうち、本出願人が提案する特許文献1には、スピッティングメンテナンスを行う技術が開示されている。図9に示すように、用紙搬送方向(D方向)に沿って斜め方向に配設される4つのヘッドブロック71A、71B、71C、71Dからなるインクヘッド部71が開示されている。上記各ヘッドブロック71A〜71Dは、支持基板72A〜72D上に、搬送方向Dに対して斜め方向に重なりを持つように3対のインクヘッドユニット73が2列に固定されている。各インクヘッドユニット73は、一対のノズル列からなり、インク滴吐出する圧電素子が組み込まれている。
このインクヘッドユニット73をメンテナンスする回復処理装置(メンテナンス装置)75は、図10及び図11に示すように、それぞれのインクヘッドユニット73と対向するようにメンテナンス用のキャップ77が配置されている。この回復処理装置75は、インクヘッド部71を収納するヘッド部74の横に隣接するように配置され、図示しない移動機構によってスライドするように構成されている。
図11は、この回復処理装置75によるメンテナンスを実行している状態を示している。メンテナンス時には、ヘッド部74は、用紙搬送系から上昇して離れ、その隙間に回復処理装置75が移動機構により差し込まれる。この状態で、各インクヘッドユニット73とキャップ77を対向させて、インクの吐出による回復処理を行っている。
特開2002−120386号公報、図4及び図7、段落番号[0075]
上記特許文献1の図10に示す回復処理装置は、回復処理を行う場合、インクヘッド部71の全インク吐出面に対して、同時にクリーニングすることができ、素早い回復処理が可能になる。一方、印字動作時には回復処理装置75全体が搬送ベルト76上から横方向に退避している。これにより、用紙搬送系のコンパクト化を実現している。一方、回復処理装置75本体はインクが他の構成部位に飛散しないように、ヘッドユニット73と同等以上の配置面積以上の必要となる。このため、使用していない場合にヘッドユニット73の隣に退避されていると、画像形成装置全体が大型化することとなり、特に設置面積の縮小が難しい。また、メンテナンス方法がスピッティングとワイピングによるものであり、吸引メンテナンスは実施していない。
そこで本発明は、搬送方向に対して重なりを持つように配置された複数のインクヘッドのメンテナンス時に吐出されたインクを飛散させることなく回収し、且つ画像形成装置本体の小型化を実現するインクヘッドのメンテナンス装置を提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、配列された複数のノズルからインクを吐出して、プラテン部で搬送される画像形成媒体に画像を描画するための複数のインクヘッドが、該ノズル列が重なり持つように複数列に配列されるヘッドユニットを有する画像形成装置のインクヘッドのメンテナンス装置において、前記インク吐出面と対向する位置にそれぞれ配置され、該インク吐出面に宛がわれて前記ノズル列を密閉するキャップ部と、を具備し、前記ヘッドユニットは描画する画像形成媒体の搬送方向に沿って、それぞれが等間隔にスペースを空けて配置され、描画時には、それぞれの前記スペース内に前記キャップ部を退避させるインクヘッドのメンテナンス装置を提供する。
さらに、前記インクヘッドのメンテナンス装置は、前記キャップ部と、前記ヘッドユニットのインク吐出面に付着するインクを吸引するメンテナンス吸引部とを組として、画像形成時以外に該ヘッドユニットのノズルが吐出したインクを受滴し、回収するオイルパンと、前記オイルパンを前記搬送方向と直交する方向に移動させるメンテナンス移動部と、前記オイルパンを支持し、前記搬送方向に移動させるスライド移動部と、前記キャップ部と前記メンテナンス吸引部を昇降可能に吊り下げる昇降フレームと、前記画像形成媒体を搬送するためのプラテン部を昇降させるプラテン昇降部とを備えて、前記プラテン昇降部による昇降動作と、前記スライド移動部によるスライド動作とにより、描画時には前記スペース内に前記キャップ部を退避させ、スタンバイ状態時又は停止状態時又はメンテナンス時には、前記インク吐出面を前記キャップ部で密閉する。
