JP2005097196A - N型カルシウムチャンネル阻害剤 - Google Patents

N型カルシウムチャンネル阻害剤 Download PDF

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稔 西崎
Hiroshi Egashira
啓 江頭
Toru Kanbe
透 神戸
Hideyuki Takimizu
英行 瀧水
Yoko Ito
陽子 伊藤
Sui Sasamura
祟 笹村
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Abstract

【課題】
N型カルシウムチャンネル阻害作用を有する化合物を提供すること。
【解決手段】
一般式(I)で示される化合物またはその塩、およびそのプロドラッグを含有してなるN型カルシウムチャンネル阻害剤(式中の記号は明細書中に記載の通り)。
【化1】
Figure 2005097196

一般式(I)で示される化合物は、N型カルシウムチャンネル阻害作用を有するので、N型カルシウムチャンネルが関与する疾患、例えば脳梗塞、一過性脳虚血発作、心臓手術後の脳脊髄障害、脊髄血管障害、ストレス性高血圧、神経症、てんかん、喘息、頻尿、眼疾患等の予防および/または治療剤として有用である。また、一般式(I)で示される本発明化合物は痛み(例えば、急性痛、慢性痛、術後痛、癌性疼痛、神経痛、感染性疼痛等)の予防および/または治療剤としても有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明はN型カルシウムチャンネル阻害剤に関する。
カルシウムイオンは細胞内情報伝達物質の一つとして知られており、細胞内でのカルシウムイオン濃度の変化が引き金となって、様々な生理機能が発現することが示唆されている。細胞内カルシウムイオン濃度が上昇する要因として、細胞外からのカルシウムイオンの流入が挙げられる。その流入の入り口の一つに相当するのが電位依存性カルシウムチャンネルである。電位依存性カルシウムチャンネルは、細胞膜電位の脱分極により開き、電気化学的勾配に従って細胞外のカルシウムイオンを選択的に流入させる。電位依存性カルシウムチャンネルは、現在、N型、L型、P/Q型、R型、およびT型に分類されている。L型およびT型カルシウムチャンネルは多種多様の組織に存在しているが、L型は特に平滑筋および心筋細胞に多く存在することが知られている。一方、N型、P/Q型およびR型カルシウムチャンネルは主として、神経系に存在しており、種々の神経伝達物質の放出に関与している。この神経伝達物質は通常、神経終末のシナプス小胞に貯蔵されているが、情報伝達により神経の活動電位がシナプス前線維を伝導し神経終末に達すると、電位依存性カルシウムチャンネルが活性化され、神経終末にカルシウムイオンが流入する。これにより、シナプス小胞がシナプス前膜に融合し、神経伝達物質が放出される。放出された神経伝達物質はシナプス後膜の受容体に作用し、シナプス伝達に関与する。以上のことから、N型カルシウムチャンネル阻害剤は神経伝達物質の大量放出によって引き起こされる種々の疾患に有用であるため、例えば、脳梗塞(J. Cereb. Blood Flow Metab., 17, 421-429, 1997)、一過性脳虚血発作、心臓手術後の脳脊髄障害、脊髄血管障害、ストレス性高血圧(Science, 239, 57-61, 1988)、神経症、てんかん、喘息(Neuroscience, 34, 1, 243-250, 1990)、頻尿(Jpn. J. Pharmacol., 71, 161-166, 1996)、眼疾患(緑内障、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、網膜血管閉塞症等)等の予防および/または治療、または痛みの予防および/または治療剤(例えば、急性痛、慢性痛、術後痛、癌性疼痛、神経痛、感染性疼痛等の痛み)(Pain, 60, 83-90, 1995)としても有用であると考えられる。
N型カルシウムチャンネル阻害剤としては、イモ貝の毒から単離されたω−コノトキシンGVIA、ω−コノトキシンMVIIAが知られている。
しかし、これらのω−コノトキシン類はペプチド化合物であるため、例えば、生体内への移行性等といった、種々の問題点が予想される。このため、これらの阻害剤を非ペプチド化、言い換えれば低分子化することが望まれている。
また、非特許文献1にはコレステロール生合成阻害剤として知られている式(A)
Figure 2005097196
で示される化合物(トリパラノール)が、シグマ1受容体に対して高親和性を有することが記載されている。
ブリティッシュ ジャーナル オブ ファーマコロジー(British Journal of Pharmacology)、(英国)、1997年、121巻、p.1−6
低分子化合物でのN型カルシウムチャンネル阻害剤の開発が切望されている。
前記課題に鑑み、本発明者らは鋭意検討を行った結果、一般式(I)で示される化合物が目的を達成することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は
(1)一般式(I)
Figure 2005097196
(式中、環Aは置換基を有していてもよい環状基を表わし、Wは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、または−NR−基を表わし、Rは水素原子、または置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、Xは主鎖の原子数1ないし10のスペーサーを表わすか、Xで示されるスペーサーの原子1つは環Aの置換基と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよく、Vは結合手、または主鎖の原子数1ないし3のスペーサーを表わし、Qは水素原子、または保護基を有していてもよい水酸基、保護基を有していてもよいメルカプト基、または保護基を有していてもよいアミノ基を表わし、Rは−OR基、−SR基、または−NR基を表わし、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい環状基を表わすか、またはRとRは隣接する窒素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよく、Rは水素原子、または−Y−Z基を表わし、Rは水素原子、または−Y−Z基を表わし、YおよびYはそれぞれ独立して、結合手、または主鎖の原子数1ないし10のスペーサーを表わし、ZおよびZはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状基を表わす。ただし、RおよびRは同時に水素原子ではない。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグを含有してなるカルシウムチャンネル阻害剤、
(2)カルシウムチャンネルがN型である前項(1)記載の剤、
(3)N型カルシウムチャンネル介在性疾患の予防および/または治療剤である前項(2)記載の剤、
(4)痛みの予防および/または治療剤である前項(2)記載の剤、
(5)痛みが急性痛、慢性痛、術後痛、癌性疼痛、神経痛、または感染性疼痛である前項(4)記載の剤、
(6)環Aが置換基を有していてもよい単環式炭素環である前項(2)記載の剤、
(7)単環式炭素環がベンゼン環である前項(6)記載の剤、
(8)一般式(IA)
Figure 2005097196
(式中、Qは保護基を有していてもよい水酸基を表わし、環Aは置換基を有していてもよい単環式炭素環を表わし、その他の記号は請求項1記載と同じ意味を表わす。)で示される前項(2)記載の剤、
(9)さらにオピオイド受容体作動薬、および非ステロイド系抗炎症薬から選ばれる1種または2種以上とを組み合わせてなる前項(2)記載の剤、
(10)前項(1)記載の化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物におけるカルシウムチャンネル介在性疾患の予防および/または治療方法、
(11)カルシウムチャンネル介在性疾患の予防および/または治療剤を製造するための前項(1)記載の化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの使用、および
(12)一般式(I)
Figure 2005097196
(式中、環Aは置換基を有していてもよい環状基を表わし、Wは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、または−NR−基を表わし、Rは水素原子、または置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、Xは主鎖の原子数1ないし10のスペーサーを表わすか、Xで示されるスペーサーの原子1つは環Aの置換基と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよく、Vは結合手、または主鎖の原子数1ないし3のスペーサーを表わし、Qは水素原子、または保護基を有していてもよい水酸基、保護基を有していてもよいメルカプト基、または保護基を有していてもよいアミノ基を表わし、Rは−OR基、−SR基、または−NR基を表わし、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい環状基を表わすか、またはRとRは隣接する窒素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよく、Rは水素原子、または−Y−Z基を表わし、Rは水素原子、または−Y−Z基を表わし、YおよびYはそれぞれ独立して、結合手、または主鎖の原子数1ないし10のスペーサーを表わし、ZおよびZはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状基を表わす。ただし、RおよびRは同時に水素原子ではなく、および2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノールではない。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグに関する。
環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」における環状基としては、例えば炭素環および複素環等が挙げられる。
該炭素環としては、例えばC3−15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環、およびその一部または全部が飽和されている炭素環、スピロ結合した二環式炭素環、および架橋した二環式炭素環等が挙げられる。該C3−15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環、その一部または全部が飽和されている炭素環としては、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリドデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン、ペンタレン、パーヒドロペンタレン、アズレン、パーヒドロアズレン、インデン、パーヒドロインデン、インダン、ナフタレン、ジヒドロナフタレン、テトラヒドロナフタレン、パーヒドロナフタレン、ヘプタレン、パーヒドロヘプタレン、ビフェニレン、as−インダセン、s−インダセン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン環等が挙げられる。該スピロ結合した二環式炭素環、および架橋した二環式炭素環としては、例えばスピロ[4.4]ノナン、スピロ[4.5]デカン、スピロ[5.5]ウンデカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタン、ビシクロ[3.1.1]ヘプタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン、アダマンタン、ノルアダマンタン環等が挙げられる。
該複素環としては、例えば酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環、およびスピロ結合した二環式複素環、および架橋した二環式複素環等が挙げられる。該酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環、およびスピロ結合した二環式複素環、および架橋した二環式複素環としては、例えばピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チオピラン、チエピン、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、インドリジン、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、イソベンゾチオフェン、ジチアナフタレン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノリジン、プリン、フタラジン、プテリジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、ピロロピリジン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、チエノ[3,2−c]ピリジン、ベンゾイミダゾール、クロメン、ベンゾオキセピン、ベンゾオキサゼピン、ベンゾオキサジアゼピン、ベンゾチエピン、ベンゾチアゼピン、ベンゾチアジアゼピン、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾフラザン、ベンゾチアジアゾール、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、アクリジン、フェナジン、ジベンゾフラン、キサンテン、ジベンゾチオフェン、フェノチアジン、フェノキサジン、フェノキサチイン、チアンスレン、フェナントリジン、フェナントロリン、ペリミジン、ピリドナフチリジン、ピラゾロイソキノリン、ピラゾロナフチリジン、ピリミドインドール、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、オキシラン、オキセタン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロオキセピン、テトラヒドロオキセピン、パーヒドロオキセピン、チイラン、チエタン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチエピン、テトラヒドロチエピン、パーヒドロチエピン、ジヒドロオキサゾール、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、ジヒドロチアゾール、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、ジヒドロイソチアゾール、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、ジヒドロオキサジン、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、ジヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサゼピン、パーヒドロオキサゼピン、ジヒドロオキサジアゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、ジヒドロチアジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、ジヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアゼピン、パーヒドロチアゼピン、ジヒドロチアジアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、オキサチアン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロベンゾフラン、パーヒドロベンゾフラン、ジヒドロイソベンゾフラン、パーヒドロイソベンゾフラン、ジヒドロベンゾチオフェン、パーヒドロベンゾチオフェン、ジヒドロイソベンゾチオフェン、パーヒドロイソベンゾチオフェン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、オクタヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、オクタヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、テトラヒドロピロロピリジン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ベンゾオキサチアン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ[3,2−c]ピリジン、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、ベンゾジオキセパン、ジヒドロベンゾオキサゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、パーヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、テトラヒドロアクリジン、パーヒドロアクリジン、ジヒドロジベンゾフラン、ジヒドロジベンゾチオフェン、テトラヒドロジベンゾフラン、テトラヒドロジベンゾチオフェン、パーヒドロジベンゾフラン、パーヒドロジベンゾチオフェン、テトラピリドナフチリジン、テトラヒドロ−β−カルボリン、ジヒドロアゼピノインドール、ヘキサヒドロアゼピノインドール、テトラヒドロピラゾロイソキノリン、テトラヒドロピラゾロナフチリジン、ジヒドロアゼピノインダゾール、ヘキサヒドロアゼピノインダゾール、ジヒドロピラゾロピリドアゼピン、ヘキサヒドロピラゾロピリドアゼピン、テトラヒドロピリミドインドール、ジヒドロチアジノインドール、テトラヒドロチアジノインドール、ジヒドロオキサジノインドール、テトラヒドロオキサジノインドール、2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン、ジオキソラン、ジオキサン、ジチオラン、ジチアン、ジオキサインダン、ベンゾジオキサン、クロマン、ベンゾジチオラン、ベンゾジチアン、アザスピロ[4.4]ノナン、オキサザスピロ[4.4]ノナン、オキサアザスピロ[2.5]オクタン、ジオキサスピロ[4.4]ノナン、アザスピロ[4.5]デカン、チアスピロ[4.5]デカン、ジチアスピロ[4.5]デカン、ジオキサスピロ[4.5]デカン、オキサザスピロ[4.5]デカン、アザスピロ[5.5]ウンデカン、オキサスピロ[5.5]ウンデカン、ジオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン、1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、オキサビシクロ[3.2.1]オクタン、アザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン環等が挙げられる。
