JP2005088686A - 助手席用エアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアバッグの展開膨張時において、乗員側となる面を、略鉛直方向に沿わせるとともに、上下左右に広く展開させた略平面状として、移動速度を一層抑えた状態で、車両後方側に向かって移動可能とし、乗員を的確に保護可能な助手席用エアバッグ装置の提供。
【解決手段】膨張用ガスの流入時に膨張可能に折り畳まれて収納されるエアバッグ10を備えた助手席用エアバッグ装置。エアバッグ10が、略上下方向に貫通した中央孔11を配置させて、周囲の膨らむ基布によって中央孔11が閉塞されるように膨張を完了させる環状体とされる。エアバッグ10が、内周側基布22と外周側基布26とを備える。エアバッグ10が、展開膨張時に、外周側基布26の乗員側面を、略鉛直方向に沿わせるとともに、上下左右に広く展開させた略平面状として、移動可能とする乗員側面の案内移動手段GMを備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、助手席前方のインストルメントパネル(以下、インパネと省略する)に配置される助手席用エアバッグ装置に関する。
従来、助手席用エアバッグ装置では、ケース内に折り畳まれて収納されるエアバッグが、展開膨張時、ガス流入口から膨張用ガスを流入させて、インストルメントパネルに配置されたドアを押し開いて突出し、車両の後方側へ展開膨張していた。そして、従来の助手席用エアバッグ装置では、展開膨張時に、乗員側へ部分的な押圧力を作用させないように、乗員側となる面が広く開いた状態で、かつ、移動速度を抑えた状態で、乗員側へ突出させるように、エアバッグを折り畳んで収納させていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−255004公報
そして、従来の助手席用エアバッグ装置では、膨張完了時においてガス流入口と略直交するように配設されて乗員側となる面の上端付近が、収納状態において、ガス流入口と対向するように配設されている。そのため、エアバッグの展開膨張時において、乗員側面が略鉛直方向に沿うように展開することとなっていた。しかし、従来の助手席用エアバッグ装置では、乗員側となる面の移動速度の低減に、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、エアバッグの展開膨張時において、乗員側となる面を、略鉛直方向に沿わせるとともに、上下左右に広く展開させた略平面状として、移動速度を一層抑えた状態で、車両後方側に向かって移動可能とし、乗員を的確に保護可能な助手席用エアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係る助手席用エアバッグ装置は、膨張用ガスの流入時に膨張可能に折り畳まれて収納されるエアバッグと、
折り畳んだエアバッグを収納して保持するとともに、助手席前方のインストルメントパネルから、膨張時のエアバッグを車両後方側へ突出可能に、配設されるケースと、
を備えた助手席用エアバッグ装置であって、
エアバッグが、
略上下方向に貫通した中央孔を配置させて、周囲の膨らむ基布によって中央孔が閉塞されるように膨張を完了させる環状体として構成されるとともに、
中央孔の内周面側に位置する内周側基布と、膨張完了時の内周側基布と対向するようにエアバッグの外周面側に位置する外周側基布と、を備えて構成され、
さらに、外周側基布における前部側に、周縁をケースに取り付けて膨張用ガスの流入用として開口されるガス流入口を配設させるとともに、
展開膨張時において、外周側基布における乗員側となる面を、略鉛直方向に沿わせるとともに、上下左右に広く展開させた略平面状として、車両後方側に向かって移動可能とするように、乗員側面の案内移動手段を設けて構成されていることを特徴とする。
本発明の助手席用エアバッグ装置では、エアバッグが、略上下方向に貫通した中央孔を配置させた環状体として構成されている。すなわち、エアバッグの展開膨張時において、ガス流入口から流入した膨張用ガスが、直接、乗員側となる面に向かって流入せず、エアバッグの形状に沿って左右方向に広がるように、流入することとなる。そのため、後方側に大きく突出するのを抑えられた状態で、エアバッグが左右方向に大きく広がるように膨張することとなる。その結果、エアバッグの展開膨張時における乗員側となる面の後方側への移動速度を抑えることができる。
また、本発明の助手席用エアバッグ装置では、エアバッグが、展開膨張時において、乗員側面を、略鉛直方向に沿わせるとともに、上下左右に広く展開させた略平面状として、車両後方側に向かって移動可能とするように、乗員側面の案内移動手段を設けて構成されている。すなわち、本発明の助手席用エアバッグ装置では、エアバッグが、展開膨張初期時、左右方向のみならず上下方向にも大きく広がるように、膨張することとなる。その結果、乗員側面を上下左右方向に広く展開させた状態で、この乗員側面を車両後方側に向かって移動させるようにして、エアバッグが展開膨張することとなり、乗員側面が前進してくる乗員と干渉することとなっても、乗員側へ部分的な押圧力を作用させることなく、乗員を的確に保護することができる。
従って、本発明の助手席用エアバッグ装置では、エアバッグの展開膨張時において、乗員側となる面を、略鉛直方向に沿わせるとともに、上下左右に広く展開させた略平面状として、移動速度を一層抑えた状態で、車両後方側に向かって移動可能とし、乗員を的確に保護することができる。
