JP2005097720A - 優れた曲げ疲労強度とピッチング疲労寿命とを有するギア部品及びシャフト部品を従来の合金鋼から製造する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来鋼を使用して、優れた曲げ疲労強度と優れたピッチング疲労寿命の両方を有し、一層大きいトルクレベルと速度に耐えることができるギア部品及び/又はシャフト部品を製造する方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも浸炭工程と後続の浸炭窒化工程とを含む改良された浸炭窒化処理によって、従来鋼を使用したギア部品及び/又はシャフト部品を処理する工程と、その後、ハードショットピーニング処理によって前記ギア部品及び/又はシャフト部品を処理する工程とを含むことを特徴とする。ギア部品及び/又はシャフト部品の表面硬化を行うための従来のアルミニウムキルド合金鋼は、炭素0.10〜0.30重量%と、ケイ素0.15〜0.35重量%と、クロム0.8〜1.5重量%と、マンガン0.6〜1.5重量%と、アルミニウム0.017〜0.040重量%と、残部の鉄及び不純物とからなり、真空脱気法及び同様の方法によって製造される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、従来の合金鋼を用いて、優れた曲げ疲労強度と優れたピッチング疲労寿命とを有するギア部品及びシャフト部品を製造する方法に関する。
負荷容量を増大させるために、多くの設計において、ギアトレイン・トランスミッションの部品のための浸炭(carburizing)、焼入れ及び焼戻し(以下、単に「浸炭(carburized)」という)が、何年にも渡って採用されてきた。しかし、浸炭(carburizing)により製造された負荷容量は、粒界酸化、偏析した炭化物、ベイナイト及び類似の異常等のようなミクロ構造の異常及び/又はサブミクロ構造の異常によって限界がある。部品を幾何学的に変更することなく、ある限界を越えて、そのようなトランスミッションの負荷容量を増大させることは可能でなかった。
トランスミッションのそのような幾何学的変更は、重量の増大、燃料消費量の増大、開発費の増大、開発時間の増大、及び製造コストの増大等の重大な不都合を伴なう。
トランスミッション部品の幾何学的変更は、上述のように重量が増大する結果となり、エンジンに一層多くの負荷を強いる。エンジンの負荷が一層大きくなれば、排出量は一層大きくなる。一層大きい排出量の問題に取り組むためには、エンジンの設計は、関連する変更を受けて、そのような排出量を減少させる必要があり、これを行うことによって、設計コスト及び製造コストが更に増大する。
現行のトランスミッションの空間的制約によって、そのような幾何学的設計の変更はしばしば、収容するのが非常に困難となる。
他の幾つかの表面処理関連技術は、徐々に発展して来て、近年において、既に使用されているトランスミッションの一層大きいトルク伝達能力を得るために、表面及び内部の耐久性及び信頼性を高めるべく使用されている。
利用し得るそれら技術の幾つかは、残留圧縮応力を利用している。しかし、そのような技術では特殊鋼及び/又は複雑な熱処理プロセスが使用され、製造コストが一層高くなるので、それら技術では用途が制限されている。更に、それら技術によって、曲げ疲労強度及びピッチング疲労寿命を同時に改善することは不可能である。
特許文献:
(1)米国特許第6,447,619号明細書は、アルミニウム0.3〜3.0重量%とバナジウム0.2〜2.0重量%とを含有する特殊鋼を使用している。その開示内容は、ピッチング寿命の増大を主張しているが、部品のギア及び/又はシャフトにとって極めて重要である曲げ疲労強度について検討していない。更に、加工に使用される特殊鋼は、製造コストを増大させる特殊鋼の製造プロセスを必要とする。
