JP2005087936A - 抗菌処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 貯留水の抗菌処理を行う装置において、貯留水の量や用途に応じて金属イオンの溶出量を調節できるようにする。
【解決手段】 電圧を印加することにより金属イオンを溶出する金属電極42を備えたイオン溶出ユニット4と、金属イオンの溶出量を設定する設定部と、金属電極42への電圧印加を制御する制御部とを備える。ここで、溶出した金属イオンを貯留水中に効率的に分散させる観点から、装置内部に流水路Rを設け、吸込口52から吸い込まれた貯留水が流水路Rを通って排出口22から放出されるようにするのが好ましい。さらには、金属電極42の交換や清掃などの観点から、イオン溶出ユニット4をこの流水路R中に着脱可能に取り付けるのが好ましい。
【選択図】 図3

Description

本発明は貯留水の抗菌処理を行うための装置に関し、より詳細には金属イオンを溶出させて抗菌処理を行う装置に関するものである。
近年の生活環境の変化に伴って人々の入浴時刻が広範囲に渡るようになってきている。また同時に近年の環境意識の高まりを受けて節水を心がける家庭も増えていきている。このため、浴湯を2日以上にわたって使用したり、浴槽の残り湯を洗濯水として使用することが広く行われている。東京都水道局の調べによれば、浴湯を2日以上わたって使用する家庭が全体の約39%、浴槽の残り湯を洗濯水として使用する家庭が全体の約77%にも達している。
ところが、浴湯中の雑菌は時間の経過と共に増殖する。例えば入浴後十数時間以上経過した浴湯中には、雑菌に起因するヌメリや嫌な臭いが生じていることがある。このため、入浴後十数時間を経過した浴湯に入浴することは、快適を得るどころか健康を害するおそれすらある。またこのような浴湯を用いての洗濯は決して快適なものでない。
そこで、浴湯などの貯留水における雑菌の増殖を抑えるため、抗菌性を有する金属イオンを貯留水中に溶出させる方法が提案されている。例えば特許文献1では、銀イオンを発生させるイオン発生器に浮体を取り付け、装置を水面に浮かせた状態で装置から銀イオンを溶出させて、浴湯などの殺菌浄化を行うことが提案されている。また特許文献2では、フロートに吊して所定深さの水中に位置させた電極から金属イオンを溶出させると同時に、回転翼の回転によって水を循環させてプール用水の滅菌を行うことが提案されている。
実開昭63−73198号公報(実用新案登録請求の範囲、第1図) 実公昭33−7358号公報(実用新案登録請求の範囲、第1図、第3図)
しかしながら、これらの従来の装置による抗菌処理では、貯留水の量や貯留水の使用目的などに応じて金属イオン溶出量を適切量とすることができなかった。貯留水量に対して金属イオンの溶出量が少ないと充分な抗菌効果が得られず、反対に溶出量が多いと溶出量に見合った抗菌効果が得られず金属電極の無駄な消耗となる。
本発明はこのような従来の問題に鑑みてなされたものであり、貯留水の量や用途に応じて金属イオンの溶出量を調節できる抗菌処理装置を提供することをその目的とするものである。
上記目的を達成するため、本発明の抗菌処理装置では、電圧を印加することにより金属イオンを溶出する金属電極を備えた金属イオン溶出部と、金属イオンの溶出量を設定する設定部と、前記金属電極への電圧印加を制御する制御部とを備えた構成とした。
ここで、溶出した金属イオンを貯留水中に効率的に分散させる観点から、装置内部に流水路を設け、吸込口から吸い込まれた貯留水が前記流水路を通って排出口から放出されるようにするのが好ましく、さらには、金属電極の交換や清掃などの観点から、金属イオン溶出部をこの流水路中に着脱可能に取り付けるのが好ましい。
また、対向する金属電極面積を大きくして金属電極間に印加する電圧を減らし、消費電力を抑える観点から金属電極は板状とするのが望ましい。また、金属電極の接続端子の部分が最後まで残るようにするため、流水方向上流側から下流側に向かって対向面同士の間隔が狭まるように取り付け、金属電極の流水方向上流側に接続端子を設けることが望ましい。
金属イオンを貯留水中へ効率的に分散させる観点から、流水路中にポンプを設け、このポンプによって吸込口から流水路中に貯留水を吸い込み、排出口から排出するようにするのが好ましい。装置の小型・軽量化などの点からは、使用するポンプとして軸流ポンプが望ましい。またポンプによる前記排出口からの貯留水の排出によって装置を自走可能としてもよい。
