JP2005086524A - アドホックネットワークにおける通信方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 通信スループットが高いアドホックネットワークにおける通信方法を提供する。
【解決手段】 端末Aはセクタ4ビームパターンでDRTSを指向性送信する。端末Bは回転セクタビ−ムパターンよる指向性受信でDRTSのトーンを受信し、受信レベルが最大のセクタ1ビームパターンを特定する。端末Bはセクタ1ビームパターンによる指向性受信を行ないDRTSの制御パケット部を取得する。端末Bはセクタ1ビームパターンでDCTSを指向性送信する。端末Aはセクタ4ビームパターンによる指向性受信を行ないDCTSを取得する。端末Aはセクタ4ビームパターンでDATAを指向性送信する。端末Bはセクタ1ビームパターンで指向性受信を行ないDATAを取得する。端末Bはセクタ1ビームパターンでACKを指向性送信する。端末Aはセクタ4ビームパターンによる指向性受信を行ないACKを取得する。
【選択図】 図7

Description

本発明は、アドホックネットワークにおける通信方法に関し、特に、セクタアンテナを有する端末により形成されるアドホックネットワークにおけるMAC層の通信方法に関する。
アドホックネットワークとは、複数の端末が相互に通信を行なうことによって自律的、即時的に構築されるネットワークをいう。アドホックネットワークでは、通信する2つの端末が互いの通信エリアに存在しない場合、2つの端末の中間に位置する端末がルータとして機能しデータパケットを中継する。アドホックネットワークでは、通信インフラを必要としないので、災害時などにおいて通信インフラが機能しなくなった場合などにおいて有効な通信手段となる。
アドホックネットワークでは、無線媒体の効率的な利用が重要である。なぜなら、無線通信では、有線の通信よりも複数の端末間で無線媒体の利用の競合が発生しやすく、競合を回避するための制御が必要となるからである。
IEEE802.11をはじめてとして、現在までのアドホックネットワークのMAC(Medium Access Control)プロトコルは、オムニアンテナによる全方向通信を想定している。
ところで、スマートアンテナは、電子操作によって指向性制御や利得の制御などを行なうアンテナであるが、空間利用効率が高く、高利得による長距離通信が可能という利点がある。近年、スマートアンテナの小型化、低消費電力化が進み、スマートアンテナをアドホックネットワークの端末に搭載することが期待されている。
このような状況において、たとえば、非特許文献1および2では、スマートアンテナを用いたMACプロトコルが提案されている。このようなMACプロトコルでは、パケットを指向性送信するので、従来のオムニ送信に比べて、遠距離にある端末にパケットを直接届けることができる。
R.R.Choudhury and N.Vaidya, Ad hoc routing using directional antennas, Technical Report, Technical Report, August,2002 R.R.Choudhury, X.Yang, R.Ramanathan and N.Vaidya, Using directional antennas for Medium Access Control in Ad hoc Networks, ACM International Conference on Mobile Computing and Networking MobiCom, September 2002
しかしながら、非特許文献1および2では、送信側は、パケットを指向性送信するが、受信側はオムニ受信する。受信側でオムニ受信するのは、どの方向からパケットが送信されてくるかがわからないため、指向性受信することができないからである。このように、非特許文献1および2では、受信側がオムニ受信なので、パケットを直接通信しあえる距離がそれほど改善されず、その結果、送信元端末から送信されたパケットは、多数の中継端末を経由して送信先端末に届くことになり、通信スループット(一定時間内に伝送される情報量)が向上しない。