以上のように構成されたインクヘッドのメンテナンス装置は、スタンバイ状態時又は、停止状態時には、キャップ部がヘッドユニットのインク吐出面に密着して、ノズルの乾燥を防止し、稼働時には、キャップ部は隣接するヘッドユニット間のスペース内に退避される。
本発明によれば、搬送方向に対して重なりを持つように配置された複数のインクヘッドのメンテナンス時に吐出されたインクを飛散させることなく回収し、且つ画像形成装置本体の小型化を実現するインクヘッドのメンテナンス装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明のヘッド列のメンテナンス装置に係る一実施形態の概念的な構成を斜め上方から見た斜視図である。以下に説明する本実施形態において、画像形成のためにインクを吐出するものをノズル、複数のノズルが列状に配置されたものをノズル列、ノズル列が設けられた面をノズル形成面、ノズル形成面とその周辺部(ヘッドフレーム面)をノズル形成領域(又はインク吐出面)、1つのノズル形成領域が設けられたものをインクヘッド、2つのインクヘッドが一体的に成っているものをヘッドユニット、複数のヘッドユニットが配列されたものをヘッド列、及び複数のヘッド列が2次元的に配置されたものをヘッド(インク吐出部)と称している。さらに、以下の実施形態において、媒体の搬送方向をX軸方向とし、これと水平に直交するY軸方向を前後方向として、垂直に直交するZ軸方向を上下方向として説明している。
図1は、本発明のヘッド列のメンテナンス装置に係る一実施形態の概念的な構成を斜め上方から見た斜視図である。以下に説明する本実施形態において、画像形成のためにインクを吐出するものをノズル、複数のノズルが列状に配置されたものをノズル列、ノズル列が設けられた面をノズル形成面、ノズル形成面とその周辺部(ヘッドフレーム面)をノズル形成領域(又はインク吐出面)、1つのノズル形成領域が設けられたものをインクヘッド、2つのインクヘッドが一体的に成っているものをヘッドユニット、複数のヘッドユニットが配列されたものをヘッド列、及び複数のヘッド列が2次元的に配置されたものをヘッド(インク吐出部)と称している。さらに、以下の実施形態において、媒体の搬送方向をX軸方向とし、これと水平に直交するY軸方向を前後方向として、垂直に直交するZ軸方向を上下方向として説明している。
本発明の画像形成装置におけるヘッドユニット2は、全媒体幅に亘り配列された複数のノズルから微小インク滴を吐出して、画像(カラー又は白黒等)を描画出力するインクジェット方式画像形成装置である。図1に示すように大きくは、色毎(ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアン)に4グループのヘッド列1A,1B,1C,1Dにブロック分割されて、画像形成用媒体の搬送方向に対して等間隔(スペースS)を空けて配置される。この例では、各ヘッド列1A〜1Dは、6個のヘッドユニット2が前後方向(Y軸方向)で3個ずつ2列で、画像形成時に隙間ができないようにノズル3の列が僅かに重なるように互い違いに配置される。本実施形態のヘッド列1A〜1Dでは、4ブロック分割でヘッドユニット2が2列に配列された例であるが、勿論、この例に限定されるものではなく、設計に応じて適宜、個数及び配置形態は変更することができる。例えば、本実施形態では、4色のインクを用いているため、4ブロック分割であるが、5色であれば5ブロック分割でもよいし、同じ色を複数のブロックに分割してもよい。また、ヘッドユニット2においても2つのインクヘッドではなく、それ以上に合体されていてもよい。
これらのヘッド列1A〜1Dの各ヘッドユニット2は、図5に示すような支持体22に等間隔のスペースを設けて、インク供給系13から供給されたインクをノズル3のインク吐出口から下方向(Z軸方向)に吐出するように吊り下げられて配置されている。
