JP2005089646A - 植生基盤材に於ける土壌安定剤及びこの土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法及びこの土壌安定剤が利用される植生基盤材 - Google Patents
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Abstract
【課題】 何処にでもある河川や湖沼の底泥をリサイクル利用し循環型社会の一部を担うことを可能にするとともに、経済コスト削減することを可能にし、更には、植生基盤材を法面等の地表面に吹付ける際に、この植生基盤材に極めて優れた固着安定性を具備させることができる土壌安定剤と、この土壌安定剤を利用した緑化吹付工法とこの土壌安定剤を利用した植生基盤材の提供。
【解決手段】 植生基盤材を斜面に固着させるための土壌安定剤であり、河川や湖沼の底泥と、セメントと、硫酸アルミニウムとを含有することを特徴とする植生基盤材に於ける土壌安定剤。
ことを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 植生基盤材を斜面に固着させるための土壌安定剤であり、河川や湖沼の底泥と、セメントと、硫酸アルミニウムとを含有することを特徴とする植生基盤材に於ける土壌安定剤。
ことを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、河川や湖沼の底泥をリサイクル利用して調整した植生基盤材を法面等の地表に吹付ける緑化吹付け工法を行う際に、この植生基盤材に極めて優れた固着安定性を具備させることができる土壌安定剤と、この土壌安定剤が利用される植生発芽生育に優れた植生基盤材と、この土壌安定剤及び植生基盤材を利用する緑化吹付け工法に関する発明である。
従来、道路や造成地などの法面保護と環境保全、あるいは土木工事現場の最終的な修景を目的として、緑化吹付け工法が用いられている。この緑化吹付け工法は、植生基盤材に、水、肥料、種子及び土壌安定剤(糊剤あるいは粘結剤)等を混練して調製し、この混練物をモルタル吹付機等で法面に吹付ける工法であった。この植生基盤材には、バーク堆肥、またはバーク堆肥と輸入ピートモス等の混合物が使用されていた。
しかしながら、上記するような従来の土壌安定剤は、土壌粒子を結合するために樹脂ポリマーを主体とするため、その硬化速度が遅く、法面に吹付けた植生基材が完全に固化し安定な状態で法面に定着するまでに2〜3日程度の長い時間が必要であった為、短時間で吹付け面を形成することが困難であり、特に少量の降雨に対しても施工困難となる問題点を有していた。
しかしながら、上記するような従来の土壌安定剤は、土壌粒子を結合するために樹脂ポリマーを主体とするため、その硬化速度が遅く、法面に吹付けた植生基材が完全に固化し安定な状態で法面に定着するまでに2〜3日程度の長い時間が必要であった為、短時間で吹付け面を形成することが困難であり、特に少量の降雨に対しても施工困難となる問題点を有していた。
上記した問題点を解決する為に、短時間で植生基盤材が安定して法面に固着するように、石炭灰を主成分とする土壌安定剤が創出されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
上記した発明においては火力発電所の燃焼工程に於いて発生するフライアッシュやクリンカアッシュを利用することで、産業廃棄される資源をリサイクル資源として利用し、経済コストを削減しようとして植生基盤材が創出されている(例えば、特許文献1,2又は3を参照)。
同様に、河川や湖沼の浚渫された底泥などの発生土を植生基盤材に利用することで、植生基盤材の材料を何処でも供給することができると共に底泥をリサイクル利用する方法が考えられている。
しかしながら、底泥を混入しただけの植生基盤材は、法面に吹付けられる際に安定して固着できず、従来の植生基盤材(厚層基材吹付工で使用される基盤材)と変わらず、法面に安定して固定するための網状の金具(ラス金網)等を必要する問題を抱えていた。
同様に、河川や湖沼の浚渫された底泥などの発生土を植生基盤材に利用することで、植生基盤材の材料を何処でも供給することができると共に底泥をリサイクル利用する方法が考えられている。
