JP2005087815A - 排ガス処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 内燃機関又は石油精製プラントから排出されるガス中に含まれる窒素酸化物を触媒により低温で還元除去するのに好適な排ガス処理方法を提供する。
【解決手段】 窒素酸化物を含む排ガスの処理方法であって、ハニカム形状の脱硝触媒を用いて320℃以下の温度域で還元剤を用いて脱硝反応を進行させる低温脱硝工程と、該低温脱硝工程で脱硝触媒に蓄積する被毒物質であるS含有化合物を除去して再生する触媒再生工程と、を含み、該低温脱硝工程と該触媒再生工程を連続して少なくとも2回以上繰り返すことを特徴とする排ガス処理方法、並びに、ハニカム形状の低温用脱硝触媒。
【選択図】 なし

Description

本発明は、排ガス処理システムおよび排ガス処理方法並びにハニカム形状の低温用脱硝触媒に関し、さらに詳しくは、内燃機関又は石油精製プラントから排出されるガス中に含まれる窒素酸化物を触媒により低温で還元除去するのに好適な排ガス処理方法に関するものである。
内燃機関又は石油精製プラント等から排出される燃焼排ガスは窒素酸化物を含むガスであり、放出するには排ガス中の窒素酸化物を除去する必要がある。よって、燃焼機関の後流に脱硝装置を設置して、注入ノズルから燃焼排ガス中へ還元剤を噴射して、窒素酸化物(NO,NO2)と還元的に反応させ、無害な窒素(N2)と水(H2O)に分解処理する。この際、脱硝触媒を用いて排ガス中から窒素酸化物を除去する方法では、十分な脱硝反応を起こさせる必要から通常アンモニア(NH3)又は尿素等を添加している(例えば、特許文献1参照)。
従来、S分を含む排ガス中の窒素酸化物を低減する場合、還元剤を添加して脱硝触媒を用いる際には、通常350〜400℃程度の高温域で処理を行っていた。
しかしながら、燃焼機関等から200℃程度で排出されるS分含有の低温排ガスには、還元剤を用いた脱硝処理を使用すると、S含有化合物がアンモニア等の還元剤と反応して酸性硫安や硫安を生成してしまう問題があった。これらの硫安等は脱硝触媒の被毒物質として触媒に蓄積し、脱硝性能を低下させてしまう。
一方、低温で脱硝反応を促進するためには、脱硝触媒中のV2O5量を約10重量%以上の高濃度にして触媒活性を向上させて使用することが考えられる。
しかしながら、脱硝触媒中のV2O5量が増加すると脱硝率は向上するものの、同時に、排ガス中のS分から硫安等の被毒物質を生じる副反応も多く起こってしまい、触媒劣化が著しい。よって、V2O5量を増加させる態様は、S分が極めて少量のガスを処理する場合に限られており、低温でも劣化しにくい環境で使用することが条件とされていた。
特開平7−75717号公報
本発明者らは、上記問題点に鑑み、200℃程度の低温で排出される排ガスを還元剤添加により脱硝処理する際に、触媒の活性を一定以上に維持して脱硝率を確保するとともに、硫安等の被毒物質が蓄積しても再生により脱硝率が回復し、繰り返して継続的に脱硝処理を行える排ガス処理方法を開発すべく、鋭意検討した。
その結果、本発明者らは、低温脱硝に特定の触媒を用いて特定の再生工程を実施することによって、かかる問題点が解決されることを見出した。本発明は、かかる見地より完成されたものである。
すなわち、本発明は、窒素酸化物を含む排ガスの処理方法であって、ハニカム形状の脱硝触媒を用いて320℃未満の温度域で還元剤を用いて脱硝反応を進行させる低温脱硝工程と、該低温脱硝工程で脱硝触媒に蓄積する被毒物質であるS含有化合物を除去して再生する触媒再生工程と、を含むものであり、該低温脱硝工程と該触媒再生工程を連続して少なくとも2回以上繰り返す排ガス処理方法を提供するものである。
前記脱硝触媒は、V2O5が0.1〜2.0重量%、WO3,MoO3,P2O5,SiO2,Al2O3およびZrO2からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が5〜25重量%、残りがTiO2からなるハニカム形状の脱硝触媒である。前記含まれる化合物がSiO2やAl2O3の場合には、これらがTiO2かと複合酸化物を形成していても良い。