(2)米国特許第5,595,613号明細書は、クロム1.5〜5.0重量%を含有する特殊鋼のみを用いて、優れた耐ピッチング性及び耐磨耗性を生じさせることを主張している。その処理は、曲げ疲労強度について検討していない。更に、加工に使用される特殊鋼は、製造コストを増大させる特殊鋼の製造プロセスを必要とする。
(3)米国特許第5,019,182号明細書は、焼戻し処理について検討していない熱処理方法を主張している。焼入れ後に焼戻し処理が行われない場合、焼入れ応力によって、寸法不安定性及び亀裂感受性が生じる恐れがある。更に、その主張において、曲げ疲労強度は検討されていない。
現行の従来技術を鑑みるに、一層安価であると言われており、広く使用されており、しかもギア部品及び/又はシャフト部品のために利用し得る鋼である「従来の合金鋼」が使用されているギア部品及び/又はシャフト部品に、優れた曲げ疲労強度と優れたピッチング疲労寿命の両方を与えるべきであるという要求が長い間存在している。上記のいずれの明細書の開示内容も、優れた曲げ疲労強度と優れたピッチング疲労寿命の両方を同時に生じさせるための完全な解決方法を与えていない。
米国特許第6447619号明細書 米国特許第5595613号明細書 米国特許第5019182号明細書
本発明の目的の一つは、ギア部品及び/又はシャフト部品において、優れたピッチング疲労強度と優れた曲げ疲労強度の両方を達成することである。改良された浸炭窒化処理とハードショットピーニング処理とを順次行う工程を備えた方法によって、より安価であり、広く使用されており、さらにギア部品及び/又はシャフト部品に用いられている「従来の合金鋼」(以下、単に「従来鋼」という)を使用する。
本発明の第2の面は、幾何学的変更を行うことなくトランスミッションの負荷容量を高めるための前記方法であって、結果として、一層大きい負荷容量のための重量の低減、燃料消費量の低減、開発コストの低減、開発時間の低減、及び製造コストの低減が得られ、それによって、消費者に一層高い満足度を与える方法を提供することである。
本発明のもう1つの面は、トランスミッション部品の幾何学的変更を回避することであり、結果として同一重量が維持され、それ故、排出レベルが低下し、負荷容量が高められる。
本発明のもう1つの面は、幾何学的設計の変更を取り入れることが必要である場合、トランスミッション内に追加的な空間を与えるという問題を解決することである。本発明はまた、空間的制限によって、如何なる幾何学的変更をも許されない場合にも有益である。
本発明の特徴は、改良された浸炭窒化処理とハードショットピーニング処理とを順次行う工程を備えた方法によって、「従来鋼」を使用するギア部品及び/又はシャフト部品において、優れた曲げ疲労強度と優れたピッチング疲労寿命の両方を達成する点にある。本発明で使用する「従来鋼」は、次のタイプのいずれか一方である。
「従来鋼」タイプ1:
炭素0.10〜0.30重量%と、ケイ素0.15〜0.35重量%と、クロム0.8〜1.5重量%と、マンガン0.6〜1.5重量%と、アルミニウム0.017〜0.040重量%と、残部の鉄及び不可避的不純物とを含有する鋼材であって、真空脱気法及び同様の方法で製造されたもの。
「従来鋼」タイプ2:
炭素0.10〜0.30重量%と、ケイ素0.15〜0.35重量%と、クロム0.3〜1.5重量%と、ニッケル0.30〜2.0重量%と、モリブデン0.08〜0.50重量%と、マンガン0.6〜1.5重量%と、アルミニウム0.017〜0.040重量%と、残部の鉄及び不可避的不純物とを含有する鋼材であって、真空脱気法及び同様の方法で製造されたもの。
前記成分を含有する「従来鋼」を選ぶための論理的根拠は次の通りである。
「従来鋼」タイプ1:
