JP2005109969A - オーディオシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】高温用及び低音用の各スピーカからの音波の相互干渉による悪影響を防止すると同時に、高音用スピーカの能力を十分に発揮できるようにする。
【解決手段】 入力音声信号を所定のクロスオーバ周波数により高域側及び低域側の成分に帯域分割する高域側及び低域側のフィルタ11、12と、帯域分割された高域側及び低域側の成分に基づいてそれぞれ駆動され、高域側及び低域側の音波をそれぞれ出力する高域側及び低域側のスピーカ17、18とを備えたオーディオシステムにおいて、高域側及び低域側のフィルタとして、高域側及び低域側の音波間の干渉を聴取者が認識できない程度に両者間の各遷移域の減衰特性が急峻なものを用いる。
【選択図】図1
【解決手段】 入力音声信号を所定のクロスオーバ周波数により高域側及び低域側の成分に帯域分割する高域側及び低域側のフィルタ11、12と、帯域分割された高域側及び低域側の成分に基づいてそれぞれ駆動され、高域側及び低域側の音波をそれぞれ出力する高域側及び低域側のスピーカ17、18とを備えたオーディオシステムにおいて、高域側及び低域側のフィルタとして、高域側及び低域側の音波間の干渉を聴取者が認識できない程度に両者間の各遷移域の減衰特性が急峻なものを用いる。
【選択図】図1
Description
本発明は、オーディオシステムに関する。
一般に、オーディオシステムにおいて、高音用スピーカは高音の直進性と非回折性により耳の高さに設置することが望ましく、低音用スピーカは低音の回折性により設置位置はあまり限定されないとされている。たとえば、車載用のオーディオシステムの場合、車室内においては、設置位置に制約があるため、スピーカはドア上の、乗員の足元の高さ位置に設置されるが、この設置位置では、上述の高音の振る舞いから高音は聴取者に届きにくい。そこで高音用スピーカを設け、これを車室内の高い位置に設置するようにしている。
図6はこのような車載用のオーディオシステムにおけるスピーカの配置を例示する。このシステムは高音用スピーカ61及び低音用スピーカ62を有する。低音用スピーカ62は足元の位置に設置するとともに、高音用スピーカ61をフロント・ドアの上部などの高い位置に設置するようにしている。
図7はこの車載用のオーディオシステムの一部を示す。このシステムは、再生信号を増幅するパワーアンプ71、増幅された音声信号を高域側及び低域側の成分に帯域分割するハイパスフィルタ72及びローパスフィルタ73、分割された高域側及び低域側の成分に基づいてそれぞれ駆動され、高域側及び低域側の音波をそれぞれ出力する高音用スピーカ75及び低音用スピーカ76を備える。ハイパスフィルタ72及びローパスフィルタ73は帯域分割フィルタを構成している。CDレシーバ等からの再生信号は、パワーアンプ71で増幅され、さらに帯域分割フィルタによって低域側及び高域側に分割され、そして高音用スピーカ75及び低音用スピーカ76によって音波信号に変換され、聴取者の耳に到達する。
このように各帯域に分割した再生信号によって各帯域専用のスピーカ75及び76を駆動するシステムにおいては、各スピーカ75及び76による合成音の特性を滑らかにするため、帯域分割フィルタとして、インダクタ及びキャパシタを用いて構成される、1次又は2次のアナログフィルタを用いている。かかる帯域分割フィルタは、遷移域における減衰特性が比較的緩やかものとなっている。
図8はハイパスフィルタ72及びローパスフィルタ73による帯域分割フィルタの振幅周波数特性を例示する。図中の曲線8H及び8Lはそれぞれハイパスフィルタ72及びローパスフィルタ73の特性曲線である。各フィルタ72及び73の遮断特性は6[dB/oct]となっている。両フィルタのクロスオーバ周波数fcを中心として、両フィルタを通過する信号の周波数帯域は重複している。したがって、両スピーカ75及び76から出力される音波も、その周波数帯域にわたって同一周波数のものが重複することになる。減衰特性が緩やかであるため、重複する周波数帯域は広範囲にわたっている。このようなシステムの例としては、たとえば特許文献1に記載のものを挙げることができる。