なお、本発明の助手席用エアバッグ装置では、エアバッグが略上下方向に貫通した中央孔を備える構成とされていても、この中央孔は、エアバッグの膨張完了時には閉塞されることとなる。そのため、所定の内圧を確保できて、膨張を完了したエアバッグにより、乗員を安定して保護することができる。
そして、案内移動手段は、エアバッグの折り畳みから構成し、
折り畳みを、予備折りと、予備折り後の縦折り及び横折りと、からなる構成として、
予備折り後のエアバッグを、非膨張の状態で、ガス流入口を下面側に位置させるとともに、ガス流入口の上方に、内周側基布を介在させて、外周側基布の後上部付近を、配置させて、略左右対称形の平らに展開させた形状とするとともに、
外周側基布における乗員側面の上端近傍となる位置を、ガス流入口と対向する位置に、配置させた構成としてもよい。
助手席用エアバッグ装置を上記構成とすれば、エアバッグの膨張初期において、外周側基布における乗員側面の上端付近の部位が、ガス流入口から流入する膨張用ガスの押圧力によって、内周側基布を介して、先行して上方へ押し上げられることとなる。そして、この乗員側面の上端付近の部位が、押し上げられることによって、横折りや縦折りの折目が素早く解消されることとなり、エアバッグが上下左右に沿って、展開することとなる。
さらに、案内移動手段は、エアバッグ内に配設されて、ガス流入口から流入した膨張用ガスを整流可能な整流手段から、構成し、
整流手段を、エアバッグにおけるガス流入口側の部位となる前側部位よりも後部側となる部位に配設されるとともに、膨張用ガスを上下方向に向かうように整流可能な構成としてもよい。
助手席用エアバッグ装置を上記構成とすれば、ガス流入口から流入した膨張用ガスが、一旦、エアバッグの形状に沿って、左右方向に沿うように流入した後、前側部位よりも後部側となる部位に配設される整流手段により上下方向に向かうように、流入することとなる。そのため、エアバッグの膨張部が、上下左右に広く展開されることとなり、乗員側となる面を、上下左右に、より一層広く展開させることが可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の助手席用エアバッグ装置Mは、図1・2に示すように、インパネ(インストルメントパネル)1の表面における上面1a側の内部に配置されるトップマウントタイプである。このエアバッグ装置Mは、折り畳まれたエアバッグ10と、エアバッグ10に膨張用ガスを供給するインフレーター52と、エアバッグ10及びインフレーター52を収納保持するケース54と、エアバッグ10をケース54に取り付けるためのリテーナ50と、折り畳まれたエアバッグ10を覆うエアバッグカバー61と、を備えて構成されている。
エアバッグカバー61は、図1・2に示すように、実施形態の場合、インパネ1と一体的に形成されている。このインパネ1は、裏面側のポリプロピレン等の硬質合成樹脂からなるベース部2と、ベース部2の外表面側を覆う発泡ポリウレタン等の発泡層とスキン層とを有した被覆層3と、を備えて構成されている。そして、エアバッグカバー61の部位には、ベース部2の代わりに、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の軟質合成樹脂製の軟質部4が配設されている。このエアバッグカバー61は、周囲に薄肉の破断予定部64を配置させた二つの扉部62F・62Bを配設させて、構成されている。破断予定部64は、インパネ1の上方から見てH字形状に配置されており、二つの扉部62F・62Bが、それぞれ、前端側と後端側とをヒンジ部63として、前後両側に開くように、構成されている。
また、エアバッグカバー61の部位には、扉部62F・62Bの配置位置を囲むように、裏面側から下方へ突出する略四角筒形状の連結壁部65が、配設されている。連結壁部65における、前後方向で対向する壁部65a・65bの所定位置には、複数の係止孔66が貫通されている。これらの係止孔66には、ケース54に形成された係止爪60が挿入されることとなり、連結壁部65が係止爪60に係止されることとなる。各係止爪60の連結壁部65の係止は、連結壁部65とケース54との連結状態を確保して、膨張時のエアバッグ10が、円滑に、扉部62F・62Bを押し上げて破断予定部64を破断できるようにするためである。
なお、軟質部4は、実施形態の場合、エアバッグカバー61の各扉部62F・62Bの裏面側と、連結壁部65自体と、扉部62F・62Bの各ヒンジ部63付近のインパネ1の裏面側において連結壁部65を越えた前後部位と、に配置されている。
ケース54は、図1・2に示すように、上端側に長方形状の開口54aを有した板金製の略直方体状に形成され、長方形板状の底壁部55と、底壁部55の外周縁から略四角筒形状に、エアバッグカバー61側の上方へ延びる側壁部59と、を備えて構成されている。底壁部55は、左右方向に長く延びた長方形板状としており、中央に、インフレーター52の上部側を下方からエアバッグカバー61側の上方へ挿入可能な略円形に開口した挿入孔56を、備えている。底壁部55の挿入孔56の周縁には、リテーナ50の各ボルト50bを挿通可能な取付孔57が、形成されている。また、底壁部55には、ケース54を車両のボディ6側に連結させるブラケット58が、底壁部55の左右両側部位の下面側に、固定されている。各ブラケット58には、ボルト7を螺合させるためのナット58aが、固着されている。ボディ6側には、リインフォースメント6aから延びるブラケット6bが配設され、ボルト7は、ブラケット6bの取付座6cを貫通して、ナット58aに螺合されている。各ボルト7のナット58aへの締め付けにより、ケース54、すなわち、エアバッグ装置Mが、ボディ6側に取付固定されている。