本明細書中、環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」における置換基としては、例えば(1)置換基を有していてもよいアルキル基、(2)置換基を有していてもよいアルケニル基、(3)置換基を有していてもよいアルキニル基、(4)置換基を有していてもよい炭素環基、(5)置換基を有していてもよい複素環基、(6)保護基を有していてもよい水酸基、(7)保護基を有していてもよいメルカプト基、(8)保護基を有していてもよいアミノ基、(9)置換基を有していてもよいカルバモイル基、(10)置換基を有していてもよいスルファモイル基、(11)カルボキシル基、(12)アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等のC1−6アルコキシカルボニル基等)、(13)スルホ基(−SOH)、(14)スルフィノ基、(15)ホスホノ基、(16)ニトロ基、(17)シアノ基、(18)アミジノ基、(19)イミノ基、(20)−B(OH)基、(21)ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、(22)アルキルスルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル等のC1−6アルキルスルフィニル基等)、(23)芳香環スルフィニル基(例えば、フェニルスルフィニル等のC6−10芳香環スルフィニル基等)、(24)アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1−6アルキルスルホニル基等)、(25)芳香環スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6−10芳香環スルホニル基等)、(26)オキソ基、(27)チオキソ基、(28)(C1−6アルコキシイミノ)メチル基(例えば(メトキシイミノ)メチル基等)、(29)アシル基、(30)ホルミル基、(31)保護基を有していてもよい水酸基で置換されたアルキル基、(32)保護基を有していてもよいメルカプト基で置換されたアルキル基、(33)保護基を有していてもよいアミノ基で置換されたアルキル基、(34)(置換基を有していてもよいアルキル)オキシカルボニル基等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし5個置換していてもよい。
置換基としての「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」におけるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルキル基等が挙げられる。ここでアルキル基の置換基としては、例えば水酸基、メルカプト基、アミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等)、N−芳香環アミノ基(例えばN−フェニルアミノ基等)、N−芳香環−N−アルキルアミノ基(例えばN−フェニル−N−メチルアミノ基、N−フェニル−N−エチルアミノ基、N−フェニル−N−プロピルアミノ基、N−フェニル−N−ブチルアミノ基、N−フェニル−N−ペンチルアミノ基、N−フェニル−N−ヘキシルアミノ基等)、アシルアミノ基、N−アシル−N−アルキルアミノ基、C1−6アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ヘキシルオキシ等)、C3−7シクロアルキル−C1−6アルコキシ基(例えばシクロヘキシルメチルオキシ基、シクロペンチルエチルオキシ基等)、C3−7シクロアルキルオキシ基(例えばシクロヘキシルオキシ基等)、C7−15アラルキルオキシ基(例えばベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピルオキシ、ナフチルメチルオキシ、ナフチルエチルオキシ等)、フェノキシ基、C1−6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、C1−6アルキルカルボニルオキシ基(例えばアセトキシ、エチルカルボニルオキシ等)、C1−6アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ等)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1−4アルキルスルホニル基等)、芳香環スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6−10芳香環スルホニル基等)、置換基を有していてもよいカルバモイル基(例えば無置換のカルバモイル基、N−モノ−C1−6アルキルカルバモイル(例えば、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル等)、N,N−ジC1−6アルキルカルバモイル(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル等)、ピペリジン−1−イルカルボニル基等)、アシル基、置換基を有していてもよい炭素環基、および置換基を有していてもよい複素環基等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。ここで、N−アシル−N−アルキルアミノ基におけるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルキル基等が挙げられる。また、アシルアミノ基およびN−アシル−N−アルキルアミノ基におけるアシル基は、後述する置換基としての「(29)アシル基」と同じ意味を表わす。また、置換基を有していてもよい炭素環基、および置換基を有していてもよい複素環基は、後述する「(4)置換基を有していてもよい炭素環基」、および「(5)置換基を有していてもよい複素環基」と同じ意味を表わす。
置換基としての「(2)置換基を有していてもよいアルケニル基」におけるアルケニル基としては、例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等の直鎖状または分岐鎖状のC2−6アルケニル基等が挙げられる。ここでアルケニル基の置換基は、前記置換基としての「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表わす。
置換基としての「(3)置換基を有していてもよいアルキニル基」におけるアルキニル基としては、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等の直鎖状または分岐鎖状のC2−6アルキニル基等が挙げられる。ここでアルキニル基の置換基は、前記置換基としての「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」における置換基と同じ意味を表わす。
置換基としての「(4)置換基を有していてもよい炭素環基」における炭素環基は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」中の炭素環と同じ意味を表わす。ここで炭素環基の置換基としては、例えば水酸基で置換されていてもよい直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルキル基(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等)、直鎖状または分岐鎖状のC2−6アルケニル基(例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル等)、直鎖状または分岐鎖状のC2−6アルキニル基(例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル等)、水酸基、直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブチルオキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等)、メルカプト基、直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルキルチオ基(例えば、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert−ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等)、アミノ基、モノ−またはジ−C1−6アルキルアミノ基(例えばメチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert−ブチルアミノ、ペンチルアミノ、ヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノ等)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等)、トリハロメチル基(例えばトリフルオロメチル等)、トリハロメトキシ基(例えばトリフルオロメトキシ等)、トリハロメチルチオ基(例えばトリフルオロメチルチオ等)、ジハロメチルチオ基(例えばジフルオロメチルチオ等)、シアノ基、ニトロ基、オキソ基、炭素環(前記環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」中の炭素環と同じ意味を表わす)、複素環(前記環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」中の複素環と同じ意味を表わす)等が挙げられ、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし4個置換していてもよい。
置換基としての「(5)置換基を有していてもよい複素環基」における複素環基は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」中の複素環と同じ意味を表わす。ここで、複素環基の置換基は、前記「(4)置換基を有していてもよい炭素環基」における置換基と同じ意味を表わす。
置換基としての「(6)保護基を有していてもよい水酸基」、「(7)保護基を有していてもよいメルカプト基」および「(8)保護基を有していてもよいアミノ基」における保護基としては、例えば置換基を有していてもよいアルキル基(前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルケニル基(前記「(2)置換基を有していてもよいアルケニル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルキニル基(前記「(3)置換基を有していてもよいアルキニル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい炭素環基(前記「(4)置換基を有していてもよい炭素環基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい複素環基(前記「(5)置換基を有していてもよい複素環基」と同じ意味を表わす。)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル等のC1−4アルキルスルホニル基等)、芳香環スルホニル基(例えば、フェニルスルホニル等のC6−10芳香環スルホニル基等)、アシル基(後述する「(29)アシル基」と同じ意味を表わす。)、(置換基を有していてもよいアルキル)オキシカルボニル基(後述する「(34)(置換基を有していてもよいアルキル)オキシカルボニル基」と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。
置換基としての「(9)置換基を有していてもよいカルバモイル基」としては、例えば無置換のカルバモイル基、N−モノ−C1−6アルキルカルバモイル(例えば、N−メチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−プロピルカルバモイル、N−イソプロピルカルバモイル、N−ブチルカルバモイル等)、N,N−ジC1−6アルキルカルバモイル(例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N,N−ジエチルカルバモイル、N,N−ジプロピルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル等)、ピペリジン−1−イルカルボニル基等が挙げられる。
置換基としての「(10)置換基を有していてもよいスルファモイル基」としては、例えば無置換のスルファモイル基、N−モノ−C1−6アルキルスルファモイル(例えば、N−メチルスルファモイル、N−エチルスルファモイル、N−プロピルスルファモイル、N−イソプロピルスルファモイル、N−ブチルスルファモイル等)、N,N−ジC1−6アルキルスルファモイル(例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N,N−ジエチルスルファモイル、N,N−ジプロピルスルファモイル、N,N−ジブチルスルファモイル等)等が挙げられる。
置換基としての「(29)アシル基」としては、例えば置換基を有していてもよいアルキルカルボニル基(基中、置換基を有していてもよいアルキルは前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルケニルカルボニル基(基中、置換基を有していてもよいアルケニルは前記「(2)置換基を有していてもよいアルケニル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよいアルキニルカルボニル基(基中、置換基を有していてもよいアルキニルは前記「(3)置換基を有していてもよいアルキニル基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい炭素環カルボニル基(基中、置換基を有していてもよい炭素環は前記「(4)置換基を有していてもよい炭素環基」と同じ意味を表わす。)、置換基を有していてもよい複素環カルボニル基(基中、置換基を有していてもよい複素環は前記「(5)置換基を有していてもよい複素環基」と同じ意味を表わす。)等が挙げられる。
置換基としての「(31)保護基を有していてもよい水酸基で置換されたアルキル基」における保護基を有していてもよい水酸基は、前記「(6)保護基を有していてもよい水酸基」と同じ意味を表わし、「(32)保護基を有していてもよいメルカプト基で置換されたアルキル基」における保護基を有していてもよいメルカプト基は、前記「(7)保護基を有していてもよいメルカプト基」と同じ意味を表わし、「(33)保護基を有していてもよいアミノ基で置換されたアルキル基」における保護基を有していてもよいアミノ基は、前記「(8)保護基を有していてもよいアミノ基」と同じ意味を表わす。また、「(31)保護基を有していてもよい水酸基で置換されたアルキル基」、「(32)保護基を有していてもよいメルカプト基で置換されたアルキル基」および「(33)保護基を有していてもよいアミノ基で置換されたアルキル基」におけるアルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基等の直鎖状または分岐鎖状のC1−6アルキル基等が挙げられる。
置換基としての「(34)(置換基を有していてもよいアルキル)オキシカルボニル基」における置換基を有していてもよいアルキルは、前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。
Wで示される酸化されていてもよい硫黄原子とは、例えば−S−、−SO−および−SO−基等が挙げられる。
で示される置換基を有していてもよいアルキル基は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」中の置換基としての「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。
Xで示される「主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」とは主鎖の原子数が1ないし10個連なっている間隔を意味する。ここで、「主鎖の原子数」は、主鎖の原子数が最小となるように数えるものとする。Xで示される「主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」としては、例えば置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC1−10アルキレン基、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC2−10アルケニレン基、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC2−10アルキニレン基等が挙げられる。直鎖状または分岐鎖状のC1−10アルキレン基としては、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン等が挙げられる。直鎖状または分岐鎖状のC2−10アルケニレン基としては、例えばエテニレン、プロペニレン、ブテニレン、ブタジエニレン、ペンテニレン、ペンタジエニレン、ヘキセニレン、ヘキサジエニレン、ヘプテニレン、ヘプタジエニレン、オクテニレン、オクタジエニレン、ノネニレン、ノナジエニレン、デセニレン、デカジエニレン基等が挙げられる。直鎖状または分岐鎖状のC2−10アルキニレン基としては、例えばエチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ブタジイニレン、ペンチニレン、ペンタジイニレン、ヘキシニレン、ヘキサジイニレン、ヘプチニレン、ヘプタジイニレン、オクチニレン、オクタジイニレン、ノニニレン、ノナジイニレン、デシニレン、デカジイニレン基等が挙げられる。また、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC1−10アルキレン基、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC2−10アルケニレン基、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC2−10アルキニレン基の置換基は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」における置換基と同じ意味を表わし、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし5個置換していてもよい。
Xで示されるスペーサーの原子1つが環Aの置換基と一緒になって表わす「置換基を有していてもよい環」とは、スペーサーの原子1つ、環Aの置換基の1つおよびWが一緒になって表わされる「置換基を有していてもよい複素環」である。該複素環は前記「(5)置換基を有していてもよい複素環基」と同じ意味を表わす。