特開平4−318800号公報
しかしながら、このように高音用及び低音用の両スピーカからの音波における重複した周波数帯域が広い帯域に渡って存在すると、その周波数帯域において、両スピーカからの音波中に、フィルタの位相回転によって相互に逆位相になる周波数ポイントが存在し、そのポイントでは両スピーカからの音波が相互に打ち消し合って消失してしまうという問題がある。かかる位相回転の影響を抑えるために、両スピーカの設置面をずらして時間差を生じさせる方法もあるが、これによれば、逆位相になるポイントをずらすだけであり、根本的な解決にはならない。
また、遮断特性が緩やかであると、高域側のフィルタはかなり周波数の低い低域側の成分も通過させ、これを高音用スピーカに対して供給することになる。そうすると、低音用スピーカに比べて耐入力電力が低い高音用スピーカが、振幅の大きい低域成分によって破壊されることがないように、低電力で高音用スピーカを動作させる必要が生じる。また、高温用スピーカの共振周波数よりもかなり低い信号が入力されることにもなる。これらを回避するために、フィルタの遮断周波数を高くする方法もあるが、適切な再生音を得るためには遮断周波数を無理に高くすることはできない。したがって、これらの制約により、高音用スピーカの性能を十分に発揮することができてきない。
また、このようなオーディオシステムにおいて、スピーカから聴取者までの距離が、高音用スピーカと低音用スピーカとで異なっていると、両スピーカから同時に出力される音波が異なる時刻に聴取者の耳に到達するので、聴取者に対し不自然な感じを与える。特に車載用のオーディオシステムにおいては、上述のように低音用スピーカを足元に設置し、高音用スピーカをサイドミラー近傍に設置することなどによって、各スピーカから聴取者までの距離が異なる場合が多いので、問題となる。また、上述の重複した周波数帯域においては、同一周波数の音波が時間差をもって聴取者に到達するので、時間差に応じて丁度逆位相になってしまう周波数では、両スピーカからの音波同士が打ち消し合う。つまり、周波数に応じたピーク・ディップが発生するという問題がある。
本発明の目的は、かかる従来技術の問題点に鑑み、高域側及び低域側に帯域分割した音声信号によって高温用及び低音用のスピーカを駆動するオーディオシステムにおいて、各スピーカからの音波の相互干渉による悪影響を防止すると同時に、高音用スピーカの能力を十分に発揮できるようにすることにある。
上記目的を達成するため、第1の発明に係るオーディオシステムは、入力音声信号を高域側及び低域側の成分に帯域分割する高域側及び低域側のフィルタと、帯域分割された高域側及び低域側の成分に基づいてそれぞれ駆動され、高域側及び低域側の音波をそれぞれ出力する高域側及び低域側のスピーカとを備えており、高域側及び低域側のフィルタは、高域側及び低域側の音波間の干渉による音の劣化を聴取者が認識できない程度に遷移域の減衰特性が急峻であることを特徴とする。
ここで、オーディオシステムとは、たとえば、車載用のオーディオシステムであって、高音用スピーカをフロント・ドア上部やダッシュボード上に設け、低音用スピーカをフロント・ドア下部の足元に設けたようなオーディオシステムが該当する。「高域側」及び「低域側」とは相対的な意味で用いられている。たとえば3ウェイスピーカの場合、中音域用のスピーカを高域側スピーカとし、低音用スピーカを低域側スピーカとして本発明を適用することもできる。
この構成において、入力音声信号は、図2に例示されるような振幅周波数特性を有する高域側及び低域側のフィルタにより帯域分割される。図中の2H及び2Lはそれぞれ高域側フィルタ及び低域側フィルタの特性曲線である。特性曲線2Hと2Lはクロスオーバ周波数fcにおいて交差しており、両フィルタにおける実質的な信号通過範囲は、クロスオーバ周波数fcを中心として振幅が減衰するまでの周波数範囲Fwにおいて重複している。したがって、帯域分割された高域側及び低域側の成分によって駆動される高域側及び低域側スピーカは、音域が周波数範囲Fwにおいて重複している音波を出力する。この重複している周波数範囲Fwでは、高域側及び低域側スピーカからの音波は同一周波数成分間で干渉を生じ、同位相であれば強め合い、逆位相であれば弱め合うので、高域側及び低域側各スピーカから聴取者までの距離の差やフィルタの位相回転によって生じる位相差により、ピーク・ディップとしての音の劣化が生じることが知られている。