前記温度域は、通常100℃以上320℃未満であることが好ましい。100℃未満では触媒の劣化度合いが大きく、再生処理して使用するのに適さない場合がある。320℃以上の使用では、還元剤を用いても触媒劣化そのものが生じにくい。前記還元剤としては、例えばアンモニア又は尿素が挙げられる。
前記触媒再生工程においては、第1に、320℃以上600℃以下の高温排ガスを前記脱硝触媒に流通させて再生を行う工程が好適に挙げられる。第2に、還元剤を含まない排ガスを前記脱硝触媒に流通させて再生を行う工程が挙げられる。第3に、前記脱硝触媒に水を噴霧して水洗させて再生を行う工程が挙げられる。
前記排ガスとしては、具体的には、内燃機関又は石油精製プラントから排出されるガスがある。また、前記S含有化合物は、通常、酸性硫安および硫安の少なくとも1つである。
加えて、本発明は、V2O5を0.1〜2.0重量%含み、WO3,MoO3,P2O5,SiO2,Al2O3およびZrO2からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を5〜25重量%含み、残りがTiO2であることを特徴とするハニカム形状の低温用脱硝触媒を提供するものであり、前記ハニカム形状においては、格子の肉厚が0.2〜3mmの範囲内であることが好ましい。
本発明では、脱硝触媒の成分であるV2O5が主に脱硝反応を促進するが、その他の触媒成分も脱硝反応に寄与する。この脱硝触媒はハニカム形状を有し、ハニカム形状の厚さが通常0.2〜3mm、好ましくは0.6〜1.4mmの範囲であることが良い。この範囲であれば、初期から良好な脱硝率を維持しつつ、容易な再生により低下した脱硝率を回復することができる。
本発明の排ガス処理方法によれば、320℃以下の低温の排ガスを還元剤添加により触媒を用いて脱硝処理する際に、触媒の活性を一定以上に維持して脱硝率を確保できる。そして、長時間の運転により、触媒上に蓄積した硫安等の被毒物質を再生工程により効果的に除去して、脱硝率を回復することが可能であり、繰り返して継続的に脱硝処理を行える。
本発明に係る排ガス処理方法を実施するための具体的な形態について説明する。なお、本発明は以下に説明する実施の形態に何ら限定されるものではない。
本発明の排ガス処理方法は、低温脱硝工程および触媒再生工程を含んでおり、該低温脱硝工程と該触媒再生工程を連続して少なくとも2回以上繰り返して行う。
先ず、低温脱硝工程では、ハニカム形状の脱硝触媒を用いて320℃以下の温度域で還元剤を用いて脱硝反応を進行させる。低温脱硝工程では、後述の脱硝触媒により、下記式(1)等により窒素酸化物を除去する。
4NH+4NO+O→ 4N+6HO ・・・ (1)
SOxが存在する排ガスでは、脱硝触媒により下記式(2)にてSO2酸化反応が生じて、SO3濃度が増加してしまう。
SO+ 1/2O→ SO ・・・ (2)
各種燃焼装置から排出される排ガスの処理方法では、排出された排ガスが脱硝触媒に送られ脱硝工程が行われるが、脱硝触媒の前流にてアンモニア等を還元剤として添加する。よって、上記(2)式により生成したSO3は、還元剤と反応して、下記式(3)により触媒上で硫安等の被毒物質を生成してしまう場合がある。
SO3 + H2O + 2NH3 → (NH4)2SO4 ・・・(3)
生成した硫安等は、触媒活性を低下させる被毒物質として作用する。本発明では、この被毒物質の生成反応を一定レベル以下に抑制するとともに、生成した被毒物質を効果的に除去可能は方法を提供する。
前記脱硝触媒には、V2O5が通常0.1〜2.0重量%、好ましくは0.3〜2.0重量%、より好ましくは0.5〜2.0重量%含有し、WO3,MoO3,P2O5,SiO2,Al2O3およびZrO2からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が通常5〜25重量%、好ましくは7〜25重量%、より好ましくは10〜25重量%含有する。残りはTiO2からなる。