なお、底壁部55の挿入孔56の近傍周縁には、挿入孔56を囲むように上方へ突出するリブ55aが、形成されている。このリブ55aは、リテーナ50の基部50aの下方領域に配置されて、基部50aの底壁部55側への押圧時、底壁部55とエアバッグ10のガス流入口18の周縁17とのシール性を向上させるために、配設されている。
また、ケース54の側壁部59には、車両の前後の部位の上端に、ケース54の外方でかつ下方へ反転する複数の係止爪60が、形成されている。各係止爪60は、既述したように、エアバッグカバー61の連結壁部65の係止孔66に挿入されて、連結壁部65を係止している。
インフレーター52は、上部側外周面に複数のガス吐出口52bを有した略円柱状の本体部52aを備えたディスクタイプとしている。本体部52aの外周面には、インフレーター52をケース54に取り付けるためのフランジ部52cが、設けられている。フランジ部52cは、本体部52aの外周面から突出する略四角環状(略正方形板状)として、その四隅に、それぞれ、取付孔52dを貫通させている。各取付孔52dは、ケース54の底壁部55の各取付孔57と対応する位置に配置されるとともに、取付孔57の内径寸法と同一の内径寸法としている。
リテーナ50は、板金から形成されて、ケース54の挿入孔56と略同形に開口する孔を備えた基部50aと、基部50aの外周縁からエアバッグカバー61側の上方に延びる略四角筒形状のガイド壁部50cと、を備えて構成されている。基部50aは、外周縁を略四角形状(略正方形状)に形成されて、その四隅の部位に、下方へ延びるボルト50bを固着させている。各ボルト50bは、リテーナ50がエアバッグ10内に配置された状態で、エアバッグ10の取付孔19、ケース54の底壁部55の取付孔57、及び、インフレーター52のフランジ部52cの取付孔52dに挿入されて、ナット51を締め付けられることにより、エアバッグ10とインフレーター52とをケース54の底壁部55に取り付けられている。すなわち、各ボルト50bへのナット51の締め付け時、エアバッグ10のガス流入口18の周縁17が基部50aによって底壁部55に押し付けられて、エアバッグ10が底壁部55に取り付けられ、インフレーター52のフランジ部52cが挿入孔56の周縁に押し付けられて、インフレーター52が底壁部55に取り付けられることとなる。また、リテーナ50のガイド壁部50cは、上方に延びた先端を、インフレーター52の本体部52aの上端面と一致する高さまで、延ばして配設されている。ガイド壁部50cは、基部50aの略四角形とする外縁からエアバッグカバー61側の上方へ延ばしている。
エアバッグ10は、図3〜7に示すように、乗員側の面29を底面とし前部側にかけて狭まる略四角錐形状に膨張する形状とするとともに、膨張完了時の前上部位11aから後下部位11bにかけて、略上下方向に沿うように、貫通する中央孔11を配置させて、周囲の膨らむ基布22・26によって中央孔11が閉塞されるように膨張を完了させる環状体として、構成されている。すなわち、このエアバッグ10は、膨張して膨らむ環状本体部12が、中央孔11の周囲に、前側膨張部13、後側膨張部14、左側膨張部15、及び、右側膨張部16を、配置させて、構成されている。
さらに、環状本体部12を構成するシート材としては、中央孔11の内周面側に位置する内周側基布22と、膨張完了時の内周側基布22と対向するようにエアバッグ10の外周面側に位置する外周側基布26と、を備えて構成されている。図8に示すように、内周側基布22は、前部側の湾曲した第1内側基布23と、後部側の長方形板状の第2内側基布24と、から構成されている。外周側基布26は、前部側の湾曲した第1外側基布27と、後部側の乗員側面となる第2外側基布28と、から構成されている。これらの基布23・24・27・28は、後述する補強布30・31・32・35・36とともに、ポリエステル糸やポリアミド糸等からなる可撓性を有した織布から形成されて、シリコン等のコーティング剤を塗布しないノンコート布として、構成されている。
そして、第1内側基布23は、前側膨張部13の後面13b側を構成する部位から、湾曲して後方側の両側に延びるように、左側膨張部15と右側膨張部16との内面15b・16b側を構成する部位を配設させて、構成されている。第1外側基布27は、前側膨張部13の前面13a側を構成する部位から、湾曲して後方側の両側に延びるように、左側膨張部15と右側膨張部16との外面15a・16a側を構成する部位を配設させて、構成されている。第2内側基布24は、後側膨張部14の前面14aを構成する部位となり、第2外側基布28は、後側膨張部14の後面14bを構成する部位となる。そして、実施形態の場合、後側膨張部14の後面14bが、エアバッグ10の展開膨張時に乗員側となる面29を構成することとなる。
また、エアバッグ10の外周側基布26における前部26a側(前面13a側)の部位には、膨張用ガスGを流入させるように円形に開口されて、周縁17をケース54に取り付けるガス流入口18が、配設されている。ガス流入口18の周縁17には、リテーナ50のボルト50bを挿通させて、流入口周縁17をケース54の底壁部55に取り付けるための複数の取付孔19が、形成されている。エアバッグ10内の内周面側における流入口周縁17には、2枚の補強布30・31が縫合されて配設されるとともに、さらに、補強布31の上面側には、縫合部位の保護を図る補強布32が、縫合されずに、配設されている。さらにまた、外周側基布26には、左側・右側膨張部15・16の部位に、余剰の膨張用ガスGを排気するベントホール20が、開口されている。