いずれの鋼にも本来的に存在する炭素は、0.10〜0.30重量%の範囲に制限されている。0.10重量%未満である場合、本加工処理の後、十分なコア強度が得られない。0.3重量%を超えると、コアの脆弱化及び靭性の低下が生じる。また、炭素含有量が一層高くなれば、熱処理加工に対する反応は乏しくなる。
ケイ素は、溶融鋼を脱酸するのに極めて重要な元素である。従って、溶融鋼の脱酸を確実に効果的に行うためには、0.15重量%の最小値が特定される。0.35重量%を超えると、可鍛性、機械加工性、及び使用時の信頼性に悪影響を与えるケイ酸塩介在物が一層多く生じる。
クロムは、焼入れ性を増大させるための入手し易い元素である。クロムは、マンガンと組み合わさって、ギア部品及び/又はシャフト部品のための鋼の焼入れ性を十分確保するために、0.8〜1.5重量%の間に制限される。これら限界値の外では、浸炭(carburizing)の間、熱処理された層の中に粒界酸化が生じる。
マンガンは、溶融の間の脱酸に有効であり且つ焼入れ性を与えるのに有効である、もう1つの極めて重要な元素である。少なくとも0.6重量%であれば、脱酸が確実となるとともに、硫黄と結合する。1.5重量%を超えると、可鍛性及び機械加工性の問題を引き起こす。マンガンは、該材料の焼入れ性を増大させて、十分なコア強度と適度な靭性とを得るための、入手し易く且つ一層安価な元素である。
0.017〜0.040重量%の範囲のアルミニウム含有量は、十分なキルド鋼を与えるとともに、本目的のために改良された浸炭窒化処理を必要とする残留オーステナイトの安定化と窒化物の形成にほとんど寄与しない。
Nb、Ti、Zr、Cu及びBのような微量元素は、含有量の合計が0.60重量%未満となるような方法で調整する。窒素含有量は、55〜90ppmに保持し、水素は2.5ppm以下に保持する。カルシウム及び硫黄は通常、介在物の形態を改善して機械加工性を助長するのに適した量で添加する。
溶融中の鋼は、標準的な真空脱気サイクルで処理して、一層低い酸素含有量(生成物中の酸素含有量は20ppm以下)を維持する。従って、介在物の粒度及び分布は、本部品が既に記載された用途に適合する程度に制限される。
「従来鋼」タイプ2:
いずれの鋼にも本来的に存在する炭素は、0.1〜0.3重量%の範囲に制限されている。0.10重量%未満である場合、本加工処理の後、十分なコア強度が得られない。0.3重量%を超えると、コアの脆弱化及び靭性の低下が生じる。また、炭素含有量が一層高くなれば、熱処理加工に対する反応は乏しくなる。
ケイ素は、溶融鋼を脱酸するのに極めて重要な元素である。従って、脱酸を確実に効果的に行うためには、0.15重量%なる最小値が特定される。0.35重量%を超えると、可鍛性、機械加工性、及び使用時の信頼性に悪影響を与えるケイ酸塩介在物が一層多く生じる。
クロムは、焼入れ性を増大させるための入手し易い元素である。クロムは、上述の適切な量のマンガン、ニッケル及びモリブデンと組み合わさって、ギア部品及び/又はシャフト部品のための鋼の焼入れ性を十分確保するために、0.3〜1.5重量%の間に制限される。これら限界値の外では、浸炭(carburizing)の間、熱処理された層の中に粒界酸化が生じる。
ニッケルは、焼入れ性を確保し、靭性を改善するのに有効な、もう1つの極めて重要な元素である。靭性及び焼入れ性を確保するのに必要なニッケルの量は、0.3重量%以上である。上限は、上述の他の元素と組み合わさった効果に基づいて、2重量%に設定される。モリブデンは、表面及びコアの焼入れ性を助長するのに非常に有効な、更にもう1つの元素である。焼入れ性を助長するのに有効なモリブデンの下限は、0.08重量%に設定される。モリブデンの上限は、上述の他の元素と組み合わせから、0.5重量%に設定される。
マンガンは、溶融の間の脱酸に有効であり且つ焼入れ性を与えるのに有効である、もう1つの極めて重要な元素である。少なくとも0.6重量%であれば、脱酸が確実となるとともに、硫黄と結合する。1.5重量%を超えると、可鍛性及び機械加工性の問題を引き起こす。マンガンは、材料の焼入れ性を増大させて、十分なコア強度と適度な靭性とを得るための入手し易く且つ一層安価な元素である。