それゆえに、本発明の目的は、通信スループットが高いアドホックネットワークにおける通信方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、セクタアンテナを有する端末で形成されるアドホックネットワークにおける通信方法であって、第1の端末が、第2の端末が存在する方向を含む第1のセクタビームパターンで、トーンと制御パケットとを指向性送信するステップと、第2の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第2のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、第2の端末が、第2のセクタビームパターンによる指向性受信によって、制御パケットを取得するステップとを含み、トーンのビット長は、第2の端末がセクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行なうのに要する時間にトーンの伝送速度を乗算して得られるビット長以上である。
また、本発明は、セクタアンテナを有する端末で形成されるアドホックネットワークにおける通信方法であって、第1の端末が、第2の端末が存在する方向を含む第1のセクタビームパターンで、トーンと、第2の端末のアドレスを示す送信先端末のアドレス、第1の端末のアドレスを示す送信元端末のアドレス、および送信継続時間を含むRTSパケットとを指向性送信する第1のステップと、第2の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第2のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、第2の端末が、第2のセクタビームパターンによる指向性受信によって、RTSパケットを取得するステップと、第2の端末が、RTSパケットから送信先端末のアドレスを取得し、取得した送信先端末のアドレスが自端末のアドレスの場合に、第2のセクタビームパターンにより、トーンと、送信先端末のアドレス、送信元端末のアドレス、および送信継続時間とを含むCTSパケットとを指向性送信するステップと、第1の端末が、第1のセクタビームパターンによる指向性受信により、CTSパケットを取得するステップと、第1の端末が、第1のセクタビームパターンにより、DATAパケットを指向性送信するステップと、第2の端末が、第2のセクタビームパターンによる指向性受信により、DATAパケットを取得するステップと、第2の端末が、第2のセクタビームパターンによりACKパケットを指向性送信するステップと、第1の端末が、第1のセクタビームパターンによる指向性受信により、ACKパケットを取得するステップとを含み、トーンのビット長は、第2の端末がセクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行なうのに要する時間にトーンの伝送速度を乗算して得られるビット長以上である。
好ましくは、アドホックネットワークの各端末は、各セクタビームパターンに対応させて、通信中の端末のアドレスと、送信継続時間と、受信時刻とを記憶する送信不可テーブルを有し、アドホックネットワークの通信方法は、さらに、第1および第2の端末以外の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第3のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、第1および第2端末以外の端末が、第3のセクタビームパターンによる指向性受信によって、RTSパケットまたはCTSパケットを取得するステップと、第1および第2の端末以外の端末が、RTSパケットまたはCTSパケットから送信先端末のアドレスを取得するステップと、第1および第2の端末以外の端末が、RTSパケットから取得した送信先端末のアドレスが自端末のアドレスでない場合、またはCTSパケットを取得したときに、RTSパケットまたはCTSパケットから送信元端末のアドレスと、送信継続時間とを取出すステップと、第1および第2端末以外の端末が、送信不可テーブル内に第3のセクタビームパターンに対応させて、通信中の端末のアドレスとして取出した送信元端末のアドレスおよび取出した送信先端末のアドレスを、送信継続時間として取出した送信継続時間を、受信時刻としてRTSパケットまたはCTSパケットの受信が完了した時刻を書込むステップとを含む。
より好ましくは、アドホックネットワークにおける通信方法は、さらに、第3の端末が、送信先端末が存在する方向が含まれる第4のセクタビームパターンで、トーンと、送信先端末のアドレス、第3の端末のアドレスを示す送信元端末のアドレス、および送信継続時間を含むRTSパケットとを指向性送信するRTS送信ステップと、第4の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第5のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、第4の端末が、第5のセクタビームパターンによる指向性受信によって、RTSパケットを取得するステップと、第4の端末が、RTSパケットから送信先端末のアドレスを取出し、送信不可テーブル内に送信先端末のアドレスが登録されているときには、送信不可テーブルから、送信先端末のアドレスに対応する送信継続時間と受信時刻とを取得し、受信時刻と送信継続時間とに基いて、残りの送信継続時間を算出するステップと、第4の端末が、送信先端末のアドレスを通信中の端末のアドレスとして含み、残りの送信継続時間を送信継続時間として含むDTパケットを作成するステップと、第4の端末が、第5のセクタビームパターンにより、DTパケットを指向性送信するステップと、第3の端末が、第4のセクタビームパターンによる指向性受信により、DTパケットを取得するステップと、第3の端末が、受信したDTパケット内の通信中の端末のアドレスと送信先端末のアドレスとが一致するときに、DTパケット内の送信継続時間の経過後に、RTS送信ステップを再度実行させるステップとを含む。
好ましくは、アドホックネットワークの通信方法は、さらに、各端末が、その端末の送信指定時刻ごとに送信端末となり、トーンと、送信元端末のアドレスとして自端末のアドレスを含むHelloパケットとを、セクタビームパターンによる指向性送信をすべてのセクタビームパターンに対して行なって送信するステップと、各端末が、その端末の受信指定時刻ごとに受信端末となり、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第4のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、受信端末が、第4のセクタビームパターンによる指向性受信によって、Helloパケットを取得するステップと、受信端末が、Helloパケットから送信元端末のアドレスを取得して、第4のセクタビームパターンに対応させて、送信元端末のアドレスと、Helloパケットを受信したときの受信レベルとをネットワークテーブルに書込むステップとを含み、第1のステップにおいて、第1の端末は、自端末が保持するネットワークテーブルを参照して、第2の端末が存在する方向を含む第1のセクタビームパターンを特定する。
より好ましくは、第3の端末が、送信先端末にRTSパケットを送信する前に、ネットワークテーブル内の受信レベルに基づいて、自端末の近傍の端末を特定し、ネットワークテーブルから近傍の端末のアドレスとともに、セクタビームパターンおよび受信レベルを取得するステップと、第3の端末が、取得した受信レベルに基づいて、近傍の端末にパケットが届くための最小の送信電力を特定し、特定した送信電力で、取得したセクタビームパターンにより、トーンと、送信先端末のアドレスを通信状態を照会する端末のアドレスとして含むIQパケットとを指向性送信するステップと、近傍の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第5のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、近傍の端末が、第5のセクタビームパターンによる指向性受信によって、IQパケットを取得するステップと、近傍の端末が、IQパケット内の通信状態を照会する端末のアドレスが、通信不可テーブルに登録されていないときには、非通信中を通信状態として含むRPパケットを作成し、通信不可テーブルに登録されているときには、通信不可テーブル内の通信状態の照会する端末のアドレスに対応する送信継続時間と受信時刻とに基づいて、残りの送信継続時間を算出し、通信中を通信状態として含み、算出した残りの送信継続時間を送信継続時間として含むRPパケットを作成するステップと、近傍の端末が、第5のセクタビームパターンにより、RPパケットを指向性送信するステップと、第3の端末が、取得したセクタビームパターンによる指向性受信により、RPパケットを取得するステップと、第3の端末が、RPパケットから通信状態を取出し、取出した通信状態が通信中のときには、RPパケットから送信継続時間を取出すステップとを含み、第3の端末が、取出した通信状態が非通信中のときには、送信先端末へのRTSパケットの送信を開始し、取出した通信状態が通信中のときには、取出した送信継続時間の経過後、送信先端末へのRTSパケットの指向性送信を開始するステップとを含む。