V2O5の量が0.1重量%未満では、脱硝反応を効率的に進行させることが難しい。V2O5の量が2.0重量%を越えると、硫安等の被毒物質による触媒の劣化速度が速くなる。WO3等の化合物が5重量%未満では、被毒による脱硝率低下を抑制する点で十分ではなく、逆に25重量%を越えると、添加による物性面の効果に比べてコスト的に不利になる。
低温脱硝工程における温度域は320℃以下であり、好ましくは100℃以上320℃以下である。100℃以上320℃以下の排ガスによる脱硝工程であれば、脱硝触媒の劣化を十分に再生可能である。但し、100℃未満の排ガス処理を継続して行った場合には、S分被毒物質による触媒の劣化度合いが大きくなるので、再生し難くなる。
還元剤としては、例えばアンモニア又は尿素が用いられる。
次いで、触媒再生工程では、前記低温脱硝工程で脱硝触媒に蓄積する被毒物質であるS含有化合物を除去し、触媒を再生する。前記脱硝工程で蓄積した被毒物質としては、酸性硫安あるいは硫安等が挙げられる。
この触媒再生工程では、以下のいずれか1つの工程により触媒を再生することができるが、これらの工程を複数任意に組み合わせても良い。
第1に触媒再生工程では、325℃以上600℃以下の高温排ガスを前記脱硝触媒に流通させて再生を行うことができる。325℃未満では、被毒物質である硫安等を除去するのに十分ではなく、逆に600℃を越えると触媒自体が変質・劣化してしまうおそれがある。排ガス流量は通常10万Nm3/h〜20万Nm3/hの範囲である。この再生工程は、通常30分〜48時間、好ましくは1時間〜24時間程度行われる。被毒物質が硫安である場合、高温排ガスを流通させる本再生工程では、下記式(4)のような硫安分解反応により被毒物質の除去が行われる。
(NH4)2SO4 → SO3 + H2O + 2NH3 ・・・(4)
第2に触媒再生工程では、還元剤を含まない排ガスを前記脱硝触媒に流通させて再生を行うことができる。低温脱硝工程では、排ガスの種類や性状、流量等によって任意に添加する還元剤の量を調整するが、通常NH3/NOxの比が0.8〜1.0の範囲で排ガスに対して還元剤を添加している。この再生工程では、このような還元剤の添加を一切止めて排ガスのみを流通させるものであり、排ガス温度は通常100〜320℃の範囲であり、排ガス流量は通常10万Nm3/h〜20万Nm3/hの範囲である。この再生工程は、通常30分〜48時間、好ましくは1時間〜24時間程度行われる。
第3に触媒再生工程では、脱硝触媒に水を噴霧して水洗させて再生を行うことができる。水洗処理は、例えば、流通する排ガスの前流側に設けられたノズル等の噴射口から、脱硝触媒に対して水を噴霧することによって行われる。水の供給量は、排ガスの種類や性状、流量等によって任意に調整することが可能であるが、通常0.5〜10kg/分の範囲で触媒に対して噴霧する。この再生工程では、排ガスを流通させながら水噴霧を行うことが可能であり、その場合、排ガス温度は通常0〜320℃の範囲であり、排ガス流量は通常10万Nm3/h〜20万Nm3/hの範囲である。この再生工程は、通常30分〜48時間、好ましくは1時間〜24時間程度行われる。
本発明で処理できる排ガスは特に限定されず、窒素酸化物を含む排ガスの処理に適用できるが、例えば石炭、重質油等の燃料を燃焼する火力発電所、工場等のボイラ排ガス、あるいは、金属工場、石油精製所、石油化学工場等の加熱炉排ガスであり、より具体的には、内燃機関や石油精製プラントから排出されるガスの処理に好適に用いられる。
本発明では、上記低温脱硝工程と上記触媒再生工程とを連続して行い、少なくとも2回以上繰り返すことにより実施する。図1に、連続して脱硝/再生を繰り返した場合の脱硝率の経時的変化を模式的に示す。低温脱硝工程により脱硝率が低下した触媒は、触媒再生工程の実施によって脱硝率が回復する。本発明の方法を用いることによって、脱硝触媒を長期間に亘り、交換せずに使用することが可能となる。