メンテナンス装置は、図1に示されるようにヘッド列1A〜1Dの位置に対応するように、4つにブロック分割されたメンテナンスユニット4A,4B,4C及び4Dが設けられている。これらのメンテナンスユニット4A〜4Dは、ヘッド列1A〜1D間に等間隔に設けられた各スペースSに収まるように配置されるオイルパン(吸引部取り付け支持部)5上に6個のメンテナンス吸引部6が前述したヘッドユニット2の配置形態と合致するように配置される。この実施形態では、ヘッドユニット2の一方の端側に対向するように配置して、メンテナンス動作を実施する。オイルパン5は、メンテナンスの際に吐出されたインクが他の構成部位に飛散しないように回収するために設けられている。
メンテナンス装置は、図1に示されるようにヘッド列1A〜1Dの位置に対応するように、4つにブロック分割されたメンテナンスユニット4A,4B,4C及び4Dが設けられている。これらのメンテナンスユニット4A〜4Dは、ヘッド列1A〜1D間に等間隔に設けられた各スペースSに収まるように配置されるオイルパン(吸引部取り付け支持部)5上に6個のメンテナンス吸引部6が前述したヘッドユニット2の配置形態と合致するように配置される。この実施形態では、ヘッドユニット2の一方の端側に対向するように配置して、メンテナンス動作を実施する。オイルパン5は、メンテナンスの際に吐出されたインクが他の構成部位に飛散しないように回収するために設けられている。
また、各メンテナンス吸引部6間の前後方向の各スペースには、キャップ部7がそれぞれ配置される。このキャップ部7は、ヘッドユニット2による画像形成が行われていないスタンバイ状態又は停止状態の時に、ヘッドユニット2のインク吐出面を覆うように宛がわれる。このキャップ部7によりインク吐出面を覆うことにより、ノズル3の乾燥を防止し、また不用意なインク垂れによる他の構成部位、例えば、プラテンベルト等への汚れを防止する。従って、ヘッドユニット2が稼働しているとき以外は常時、インク吐出面を覆うことが好ましい。
これらのメンテナンスユニット4A〜4D及びキャップ部7は、後述するように画像形成時には(図1の状態)、スペースSに退避し、メンテナンス動作時には、取り出されて各ヘッドユニット2のインク吐出口とそれぞれに対向する。メンテナンス吸引部6で吸引したインクとオイルパン5で回収したインクは、図示しない廃液タンク25に回収されている。
これらのメンテナンス吸引部6は、上面に複数の吸引口9が配列され、吸引ポンプ等から成る負圧生成部10に連結され、ノズル3のインク吐出面(図示せず)に近接して対向しつつスライドされる際に、吸引口9からインク吐出面上に付着するインクを吸引するように構成されている。
さらに、メンテナンス吸引部6の上面で吸引口9の前方には、スライド移動時にノズル3のインク吐出面を拭き取るためのワイパー14が取り付けられている。このワイパー14は、ゴム等の弾性部材や樹脂等により形成される。本実施形態では、ゴムを板状に形成し、該ゴム先端をノズル3のインク吐出面に曲がった状態で当ててからスライドさせることでインクを払拭させている。また、この吸引口9の配列の中央には、ヘッドユニット2の中央に設けられたガイド溝12に当接してスライド時に吸引口9とインク吐出面との位置関係を保持させるための位置決めガイド13が設けられている。
オイルパン5は、前後端(Y軸方向)が図示しない支持部材により、前後方向にスライド可能となるように、平行なサイドフレーム(第1の支持部材)17に支持されている。これらのサイドフレーム17は、搬送方向における両端側に長円形状のスリット18がそれぞれ形成される。また各サイドフレーム17のスリット18と直交する上下方向(Z方向)に形成されたスリット19を有する昇降フレーム(第2の支持部材)20が図示しない画像形成装置本体フレームに固定されている。さらに、それぞれのサイドフレーム17及び昇降フレーム20のスリット18,19を重ね合わせてビス等からなる連結部21により嵌着されている。
