JP2005101423A - 磁気検出素子およびその製造方法 - Google Patents

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英治 梅津
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Abstract

【課題】 トラック幅領域における固定磁性層の固定力を強化して磁気抵抗変化率の増大を図ることにより、再生出力の向上が可能な磁気検出素子およびその製造方法を提供する
【解決手段】 フリー磁性層104と第1非磁性材料層105と固定磁性層121を含む多層膜T1の両側方部に、固定磁性層が延出した延出部121a,121aが形成されている。前記延出部121a,121aの下方にトラック幅方向に間隔を空けて一対の第1反強磁性層111,111が形成され、かつ前記延出部121a,121aの上方にトラック幅方向に間隔を空けて一対の第2反強磁性層113,113が形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ハードディスク装置や磁気センサなどに用いられる磁気検出素子に係り、特に固定磁性層の固定力を強化して磁気抵抗変化率の増大を図ることにより、再生出力の向上が可能な磁気検出素子およびその製造方法に関する。
近年の高記録密度化に伴い、ハードディスク装置や磁気センサなどに用いられる磁気検出素子においては、巨大磁気抵抗効果を利用したスピンバルブ型と呼ばれるものが主流になりつつある。
このスピンバルブ型磁気検出素子は、高い再生感度を有していることから高記録密度化に対応できる磁気検出素子として注目されているが、今後の更なる高記録密度化に伴うトラック幅の縮小のためには、磁気抵抗変化率ΔR/Rの増大が必要とされる。また、下部ギャップ層や上部ギャップ層間の間隔の縮小も必要とされる。
そのため、いわゆるリセスド−スピンバルブ型磁気検出素子とよばれるものが提案されている。この磁気検出素子の構造を図40に示す。図40は前記磁気検出素子を記録媒体との対向面から見た断面図である。
図40に示すように、図示しない基板上に下部シールド層1が形成されている。この下部シールド層1上に、Al23(酸化アルミニウム)などで形成された下部ギャップ層2が形成されている。この下部ギャップ層2の表面にトラック幅方向に間隔を開けて一対の凹部2a,2aが形成されており、前記凹部2a,2aに挟まれた凸部2bの上面2b1上に、シード層3が積層されている。
このシード層3の上に、フリー磁性層4、第1非磁性材料層5、固定磁性層6が形成されている。この固定磁性層6は、下から第1固定磁性層6a,第2非磁性材料層6bおよび第2固定磁性層6cの3層で構成された人口フェリ構造である。そして、これらフリー磁性層4、非磁性材料層5、固定磁性層6によって多層膜20が形成されている。
前記多層膜20の両側方に位置する前記凹部2a,2a内には、絶縁層7が形成され、この絶縁層7の上に硬磁性層8が形成されている。
図40に示すように、前記固定磁性層6は前記多層膜20の両側方に形成された前記硬磁性層8の上にも延出して形成されている。
前記固定磁性層6の上には、トラック幅方向に間隔W1を空けて一対の反強磁性層9が形成されている。図40に示すように、前記反強磁性層9は前記固定磁性層6の側方領域6d、6dの上に形成されている。
この反強磁性層9の上に、保護層10を介して一対の電極層11が形成され、この電極層11の上に保護層12が形成されている。
図40に示す磁気検出素子では、トラック幅Twは前記フリー磁性層4の長さ寸法で決定されており、一対の前記反強磁性層9間の前記間隔W1は、前記トラック幅Twよりも大きく形成されている。
前記反強磁性層9は、前記固定磁性層6との間に交換異方性磁界を発生させて、この固定磁性層6の磁化方向を図示Y方向に固定するためのものである。
図40に示す磁気検出素子に記録媒体からの洩れ磁界などの外部磁界が与えられると、前記フリー磁性層4の磁化方向が変化して、前記フリー磁性層4、前記第2非磁性材料層5、及び固定磁性層6からなる前記多層膜20の電気抵抗が変化する。この抵抗変化を電圧変化または電流変化として取り出すことにより外部磁界を検出する。
この図40に示す磁気検出素子では、前記反強磁性層9間の前記間隔W1が、前記トラック幅Twよりも大きく形成され、前記トラック幅Tw領域内では前記反強磁性層9が形成されていない構造である。したがって、前記電極層9を通じて流れた電流は、前記トラック幅Twの範囲内では、前記シード層3、前記フリー磁性層4、前記第1非磁性材料層5、前記固定磁性層6に流れ、前記反強磁性層9には前記電流が流れることはない。したがって、前記トラック幅Twの範囲内に前記反強磁性層9が形成された構造の磁気検出素子と比較すると、前記電流が分流することによって生じる抵抗変化率ΔR/Rの低下(シャントロス)が低減され、出力の向上を図ることが可能となっている。
前記多層膜20によって構成される磁気抵抗効果膜の両側方に、硬磁性層を備えた磁気検出素子は以下に示す特許文献1に、磁気抵抗効果膜の両側方に硬磁性膜および反強磁性膜を備えた磁気検出素子は特許文献2に開示されている。
特開2002−305338号公報 特開2002−289945号公報
しかし前記図40に示した磁気検出素子では、前記反強磁性層9,9間の前記間隔W1が前記トラック幅Twよりも大きく、前記トラック幅Tw領域では、前記固定磁性層6と前記反強磁性層9と直接に交換結合していない。すなわち、前記反強磁性層9は前記固定磁性層6の前記側方領域6dで直接に交換結合している。そのため、前記固定磁性層6の前記側方領域6dにおける固定力が前記トラック幅Tw領域まで伝わって、前記固定磁性層6の前記トラック幅領域における磁化が固定されているのである。
したがって、図40に示す磁気検出素子では、前記トラック幅領域での固定磁性層6の固定力を十分に大きなものとすることはできなかった。
一方、トラック幅領域での前記固定磁性層6の固定力を大きくするために、前記反強磁性層9,9間の前記間隔W1を小さくすることも考えられるが、前記間隔を小さくした場合には、製造時の精度を確保することが難しく、前記反強磁性層9が前記トラック幅領域の内側に入り込んでしまったりすることも考えられ、前記反強磁性層9,9間の前記間隔W1を精度良く製造することは困難である。
本発明は前記従来の課題を解決するものであり、トラック幅領域における固定磁性層の固定力を強化して磁気抵抗変化率(ΔR/R)の増大を図ることにより、再生出力の向上が可能な磁気検出素子およびその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、フリー磁性層と第1非磁性材料層と固定磁性層とを含む多層膜を有し、前記多層膜のトラック幅方向の両側方部にトラック幅方向に所定の間隔を空けてバイアス層が形成され、前記バイアス層間の間隔によってトラック幅が規定される磁気検出素子において、
前記固定磁性層は、前記多層膜のトラック幅方向の両側方部に延びて形成された延出部を有し、前記延出部の下方には、トラック幅方向に間隔を空けて一対の第1反強磁性層が形成され、かつ前記延出部の上方にトラック幅方向に間隔を空けて一対の第2反強磁性層が形成されていることを特徴とするものである。
この場合、前記固定磁性層は前記多層膜内の第1固定磁性層と、前記延出部の第2固定磁性層とで構成され、前記第2固定磁性層の少なくとも一部は前記第1固定磁性層と一体的に連続して形成されているものとして構成することができる。
この場合、前記第1反強磁性層間の間隔、または前記第2反強磁性層間の間隔の少なくとも一方は、前記トラック幅と同じであるものとして構成できる。
また、前記第1反強磁性層間の間隔は、トラック幅方向と同じであるものとして構成できる。
この場合、前記第1固定磁性層は、第1非磁性中間層を介して積層された、単位面積あたりの磁気モーメントの大きさが異なる第1磁性材料層及び第2磁性材料層を有するものであるものとして構成することや、前記第2固定磁性層は、第2非磁性中間層を介して積層された、単位面積あたりの磁気モーメントの大きさが異なる第3磁性材料層および第4磁性材料層を有するものであるものとして構成することが好ましい。
また、前記第1固定磁性層と前記第2固定磁性層とが同じ高さ位置に形成されているものとして構成することが好ましい。
この場合、前記第1磁性材料層と前記第3磁性材料層とが同じ高さ位置に形成されているものとして構成することや、前記第2磁性材料層と前記第4磁性材料層とが同じ高さ位置に形成されているものとして構成することが好ましい。
前記した磁気検出素子は、前記多層膜は下から順に、フリー磁性層、第1非磁性材料層、固定磁性層が積層されて形成されているトップスピンバルブ型の磁気検出素子として構成することや、前記多層膜は下から順に、固定磁性層、第1非磁性材料層、フリー磁性層が積層されて形成されているボトムスピンバルブ型の磁気検出素子として構成することができる。
また本発明の磁気検出素子の製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(a)基板上に、下から順にフリー磁性層と第1非磁性材料層と第1固定磁性層が積層された多層膜を形成し、この多層膜の上に第1保護層を形成する工程と、
(b)前記第1保護層および前記多層膜の両側方を削る工程と、
(c)前記第1保護層および前記多層膜の前記両側方に、硬磁性層と、トラック幅方向に間隔を空けて対向する一対の第1反強磁性層と、前記第1固定磁性層と同じ材料からなる第2固定磁性層と、第2保護層とを形成する工程と、
(d)前記第1保護層および第2保護層を全部削り取った後、前記第1固定磁性層および前記第2固定磁性層を途中まで削って上面を露出する工程と、
(e)前記(d)工程で露出した前記第1固定磁性層および前記第2固定磁性層の上面に前記第1固定磁性層および前記第2固定磁性層を付け足した後、前記第1固定磁性層および前記第2固定磁性層の上に、トラック幅方向に間隔を空けて対向する第2反強磁性層を形成し、前記第2反強磁性層を前記多層膜の両側方に残る状態に削る工程。
この場合、前記(a)工程で、前記第1固定磁性層を、単位面積当たりの磁気モーメントの大きさが異なる第2磁性材料層と第1磁性材料層とを、第1非磁性中間層を介して積層して形成し、
前記(c)工程で、前記第2固定磁性層を、単位面積当たりの磁気モーメントの大きさが異なる第4磁性材料層と第3磁性材料層とを、第2非磁性中間層を介して積層して形成するものとして構成できる。
この場合、前記(c)工程で前記第2固定磁性層を前記第1固定磁性層と同じ高さ位置に形成し、前記(e)工程で前記第2固定磁性層の上面が前記第1固定磁性層の上面と同じ高さ位置になるように付け足すことが好ましい。
また、前記(d)工程で前記第1磁性材料層および前記第3磁性材料層を途中まで削り、前記第1磁性材料層と前記第3磁性材料層の上面を露出し、前記(e)工程で前記第1磁性材料層および第3磁性材料層の上面に、前記第1磁性材料層および前記第3磁性材料層を付け足すものとして構成できる。
また、前記(a)工程で前記第1固定磁性層を途中まで形成し、前記(c)工程で前記第2固定磁性層を途中まで形成し、前記(e)工程で残りの前記第1固定磁性層および第2固定磁性層を付け足す工程を有するものとして構成できる。
