JP2005101362A - 多層配線板用プリプレグ及びその製造方法並びに多層配線板 - Google Patents

多層配線板用プリプレグ及びその製造方法並びに多層配線板 Download PDF

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Abstract

【課題】耐CAF性が良好であり、かつ、内層ピール強度が良好である多層配線板用プリプレグを提供する。
【解決手段】フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1が基材2に含浸されて形成される樹脂含浸基材3の片面又は両面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線板等の多層配線板を製造するために用いられる多層配線板用プリプレグ及びその製造方法並びに上記プリプレグを用いて製造される多層配線板に関するものである。
プリント配線板等の製造に用いられるプリプレグは、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分とする樹脂組成物をワニスとして調製し、このワニスをガラスクロス等の基材に含浸させた後にこれを乾燥させて半硬化状態(B−ステージ)とすることによって製造されている。この段階において上記の樹脂組成物は未硬化樹脂から半硬化樹脂へと変化している。
そして、上記のようにして製造したプリプレグを所定寸法に切断した後、これを所要枚数重ねると共に、このプリプレグの積層体の片面又は両面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって、プリント配線板の製造に用いられる金属箔張積層板を製造することができる。この段階においてプリプレグの半硬化樹脂は硬化樹脂へと変化し、基材と共に絶縁層を形成することとなる。
その後、金属箔張積層板に穴あけ及びめっきを行うことによりスルーホール等を形成し、さらに、サブトラクティブ法等を行うことにより金属箔張積層板の片面又は両面の金属箔を加工して回路を形成して、プリント配線板を製造することができる。ここで、金属箔張積層板の両面に回路が形成されている場合、これらの回路は上記スルーホールによって電気的に接続されている。
また、あらかじめ回路(内層回路)が形成してある内層用基板の片面又は両面に、所定寸法に切断されたプリプレグを所要枚数重ねると共に、この積層体の片面又は両面に銅箔等の金属箔を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって、多層プリント配線板の製造に用いられる多層積層板を製造することができる。上記と同様にこの段階においてプリプレグの半硬化樹脂は硬化樹脂へと変化し、基材と共に絶縁層を形成することとなる。
その後、多層積層板に穴あけ及びめっきを行うことによりバイアホール等を形成し、さらに、サブトラクティブ法等を行うことにより多層積層板の片面又は両面の金属箔を加工して回路(外層回路)を形成して、多層プリント配線板を製造することができる。ここで、内層回路と外層回路は上記バイアホールによって電気的に接続されている。
上記のようにして、プリント配線板等の多層配線板が製造されているが、近年においてプリプレグの製造に用いられる樹脂組成物としては、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物が用いられている(例えば、特許文献1参照。)。ここで、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物とは、フェノール類を硬化剤として用いるエポキシ樹脂組成物のことをいうが、このような組成物を用いると、マイグレーションの発生を防止することができ、多層配線板の耐CAF(Conductive Anodic Filament)性を改良することができるものである。
米国特許第4501787号明細書
しかし、上記のようにして耐CAF性に優れたプリプレグを製造することができても、このプリプレグと内層用基板の内層回路との密着強度(つまり内層ピール強度)は十分ではないという問題があった。そのため、内層回路の表面を黒化処理(BO:Black Oxide)することも行われているが、このような粗面化処理をもってしても今なお上記問題を解決するには至っていない。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、耐CAF性が良好であり、かつ、内層ピール強度が良好である多層配線板用プリプレグ及びその製造方法並びに多層配線板を提供することを目的とするものである。
本発明の請求項1に係る多層配線板用プリプレグは、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1が基材2に含浸されて形成される樹脂含浸基材3の片面又は両面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5が形成されて成ることを特徴とするものである。
請求項2の発明は、請求項1において、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4が、ジシアンジアミド硬化系エポキシ樹脂組成物であることを特徴とするものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1が、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いて調製されるものであることを特徴とするものである。
本発明の請求項4に係る多層配線板用プリプレグの製造方法は、請求項1乃至3のいずれかに記載の多層配線板用プリプレグを製造する方法であって、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を基材2に含浸させて加熱することによって樹脂含浸基材3を形成し、次にこの樹脂含浸基材3の片面又は両面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を塗布して加熱することによってアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5を形成することを特徴とするものである。
本発明の請求項5に係る多層配線板は、請求項1乃至3のいずれかに記載の多層配線板用プリプレグを積層成形して成ることを特徴とするものである。
本発明の請求項1に係る多層配線板用プリプレグによれば、耐CAF性と内層ピール強度が共に良好である多層配線板を製造することができるものである。
請求項2の発明によれば、多層配線板において内層用基板に対するプリプレグの密着強度をさらに向上させることができるものである。