また、好ましくは、第3の端末が、送信先端末にRTSパケットを送信する前に、ネットワークテーブル内の受信レベルに基づいて、自端末の近傍の端末を特定し、ネットワークテーブルから近傍の端末のアドレスとともに、セクタビームパターンおよび受信レベルを取得するステップと、第3の端末が、取得した受信レベルに基づいて、近傍の端末にパケットが届くための最小の送信電力を特定し、特定した送信電力で、取得したセクタビームパターンにより、トーンと、送信先端末が存在する方向を含むセクタビームパターンを通信状態を照会するセクタビームパターンとして含むIQパケットとを指向性送信するステップと、近傍の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第5のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、近傍の端末が、第5のセクタビームパターンによる指向性受信によって、IQパケットを取得するステップと、近傍の端末が、IQパケット内の通信状態を照会するセクタビームパターンに対応する通信中の端末のアドレスが通信不可テーブルに登録されていないときには、非通信中を通信状態として含むRPパケットを作成し、通信不可テーブルに登録されているときには、通信不可テーブル内の通信中の端末のアドレスに対応する送信継続時間と受信時刻とに基づいて、残りの送信継続時間を算出し、通信中を通信状態として含み、算出した残りの送信継続時間を送信継続時間として含むRPパケットを作成するステップと、近傍の端末が、第5のセクタビームパターンにより、RPパケットを指向性送信するステップと、第3の端末が、取得したセクタビームパターンによる指向性受信により、RPパケットを取得するステップと、第3の端末が、RPパケットから通信状態を取出し、取出した通信状態が通信中のときには、RPパケットから送信継続時間を取出すステップとを含み、第3の端末が、取出した通信状態が非通信中のときには、送信先端末へのRTSパケットの送信を開始し、取出した通信状態が通信中のときには、取出した送信継続時間の経過後、送信先端末へのRTSパケットの指向性送信を開始するステップとを含む。
また、本発明は、セクタアンテナを有する端末で形成されるアドホックネットワークにおける通信方法であって、第1の端末が、第2の端末が存在する方向が含まれる第1のセクタビームパターンで、トーンと、第2の端末のアドレスを示す送信先端末のアドレス、第1の端末のアドレスを示す送信元端末のアドレス、および送信継続時間を含むRTSパケットとを指向性送信するステップと、第2の端末が、オムニビームパターンによる全方向受信を行ない、全方向受信によるトーンの受信レベルが第1の閾値以上であるかを判定するステップと、第2の端末が、受信レベルが第1の閾値以上と判定されたときに、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、指向性受信によるトーンの受信レベルが第2の閾値以上で、かつ最大となるセクタビームパターンを第2のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、第2の端末が、第2のセクタビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが第2の閾値以上のときにRTSパケットを取得するステップと、第2の端末が、RTSパケットから送信先端末のアドレスを取得し、取得した送信先端末のアドレスが自端末のアドレスの場合に、第2のセクタビームパターンにより、トーンと、送信先端末のアドレス、送信元端末のアドレス、および送信継続時間とを含むCTSパケットとを指向性送信するステップと、第1の端末が、第1のセクタビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが第2の閾値以上のときにCTSパケットを取得するステップと、第1の端末が、第1のセクタビームパターンにより、DATAパケットを指向性送信するステップと、第2の端末が、第2のセクタビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが第2の閾値以上のときにDATAパケットを取得するステップと、第2の端末が、第2のセクタビームパターンによりACKパケットを指向性送信するステップと、第1の端末が、第1のセクタビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが第2の閾値以上のときにACKパケットを取得するステップとを含み、第1の閾値は、第2の閾値から、セクタビームパターンによる指向性受信の利得とオムニビームパターンによる全方向受信の利得の差を減算した値であり、トーンのビット長は、第2の端末がオムニビームパターンによる全方向受信に要する時間とセクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行なうのに要する時間との和にトーンの伝送速度を乗算して得られるビット長以上である。