また、前記(a)工程で前記第2磁性材料層まで形成した後、この第2磁性材料層の上に前記第1保護層を形成し、前記(c)工程で前記第4磁性材料層まで形成した後、この第4材料層の上に前記第2保護層を形成し、
前記(d)工程で前記第2磁性材料層および第4磁性材料層を途中まで削り、前記第2磁性材料層および前記第4磁性材料層の上面を露出し、前記(e)工程で前記第2磁性材料層および前記第4磁性材料層の上面に、前記第2磁性材料層および前記第4磁性材料層を付け足すものとして構成できる。
さらには、前記(a)工程で前記第1非磁性中間層まで形成し、前記(c)工程で前記第2非磁性中間層まで形成し、
前記(d)工程の代わりに、
(g)前記第1非磁性中間層および第2非磁性中間層の上面に低エネルギーイオンミリング処理を施す工程を有し、
前記(e)工程で前記第1非磁性中間層および第2非磁性中間層の上面に、前記第1磁性材料層および前記第3磁性材料層を付け足すものとして構成できる。
または本発明の磁気検出素子の製造方法は、以下の工程を有することを特徴とするものである。
(h)基板上に、トラック幅方向に間隔を空けて対向する一対の第1反強磁性層を形成した後、前記反強磁性層の上に保護層を形成する工程と、
(i)前記保護層を除去した後、前記第1反強磁性層の上に第1固定磁性層および第2固定磁性層と第2反強磁性層を形成する工程と、
(j)前記第2反強磁性層をトラック幅方向に間隔を空けて残して中央部を除去するとともに、前記第1固定磁性層および第2固定磁性層を途中まで除去して露出させる工程と、
(k)露出した前記第1固定磁性層および第2固定磁性層の上に、さらに第1固定磁性層および第2固定磁性層を付け足した後、下から順に第1非磁性材料層とフリー磁性層とを積層して多層膜を形成する工程。
この場合、前記(i)工程で、前記第1固定磁性層を、単位面積当たりの磁気モーメントの大きさが異なる第2磁性材料層と第1磁性材料層とを、第1非磁性中間層を介して積層して形成する工程を有するものとして構成できる。
また、前記(i)工程で、前記第2固定磁性層を、単位面積当たりの磁気モーメントの大きさが異なる第4磁性材料層と第3磁性材料層とを、第2非磁性中間層を介して積層して形成する工程を有するものとして構成できる。
この場合、前記(k)工程で、前記第2固定磁性層の上面が前記第1固定磁性層の上面と同じ高さ位置になるように付け足すことが好ましい。
本発明の効果として、少なくとも一部が固定磁性層と連続して一体的に形成された磁性材料層が、フリー磁性層、非磁性材料層、固定磁性層を含む多層膜の両側方に形成されている。この磁性材料層の下には第1反強磁性層が形成され、磁性材料層の上には第2反強磁性層が形成されている。したがって、前記固定磁性層は上下方向において、これら2つの反強磁性層との間で、交換結合を生じている。そして、上下方向に設けられた2つの反強磁性層との間に生じた交換結合によって、磁性材料層の磁化固定力が磁気検出素子の中央部に位置するトラック幅領域に伝わり、前記トラック幅領域内における前記固定磁性層の磁化固定がなされる。
そのため、本願発明の磁気検出素子では、2つの反強磁性層との間の交換結合によって磁化固定されることから、従来のように上下方向において1つの反強磁性との交換結合による磁化固定の場合と比較して、磁化の固定力を強くすることができる。
したがって、トラック幅領域における固定磁性層の固定力を強化して磁気抵抗変化率(ΔR/R)の増大を図ることができ、再生出力の向上を図ることができる。
図1は、本発明における第1の実施形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。なお、図1ではX方向に延びる素子の中央部分のみを破断して示している。
図1に示す磁気検出素子は、記録媒体に記録された外部信号を再生するためのMRヘッドである。記録媒体との対向面は、例えば磁気検出素子の構成する薄膜の膜面に垂直で、且つ磁気検出素子のフリー磁性層の外部磁界が印加されていないときの磁化方向と平行な平面である。図1では、記録媒体との対向面はX−Z平面に平行な平面である。
なお、前記磁気検出素子が浮上式の磁気ヘッドに用いられる場合、記録媒体との対向面とは、いわゆるABS面のことである。
また前記磁気検出素子は、例えばアルミナ−チタンカーバイト(Al23−TiC)で形成されたスライダのトレーリング端面上に形成される。スライダは、記録媒体との対向面と逆面側で、ステンレス材などによる弾性変形可能な支持部材と接合され、磁気ヘッド装置が構成される。
なお、トラック幅方向とは、外部磁界によって磁化方向が変動する領域の幅方向のことであり、例えば、前記フリー磁性層の外部磁界が印加されていないときの磁化方向、すなわち図示X方向である。
なお、記録媒体は磁気検出素子の記録媒体との対向面に対向しており、図示Z方向に移動する。この記録媒体からの洩れ磁界方向は図示Y方向である。
図1に示された磁気検出素子は、いわゆるリセスド−スピンバルブ型磁気検出素子と呼ばれるものであり、前記光学的トラック幅O−Tw領域Cには、反強磁性層が設けられておらず、反強磁性層は前記光学的トラック幅O−Tw領域の両側方領域Sに設けられている。そして、前記光学的トラック幅O−Twの両側方領域Sにおけるこの反強磁性層との固定磁性層との交換結合によって、固定磁性層の磁化が所定の方向に固定され、この磁化の固定力が前記固定磁性層の前記光学的トラック幅O−Tw内まで伝わって、前記前記光学的トラック幅O−Tw内における固定磁性層の磁化が固定されるものである。
図1に示す磁気検出素子100は、図示しない基板上に下部シールド層101が形成され、この下部シールド層101の表面にトラック幅方向に間隔を開けて一対の凹部101a,101aが形成されており、凹部101a,101aに挟まれた凸部101bの上面101b1上に下部ギャップ層102及びシード層103が積層されている。
前記シード層103上には、下から順に、フリー磁性層104、非磁性材料層105、第1固定磁性層106からなる多層膜T1が積層されている。
前記第1固定磁性層106は、第2磁性材料層106a、第1非磁性中間層106b、第1磁性材料層106cからなるシンセティックフェリピンド型の構造で形成されている。
前記多層膜T1の両側方で、前記凹部101a,101a内には、前記凹部101a,101aの底面101a1,101a1から側面101a2,101a2にかけて、絶縁層107,107が形成されている。前記絶縁層107,107の上面107a,107aは、前記第3磁性材料層112c,112cの膜厚方向(図示Z方向)における中間部に位置している。
前記凹部101a,101a内であって、前記絶縁層107,107上に硬磁性層108,108が形成されている。トラック幅方向(図示X方向)の前記硬磁性層108,108間の最小距離が、光学的トラック幅O−Twとなる。
前記硬磁性層108,108上には、第2非磁性材料層109,109およびシード層110,110を介して、一対の第1反強磁性層111,111が積層されている。前記第2非磁性材料層109,109は前記硬磁性層108,108と後記する第1反強磁性層111,111とを磁気的に遮断するためのものであり、Taなどで形成される。また、前記シード層110,110は前記第1反強磁性層111,111の結晶配向を整えるためのもので、NiFe、NiFeCr、Crなどからなる。
図1に示されるように、第1反強磁性層111,111はトラック幅方向に間隔W2を空けて形成されている。
前記第1反強磁性層111,111の上には前記第1固定磁性層106と同じ材料からなる第2固定磁性層112,112が形成されている。この第2固定磁性層112,112は、前記第1固定磁性層106と同様に、第4磁性材料層112a、第2非磁性中間層112b、第3磁性材料層112cからなるシンセティックフェリピンド型の構造で形成されている。
この第2固定磁性層112と前記第1固定磁性層106とで、本願発明の固定磁性層121を構成する。すなわち、本願発明の固定磁性層121は、前記多層膜T1内に位置する第1固定磁性層106と、前記多層膜T1の両側方部に位置する延出部121a,121aである前記第2固定磁性層112,112とで構成されている。
図2は図1の部分拡大図である。図2に示すように、本明細書において、前記「第2固定磁性層112,112」とは、前記多層膜T1の両側方に形成された前記凹部110a,110aの前記側面101a2、およびこの側面101a2,101a2を膜厚方向(図示Z方向)へ延長した仮想面II,IIよりも側方部(図示中心線O−O線と離れる方向)に位置する部分を意味する。また、前記第1固定磁性層106とは、前記側面102a,102a、および前記仮想面II,IIよりも中央部(図示中心線O−O線方向の部分)に位置する部分を意味する。
前記第2固定磁性層112,112を構成する前記第3磁性材料層112c,112cと、前記第1固定磁性層106を構成する第1磁性材料層106cとは、前記仮想面II,IIを介して連続して一体的に形成されている。
図1に示すように、前記第2磁性材料層106aの下面132bと上面132a、および前記第4磁性材料層112a,112aの下面142bと上面142aとは、それぞれ同じ高さ位置に形成されている。
また図1に示すように、前記第1非磁性中間層106bの下面131bと下面132a、および前記第2非磁性中間層112bの下面141bと上面141aとも、それぞれ同じ高さ位置に形成されている。
さらに、前記第1磁性材料層106cの下面130bと上面130a、および前記第3磁性材料層112c,112cの下面140bと上面140aとも、それぞれ同じ高さ位置に形成されている。
すなわち、前記第1固定磁性層106と前記第2固定磁性層112,112とは、同じ高さ位置に形成されている。
前記第2固定磁性層112,112の上には、トラック幅方向に間隔W3を空けて一対の第2反強磁性層113,113が形成されている。
前記第2反強磁性層113,113の上には、ストッパ層114,114が形成され、さらに前記ストッパ層114,114の上に保護層115,115が形成されている。そして、この保護層115,115の上に電極層116,116がトラック幅方向に間隔を空けて形成され、前記電極層116,116の上に保護層117,117が形成されている。
そして、前記電極層116,116上、および前記保護層117,117上には、上部ギャップ層および上部シールド層が積層されている(図示せず)。
次に、前記磁気検出素子100を構成する前記各要素の材質について説明する。
前記下部シールド層101および上部シールド層は、NiFeなどの磁性材料からなり、前記下部ギャップ層102及び上部ギャップ層はアルミナ(Al23)またはSiO2などの絶縁性材料から形成されている。
前記シード層103は、結晶構造がbcc(体心立方格子)構造の非磁性材料、例えばCrまたはfcc(面心立方格子)構造のNiFeCr合金、または非晶質に近い構造のTaによって形成される。このシード層103によって、その上に積層される前記フリー磁性層104の結晶配向を整え、前記フリー磁性層104の軟磁気特性を向上させるとともに比抵抗を低下させることができる。