Vで示される「主鎖の原子数1ないし3のスペーサー」とは主鎖の原子数が1ないし3個連なっている間隔を意味する。ここで、「主鎖の原子数」は、主鎖の原子数が最小となるように数えるものとする。Xで示される「主鎖の原子数1ないし3のスペーサー」としては、例えば置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC1−3アルキレン基、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC2−3アルケニレン基、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC2−3アルキニレン基等が挙げられる。直鎖状または分岐鎖状のC1−3アルキレン基としては、例えばメチレン、エチレン、プロピレン基等が挙げられる。直鎖状または分岐鎖状のC2−10アルケニレン基としては、例えばエテニレン、プロペニレン基等が挙げられる。直鎖状または分岐鎖状のC2−10アルキニレン基としては、例えばエチニレン、プロピニレン基等が挙げられる。また、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC1−3アルキレン基、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC2−3アルケニレン基、置換基を有していてもよい直鎖状または分岐鎖状のC2−3アルキニレン基の置換基は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」における置換基と同じ意味を表わし、これらの任意の置換基は置換可能な位置に1ないし2個置換していてもよい。
およびRで示される「置換基を有していてもよいアルキル基」は、前記「(1)置換基を有していてもよいアルキル基」と同じ意味を表わす。
およびRで示される「置換基を有していてもよい環状基」は、前記環Aで示されれる「置換基を有していてもよい環状基」と同じ意味を表わす。
およびRが隣接する窒素原子と一緒になって表わす「含窒素複素環」としては、例えば、少なくとも1つの窒素原子を含み、さらに酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される0個、または1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環等が挙げられる。少なくとも1つの窒素原子を含み、さらに酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される0個、または1〜4個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環としては、例えばピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、ピロロピリジン、ベンゾイミダゾール、ベンゾアゼピン、ベンゾジアゼピン、ベンゾトリアゾール、カルバゾール、β−カルボリン、フェノチアジン、フェノキサジン、ペリミジン、ピラゾロイソキノリン、ピラゾロナフチリジン、ピリミドインドール、アジリジン、アゼチジン、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、トリアゾリン、トリアゾリジン、テトラゾリン、テトラゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ピペリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ピペラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、パーヒドロピリミジン、ジヒドロピリダジン、テトラヒドロピリダジン、パーヒドロピリダジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、パーヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、パーヒドロジアゼピン、テトラヒドロオキサゾール(オキサゾリジン)、ジヒドロイソオキサゾール、テトラヒドロイソオキサゾール(イソオキサゾリジン)、テトラヒドロチアゾール(チアゾリジン)、テトラヒドロイソチアゾール(イソチアゾリジン)、ジヒドロフラザン、テトラヒドロフラザン、ジヒドロオキサジアゾール、テトラヒドロオキサジアゾール(オキサジアゾリジン)、テトラヒドロオキサジン、ジヒドロオキサジアジン、テトラヒドロオキサジアジン、パーヒドロオキサゼピン、テトラヒドロオキサジアゼピン、パーヒドロオキサジアゼピン、ジヒドロチアジアゾール、テトラヒドロチアジアゾール(チアジアゾリジン)、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジアジン、テトラヒドロチアジアジン、パーヒドロチアゼピン、テトラヒドロチアジアゼピン、パーヒドロチアジアゼピン、モルホリン、チオモルホリン、インドリン、イソインドリン、ジヒドロインダゾール、パーヒドロインダゾール、ジヒドロキノリン、テトラヒドロキノリン、オクタヒドロキノリン、パーヒドロキノリン、ジヒドロイソキノリン、テトラヒドロイソキノリン、オクタヒドロイソキノリン、パーヒドロイソキノリン、ジヒドロフタラジン、テトラヒドロフタラジン、パーヒドロフタラジン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、パーヒドロナフチリジン、ジヒドロキノキサリン、テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノキサリン、ジヒドロキナゾリン、テトラヒドロキナゾリン、パーヒドロキナゾリン、テトラヒドロピロロピリジン、ジヒドロシンノリン、テトラヒドロシンノリン、パーヒドロシンノリン、ジヒドロベンゾオキサジン、ジヒドロベンゾチアジン、ピラジノモルホリン、ジヒドロベンゾオキサゾール、パーヒドロベンゾオキサゾール、ジヒドロベンゾチアゾール、パーヒドロベンゾチアゾール、4,5,6,7−テトラヒドロチエノ「3,2−c」ピリジン、ジヒドロベンゾイミダゾール、パーヒドロベンゾイミダゾール、ジヒドロベンゾアゼピン、テトラヒドロベンゾアゼピン、ジヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾジアゼピン、テトラヒドロベンゾオキサゼピン、ジヒドロカルバゾール、テトラヒドロカルバゾール、パーヒドロカルバゾール、ジヒドロアクリジン、パーヒドロアクリジン、テトラピリドナフチリジン、テトラヒドロ−β−カルボリン、ジヒドロアゼピノインドール、ヘキサヒドロアゼピノインドール、テトラヒドロピラゾロイソキノリン、テトラヒドロピラゾロナフチリジン、ジヒドロアゼピノインダゾール、ヘキサヒドロアゼピノインダゾール、ジヒドロピラゾロピリドアゼピン、ヘキサヒドロピラゾロピリドアゼピン、テトラヒドロピリミドインドール、ジヒドロチアジノインドール、テトラヒドロチアジノインドール、ジヒドロオキサジノインドール、テトラヒドロオキサジノインドール、2,3−ジヒドロ−1H−ベンゾ[de]イソキノリン、アザスピロ[4.4]ノナン、オキサザスピロ[4.4]ノナン、オキサアザスピロ[2.5]オクタン、アザスピロ[4.5]デカン、オキサザスピロ[4.5]デカン、アザスピロ[5.5]ウンデカン、1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デカン、1,3,8−トリアザスピロ「4.5」デカン、アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.1.1]ヘプタン、アザビシクロ[3.2.1]オクタン、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン環等が挙げられる。
Qで示される「保護基を有していてもよい水酸基」は、前記「(6)保護基を有していてもよい水酸基」と同じ意味を表わす。
Qで示される「保護基を有していてもよいメルカプト基」は、前記「(7)保護基を有していてもよいメルカプト基」と同じ意味を表わす。
Qで示される「保護基を有していてもよいアミノ基」は、前記「(8)保護基を有していてもよいアミノ基」と同じ意味を表わす。
およびYで示される「主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」は、前記Xで示される「主鎖の原子数1ないし10のスペーサー」と同じ意味を表わす。
およびZで示される「置換基を有していてもよい環状基」は、前記環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」と同じ意味を表わす。
環Aで示される単環式炭素環としては、例えばC3−15の単環式芳香族性炭素環、その一部または全部が飽和されている炭素環等が挙げられる。該炭素環としては、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、シクロトリドデカン、シクロテトラデカン、シクロペンタデカン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロヘプタジエン、シクロオクタジエン、ベンゼン環等が挙げられる。
本発明においては、特に指示しない限り異性体はこれをすべて包含する。例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキレン、アルケニレン、アルキニレンには直鎖のものおよび分岐鎖のものが含まれる。さらに、二重結合、環、縮合環における異性体(E、Z、シス、トランス体)、不斉炭素の存在等による異性体(R、S体、α、β配置、エナンチオマー、ジアステレオマー)、旋光性を有する光学活性体(D、L、d、l体)、クロマトグラフ分離による極性体(高極性体、低極性体)、平衡化合物、回転異性体、これらの任意の割合の混合物、ラセミ混合物は、すべて本発明に含まれる。
本発明においては、特に断わらない限り、当業者にとって明らかなように記号
Figure 2005097196
は紙面の向こう側(すなわちα配置)に結合していることを表わし、
Figure 2005097196
は紙面の手前側(すなわちβ配置)に結合していることを表わし、
Figure 2005097196
はα配置、β配置またはそれらの混合物であることを表わし、
Figure 2005097196
は、α配置とβ配置の混合物であることを表す。
一般式(I)で示される化合物の塩には薬理学的に許容されるものすべてが含まれる。薬理学的に許容される塩は毒性のない、水溶性のものが好ましい。一般式(I)で示される化合物の適当な塩として、例えばアルカリ金属(カリウム、ナトリウム、リチウム等)の塩、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)の塩、アンモニウム塩(テトラメチルアンモニウム塩、テトラブチルアンモニウム塩等)、有機アミン(トリエチルアミン、メチルアミン、ジメチルアミン、シクロペンチルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ピペリジン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミン、リジン、アルギニン、N−メチル−D−グルカミン等)の塩、酸付加物塩(無機酸塩(塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等)、有機酸塩(酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、シュウ酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、安息香酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、イセチオン酸塩、グルクロン酸塩、グルコン酸塩等)等)が挙げられる。本発明化合物の塩には、溶媒和物、または上記本発明化合物のアルカリ(土類)金属塩、アンモニウム塩、有機アミン塩、酸付加物塩の溶媒和物も含まれる。溶媒和物は非毒性かつ水溶性であることが好ましい。適当な溶媒和物としては、例えば水、アルコール系溶媒(エタノール等)等の溶媒和物が挙げられる。本発明化合物は、公知の方法で薬理学的に許容される塩に変換される。
さらに塩には、四級アンモニウム塩も含まれる。四級アンモニウム塩とは、一般式(I)で示される化合物の窒素原子が、R基(R基は、C1〜8アルキル基、フェニル基によって置換されたC1〜8アルキル基を表わす。)によって四級化されたものを表わす。
また塩には、N−オキシドも含まれる。本発明化合物は任意の方法でN−オキシドにすることができる。N−オキシドとは、一般式(I)で示される化合物の窒素原子が、酸化されたものを表わす。
一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、生体内において酵素や胃酸等による反応により一般式(I)で示される化合物に変換する化合物をいう。一般式(I)で示される化合物のプロドラッグとしては、例えば一般式(I)で示される化合物がアミノ基を有する場合、そのアミノ基がアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のアミノ基がエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフラニル化、ピロリジルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、アセトキシメチル化、tert−ブチル化された化合物等);一般式(I)で示される化合物が水酸基を有する場合、その水酸基がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物の水酸基がアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、サクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);一般式(I)で示される化合物がカルボキシ基を有する場合、そのカルボキシ基がエステル化、アミド化された化合物(例えば、一般式(I)で示される化合物のカルボキシ基がエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等)等が挙げられる。これらの化合物は自体公知の方法によって製造することができる。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは水和物および非水和物のいずれであってもよい。また、一般式(I)で示される化合物のプロドラッグは、廣川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻「分子設計」163〜198頁に記載されているような、生理的条件で一般式(I)で示される化合物に変化するものであってもよい。さらに、一般式(I)で示される化合物は同位元素(例えばH、14C、35S、125I等)等で標識されていてもよい。
本発明の一般式(I)において、環A、W、X、V、Q、R、R、R等が表わすそれぞれの定義はいずれも好ましい。以下に好ましい基、および好ましい環を列記するが、ここで用いられる記号は全て前記と同じ意味を表わす。
環Aで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」として好ましくは、例えば炭素環、複素環等であり、より好ましくはC3−15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環、またはその一部または全部が飽和されている炭素環、酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環等であり、特に好ましくはC3−10の単環または二環式芳香族性炭素環、またはその一部または全部が飽和されている炭素環、酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式芳香族性複素環等であり、とりわけ好ましくはベンゼン、ピリジン環等である。
Wとして好ましくは、例えば酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、−NR−基等であり、より好ましくは、例えば酸素原子等である。
Xとして好ましくは、例えば主鎖の原子数1ないし8のスペーサー等であり、より好ましくは2ないし6のスペーサーであり、特に好ましくは2ないし4のスペーサーであり、とりわけ好ましくは、例えばエチレン、プロピレン、ブチレン等である。
Xで示されるスペーサーの主鎖原子1つが環Aの置換基と一緒になって表わす環として好ましくは、酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されtていてもよい3〜10員の単環式芳香族性複素環等である。とりわけ好ましくは以下の一般式(IB)、一般式(IC)で示される化合物等である。
Figure 2005097196
なお、上記式中、波線は結合手または一重結合を表わし、XはXと同じ意味を表わすが、主鎖の原子数が1つ少ないもの、すなわち主鎖の原子数1ないし9のスペーサーを表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。
Vとして好ましくは、例えば結合手、または主鎖の原子数1ないし3のスペーサーであり、より好ましくは結合手または主鎖の原子数1のスペーサーである。
として好ましくは、例えば−OR基、−SR基、−NR基等であり、より好ましくは−NR基等である。
Qとして好ましくは、例えば水素原子、保護基を有していてもよい水酸基等であり、より好ましくは保護基を有していてもよい水酸基等である。
として好ましくは、−Y−Z基等である。
として好ましくは、−Y−Z基等である。
およびYとして好ましくは、例えば結合手または主鎖の原子数1ないし10のスペーサーであり、より好ましくは結合手または主鎖の原子数1ないし5のスペーサーであり、特に好ましくは結合手または主鎖の原子数1ないし3のスペーサーである。
およびZで示される「置換基を有していてもよい環状基」における「環状基」として好ましくは、例えば炭素環、複素環等であり、より好ましくはC3−15の単環、二環または三環式芳香族性炭素環、またはその一部または全部が飽和されている炭素環、酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子から選択される1〜5個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜15員の単環、二環または三環式芳香族性複素環等であり、特に好ましくはC3−10の単環または二環式芳香族性炭素環、またはその一部または全部が飽和されている炭素環、酸素原子、窒素原子および/または硫黄原子から選択される1〜2個のヘテロ原子を含む、一部または全部が飽和されていてもよい3〜10員の単環または二環式芳香族性複素環等であり、とりわけ好ましくはベンゼン、ピリジン環等である。
本発明においては、上に列挙した好ましい基、好ましい環の組み合わせを含む一般式(I)の化合物が好ましい。