さらに、実施形態のエアバッグ10には、展開膨張時における後側膨張部14の後面14b(乗員側面29)の案内移動手段GMとして、整流部34(整流手段)が、配設されている。整流部34は、環状本体部12内に流入した膨張用ガスGを上下に分岐させるためのもので、左側・右側膨張部14・15の領域内において、それぞれ、前後方向の中央より後部側であって、上下方向の中央より上部側となる位置に、配設されている(図3・6参照)。各整流部34は、内周側基布22と外周側基布26とを、補強布35・36を介在させて、楕円形に縫合して接合させることによって、形成されており、内周側・外周側基布22・26における相互の接合部位34aと、接合部位34aの周囲の略円錐台形状の部位22a・26c(本体部34b)と、から構成されることとなる(図6〜8参照)。すなわち、エアバッグ10の展開膨張時において、膨張用ガスGが環状本体部12内に流入すると、外周側基布26は外周側に引っ張られ、内周側基布22も中央孔11を閉塞させるように内部側に向かって引っ張られることとなる。そのため、整流部34が配設される部位においては、図6に示すように、各内周側・外周側基布22・26における接合部位34aの周囲となる部位22a・26c(本体部34b)を引っ張りつつ、接合部位34aが、左・右側膨張部15・16における左右方向の略中間部位に、それぞれ、配設されることとなる。すなわち、接合部34aと本体部34bとにより、左・右膨張部15・16が、左右方向に沿って分断されるような態様となる(図6・7参照)。その結果、実施形態のエアバッグ10では、ガス流入口18から環状本体部12内に流入した膨張用ガスGは、前側膨張部13から左側・右側膨張部15・16にかけては環状本体部12の形状に沿って左右方向に広がるように流入し、その後、各左側・右側膨張部14・15内において、整流部34の接合部34aと本体部34bとにより、上下に分岐され、後側膨張部14にかけて上下方向に広がるように、流入することとなる(図7参照)。
次に、エアバッグ10の製造について説明する。実施形態の場合、エアバッグ10(環状本体部12)は、ポリエステル糸等の縫合糸38を使用した縫合により、形成されている。まず、第1内側基布23と第1外側基布27との下縁23d・27d相互を縫合する。次いで、第2内側基布24の左縁24bと湾曲した第1内側基布23の左端側の縁23bとを縫合するとともに、第2内側基布24の右縁24cと第1内側基布23の右端側の縁23cとを縫合して、環状の内側基布22を形成する。また、第2外側基布28の左縁28bと湾曲した第1外側基布27の左端側の縁27bとを縫合するとともに、第2外側基布28の右縁28cと第1外側基布27の右端側の縁27cとを縫合して、環状の外側基布26を形成する。なお、補強布30・31は、予め、第1外側基布27に縫合しておく。ガス流入口18と取付孔19とは、それぞれ、基布27・補強布30・31・32に形成しておいてもよいし、あるいは、基布27・補強布30・31を縫合して補強布32を載せた後、孔明け加工により、一体的に、ガス流入口18と取付孔19とを、形成してもよい。
次いで、内周側基布22の第2内側基布24の下縁24dと外周側基布26の第2外側基布28の下縁28dとを縫合して、縫合部位の縫い代がエアバッグ10の外周面に露出しないように、基布22・26を反転させる。そして、補強布35・36を介在させた状態で、基布22・26を縫合して、整流部34・34を形成する。その後、第1内側基布23と第1外側基布27との上縁23a・27a相互を縫合するとともに、第2内側基布24と第2外側基布28との上縁24a・28a相互を縫合させれば、実施形態の環状本体部12(エアバッグ10)を、形成することができる。
上記のように製造したエアバッグ10の車両への搭載を説明すると、まず、各取付孔19からボルト50bを突出させるように、内部にリテーナ50を配設させた状態で、エアバッグ10を折り畳み、さらに、折り崩れしないように、折り畳んだエアバッグ10を破断可能なラッピングシート47(図2参照)でくるんでおく。そして、このエアバッグ10の折り畳みは、予備折り工程を経た後、横折り工程及び縦折り工程を経て、折り畳む。
予備折り工程では、図9・10に示すような予備折りエアバッグ40を形成することとなる。この予備折りでは、エアバッグ10(環状本体部12)を非膨張の状態で、ガス流入口18を下面側に位置させるとともに、ガス流入口18の上方に内周側基布22を介在させて、外周側基布26の後上部26b付近(第2外側基布28の上縁28a付近)を対向させるように配置させて、略左右対称形の平らに展開させるようにする。そして、実施形態のエアバッグ10では、エアバッグ10の展開膨張時において乗員側面29を構成する第2外側基布28の略全域が平らに展開されるように、第1外側基布27における左側・右側膨張部15・16を構成する部位を折り畳んで、予備折りエアバッグ40が形成されている。具体的には、第1外側基布27(第1内側基布23)における左側・右側膨張部15・16を構成する部位に、それぞれ、山折りとなる折目C1と谷折りとなる折目C2とを付けて、第2外側基布28(第2内側基布24)をガス流入口18に接近させるように配置させて、折り畳む。
予備折り工程後には、図11・12に示すごとく、ケース54に収納可能な寸法とするように、左右方向の折目CHを付けてガス流入口18を中心とした前後方向の幅寸法を狭める横折り工程と、前後方向の折目CVを付けて左右方向の幅寸法を狭める縦折り工程と、によって、予備折りエアバッグ40を折り畳む。実施形態の場合には、横折り工程は、まず、後縁40a側をガス流入口18に接近させるように、ガス流入口18より後部側の部位41をロール折りしてガス流入口18の上方位置に配置させ、次いで、前縁49b側をガス流入口18に接近させるように、ガス流入口18より前部側の部位43を蛇腹折りして、ロール折り部位42の上部側に載せるようにして、行なわれる。そして、縦折り工程は、左右の縁40c・40d側をガス流入口18に接近させるように、左右の縁40c・40d側の部位44・45を、蛇腹折りして、ガス流入口18の上方位置に配置させるようにして、行なわれている。実施形態の場合、このエアバッグ10の折り畳みが、エアバッグ10の展開膨張時における後側膨張部14の後面14b(乗員側面29)の案内移動手段GMを構成することとなる。