図2に、本発明の排ガス処理方法に用いられるハニカム形状の脱硝触媒の一例を示す。このハニカム形状触媒の大きさは排ガス性状や流量等によって任意に定めることが可能であり、特に限定されるものではないが、例えば流入口の外形は150mm角、長さLは100〜1000mm、ピッチPは5〜10mmのものを用いることが好ましい。格子の肉厚は、厚さが通常0.2〜3mm、好ましくは0.6〜1.4mmの範囲であることが良く、この範囲であれば、初期から良好な脱硝率を維持しつつ、容易な再生により低下した脱硝率を回復することができる。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものでない。
〔触媒の調製〕
実施例1
メタチタン酸スラリー(TiO2含有量:30wt.%) 60kg に、パラタングステン酸アンモニウム((NH4)10W12O41・5H2O) 2kgおよびメタバナジン酸アンモニウム(NH4VO3)116gを加え、さらに成型助剤を加えた後、加熱ニーダを用いて水を蒸発させながら混練し、触媒ペーストを得た。これを押出成型機にて、外形75mm角、肉厚1.4mm、長さL500mm、ピッチP10mmの図1に示すようなハニカム状に成型した。次に、80℃で乾燥した後、500℃で5時間空気雰囲気中にて焼成して触媒(実施例1)を得た。
実施例2、3
実施例1において、メタバナジン酸アンモニウム116gに代えて、メタバナジン酸アンモニウム348g(実施例2)、又は、464g(実施例3)とした以外は、実施例1と同様にして触媒ペーストを得、ハニカム状に成型した後、焼成して触媒(実施例2、3)を得た。
実施例4、5
実施例1において、パラタングステン酸アンモニウム2kgに代えて、パラタングステン酸アンモニウム4kg(実施例4)、又は、5kg(実施例5)とした以外は、実施例1と同様にして触媒ペーストを得、ハニカム状に成型した後、焼成して触媒(実施例4、5)を得た。
実施例6〜10
実施例1において、パラタングステン酸アンモニウム2kgに代えて、モリブデン酸アンモニウム2.2kg(実施例6)、リン酸25kg(実施例7)、シリカゾル (10wt.%-SiO2)18kg(実施例8)、硝酸アルミニウム13kg(実施例9)、又は、オキシ塩化ジルコニウム2.6kg(実施例10)とした以外は、実施例1と同様にして触媒ペーストを得、ハニカム状に成型した後、焼成して触媒(実施例6〜10)を得た。
実施例11〜13
実施例1において、得られた触媒ペーストを押出成型機にて、外形75mm角、長さ500mmであり、肉厚をそれぞれ0.2mm(実施例11)、0.6mm(実施例12)、3.0mm(実施例13)のハニカム状に成型した以外は、実施例1と同様にして、焼成して触媒(実施例11〜13)を得た。
比較例1
メタチタン酸スラリー(TiO2含有量:30wt.%)60kg にメタバナジン酸アンモニウム2.3kgを加え、さらに成型助剤を加えた後、加熱ニーダを用いて水を蒸発させながら混練し、触媒ペーストを得た。これを押出成型機にて、外形75mm角、肉厚1.4mm、長さ500mmのハニカム状に成型した。次に、80℃で乾燥した後、500℃で5時間空気雰囲気中にて焼成して触媒(比較例1)を得た。
参考例1
メタチタン酸スラリー(TiO2含有量:30wt.%) 60kg にパラタングステン酸アンモニウム((NH4)10W12O41・5H2O) 2kgを加え、さらに成型助剤を加えた後、加熱ニーダを用いて水を蒸発させながら混練し、触媒ペーストを得た。これを押出成型機にて、外形75mm角、肉厚1.4mm、長さ500mmのハニカム状に成型した。次に、80℃で乾燥した後、500℃で5時間空気雰囲気中にて焼成して触媒(参考例1)を得た。
〔排ガス処理試験〕
脱硝活性の評価条件は、以下の通りである。
NOx:100ppm、SO2:100ppm
:15%、CO:5%、H2O:20%、N:バランス、GHSV:20,000h-1
ガス量 500NL/h、
触媒層温度:200℃
なお、脱硝率は下記式にて表される。