本発明の具体的に好ましい化合物としては、例えば、以下の(1)〜(205)で示された化合物、実施例に記載した化合物またはその塩等が挙げられる。
(1)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(2)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[3−(ジエチルアミノ)プロポキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(3)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[4−(ジエチルアミノ)ブトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(4)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(エチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(5)2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−メトキシエトキシ)フェニル]−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(6)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(メチルスルファニル)エトキシ]フェニル}エタノール、(7)1−[4−(2−アニリノエトキシ)フェニル]−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(8)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−[4−(2−ピペリジン−1−イルエトキシ)フェニル]エタノール、(9)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(10)1−[4−(2−アゼパン−1−イルエトキシ)フェニル]−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(11)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(4−エチルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(12)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−[4−(2−モルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]エタノール、(13)1−{4−[2−(4−ベンジルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(14)1−{4−[2−(4−ベンズヒドリルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(15)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(16)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(4−フェニルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(17)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(18)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(19)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4.5]デシ−8−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(20)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−(4−{2−[4−(2−モルホリン−4−イルエチル)ピペラジン−1−イル]エトキシ}フェニル)エタノール、(21)2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−{4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(22)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(4−ピラジン−2−イルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(23)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[4−(2−メトキシエチル)ピペラジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(24)1−(4−{2−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)ピペラジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(25)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−[4−(2−チオモルホリン−4−イルエトキシ)フェニル]エタノール、(26)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[4−(2−エトキシエチル)ピペラジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(27)1−[4−(2−アゾカン−1−イルエトキシ)フェニル]−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(28)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(29)1−[4−(2−{4−[ビス(4−フルオロフェニル)メチル]ピペラジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(30)1−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)−D−プロリンアミド、(31)2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−{4−[2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)エチル]ピペラジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(32)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(2,5−ジヒドロ−1H−ピロール−1−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(33)1−{4−[2−(1H−ベンゾ[de]イソキノリン−2(3H)−イル)エトキシ]フェニル}−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(34)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[4−(4−フルオロベンジル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(35)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(36)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(37)tert−ブチル (1S,4S)−5−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシレート、(38)8−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)−1−フェニル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−4−オン、(39)4−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)ピペラジン−2−オン、(40){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(ジフェニル)メタノール、(41)(4−クロロフェニル){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}フェニルメタノール、(42){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メチルフェニル)フェニルメタノール、(43){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−フルオロフェニル)フェニルメタノール、(44){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(フェニル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール、(45){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メトキシフェニル)フェニルメタノール、(46)1,1’−ビフェニル−4−イル{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}フェニルメタノール、(47){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(6−メチル−2−ナフチル)フェニルメタノール、(48)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−フェニルエタノール、(49)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−(4−メチルフェニル)−1−フェニルエタノール、(50)3−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−フェニルプロパン−1−オール、(51)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(4−メチルフェニル)−1−フェニルプロパン−1−オール、(52)4−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−フェニルブタン−1−オール、(53)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−4−(4−メチルフェニル)−1−フェニルブタン−1−オール、(54)ビス(4−クロロフェニル){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}メタノール、(55)(4−クロロフェニル){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メチルフェニル)メタノール、(56)(4−クロロフェニル){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−フルオロフェニル)メタノール、(57)(4−クロロフェニル){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール、(58)(4−クロロフェニル){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メトキシフェニル)メタノール、(59)1,1’−ビフェニル−4−イル(4−クロロフェニル){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}メタノール、(60)(4−クロロフェニル){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(6−メチル−2−ナフチル)メタノール、(61)1,2−ビス(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}エタノール、(62)1−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−(4−メチルフェニル)エタノール、(63)1,3−ビス(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}プロパン−1−オール、(64)1−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オール、(65)1,4−ビス(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}ブタン−1−オール、(66)1−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−4−(4−メチルフェニル)ブタン−1−オール、(67){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}[ビス(4−メチルフェニル)]メタノール、(68){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−フルオロフェニル)(4−メチルフェニル)メタノール、(69){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メチルフェニル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール、(70){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メトキシフェニル)(4−メチルフェニル)メタノール、(71)1,1’−ビフェニル−4−イル{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メチルフェニル)メタノール、(72){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(6−メチル−2−ナフチル)(4−メチルフェニル)メタノール、(73)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1,2−ビス(4−メチルフェニル)エタノール、(74)3−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オール、(75)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1,3−ビス(4−メチルフェニ
ル)プロパン−1−オール、(76)4−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)ブタン−1−オール、(77)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1,4−ビス(4−メチルフェニル)ブタン−1−オール、(78){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}[ビス(4−フルオロフェニル)]メタノール、(79){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−フルオロフェニル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール、(80){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−フルオロフェニル)(4−メトキシフェニル)メタノール、(81)1,1’−ビフェニル−4−イル{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−フルオロフェニル)メタノール、(82){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−フルオロフェニル)(6−メチル−2−ナフチル)メタノール、(83)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)エタノール、(84)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−2−(4−メチルフェニル)エタノール、(85)3−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)プロパン−1−オール、(86)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−3−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オール、(87)4−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)ブタン−1−オール、(88)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−4−(4−メチルフェニル)ブタン−1−オール、(89){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}{ビス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]}メタノール、(90){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メトキシフェニル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール、(91)1,1’−ビフェニル−4−イル{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール、(92){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(6−メチル−2−ナフチル)[4−(トリフルオロメチル)フェニル]メタノール、(93)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エタノール、(94)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−(4−メチルフェニル)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]エタノール、(95)3−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