使用者の利便性の観点から、装置の作動状態及び/又は金属電極消耗状態を報知する報知部を設けるのがよい。
防水処理などによる装置構造の複雑化を回避する観点から、装置自体を浮力が生じる構造とする、あるいは浮部を設けることにより装置を水面に浮遊可能とするのが好ましい。
また簡便性や携帯性などの観点から電源として電池を用いるのが好ましく、充電式電池を用いるのがさらに好ましい。
本発明の抗菌処理装置では、金属イオン溶出部と、金属イオンの溶出量を設定する設定部と、金属電極への電圧印加を制御する制御部とを備えるので、貯留水の量や用途に応じて金属イオンの溶出量を調節でき、金属電極の無駄な消耗を防止しながら所定の抗菌効果を得ることができる。
装置内部に流水路を設け、吸込口から吸い込まれた貯留水が前記流水路を通って排出口から放出されるようにすると、溶出した金属イオンを貯留水中に効率的に分散させることができる。また、金属イオン溶出部をこの流水路中に着脱可能に取り付けるようにすると、金属電極の交換や清掃などが容易となる。
また、金属電極を板状とし、流水方向上流側から下流側に向かって互いの対向面同士の間隔が狭まるように取り付け、金属電極の流水方向上流側に接続端子を設けると、間隔の狭い金属電極部分から金属イオンの溶出が起こり、金属電極の接続端子の部分が最後まで残るので、金属電極を無駄なく最後まで使用できる。また金属電極の消耗に伴って、金属電極に流れる電流値が低下するので、電流値を測定することにより金属電極の交換時期を確実に知ることができる。
流水路中にポンプを設け、このポンプによって流水路中を貯留水が流動するようにすると、金属イオンを貯留水中へ効率的に分散できる。ポンプとして軸流ポンプを用いると、装置の小型・軽量化が図れる。また貯留水が前記排出口から放出される力によって自走するようにすれば、自走用の動力源を新たに設ける必要がなく経済的である。
装置の作動状態及び/又は金属電極消耗状態を報知する報知部を設けると、使用者の利便性が格段に向上する。
装置自体を浮力が生じる構造とする、あるいは浮部を設けることにより装置を水面に浮遊させると、防水処理などによる装置構造の複雑化を回避できる。
また電源として電池を用いる簡便性や携帯性が向上し、充電式電池を用いるとさらに向上する。
以下、本発明の抗菌処理装置について図に基づいて説明する。図1に、本発明の抗菌処理装置の一実施形態を示す六面図を示す。図1の抗菌処理装置は球状をなし、半球状の上カバー1、下カバー1、そして上カバー1と下カバー2との間に配設された薄円盤状のセンタープレート3とを備える。
センタープレート3には、金属イオンの溶出量(濃度)および貯留水の水量または流量を設定するための設定目印31が印されている。一方、上カバー1のセンタープレート3と対向する周部には、金属イオン溶出量を設定するための目盛11が印されている。この目盛11として金属イオン溶出量を直接的に標示しておいてもよいが、用途に応じた適切な金属イオン溶出量を一般の使用者は通常は知らないので、貯留水の用途を標示しておくのが好ましい。例えば「bath」(浴湯の再利用)、「clothes」(衣類の除菌、防臭コート)、「sanitize」(シンクやスポンジなどの除菌)、「body deodorant」(身体の抗菌)といった標示である。なお、この標示では金属イオンの溶出量はこの順で多くなっている。これにより使用者は、上カバー1とセンタープレート3とを相対的に回動させて、設定目印31の位置に、希望する用途を合わせるだけで、用途にあった適切な金属イオン溶出量を設定できる。
他方、下カバー2のセンタープレート3と対向する周部には、循環させる水量を設定するための目盛21が印されている。これは、貯留水の水量や希望する抗菌処理時間に合わせて、循環させる水量を調節するためのものである。前記と同様に、使用者は、下カバー2とセンタープレート3とを回動させて、設定目印31の位置に、希望する循環水量を合わせて設定する。
なお、図1の装置では上カバー1・下カバー2とセンタープレート3との相対的な回動によって金属イオン溶出量や循環水量を設定しているが、これに限定されるものではなく、例えばボタン入力やキーボード入力などによって前記設定を行ってももちろん構わない。