従来は、高域側及び低域側フィルタの特性が、図8の曲線8H及び8Lで例示されるような比較的緩やかな減衰特性を有しているため、ピーク・ディップの発生し得る範囲は非常に広い周波数範囲にわたっていた。したがって、ピーク・ディップが発生すると、聴取者が認識する音響に悪影響を与えていた。また、減衰特性が緩やかであると、高域側スピーカにはかなり低域側の信号が入力されることになるので、高域側スピーカの破壊を防止するためには、クロスオーバ周波数fcを下げることや十分な電力で駆動することはできない。一方、適切な再生音を得るためには、高域側スピーカの遮断周波数を無理に高くすることはできず、そうすると高域側スピーカには共振周波数より低い周波数の信号が入力される。つまり、相反する要求が錯綜し、高域側スピーカの性能を十分に発揮することができなかった。
これに対し、本発明によれば、高域側及び低域側のフィルタとして、図2において例示されるように、高域側及び低域側の音波間の干渉によるピーク・ディップ等の音の劣化を聴取者が認識できない程度に遷移域の減衰特性が急峻なものを採用している。これは、すなわち、高域側及び低域側のフィルタの減衰特性が、ある程度急峻になると、それに応じて、高域側及び低域側の帯域が重複している周波数範囲Fwがかなり狭くなるため、その範囲でピーク・ディップが生じたとしても、聴取者はそれを認識することができなくなるのであり、本発明では高域側及び低域側フィルタがそのような急峻な減衰特性を有していることを意味している。また、この場合、高域側スピーカに低域側の信号がほとんど入力されることがないため、適切な再生音を得るためにクロスオーバ周波数fcを図8の従来例に比べ低く設定しても、十分な電力で駆動することができ、かつ共振周波数より低い周波数の信号が入力されることもない。したがって高域側スピーカの性能を十分発揮することができる。
第2の発明に係るオーディオシステムは、第1の発明において、高域側及び低域側のフィルタは、遷移域の幅が1/3[oct]以下であることを特徴とする。
第3の発明に係るオーディオシステムは、第2の発明において、高域側及び低域側フィルタは、遷移域における減衰量が80[dB]以上であることを特徴とする。
第4の発明に係るオーディオシステムは、第1〜第3のいずれかの発明において、分割された高域側及び低域側の音声信号に基づき、高域側及び低域側のスピーカを別個に駆動する高域側及び低域側のパワーアンプを有することを特徴とする。
第5の発明に係るオーディオシステムは、第1〜第4のいずれかの発明において、高域側及び低域側のスピーカからの音波が聴取位置に同時に到達するように、分割された高域側又は低域側の音声信号を遅延させる遅延手段を有することを特徴とする。
第6の発明に係るオーディオシステムは、第1〜第5のいずれかの発明にいて、フィルタはディジタルフィルタであることを特徴とする。
第7の発明に係るオーディオシステムは、第1〜第6のいずれかの発明において、フィルタは直線位相フィルタであることを特徴とする。
第8の発明に係るオーディオシステムは、第1〜第7のいずれかに記載の発明において高域側又は低域側フィルタの遮断周波数を変更する手段を有することを特徴とする。
本発明によれば、高域側及び低域側のフィルタとして、高域側及び低域側の音波間の干渉による音の歪を聴取者が認識できない程度に両者間の各遷移域の減衰特性が急峻なものを用いるようにしたため、高域側及び低域側スピーカからの音波の相互干渉による悪影響を防止すると同時に、高域側スピーカの能力を十分に発揮させることができる。