−1−オール、(96)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(4−メチルフェニル)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]プロパン−1−オール、(97)4−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタン−1−オール、(98)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−4−(4−メチルフェニル)−1−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ブタン−1−オール、(99){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}[ビス(4−メトキシフェニル)]メタノール、(100)1,1’−ビフェニル−4−イル{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メトキシフェニル)メタノール、(101){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メトキシフェニル)(6−メチル−2−ナフチル)メタノール、(102)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メトキシフェニル)エタノール、(103)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メトキシフェニル)−2−(4−メチルフェニル)エタノール、(104)3−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オール、(105)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メトキシフェニル)−3−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オール、(106)4−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メトキシフェニル)ブタン−1−オール、(107)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メトキシフェニル)−4−(4−メチルフェニル)ブタン−1−オール、(108)ジ(1,1’−ビフェニル−4−イル){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}メタノール、(109)1,1’−ビフェニル−4−イル{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(6−メチル−2−ナフチル)メタノール、(110)1−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}エタノール、(111)1−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−(4−メチルフェニル)エタノール、(112)1−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−3−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}プロパン−1−オール、(113)1−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オール、(114)1−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−4−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}ブタン−1−オール、(115)1−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−4−(4−メチルフェニル)ブタン−1−オール、(116)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(6−メチル−2−ナフチル)エタノール、(117)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(6−メチル−2−ナフチル)−2−(4−メチルフェニル)エタノール、(118)3−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(6−メチル−2−ナフチル)プロパン−1−オール、(119)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(6−メチル−2−ナフチル)−3−(4−メチルフェニル)プロパン−1−オール、(120)4−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(6−メチル−2−ナフチル)ブタン−1−オール、(121)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(6−メチル−2−ナフチル)−4−(4−メチルフェニル)ブタン−1−オール、(122)1,3−ビス(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}プロパン−2−オール、(123)1−(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(4−メチルフェニル)プロパン−2−オール、(124)1,4−ビス(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}ブタン−2−オール、(125)1−(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−4−(4−メチルフェニル)ブタン−2−オール、(126)1,5−ビス(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}ペンタン−2−オール、(127)1−(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−5−(4−メチルフェニル)ペンタン−2−オール、(128)2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1,3−ビス(4−メチルフェニル)プロパン−2−オール、(129)4−(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)ブタン−2−オール、(130)2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1,4−ビス(4−メチルフェニル)ブタン−2−オール、(131)5−(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)ペンタン−2−オール、(132)2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1,5−ビス(4−メチルフェニル)ペンタン−2−オール、(133)1,5−ビス(4−クロロフェニル)−3−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}ペンタン−3−オール、(134)1−(4−クロロフェニル)−3−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−5−(4−メチルフェニル)ペンタン−3−オール、(135)1,6−ビス(4−クロロフェニル)−3−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}ヘキサン−3−オール、(136)1−(4−クロロフェニル)−3−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−6−(4−メチルフェニル)ヘキサン−3−オール、(137)3−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1,5−ビス(4−メチルフェニル)ペンタン−3−オール、(138)6−(4−クロロフェニル)−3−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)ヘキサン−3−オール、(139)3−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1,6−ビス(4−メチルフェニル)ヘキサン−3−オール、(140)1,7−ビス(4−クロロフェニル)−4−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}ヘプタン−4−オール、(141)1−(4−クロロフェニル)−4−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−7−(4−メチルフェニル)ヘプタン−4−オール、(142)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−[4−(2−ピロリジン−1−イルエトキシ)フェニル]エタノール、(143)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(4−メチルピペリジン−1−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(144)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(2,6−ジメチルピペリジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(145)1−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)ピペリジン−4−オール、(146)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(147)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[4−(2−ヒドロキシエチル)ピペリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(148)1−{4−[2−(1,4’−ビピペリジン−1’−イル)エトキシ]フェニル}−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(149)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(1,3−チアゾリジン−3−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(150)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−
{4−[2−(4−ピリジン−4−イルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(151)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(4−ピリミジン−2−イルピペラジン−1−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(152)1−{4−[2−(4−ベンジルピペリジン−1−イル)エトキシ]フェニル}−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(153)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(4−ピロリジン−1−イルピペリジン−1−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(154)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[(2R)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(155)(3R)−1−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)ピロリジン−3−オール、(156)2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−{(2S)−2−[ヒドロキシ(ジフェニル)メチル]ピロリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(157)2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−{4−[ヒドロキシ(ジフェニル)メチル]ピペリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(158)2−(4−クロロフェニル)−1−[4−(2−{(2R)−2−[ヒドロキシ(ジフェニル)メチル]ピロリジン−1−イル}エトキシ)フェニル]−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(159)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(160)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[(2R)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(161)1−(4−{2−[(2S)−2−ベンズヒドリルピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(162)4−(4−ブロモフェニル)−1−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)ピペリジン−4−オール、(163)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[3−(ジエチルアミノ)ピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(164)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(3,6−ジヒドロピリジン−1(2H)−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(165)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−(4−{2−[(2S)−2−(ピロリジン−1−イルメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)エタノール、(166)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(4−フェニルピペリジン−1−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(167)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[(3R)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(168)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[(3S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(169)(3S)−1−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)ピロリジン−3−オール、(170)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[(2S)−2−(メトキシメチル)ピロリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(171)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(2−{[(2S)−1−メチルピロリジン−2−イル]メチル}ピペリジン−1−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(172)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−(4−{2−[4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル]エトキシ}フェニル)エタノール、(173)1−[4−(2−アゼチジン−1−イルエトキシ)フェニル]−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(174)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−{4−[2−(1,3,4,9−テトラヒドロ−2H−β−カルボリン−2−イル)エトキシ]フェニル}エタノール、(175)2−(4−クロロフェニル)−1−{6−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]ピリジン−3−イル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(176)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]−1−ナフチル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(177)2−(4−クロロフェニル)−1−{3−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]シクロペンチル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(178)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]−3−メチルフェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(179)1−{3−クロロ−4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(180)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{[2−(ジエチルアミノ)エチル]アミノ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