前記フリー磁性層104は、強磁性材料により形成されるもので、例えばNiFe合金、Co、CoFeNi合金、CoFe合金、CoNi合金などにより形成されるものであり、特にNiFe合金またはCoFe合金、CoFeNi合金により形成されることが好ましい。前記フリー磁性層104の膜厚は30Å〜50Å程度で形成されることが好ましい。またフリー磁性層104にCoFe合金が使用されるときの組成比は、例えばCoが90at%、Feが10at%である。
前記第1非磁性材料層105は、前記第1固定磁性層106と前記フリー磁性層104との磁気的な結合を防止し、またセンス電流が主に流れる層であり、Cu,Cr,Au,Agなど導電性を有する非磁性材料により形成されることが好ましい。特にCuによって形成されることが好ましい。前記第1非磁性材料層105は18〜30Å程度の膜厚で形成される。
前記第1固定磁性層106を構成する前記第1磁性材料層106c、および第2固定磁性層106aは、強磁性材料により形成されるもので、例えばNiFe合金、Co、CoFeNi合金、CoFe合金、CoNi合金などにより形成されるものであり、特にCoFe合金またはCoにより形成されることが好ましい。また、第1磁性材料層106c及び第2磁性材料層106aは同一の材料で形成されることが好ましい。
また、前記第1非磁性中間層106bは、非磁性材料により形成されるもので、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuのうち1種またはこれらの2種以上の合金で形成されている。特にRuによって形成されることが好ましい。
第1磁性材料層106cおよび前記第2磁性材料層106aは、それぞれ10〜70Å程度の膜厚で形成される。また非磁性中間層30bの膜厚は3Å〜10Å程度の膜厚で形成される。
また、第1磁性材料層106cと第2磁性材料層106aは磁気的膜厚(Ms×t;飽和磁化と膜厚の積)が異なっており、第1磁性材料層106c、第1非磁性中間層106b、第2磁性材料層106aの3層が、一つの固定磁性層106として機能する。
なお前記第1固定磁性層106は、上記したいずれかの磁性材料を使用した1層構造あるいは上記したいずれかの磁性材料からなる層とCo層などの拡散防止層の2層構造で形成されていても良い。
前記第2固定磁性層112も、前記第1固定磁性層106と同じ材質および同じ構造で形成される。
前記硬磁性層108,108はNiFe合金、Co、CoFeNi合金、CoFe合金、CoNi合金などにより形成されるものであり、特にNiFe合金またはCoFe合金、CoFeNi合金により形成されることが好ましい。この硬磁性層108,108の膜厚は100Å〜200Åで形成することができ、例えば150Åである。
前記第1反強磁性層111,111および第2反強磁性層113,113は、PtMn合金、または、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,Os,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1または2種以上の元素である)合金で形成する。
これらの合金は、成膜直後の状態では、不規則系の面心立方構造(fcc)であるが、熱処理によってCuAuI型の規則型の面心正方構造(fct)に構造変態する。
前記第1反強磁性層111,111およb前記第2反強磁性層113,113の膜厚は80〜300Åであり、例えば前記第1反強磁性層111,111の膜厚は100Å、前記第2反強磁性層113,113の膜厚は160Åである。
なお本発明では、前記第1反強磁性層111,111と前記第2反強磁性層11,113を同じ組成比の前記PtMn合金、前記X―Mn合金、あるいは前記Pt―Mn―X′合金で形成しても、前記フリー磁性層104と、前記第1固定磁性層106および前記第2固定磁性層112の磁化方向を直交化することができる。
前記ストッパ層114,114はCrなどによって形成ことができ、このストッパ層114,114の上に形成される前記保護層115,115はTaなどの非磁性材料で形成することができる。
前記電極層116,116は、Au,W,Ta,Cr,Cu,Rh,Ir,Ruなどを材料として形成することができる。この電極層116,116の膜厚は
50Å〜300Åであり、例えば200Åである。この電極層116,116の上に形成される前記保護層117,117は、Taなどの非磁性材料によって形成される。
図1に示すように、前記第2固定磁性層106cの下方(図示Z方向と反対方向)には前記第1反強磁性層111,111が形成されており、前記第2磁性材料層106aが前記第1反強磁性層111,111と接して形成されている。そして、磁場中アニールが施されることにより、第2磁性材料層106aと前記第1反強磁性層111,111との界面にて交換結合による交換異方性磁界が生じ、前記第2磁性材料層106aの磁化方向が図示Y方向に固定される。
一方、前記第2固定磁性層112の上方(図示Z方向)には前記第2反強磁性層113,113が形成されており、前記第3磁性材料層112c,112cが前記第2反強磁性層113,113と接して形成されている。そして、磁場中アニールが施されることにより、第3磁性材料層112cと前記第2反強磁性層113,113との界面にて交換結合による交換異方性磁界が生じ、前記第3磁性材料層112cの磁化方向が図示Y方向と反平行方向に固定される。
この場合、前記第4磁性材料層112aの単位面積当たりの磁気モーメントが前記第3磁性材料層112cの単位面積当たりの磁気モーメントよりも大きい場合には、前記第2固定磁性層112,112の全体での磁化方向は、図示Y方向に固定されることになる。これと逆に、前記第4磁性材料層112aの単位面積当たりの磁気モーメントが前記第3磁性材料層112cの単位面積当たりの磁気モーメントよりも小さい場合には、前記第2固定磁性層112,112の全体での磁化方向は、図示Y方向と反平行に固定されることになる。なお、本明細書では、前記第2固定磁性層112,112の磁化方向が図示Y方向に固定されている場合を例にして説明する。
前記磁気検出素子100では、前記第1固定磁性層106、および前記第2固定磁性層112,112の磁化方向が、適正に図示Y方向に平行な方向に固定されている。しかも前記フリー磁性層104の磁化が前記硬磁性層108,108からのバイアス磁界によって図示X方向に揃えられて単磁区化されており、前記第1固定磁性層106と前記フリー磁性層104の磁化が交差し、好ましくは直交している。記録媒体からの洩れ磁界が前記磁気検出素子100の図示Y方向に侵入し、前記フリー磁性層104の光学的トラック幅O−Tw領域Cにおける磁化が感度良く変動し、この磁化方向の変動と、前記第1固定磁性層106の固定磁化方向との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化または電流変化により、記録媒体からの洩れ磁界が検出される。
ただし、電気抵抗値の変化(出力)に直接寄与するのは第2固定磁性層106aの磁化方向とフリー磁性層104の磁化方向の相対角であり、これらの相対角が検出電流が通電されている状態かつ信号磁界が印加されていない状態で直交していることが好ましい。
前記第2固定磁性層112を構成する前記第4磁性材料層112aと前記第3磁性材料層112cの磁化方向が、反平行となるフェリ磁性状態になっていると、第4磁性材料層112aと第3磁性材料層112cとが互いに他方の磁化方向を固定し合うので、全体として前記第2固定磁性層112の磁化方向を一定方向に強力に固定することができる。
しかも本願発明の前記磁気検出素子100では、前記第2固定磁性層112,112の下方では前記第1反強磁性層111,111との交換結合で磁化固定され、前記第2固定磁性層112,112の上方では前記第2反強磁性層113,113との交換結合で磁化固定されている。すなわち、前記第2固定磁性層112,112は上下方向の双方から磁化固定に寄与する力が与えられているため、前記第2固定磁性層112,112の磁化固定を強固にすることができる。
前記したように、本発明の磁気検出素子100では、前記第2固定磁性層112,112を構成する前記第3磁性材料層112c,112cと、前記第1固定磁性層106を構成する第1磁性材料層106cとは、ともに前記仮想面II,IIを介して連続して一体的に形成されている。したがって、前記第2固定磁性層112,112の磁化固定力は、前記仮想面II,IIを介して前記第1固定磁性層106に伝達される。特に、前記したように、前記第1固定磁性層106と前記第2固定磁性層112,112とは、同じ高さ位置に形成されているため、前記第2固定磁性層112,112に生じた磁化固定力が前記第1固定磁性層106に伝達され易い。
例えば従来の磁気検出素子のように、前記第2固定磁性層112,112の下方向、または上方向のどちらか一方のみに反強磁性層が設けられている構造の場合には、第2固定磁性層112,112に対して与えられる磁化固定に寄与する力は下方向または上方向のうちの1つの方向からのみであるため、前記第2固定磁性層112,112に発生する磁化固定力は弱く、第2固定磁性層112,112から第1固定磁性層106に磁化固定力が伝達した場合には、更に第1固定磁性層106における磁化固定力は弱まることになる。そのため、磁気抵抗変化率(ΔR/R)が小さく、再生出力の向上を図ることができない。
しかし本願発明の前記磁気検出素子100では、前記したように上下方向の2つの方向から磁化固定に寄与する力が働くため、前記第2固定磁性層112,112の磁化固定力を大きくすることが可能となっている。そのため、磁気抵抗変化率(ΔR/R)を大きくでき、再生出力の向上を図ることが可能となる。
また、前記光学的トラック幅O−Tw領域Cにおける前記第2固定磁性層112,112の磁化固定力を強くするために、前記光学的トラック幅O−Tw領域Cに反強磁性層を設けなくても良いため、前記光学的トラック幅O−Tw領域での実効的な厚さ寸法(図示Z方向の寸法)を小さくでき、位置分解能の向上によって高記録密度化に適切に対応することが可能となる。
また、前記磁気検出素子100では、前記第1の反強磁性層111,111間の間隔W2が、前記光学的トラック幅O−Twと同じ間隔である。したがって、後記する製造方法の説明で記載するように、前記第1反強磁性層111,111を前記硬磁性層108,108と同じ製造工程で形成できることとなり、製造の容易化とともに、前記硬磁性層108,108間の間隔で規定される前記光学的トラック幅O−Twの間隔と精度良く合わせることが可能となる。
また、前記硬磁性層108,108と前記第2固定磁性層112,112との間には、前記第1反強磁性層111,111が形成されているため、前記硬磁性層108,108と前記第2固定磁性層112,112との静磁結合を抑制でき、前記第2固定磁性層112,112の磁化方向が前記硬磁性層108,108の静磁界によって回転することを抑制することも可能となる。
なお、図1では、前記硬磁性層108,108が埋め込まれるのは前記下部シールド層101に形成された凹部101a,101aである。ただし、本発明では、下部シールド層101の表面に凹部101a,101aが形成されず、前記下部ギャップ層102が前記光学的トラック幅O−Twの両側方領域Sまで延ばされて、前記下部ギャップ層102の両側方の表面に前記光学的トラック幅O−Tw方向に間隔を空けて一対の凹部が形成されて、この凹部内に前記硬磁性層108,108が形成された構造としても良い。