図1は本発明の一実施形態に係るオーディオシステムを示すブロック図である。同図に示すように、このスピーカシステムは、CDレシーバ等からの再生信号を高域側及び低域側に分割するハイパスフィルタ11及びローパスフィルタ12、分割された高域側及び低域側の音声信号に対しそれぞれ所定の時間遅延処理を施す時間遅延器13及び14、時間遅延器13及び14の出力に基づき高音用スピーカ及び低音用スピーカを別個に駆動するパワーアンプ15及び16、並びにパワーアンプ15及び16の出力信号を音波信号に変換する高音用スピーカ17及び低音用スピーカ18を備える。ハイパスフィルタ11及びローパスフィルタ12は音声信号を所定のクロスオーバ周波数により高域側及び低域側に分割するクロスオーバ・ネットワーク(チャンネル・デバイダ)を構成している。
図2はハイパスフィルタ11及びローパスフィルタ12の周波数振幅特性を示す。各フィルタ11及び12は、それぞれ曲線2H及び2Lで示されるような急峻なスロープ特性を有するディジタル・フィルタである。各フィルタ11及び12の遷移域の幅は1/3[oct]以下となっている。遷移域の幅を1/3[oct]以下としたのは、通常の音場解析が1/3[oct]幅を単位として行われているように、この程度よりも狭い帯域幅で高域側と低域側が重複して干渉によるピーク・ディップを生じたとしても、聴覚機能や音響心理等から考えて、人間には判別が困難であろうと考えられるからである。この場合、減衰量は再生音場によって異なるが、遷移域における減衰量としては、パワーアンプ15及び16の性能を考慮した場合、80[dB]あれば十分であり、聴覚上は60[dB]あれば十分であると考えられる。
図3はハイパスフィルタ11やローパスフィルタ12のインパルス応答を示す。各フィルタ11及び12としては、図2のような急峻な特性のものとするために、図3のようなインパルス応答を示すFIR(有限インパルス応答)フィルタが用いられる。また、各フィルタ11及び12は直線位相フィルタとして構成される。
時間遅延器13及び14は、高音用スピーカ17及び低音用スピーカ18からの音が、聴取位置において同時刻に到達するように設定される。高音用スピーカ17から聴取位置までの距離をa[m]、低音用スピーカ18から聴取位置までの距離をb[m]、音速をv[m/秒]とすると、各スピーカ17及び18から聴取位置に音波が到達するのに要する時間の差t[秒]は、t=(a−b)/vとなる。したがってたとえば、時間差tが正値の場合、高音用スピーカ17からの音波の方が低音用スピーカ18からの音波よりも遅れて到着することになるので、低音用スピーカ側の時間遅延器14における時間遅延量を−t[秒]に設定する。
この構成において、再生信号はハイパスフィルタ11及びローパスフィルタ12によって、図2に示される周波数特性に従い、所定のクロスオーバ周波数fcにより高域側及び低域側の各成分に分割される。このとき、各成分の遷移域が他の成分と重複するため、クロスオーバ周波数fcを中心とする一定幅の重複した周波数範囲Fwが生じる。しかし各フィルタの遷移域の幅が狭いため、周波数範囲Fwはきわめて狭い。また、ハイパスフィルタ11の遮断特性が急峻であるため、周波数の低い低域側成分が重複して高域側成分に含まれることはない。
分割された各成分はそれぞれ、時間遅延器13及び14により上述の設定に従った時間遅延が施され、パワーアンプ15及び16を経て、スピーカ17及び18に供給される。このとき、パワーアンプを経てから高域側及び低域側に分割して各スピーカを駆動する場合に比べ、各スピーカ17及び18間の干渉を抑えることができる。すなわち、分割後に別個のパワーアンプ15及び16によってスピーカ17及び18を独立に駆動しているので、スピーカの交流インピーダンス特性によって分割精度が変化したり、一方のスピーカコイルの逆起電力によって他方のスピーカの駆動に影響を及ぼしたりするのを防止することができる。