本発明に係るアドホックネットワークにおける通信方法によれば、通信スループットを高くすることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
[第1の実施形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
図1は、アドホックネットワークの構成を示す。同図に示すように、複数の端末A〜Iが自律的にネットワークを構成している。このアドホックネットワークにより、たとえば、端末Iは、端末Aから離れた位置にあり、直接パケットを受取ることができないので、端末Aから送信されたパケットは、端末E、端末H、によって中継されて端末Iへ届けられる。
図2は、端末Aの構成を示す。他の端末B〜Iの構成も同一である。図2を参照して、端末Aは、入力部11と、表示部12と、アンテナ部20と、電子メールアプリケーション13と、通信制御部14とを備える。
アンテナ部20は、他の端末から無線信号を受信するとともに、他の端末へ無線信号を送信する。図3は、アンテナ部20の構成を示す。このアンテナ部20は、いわゆるスマートアンテナの一種であるセクタアンテナであって、たとえば、文献「T.Ohira and T.Gyoda, Electronically steerable passive array radiator antenas for low-cost analog adaptive beamforming, in Proceedings of the IEEE International Conference on Phased Array Systems and Technology, 2000. pp:101-104」に記載されているESPAR(Electronically steerable parastic array antenna)である。
図3を参照して、アンテナ部20は、励起素子A0〜A6と、可変リアクタンスR1〜R6と、制御回路41とを含む。
励起素子A0は、接地導体と接続される。励起素子A1〜A6は、可変リアクタンスR1〜R6を介して接地導体と接続される。
制御回路41は、可変リアクタンスR1〜R6のリアクタンス値を変化させることによりビームの指向性を変化させるとともに、利得の制御、または閾値の設定などを行なう。
次に、アンテナ部20によるアンテナのビームパターンについて説明する。
図4(a)は、オムニビームパターンを示す。オムニビームパターンでは、オムニ(全方位)送信またはオムニ受信が行なわれる。
オムニビームパターンによるオムニ受信では、パケットを取得するための受信レベルの閾値をAに設定したときに、自端末からd1だけ離れた端末から電力Pで指向性送信されたパケットを受取ることができるとする。
図4(b)は、方位が分割されたセクタを示す。同図を参照して、自端末を中心として、空間の方位が60度ごとにセクタ1〜セクタ6に分割される。これらのセクタにあわせて、6個のセクタビームパターンがある。
図4(c)は、セクタ1ビームパターンを簡略化した図である。セクタ1ビームパターンでは、セクタ1に対しての指向性送信または指向性受信が行なわれる。同様に、図4(d)は、セクタ2に対しての指向性送信または指向性受信のためのセクタ2ビームパターンを簡略した図である。図4(e)は、セクタ3に対しての指向性送信または指向性受信のためのセクタ3ビームパターンを簡略化した図である。図4(f)は、セクタ4に対しての指向性送信または指向性受信のためのセクタ4ビームパターンを簡略化した図である。図4(g)は、セクタ5に対しての指向性送信または指向性受信のためのセクタ5ビームパターンを簡略化した図である。図4(h)は、セクタ6に対しての指向性送信または指向性受信のためのセクタ6ビームパターンを簡略化した図である。
セクタKビームパターン(K=1〜6)による指向性受信では、パケットを取得するための受信レベルの閾値をAに設定したときに、自端末からd2(>d1)だけ離れた端末から電力Pで指向性送信されたパケットを受取ることができるとする。
図4(i)は、回転セクタビームパターンを説明するための図である。同図に示すように、回転セクタビ−ムパターンよる指向性送信では、セクタ1ビームパターン〜セクタ6ビームパターンを順次変化させて、同一のパケットを送信する。回転セクタビームパターンによる指向性受信では、セクタ1ビームパターン〜セクタ6ビームパターンを順次変化させて、受信レベルが閾値A以上で、最大であるセクタビームパターンを特定する。
セクタ1ビームパターン〜セクタ6ビームパターンを順次変化させるのに要する時間は、200μsecとする。
再び、図2を参照して、電子メールアプリケーション13は、いわゆるメイラであって、入力部11からのメッセージ、宛先などの入力に基づき、データを作成し、通信制御部14にデータを送る。また、電子メールアプリケーション13は、通信制御部14から受けたデータに基づきメッセージを表示部12に表示させる。