そして、縦折り工程を経てエアバッグ10の折り畳みが完了したならば、既述したごとく、折り崩れしないように、折り畳んだエアバッグ10を破断可能なラッピングシート47でくるんでおく。
そして、各ボルト50bを、上方から取付孔57に挿通させつつ、開口54aから、折り畳んだエアバッグ10を、ケース54の底壁部55上に載置させる。次いで、インフレーター52の本体部52aの上部を、下方から、挿入孔56、ガス流入口18、及び、リテーナ50の基部50aに挿入させるとともに、底壁部55から下方に突出している各ボルト50bを、インフレーター52のフランジ部52cの取付孔52dに挿通させる。その後、インフレーター52のフランジ部52cから突出した各ボルト50bに、ナット51を締結させれば、ケース54の底壁部55に対して、折り畳んだエアバッグ10とインフレーター52とを取り付けることができる。
その後、車両に搭載されたインパネ1におけるエアバッグカバー61の連結壁部65内に、ケース54の側壁部59を挿入させて、ケース54の各係止爪60を連結壁部65の係止孔66に挿入させて、各係止爪60を連結壁部65に係止させる。そしてさらに、各ブラケット58のナット58aに、取付座6cを経て、ボルト7を締結すれば、助手席用エアバッグ装置Mを車両に搭載することができる。
なお、エアバッグ装置Mの車両への搭載は、予め、インパネ1のエアバッグカバー61に対して、エアバッグ10とインフレーター52とを取り付けたケース54を組み付けて、インパネ1を取り付ける際、ボルト7を利用して、エアバッグ装置Mをボディ6側に連結固定して、エアバッグ装置Mを車両に搭載してもよい。
エアバッグ装置Mの車両への搭載後、インフレーター52のガス吐出口52bから膨張用ガスGが吐出されれば、エアバッグ10が、膨張して、ラッピングシート47を破断するとともに、エアバッグカバー61の破断予定部64を破断させて、扉部62F・62Bを、図1・2の二点鎖線に示すように開かせることとなる。そして、エアバッグ10は、エアバッグカバー61における扉部62F・62Bの開いた開口67から、大きく突出し、膨張を完了させるとともに、余剰の膨張用ガスGをベントホール20から排出することとなる。なお、図1・14の符号Wの部材は、ウィンドシールドである。
そして、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ10が、略上下方向に貫通した中央孔11を配置させた環状体として構成されている。すなわち、エアバッグ10の展開膨張時において、ガス流入口18から流入した膨張用ガスGが、直接、乗員側面29側に向かって流入せず、一旦、エアバッグ10(環状本体部12)の形状に沿って左右方向に広がるように、流入することとなる(図4参照)。そのため、図13の二点鎖線に示すごとく、後方側に大きく突出するのを抑えられた状態で、エアバッグ10が左右方向に大きく広がるように膨張することとなる。その結果、エアバッグ10の展開膨張時における乗員側面29の後方側への移動速度を抑えることができる。
また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ10が、展開膨張時において、乗員側面29を、略鉛直方向に沿わせるとともに、上下左右に広く展開させた略平面状として、車両後方側に向かって移動可能とするように、乗員側面29の案内移動手段GMを設けて構成されている。具体的には、実施形態のエアバッグ装置Mでは、案内移動手段GMをエアバッグ10の折り畳みと、エアバッグ10に設けられた整流部(整流手段)34・34と、から構成している。
実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ10における乗員側面29を構成する第2外周側基布28の上縁28a近傍となる部位が、予備折りエアバッグ40において、ガス流入口18と対向する位置に、配設されている(図10参照)。そのため、エアバッグ10の膨張初期において、乗員側面29の上端付近の部位29aが、ガス流入口18から流入する膨張用ガスGの押圧力によって、内周側基布22を介して、先行して上方へ押し上げられることとなる(図14参照)。そして、この乗員側面29の上端付近の部位29aが、押し上げられることによって、横折りや縦折りの折目が素早く解消されることとなる。また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ10における左側・右側膨張部15・16の領域内に、膨張用ガスGを上下方向に整流させる整流部34・34が配設されていることから、ガス流入口18から流入した膨張用ガスGは、前側膨張部13から左側・右側膨張部15・16にかけては環状本体部12の形状に沿って左右方向に広がるように流入し、その後、各左側・右側膨張部15・16内において、整流部34により、上下に分岐され、後側膨張部14にかけて上下方向に広がるように、流入することとなる(図7参照)。そのため、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ10が左右方向のみならず上下方向にも大きく広がるように膨張することから、展開膨張初期時において、乗員側面29(第2外側基布28と、第2外側基布28の周囲となる第1外側基布27における左側・右側膨張部15・16側の部位)が、上下左右に広く展開させた略平面状として、車両後方側に向かって移動することとなる(図14参照)。その結果、乗員側面29が前進してくる乗員と干渉することとなっても、乗員側へ部分的な押圧力を作用させることなく、乗員を的確に保護することができる。