図3は、本発明の第2の実施の形態の磁気検出素子200を記録媒体との対向面側から見た部分断面図であり、図1に相当する図である。
図3に示す磁気検出素子200は、図1に示した前記磁気検出素子100とほぼ同様の構造で形成されている。したがって、図3に磁気検出素子200のうち、図1に示す磁気検出素子100と同様の構成要素には同じ符号を付してその詳しい説明を省略し、図1に示した前記磁気検出素子100と異なる部分を中心に説明する。
図4は図3の部分拡大図であり、図2に相当する図である。図3に示す磁気検出素子200では、図4に示すように、絶縁層107,107の上面107a,107aが、前記第4磁性材料層112a,112aの膜厚方向(図示Z方向)における中間部に位置している。
図4に示すように前記第4磁性材料層112a,112aと第2磁性材料層106c、前記第2非磁性中間層112b,112bと前記第1非磁性中間層106b、および前記第3磁性材料層112c,112cと前記第1磁性材料層106cとは、前記仮想面II,IIを介して連続して一体的に形成されている。
図3または図4に示す磁気検出素子200も、前記第2固定磁性層112,112と前記第1固定磁性層106とが前記仮想面II,IIを介して連続して一体的に形成されているため、前記第2固定磁性層112,112の磁化固定力が前記仮想面II,IIを介して前記第1固定磁性層106に伝達される。
図5は、本発明の第3の実施の形態の磁気検出素子300を記録媒体との対向面側から見た部分断面図であり、図1に相当する図である。
図5に示す磁気検出素子300は、図1に示した前記磁気検出素子100とほぼ同様の構造で形成されている。したがって、図5に磁気検出素子300のうち、図1に示す磁気検出素子100と同様の構成要素には同じ符号を付してその詳しい説明を省略し、図1に示した前記磁気検出素子100と異なる部分を中心に説明する。
図6は図5の部分拡大図であり、図2に相当する図である。図5に示す磁気検出素子300では、図6に示すように、絶縁層107,107の上面107a,107aが、前記第2非磁性中間層112b,112bの前記上面141a,141aと同じ高さ位置にある。
図6に示すように前記第3磁性材料層112c,112cと前記第1磁性材料層106cとは、前記仮想面II,IIを介して連続して一体的に形成されている。
図5または図6に示す磁気検出素子300も、前記第2固定磁性層112,112と前記第1固定磁性層106とが前記仮想面II,IIを介して連続して一体的に形成されているため、前記第2固定磁性層112,112の磁化固定力が前記仮想面II,IIを介して前記第1固定磁性層106に伝達される。
図7は本発明の第4の実施の形態の磁気検出素子400を記録媒体との対向面側から見た部分断面図であり、図1に相当する図である。
図7に示す磁気検出素子400は、図1に示した前記磁気検出素子100とほぼ同様の構造で形成されている。したがって、図7に磁気検出素子400のうち、図1に示す磁気検出素子100と同様の構成要素には同じ符号を付してその詳しい説明を省略し、図1に示した前記磁気検出素子100と異なる部分を中心に説明する。
図7に示す磁気検出素子400では、前記第2固定磁性層112,112は、第3磁性材料層112cの1層のみで構成されており、その他は図1に示す磁気検出素子100と同じ構成である。この磁気検出素子400も、図1に示す前記磁気検出素子100が奏する前記各特有の効果と同様の特有の効果を奏することができるものである。
図8は本発明の第5の実施の形態の磁気検出素子500を記録媒体との対向面側から見た部分断面図であり、図1に相当する図である。
図8に示す磁気検出素子500は、図1に示した前記磁気検出素子100が有する構成要素とほぼ同様の構成要素を有して形成されている。したがって、図8に磁気検出素子500のうち、図1に示す磁気検出素子100と同様の構成要素には同じ符号を付してその詳しい説明を省略する。
図8に示す磁気検出素子500は、フリー磁性層106が第1固定磁性層106、第2固定磁性層112の上に設けられているいわゆるボトムスピンバルブ型のGMR型磁気検出素子である。
図8に示す磁気検出素子500は、下部シールド層101の表面にトラック幅方向に間隔を開けて一対の凹部101a,101aが形成されており、凹部101a,101aに挟まれた凸部101bの上面101b1上に下部ギャップ層102及びシード層103が積層されている。
前記シード層103上には、下から順に、反強磁性層111、第1固定磁性層106、第1非磁性材料層105、フリー磁性層104、第3非磁性材料層120からなる多層膜T2が積層されている。
前記第1固定磁性層106は、第2磁性材料層106a、第1非磁性中間層106b、第1磁性材料層106cからなるシンセティックフェリピンド型の構造で形成されている。
前記多層膜T2の両側方で、前記凹部101a,101a内には、前記凹部101a,101aの底面101a1,101a1から側面101a2,101a2にかけて、シード層110,110が形成され、前記シード層110,110の上には、第1反強磁性層111,111が形成されている。
図8に示すように、前記反強磁性層111,111は、前記凹部101a,101a内から、前記凸部101b上にかけて形成されている。
前記反強磁性層111,111の上には、ともにシンセティックフェリピンド型の第1固定磁性層116および第2固定磁性層112,112が形成されている。
ここで、前記多層膜T2の両側方に形成された前記凹部110a,110aの前記側面101a2、およびこの側面101a2,101a2を膜厚方向(図示Z方向)へ延長した仮想面II,IIよりも側方部(図示中心線O−O線と離れる方向)に位置する部分を意味する。また、前記第1固定磁性層106とは、前記側面102a,102a、および前記仮想面II,IIよりも中央部(図示中心線O−O線方向の部分)に位置する部分を意味する。
図8に示すように、この2つの固定磁性層106と112,112とは、前記仮想面II,IIを介して連続して一体的に形成されている。
前記第2固定磁性層112,112の上には、トラック幅方向に間隔W4を空けて一対の第2反強磁性層113,113が形成されている。
前記第2反強磁性層113,113の上には、第2非磁性材料層109,109および絶縁層107,107を介して、硬磁性層108,108が形成されている。トラック幅方向(図示X方向)の前記硬磁性層108,108間の最小距離が、光学的トラック幅O−Twとなる。
前記硬磁性層108,108の上には保護層115,115が形成され、この保護層115,115の上に電極層116,116がトラック幅方向に間隔を空けて形成され、前記電極層116,116の上に保護層117,117が形成されている。
前記磁気検出素子500でも、前記第2固定磁性層112,112の下方では前記第1反強磁性層111,111との交換結合で磁化固定され、前記第2固定磁性層112,112の上方では前記第2反強磁性層113,113との交換結合で磁化固定されている。すなわち、前記第2固定磁性層112,112は上下方向の双方から磁化固定に寄与する力が与えられているため、前記第2固定磁性層112,112の磁化固定を強固にすることができる。
前記したように、本発明の磁気検出素子100では、前記第2固定磁性層112,112と、前記第1固定磁性層106とは、ともに連続して一体的に形成されている。したがって、前記第2固定磁性層112,112の磁化固定力は、前記仮想面II,IIを介して前記第1固定磁性層106に伝達される。特に、前記したように、前記第1固定磁性層106と前記第2固定磁性層112,112とは、同じ高さ位置に形成されているため、前記第2固定磁性層112,112に生じた磁化固定力が前記第1固定磁性層106に伝達され易い。
例えば従来の磁気検出素子のように、前記第2固定磁性層112,112の下方向、または上方向のどちらか一方のみに反強磁性層が設けられている構造の場合には、第2固定磁性層112,112に対して与えられる磁化固定に寄与する力は下方向または上方向のうちの1つの方向からのみであるため、前記第2固定磁性層112,112に発生する磁化固定力は弱く、第2固定磁性層112,112から第1固定磁性層106に磁化固定力が伝達した場合には、更に第1固定磁性層106における磁化固定力は弱まることになる。そのため、磁気抵抗変化率(ΔR/R)が小さく、再生出力の向上を図ることができない。
しかし本願発明の前記磁気検出素子500では、前記したように上下方向の2つの方向から磁化固定に寄与する力が働くため、前記第2固定磁性層112,112の磁化固定力を大きくすることが可能となっている。そのため、磁気抵抗変化率(ΔR/R)を大きくでき、再生出力の向上を図ることが可能となる。
また、前記光学的トラック幅O−Tw領域Cにおける前記第2固定磁性層112,112の磁化固定力を強くするために、前記光学的トラック幅O−Tw領域Cに反強磁性層を設けなくても良いため、前記光学的トラック幅O−Tw領域での実効的な厚さ寸法(図示Z方向の寸法)を小さくでき、位置分解能の向上によって高記録密度化に適切に対応することが可能となる。
また、前記硬磁性層108,108と前記第2固定磁性層112,112との間には、前記第2反強磁性層113,113が形成されているため、前記硬磁性層108,108と前記第2固定磁性層112,112との静磁結合を抑制でき、前記第2固定磁性層112,112の磁化方向が前記硬磁性層108,108の静磁界によって回転することを抑制することも可能となる。
また、図8に示した磁気検出素子500は、前記第2固定磁性層112,112が3層構造のシンセティックフェリピンド型であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、図9に示す本発明の第6の実施例である磁気検出素子600のように、前記第2固定磁性層112,112が、第3磁性材料層の1層のみで構成されたものであっても良い。なお、図9に磁気検出素子600のうち、図8に示す磁気検出素子500と同様の構成要素には同じ符号を付してその詳しい説明を省略している。
次に、前記図1および図2に示した前記磁気検出素子100の製造方法について説明する。図10から図16は図1の磁気検出素子の製造工程を示す製造方法を示す工程図であり、各工程は記録媒体との対向面側から見た部分断面図で示されている。なお、図12から図16において、図1の各層と同一の符号を付けられた層は、同一の材料および膜厚で形成される。
図10に示される工程では、図示しない基板上に下部シールド層101、下部ギャップ層102、シード層103、フリー磁性層104、第1非磁性材料層105、第1固定磁性層106をベタ膜状に成膜して多層膜T1を形成し、さらにこの多層膜T1の上に、Ruなどからなる第1保護層150を成膜する。本願発明の固定磁性層121(図1参照)を構成する前記第1固定磁性層106は、下から第2磁性材料層106a、第1非磁性中間層106b、第1磁性材料層106cを積層したシンセティックフェリピンド型の構造に形成する。この下部シールド層101から前記第1保護層150までの成膜は、連続成膜とすることが好ましい。