上記サイドフレーム17は、モータ及びギヤ等の移動機構から成るスライド移動部24が連結されて、オイルパン5と一体的に搬送方向に沿って移動可能となっている。また、オンルパン5は、前後方向にスライド可能に設けられ、モータやギヤ等からなる移動機構で構成されるメンテナンス移動部8に連結されて、メンテナンス時にメンテナンス吸引部6がノズル3のインク吐出面に沿って移動するように駆動される。またオイルパン5又はサイドフレーム17に連結して、メンテナンス吸引部6を上下方向に昇降させるための昇降移動部23が設けられている。尚、本実施形態では、昇降移動部23は、後述するプラテン昇降部55が兼用する。
このような構成により、メンテナンスユニット4A〜4D(メンテナンス吸引部6及びキャップ部7)を載置するオイルパン5がサイドフレーム17を介して昇降フレーム20に吊り下げられた状態となっている。そして、メンテナンスユニット4A〜4Dは、図1に示されるスライド機構部24により搬送方向に沿って移動可能となり、昇降移動部23により、上下方向に移動可能となっている。
図2には、上記キャップ部7の具体的な構成例を示す。また図3(a)は、ヘッドユニット2にキャップ部7を当接させた状態を示し、図3(b)は、メンテナンス吸引部6よるヘッドユニット2のクリーニングを行っている状態を示している。
このキャップ部7は、オイルパン5に固定されるベース部31と、ベース部31上に設けられた2つのコイルばね32をそれぞれ固定するばね固定部31aと、コイルばね32に連結されるキャップベース部33と、キャップベース部33に着脱可能に被せられたフッ素ゴム等の耐腐食性を有する弾性部材からなるキャップ34とで構成される。
キャップベース部33は、その上面にキャップ34を保持するための突起形状の保持部33aが2つ設けられている。キャップ34には、これらの保持部33aと嵌合する穴が開口されており、キャップベース部33に被せられた際に、保持部33aと嵌合して固定される。また、この保持部33aの上面には、図1に示されるヘッドユニット2のガイド溝12と当接する突起が設けられており、位置合わせに用いられる。
またキャップ34上面には、密閉後のヘッドユニット2と離しやすくするために、空気穴又は、ヘッドユニット2から滴下したインクをオイルパン5に流し出す排出穴として利用される3つの穴35が開口されている。更に、キャップ34上面には、図2(a)に示すようにヘッドユニット2と当接した際に、各ノズル列と対向する2本の溝36がそれぞれ設けられている。これらの溝36を設けることにより、ヘッドユニット2をキャップ部7に宛がわせた際に、不用意にノズル3からインクが垂れたとしても溝36に落ちるため、インク吐出面に付着した状態でインクが固まること防止することができる。さらに、コイルばね32の弾性力によりインク吐出面にキャップ34は押しつけられ、ノズルとキャップ面とが非接触で且つ、ノズル列を密封することができ、乾燥防止効果を高めることができる。
図3(b)に示すように、キャップベース部33のインク受滴面は、メンテナンス吸引部6のインク吐出面に対して、長手方向(前後方向)に傾きθを有するように設けられている。この傾きθは、キャップ34上に垂れたインク滴をオイルパン5に流し落とし易くするために設けられたものであり、例えば、1〜数度でよく、ヘッドユニット2との当接を考慮して、好ましくは、1度程度の傾きを有するように設けられている。この傾きは、原則的には、キャップベース部33の受滴面が傾いていれば、どちらの方向であってもよい。この実施形態では、保持部33aを設けているため、長手方向の後側に傾いている。
図4は、前述したキャップ部7の変形例を示している。
この変形例のキャップ部7aは、前述したキャップ34の上面の周囲に凸状の枠部38を設けたキャップ37を用いたものである。これ以外の構成は、前述したキャップ部7と同等である。