しかしながら、底泥を混入しただけの植生基盤材は、法面に吹付けられる際に安定して固着できず、従来の植生基盤材(厚層基材吹付工で使用される基盤材)と変わらず、法面に安定して固定するための網状の金具(ラス金網)等を必要する問題を抱えていた。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたもので、何処にでもある河川や湖沼の底泥をリサイクル利用し循環型社会の一部を担うことを可能にするとともに、経済コスト削減することを可能にし、更には、植生基盤材を法面等の地表面に吹付ける際に、この植生基盤材に極めて優れた固着安定性を具備させることができる土壌安定剤と、この土壌安定剤を利用した緑化吹付工法とこの土壌安定剤を利用した植生基盤材を提供する。
請求項1記載の発明は、植生基盤材を斜面に固着させるための土壌安定剤であり、河川や湖沼の底泥と、セメントと、硫酸アルミニウムとを含有することを特徴とする植生基盤材に於ける土壌安定剤を提供する。
請求項2記載の発明は、前記底泥は、乾燥されるとともに微粉砕されていることを特徴とする請求項1に記載の植生基盤材に於ける土壌安定剤を提供する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の土壌安定剤と、バーク堆肥を含有する植生基盤材と、植生種子、肥料及び水を混練して調整し、この混練物を斜面に吹付けることを特徴とする土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法を提供する。
請求項4記載の発明は、前記植生基盤材は、河川や湖沼の底泥を含有することを特徴とする土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法を提供する。
請求項5記載の発明は、前記混練物は、1m3当たり前記植生基盤材2000リットルに対して、前記土壌安定剤が5〜25kgの割合で混練されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法を提供する。
請求項6記載の発明は、前記植生基盤材が含有する前記バーク堆肥と前記底泥の混合比は、前記バーク堆肥:底泥の比が1:0.05〜0.5であることを特徴とする請求項3に記載の土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法を提供する。
請求項7記載の発明は、請求項3又は6に記載の土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法で使用される植生基盤材であって、該植生基盤材の前記底泥は、水分を調整されるとともに破砕されていることを特徴とする土壌安定剤が利用される植生基盤材を提供する。
これらの発明を提供することにより、上記課題を悉く解決する。
請求項2記載の発明は、前記底泥は、乾燥されるとともに微粉砕されていることを特徴とする請求項1に記載の植生基盤材に於ける土壌安定剤を提供する。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の土壌安定剤と、バーク堆肥を含有する植生基盤材と、植生種子、肥料及び水を混練して調整し、この混練物を斜面に吹付けることを特徴とする土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法を提供する。
請求項4記載の発明は、前記植生基盤材は、河川や湖沼の底泥を含有することを特徴とする土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法を提供する。
請求項5記載の発明は、前記混練物は、1m3当たり前記植生基盤材2000リットルに対して、前記土壌安定剤が5〜25kgの割合で混練されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法を提供する。
請求項6記載の発明は、前記植生基盤材が含有する前記バーク堆肥と前記底泥の混合比は、前記バーク堆肥:底泥の比が1:0.05〜0.5であることを特徴とする請求項3に記載の土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法を提供する。