通信制御部14は、ARPA(Advanced Research Projects Agency)インターネット階層構造に従って、通信制御を行なう複数のモジュールを備える。
物理層の無線インタフェースモジュール24は、IEEE802.11にしたがって、送信信号または受信信号の変復調、および周波数変換などを行なう。
ネットワーク層の上位層のLLCモジュール22は、LLCプロトコルの実行処理部である。
インターネット層のIPモジュール19は、IP(Internet Protocol)の実行処理部である。
トランスポート層のTCPモジュール17は、TCP(Transmission Control Protocol)の実行処理部である。
トランスポート層のUDPモジュール18は、UDP(User Datagram Protocol)の実行処理部である。
プロセス/アプリケーション層のSMTPモジュール15は、SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)の実行処理部である。
プロセス/アプリケーション層のルーティングプロトコルモジュール16は、ルーティングプロトコルの実行処理部である。
ネットワーク層の下位層のMACモジュール23は、MACプロトコルを実行する。本実施の形態のMACプロトコルは、無線LAN国際標準規格であるIEEE802.11 DCFをベースにし、図4で説明したアンテナ部20の指向性通信に対応するように改良されたプロトコルである。
DCF(Distributed Coordination Function)では、分散型のMACプロトコルを用いている。
DCFでは、チャネルアクセス方式として、図5に示すように、以下のCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)を採用している。送信元の端末は、キャリアセンスによってチャネルの状態を調べ、チャネルがアイドル状態で、さらに、一定時間DIFS(Distributed Inter Frame Spacing)の間アイドル状態が続くと、RTS(Request To Send)パケットを送信する。もし、キャリアセンスの際にビジー状態であると、チャネルがアイドル状態になるまで待ち、アイドル状態になってから一定時間DIFSの間アイドル状態が続くと、端末固有のランダムなバックオフWindowスロット分待った後に、RTSパケットを送信する。
一方、送信先の端末は、RTSパケットを受信すると、一定時間SIFS(Short Inter Frame Spacing)の後、送信元の端末へCTS(Clear to Send)パケットを送信する。また、送信元の端末は、CTSパケットを受信すると、一定時間SIFSの後DATAパケットを送信先の端末へ送信する。さらに、送信先の端末は、Dataパケットを受信すると、一定時間SIFSの後、送信元の端末へACKパケットを送信する。
ここで、RTSパケットおよびCTSパケットには、送信先端末のアドレスと、ACKパケットの受信が完了するまでの時間である送信継続時間が格納されている。RTSパケットまたはCTSパケットを受信した端末は、送信先のアドレスが自端末のアドレスでない場合には、RTSパケットまたはCTSパケットを受信してから送信継続時間だけNAV(Network Allocation Vector)を設定することによって、パケットの送信が禁止される。
このようにRTS/CTSのハンドシェイクにより、隠れ端末の問題を部分的に回避することができる。
本実施の形態では、IEEE802.11 DCFと同様に、上述のCSMA/CAによるチャネルアクセス方式を基本的に採用する。
ただし、本実施の形態では、RTSパケットの代わりにDRTS(Directional Request To Send)パケットを用い、CTSパケットの代わりにDCTS(Directional Clear to Send)パケットを用いる。
図6(a)は、DRTSパケットの構成を示す。同図に示すように、DRTSパケットは、トーンと制御パケット部とから構成される。制御パケット部は、RTSパケットで構成されており、RTSを示すフレームの種類と、送信先アドレスと、送信元アドレスと、送信継続時間とを含む。ここで、トーンは、ノイズとの区別が可能な所定の信号である。トーンのビット長は、受信端末が回転セクタビームパターンにより指向性受信するときに、すべてのセクタビームパターンでトーンが受信できるための長さとする。つまり、トーンのビット長は、受信端末が回転セクタビームパターンによる指向性受信に要する時間にトーンの伝送速度を乗算して得られるビット長以上である。受信端末が回転セクタビームパターンによって指向性受信を行なうときに要する時間が200μsecのときには、トーンのビット長は、200μsec×トーンの伝送速度(ビット/μsec)以上であり、たとえば、210μsec×トーンの伝送速度(ビット/μsec)とする。