このキャップ37を用いることにより、インク吐出面において密閉性を高めて乾燥を防止し、且つノズル3から垂れ出たインクを溝36に落とすことができ、インク列におけるインクの付着を防止することができる。
次に、図5乃至図8は、本実施形態の画像形成装置に対するメンテナンス処理におけるキャップ部の移動について説明するための図である。まず、図5を参照して、画像形成装置の媒体搬送系の主たる部位について説明する。
この画像形成装置の媒体搬送系は、画像形成媒体供給部40、プラテン部50及び排出部60に大別される。画像形成媒体供給部40においては、画像形成用媒体41を収納する媒体トレイ42と、媒体トレイ42から媒体41を取り出すピックアップローラ43と、取り出された媒体41の傾きを無くし搬送方向に沿うように修正するレジストレーションローラ対44と、プラテン部50側へ媒体41を供給する供給ローラ対45とで構成される。
プラテン部50は、内部に設けられ、搬送される媒体41の画像形成基準位置を規定してノズル3と対向し、且つ搬送中の媒体41に対する吸引機能を有するプラテンフレーム51と、プラテンフレーム51を収納するプラテン外装フレーム52と、プラテン外装フレーム52の全外周に掛けられ、プラテンフレーム51に媒体41を搬送させるためのプラテンベルト53と、このプラテンベルト53に所定のテンションを与えつつ矢印方向に回転させるためのプラテンベルトローラ54とで構成される。
また、プラテン部50は、プラテン昇降部55により画像形成位置(図5)、キャップ位置(図3(a))、メンテナンス位置又はスタンバイ[停止]位置(図8)及び、媒体41を取り除いたり補修等を行うためのジャム処理位置の4段階の高さに昇降される。尚、ジャム処理位置は、図示していないが、プラテンフレーム51が最も下がった位置としている。
このプラテン昇降部55は、少なくとも4つの上端部56aが同時に同じ高さになるように回動するアーム56を備えており、これらの上端部56aがプラテン外装フレーム52の底面を移動可能に支持する。また、このプラテン外装フレーム52にメンテナンス装置のサイドフレーム17を載置させておくことにより、プラテン外装フレーム52の昇降に伴い、昇降フレーム20のスリット19にガイドされつつサイドフレーム17を昇降させることができる。
また媒体排出部60は、画像形成された媒体41を収納する排出トレイ59と、プラテン部40から画像形成された媒体41を排出する排出部搬送ローラ57と、排出トレイ59に媒体41を収納させる排出部排出ローラ58とで構成される。
次に、メンテナンス装置の動作について説明する。
まず、図5は通常の画像形成時のメンテナンス装置が退避している状態を示している。前述したように、プラテン昇降部55によりプラテン外装フレーム52を介してサイドフレーム17が押し上げられ、メンテナンス吸引部6及びキャップ部7は、ヘッド列1A〜1D間のスペースSに収納されるように退避されている。
まず、図5は通常の画像形成時のメンテナンス装置が退避している状態を示している。前述したように、プラテン昇降部55によりプラテン外装フレーム52を介してサイドフレーム17が押し上げられ、メンテナンス吸引部6及びキャップ部7は、ヘッド列1A〜1D間のスペースSに収納されるように退避されている。
次に、図示しない画像形成装置の操作パネルでユーザがメンテナンスを指示した場合、又は、処理枚数や処理時間累計の設定により自動的にメンテナンスが実行された場合には、図6に示すようにプラテン昇降部55のアーム51が立ち下がるように回動されてアーム上端部56aが下がる。これに伴い、プラテン外装フレーム52及びサイドフレーム17が下降する。この下降は、メンテナンス吸引部6及びキャップ部7の上面がヘッドユニット2のインク吐出面より僅かに下がった位置において一旦停止する。