請求項3の発明によれば、多層配線板の耐CAF性をさらに向上させることができるものである。
本発明の請求項4に係る多層配線板用プリプレグの製造方法によれば、耐CAF性と内層ピール強度が共に良好である多層配線板を製造するためのプリプレグを容易に製造することができるものである。
本発明の請求項5に係る多層配線板によれば、良好な耐CAF性及び内層ピール強度を得ることができるものである。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明に係る多層配線板用プリプレグ(以下単に「プリプレグ6」という。)の製造工程の一例を示すものである。この工程においては、まず図1(a)に示すようなガラスクロス等の基材2にフェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を含浸させ、これを加熱して乾燥させることによって、図1(b)に示すような樹脂含浸基材3を形成する。次にこの樹脂含浸基材3の片面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を塗布して、これを加熱して乾燥させることによってアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5を形成する。そうすると、図1(c)に示すようなプリプレグ6を得ることができるものである。なお、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1及びアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4の詳細な内容については後述する。
また、図2はプリプレグ6の製造工程の他例を示すものである。この工程においては、まず図2(a)に示すようなガラスクロス等の基材2にフェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を含浸させ、これを加熱して乾燥させることによって、図2(b)に示すような樹脂含浸基材3を形成する。次にこの樹脂含浸基材3の両面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を塗布して、これを加熱して乾燥させることによってアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5を形成する。そうすると、図2(c)に示すようなプリプレグ6を得ることができるものである。
上記のように、本発明は、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を、基材2に含浸させてこれを被覆するための樹脂ワニス(以下「含浸ワニス」という。)として用い、かつ、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を、樹脂含浸基材3の表面に塗布して層5を形成するための樹脂ワニス(以下「塗布ワニス」という。)として用いる点に特徴がある。以下においても詳細に説明するが、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を含浸ワニスとして用いることによって、後述する多層配線板7において良好な耐CAF性を得ることができるものであり、また、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を塗布ワニスとして用いることによって、多層配線板7において良好な内層ピール強度を得ることができるものである。なお、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1とアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4との密着性は良好であるため、図1(c)及び図2(c)に示すプリプレグ6において、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5が剥離するようなことはない。また、図1(c)及び図2(c)に示すプリプレグ6において、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1及びアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4はいずれも半硬化状態(B−ステージ)である。また、図1(c)及び図2(c)に示すプリプレグ6において、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5の厚みは3〜100μmであることが好ましい。
本発明においてフェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1とは、フェノール類(フェノール樹脂)を硬化剤として用いるエポキシ樹脂組成物のことをいう。このような組成物を調製するためのエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のブロム化エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等を用いることができる。これらのエポキシ樹脂のうち1種のみを用いたり2種以上を混合して用いたりすることもできる。特にジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いると、多層配線板7の耐CAF性をさらに向上させることができるので、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1としては、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いて調製されるものを用いるのが好ましい。
硬化剤としては、フェノール類であれば特に限定されるものではないが、例えば、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック等を用いることができる。フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1は、上記のように硬化剤としてフェノール類を用いて調製されているので、その他の組成物よりも吸水率が小さくなるものである。なお、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1において、硬化剤であるフェノール類の添加量は10〜50phrであることが好ましい。
フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を調製する際には、必要に応じて硬化促進剤その他の添加剤を用いることができる。硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ジメチルベンジルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等を用いることができる。硬化促進剤の添加量は0.01〜3phrであることが好ましい。
そして、上記のエポキシ樹脂、硬化剤(フェノール類)、硬化促進剤等を配合し、これをミキサーやブレンダー等で均一に混合することによって、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を調製することができる。このようにして得られるフェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1は、溶媒を加えずにそのまま含浸ワニスとして用いることができるほか、メチルエチルケトン(MEK)、メトキシプロパノール(MP)等から選ばれる少なくとも1種の溶媒を加えて希釈して、含浸ワニスとして用いることもできる。
一方、本発明においてアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4とは、アミン類を硬化剤として用いるエポキシ樹脂組成物のことをいう。このような組成物を調製するためのエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えば、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等のブロム化エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂等を用いることができる。これらのエポキシ樹脂のうち1種のみを用いたり2種以上を混合して用いたりすることもできる。
硬化剤としては、アミン類であれば特に限定されるものではないが、例えば、ジシアンジアミド(Dicy)、メタフェニレンジアミン(MPDA)等を用いることができる。特にジシアンジアミドを用いると、多層配線板7において内層用基板13に対するプリプレグ6の密着強度をさらに向上させることができるので、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4としては、ジシアンジアミド硬化系エポキシ樹脂組成物を用いるのが好ましい。なお、内層用基板13の回路(内層回路)12の表面を黒化処理して粗面化しておくと、密着強度をさらに向上させることができる。また、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4において、硬化剤であるアミン類の添加量は0.5〜10phrであることが好ましい。
アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を調製する際には、必要に応じて硬化促進剤その他の添加剤を用いることができる。硬化促進剤としては、特に限定されるものではないが、例えば、2−エチル−4−メチルイミダゾール(2E4MZ)、2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類、ジメチルベンジルアミン、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン等のアミン類、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン類、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート等のテトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩等を用いることができる。硬化促進剤の添加量は0.01〜3phrであることが好ましい。
そして、上記のエポキシ樹脂、硬化剤(アミン類)、硬化促進剤等を配合し、これをミキサーやブレンダー等で均一に混合することによって、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を調製することができる。このようにして得られるアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4は、溶媒を加えずにそのまま塗布ワニスとして用いることができるほか、メチルエチルケトン(MEK)、メトキシプロパノール(MP)、ジメチルホルムアミド(DMF)等から選ばれる少なくとも1種の溶媒を加えて希釈して、塗布ワニスとして用いることもできる。
本発明に係る多層配線板は、次のようにして製造することができる。図3は多層配線板7の製造工程の一例を示すものである。この工程においては、まず図3(a)に示すようにプリプレグ6を所要枚数重ねると共に、このプリプレグ6の積層体8の片面又は両面に銅箔等の金属箔9を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって、プリント配線板の製造に用いられる金属箔張積層板10を製造する。この段階においてプリプレグ6の半硬化樹脂は硬化樹脂へと変化し、基材2と共に絶縁層を形成することとなる。なお、金属箔張積層板10を製造する際には、プリプレグ6としては、片面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5が形成されたもの(図1(c)参照)と両面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5が形成されたもの(図2(c)参照)のうちいずれのプリプレグ6を用いてもよいが、図3(a)に示すようにアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5の表面に金属箔9を重ねることができるように、プリプレグ6を適宜に選択して用いるのが好ましい。このようにすると、金属箔9をプリプレグ6に強固に密着させることができるからである。
その後、図3(b)に示すように、公知の方法で金属箔張積層板10に穴あけ及びめっき(例えば、銅めっき等)を行うことによりスルーホール11等を形成し、さらに、サブトラクティブ法等を行うことにより金属箔張積層板10の片面又は両面の金属箔9を加工して回路12を形成して、多層配線板7の1種であるプリント配線板を製造することができる。ここで、図3(b)に示すようにプリント配線板の両面に回路12が形成されている場合、これらの回路12は上記スルーホール11によって電気的に接続されている。なお、上記のようにして得られるプリント配線板は、後述する多層プリント配線板を製造するための内層用基板13として用いることができる。
上記のようにして得られる多層配線板7にあっては、吸水率の小さいフェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1によって基材2のすべてが覆われているため、基材2と樹脂との界面に水分が浸入せず、スルーホール11のめっき等から発生する銅イオン等の金属イオンが基材2に沿って成長しなくなり、つまりマイグレーションが起こらなくなり、耐CAF性が良好となるものである。