次に図11に示すように、前記第1保護層150の上にリフトオフ用のレジストR1を形成し、イオンミリングなどの公知の方法によって、前記多層膜T1および前記第1保護層150を図11に示される状態に削るとともに、前記多層膜T1の両側方であって前記下部シールド層101に、凹部101a,101aを形成する。
次に図12工程では、前記レジスト層R1を前記第1保護層150上に残したまま、前記凹部101a,101a内に絶縁層107,107、硬磁性層108,108、第2非磁性材料層109,109、シード層110,110、第1反強磁性層111,111、第2固定磁性層112,112、Ruなどからなる第2保護層151をスパッタ法によって連続成膜する。前記第2固定磁性層112,112は本願発明の固定磁性層121(図1参照)の前記延出部121a,121aを構成するものであり、下から第4磁性材料層1126a,112a、第2非磁性中間層112b、第3磁性材料層112c,112cを積層したシンセティックフェリピンド型の構造に形成する。
このとき、第4磁性材料層112a,112aの上面140a,140aと下面140b,140bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第2磁性材料層106aの上面130aと下面130bの高さ位置に合わせることが好ましい。また、第2非磁性中間層112b,112bの上面141a,141aと下面141b,141bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第1非磁性中間層106bの上面131aと下面131bの高さ位置に合わせることが好ましい。さらに、第3磁性材料層112c,112cの下面142b,142bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第1磁性材料層106cの下面132bの高さ位置に合わせることが好ましい。
スパッタ法としては、イオンビームスパッタ法、ロングスロースパッタ法、あるいはコリメーションスパッタ法など公知のいずれか1種以上を用いることができる。このとき、図12に示すように、前記レジストR1上にも、絶縁層107,107と同じ材料層167、硬磁性層108,108と同じ材料層168、第2非磁性材料層109,109と同じ材料層169、シード層110,110と同じ材料層170、第1反強磁性層111,111と同じ材料層171、第4磁性材料層112a,112aと同じ材料層172a、第2非磁性中間層112b,112bと同じ材料層172b、第3磁性材料層112c,112cと同じ材料層172c、第2保護層151と同じ材料層173が付着する。
この図12に示す工程では、前記第1反強磁性層111,111を前記硬磁性層108,108と同じ製造工程で形成することができる。したがって、製造の容易化とともに、前記第1反強磁性層111,111間の間隔W2を、前記硬磁性層108,108間の間隔で規定される前記光学的トラック幅O−Twの間隔と精度良く合わせることが可能となる。
次に図13に示すように、前記レジスト層R1を除去する。次に、イオンビームエッチングやプラズマエッチングなどの公知の方法により、真空中で前記第1保護層150と前記第2保護層151を削って除去するとともに、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cを、図示D−D線まで削った後、図14に示すように前記第1磁性材料層160cおよび前記第3磁性材料層112c,112cをさらに成膜して、前記第1磁性材料層160cおよび前記第3磁性材料層112c,112cを付け足す。この前記第1保護層150と前記第2保護層151の除去から、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cの削り、および前記第1磁性材料層160cおよび前記第3磁性材料層112c,112cの付け足しは、真空中で連続して行う。
このとき、第3磁性材料層112c,112cの上面142a,142aと下面142b,142bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第1磁性材料層106cの上面132aと下面132bの高さ位置に合わせることが好ましい。
図14では、図11で示す工程で成膜された部分(すなわち削り取っていない部分)の前記第1磁性材料層106cをB1で示し(図示破線の下方部分)、前記付け足された部分の前記第1磁性材料層160cをP1で表している(図示破線の上方部分)。また、図12で示す工程で成膜された部分(すなわち削り取っていない部分)の前記第3磁性材料層112c,112cをB2で示し(図示破線の下方部分)、前記付け足された前記第3磁性材料層112c,112cをP2で表している(図示破線の上方部分)。
その後連続して、図15に示すように、前記P1の上面P1a、および前記P2の上面P2aに、第2反強磁性層113、ストッパ層114、保護層115、電極層116、および保護層117をベタ膜状に成膜する。
ここで、前記第1保護層150、および第2保護層151,151は、図10に示す工程の後、図13に示す工程までの間に、図10に示す工程で形成した前記第1磁性材料層16cを大気による暴露から保護する機能を有するものである。また、図13に示す工程で、前記第1磁性材料層106c、および前記第3磁性材料層112c,112cを削るのは、前記第1磁性材料層106c、および第2磁性材料層112c,112cを削ることにより、前記B1およびB2の表面を活性化させ、図13に示す工程で前記P1およびP2を一体的に成膜させるためである。また、前記第1保護層150と前記第2保護層151の除去から、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cの削り、および前記第1磁性材料層160cおよび前記第3磁性材料層112c,112cの付け足しを、真空中で連続して行うことにより、前記B1,B2とP1,P2とを一体的な第1磁性材料層106c、または第3磁性材料層112c,112cとして形成することが可能となる。
なお図14では、説明を分かり易くするために前記B1とP1との境界を破線で表しているが、実際には前記B1とP1とは一体と化しており、これらB1とP1の双方で、前記第1磁性材料層106cを構成する。同様に、前記B2,B2とP2,P2との境界を破線で表しているが、実際には前記B2,B2とP2,P2とは一体と化しており、これらB2,B2とP2,P2の双方で、前記第3磁性材料層112c,112cを構成する。
このようにして、第2磁性材料層106a、第1非磁性中間層106b、第1磁性材料層106cからなるシンセティックフェリピンド型の第1固定磁性層106が形成される。また、第4磁性材料層112a,112a、第2非磁性中間層112b,112b、第3磁性材料層112c,112cからなるシンセティックフェリピンド型の第2固定磁性層112,112が形成される。
その後、磁場中アニールを施し、前記第1の反強磁性層111,111、前記第2の反強磁性層113,113と前記第2固定磁性層112,112との間に交換結合磁界を発生させて、第4磁性材料層112a,112aの磁化を図示Y方向に固定する。
次に、図15に示すように前記保護層117の上に、図示X方向に所定間隔を空けて一対のマスク層160,160を形成し、前記マスク層160,160間の間隔160a内から露出する前記保護層117、前記電極層116および前記保護層115をリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)で除去する。エッチングガスとして、CF4やC38あるいはArとCF4の混合ガス、またはC38とArとの混合ガスを使用する。そうすると前記電極層116,116は磁気検出素子100のトラック幅方向における両側端部にのみ残され、前記電極層116,116は光学的トラック幅方向に所定の間隔を空けて形成される。前記RIE工程はストッパ層114が露出すると終了される。
その後、露出した前記ストッパ層114、および前記第1の反強磁性層111をイオンミリングで除去して、図16に示す状態とする。このイオンミリング時の削り込み量はSIMS分析計によって制御することが可能である。前記第3磁性材料層112cが露出した瞬間にイオンミリングを止める。なおこのイオンミリング工程で前記マスク層114も削られる。
このようにして、前記磁気検出素子100が製造される。
図3に示す磁気検出素子200の製造方法を以下に説明する。各工程は記録媒体との対向面側から見た部分断面図で示されている。なお、図17から図21において、図3の各層と同一の符号を付けられた層は、同一の材料および膜厚で形成される。
図3に示す磁気検出素子200の製造方法は、図10ないし図16に示す磁気検出素子100の製造方法と似ており、前記磁気検出素子100の製造工程である図10に示される工程に替えて、図17に示すように、図示しない基板上に下部シールド層101、下部ギャップ層102、シード層103、フリー磁性層104、第1非磁性材料層105、および第1固定磁性層106を構成する第2磁性材料層106aからなる積層体S1を成膜し、さらに前記第2磁性材料層106cの上に、Ruなどからなる前記第1保護層150を成膜する。なお、この下部シールド層101から前記第1保護層150までは連続して成膜する。
次に、図18に示すように、前記第1保護層150の上にリフトオフ用のレジストR2を形成し、イオンミリングなどの公知の方法によって、前記積層体S1および前記第1保護層150を図18に示される状態に削るとともに、前記積層体S1の両側方であって前記下部シールド層101に、凹部101a,101aを形成する。
次に図19に示す工程では、前記レジスト層R2を前記第1保護層150上に残したまま、前記凹部101a,101a内に絶縁層107,107、硬磁性層108,108、第2非磁性材料層109,109、シード層110,110、第1反強磁性層111,111、第2固定磁性層112を構成する第4磁性材料層112a,112a、およびRuなどからなる第2保護層151をスパッタ法によって連続成膜する。
このとき、第4磁性材料層112a,112aの下面140b,140bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第2磁性材料層106aの下面130bの高さ位置に合わせることが好ましい。
スパッタ法としては、イオンビームスパッタ法、ロングスロースパッタ法、あるいはコリメーションスパッタ法など公知のいずれか1種以上を用いることができる。このとき、図19に示すように、前記レジストR2上にも、絶縁層107,107と同じ材料層167、硬磁性層108,108と同じ材料層168、第2非磁性材料層109,109と同じ材料層169、シード層110,110と同じ材料層170、第1反強磁性層111,111と同じ材料層171、第4磁性材料層112a,112aと同じ材料層172a、および第2保護層151と同じ材料層173が付着する。