上カバー1の頭頂部にはLED(報知部)12が設けられ、装置の作動状態および金属電極の交換を点灯や点滅、発光色等によって使用者に知らせる。もちろん、光による報知の他、表示部を設けて文字や数値などを表示する、あるいは音や動きなどによって使用者に知らせるようにしても構わない。
下カバー2には貯留水を吸い込むための吸込口52と、吸い込んだ貯留水を放出するための排出口22とが形成されている。後述するように、吸込口52と排出口22とは流水路R(図2、図3に図示)で接続されており、流水路R中に配設された軸流ポンプ6(図2,図3に図示)により貯留水は吸込口52から強制的に吸い込まれ、排出口22から排出される。
下カバー2の下頂部には、電池B(図2に図示)を収納する収納部23(図2に図示)の開口を水密に塞ぐ蓋部材24がネジ25で取り付けられている。
図1の装置の縦断面図を図2に、そして組立図を図3にそれぞれ示す。図2において、球状の装置の中心部に、球状装置の直径と略同一の直径を有する円板状のセンタープレート3が配設されている。センタープレート3には、装置中心軸と同心円状に貫通孔32が形成されている。そして、センタープレート3よりも小径の濃度選択プレート7と水量選択プレート8とがこのセンタープレート3を挟んで対向した位置に、貫通孔32に挿通された中空軸部9によって互いに回動可能に取り付けられている。濃度選択プレート7は上カバー1と共に回動し、水量選択プレート8は下カバー2と共に回動する。センタープレート3と、濃度選択プレート7・水量選択プレート8との相対的回動によって金属イオン濃度・貯留水の循環水量がそれぞれ設定される。
図4に、この設定部の要部構成斜視図を示す。濃度選択プレート7のセンタープレート側の面には、上カバー1のセンタープレート3と対向する周部に印されている、金属イオン溶出量を設定するための目盛11に対応するように、電極A1〜A4が周方向に等角度に設けられている。これらの電極はマイクロコンピュータの所定の異なるピンあるいは異なる定電流制御用抵抗につながっている。一方、センタープレート3の濃度選択プレート側の面には、濃度選択プレート7に設けられている電極A1〜A4と接触可能な位置に選択電極aが設けられている。この選択電極aはマイクロコンピュータの所定のピンあるいは定電流回路の接続部などの回路途中の所定の経路につながっている。
使用者が金属イオン溶出量を設定すべく上カバー1を回動させると、濃度選択プレート7も同時に回動する。そして、センタープレート周側面の設定目印31の位置に、希望する用途が合わせられると、この希望の用途に対応する濃度選択プレート表面の電極A1〜A4のいずれかとセンタープレート3の選択電極aとが接触し導通可能状態となる。これにより金属イオン濃度が設定される。
水量についても同様にして設定が行われる。すなわち、水量選択プレート8のセンタープレート側の面には、下カバー2のセンタープレート3と対向する周部に印されている、水量を設定するための目盛21に対応するように、電極B1〜B4が周方向に等角度に設けられている。これらの電極はマイクロコンピュータの所定の異なるピンあるいは異なる定電流制御用抵抗につながっている。一方、センタープレート3の水量選択プレート側の面には、水量選択プレート8に設けられている電極B1〜B4と接触可能な位置に選択電極bが設けられている。この選択電極bはマイクロコンピュータの所定のピンあるいは定電流回路の接続部などの回路途中の所定の経路につながっている。そして、使用者が水量を設定すべく下カバー2を回動させると水量選択プレート8も同時に回動し、センタープレート周側面の設定目印31の位置に、希望する水量が合わせられると、この希望の水量に対応する水量選択プレート表面の電極B1〜B4とセンタープレート3の選択電極bとが接触し導通可能状態となる。これにより水量が設定される。なお、電極A1〜A4や、電極B1〜B4を連続した抵抗とし、選択電極aや選択電極bの接触している抵抗をマイクロコンピュータで読み取ることにより、回転角度に応じた連続した自由な設定を可能としてもよい。