(181)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[[2−(ジエチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(182)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{[2−(ジエチルアミノ)エチル]スルファニル}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(183)1−(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−(4−メチルフェニル)エタノール、(184)1−(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−(4−メチルフェニル)エタンオン、(185)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}エタノール、(186){4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メチルフェニル)メタノール、(187)N−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)−N,N−ジエチルアミン、(188)1−(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−フェニルプロパン−2−オール、(189)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1,2−ジフェニルエタノール、(190)2−(4−クロロフェニル)−1−{2−[(ジエチルアミノ)メチル]−1−ベンゾフラン−5−イル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(191)2−(4−クロロフェニル)−1−{2−[(ジエチルアミノ)メチル]−3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−6−イル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(192)N−(2−{4−[1−アミノ−2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)−N,N−ジエチルアミン、(193)N−(2−{4−[3−(4−クロロフェニル)−2−(4−メチルフェニル)プロピル]フェノキシ}エチル)−N,N−ジエチルアミン、(194)N−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−メトキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)−N,N−ジエチルアミン、(195)N−[2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エチル]−N−メチルアミン、(196)N−[2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エチル]−N,N−ジメチルアミン、(197)2−(4−クロロ−2−メチルフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(198)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(2−メトキシ−4−メチルフェニル)エタノール、(199)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[エチル(2−メトキシエチル)アミノ]エトキシ}フェニル)−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(200)1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)−2−(2−ナフチル)エタノール、(201)2−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(202)1−(4−クロロフェニル)−3−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−2−(4−メチルフェニル)プロパン−2−オール、(203)2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(1H−インドール−1−イル)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール、(204)2−(4−クロロフェニル)−1−(4−メチルフェニル)−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]エタノール、(205)1−(2−{4−[2−(4−クロロフェニル)−1−ヒドロキシ−1−(4−メチルフェニル)エチル]フェノキシ}エチル)−4−フェニルピペリジン−4−オール。
[本発明化合物の製造方法]
一般式(I)で示される本発明化合物は、公知の方法、例えば、以下に示す方法、実施例に記載した方法あるいは、Comprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999) に記載された方法等を組み合わせて用いることで製造することができる。なお、以下の各製造方法において、原料化合物は塩として用いてもよい。このような塩としては、前記した一般式(I)の塩として記載したものが用いられる。
(1) 一般式(I)で示される本発明化合物のうち、Vが結合手を表わし、Qが水酸基を表わし、Rが−Y−Z基を表わし、Rが−Y−Z基を表わす化合物、すなわち、一般式(I−A)
Figure 2005097196
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は以下に示す方法によって製造することができる。
一般式(I−A)で示される化合物は一般式(II)
Figure 2005097196
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物と、一般式(III)
Figure 2005097196
(式中、haloはハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)を表わし、その他の記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を反応に付し、所望により脱保護反応に付すことにより製造することができる。
一般式(II)で示される化合物と一般式(III)で示される化合物は公知であり、例えば有機溶媒(例えば、テトラヒドロフラン、エーテル等)中、-30℃〜還流温度で反応させることにより行なわれる。
一般式(I−A)中の少なくとも1つの基が、カルボキシル基、水酸基、アミノ基またはメルカプト基を含有する基を表わす化合物は、各基が保護基によって保護された化合物を脱保護反応に付すことによって製造することができる。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、メチル基、エチル基、アリル基、tert−ブチル基、トリクロロエチル基、ベンジル(Bn)基、フェナシル基等が挙げられる。
水酸基の保護基としては、例えば、メチル基、トリチル基、メトキシメチル(MOM)基、1−エトキシエチル(EE)基、メトキシエトキシメチル(MEM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、トリメチルシリル(TMS)基、トリエチルシリル(TES)基、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)基、tert−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)基、アセチル(Ac)基、ピバロイル基、ベンゾイル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル(Troc)基等が挙げられる。
アミノ基の保護基としては、例えば、ベンジルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル(Alloc)基、1−メチル−1−(4−ビフェニル)エトキシカルボニル(Bpoc)基、トリフルオロアセチル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ベンジル(Bn)基、p−メトキシベンジル基、ベンジルオキシメチル(BOM)基、2−(トリメチルシリル)エトキシメチル(SEM)基等が挙げられる。
メルカプト基の保護基としては、例えば、ベンジル基、メトキシベンジル基、メトキシメチル(MOM)基、2−テトラヒドロピラニル(THP)基、ジフェニルメチル基、アセチル(Ac)基が挙げられる。
カルボキシル基、水酸基、アミノ基またはメルカプト基の保護基としては、上記した以外にも容易にかつ選択的に脱離できる基であれば特に限定されない。例えば、Protective Groups in Organic Synthesis (T. W. Greene, John Wiley & Sons Inc, 1999) に記載されたものが用いられる。
カルボキシル基、水酸基、アミノ基またはメルカプト基の保護基の脱保護反応は、よく知られており、例えば、
(1)アルカリ加水分解、
(2)酸性条件下における脱保護反応、
(3)加水素分解による脱保護反応、
(4)シリル基の脱保護反応、
(5)金属を用いた脱保護反応、
(6)有機金属を用いた脱保護反応等が挙げられる。
これらの方法を具体的に説明すると、
(1)アルカリ加水分解による脱保護反応は、例えば、有機溶媒(メタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)中、アルカリ金属の水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等)、アルカリ土類金属の水酸化物(水酸化バリウム、水酸化カルシウム等)または炭酸塩(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)あるいはその水溶液もしくはこれらの混合物を用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
(2)酸性条件下での脱保護反応は、例えば、有機溶媒(塩化メチレン、クロロホルム、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、アニソール等)中、有機酸(酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等)、または無機酸(塩酸、硫酸等)もしくはこれらの混合物(臭化水素/酢酸等)中、0〜100℃の温度で行なわれる。
(3)加水素分解による脱保護反応は、例えば、溶媒(エーテル系(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、アミド系(N,N−ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、触媒(パラジウム−炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0〜200℃の温度で行なわれる。
(4)シリル基の脱保護反応は、例えば、水と混和しうる有機溶媒(テトラヒドロフラン、アセトニトリル等)中、フッ化物(フッ化テトラブチルアンモニウム、フッ化水素水溶液、フッ化水素−ピリジン錯体等)を用いて、−20〜40℃の温度で反応させることにより行なわれる。
(5)金属を用いた脱保護反応は、例えば、酸性溶媒(酢酸、pH4.2〜7.2の緩衝液またはそれらの溶液とテトラヒドロフラン等の有機溶媒との混合液)中、粉末亜鉛の存在下、超音波をかけるかまたは超音波をかけないで、0〜40℃の温度で行なわれる。
(6)金属錯体を用いる脱保護反応は、例えば、有機溶媒(塩化メチレン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトニトリル、1,4−ジオキサン、エタノール等)、水またはそれらの混合溶媒中、トラップ試薬(水素化トリブチルスズ、トリエチルシラン、ジメドン、モルホリン、ジエチルアミン、ピロリジン等)、有機酸(酢酸、ギ酸、2−エチルヘキサン酸等)および/または有機酸塩(2−エチルヘキサン酸ナトリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等)の存在下、ホスフィン系試薬(トリフェニルホスフィン等)の存在下または非存在下、金属錯体(テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、酢酸パラジウム(II)、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム(I)等)を用いて、0〜40℃の温度で行なわれる。
また、上記以外にも、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis (T. W. Greene, John Wiley & Sons Inc, 1999) に記載された方法によって、脱保護反応を行なうことができる。
当業者には容易に理解できることではあるが、これらの脱保護反応を使い分けることにより、目的とする本発明化合物が容易に製造することができる。
さらに必要であれば、この反応に引き続いて公知の方法によって、目的の塩に変換する操作を行なってもよい。
(2) 一般式(I)で示される本発明化合物のうち、Vが結合手を表わし、Qが水酸基を表わし、Rが−Y−Z基を表わし、Rが水素原子を表わす化合物、すなわち、一般式(I−B)
Figure 2005097196
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は以下に示す方法によって製造することができる。
一般式(I−B)で示される化合物は一般式(II)
Figure 2005097196
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物を還元反応に付し、所望により脱保護反応に付すことにより製造することができる。
上記還元反応は公知であり、例えば有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン等)中、還元剤(例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム、水素化ジイソブチルアルミニウム、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム等)と-80℃〜40℃で反応させることにより行なわれる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法によって行なうことができる。
(3) 一般式(I)で示される本発明化合物のうち、Vが結合手を表わし、Qが水素原子を表わし、Rが−Y−Z基を表わし、Rが−Y−Z基を表わす化合物、すなわち、一般式(I−C)
Figure 2005097196
(式中、すべての記号は前記と同じ意味を表わす。)で示される化合物は以下に示す方法によって製造することができる。
一般式(I−C)で示される化合物は前記一般式(I−A)で示される化合物を脱水反応および水素添加反応に順次付し、所望により脱保護反応に付すことにより製造することができる。
上記脱水反応は公知であり、例えば有機溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル等)中、酸(例えば、塩酸、p-トルエンスルホン酸等)の存在下、-60℃〜還流温度で反応させることにより行なわれる。
また、上記水素添加反応は公知であり、例えば、溶媒(エーテル系(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジエチルエーテル等)、アルコール系(メタノール、エタノール等)、ベンゼン系(ベンゼン、トルエン等)、ケトン系(アセトン、メチルエチルケトン等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、アミド系(N,N−ジメチルホルムアミド等)、水、酢酸エチル、酢酸またはそれらの2以上の混合溶媒等)中、触媒(パラジウム−炭素、パラジウム黒、水酸化パラジウム、酸化白金、ラネーニッケル等)の存在下、常圧または加圧下の水素雰囲気下またはギ酸アンモニウム存在下、0〜200℃の温度で行なわれる。
保護基の脱保護反応は前記と同様の方法によって行なうことができる。
その他の出発原料または試薬として用いる一般式(II)〜(III)で示される化合物は、それ自体公知であるか、あるいは公知の方法、例えば、Comprehensive Organic Transformations : A Guide to Functional Group Preparations, 2nd Edition (Richard C. Larock, John Wiley & Sons Inc, 1999) に記載された方法等を組み合わせて用いることで容易に製造することができる。
一般式(I)で示される本発明化合物のうち、上記に示した以外の化合物については、本明細書中に記載された実施例、あるいは公知の方法、例えば「Comprehensive Organic Transformations:A Guide to Functional Group Preparations、2nd Edition(Richard C.Larock,John Wiley & Sons Inc,1999)」に記載された方法を組み合わせて用いることで製造することができる。
本明細書中の各反応において、反応生成物は通常の精製手段、例えば、常圧下または減圧下における蒸留、シリカゲルまたはケイ酸マグネシウムを用いた高速液体クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、イオン交換樹脂、スカベンジャー樹脂あるいはカラムクロマトグラフィーまたは洗浄、再結晶などの方法により精製することができる。精製は各反応ごとに行なってもよいし、いくつかの反応終了後に行なってもよい。
[毒性]
一般式(I)で示される本発明化合物の毒性は非常に低いものであり、医薬として使用するために十分安全である。
[医薬品への適用]
一般式(I)で示される本発明化合物は、N型カルシウムチャンネルの阻害作用を有するため、例えば脳梗塞、一過性脳虚血発作、心臓手術後の脳脊髄障害、脊髄血管障害、ストレス性高血圧、神経症、てんかん、喘息、頻尿、眼疾患(例えば、緑内障、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、網膜血管閉塞症等)等の予防および/または治療剤として有用である。また、一般式(I)で示される本発明化合物は痛み(例えば、急性痛、慢性痛、術後痛、癌性疼痛、神経痛、感染性疼痛等)の予防および/または治療剤としても有用である。