また、本発明に係る多層配線板は、次のようにして製造することもできる。図4は多層配線板7の製造工程の他例を示すものである。この工程においては、まず図4(a)に示すようにあらかじめ回路(内層回路)12が形成してある内層用基板13の片面又は両面にプリプレグ6を所要枚数重ねると共に、この積層体14の片面又は両面に銅箔等の金属箔9を重ね、これを加熱加圧して積層成形することによって、多層プリント配線板の製造に用いられる図4(b)に示すような多層積層板15を製造することができる。この段階においてプリプレグ6の半硬化樹脂は硬化樹脂へと変化し、基材2と共に絶縁層を形成することとなる。なお、多層積層板15を製造する際には、プリプレグ6としては、片面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5が形成されたもの(図1(c)参照)と両面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5が形成されたもの(図2(c)参照)のうちいずれのプリプレグ6を用いてもよいが、図4(b)に示すように内層用基板13の回路12が形成された面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5の表面を重ねることができるように、プリプレグ6を適宜に選択して用いるものである。これにより、プリプレグ6を内層用基板13に強固に密着させることができ、多層配線板7において良好な内層ピール強度を得ることができるものである。さらに、図4(b)に示すようにアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5の表面に金属箔9を重ねることができるように、プリプレグ6を適宜に選択して用いるのが好ましい。このようにすると、金属箔9をプリプレグ6に強固に密着させることができるからである。なお、内層用基板13としては、既述の図3(b)に示すようなプリント配線板を用いることができるほか、市販されているもの(例えば、松下電工(株)製「CR1766」等)を用いることもできる。また、積層成形する前に内層用基板13の回路12の表面をあらかじめ黒化処理して粗面化しておくのが好ましい。このようにすると、多層配線板7において内層用基板13に対するプリプレグ6の密着強度をさらに向上させることができるからである。
その後、図4(c)に示すように、公知の方法で多層積層板15に穴あけ及びめっき(例えば、銅めっき等)を行うことによりバイアホール16等を形成し、さらに、サブトラクティブ法等を行うことにより多層積層板15の片面又は両面の金属箔9を加工して回路(外層回路)12を形成して、多層配線板7の1種である多層プリント配線板を製造することができる。ここで、図4(c)に示すように内層回路と外層回路は上記バイアホール16によって電気的に接続されている。
上記のようにして得られる多層配線板7にあっては、吸水率の小さいフェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1によって基材2のすべてが覆われているため、基材2と樹脂との界面に水分が浸入せず、バイアホール16のめっき等から発生する銅イオン等の金属イオンが基材2に沿って成長しなくなり、つまりマイグレーションが起こらなくなり、耐CAF性が良好となるものである。また、内層用基板13の回路12が形成された面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4からなる層5の表面を重ねているので、プリプレグ6を内層用基板13に強固に密着させることができ、多層配線板7において良好な内層ピール強度を得ることができるものである。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
<フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物>
エポキシ樹脂として、ブロム化エポキシ樹脂(東都化成(株)製「YDB−500」、エポキシ当量500、臭素含有量21質量%)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「N−690」、エポキシ当量225)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「HP−7200H」、エポキシ当量283)を用いた。
硬化剤(フェノール類)として、ビスフェノールAノボラック(水酸基当量118)を用いた。
硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業(株)製「2E4MZ」)を用いた。
溶媒として、メチルエチルケトン(MEK)を用いた。
そして、上記のエポキシ樹脂、硬化剤(フェノール類)、硬化促進剤を配合し、さらに、これらのものと溶媒との質量比が6:4となるように溶媒を配合し、これをミキサーで均一に混合することによって、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物を調製した。なお、各成分の配合量は表1に示す。
<アミン硬化系エポキシ樹脂組成物>
エポキシ樹脂として、ブロム化エポキシ樹脂(東都化成(株)製「YDB−500」、エポキシ当量500、臭素含有量21質量%)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(大日本インキ化学工業(株)製「N−690」、エポキシ当量225)を用いた。
硬化剤(アミン類)として、ジシアンジアミド(Dicy)、メタフェニレンジアミン(MPDA)を用いた。
硬化促進剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成工業(株)製「2E4MZ」)を用いた。
溶剤として、メチルエチルケトン(MEK)とジメチルホルムアミド(DMF)を1:1(質量比)で混合したものを用いた。
そして、上記のエポキシ樹脂、硬化剤(アミン類)、硬化促進剤を配合し、さらに、これらのものと溶媒との質量比が6:4となるように溶媒を配合し、これをミキサーで均一に混合することによって、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物を調製した。なお、各成分の配合量は表1に示す。
<プリプレグ>
基材2として、ガラスクロス(日東紡績(株)製「2116タイプクロス」)を用いた。