脱硝率(%)=(1−出口NOx濃度/入口NOx濃度)×100
実施例1〜13、比較例1および参考例1においては、調製された上記各触媒について、約200℃の窒素酸化物を含む排ガスを流通させて、初期脱硝率(%)、1000時間運転した後の脱硝率(%)、続けて、350℃にて10時間加熱して再生処理した後の脱硝率(%)、をそれぞれ測定した。還元剤としては、いずれもアンモニアを連続的に供給した。また、実施例14として、実施例1で得られた触媒について、アンモニアに代えて尿素を還元剤に用いて脱硝率を測定した。結果を、表1に示す。
Figure 2005087815
比較例1のようにV2O5が多い場合、初期性能は高いが脱硝処理を行った後の脱硝率の低下が著しく、1000時間経過後には殆ど脱硝性能を有さず、再生しても脱硝率は十分には回復しない。これに対して、実施例1〜13におけるいずれの触媒を用いても、初期性能として一定以上(初期脱硝率55%以上)のレベルを維持しつつ、連続運転後の脱硝率の低下が少なく、また、加熱再生によって十分使用可能なレベルにまで脱硝率が上昇することがわかった。
実施例15および16として、実施例1および2で調製された各触媒について、約200℃の窒素酸化物を含む排ガスを流通させて、初期脱硝率(%)、還元剤であるアンモニアを供給しながら1000時間運転した後の脱硝率(%)、続けて、還元剤であるアンモニアを供給せずに200℃にて10時間加熱して再生処理した後の脱硝率(%)、をそれぞれ測定した。結果を、表2に示す。
Figure 2005087815
再生工程としては、高温の排ガスを流通させて加熱しなくとも、還元剤であるアンモニアを供給せずに200℃程度の低温の排ガスを供給することによって、触媒がある程度再生することが確認できた。
実施例17および18として、実施例1および2で調製された各触媒について、約200℃の窒素酸化物を含む排ガスを流通させて、初期脱硝率(%)、1000時間運転した後の脱硝率(%)、続けて、水の噴霧による水洗処理を約2時間行い再生処理した後の脱硝率(%)、をそれぞれ測定した。結果を、表3に示す。
Figure 2005087815
再生工程としては、高温の排ガスを流通させて加熱しなくとも水洗処理を行い、硫安等の被毒物質を水に溶解させて除去することによって、触媒が再生することが確認できた。
実施例19、20および参考例2として、実施例1で調製された触媒について、約100℃の排ガス(実施例19)、約320℃の排ガス(実施例20)、又は、約80℃の排ガス(参考例2)をそれぞれ流通させて、初期脱硝率(%)、1000時間運転した後の脱硝率(%)、続けて、350℃にて10時間加熱して再生処理した後の脱硝率(%)、をそれぞれ測定した。結果を、表4に示す。
Figure 2005087815
脱硝工程として、低温の排ガスを処理させても脱硝率の低下が一定レベル以上に維持されており、加熱による脱硝率の回復、再生が可能なことが確認できた。なお、80℃未満の排ガスによる脱硝では、触媒による反応が十分進行せず、硫安等による被毒も多く起こってしまうものと考えられるので好ましくない。
実施例21、22および参考例3として、実施例1で調製された触媒について、約200℃の窒素酸化物を含む排ガスを流通させて、初期脱硝率(%)、1000時間運転した後の脱硝率(%)、続けて、500℃にて10時間加熱(実施例21)、600℃にて10時間加熱(実施例22)、又は、650℃にて10時間加熱(参考例3)して再生処理した後の脱硝率(%)、をそれぞれ測定した。結果を、表5に示す。
Figure 2005087815
加熱による再生工程として、一定範囲の温度を与えて被毒物質を分解、除去することにより、脱硝率の回復、再生が可能なことが確認できた。なお、650℃を越える加熱によっては、触媒自体の劣化が開始してしまうものと考えられるので好ましくない。
本排ガス処理試験の目標性能は、以下の全性能を満足することとした。
・ 初期脱硝率:50%以上、好ましくは55%以上
・ 1000時間経過後の脱硝率:40%以上、好ましくは45%以上