0.017〜0.040重量%の範囲のアルミニウム含有量は、十分なキルド鋼を与えるとともに、本目的のために改良された浸炭窒化処理を必要とする残留オーステナイトの安定化と窒化物の形成にほとんど寄与しない。
Nb、Ti、Zr、Cu及びBのような微量元素は、含有量の合計が0.60重量%未満となるような方法で調整する。窒素含有量は、55〜90ppmに保持し、水素は2.5ppm以下に保持する。カルシウム及び硫黄は通常、介在物の形態を改善して機械加工性を助長するのに適した量で添加する。
溶融中の鋼は、標準的な真空脱気サイクルで処理して、一層低い酸素含有量(生成物中の酸素含有量は20ppm以下)を維持する。従って、介在物の粒度及び分布は、本部品が既に記載された用途に適合する程度に制限される。
改良された浸炭窒化
ギア部品及び/又はシャフト部品は、ハイウェイ車輌トランスミッション、オフハイウェイ車輌トランスミッション、及び類似の工業用トランスミッションのための従来の機械加工操作に従って製造する。前記の部品は機械加工の後、標準的な密閉された焼入れ炉の中に装填する。この焼入れ炉には、カーボンポテンシャル、温度及び時間を自動計測しフィードバックする機構に必要な設備や、アンモニア導入用の設備が適当な場所に設置されている。上記の必要な能力を有する標準的な密閉された焼入れ炉以外の炉もまた、本発明の対象に含まれる。
加熱処理サイクルにおける第1の工程は、浸炭(carburizing)である(図1を参照)。浸炭(carburizing)は、キャリヤガスと濃縮ガスとを使用しながら、等しいブースト及び拡散時期でそれぞれ1.0と0.8のカーボンポテンシャル(Cp)で、915℃で行われる。濃縮ガスは液化石油ガス(LPG)でよい。炭素の拡散が一層顕著となる900℃以上、好ましくは900〜1050℃の温度は、本発明に含まれる。有効硬化層深さは、0.3〜1.7mmの範囲である(切断硬度は513Hv)。有効硬化層深さが0.3mm未満であると、十分な耐ピッチング性が得られず、また、1.7mmを超えると、本発明の範囲に含まれる用途の疲労特性に悪影響を与える。
浸炭(carburizing)サイクルの終りに、前記部品を炉内部で850℃に冷却し、アンモニアを全炉ガス混合物の15%(残部の%がキャリヤガス)となるように導入する。このサイクルは、少なくとも30分間行う。また、840℃以上かつ870℃以下の温度は、0.3mmの深さまで顕著な窒素拡散を助長するための本発明の一部として含まれる。同様に、全炉ガス混合物の15%以上かつ20%以下のアンモニアは、窒素を吸収する元素及び窒素の拡散を助長する元素が十分な量で存在していない「従来鋼」のために含まれる。
鋼部品の歪みを最小限に抑えるために、本発明では、120〜150℃の適切な媒体中での焼入れを行う。部品の臨界に応じて、50℃以上の焼入れ用媒体の温度が本発明の対象に含まれる。
180℃の焼戻し温度は、上述の通り、焼入れ後に生成される残留オーステナイトを減少させることなく、焼入れ応力を軽減する目的から選定される。焼入れ応力を軽減するための160℃以上の焼戻し温度が、焼入れ応力を軽減するために含まれる。
硬度は、浸炭窒化処理後、表面から0.05〜0.35mmの深さで、740Hv以上に保持される。ピッチングを引き起こす応力(「ヘルツ」応力と呼ばれている)は、上述の用途では、本明細書で述べた深さの範囲において最大となる。その硬度は、ハードショットピーニングの間、更に増大し、そして既に含まれる用途のピッチング破損に対する十分な安全性を与える。
表面下における最大残留圧縮応力の要因の一つである曲げ疲労強度もまた、ハードショットピーニングによって増大する。
ハードショットピーニング