この図19に示す工程では、前記第1反強磁性層111,111を前記硬磁性層108,108と同じ製造工程で形成することができる。したがって、製造の容易化とともに、前記第1反強磁性層111,111間の間隔W2を、前記硬磁性層108,108間の間隔で規定される前記光学的トラック幅O−Twの間隔と精度良く合わせることが可能となる。
次に図20に示すように、前記レジスト層R2を除去する。次に、イオンビームエッチングやプラズマエッチングなどの公知の方法により、真空中で前記第1保護層150と前記第2保護層151を削って除去するとともに、前記第2磁性材料層106aと前記第4磁性材料層112a,112aを、図示D−D線まで削った後、図21に示すように前記第2磁性材料層106aおよび前記第4磁性材料層112a,112aをさらに成膜して、前記第2磁性材料層106aおよび前記第4磁性材料層112a,112aを付け足す。この前記第1保護層150と前記第2保護層151の除去から、前記第2磁性材料層106aと前記第4磁性材料層112a,112aの削り、および前記第2磁性材料層160aおよび前記第4磁性材料層112a,112aの付け足しは、真空中で連続して行う。
図21では、図18で示す工程で成膜された部分(すなわち削り取っていない部分)の前記第2磁性材料層106aをB3で示し(図示破線の下方部分)、前記付け足された部分の前記第2磁性材料層160aをP3で表している(図示破線の上方部分)。また、図6で示す工程で成膜された部分(すなわち削り取っていない部分)の前記第4磁性材料層112a,112aをB4で示し(図示破線の下方部分)、前記付け足された前記第4磁性材料層112a,112aをP4で表している(図示破線の上方部分)。
その後連続して、図21に示すように、前記P3の上面P3a、および前記P4の上面P4aに、第1非磁性中間層106bおよび第2非磁性中間層112b、第1磁性材料層106cおよび第3磁性材料層112c,112c、第2反強磁性層113、ストッパ層114、保護層115、電極層116、および保護層117をベタ膜状に成膜する。
このとき、第4磁性材料層112a,112aの上面140a,140aは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第2磁性材料層106aの上面130aの高さ位置に合わせることが好ましい。また、第2非磁性中間層112b,112bの上面141a,141aと下面141b,141bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第1非磁性中間層106bの上面131aと下面131bの高さ位置に合わせることが好ましい。さらに、第3磁性材料層112c,112cの上面142a,142aと下面142b,142bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第1磁性材料層106cの上面132aと下面132bの高さ位置に合わせることが好ましい。
ここで、前記第1保護層150、および第2保護層151,151は、図17に示す工程の後、図20に示す工程までの間に、図17に示す工程で形成した前記第1磁性材料層16cを大気による暴露から保護する機能を有するものである。また、図20に示す工程で、前記第2磁性材料層106a、および前記第4磁性材料層112a,112aを削るのは、前記第2磁性材料層106a、および第2磁性材料層112a,112aを削ることにより、前記B3およびB4の表面を活性化させ、図20に示す工程で前記P3およびP4を一体的に成膜させるためである。また、前記第1保護層150と前記第2保護層151の除去から、前記第2磁性材料層106aと前記第3磁性材料層112a,112aの削り、および前記第2磁性材料層160aおよび前記第4磁性材料層112a,112aの付け足しを、真空中で連続して行うことにより、前記B3,B4とP3,P4とを一体的な第2磁性材料層106a、または第4磁性材料層112a,112aとして形成することが可能となる。
このようにして、第2磁性材料層106a、第1非磁性中間層106b、第1磁性材料層106cからなるシンセティックフェリピンド型の第1固定磁性層106が形成される。また、第4磁性材料層112a,112a、第2非磁性中間層112b,112b、第3磁性材料層112c,112cからなるシンセティックフェリピンド型の第2固定磁性層112,112が形成される。
なお図21では、説明を分かり易くするために前記B3とP3との境界を破線で表しているが、実際には前記B3とP3とは一体と化しており、これらB3とP3の双方で、前記第2磁性材料層106aを構成する。同様に、前記B4,B4とP4,P4との境界を破線で表しているが、実際には前記B4,B4とP4,P4とは一体と化しており、これらB4,B4とP4,P4の双方で、前記第4磁性材料層112a,112aを構成する。
その後、磁場中アニールを施し、前記第1の反強磁性層111,111、前記第2の反強磁性層113,113と前記第2固定磁性層112,112との間に交換結合磁界を発生させて、第4磁性材料層112a,112aの磁化を図示Y方向に固定する。
次に、前記磁気検出素子100の製造工程を示す図15工程と同様にして、前記保護層117、前記電極層116および前記保護層115をリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)で前記ストッパ層114を残して除去した後、露出した前記ストッパ層114、および前記第1の反強磁性層111をイオンミリングで除去し、図3に示す磁気検出素子200が製造される。
次に、図5に示す磁気検出素子300の製造方法を以下に説明する。各工程は記録媒体との対向面側から見た部分断面図で示されている。なお、図22から図24において、図5の各層と同一の符号を付けられた層は、同一の材料および膜厚で形成される。
図5に示す磁気検出素子300の製造方法は、図10ないし図16に示す磁気検出素子100の製造方法と似ており、前記磁気検出素子100の製造工程である図10に示される工程に替えて、図22に示すように、図示しない基板上に下部シールド層101、下部ギャップ層102、シード層103、フリー磁性層104、第1非磁性材料層105、および第1固定磁性層106を構成する第2磁性材料層106aと第1非磁性中間層106bからなる積層体S2を成膜する。なお、この積層体S2は連続して成膜する。
次に、図23に示すように、前記第1非磁性中間層106bの上にリフトオフ用のレジストR3を形成し、イオンミリングなどの公知の方法によって、前記積層体S2を19に示される状態に削るとともに、前記積層体S2の両側方であって前記下部シールド層101に、凹部101a,101aを形成する。
次に図24に示す工程では、前記レジスト層R2を前記第1非磁性中間層106b上に残したまま、前記凹部101a,101a内に絶縁層107,107、硬磁性層108,108、第2非磁性材料層109,109、シード層110,110、第1反強磁性層111,111、第2固定磁性層112を構成する第4磁性材料層112a,112a、および第2非磁性中間層112b,112bをスパッタ法によって連続成膜する。
このとき、第4磁性材料層112a,112aの上面140a,140aと下面140b,140bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第2磁性材料層106aの上面130aと下面130bの高さ位置に合わせることが好ましい。また、第2非磁性中間層112b,112bの上面141a,141aと下面141b,141bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第1非磁性中間層106bの上面131aと下面131bの高さ位置に合わせることが好ましい。
スパッタ法としては、イオンビームスパッタ法、ロングスロースパッタ法、あるいはコリメーションスパッタ法など公知のいずれか1種以上を用いることができる。このとき、図19に示すように、前記レジストR3上にも、絶縁層107,107と同じ材料層167、硬磁性層108,108と同じ材料層168、第2非磁性材料層109,109と同じ材料層169、シード層110,110と同じ材料層170、第1反強磁性層111,111と同じ材料層171、第4磁性材料層112a,112aと同じ材料層172a、および第2非磁性中間層112b,112bと同じ材料層172bが付着する。
この図24に示す工程では、前記第1反強磁性層111,111を前記硬磁性層108,108と同じ製造工程で形成することができる。したがって、製造の容易化とともに、前記第1反強磁性層111,111間の間隔W2を、前記硬磁性層108,108間の間隔で規定される前記光学的トラック幅O−Twの間隔と精度良く合わせることが可能となる。
次に図25に示すように、前記レジスト層R3を除去する。次に、図22に示す工程から図25に示す工程までの間に大気に暴露されたことによって前記第1非磁性中間層106bの表面に生じた酸化膜、および図24から図25に示す工程までの間に大気に暴露されたことによって生じた前記第2非磁性中間層112b,112bの表面に生じた酸化膜や有機物のみを、低エネルギーのイオンミリングで除去する。
ここで「低エネルギーのイオンミリング」とは、プラズマ中のイオンを、加速電圧が0〜75Vの範囲で加速したイオンミリングをいう。この場合、電子の運動エネルギーが6eV以下、あるいは電子が108個/cm3以下のプラズマを使用することが好ましい。なお、プラズマを生成するためのガスには、前記非磁性中間層106bの表面や前記第2非磁性中間層112b、112bの表面の原子に対して、不活性な原子からなるガスを使用することが好ましい。
ここで、前記「低エネルギーのイオンミリング」ではないイオンミリングを行った場合には、前記第1非磁性中間層106b、および第2非磁性中間層112b,112bまでもが削られてしまい、再度前記第1非磁性中間層106b、および第2非磁性中間層112b,112bを付け足さなければならず、製造が煩雑になってしまう。
次に、図26に示すように、前記第1非磁性中間層106bおよび前記第2非磁性中間層112b,112bの上に、前記第1磁性材料層106cおよび前記第3磁性材料層112c,112cを成膜する。前記第1非磁性中間106bと前記第2非磁性中間層112b,112bの低エネルギーのイオンミリング処理から、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cの成膜は、真空中で連続して行う。
このとき、第3磁性材料層112c,112cの上面142a,142aと下面142b,142bは、前記第1固定磁性層106を構成する前記第1磁性材料層106cの上面132aと下面132bの高さ位置に合わせることが好ましい。
その後連続して、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cの上面に、第2反強磁性層113、ストッパ層114、保護層115、電極層116、および保護層117をベタ膜状に成膜する。
ここで、前記第1非磁性中間層106bおよび第2非磁性中間層112b,112bはRuなどから形成されているため、前記第1固定磁性層106や第2固定磁性層112,112の非磁性中間層としての役割の他に、図12に示す工程から図25に示す工程までの間に、前記第2磁性材料層106aや前記第4磁性材料層112a,112aが大気に暴露されることを防ぐ保護層としての役割をも有する。したがって、前記前記第2磁性材料層106aや前記第4磁性材料層112a,112aを大気暴露から保護するための保護層を別途形成する必要がないため、製造を容易に行うことができる。