・ 再生後の脱硝率:45%以上、好ましくは50%以上
上記結果より、実施例1〜22における排ガス処理においては、触媒成分の組み合わせ、その量比、ハニカム壁厚、還元剤の種類、再生工程の手法、排ガス温度、のそれぞれについて、本発明の目標とする脱硝率を達成できることが確認できた。
本発明の処理方法は、窒素酸化物(NOx)を含む排ガスの処理において、NOxを還元剤添加により触媒を用いて効率よく還元除去し、被毒した触媒を簡易な工程によって脱硝率を回復して再生できるので、触媒を交換しなくとも長期間連続的に排ガス処理システムを運転できる。よって、本発明の排ガス処理方法は、特に内燃機関や石油精製プラントから排出されるガスの処理に好適に用いられ、産業上の意義は極めて大きい。
本発明の排ガス処理方法を用いた場合の脱硝率の経時的変化を模式的に表した図である。 本発明の排ガス処理に用いられるハニカム形状脱硝触媒の外観の一例を示す図である。
符号の説明
1 ハニカム形状脱硝触媒

Claims (11)

  1. 窒素酸化物を含む排ガスの処理方法であって、
    ハニカム形状の脱硝触媒を用いて320℃以下の温度域で還元剤を用いて脱硝反応を進行させる低温脱硝工程と、該低温脱硝工程で脱硝触媒に蓄積する被毒物質であるS含有化合物を除去して再生する触媒再生工程と、を含み、
    該低温脱硝工程と該触媒再生工程を連続して少なくとも2回以上繰り返すことを特徴とする排ガス処理方法。
  2. 前記脱硝触媒が、V2O5が0.1〜2.0重量%、
    WO3,MoO3,P2O5,SiO2,Al2O3およびZrO2からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物が5〜25重量%、残りがTiO2からなるハニカム形状の脱硝触媒であることを特徴とする請求項1記載の排ガス処理方法。
  3. 前記温度域が、100℃以上320℃以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の排ガス処理方法。
  4. 前記還元剤が、アンモニア又は尿素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  5. 前記触媒再生工程において、325℃以上600℃以下の高温排ガスを前記脱硝触媒に流通させて再生を行う工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  6. 前記触媒再生工程において、還元剤を含まない排ガスを前記脱硝触媒に流通させて再生を行う工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  7. 前記触媒再生工程において、前記脱硝触媒に水を噴霧して水洗させて再生を行う工程を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  8. 前記排ガスが、内燃機関又は石油精製プラントから排出されるガスであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  9. 前記S含有化合物が、酸性硫安および硫安の少なくとも1つであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の排ガス処理方法。
  10. V2O5を0.1〜2.0重量%含み、WO3,MoO3,P2O5,SiO2,Al2O3およびZrO2からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を5〜25重量%含み、残りがTiO2であることを特徴とするハニカム形状の低温用脱硝触媒。
  11. 前記ハニカム形状において、格子の肉厚が0.2〜3mmの範囲内であることを特徴とする請求項10に記載のハニカム形状の低温用脱硝触媒。
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