請求項7記載の発明は、請求項3又は6に記載の土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法で使用される植生基盤材であって、該植生基盤材の前記底泥は、水分を調整されるとともに破砕されていることを特徴とする土壌安定剤が利用される植生基盤材を提供する。
これらの発明を提供することにより、上記課題を悉く解決する。
請求項1乃至2に記載の発明によって、何処にでもある河川や湖沼の底泥をリサイクル利用することを可能にすると共に経済コストを削減することを可能にする植生基材を法面等の地表に吹き付けて緑化吹付工法を行う際に、この植生基盤材に極めて優れた固着安定性を具備させることができる河川や湖沼の底泥を含有する植生基盤材に於ける土壌安定剤を提供することができる。
請求項3乃至6に記載の発明によって、何処にでもある河川や湖沼の底泥をリサイクル利用することを可能にすると共に、経済コストを削減することを可能にする植生基盤材を、法面等の地表面に吹き付けて緑化吹付工を行うことを可能にする底泥を含有する植生基盤材を利用した緑化吹付工法を提供することができる。
請求項7記載の発明によって、植生基盤材に使用される底泥が乾燥されるとともに破砕されているので、植生基盤材に容易に混練することができるとともに植生基盤材に含まれる種子の発芽が効率良く行われる植生基盤材を提供することができる。
本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
本発明で好適に使用される植生基盤材は、樹木等の皮を細かくしたバーク堆肥と、河川や湖沼の底泥と混練して調製される。
本発明で好適に使用される植生基盤材は、樹木等の皮を細かくしたバーク堆肥と、河川や湖沼の底泥と混練して調製される。
この植生基盤材に於いて使用される底泥は、河川や湖沼の底に蓄積された汚泥である。この底泥は、植生基盤材の増量材として使用されるため、河川や湖沼の底に蓄積される汚泥であれば任意の場所から採取される汚泥が利用できる。
植生基盤材として混練される際には、この底泥は、十分乾燥させて微粉砕して使用されることが好ましいが、特に限定されるものではなく、河川や湖沼から採取されて含水している状態で、植生基盤材として底泥を混練しても構わない。
植生基盤材として混練される際には、この底泥は、十分乾燥させて微粉砕して使用されることが好ましいが、特に限定されるものではなく、河川や湖沼から採取されて含水している状態で、植生基盤材として底泥を混練しても構わない。
上記したバーク堆肥と底泥の混合比は、特に限定はしないが、バーク堆肥:底泥の比が1:0.1〜0.5であることが好ましく、更に好ましくは、1:0.1〜0.4である。上記した混合比で混練させることにより、従来の植生基盤材と同様の効果を奏するからである。
上記した底泥を利用した植生基盤材を安定して法面に吹付けるための底泥混入の土壌安定剤について説明する。
この底泥混入の土壌安定剤は、湖沼や河川の底泥と、セメント、硫酸アルミニウム(Al2O3)とを含有している。
この土壌安定剤に含有される底泥の重量%は、50〜90重量%であり、好ましくは60〜80重量%である。この土壌安定剤に使用される底泥は、50〜500メッシュに、更に好ましくは、100〜400メッシュに調整されていることが好ましい。
この土壌安定剤に使用されるセメントは、早強又は普通ポルトランドセメントが好ましく、このセメントの重量%は、5〜30重量%であり、好ましくは、10〜25重量%である。
この土壌安定剤に含有される硫酸アルミニウムの重量%は、0.1〜5.0重量%であり、好ましくは1.0〜4.0重量%である。
更に、この土壌安定剤は、調整剤として、特に限定されないが、シリカヒュームや硫酸カルシウム、過燐酸石灰等を混入しても構わない。
この底泥混入の土壌安定剤は、湖沼や河川の底泥と、セメント、硫酸アルミニウム(Al2O3)とを含有している。
この土壌安定剤に含有される底泥の重量%は、50〜90重量%であり、好ましくは60〜80重量%である。この土壌安定剤に使用される底泥は、50〜500メッシュに、更に好ましくは、100〜400メッシュに調整されていることが好ましい。