図2に戻って、下カバー2の下部には電池Bを収納するための電池収納室23が形成されている。電池収納室23の開口部はカバー24で水密に封止され、カバー24はネジ25で固定されている。後述するように、この電池Bを電源として、金属電極42の電解が行われ、必要によりLEDランプ12などの点灯・点滅、そして後述するポンプ6の駆動が行われる。使用する電池Bとしては蓄電池が望ましい。この場合、装置から蓄電池を取り外して充電するようにしてもよいが、装置内に収納されたままの状態で家庭用配線電源から充電できるようにすることが推奨される。もちろん、家庭用配線電源にコードを接続して電源として用いてもよいが、浴室などには家庭用配線電源への接続部(コンセント)は通常は配設されていないことや装置が自走する場合にはコードが自走の妨げになること等から、装置電源としては電池が好ましい。
図3において、球状装置の中心からやや下方に直線状に流通路Rが形成されている。図の流通路Rの右側には拡大開口部26が形成され、左側には排出口22が形成されている。そして、排出口22の近傍上流側に軸流ポンプ6が取り付けられている。このポンプ6は、流水路R中に取り付けられたインペラ62と、これを回転させるモータ61とからなり、モータ61の回転によりインペラ62を回転させ流水路Rに貯留水を流す。また、前述の水量設定により、このモータ61の回転数を変化させて、流水路Rを流れる貯留水量の流量を調節してもよい。例えば、設定水量の多い場合は流量を多くし、少ない場合は流量を少なくするようにする。これにより、貯留水の多い場合でも、貯留水を確実に流水路Rを通過させることが可能となり、金属イオンを含んだ水と含んでいない水のバラツキを抑えることができるので、均質な金属イオンを含んだ水を生成できることになり、使用者は均質な金属イオンの効果を得ることができる。
一方、イオン溶出ユニット(金属イオン溶出部)4は拡大開口部26から流通路Rに挿入され、イオン溶出ユニット4から延出した電極端子43が、装置側の電極27に接続するように装着される。イオン溶出ユニット4の垂直断面図を図5に、水平断面図を図6にそれぞれ示す。中空円筒状の本体41の両端部には、流水路内周面とイオン溶出ユニット外周面との間から水が滲出しないように、弾性を有するシール部材44a,44bが取り付けられている。また本体41の内部には、一対の板状の金属電極42が、本体内周面に形成された支持突起49により長手方向両側部の上下4箇所をそれぞれ支持固定されている。金属電極42の流水方向上流側には棒状の接続端子43の一方端側が取り付けられ、接続端子43の自由端側は本体41に形成された貫通孔45を挿通して外方に延出している。そして、貫通孔45の外側部には同心円状に凹部46が形成され、ここにO−リング47が取り付けられ、O−リング47を封止する形で凹部46上にカバー48が取り付けられている。これにより、貫通孔45からの水の滲出が防止される。
図6から理解できるように、金属電極42は流水方向上流側から下流側に向かって対向面同士の間隔が狭くなるように取り付けられている。これは、金属電極42に電圧が印加されると、対向面同士の間隔が狭い部分から金属イオンの溶出が起こるので、金属電極42の流水方向上流側に取り付けられている接続端子43の取付部分が最後まで残るようにするためからである。また、このように金属電極42の一方側から順に消耗が始まるため、金属電極42が消耗するに従って同じ電流を流すのに必要な電圧が上昇する。そして印加できる上限以上の電圧が必要になると、金属電極42に流れる電流値が減少してゆく。そこで、印加する電圧値を測定し電圧値が所定値以上になった場合、あるいは金属電極42に流れる電流値を測定し、電流値が所定値以下となった場合に、金属電極42の交換時期が来たとしてLED(図2に図示)12により報知させればよい。
図3に戻って、イオン溶出ユニット4を流通路Rに装着した後、イオン溶出ユニット4を押圧固定するように、円筒状のユニット固定部材5を拡大開口部26に装着する。ユニット固定部材5の本体51に形成された外側開口部が貯留水を吸い込むための吸込口52の役割を果たす。また本体51の内部には、貯留水中の異物を除去するためのフィルタ53が取り付けられている。このフィルタ53は清掃可能なように、本体51に対して取り外し可能に設けるのが好ましい。もちろん、異物除去用のフィルタ53は、金属電極42よりも上流側の位置であれば設定位置に限定はなく、イオン溶出ユニット4に設けても構わない。