次に図7に示すように、サイドフレーム17がスライド機構部24(図1参照)により、搬送方向の上流側に移動され、メンテナンス吸引部6の上面がヘッドユニット2のインク吐出面と対向した位置で停止される。そして図8に示すように、プラテン昇降部55のアーム56が回動されてアーム上端部56aが上がり、これと共にサイドフレーム17が上昇して、ヘッドユニット2にキャップ部7(図3(a)を参照)が当接して停止する(キャップ位置)。このとき、図1に示されるヘッドユニット2のガイド溝12に突起形状の保持部33aが当接して位置決めされ、ヘッドユニット2のインク吐出面(ノズル列)を密閉する。または前記キャップ位置より下降した位置において、ヘッドユニット2にメンテナンス吸引部6(図3(b)を参照)が当接して停止する(メンテナンス位置)。このとき、図1に示されるヘッドユニット2のガイド溝12に位置ガイド13が当接し、インク吐出面(ノズル列)とメンテナンス吸引部6の吸引口9とは、僅かに隙間が空くようになっており、ワイパー14のみがインク吐出面に当接している(図3(b)を参照)。
次に、メンテナンス移動部8によりオイルパン5に配置されるメンテナンスユニット4A〜4Dがヘッド列1A〜1D下をスライド移動する。この時に、強制的にインクを吐出させるスピッティング処理を行ってもよい。このスライド移動に伴い、ヘッドユニット2のインク吐出面をワイパー14がノズル3のインク吐出面を払拭しつつ(ワイピングメンテナンス)、負圧生成部10により吸引動作している吸引口9がノズル3から残留するインクを吸引して(吸引メンテナンス)、図示しない廃液タンク(図1に示す廃液タンク25参照)に回収する。また、この際に飛散したインクは、ベースフレーム7下方に設けられているオイルパン5で回収されて、図示しない廃液タンクへ送られている。
以上説明したメンテナンス装置は、通常の画像形成時には、メンテナンスユニット4A〜4D及びキャップ部7がヘッド列1A〜1D間のスペースSに退避しているため、従来のプラテンの横側に退避させた構成の画像形成装置に対して、設置面積で小型化が実現できる。また、ヘッド列1A〜1Dに隣接してキャップ部が配置されているため、スタンバイ状態及び、停止状態におけるヘッドユニット2のインク吐出面にキャップを宛うまでの移動距離が短くなり、稼働状態となるまで時間が短縮され、ユーザにとっては、待ち時間が短く使い勝手がよくなる。
さらに、キャップ部の昇降がプラテン部を昇降するプラテン昇降部の駆動部により行われているため、駆動部が簡略化されて構成が簡単になり、装置重量の軽量化やコスト低減が実現できる。また、インクヘッドに一対一に対応させてメンテナンス吸引部が配置されているため一度のスライド動作により、全てのインクヘッドのメンテナンスが実施できる。
尚、本発明は、前述した一実施形態に限定されるものではなく、開示される要旨を逸脱しない範囲内で、適宜、構成部位について変形及び組み合わせることができる。前述した一実施形態では、メンテナンスユニット4A〜4Dにおいて、各キャップ部をオイルパンに配置して、一体的にキャップ動作させている例について説明したが、ヘッド列毎にキャップ動作させてもよい。例えば、ヘッド列毎に動作する上下移動機構を有し、停止時にはインク吐出時より上昇している構成を有したならば、文書印刷などのブラック(B)インクのみを使用する場合には、ブラックインクを吐出するヘッド列のキャップ部を外して、下降させて画像(文字)形成し、それ以外の色のインクを吐出するヘッド列はキャップ部でカバーされた状態を維持させてもよい。このように構成すれば、使用していないインクヘッドはキャップされた状態を維持するため、不使用時に発生するジャムによる損傷等を防止することができる。勿論、記載されている実施形態の各構成部位を組み合わせてよいし、また、構成部位から所望に応じて、幾つかの構成部位を削除して実施することもできる。