この土壌安定剤に使用されるセメントは、早強又は普通ポルトランドセメントが好ましく、このセメントの重量%は、5〜30重量%であり、好ましくは、10〜25重量%である。
この土壌安定剤に含有される硫酸アルミニウムの重量%は、0.1〜5.0重量%であり、好ましくは1.0〜4.0重量%である。
更に、この土壌安定剤は、調整剤として、特に限定されないが、シリカヒュームや硫酸カルシウム、過燐酸石灰等を混入しても構わない。
これらを混練物として調製することによって、この土壌安定剤が針状のミクロの結晶エトリンガイト(Ca6Al2(SO4)3(OH)2・26H2O)やケイ酸カルシウム水和物(CaO・nSiO2・xH2O)等が客土内部や植生基盤材の水を消費しながら生成されることとなる。
この結晶エトリンガイト(1)は、吹付けが行われる法面層等の土層(2)の間隙へ侵入して硬化する。このように間隙へ侵入して硬化するので、あたかも植生基盤材層(3)を針で突き刺すように、しっかりと上層(2)へと固着することができる(図1参照)。尚、図1の楕円形や円形は、土粒子や水粒子を表している。
以上が土壌安定剤の説明である。
この結晶エトリンガイト(1)は、吹付けが行われる法面層等の土層(2)の間隙へ侵入して硬化する。このように間隙へ侵入して硬化するので、あたかも植生基盤材層(3)を針で突き刺すように、しっかりと上層(2)へと固着することができる(図1参照)。尚、図1の楕円形や円形は、土粒子や水粒子を表している。
以上が土壌安定剤の説明である。
本発明に係る土壌安定剤を利用する緑化吹付工法について説明する。
本発明で利用する植生基盤材は、バーク堆肥と底泥を、バーク堆肥:底泥の比が1:0.05〜0.5になるように混練して生成される。
この時、生成される植生基盤材に使用される底泥は、水分を調整されるとともに破砕されていることが好ましい。
本発明で利用する植生基盤材は、バーク堆肥と底泥を、バーク堆肥:底泥の比が1:0.05〜0.5になるように混練して生成される。
この時、生成される植生基盤材に使用される底泥は、水分を調整されるとともに破砕されていることが好ましい。
土壌安定剤は、底泥50〜90重量%、セメント5〜30重量%、硫酸アルミニウム(Al2O3)0.1〜5.0重量%を含有するように調製する。
調製された土壌安定剤を植生基盤材と混練して混練物を生成する。この混練物は、1m3当たり植生基盤材2000リットルに対して、土壌安定剤が10〜25kgの割合で混練される。
上記した混練物には、植生種子、肥料及び水を同時に配合して混練する。
配合される植生種子の量や種類は、特に限定されず、使用者が選択且つ調整すれば構わない。
調製された土壌安定剤を植生基盤材と混練して混練物を生成する。この混練物は、1m3当たり植生基盤材2000リットルに対して、土壌安定剤が10〜25kgの割合で混練される。
上記した混練物には、植生種子、肥料及び水を同時に配合して混練する。
配合される植生種子の量や種類は、特に限定されず、使用者が選択且つ調整すれば構わない。
(実施例)
従来技術による土壌安定剤(特許文献1に開示される土壌安定剤を指し、以下従来土壌安定剤と称する)による従来の植生基盤材の固着安定性と、本発明に係る土壌安定剤を使用して底泥を使用した植生基盤材の固着安定性との比較を行う。尚、本発明の配合例と従来技術の比較を行うが、本発明の配合例はこれらに限定されるものではない。
植生基盤材層の安定性の有無を調査する方法は、従来の緑化吹き付けに於ける植生基盤材の吹き付け(以下に表示される第0案配合の植生基盤材であり、第0案配合と有する)と比較することで安定性の有無を調査する。具体的には、六分・八分勾配架台に各配合例の植生基盤材を吹付けて所定時間経過後(例えば、1週間後、1ヵ月後等)の植生基盤材の状態を、同時間経過後の第0案配合に於ける植生基盤材層の状態と比較して、吹付けを行った基盤材の経時変化と滑落、ひび割れ、浮きの有無などの状態を観察し、従来の植生基盤材層と比較し、同等または同等以上の状態であれば安定性を有していると判断できる。
従来技術による土壌安定剤(特許文献1に開示される土壌安定剤を指し、以下従来土壌安定剤と称する)による従来の植生基盤材の固着安定性と、本発明に係る土壌安定剤を使用して底泥を使用した植生基盤材の固着安定性との比較を行う。尚、本発明の配合例と従来技術の比較を行うが、本発明の配合例はこれらに限定されるものではない。