また、図25に示す工程で、前記第1非磁性中間層106b、および前記第2非磁性中間層112b,112bの表面に形成された酸化層や有機物を削ることにより、前記第1非磁性中間層106b、および前記第2非磁性中間層112b,112bの表面を活性化させ、図26に示す工程で前記第1磁性材料層106cおよび前記第3磁性材料層112c,112cを、前記第1非磁性中間層106b、および前記第2非磁性中間層112b,112bの上に成膜させ易くするためである。
このようにして、第2磁性材料層106a、第1非磁性中間層106b、第1磁性材料層106cからなるシンセティックフェリピンド型の第1固定磁性層106が形成される。また、第4磁性材料層112a,112a、第2非磁性中間層112b,112b、第3磁性材料層112c,112cからなるシンセティックフェリピンド型の第2固定磁性層112,112が形成される。
その後、磁場中アニールを施し、前記第1の反強磁性層111,111、前記第2の反強磁性層113,113と前記第2固定磁性層112,112との間に交換結合磁界を発生させて、第4磁性材料層112a,112aの磁化を図示Y方向に固定する。
次に、前記磁気検出素子100の製造工程を示す図15工程と同様にして、前記保護層117、前記電極層116および前記保護層115をリアクティブ・イオン・エッチング(RIE)で前記ストッパ層114を残して除去した後、露出した前記ストッパ層114、および前記第1の反強磁性層111をイオンミリングで除去し、図3に示す磁気検出素子200が製造される。
図7に示す磁気検出素子400を製造するには、図12に示す工程で、第1反強磁性層111,111の上に、第2固定磁性層112,112として、第3磁性材料層112c,112cのみを積層すれば良い。
次に、図8に示す磁気検出素子500の製造方法について説明する。
図27から図35は図8の磁気検出素子500の製造工程を示す製造方法を示す工程図であり、各工程は記録媒体との対向面側から見た部分断面図で示されている。なお、図27から図36において、図1、および図10ないし図16の各層と同一の符号を付けられた層は、同一の製造条件で形成される。
図27に示される工程では、図示しない基板上に下部シールド層101、下部ギャップ層102、シード層103をベタ膜状に成膜し、さらにこのシード層103の上に、Ruなどからなる第1保護層150を成膜する。
次に図28に示すように、前記第1保護層150の上にリフトオフ用のレジストR3を形成し、イオンミリングなどの公知の方法によって、前記下部シールド層101、前記下部ギャップ層101、前記シールド層103、および前記第1保護層150を図28に示される状態に削るとともに、前記下部シールド層101に、凹部101a,101aを形成する。
次に図29工程では、前記レジスト層R3を前記第1保護層150上に残したまま、前記凹部101a,101a内にシード層110,110、第1反強磁性層111,111、Ruなどからなる第2保護層151をスパッタ法によって連続成膜する。
このとき、図29に示すように、前記レジストR3上にも、シード層110,110と同じ材料層170、第1反強磁性層111,111と同じ材料層171、第2保護層151と同じ材料層173が付着する。
次に図30に示すように、前記レジスト層R1を除去する。次に、イオンビームエッチングやプラズマエッチングなどの公知の方法により、真空中で前記第1保護層150と前記第2保護層151を削って除去し、前記シード層103および第1反強磁性層111,111を露出させるとともに、真空中で連続して第1反強磁性層111,111を付け足すとともに、そのまま連続して第1固定磁性層106と第2固定磁性層112,112、第2反強磁性層113、第2非磁性材料層109を成膜し、図31に示す状態とする。なお、各図31から図36では、図12で形成した第1反強磁性層111,111と前記付け足された第1反強磁性層111,111との境界を破線で示している。
前記第1固定磁性層106は、下から第1磁性材料層106c、第1非磁性中間層106b、第2磁性材料層106aを積層したシンセティックフェリピンド型の構造に形成する。また、前記第2固定磁性層112は、下から第3磁性材料層112c、第1非磁性中間層112b、第4磁性材料層112aを積層したシンセティックフェリピンド型の構造に形成する。
次に図32に示すように、前記第2非磁性材料層109の上に光学的トラック幅O−Tw方向(図示X方向)に間隔を空けてレジスト層R4,R4を形成し、図示一点鎖線で示すように、前記レジスト層R4,R4間の間隔161a内から露出する前記第2非磁性材料層109、第2反強磁性層113を削るとともに、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cを途中まで削り、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cを露出させる。この工程から真空中で連続して、図33に示すように、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cの上に、さらに前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cを付け足した後、第1非磁性材料層105、フリー磁性層104、第3非磁性材料層120を成膜し、多層膜T2を形成する。このとき、前記前記第2磁性材料層106aの上面130aと、前記第4磁性材料層112a,112aの上面140a,140aとが同じ高さ位置になるように形成することが好ましい。なお、各図33から図36では、図31で形成した前記第1磁性材料層106cおよび前記第3磁性材料層112c,112cと、前記付け足された前記第1磁性材料層106cおよび前記第3磁性材料層112c,112cとの境界を破線で示している。
次に図34に示すように、前記第3非磁性材料層120の上にレジストR5を形成し、前記第3非磁性材料層120、前記フリー磁性層104を削ると共に、前記第1非磁性材料層105を途中まで削る。この際、前記第2非磁性材料層109,109も削られて、その膜厚は減少する。
次に図35に示すように、絶縁層107,107、硬磁性層108,108、保護層115,115、電極層116,116、保護層117,117を成膜する。このとき、前記レジスト5にも、絶縁層107,107と同じ材料層167、硬磁性層108,108と同じ材料層168、保護層115と同じ材料層215、電極層116と同じ材料層216、保護層117と同じ材料層217が付着する。
そして、前記レジストR5を除去すると、図8に示す磁気検出素子500を得られる。
図9に示す磁気検出素子600の製造方法は、図8に示す磁気検出素子500の製造方法と共通する部分がある。図9に示す磁気検出素子600を製造するには、図8に示す磁気検出素子500の製造工程を示す図31工程で、図36に示すように、第1固定磁性層106および第2固定磁性層112,112を、それぞれ前記第1磁性材料層106cのみ、前記第3磁性材料層112cのみで形成した後、図37に示すように、前記第2非磁性材料層109の上に光学的トラック幅O−Tw方向(図示X方向)に間隔を空けてレジスト層R4,R4を形成し、図示一点鎖線で示すように、前記レジスト層R4,R4間の間隔161a内から露出する前記第2非磁性材料層109、第2反強磁性層113を削るとともに、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cを途中まで削り、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cを露出させる。この工程から真空中で連続して、図38に示すように、前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cの上に、さらに前記第1磁性材料層106cと前記第3磁性材料層112c,112cを付け足した後、第1非磁性中間層160b、第2磁性材料層160a、第1非磁性材料層105、フリー磁性層104、第3非磁性材料層120を成膜する。このとき、前記前記第1磁性材料層106cの上面132aと前記第3磁性材料層112c,112cの上面142a,142aとが同じ高さ位置になるように形成することが好ましい。なお、各図38から図39では、図36で形成した前記第1磁性材料層106cおよび前記第3磁性材料層112c,112cと、前記付け足された前記第1磁性材料層106cおよび前記第3磁性材料層112c,112cとの境界を破線で示している。
その後、図39に示すように、前記第3非磁性材料層120の上にレジストR6を形成し、前記第3非磁性材料層120、前記フリー磁性層104、第1非磁性材料層105、、前記第2磁性材料層106aおよび第4磁性材料層112aを削る。この際、前記第2非磁性材料層109,109も削られて、その膜厚は減少する。
その後、図35に示す工程を行うと、図9に示す磁気検出素子600を得ることができる。
本発明における第1の実施形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。 図1に示す磁気検出素子の部分拡大図である。 本発明の第2の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。 図3に示す磁気検出素子の部分拡大図である。 本発明の第3の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。 図5に示す磁気検出素子の部分拡大図である。 本発明の第4の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。 本発明の第5の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。 本発明の第6の実施の形態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。 図1に示す磁気検出素子の製造方法を示す一工程図である。 図10に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図11に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図12に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図13に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図14に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図15に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図3に示す磁気検出素子の製造方法を示す一工程図である。 