このような構成の装置において、金属イオン溶出量および水量が設定され、電源スイッチ(不図示)がオンされると、モータ61が駆動してインペラ62が回転し貯留水が吸込口52から流水路Rへと吸い込まれる。そして同時に金属電極42に電圧が印加され、金属電極42から金属イオンが貯留水中に溶出する。金属イオンを含んだ貯留水は排出口22から排出され、貯留水中に分散される。
このとき、排出口22からの貯留水の排出力を装置の推進力に利用することもできる。図1の装置では、装置の中央左側に排出口22が形成されているので、この排出口22から排出される水の力によって装置は図の右方向に移動する。また、方向舵を排出口22に設けて、貯留水の排出方向を変化させ装置の移動方向を任意に設定できるようにしてもよい。さらには排出口22を形成する位置によって装置の移動を調節してもよい。例えば図7(a)に示すように、排出口22を下カバー2の下頂部に設ければ、装置から排出される貯留水は装置の垂直軸下方に排出されるので、平面視において装置は実質的に静止状態となる。また同図(b)に示すように、装置の周面に垂直軸を中心として等角度で、且つ貯留水が半径方向外方に吐出するように排出口22を形成すると、貯留水による推進力が互いに相殺されて装置は実質的に静止状態となる。さらに同図(c)に示すように、装置の周面に垂直軸を中心として等角度で、且つ排出方向と半径方向とが所定角度θをなすように排出口22を形成すると、装置は回転しながら同じ位置を維持するようになる。
金属イオン溶出量は貯留水の用途や量などによって適宜調節すればよい。例えば台所のシンクや食器洗い用スポンジ、まな板等を貯留水に漬けて除菌する場合には、Agイオンであれば90〜150ppb程度のイオン量とすればよい。また、一度使用した浴湯に長時間経過後再び入る場合には50〜200ppb程度のイオン量が好ましい。そしてまた、洗濯処理のすすぎ工程において衣類にイオンをコーティングし、衣類を抗菌し防臭化する場合には、60〜120ppb程度のイオン量が好ましい。また浴湯に漬かることによって入浴者の身体にイオンをコーティングし、防臭化する場合には200〜300ppb程度のイオン量が好ましい。
金属イオン溶出量を所定値に調節するには、制御部によって金属電極に印加する電圧や印加時間を調節すればよい。印加電流を大きくすれば単位時間あたりの金属イオン溶出量は増加し、反対に電流を小さくすれば単位時間あたりの金属イオン溶出量は減少する。また、印加時間によっても、長くすれば貯留水に溶出する金属イオン溶出量を多くでき、短くすれば少なくできるので、貯留水に含まれる金属イオン溶出量、つまりは濃度を調整することができる。また、印加電流と印加時間を調整することにより、電気を流し難い水(導電率の低い水)の場合・地域でも安定して、所定の金属イオン溶出量を容易に確保できる。つまり、印加電流を大きくする時、電気を流し難い水の場合はより大きな印加電圧を必要とするが、電気用品安全法による安全基準が変わりより高いレベルの安全対策をする必要がありコストがかかる・昇圧回路の効率が極端に落ちる、などの弊害があり、望ましくない。そのため、適当な印加電流は適当な大きさにしておき、不足分を印加時間を多くすることにより補えば、必要とする金属イオン溶出量が確保でき、所望する金属イオンの効果を得ることができる。さらに、設定水量とから金属イオンの溶出完了までの必要時間を計算し、電気的に効率の良い電圧で印加できるようにすれば、効率良く電気エネルギーを活用でき省エネとなり、特に乾電池や充電電池で動作している場合には動作可能時間を長くすることができ良い。また、溶出した金属イオンは時間と共に通常は減少するので、例えば浴湯の抗菌を図る場合には、定期的に金属電極に所定時間電圧を印加し金属イオンを溶出させるようにすることが推奨される。
金属電極は金属イオンの溶出によって消耗するので交換する必要がある。金属電極のみを交換しても構わないが、交換作業は使用者にとって煩わしい場合が多いので、図3の装置のように金属電極をユニットの中に組み込んでおき、ユニットごと交換するようにするのが好ましい。
金属電極への電圧印加は、正極と負極とを定期的に入れ替えるようにするのが好ましい。負極側にスケールが吸着することを防止でき、また一対の金属電極の両方が均等に消耗されるからである。