従って、実施形態の助手席用エアバッグ装置Mでは、エアバッグ10の展開膨張時において、乗員側となる面29を、略鉛直方向に沿わせるとともに、上下左右に広く展開させた略平面状として、移動速度を一層抑えた状態で、車両後方側に向かって移動可能とし、乗員を的確に保護することができる。
なお、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ10が略上下方向に貫通した中央孔11を備える構成とされていても、この中央孔11は、エアバッグ10の膨張完了時には閉塞されることとなる。そのため、所定の内圧を確保できて、膨張を完了したエアバッグ10により、乗員を安定して保護することができる。
特に、実施形態のエアバッグ装置Mのエアバッグ10では、エアバッグ10の展開膨張時において乗員側面29を構成する第2外側基布28の略全域が平らに展開されるように、第1外側基布27における左側・右側膨張部15・16を構成する部位を折り畳んで、予備折りエアバッグ40が形成されている。そのため、エアバッグ10の展開膨張時において、第2外側基布28を折り畳む場合に比して、乗員側面29を、上下左右に広く展開させた状態で、乗員側に移動しやすくなり、乗員側面29の乗員側への移動速度を一層抑えることができる。
なお、実施形態のエアバッグ10では、整流手段として、内周側基布22と外周側基布26とを、円形に縫合して接合させた整流部34を、左側・右側膨張部15・16の領域内における前後方向の中央より後部側であって、上下方向の中央より上部側となる位置に配設させていることから、左側・右側膨張部15・16内に流入した膨張用ガスが後側膨張部14に近い部位で上下方向に向かって広がるように整流されることとなり、さらに、後側膨張部14内において、膨張用ガスGが、上部側よりも下部側に多く流入することとなる。そのため、予備折りエアバッグ40における後部側部位41となる部位に、より多くの膨張用ガスGが流入することとなり、結果として、エアバッグ10の後下部位10bを迅速に展開させることができる。
上記のような点を考慮しなければ、整流部34を、左側・右側膨張部15・16の領域内における前後方向の中央より後部側となる位置に、配設させる構成としてもよい。整流部34をこのような位置に配設させた場合、左側・右側膨張部15・16内に流入した膨張用ガスが後側膨張部14に近い部位で上下方向に向かって広がるように整流されることとなることから、後側膨張部14を、効果的に、上下に広がるように、展開させることができる。また、整流部34を、左側・右側膨張部15・16の領域内における上下方向の中央より上部側となる位置に、配設させる構成としてもよい。整流部34をこのような位置に配設させた場合、後側膨張部14内において、膨張用ガスGが、上部側よりも下部側に多く流入することとなる。そのため、予備折りエアバッグ40における後部側部位41となる部位に、より多くの膨張用ガスGが流入することとなる。さらに、このような点を考慮しなれば、整流部を、左側・右側膨張部15・16の領域内における上下方向の中央付近となる位置に、配設させる構成としてもよく、さらには、前側膨張部13と、左側・右側膨張部15・16と、の境界部位付近に、配設させる構成としてもよい。また、整流手段の形状も、これに限られるものではない。例えば、整流手段として、内周側基布22と外周側基布26とを連結するテザーを配設させる構成としてもよい。
また、実施形態のエアバッグ10では、乗員側面29の案内移動手段GMを、エアバッグ10の折り畳みと、エアバッグ10に配設される整流部34(整流手段)と、から構成しているが、エアバッグとして、例えば、図15・16に示すエアバッグ70のごとく、整流手段を配設させない構成のものを使用してもよい。
エアバッグ70は、前述のエアバッグ10と同様に、膨張完了時の前上部位から後下部位にかけて、略上下方向に沿うように、貫通する中央孔71を配置させて、周囲の膨らむ基布82・86によって中央孔71が閉塞されるように膨張を完了させる環状体として、構成されている。そして、エアバッグ70は、膨張して膨らむ環状本体部72が、中央孔71の周囲に、前側膨張部73、後側膨張部74、左側膨張部75、及び、右側膨張部76を、配置させる構成である。
環状本体部72は、前述のエアバッグ10と同様に、図17に示すごとく、内周側基布82と外周側基布86と、から構成されている。内周側基布82は、前部側の湾曲した第1内側基布83と、後部側の長方形板状の第2内側基布84と、から構成されている。外周側基布86は、前部側の湾曲した第1外側基布87と、後部側の乗員側面となる第2外側基布88と、から構成されている。
そして、第1内側基布83は、前側膨張部73の後面側を構成する部位から、左右両側に延びるように、左側膨張部75と右側膨張部76との内面側を構成する部位を配設させて、構成されている。第1外側基布87は、前側膨張部73の前面側を構成する部位から、左右両側に延びるように、左側膨張部75と右側膨張部76との外面側を構成する部位を配設させて、構成されている。第2内側基布84は、後側膨張部74の前面を構成する部位となり、第2外側基布88は、後側膨張部74の後面を構成する部位となる。そして、後側膨張部74の後面(第2外側基布88)が、エアバッグ70の展開膨張時に乗員側となる面89を構成することとなる。