図6(b)は、DCTSパケットの構成を示す。同図に示すように、DCTSパケットは、トーンと制御パケット部とから構成される。制御パケット部は、CTSパケットで構成されており、CTSを示すフレームの種類と、送信先アドレスと、送信元アドレスと、送信継続時間とを含む。トーンのビット長は、DRTSと同様である。
また、本実施の形態では、DRTSパケットおよびDCTSパケットをオムニ通信でなく、指向性通信でやりとりする。
図7は、本実施の形態における送信元端末Aおよび送信先端末Bの通信方法を示す。
送信元端末Aは、送信先端末Bが存在するセクタ4に対応するセクタ4ビームパターンでDRTSパケットを指向性送信する。送信先端末Bは、回転セクタビ−ムパターンよる指向性受信によって、DRTSパケットのトーンを受信し、受信レベルが閾値A以上で、最大であるセクタ1ビームパターンを特定する。その後、送信先端末Bは、セクタ1ビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが閾値A以上のときにDRTSパケットの制御パケット部(つまり、RTSパケット)を取得する。
送信先端末Bは、セクタ1ビームパターンで、DCTSパケットを指向性送信する。送信元端末Aは、セクタ4ビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが閾値A以上のときにDCTSパケットを取得する。
送信元端末Aは、セクタ4ビームパターンで、DATAパケットを指向性送信する。送信先端末Bは、セクタ1ビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが閾値A以上のときにDATAパケットを取得する。
送信先端末Bは、セクタ1ビームパターンで、ACKパケットを指向性送信する。送信元端末Aは、セクタ4ビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが閾値A以上のときにACKパケットを取得する。
また、本実施の形態では、DRTSパケットまたはDCTSパケットを受信した端末は、送信先のアドレスが自端末のアドレスでない場合には、DRTSパケットまたはDCTSパケットを受信してから送信継続時間の間DNAV(Dynamic Network Allocation Vector)を設定することによって、パケットの送信は行なわない。つまり、従来のNAVでは、RTSパケットまたはCTSパケットを受信した方向がいずれの方向でも、送信継続時間だけパケットの送信が禁止されたが、DNAVでは、DRTSパケットまたはDCTSパケットを指向性受信したセクタビームパターンによるパケットの送信が禁止される。
MACモジュール23は、DHelloパケットの送信および受信によって、端末の位置情報を交換し、ネットワークテーブル31を作成する。
図8は、DHelloパケットの構成を示す。同図に示すように、DHelloパケットは、トーンと制御パケット部とから構成される。制御パケット部は、Helloパケットで構成され、Helloパケットを示すフレームの種類と、送信元アドレスとを含む。
図9は、端末Aが作成したネットワークテーブル31の例を示す。同図に示すように、ネットワークテーブル31は、セクタビームパターンに対応させて、端末のアドレスと受信レベルとを記憶する。ここで、端末のアドレスとは、そのセクタビームパターンによる指向性通信が可能な端末のアドレスを示す。受信レベルとは、その指向性通信が可能な端末からのパケットを受信したときの受信レベルを示す。受信レベルが大きいとその端末が自端末から近距離にあり、受信レベルが小さいとその端末が自端末から遠距離にある。
MACモジュール23は、送信先アドレスが自端末のアドレスでないDRTSまたはDCTSを取得したときに、通信不可テーブル32を作成する。図10は、端末Cが作成した通信不可テーブル32の例を示す。同図に示すように、通信不可テーブル32は、セクタビームパターンに対応させて、通信中の端末のアドレスと、送信継続時間と、受信時刻とを示す。通信中の端末のアドレスとは、通信を行なっている両端末のアドレスを示す。より詳しくは、そのセクタビームパターンの指向性受信により、DRTSまたはDCTSを取得したときに、そのDRTSまたはDCTSに含まれる送信元端末のアドレスと送信先端末のアドレスを示す。送信継続時間とは、両端末の通信が継続する時間を示す。受信時刻は、RTSパケットまたはCTSパケットの受信が完了した時刻を示す。