1A〜1D…ヘッド列、2…ヘッドユニット、3…ノズル、4A〜4D…メンテナンスユニット、5…オイルパン、6…メンテナンス吸引部、7…キャップ部、8…メンテナンス移動部、9…吸引口、10…負圧生成部、12…ガイド溝、13…位置決めガイド、14…ワイパー、17…サイドフレーム、18,19…スリット 、20…昇降フレーム(第2の支持部材)、21…連結部 、22…支持体、23…昇降移動部、24…スライド移動部、31…ベース部、31a…ばね固定部、32…コイルばね、33…キャップベース部、33a…突起形状の保持部、34…キャップ、35…穴、36…溝。
Claims (7)
- 配列された複数のノズルからインクを吐出して、プラテン部で搬送される画像形成媒体に画像を描画するための複数のインクヘッドが、該ノズル列が重なり持つように複数列に配列されるヘッドユニットを有する画像形成装置のインクヘッドのメンテナンス装置において、
前記インク吐出面と対向する位置にそれぞれ配置され、該インク吐出面に宛がわれて前記ノズル列を密閉するキャップ部を具備し、
前記ヘッドユニットは描画する画像形成媒体の搬送方向に沿って、それぞれが等間隔にスペースを空けて配置され、描画時には、それぞれの前記スペース内に前記キャップ部を退避させることを特徴とするインクヘッドのメンテナンス装置。 - 前記インクヘッドのメンテナンス装置において、
前記キャップ部と、前記ヘッドユニットのインク吐出面に付着するインクを吸引するメンテナンス吸引部とを組として、画像形成時以外に該ヘッドユニットのノズルが吐出したインクを受滴し、回収するオイルパンと、
前記オイルパンを前記搬送方向と直交する方向に移動させるメンテナンス移動部と、
前記オイルパンを支持し、前記搬送方向に移動させるスライド移動部と、
前記キャップ部と前記メンテナンス吸引部を昇降可能に吊り下げる昇降フレームと、
前記画像形成媒体を搬送するためのプラテン部を昇降させるプラテン昇降部と、を具備し、
前記プラテン昇降部による昇降動作と、前記スライド移動部によるスライド動作とにより、描画時には前記スペース内に前記キャップ部を退避させ、スタンバイ状態時又は、停止状態時には、前記インク吐出面を前記キャップ部で密閉することを特徴とする請求項1に記載のインクヘッドのメンテナンス装置。 - 前記インクヘッドのメンテナンス装置において、
前記キャップ部は、
前記オイルパンに固定されるベース部と、
インクヘッドのインク吐出面を密閉するキャップと、
前記キャップを着脱自在に装着されたキャップベース部と、
前記ベース部と前記キャップベース部を連結する弾性部材と、
前記キャップベース部に設けられ、前記キャップを該キャップベース部に保持し、前記インクヘッドを密閉する際に該インクヘッドへの位置出しを行う少なくとも1つの突起を有する保持部と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載のインクヘッドのメンテナンス装置。 - 前記インクヘッドのメンテナンス装置において、
前記メンテナンス吸引部と前記キャップが前記メンテナンス移動方向の直線上に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のインクヘッドのメンテナンス装置。 - 前記インクヘッドのメンテナンス装置において、
前記メンテナンス吸引部より前記キャップ部より高い位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載のインクヘッドのメンテナンス装置。 - 前記インクヘッドのメンテナンス装置において、
前記ヘッドユニットの前記インク吐出面に対して、前記キャップ部の前記キャップ上面の全周が非密着時は、前記メンテナンス移動方向に略平行ないずれかの方向に少なくとも傾きを設けてあることを特徴とする請求項3に記載のインクヘッドのメンテナンス装置。 - 前記インクヘッドのメンテナンス装置において、
前記キャップの上面には、前記ヘッドユニットの前記インク吐出面と密着した際に、該インク吐出面内に配列されたノズル列と対向する位置に溝を有することを特徴とする請求項3に記載のインクヘッドのメンテナンス装置。
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