本発明で使用できる金属電極の金属材料としてはAg、Cu、Znなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。一般に、Agイオン、Znイオンは殺菌作用が強く、Cuイオンは防カビ作用が強い。金属電極を長寿命化し交換頻度を減らす観点から、金属電極は前記金属材料の純物質からなることが望ましい。もちろん、前記金属材料を含む合金あるいはメッキであってもよい。
ここで、金属イオンの抗菌作用の機構について説明する。金属電極に電圧を印加すると、陽極側の金属電極においてM→M++e-の反応が起こり、水中に金属イオンが溶出する。この金属イオンM+はプラスイオンのためマイナスである細菌に付着し、その細胞内に浸透し、細胞の主要酵素系を分解し、細胞酵素をブロックしてしまう。これにより細胞が不活化する。この抗菌性は、金属イオン濃度に依存し、Agイオンの場合には濃度が0.05mg/lから確認できる。抗菌性は、大腸菌、サルモレラ菌、赤痢菌、コレラ菌等に効果がある。なお、Agイオンの場合、濃度が0.1〜2mg/l程度のAgイオン水を摂取したとしても、生体細胞の成長には毒性を与えず、人体には何ら影響はないとされている。
例えば、汗をかいたとき衣類が臭うのは菌の繁殖が原因である。汗は本来無臭である。汗に含まれるグリセリドを菌が脂肪酸とグリセリンに分解し、この分解された脂肪酸が臭いを放つのである。したがって、金属イオンを衣類や身体にコーティングしておけば、前記のように金属イオンが菌に作用し菌が不活化されるので、汗成分(グリセリド)が分解されず、臭いの発生が抑えられる。なお、上記の不活化とは、殺菌、除菌、滅菌、分解、除去などの作用が施されることを言う。
次に、本発明の抗菌処理装置の処理動作について説明する。図8に、装置の処理動作のフローチャート例を示す。電源がオンされると、回路チェックがまず行われ(ステップS101)、続いてバッテリーチェックが行われる(ステップS102)。異常があれば回路異常及びバッテリー異常報知がなされる(ステップS111,S112)。異常がなければポンプが駆動され(ステップS103)、金属電極に電圧が印加される(ステップS104)。これによりポンプによって吸い込まれた貯留水中に金属イオンが溶出する。金属電極に電圧が印加されている間電流値が常時測定されている(ステップS105、S106)。そして所定の溶出時間に達したら(ステップS107)、電圧印加を停止(ステップS108)、ポンプ駆動を停止し(ステップS109)、抗菌処理の終了を報知する(ステップS110)。
一方、金属電極に流れる電流値が所定上限値を上回ったときは(ステップS105)動作異常を報知する(ステップS113)。一方、電流値が所定下限値を下回ったときは(ステップS106)バッテリーチェックを行い(ステップS114)、バッテリーに異常があればその旨報知し(ステップS118)、バッテリーに異常がなければ金属電極の寿命と判断し、金属電極への電圧印加を停止し(ステップS115)、ポンプを停止させる(ステップS116)。そして金属電極の交換を報知する(ステップS117)。
イオン溶出ユニットが水没しているかどうかを検知する検知手段を設けた場合、イオン溶出ユニットが水没していないことがこの検知手段によって検知されたときは、金属イオンの溶出を行わず抗菌処理を行わないようにし、さらに処理中にイオン溶出ユニットが水没しない状態となったときは、金属イオンの溶出を中止し抗菌処理を中止するようにしてもよい。
次に、本発明の抗菌処理装置の第2実施形態について説明する。装置の垂直断面図を図9に、下面図を図10にそれぞれ示す。この装置の大きな特徴は、モータを装置の中央下部の電池の間に配設したことにある。すなわち重量の重いモータを垂直中心軸上に配置し、装置の重心が垂直中心軸近傍に位置するようにして装置の姿勢安定性を図ったことが、第1実施形態の装置との違いである。
本発明の抗菌処理装置は、装置自体の浮力によって、あるいは浮部を取り付けることによって、水面及び水中を浮遊するようにするのが好ましい。より好ましくは前記ポンプによって水面及び水中を自走可能とすることである。これにより貯留水中に金属イオンが均一に分散されるからである。装置を水没させる、あるいは装置を所望の姿勢に安定させるために装置に重りを取り付けてももちろん構わない。