パワーアンプ15から高音用スピーカ17に供給される高域側の成分には、ハイパスフィルタ11の急峻な遮断特性によって、不要な低域側成分が確実に排除されているため、パワーアンプ15の増幅率を高くしても、低域成分の大きなエネルギーによって高音用スピーカ17を破壊する恐れはない。したがって、比較的高い増幅度で増幅された高域側成分により高音用スピーカ17が駆動され、その性能が十分に発揮される。また、このことはクロスオーバ周波数をより低めに設定することを可能にするので、低めの遮断周波数による高域側成分により、全体として適切な再生音を供給することができる。また、その場合でも、高音用スピーカ17の共振周波数より低い低域成分が入力されないため、高音用スピーカ17の性能をより効果的に発揮することができる。
高音用及び低音用スピーカ17及び18から出力される音波は、聴取者に到達する時刻が同一となるように、対応する高域側及び低域側成分の音声信号に対して上述の遅延処理が行われているので、聴取者に対して同時に到達する。したがって、高域側及び低域側の音波が異なる時刻にずれて耳に到達することによる違和感を聴取者に与えることはない。また、このとき、高域側及び低域側の音波間で重複する周波数範囲Fwの幅が狭いため、ピーク・ディップが発生したとしても、聴取者はそれを認識することはできない。なお、ハイパスフィルタ11及びローパスフィルタ12は直線位相フィルタであって、全周波数帯域で時間遅延は同一(一定)であるため、フィルタの相互干渉によるピーク・ディップは生じない。つまり、従来のアナログフィルタにおけるような位相特性による位相歪がなく、適切な再生を行うことができる。
図4は本発明の他の実施形態に係るオーディオシステムを示す。このシステムでは、ハイパスフィルタ11及びローパスフィルタ12、並びに時間遅延器13及び14をDSP(ディジタル信号プロセッサ)41により構成している。図中の42及び43はそれぞれ時間遅延器13及び14の出力をアナログ信号に変換するDAコンバータ、44及び45はそれぞれDAコンバータ42及び43の出力側に設けられたボリュームである。ボリューム44及び45の出力側は、それぞれパワーアンプ15及び16に接続されている。46はDSP41やボリューム44及び45を制御するマイクロコンピュータである。ユーザがマイクロコンピュータ46に指令を与えることにより、ハイパスフィルタ11及びローパスフィルタ12の遮断周波数を変更することができるようになっている。
DSP41はPCM(パルス・コード・モジュレーション)による音声信号に対し、マイクロコンピュータ46により設定されたフィルタ係数に基づいてフィルタ演算を施す。さらにマイクロコンピュータ46により設定された遅延時間に基づいて遅延処理を施し、DAコンバータ42及び43に出力する。DAコンバータ42及び43の出力は、それぞれボリューム44及び45、パワーアンプ15及び16を経て、高音用及び低音用スピーカ17及び18により音波に変換される。他の点については、図1の場合と同様である。
図5は別の実施形態に係るオーディオシステムにおけるDSP部分を示す。同図に示すように、このDSP51は1つの入力及び2つの出力を有するタップディレイ52、並びにタップディレイの2つの出力側にそれぞれ接続されたハイパスフィルタ53及びローパスフィルタ54を構成している。マイクロコンピュータ46を介して、タップディレイ52の各出力をそれぞれ独立に遅延時間を調整することができるようになっている。また、ハイパスフィルタ11及びローパスフィルタ12の遮断周波数を変更することができるようになっている。スピーカシステムにおける他の部分の構成は、図4の場合と同様であり、ハイパスフィルタ53及びローパスフィルタ54の出力側はそれぞれDAコンバータ42及び43に接続され、DSP51はマイクロコンピュータ46により制御される。
DSP51はPCMによる音声信号に対し、マイクロコンピュータ46(図4)により設定された各遅延時間に基づいて遅延処理を施し、遅延された各音声信号に対しマイクロコンピュータ46により設定されたフィルタ係数に基づいてフィルタ演算を施して、DAコンバータ42及び43に出力する。DAコンバータ42及び43の出力はそれぞれ、ボリューム44及び45、パワーアンプ15及び16を経て、高音用及び低音用スピーカ17及び18により音波に変換される。他の点については、図1の場合と同様である。これによれば図4の形態に比べ、同一の効果を奏しながら、時間遅延器に要するメモリを削減することができる。