また、エアバッグ70は、前述のエアバッグ10と同様に、ガス流入口78と取付孔79を備える構成であり、エアバッグ70内の内周面側における流入口周縁77には、前述のエアバッグ10と同様に、2枚の補強布90・91と、縫合部位の保護を図る補強布92と、が、配設されている。また、外周側基布86には、ベントホール80が、開口されている。
実施形態のエアバッグ70は、前述のエアバッグ10と同様にして、縫合糸を使用して製造されている。また、実施形態のエアバッグ70は、前述のエアバッグ10と同様に、予備折り工程を経た後、横折り工程及び縦折り工程を経て、折り畳まれる。
予備折り工程では、図18・19に示すような予備折りエアバッグ95を形成することとなる。この予備折りでは、エアバッグ70(環状本体部72)を非膨張の状態で、ガス流入口78を下面側に位置させるとともに、ガス流入口78の上方に内周側基布72を介在させて、外周側基布76の後上部付近(第2外側基布88の上縁88a付近)を対向させるように配置させて、略左右対称形の平らに展開させるようにする。
しかし、前述のエアバッグ10における第1外側基布27の上縁27aが、中央付近を上方に突出させるように湾曲して形成されているのに対し、実施形態のエアバッグ70では、後側膨張部74の上部側の容積を大きくするように、第1外側基布87の上縁87aが、直線状に形成されている(図8・17参照)。すなわち、実施形態のエアバッグ70では、ガス流入口78から第2外側基布28の上縁28aにおける中央までの距離が、前述のエアバッグ10に比較して、相対的に、長く設定されることとなる(図5・16参照)。その結果、エアバッグ70を、前述のエアバッグ10と同様に、単に、第1外側基布87における左側・右側膨張部85・86を構成する部位に谷折りとなる折目を付け、中央孔71を中心とするようにして、第2外側基布88(第2内側基布84)をガス流入口78に接近させるように配置させて、折り畳むと、ガス流入口78が、第2外側基布88(乗員側面89)の上縁88a付近に配設されずに、乗員側面89の上下方向の略中央付近よりも下方側に、配置されることとなる。
そのため、エアバッグ70では、ガス流入口78を第2外側基布88の上縁88a側に接近させて、乗員側面89の上端部位89a付近に対向させるように、第1外側基布87(第1内側基布83)における左側・右側膨張部75・76を構成する部位に、それぞれ、前後方向に沿うように山折りとなる折目C3と谷折りとなる折目C4とを付け、第2外側基布88(第2内側基布84)の下縁88b付近に、下縁88bをガス流入口78側に折り返すようにして、左右方向に沿った山折りとなる折目C5を付けて、折り畳み、予備折りエアバッグ95を形成する。この予備折りは、第1外側基布87の上縁87aにおける左右方向の中央付近87cと、第2外側基布88の下縁88b近傍における左右方向の中央付近88cと、を把持して、把持箇所87c・88c相互を離すように、前後方向に引っ張ることにより、行なえる(図17・18参照)。なお、このとき、乗員側面89を構成する第2外側基布88の略全域を平らに展開できるように、第2外側基布88の把持箇所88cは、極力、第2外側基布88の下縁88b近傍とすることが望ましい。
上記のようにして形成した予備折りエアバッグ95は、図20・21に示すように、前述のエアバッグ10(予備折りエアバッグ40)と同様にして、横折り工程と縦折り工程とを経て、折り畳まれることとなる。すなわち、予備折りエアバッグ95におけるガス流入口78より後部側の部位96が、左右方向に沿った折目CHを付けてロール折りされるととともに、ガス流入口78より前部側の部位97が左右方向に沿った折目CHを付けて蛇腹折りされて、横折り工程が行われ、横折り後における左右両側の部位98・99が前後方向に沿った折目CVを付けて蛇腹折りされて、縦折り工程が行なわれる。実施形態のエアバッグ70の場合、このエアバッグ70の折り畳みが、エアバッグ70の展開膨張時における後側膨張部74の後面74b(乗員側面89)の案内移動手段GMを構成することとなる。
上記構成のエアバッグ70を使用したエアバッグ装置においても、エアバッグ70が、略上下方向に貫通した中央孔71を配置させた環状体として構成されていることから、エアバッグ70の展開膨張時において、ガス流入口78から流入した膨張用ガスGが、直接、乗員側面89側に向かって流入せず、一旦、エアバッグ70(環状本体部72)の形状に沿って左右方向に広がるように、流入することとなる。そのため、後方側に大きく突出するのを抑えられた状態で、エアバッグ70が左右方向に大きく広がるように膨張することとなり、エアバッグ70の展開膨張時における乗員側面89の後方側への移動速度を抑えることができる。また、エアバッグ70における乗員側面89を構成する第2外周側基布88の上縁88a近傍となる部位が、予備折りエアバッグ95において、ガス流入口78と対向する位置に、配設されている(図19参照)。そのため、エアバッグ70の膨張初期において、乗員側面89の上端付近の部位89aが、ガス流入口78から流入する膨張用ガスGの押圧力によって、内周側基布82を介して、先行して上方へ押し上げられることとなる(図22参照)。そして、この乗員側面89の上端付近の部位89aが、押し上げられることによって、横折りや縦折りの折目が素早く解消されることとなる。そのため、エアバッグ70を使用したエアバッグ装置の場合にも、エアバッグ70が、左右方向のみならず上下方向にも大きく広がるように膨張することから、展開膨張初期時において、乗員側面89(第2外側基布88と、第2外側基布88の周囲となる第1外側基布87における左側・右側膨張部75・76側の部位)が、上下左右に広く展開させた略平面状として、車両後方側に向かって移動することとなる(図22参照)。その結果、乗員側面89が前進してくる乗員と干渉することとなっても、乗員側へ部分的な押圧力を作用させることなく、乗員を的確に保護することができる。