実施例1〜3においては、上記のようにして得られたフェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を含浸ワニスとして用い、まず室温下でこの含浸ワニスを基材2に含浸させた。次にこれを非接触タイプの加熱ユニットで約130〜170℃に加熱して含浸ワニス中の溶媒を乾燥除去することによって、図2(b)に示すような樹脂含浸基材3を形成した。その後、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を塗布ワニスとして用い、ダイコーターでこの塗布ワニスを上記の樹脂含浸基材3の両面に室温下で塗布した。そしてこれを非接触タイプの加熱ユニットで約130〜170℃に加熱して塗布ワニス中の溶媒を乾燥除去することによって、図2(c)に示すようなプリプレグ6を製造した。
一方、比較例1においては、上記のようにして得られたフェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を含浸ワニス及び塗布ワニスとして用いるようにした以外は、実施例1〜3と同様にしてプリプレグ6を製造した。
また、比較例2においては、上記のようにして得られたアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を含浸ワニス及び塗布ワニスとして用いるようにした以外は、実施例1〜3と同様にしてプリプレグ6を製造した。
<評価項目1:内層ピール強度>
内層用基板13として、厚み0.2mmの内層コア両面板(ベタ銅:松下電工(株)製「CR1766」:銅箔の厚み35μm)を用いた。まず内層用基板13の両面の銅箔9を内層処理(黒化処理)した。次に図4(a)に示すようにこの内層用基板13の両面に上記のようにして得られたプリプレグ6を1枚ずつ重ねると共に、この積層体14の両面に銅箔9を重ね、これを170℃、2.94MPaで90分間加熱加圧して積層成形することによって、図4(b)に示すような多層積層板15を製造した。
そして、このようにして得られた多層積層板15について、黒化処理された内層回路12とプリプレグ6との密着強度(内層ピール強度)をJIS C 6481に基づいて測定した。測定結果を表1に示す。
<評価項目2:耐CAF性>
まず図3(a)に示すようにプリプレグ6を4枚重ねると共に、このプリプレグ6の積層体8の両面に銅箔9を重ね、これを170℃、3.0MPaで60分間加熱加圧して積層成形することによって、金属箔張積層板10を製造した。その後、図3(b)に示すように、公知の方法で金属箔張積層板10に穴あけ及び銅めっきを行うことによりスルーホール11を形成し、さらに、サブトラクティブ法を行うことにより金属箔張積層板10の両面の銅箔9をパターンニングして回路12を形成して、プリント配線板を製造した。なお、実際に形成したスルーホール11の個数は300個、スルーホール11間の距離は0.4mm、スルーホール11の径は0.25mmである。
そして、温度120℃、湿度85%の雰囲気下において、上記のようにして得られたプリント配線板に100Vの電圧を印加し、印加開始から抵抗値が10(Ω)以下になるまでの時間を測定することによって、耐CAF性を評価した。
Figure 2005101362
表1にみられるように、実施例1〜3の多層配線板7はスルーホール11間の耐CAF性が良好であり、かつ、内層ピール強度も良好であることが確認される。
これに対して、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物1を含浸ワニス及び塗布ワニスとして用いた比較例1の多層配線板7は、耐CAF性は良好であるものの、従来の多層配線板7と同様に内層ピール強度が不十分であることが確認される。また、アミン硬化系エポキシ樹脂組成物4を含浸ワニス及び塗布ワニスとして用いた比較例2のものは、内層ピール強度は良好であるものの、スルーホール11間の耐CAF性が不良であることが確認される。比較例2においては、吸水率の大きいアミン硬化系エポキシ樹脂組成物4によって基材2が覆われているため、基材2と樹脂との界面に水分が浸入して、スルーホール11の銅めっきから発生する銅イオンが基材2に沿って成長し、マイグレーションが起こったものと考えられる。
本発明に係る多層配線板用プリプレグの製造工程の一例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 本発明に係る多層配線板用プリプレグの製造工程の他例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。 本発明に係る多層配線板の製造工程の一例を示すものであり、(a)及び(b)は断面図である。 本発明に係る多層配線板の製造工程の他例を示すものであり、(a)〜(c)は断面図である。
符号の説明
1 フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物
2 基材
3 樹脂含浸基材
4 アミン硬化系エポキシ樹脂組成物
5 アミン硬化系エポキシ樹脂組成物からなる層
6 プリプレグ
7 多層配線板

Claims (5)

  1. フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物が基材に含浸されて形成される樹脂含浸基材の片面又は両面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物からなる層が形成されて成ることを特徴とする多層配線板用プリプレグ。
  2. アミン硬化系エポキシ樹脂組成物が、ジシアンジアミド硬化系エポキシ樹脂組成物であることを特徴とする請求項1に記載の多層配線板用プリプレグ。
  3. フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物が、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂を用いて調製されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層配線板用プリプレグ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の多層配線板用プリプレグを製造する方法であって、フェノール硬化系エポキシ樹脂組成物を基材に含浸させて加熱することによって樹脂含浸基材を形成し、次にこの樹脂含浸基材の片面又は両面にアミン硬化系エポキシ樹脂組成物を塗布して加熱することによってアミン硬化系エポキシ樹脂組成物からなる層を形成することを特徴とする多層配線板用プリプレグの製造方法。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載の多層配線板用プリプレグを積層成形して成ることを特徴とする多層配線板。
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