ギア部品及び/又はシャフト部品をハードショットピーニングにより更に処理することによって、曲げ疲労強度が30%以上増大し、同時に、ピッチング疲労寿命が3倍以上増大するという利点が得られる。これらの結果は、寿命時間を求めるための苛酷で厳しい促進トランスミッション耐久性試験において、95℃以下の油温で従来のモノグレードGL−4ギアオイルを用いて行った従来の「浸炭(carburizing)」部品と比較して確認された。GL−4又は性能の一層高い部類のマルチグレードオイルによる同様の結果は、本発明に含まれる。
曲げ疲労強度の結果が改善されていることは、「従来鋼」を使用する「ハードショットピーニングを伴なう改良された浸炭窒化」法及び従来の「浸炭(carburizing)」法による実際の部品の150μmの深さまで、非破壊リガク(Rigaku)X線回折処理を使用して残留応力を測定することによって更に確認される。最大残留圧縮応力は1500MPaであり、曲げ疲労強度に相当する。
30〜80%の強度改善は、本発明に含まれる。
部品表面の粗さ及び仕上げは、組み合わされる部品と係合している間の潤滑条件に影響を与える。ギアは、対象となる表面品質規準内にある必要があり、そのパラメータは、以下に制限される。
0.5〜0.8mmの範囲のショット寸法。
610〜800Hvのショット硬度。
60〜150m/秒のショット速度。
200〜500%の部分的カバレージ。
0.6〜0.9mmのアルメンA(almen A)高さ。
改良された浸炭窒化を行い、次いで、ハードショットピーニングを行う熱処理サイクルを示す。

Claims (5)

  1. 鋼材で造られ、且つ、優れた曲げ疲労強度と優れたピッチング疲労の両方を有するギア部品及び/又はシャフト部品を製造する方法であって、
    少なくとも浸炭工程と後続の浸炭窒化工程とを含む改良された浸炭窒化処理によって前記ギア部品及び/又はシャフト部品を処理する工程と、
    その後、ハードショットピーニング処理によって前記ギア部品及び/又はシャフト部品を処理する工程と
    を含む方法。
  2. 前記鋼材が、炭素0.10〜0.30重量%と、ケイ素0.15〜0.35重量%と、クロム0.8〜1.5重量%と、マンガン0.6〜1.5重量%と、アルミニウム0.017〜0.040重量%と、残部の鉄及び不純物とを含有する鋼材であって、真空脱気法及び同様の方法で製造されたものである請求項1に記載の方法。
  3. 前記鋼材が、炭素0.10〜0.30重量%と、ケイ素0.15〜0.35重量%と、クロム0.3〜1.5重量%と、ニッケル0.30〜2.0重量%と、モリブデン0.08〜0.50重量%と、マンガン0.6〜1.5重量%と、アルミニウム0.017〜0.040重量%と、残部の鉄及び不純物とを含有する鋼材であって、真空脱気法及び同様の方法で製造されたものである請求項1に記載の方法。
  4. 前記改良された浸炭窒化処理が、
    900〜1050℃で浸炭する工程と、
    840〜870℃に冷却して、アンモニア15〜20%で浸炭窒化する工程と、
    120〜150℃の媒体の中で焼入れする工程と、
    160〜180℃で焼戻しする工程と
    を順に含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記ハードショットピーニング処理が、
    0.5〜0.8mmの範囲のショット寸法と、
    610〜800Hvのショット硬度と、
    60〜150m/秒のショット速度と、
    200〜500%の部分的カバレージと、
    0.6〜0.9mmのアルメンA高さ
    の処理条件を有する請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
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