本発明化合物は、1)該本発明化合物の予防および/または治療効果の補完および/または増強、2)該本発明化合物の動態・吸収改善、投与量の低減、および/または3)該本発明化合物の副作用の軽減のために他の薬剤と組み合わせて、併用剤として投与してもよい。
本発明化合物と他の薬剤の併用剤は、1つの製剤中に両成分を配合した配合剤の形態で投与してもよく、また別々の製剤にして投与する形態をとってもよい。この別々の製剤にして投与する場合には、同時投与および時間差による投与が含まれる。また、時間差による投与は、本発明化合物を先に投与し、他の薬剤を後に投与してもよいし、他の薬剤を先に投与し、本発明化合物を後に投与してもかまわず、それぞれの投与方法は同じでも異なっていてもよい。
該他の薬剤は、低分子化合物であってもよく、また高分子の蛋白、ポリペプチド、ポリヌクレオチド(DNA、RNA、遺伝子)、アンチセンス、デコイ、抗体であるか、またはワクチン等であってもよい。他の薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と他の薬剤の配合比は、投与対象の年齢および体重、投与方法、投与時間、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば、本発明化合物1重量部に対し、他の薬剤を0.01乃至100重量部用いればよい。他の薬剤は以下に示す同種群および異種群から任意に選択される1種または2種以上を適宜の割合で組み合わせて投与してもよい。
上記併用剤により、予防および/または治療効果を奏する疾患は特に限定されず、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する疾患であればよい。
例えば、一般式(I)で示される化合物の痛みに対する効果に対して補完および/または増強するための他の薬剤としては、例えばオピオイド受容体作動薬、非ステロイド系抗炎症薬、解熱鎮痛薬、抗てんかん薬、抗不整脈薬、抗うつ薬、抗不安薬、抗精神病薬、副腎皮質ホルモン、抗ヒスタミン薬、局所麻酔薬、NMDA拮抗薬、片頭痛治療薬、有痛性糖尿病性神経障害治療薬等が挙げられる。
オピオイド受容体作動薬としては、例えばアヘン、アヘン・トコン散、塩酸アヘンアルカロイド、アヘンアルカロイド・アトロピン、アヘンアルカロイド・スコポラミン、塩酸モルヒネ、モルヒネ・アトロピン、塩酸エチルモルヒネ、複方オキシコドン、複方オキシコドン・アトロピン、リン酸コデイン、リン酸ジヒドロコデイン、オキシメテバノール、塩酸コカイン、塩酸ペチジン、クエン酸フェンタニル、ペンタゾシン、塩酸ペンタゾシン、塩酸トラマドール、酒石酸ブトルファノール、塩酸ブプレノルフィン、臭化水素酸エプタゾシン等が挙げられる。
非ステロイド系抗炎症薬としては、例えばサザピリン、サリチル酸ナトリウム、アスピリン、アスピリン・ダイアルミネート配合、ジフルニサル、スプロフェン、ウフェナマート、ジメチルイソプロピルアズレン、ブフェキサマク、フェルビナク、トルメチンナトリウム、クリノリル、ナプメトン、イブプロフェンピコノール、ケトフェニルブタゾン、オキシフェンブタゾン、ナパゲルン軟膏、スルピリン、ミグレニン、サリドン、セデスG、アミピロ−N、ソルボン、ピリン系感冒薬、アセトアミノフェン、フェナセチン、メシル酸ジメトチアジン、シメトリド配合剤、非ピリン系感冒薬、サリチルアミド、フルフェナム酸、フルフェナム酸アルミニウム、メフェナム酸、メフェナム酸アルミニウム、フロクタフェニン、トルフェナム酸、ジクロフェナク、ジクロフェナクナトリウム、スリンダク、フェンブフェン、アンフェナクナトリウム、インドメタシン、インドメタシン ファルネシル、マレイン酸プログルメタシン、アセメタシン、ナブメトン、エトドラク、モフェゾラク、イブプロフェン、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、フルルビプロフェン アキセチル、オキサプロジン、フェノプロフェンカルシウム、チアプロフェン酸、ナプロキセン、プラノプロフェン、ロキソプロフェンナトリウム、アルミノプロフェン、ザルトプロフェン、ブコローム、ピロキシカム、アンピロキシカム、テノキシカム、エピリゾール、塩酸チアラミド、エモルファゾン等が挙げられる。
解熱鎮痛薬としては、例えばスルピリン、アセトアミノフェン、メシル酸ジメトチアジン等が挙げられる。
抗てんかん薬としては、例えばフェニトイン、エトトイン、フェノバルビタール、フェノバルビタールナトリウム、メホバルビタール、メタルビタール、トリメタジオン、エトスクシミド、アセチルフェネトライド、プリミドン、バルプロ酸ナトリウム、カルバマゼピン、ゾニサミド、アセタゾラミド、ジアゼパム等が挙げられる。
抗不整脈薬としては、例えば塩酸アプリンジン、塩酸アミオダロン、1−イソプレナリン、硫酸キニジン、ジゾピラミド、リン酸ジソピラミド、コハク酸シベンゾリン、塩酸ピルメノール、酢酸フレカイニド、塩酸ピルジカイニド、塩酸プロカインアミド、塩酸プロバフェノン、塩酸メキシレチン、リドカイン等が挙げられる。
抗うつ薬としては、例えば塩酸デシプラミン、塩酸ノルトリプチリン、アモキサピン、塩酸マプロチリン、塩酸イミプラミン、塩酸アミトリプチリン、塩酸クロミプラミン、マレイン酸トリミプラミン、塩酸ロフェプラミン、塩酸ドスレピン、塩酸トラゾドン、マレイン酸フルボキサミン、塩酸パロキセチン水和物、塩酸ミルナシプラン、ミアンセリン等が挙げられる。
抗不安薬としては、例えばアルプラゾラム、エチゾラム、オキサゾラム、クロキサゾラム、クロチアゼパム、クロルジアゼポキシド、ジアゼパム、フルジアゼパム、ブロマゼパム、メダゼパム、ロフラゼプ酸エチル、ロラゼパム、塩酸ヒドロキシジン、バモ酸ヒドロキシジン、フルタゾラム、トフィソバム等が挙げられる。
抗精神病薬としては、例えば塩酸クロルプロマジン、塩酸チオリダジン、プロペリシアジン、ペルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、マレイン酸レボメプロマジン、スピペロン、チミペロン、ハロペリドール、デカン酸ハロペリドール、ブロムペリドール、クロフェクトン、スルピリド、ゾテピン、ピモジド、塩酸モサプラミン、リスペリドン、塩酸ぺロスピロン水和物、フマル酸クエチアピン、オランザピン等が挙げられる。
副腎皮質ホルモンとしては、例えばデキサメタゾン、パルミチン酸デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ヒドロコルチゾン、酢酸フルドロコルチゾン、プレドニゾロンベタメタゾン、メチルプレドニゾロン等が挙げられる。
抗ヒスタミン薬としては、例えばフマル酸クレマスチン、d−マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸シプロヘプタジン、塩酸プロメタジン、塩酸ホモクロルシクリジン、メキタジン、塩酸ジフェンヒドラミン、エバスチン、塩酸セチリジン、塩酸オロパタジン、塩酸フェキソフェナジン等が挙げられる。
局所麻酔薬としては、例えば塩酸コカイン、塩酸ブピバカイン、塩酸プロカイン、塩酸メピバカイン、塩酸ジブカイン、塩酸テトラカイン、塩酸リドカイン、塩酸ソタロール等が挙げられる。
NMDA拮抗薬としては、例えばケタミン、デキストロメドルファン等が挙げられる。
片頭痛治療薬としては、例えばメシル酸ジヒドロエルゴタミン、塩酸ロメリジン、コハク酸スマトリプタン等が挙げられる。
有痛性糖尿病性神経障害治療薬としては例えば、塩酸メキシレチン等が挙げられる。
また、本発明化合物の予防および/または治療効果を補完および/または増強する他の薬剤には、上記したメカニズムに基づいて、現在までに見出されているものだけでなく今後見出されるものも含まれる。
本発明化合物、または本発明化合物と他の薬剤の併用剤を上記の目的で用いるには、通常、全身的または局所的に、経口または非経口の形で投与される。
投与量は、年齢、体重、症状、治療効果、投与方法、処理時間等により異なるが、通常、成人一人当たり、一回につき、100μgから1000mgの範囲で一日一回から数回経口投与されるか、または成人一人当たり、一回につき、50μgから500mgの範囲で一日一回から数回非経口投与されるか、または一日1時間から24時間の範囲で静脈内に持続投与される。
もちろん前記したように、投与量は種々の条件により変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また範囲を越えて投与の必要な場合もある。
本発明化合物、または本発明化合物と他の薬剤の併用剤を投与する際には、例えば経口投与のための内服用固形剤、内服用液剤および非経口投与のための注射剤、外用剤、坐剤、点眼剤、吸入剤等として用いられる。
経口投与のための内服用固形剤には、例えば錠剤、丸剤、カプセル剤、散剤、顆粒剤等が挙げられる。カプセル剤には、例えばハードカプセルおよびソフトカプセル等が挙げられる。
このような内服用固形剤においては、例えばひとつまたはそれ以上の活性物質はそのままか、または賦形剤(例えば、ラクトース、マンニトール、グルコース、微結晶セルロース、デンプン等)、結合剤(例えば、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム等)、崩壊剤(例えば、繊維素グリコール酸カルシウム等)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム等)、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸等)等と混合され、常法に従って製剤化して用いられる。また、必要によりコーティング剤(例えば、白糖、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート等)で被覆していてもよいし、また2以上の層で被覆していてもよい。さらにゼラチンのような吸収されうる物質のカプセルも包含される。
経口投与のための内服用液剤には、例えば薬剤的に許容される水剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤等を含まれる。このような液剤においては、ひとつまたはそれ以上の活性物質が、一般的に用いられる希釈剤(例えば、精製水、エタノールまたはそれらの混液等)に溶解、懸濁または乳化される。さらにこの液剤は、湿潤剤、懸濁化剤、乳化剤、甘味剤、風味剤、芳香剤、保存剤、緩衝剤等を含有していてもよい。
非経口投与のための外用剤の剤形には、例えば軟膏剤、ゲル剤、クリーム剤、湿布剤、貼付剤、リニメント剤、噴霧剤、吸入剤、スプレー剤、エアゾル剤、点眼剤、および点鼻剤等が含まれる。これらはひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、公知の方法または通常使用されている処方により調製される。
軟膏剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に混和、または溶融させて調製される。軟膏基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸または高級脂肪酸エステル(例えば、アジピン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸エステル、ミリスチン酸エステル、パルミチン酸エステル、ステアリン酸エステル、オレイン酸エステル等)、ロウ類(例えば、ミツロウ、鯨ロウ、セレシン等)、界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等)、高級アルコール(例えば、セタノール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール等)、シリコン油(例えば、ジメチルポリシロキサン等)、炭化水素類(例えば、親水ワセリン、白色ワセリン、精製ラノリン、流動パラフィン等)、グリコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、マクロゴール等)、植物油(ヒマシ油、オリーブ油、ごま油、テレピン油等)、動物油(例えば、ミンク油、卵黄油、スクワラン、スクワレン等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保湿剤、保存剤、安定化剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
ゲル剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させて調製される。ゲル基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、低級アルコール(例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等)、ゲル化剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等)、中和剤(例えば、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等)、界面活性剤(例えば、モノステアリン酸ポリエチレングリコール等)、ガム類、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
クリーム剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融または乳化させて調製される。クリーム基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高級脂肪酸エステル、低級アルコール、炭化水素類、多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等)、高級アルコール(例えば、2−ヘキシルデカノール、セタノール等)、乳化剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸エステル類等)、水、吸収促進剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
湿布剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、練合物とし支持体上に展延塗布して製造される。湿布基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、増粘剤(例えば、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、メチルセルロース等)、湿潤剤(例えば、尿素、グリセリン、プロピレングリコール等)、充填剤(例えば、カオリン、酸化亜鉛、タルク、カルシウム、マグネシウム等)、水、溶解補助剤、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
貼付剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を基剤に溶融させ、支持体上に展延塗布して製造される。貼付剤用基剤は公知あるいは通常使用されているものから選ばれる。例えば、高分子基剤、油脂、高級脂肪酸、粘着付与剤、かぶれ防止剤から選ばれるもの単独または2種以上を混合して用いられる。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
リニメント剤は公知または通常使用されている処方により製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物を水、アルコール(例えば、エタノール、ポリエチレングリコール等)、高級脂肪酸、グリセリン、セッケン、乳化剤、懸濁化剤等から選ばれるもの単独または2種以上に溶解、懸濁または乳化させて調製される。さらに、保存剤、抗酸化剤、着香剤等を含んでいてもよい。
噴霧剤、吸入剤、およびスプレー剤は、一般的に用いられる希釈剤以外に亜硫酸水素ナトリウムのような安定剤と等張性を与えるような緩衝剤、例えば塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウムあるいはクエン酸のような等張剤を含有していてもよい。スプレー剤の製造方法は、例えば米国特許第 2,868,691号および同第3,095,355 号に詳しく記載されている。
非経口投与のための注射剤としては、溶液、懸濁液、乳濁液および用時溶剤に溶解または懸濁して用いる固形の注射剤を包含する。注射剤は、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。溶剤として、例えば注射用蒸留水、生理食塩水、植物油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、エタノールのようなアルコール類等およびそれらの組み合わせが用いられる。さらにこの注射剤は、安定剤、溶解補助剤(例えば、グルタミン酸、アスパラギン酸、ポリソルベート80(登録商標)等)、懸濁化剤、乳化剤、無痛化剤、緩衝剤、保存剤等を含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか無菌操作法によって製造される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の注射用蒸留水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための点眼剤には、点眼液、懸濁型点眼液、乳濁型点眼液、用時溶解型点眼液および眼軟膏が含まれる。
これらの点眼剤は公知の方法に準じて製造される。例えば、ひとつまたはそれ以上の活性物質を溶剤に溶解、懸濁または乳化させて用いられる。点眼剤の溶剤としては、例えば滅菌精製水、生理食塩水、その他の水性溶剤または注射用非水性用剤(例えば、植物油等)等およびそれらの組み合わせが用いられる。点眼剤は、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、緩衝化剤(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、界面活性化剤(例えば、ポリソルベート80(商品名)、ステアリン酸ポリオキシル40、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等)、安定化剤(例えば、クエン酸ナトリウム、エデト酸ナトリウム等)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)等などを必要に応じて適宜選択して含んでいてもよい。これらは最終工程において滅菌するか、無菌操作法によって調製される。また無菌の固形剤、例えば凍結乾燥品を製造し、その使用前に無菌化または無菌の滅菌精製水または他の溶剤に溶解して使用することもできる。
非経口投与のための吸入剤としては、エアロゾル剤、吸入用粉末剤または吸入用液剤が含まれ、当該吸入用液剤は用時に水または他の適当な媒体に溶解または懸濁させて使用する形態であってもよい。
これらの吸入剤は公知の方法に準じて製造される。