図17に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図18に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図19に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図20に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図5に示す磁気検出素子の製造方法を示す一工程図である。 図22に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図23に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図24に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図25に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図8に示す磁気検出素子の製造方法を示す一工程図である。 図27に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図28に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図29に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図30に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図31に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図32に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図33に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図35に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図9に示す磁気検出素子の製造方法を示す一工程図である。 図36に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図37に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 図38に示す工程の次の工程を示す一工程図である。 従来の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
符号の説明
100,200,300,400,500,600 磁気検出素子
104 フリー磁性層
105 第1反強磁性層
106 第1固定磁性層
106a 第2磁性材料層
106b 第1非磁性中間層
106c 第1磁性材料層
108 硬磁性層
111 第1反強磁性層
112 第2固定磁性層
112a 第4磁性材料層
112b 第2非磁性中間層
112c 第3磁性材料層
113 第2反強磁性層
150 第1保護層
151 第2保護層

Claims (22)

  1. フリー磁性層と第1非磁性材料層と固定磁性層とを含む多層膜を有し、前記多層膜のトラック幅方向の両側方部にトラック幅方向に所定の間隔を空けてバイアス層が形成され、前記バイアス層間の間隔によってトラック幅が規定される磁気検出素子において、
    前記固定磁性層は、前記多層膜のトラック幅方向の両側方部に延びて形成された延出部を有し、前記延出部の下方には、トラック幅方向に間隔を空けて一対の第1反強磁性層が形成され、かつ前記延出部の上方にトラック幅方向に間隔を空けて一対の第2反強磁性層が形成されていることを特徴とする磁気検出素子。
  2. 前記固定磁性層は前記多層膜内の第1固定磁性層と、前記延出部の第2固定磁性層とで構成され、前記第2固定磁性層の少なくとも一部は前記第1固定磁性層と一体的に連続して形成されている請求項1記載の磁気検出素子。
  3. 前記第1反強磁性層間の間隔、または前記第2反強磁性層間の間隔の少なくとも一方は、前記トラック幅と同じである請求項1または2記載の磁気検出素子。
  4. 前記第1反強磁性層間の間隔は、トラック幅方向と同じである請求項3記載の磁気検出素子。
  5. 前記第1固定磁性層は、第1非磁性中間層を介して積層された、単位面積あたりの磁気モーメントの大きさが異なる第1磁性材料層及び第2磁性材料層を有するものである請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気検出素子。
  6. 前記第2固定磁性層は、第2非磁性中間層を介して積層された、単位面積あたりの磁気モーメントの大きさが異なる第3磁性材料層および第4磁性材料層を有するものである請求項1ないし5のいずれかに記載の磁気検出素子。
  7. 前記第1固定磁性層と前記第2固定磁性層とが同じ高さ位置に形成されている請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気検出素子。
  8. 前記第1磁性材料層と前記第3磁性材料層とが同じ高さ位置に形成されている請求項1ないし7のいずれかに記載の磁気検出素子。
  9. 前記第2磁性材料層と前記第4磁性材料層とが同じ高さ位置に形成されている請求項6または7記載の磁気検出素子。
  10. 前記多層膜は下から順に、フリー磁性層、第1非磁性材料層、固定磁性層が積層されて形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の磁気検出素子。
  11. 前記多層膜は下から順に、固定磁性層、第1非磁性材料層、フリー磁性層が積層されて形成されている請求項1ないし9のいずれかに記載の磁気検出素子。
  12. 以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法、
    (a)基板上に、下から順にフリー磁性層と第1非磁性材料層と第1固定磁性層が積層された多層膜を形成し、この多層膜の上に第1保護層を形成する工程と、
    (b)前記第1保護層および前記多層膜の両側方を削る工程と、
    (c)前記第1保護層および前記多層膜の前記両側方に、硬磁性層と、トラック幅方向に間隔を空けて対向する一対の第1反強磁性層と、前記第1固定磁性層と同じ材料からなる第2固定磁性層と、第2保護層とを形成する工程と、
    (d)前記第1保護層および第2保護層を全部削り取った後、前記第1固定磁性層および前記第2固定磁性層を途中まで削って上面を露出する工程と、
    (e)前記(d)工程で露出した前記第1固定磁性層および前記第2固定磁性層の上面に前記第1固定磁性層および前記第2固定磁性層を付け足した後、前記第1固定磁性層および前記第2固定磁性層の上に、トラック幅方向に間隔を空けて対向する第2反強磁性層を形成し、前記第2反強磁性層を前記多層膜の両側方に残る状態に削る工程。
  13. 前記(a)工程で、前記第1固定磁性層を、単位面積当たりの磁気モーメントの大きさが異なる第2磁性材料層と第1磁性材料層とを、第1非磁性中間層を介して積層して形成し、
    前記(c)工程で、前記第2固定磁性層を、単位面積当たりの磁気モーメントの大きさが異なる第4磁性材料層と第3磁性材料層とを、第2非磁性中間層を介して積層して形成する請求項11記載の磁気検出素子の製造方法。
  14. 前記(c)工程で前記第2固定磁性層を前記第1固定磁性層と同じ高さ位置に形成し、前記(e)工程で前記第2固定磁性層の上面が前記第1固定磁性層の上面と同じ高さ位置になるように付け足す請求項12または13記載の磁気検出素子。
  15. 前記(d)工程で前記第1磁性材料層および前記第3磁性材料層を途中まで削り、前記第1磁性材料層と前記第3磁性材料層の上面を露出し、前記(e)工程で前記第1磁性材料層および第3磁性材料層の上面に、前記第1磁性材料層および前記第3磁性材料層を付け足す請求項13または14記載の磁気検出素子の製造方法。
  16. 前記(a)工程で前記第1固定磁性層を途中まで形成し、前記(c)工程で前記第2固定磁性層を途中まで形成し、前記(e)工程で残りの前記第1固定磁性層および第2固定磁性層を付け足す工程を有する請求項12または14記載の磁気検出素子の製造方法。
  17. 前記(a)工程で前記第2磁性材料層まで形成した後、この第2磁性材料層の上に前記第1保護層を形成し、前記(c)工程で前記第4磁性材料層まで形成した後、この第4材料層の上に前記第2保護層を形成し、
    前記(d)工程で前記第2磁性材料層および第4磁性材料層を途中まで削り、前記第2磁性材料層および前記第4磁性材料層の上面を露出し、前記(e)工程で前記第2磁性材料層および前記第4磁性材料層の上面に、前記第2磁性材料層および前記第4磁性材料層を付け足す請求項16記載の磁気検出素子の製造方法。
  18. 前記(a)工程で前記第1非磁性中間層まで形成し、前記(c)工程で前記第2非磁性中間層まで形成し、
    前記(d)工程の代わりに、
    (g)前記第1非磁性中間層および第2非磁性中間層の上面に低エネルギーイオンミリング処理を施す工程を有し、
    前記(e)工程で前記第1非磁性中間層および第2非磁性中間層の上面に、前記第1磁性材料層および前記第3磁性材料層を付け足す請求項12ないし14のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  19. 以下の工程を有することを特徴とする磁気検出素子の製造方法、
    (h)基板上に、トラック幅方向に間隔を空けて対向する一対の第1反強磁性層を形成した後、前記反強磁性層の上に保護層を形成する工程と、
    (i)前記保護層を除去した後、前記第1反強磁性層の上に第1固定磁性層および第2固定磁性層と第2反強磁性層を形成する工程と、
    (j)前記第2反強磁性層をトラック幅方向に間隔を空けて残して中央部を除去するとともに、前記第1固定磁性層および第2固定磁性層を途中まで除去して露出させる工程と、
    (k)露出した前記第1固定磁性層および第2固定磁性層の上に、さらに第1固定磁性層および第2固定磁性層を付け足した後、下から順に第1非磁性材料層とフリー磁性層とを積層して多層膜を形成する工程。
  20. 前記(i)工程で、前記第1固定磁性層を、単位面積当たりの磁気モーメントの大きさが異なる第2磁性材料層と第1磁性材料層とを、第1非磁性中間層を介して積層して形成する工程を有する請求項19記載の磁気検出素子の製造方法。
  21. 前記(i)工程で、前記第2固定磁性層を、単位面積当たりの磁気モーメントの大きさが異なる第4磁性材料層と第3磁性材料層とを、第2非磁性中間層を介して積層して形成する工程を有する請求項19または20記載の磁気検出素子の製造方法。
  22. 前記(k)工程で、前記第2固定磁性層の上面が前記第1固定磁性層の上面と同じ高さ位置になるように付け足す請求項19ないし21のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
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