なお、実施形態のエアバッグ10・70において、略上下方向に貫通する中央孔11・71は、内周側基布22・82の一部相互を縫合するなどして、部分的に、1つ、あるいは、複数、設定してもよい。
本発明の一実施形態である助手席用エアバッグ装置の車両前後方向の断面図である。 同実施形態のエアバッグ装置の車両前後方向の概略拡大断面図である。 同実施形態に使用するエアバッグを単体で膨張させた状態の斜視図である。 同実施形態に使用するエアバッグを単体で膨張させた状態の車両前後方向の断面図である。 同実施形態に使用するエアバッグを単体で膨張させた状態の上下方向の断面図である。 同実施形態に使用するエアバッグの整流部の部位の上下方向の断面図である。 同実施形態に使用するエアバッグの整流部の部位の上下方向の断面図であり、図6のVII−VII部位を示す。 同実施形態に使用するエアバッグを構成する部材を示す平面図である。 同実施形態に使用するエアバッグを予備折りした後を示すもので、ガス流入口側から見た図である。 同実施形態に使用するエアバッグを予備折りした後を示すもので、乗員側面側から見た図である。 同実施形態に使用するエアバッグの予備折り後の折り畳み工程を示す図である。 同実施形態に使用するエアバッグの折り畳み工程を示す図であり、図11の後の工程を示す。 同実施形態のエアバッグ装置の作動時を説明する図であり、車両の後方から見た状態を示す。 同実施形態のエアバッグ装置の作動時を説明する図であり、車両の側方から見た状態を示す。 本発明の他の形態であるエアバッグを単体で膨張させた状態の斜視図である。 同実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態の上下方向の断面図である。 同実施形態に使用するエアバッグを構成する部材を示す平面図である。 同実施形態に使用するエアバッグを予備折りした後を示すもので、ガス流入口側から見た図である。 同実施形態に使用するエアバッグを予備折りした後を示すもので、乗員側面側から見た図である。 同実施形態に使用するエアバッグの予備折り後の折り畳み工程を示す図である。 同実施形態に使用するエアバッグの折り畳み工程を示す図であり、図20の後の工程を示す。 同実施形態のエアバッグを使用したエアバッグ装置の作動時を説明する図であり、車両の側方から見た状態を示す。
符号の説明
1…インストルメントパネル、
10・70…エアバッグ、
11・71…中央孔、
12・72…環状本体部、
13・73…前側膨張部、
14・74…後側膨張部、
15・75…左側膨張部、
16・76…右側膨張部、
18・78…ガス流入口、
22・82…内周側基布、
26・86…外周側基布、
29・89…乗員側面、
34…整流部、
40・95…予備折りエアバッグ、
52…インフレーター、
54…ケース、
61…エアバッグカバー、
G…膨張用ガス、
GM…案内移動手段、
M…助手席用エアバッグ装置。

Claims (3)

  1. 膨張用ガスの流入時に膨張可能に折り畳まれて収納されるエアバッグと、
    折り畳んだ前記エアバッグを収納して保持するとともに、助手席前方のインストルメントパネルから、膨張時の前記エアバッグを車両後方側へ突出可能に、配設されるケースと、
    を備えた助手席用エアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、
    略上下方向に貫通した中央孔を配置させて、周囲の膨らむ基布によって前記中央孔が閉塞されるように膨張を完了させる環状体として構成されるとともに、
    前記中央孔の内周面側に位置する内周側基布と、膨張完了時の前記内周側基布と対向するように前記エアバッグの外周面側に位置する外周側基布と、を備えて構成され、
    さらに、前記外周側基布における前部側に、周縁を前記ケースに取り付けて前記膨張用ガスの流入用として開口されるガス流入口を配設させるとともに、
    展開膨張時において、前記外周側基布における乗員側となる面を、略鉛直方向に沿わせるとともに、上下左右に広く展開させた略平面状として、車両後方側に向かって移動可能とするように、乗員側面の案内移動手段を設けて構成されていることを特徴とする助手席用エアバッグ装置。
  2. 前記案内移動手段が、前記エアバッグの折り畳みから構成され、
    該折り畳みが、予備折りと、予備折り後の縦折り及び横折りと、からなり、
    前記予備折り後のエアバッグが、非膨張の状態で、前記ガス流入口を下面側に位置させるとともに、前記ガス流入口の上方に、前記内周側基布を介在させて、前記外周側基布の後上部付近を、配置させて、略左右対称形の平らに展開させた形状とされるとともに、
    前記外周側基布における前記乗員側面の上端近傍となる位置を、前記ガス流入口と対向する位置に、配置させていることを特徴とする請求項1に記載の助手席用エアバッグ装置。
  3. 前記案内移動手段が、前記エアバッグ内に配設されて、前記ガス流入口から流入した膨張用ガスを整流可能な整流手段から、構成され、
    該整流手段が、前記エアバッグにおけるガス流入口側の部位となる前側部位よりも後部側となる部位に配設されるとともに、膨張用ガスを上下方向に向かうように整流可能な構成とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の助手席用エアバッグ装置。
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