例えば、吸入用液剤の場合には、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、着色剤、緩衝化剤(例えば、リン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム等)、等張化剤(例えば、塩化ナトリウム、濃グリセリン等)、増粘剤(例えば、カリボキシビニルポリマー等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用粉末剤の場合には、滑沢剤(例えば、ステアリン酸およびその塩等)、結合剤(例えば、デンプン、デキストリン等)、賦形剤(例えば、乳糖、セルロース等)、着色剤、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン等)、吸収促進剤などを必要に応じて適宜選択して調製される。
吸入用液剤を投与する際には、通常噴霧器(例えば、アトマイザー、ネブライザー等)が使用され、吸入用粉末剤を投与する際には、通常粉末薬剤用吸入投与器が使用される。
非経口投与のためその他の組成物としては、ひとつまたはそれ以上の活性物質を含み、常法により処方される直腸内投与のための坐剤および腟内投与のためのペッサリー等が含まれる。
一般式(I)で示される本発明化合物は、例えばN型カルシウムチャンネルの阻害作用を有することから、N型カルシウムチャンネル介在性疾患の予防および/または治療剤として有用である。
以下、参考例および実施例によって本発明を詳述するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
クロマトグラフィーによる分離の箇所およびTLCに示されているカッコ内の溶媒は、使用した溶出溶媒または展開溶媒を示し、割合は体積比を表わす。
NMRは、300MHzのHNMRの測定値であり、NMRの箇所に示されているカッコ内の溶媒は、測定に使用した溶媒を示している。
本発明化合物の命名について以下に示す。本明細書中に用いた命名は、IUPACの規則に準じた方法または一般的にIUPACの規則の命名を発生させるコンピュータ化されたシステム、ACD/NameTM(バージョン6.00、Advanced Chemistry Development Inc.社製)に基づいて行った。
実施例1
1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)−2−フェニルエタノール 塩酸塩
Figure 2005097196
10%パラジウム−炭素(4.5 mg)をメタノール(1 mL)に懸濁した後、2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール(5.0 mg)のメタノール(1 mL)溶液を加え、水素雰囲気下、室温で一晩撹拌した。反応混合物からパラジウム−炭素をろ別した。ろ液を減圧下濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(3.0 mg)を得た。
TLC : Rf 0.36 (メタノール:塩化メチレン=1:9);
NMR (CDCl3) : δ 7.30, 7.28, 7.20-7.13, 7.10, 6.94-6.87, 6.81, 4.26-4.06, 3.58, 3.14-2.93, 2.92-2.73, 2.32, 1.25-1.06。
実施例2
N,N−ジエチル−2−{4−[1−(4−メチルフェニル)−2−フェニルエチル]フェノキシ}エタンアミン 塩酸塩
Figure 2005097196
アルゴンガス雰囲気下、2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール(4.5 mg)の無水アセトニトリル(1 mL)溶液を-40℃に冷却し、トリエチルシラン(1滴)および三フッ化ホウ素エーテル錯塩(1滴)を加え、0℃まで昇温しながら2.5時間撹拌した。反応混合物を飽和炭酸カリウム水溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。10%パラジウム−炭素(5.0 mg)をメタノール(1 mL)に懸濁した後、さきほど得られた残渣のメタノール(1 mL)溶液を加え、水素雰囲気下、室温で9時間撹拌した。反応混合物からパラジウム−炭素をろ別した。ろ液を減圧下濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(5.7 mg)を得た。
TLC : Rf 0.40 (メタノール:塩化メチレン=1:9);
NMR (CDCl3) : δ 12.43, 7.22-6.96, 6.75, 4.45, 4.16, 3.41, 3.31, 3.29, 3.30-3.12, 2.29, 1.45。
実施例3
4−ヒドロキシ−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド
アルゴンガス雰囲気下、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(5.30 g)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(9.72 g)およびトリエチルアミン(7.57 mL)のアセトニトリル(100 mL)溶液を撹拌後、水浴で冷却し、4−ヒドロキシ安息香酸(5.0 g)を加え、室温で2.5時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルおよび2N塩酸を加えた。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮し、下記物性値を有する標題化合物(6.02 g)を得た。得られた残渣は精製することなく次の反応に用いた。
TLC : Rf 0.72 (クロロホルム:メタノール=9:1)。
実施例4
4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド
アルゴンガス雰囲気下、実施例3で製造した化合物(6.0 g)をアセトン(60 mL)に溶解し、(2−クロロエチル)ジエチルアミン 塩酸塩(6.28 g)、炭酸カリウム(10.5 g)およびヨウ化ナトリウム(500 mg)を加え、75℃で1時間撹拌後、ジメチルホルムアミド(50 mL)を加え、100℃で6時間撹拌した。反応混合物を冷却後、酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を水および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=19:1)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(4.62 g)を得た。
TLC : Rf 0.26 (クロロホルム:メタノール=9:1)。
実施例5
2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}エタンオン
Figure 2005097196
アルゴンガス雰囲気下、マグネシウム(729 mg)を無水テトラヒドロフラン(5 mL)中で撹拌し、1,2−ジブロモエタン(0.043 mL)を加え、冷食塩水で冷却後、1−クロロ−4−(クロロメチル)ベンゼン(1.61 g)のテトラヒドロフラン(15 mL)溶液をゆっくり滴下し、30分間-10〜0℃で撹拌することにより、クロロ(4−クロロベンジル)マグネシウム(グリニヤール試薬)を調整した。。別のフラスコにおいて、アルゴンガス雰囲気下、実施例4で製造した化合物(1.2 g)をテトラヒドロフラン(8.6 mL)に溶解し、冷食塩水で冷却し、先で調整したグリニヤール試薬(10.3 mL)を滴下し、0℃で30分間撹拌した。反応混合物を塩酸および氷水にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をヘキサンで洗浄し、下記物性値を有する標題化合物(572 mg)を得た。
TLC : Rf 0.23 (クロロホルム:メタノール=9:1)。
実施例6
2−(4−クロロフェニル)−1−(4−{2−[エチル(メチル)アミノ]エトキシ}フェニル)エタノール
Figure 2005097196
アルゴンガス雰囲気下、実施例5で製造した化合物(60 mg)のメタノール(0.3 mL)溶液を冷却後、水素化ホウ素ナトリウム(3.9 mg)を加えて、0〜20℃で1時間撹拌した。反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液にあけ、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をヘキサンで再結晶し、下記物性値を有する標題化合物(31 mg)を得た。
TLC : Rf 0.58 (クロロホルム:メタノール=4:1);
NMR (CDCl3) : δ 1.07, 2.64, 2.87, 2.98, 4.04, 4.81, 6.87, 7.07, 7.24。
実施例6(1)
{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}(4−メチルフェニル)メタノール
クロロ(4−クロロベンジル)マグネシウムの代わりにクロロ(4−クロロフェニル)マグネシウムを用いて、実施例5→実施例6と同様の操作に付すことにより、下記物性値を有する標題化合物を得た。
TLC : Rf 0.58 (クロロホルム:メタノール=4:1);
NMR (CDCl3) : δ 1.06, 2.33, 2.62, 2.85, 4.02, 5.77, 6.86, 7.14, 7.26。
実施例7
2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−フェニルエタノール
Figure 2005097196
アルゴンガス雰囲気下、実施例6で製造した化合物(50 mg)をテトラヒドロフラン(0.3 mL)に溶解し、氷水で冷却後、ブロモ(フェニル)マグネシウム(0.174 mL、1.0 mol/L THF solution)を滴下し、50℃で2時間撹拌した。反応混合物を冷却後、飽和塩化アンモニウム水溶液および氷水にあけ、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→1:2→酢酸エチル)で精製し、下記物性値を有する標題化合物(9.8 mg)を得た。
TLC : Rf 0.28 (酢酸エチル:メタノール=4:1);
NMR (CDCl3) : δ 1.06, 2.14, 2.63, 2.86, 3.55, 4.03, 6.83, 7.11, 7.30。
実施例7(1)
1−(4−クロロフェニル)−2−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−3−(4−メチルフェニル)プロパン−2−オール
ブロモ(フェニル)マグネシウムの代わりにブロモ(4−メチルベンジル)マグネシウムを用いて、実施例7と同様の操作に付すことにより、下記物性値を有する標題化合物を得た。
TLC : Rf 0.39 (酢酸エチル:メタノール=4:1);
NMR (CDCl3) : δ 1.08, 1.80, 2.26, 2.65, 2.87, 3.03, 3.21, 4.02, 6.82, 6.98, 7.11。
[生物学的実施例]
一般式(I)で示される本発明化合物がN型カルシウムチャンネル阻害活性を有することは、以下の実験によって証明された。
N型カルシウムチャンネル阻害活性
FEBS Letters (1988) 235 178-182に記載の方法に準じて細胞を分化誘導し,ホールセルパッチクランプ法を用いてN型カルシウムチャンネル電流を測定した。細胞外液の組成は以下の通りであった。123(mmol/L) TEA-Cl,5 KCl、10 BaCl2、1 MgCl2、10 HEPES-Tris、5.6 glucose、0.3μmol/L TTX、pH 7.4。測定電極は3〜6 MΩのガラス電極(電極内液組成:126(mmol/L)CsCl、11 NaCl、3 MgCl2、10 EGTA、10 HEPES-Tris、2 ATP-Mg、1 GTP-Tris、pH 7.3)を用いた。L型カルシウムチャンネル電流は細胞外液にニフェジピンを加えることにより抑制した。
保持電位-100mVから刺激電位0mV、50ミリ秒間の矩形波(刺激パルス)で脱分極刺激すると、内向き電流が記録された。この電流はN型カルシウムチャンネル阻害剤ω-コノトキシンMVIIAで抑制されたことから、N型カルシウムチャンネルを通過する電流と考えられた。本発明化合物を細胞外液に60秒間添加した後に刺激パルスを10Hzで20回加え、内向き電流のピーク値を測定した。20回目の刺激パルスを加えた際に生ずるN型カルシウムチャンネル電流の抑制%を次式より算出した。
本発明化合物(3μM)N型カルシウムチャンネル電流抑制%(抑制%)=(1−本発明化合物添加時の内向き電流ピーク値/化合物非添加時の内向き電流ピーク値)×100
その結果、2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノールが81%のN型カルシウムチャンネル電流抑制効果を示した。
[製剤例]
本発明の実施に用いられうる製剤例を以下に示す。
製剤例1
以下の各成分を常法により混合した後打錠して、一錠中に10mgの活性成分を含有する錠剤1万錠を得た。
・2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール(100g);
・カルボキシメチルセルロースカルシウム(崩壊剤)(20.0g);
・ステアリン酸マグネシウム(潤滑剤)(10.0g);
・微結晶セルロース(870g)。
製剤例2
以下の各成分を常法により混合した後、除塵フィルターでろ過し、5mlずつアンプルに充填し、オートクレーブで加熱滅菌して、1アンプル中20mgの活性成分を含有するアンプル1万本を得た。
・2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノール(200g);
・マンニトール(2kg);
・蒸留水(50L)。
一般式(I)で示される本発明化合物は、N型カルシウムチャンネル阻害作用を有することから、N型カルシウムチャンネル介在性疾患に対する予防および/または治療剤として有用である。そのため、本発明化合物は医薬品として利用可能である。

Claims (12)

  1. 一般式(I)
    Figure 2005097196
    (式中、環Aは置換基を有していてもよい環状基を表わし、Wは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、または−NR−基を表わし、Rは水素原子、または置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、Xは主鎖の原子数1ないし10のスペーサーを表わすか、Xで示されるスペーサーの原子1つは環Aの置換基と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよく、Vは結合手、または主鎖の原子数1ないし3のスペーサーを表わし、Qは水素原子、または保護基を有していてもよい水酸基、保護基を有していてもよいメルカプト基、または保護基を有していてもよいアミノ基を表わし、Rは−OR基、−SR基、または−NR基を表わし、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい環状基を表わすか、またはRとRは隣接する窒素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよく、Rは水素原子、または−Y−Z基を表わし、Rは水素原子、または−Y−Z基を表わし、YおよびYはそれぞれ独立して、結合手、または主鎖の原子数1ないし10のスペーサーを表わし、ZおよびZはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状基を表わす。ただし、RおよびRは同時に水素原子ではない。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグを含有してなるカルシウムチャンネル阻害剤。
  2. カルシウムチャンネルがN型である請求項1記載の剤。
  3. N型カルシウムチャンネル介在性疾患の予防および/または治療剤である請求項2記載の剤。
  4. 痛みの予防および/または治療剤である請求項2記載の剤。
  5. 痛みが急性痛、慢性痛、術後痛、癌性疼痛、神経痛、または感染性疼痛である請求項4記載の剤。
  6. 環Aが置換基を有していてもよい単環式炭素環である請求項2記載の剤。
  7. 単環式炭素環がベンゼン環である請求項6記載の剤。
  8. 一般式(IA)
    Figure 2005097196
    (式中、Qは保護基を有していてもよい水酸基を表わし、環Aは置換基を有していてもよい単環式炭素環を表わし、その他の記号は請求項1記載と同じ意味を表わす。)で示される請求項2記載の剤。
  9. さらにオピオイド受容体作動薬、および非ステロイド系抗炎症薬から選ばれる1種または2種以上とを組み合わせてなる請求項2記載の剤。
  10. 請求項1記載の化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの有効量を哺乳動物に投与することを特徴とする、哺乳動物におけるカルシウムチャンネル介在性疾患の予防および/または治療方法。
  11. カルシウムチャンネル介在性疾患の予防および/または治療剤を製造するための請求項1記載の化合物またはその塩、またはそのプロドラッグの使用。
  12. 一般式(I)
    Figure 2005097196
    (式中、環Aは置換基を有していてもよい環状基を表わし、Wは酸素原子、酸化されていてもよい硫黄原子、または−NR−基を表わし、Rは水素原子、または置換基を有していてもよいアルキル基を表わし、Xは主鎖の原子数1ないし10のスペーサーを表わすか、Xで示されるスペーサーの原子1つは環Aの置換基と一緒になって、置換基を有していてもよい環を形成してもよく、Vは結合手、または主鎖の原子数1ないし3のスペーサーを表わし、Qは水素原子、または保護基を有していてもよい水酸基、保護基を有していてもよいメルカプト基、または保護基を有していてもよいアミノ基を表わし、Rは−OR基、−SR基、または−NR基を表わし、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、または置換基を有していてもよい環状基を表わすか、またはRとRは隣接する窒素原子と一緒になって、置換基を有していてもよい含窒素複素環を形成してもよく、Rは水素原子、または−Y−Z基を表わし、Rは水素原子、または−Y−Z基を表わし、YおよびYはそれぞれ独立して、結合手、または主鎖の原子数1ないし10のスペーサーを表わし、ZおよびZはそれぞれ独立して、置換基を有していてもよい環状基を表わす。ただし、RおよびRは同時に水素原子ではなく、および2−(4−クロロフェニル)−1−{4−[2−(ジエチルアミノ)エトキシ]フェニル}−1−(4−メチルフェニル)エタノールではない。)で示される化合物、その塩、そのN−オキシド体またはその溶媒和物、またはそのプロドラッグ。
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