まな板上に魚を載せた後、このまな板の表面を市販のスポンジでこすった。そして、このスポンジを下記のような処理をして、処理直後・6時間後・9時間後・24時間後のスポンジにいる生菌数を調べた。結果をまとめて表1に示す。
(実験例1)
約20lの水道水をバケツに取り、本発明の抗菌処理装置を用いて、バケツに貯留した水に90ppbのAgイオンを溶出させた(Ag電極に29mAの電流を1分間通電)。そして前記スポンジを水道水で軽く洗い流した後、このAgイオンが溶出した水を噴霧した。
(実験例2)
バケツに貯留した水に900ppbのAgイオンを溶出させた以外は実験例1と同様にしてスポンジ中の生菌数を測定した。
(実験例3)
まな板をこすったスポンジに対し何も処理せず放置した。
Figure 2005087936
表1から明らかなように、未使用のスポンジには1.0×10(CFU/個)程度の生菌しか生息していないのに対し、まな板をこすったまま放置した実験例3のスポンジでは、24時間後には8.5×104(CFU/個)まで生菌が増殖した。一方、90ppbのAgイオン水を噴霧した実験例1のスポンジ及び900ppbのAgイオン水を噴霧した実験例2のスポンジでは、2.0×10(CFU/個)及び6.0×10(CFU/個)と、いずれも未使用のスポンジ並みまで生菌を減少させることができた。したがって、スポンジの殺菌を目的とする場合には90ppbのAgイオンで充分な効果を得ることができ、900ppbまでのAgイオンは必要ないことがわかる。
本発明の抗菌処理装置の一実施形態を示す六面図である。 図1の抗菌処理装置の垂直断面図である。 図2の抗菌処理装置の分解図である。 設定部の構成を示す部分斜視図である。 イオン溶出ユニットの一例を示す垂直断面図である。 図5のイオン溶出ユニットの水平断面図である。 排出口からの貯留水の排出方向と装置の動きを説明する図である。 本発明の抗菌処理装置の処理動作の一例を示すフローチャートである。 本発明の抗菌処理装置の他の実施形態を示す垂直断面図である。 図9の抗菌処理装置の下面図である。
符号の説明
1 上カバー
2 下カバー
3 センタープレート
4 イオン溶出ユニット(金属イオン溶出部)
5 ユニット固定部材
6 ポンプ
7 濃度選択プレート(設定部)
8 水量選択プレート
9 中空軸部
12 LED(報知部)
22 排出口
32 貫通孔
42 金属電極
43 接続端子
52 吸込口
61 モータ
62 インペラ
B 電池
R 流通路
1〜A4 電極
1〜B4 電極
a,b 選択電極

Claims (10)

  1. 貯留水の抗菌処理に用いる装置であって、
    電圧を印加することにより金属イオンを溶出する金属電極を備えた金属イオン溶出部と、
    金属イオンの溶出量を設定する設定部と、
    前記金属電極への電圧印加を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする抗菌処理装置。
  2. 装置内部に流水路を有し、吸込口から吸い込まれた貯留水が前記流水路を通って排出口から放出される請求項1記載の抗菌処理装置。
  3. 前記金属イオン溶出部が前記流水路中に着脱可能に取り付けられている請求項2記載の抗菌処理装置。
  4. 前記金属イオン溶出部が少なくとも1対の板状の金属電極を有し、この金属電極は流水方向上流側から下流側に向かって対向面同士の間隔が狭まるように取り付けられ、金属電極の流水方向上流側に接続端子が設けられている請求項2又は3記載の抗菌処理装置。
  5. 前記流水路中にポンプを設け、このポンプによって吸込口から前記流水路中に貯留水を吸い込み、排出口から排出するようにした請求項2〜4のいずれかに記載の抗菌処理装置。
  6. 前記ポンプが軸流ポンプである請求項5記載の抗菌処理装置。
  7. 前記ポンプによる前記排出口からの貯留水の排出によって自走可能な請求項5又は6記載の抗菌処理装置。
  8. 装置の作動状態及び/又は金属電極消耗状態を報知する報知部を備えた請求項1〜7のいずれかに記載の抗菌処理装置。
  9. 装置自体の浮力により及び/又は浮部を備えることにより浮遊可能とした請求項1〜8のいずれかに記載の抗菌処理装置。
  10. 電源として電池を用いる請求項1〜9のいずれかに記載の抗菌処理装置。
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