以上説明したように、各実施形態によれば、音声信号を分割するハイパスフィルタ及びローパスフィルタとして遮断特性が急峻なものを用いるようにしたため、高音用スピーカの性能を十分に引き出すことができると同時に、高音域側及び低音域側の音波間の干渉による悪影響を排除することができる。また、分割された高域側及び低域側の音声信号に基づき、高音用及び低音用のスピーカを別個に駆動するパワーアンプを設けたため、スピーカ間の干渉を抑えることができる。また、高音用及び低音用のスピーカからの音波が聴取位置に同時に到達するように、分割された高域側又は低域側の音声信号を遅延させる遅延器を設けたため、高音用及び低音用のスピーカから同時に出力される音波が聴取者に異なる時刻に到達するのを防止することができる。また、ハイパスフィルタ及びローパスフィルタとして、FIR型の直線位相フィルタを用いるようにしたため、位相歪を防止し、適切な再生を行うことができる。また、ハイパスフィルタ又はローパスフィルタの遮断周波数を変更する手段を設けたため、クロス周波数を所望のものに変更することができる。
2H,8H:ハイパスフィルタの特性曲線、2L,8L:ローパスフィルタの特性曲線、11:ハイパスフィルタ、12:ローパスフィルタ、13,14:時間遅延器、15,16:パワーアンプ、17:高音用スピーカ、18:低音用スピーカ、41,51:DSP、42,43:DA変換器、44,45:ボリューム、46:マイクロコンピュータ、52:タップディレイ、53:FIRハイパスフィルタ、54:FIRローパスフィルタ、61:高音用スピーカ、62:低音用スピーカ、71:パワーアンプ、72:ハイパスフィルタ、73:ローパスフィルタ、75:高音用スピーカ、76:低音用スピーカ。
Claims (8)
- 入力音声信号を高域側及び低域側の成分に帯域分割する高域側及び低域側のフィルタと、
前記帯域分割された高域側及び低域側の成分に基づいてそれぞれ駆動され、高域側及び低域側の音波をそれぞれ出力する高域側及び低域側のスピーカとを備え、
前記高域側及び低域側のフィルタは、前記高域側及び低域側の音波間の干渉による音の劣化を聴取者が認識できない程度に遷移域の減衰特性が急峻であることを特徴とするオーディオシステム。 - 前記高域側及び低域側のフィルタは、遷移域の幅が1/3[oct]以下であることを特徴とする請求項1に記載のオーディオシステム。
- 前記高域側及び低域側フィルタは、遷移域における減衰量が80[dB]以上であることを特徴とする請求項2に記載のオーディオシステム。
- 前記分割された高域側及び低域側の音声信号に基づき、前記高域側及び低域側のスピーカを別個に駆動する高域側及び低域側のパワーアンプを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のオーディオシステム。
- 前記高域側及び低域側のスピーカからの音波が聴取位置に同時に到達するように、前記分割された高域側又は低域側の音声信号を遅延させる遅延手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のオーディオシステム。
- 前記フィルタはディジタルフィルタであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のオーディオシステム。
- 前記フィルタは直線位相フィルタであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のオーディオシステム。
- 前記高域側又は低域側フィルタの遮断周波数を変更する手段を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のオーディオシステム。
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