植生基盤材層の安定性の有無を調査する方法は、従来の緑化吹き付けに於ける植生基盤材の吹き付け(以下に表示される第0案配合の植生基盤材であり、第0案配合と有する)と比較することで安定性の有無を調査する。具体的には、六分・八分勾配架台に各配合例の植生基盤材を吹付けて所定時間経過後(例えば、1週間後、1ヵ月後等)の植生基盤材の状態を、同時間経過後の第0案配合に於ける植生基盤材層の状態と比較して、吹付けを行った基盤材の経時変化と滑落、ひび割れ、浮きの有無などの状態を観察し、従来の植生基盤材層と比較し、同等または同等以上の状態であれば安定性を有していると判断できる。
表1に於いて,第0案配合は従来の土壌安定剤を利用し、第1〜3案配合は本発明に係る土壌安定剤を有している。第0案配合は従来の石炭灰であるフライアッシュを利用する植生基盤材に於ける配合であり、第1案配合はフライアッシュの代わりに底泥を使用した場合の配合であり、第2案配合はフライアッシュと底泥を同量配合した際の配合であり、第3案配合は底泥を少量(7.12重量%)を配合した際の配合を表している。尚、底泥は琵琶湖の赤野井湾にて浚渫された底泥を採取し、300メッシュに乾燥・微粉砕したものを利用した。以下、成分中にはセメントや重金属類を無害化(不溶出化)させる為の無機系添加物などを含んでいる。
第1〜3案配合の植生基盤材の固着安定性と第0案配合に於ける配合(従来土壌安定剤を使用する従来の植生基盤材)を実際に法面に吹付けて植生基盤材層の安定性を比較する。
上記した従来案と第1〜3案配合を法面に吹付けて、これら植生基盤材層の固着安定性の比較を行ったところ、4つの植生基盤材層は概ね同様の固着安定度を有していた。従って、本発明の土壌安定剤を利用することで、フライアッシュ(石炭灰)を使用せずに、河川や湖沼の底泥を利用しても、従来案で提供される植生基盤材と同様の安定した土層に対する固着が、底泥を利用した植生基盤材に具備させることが解った。
更に、第2及び第3案配合から、この土壌安定剤を使用することによって、フライアッシュを含んだ植生基盤材であっても十分に固着安定性を具備させることができる事が解った。
第1〜3案配合の植生基盤材の固着安定性と第0案配合に於ける配合(従来土壌安定剤を使用する従来の植生基盤材)を実際に法面に吹付けて植生基盤材層の安定性を比較する。
上記した従来案と第1〜3案配合を法面に吹付けて、これら植生基盤材層の固着安定性の比較を行ったところ、4つの植生基盤材層は概ね同様の固着安定度を有していた。従って、本発明の土壌安定剤を利用することで、フライアッシュ(石炭灰)を使用せずに、河川や湖沼の底泥を利用しても、従来案で提供される植生基盤材と同様の安定した土層に対する固着が、底泥を利用した植生基盤材に具備させることが解った。
更に、第2及び第3案配合から、この土壌安定剤を使用することによって、フライアッシュを含んだ植生基盤材であっても十分に固着安定性を具備させることができる事が解った。
(表1)の試験例の結果より底泥を利用しても十分に植生基盤材層を固着させることが解ったので、最も効果的な土壌安定剤を検出する。
土壌安定剤に於ける底泥と、セメント、硫酸アルミニウムの重量%濃度を変更させて各配合率に於ける植生基盤材層の安定性を第0案配合(従来の無機系植生基材吹付)に於ける安定性と比較する。
表2は、本発明に係る土壌安定剤に於ける底泥、セメント、硫酸アルミニウムのそれぞれの配合率に於ける植生基盤材の安定性を従来の植生基盤材と比較した表である。尚、各配合率と比較するため、植生基盤材は同一の配合のものを使用した。表2では、安定性を4段階で判定し,従来の植生基盤材と同様又はそれ以上の安定性を有していれば○と表示し、従来の植生基盤材よりも安定性が僅かに劣っていれば△と表示し、従来の植生基盤材よりも安定性を有していなければ×と表示し、土壌安定剤として効果が期待できない場合は−と表示している。
土壌安定剤に於ける底泥と、セメント、硫酸アルミニウムの重量%濃度を変更させて各配合率に於ける植生基盤材層の安定性を第0案配合(従来の無機系植生基材吹付)に於ける安定性と比較する。
表2は、本発明に係る土壌安定剤に於ける底泥、セメント、硫酸アルミニウムのそれぞれの配合率に於ける植生基盤材の安定性を従来の植生基盤材と比較した表である。尚、各配合率と比較するため、植生基盤材は同一の配合のものを使用した。表2では、安定性を4段階で判定し,従来の植生基盤材と同様又はそれ以上の安定性を有していれば○と表示し、従来の植生基盤材よりも安定性が僅かに劣っていれば△と表示し、従来の植生基盤材よりも安定性を有していなければ×と表示し、土壌安定剤として効果が期待できない場合は−と表示している。
この土壌安定材の最適な配合率は、底泥50〜80重量%、セメント(早強セメント)10〜25重量%、硫酸アルミニウム1.0〜4.0重量%であることが解った。
次に、表2の結果から得られた好適な土壌安定剤の配合を有する土壌安定剤を利用して、底泥を含有する植生基盤材の安定性を調べる。この土壌安定剤は、底泥70重量%、早強セメント17重量%、硫酸アルミニウム0.5重量%に調製されたものを利用する。尚、残りは調整剤や重金属類不溶化剤を混入する。
このようにして調製して得られた混練物を法面(2)等の地表面に吹付ける。この時、この土壌安定剤によって、結晶エトリンガイト(Ca6Al2(SO4)3(OH)2・26H2O)の結晶が、植生基盤材の水を消費しながら土層(2)に侵入して硬化して生成され、あたかも針状の結晶が吹付けされる法面層の土層(2)へ突き刺さるようになり、植生基盤材層(3)を土層(2)へ安定して固着させることができる(図1参照)。
上記した植生基盤材(3)を吹付けた植生基盤材層と、従来の厚層基材吹付工法によって吹付けられた植生基盤材層を、その後の経過を比較観察する。
以下の(表4)にこの比較結果を示す。
以下の(表4)にこの比較結果を示す。
3・・・・植生基盤材(植生基盤材層)
Claims (7)
- 植生基盤材を斜面に固着させるための土壌安定剤であり、河川や湖沼の底泥と、セメントと、硫酸アルミニウムとを含有することを特徴とする植生基盤材に於ける土壌安定剤。
- 前記底泥は、乾燥されるとともに微粉砕されていることを特徴とする請求項1に記載の植生基盤材に於ける土壌安定剤。
- 請求項1又は2に記載の土壌安定剤と、バーク堆肥を含有する植生基盤材と、植生種子、肥料及び水を混練して調整し、この混練物を斜面に吹付けることを特徴とする土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法。
- 前記植生基盤材は、河川や湖沼の底泥を含有することを特徴とする土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法。
- 前記混練物は、1m3当たり前記植生基盤材2000リットルに対して、前記土壌安定剤が5〜25kgの割合で混練されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法。
- 前記植生基盤材が含有する前記バーク堆肥と前記底泥の混合比は、前記バーク堆肥:底泥の比が1:0.05〜0.5であることを特徴とする請求項3に記載の土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法。
- 請求項3又は6に記載の土壌安定剤を利用した緑化吹付け工法で使用される植生基盤材であって、該植生基盤材の前記底泥は、水分を調整されるとともに破砕されていることを特徴とする土壌安定剤が利用される植生基盤材。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103843488A (zh) * | 2013-09-09 | 2014-06-11 | 轻工业环境保护研究所 | 以重金属污染底泥于石漠化地表构建耕作层土壤的方法 |
CN109041691A (zh) * | 2018-08-13 | 2018-12-21 | 紫金矿业集团股份有限公司 | 利用石灰中和泥渣机械喷播修复矿区陡坡的方法 |
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2003
- 2003-09-18 JP JP2003326423A patent/JP2005089646A/ja active Pending
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