(端末の位置情報の交換処理の動作)
図11は、端末の位置情報の交換処理の動作手順を示すフローチャートである。同図を参照して、まず、各端末のMACモジュール23は、現在の時刻が指定時間帯になったときには、アイドル状態から端末の位置情報の交換モードに移行する(S301)。
各端末のMACモジュール23は、現在の時刻が指定時間帯のうちの自端末の指定された送信時刻であるときには、回転セクタビームパターンにより、DHelloパケットを指向性送信する(S302、S303)。
一方、各端末のMACモジュール23は、現在の時刻が指定時間帯のうちの自端末の指定された送信時刻でないとき(つまり、自端末の指定された受信時刻であるとき)には、回転セクタビームパターンによる指向性受信を行なう(S302、S304)。
各端末のMACモジュール23は、指向性受信によるトーンの受信レベルが閾値A以上で、最大となるセクタビームパターンをセクタSビームパターンとして特定する。各端末のMACモジュール23は、セクタSビームパターンにより指向性受信を行なう(S305、S306)。
各端末のMACモジュール23は、指向性受信によってDHelloパケットの制御パケット部(つまり、Helloパケット)を取得し、DHelloパケットの制御パケット部から送信元アドレスを取出す(S307)。
各端末のMACモジュール23は、ネットワークテーブル31のセクタSビームパターンに対応する端末のアドレスに取得した送信元アドレスを書込み、受信レベルにHelloパケットを受信したときの受信レベルを書込む(S308)。
(データ通信時の動作)
図12に示すアドホックネットワークの端末の配置を例に用いて、データ通信時における送信元端末Aの処理と、送信先端末Bの処理と、他の端末Cの処理について説明する。
図13は、送信元端末Aの処理手順を示すフローチャートである。同図を参照して、まず、送信元端末AのMACモジュール23は、ネットワークテーブル31を参照して、送信先端末Bと通信するためのセクタビームパターンSを調べる。図9に示すネットワークテーブル31では、セクタ4ビームパターンに対応して、送信先端末Bのアドレスが登録されているので、送信元端末AのMACモジュール23は、セクタ4ビームパターンをセクタSビームパターンとして特定する(S101)。
次に、送信元端末AのMACモジュール23は、セクタS(=4)ビームパターンによるDNAVが設定されているか否かを調べる。図10に示す通信不可テーブル32では、セクタS(=4)ビームパターンに対応して、端末のアドレスが登録されていないので、セクタS(=4)ビームパターンによる指向性送信に対してDNAVが設定されていない(ステップS102)。
次に、送信元端末AのMACモジュール23は、セクタS(=4)ビームパターンによる指向性送信が可能な場合には、キャリアセンスを行ない、チャネルがアイドル状態であるかを調べ、チャネルがアイドル状態のときに、さらにDIFSの間、アイドル状態かを調べる(S103)。S103の条件が満たされないときには、チャネルがアイドル状態になるまで待ち、アイドル状態になってからDIFSの間アイドル状態が続くと、端末固有のランダムなバックオフWindowスロット分待つ(S104、S105)。
送信元端末AのMACモジュール23は、セクタS(=4)ビームパターンにより、DTRSパケットを指向性送信する(S106)。
次に、送信元端末AのMACモジュール23は、セクタS(=4)ビームパターンにより指向性受信を行なって、受信レベルが閾値A以上のときに送信元端末BからのDCTSパケットを取得する(S107)。
送信元端末AのMACモジュール23は、SIFSの経過後に(S108)、セクタS(=4)ビームパターンにより、DATAパケットを指向性送信する(S109)。
次に、送信元端末AのMACモジュール23は、セクタS(=4)ビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが閾値A以上のときに送信先端末BからのACKパケットを取得する(S110)。
図14は、送信先端末Bおよび他の端末Cの処理手順を示すフローチャートである。同図を参照して、送信先端末Bおよび他の端末CのMACモジュール23は、アイドル状態のときには、回転セクタビームパターンによる指向性受信を行なう(S201、S202)。
送信先端末Bおよび他の端末CのMACモジュール23は、指向性受信によるトーンの受信レベルが閾値A以上で、最大となるセクタビームパターンをセクタS′ビームパターンとして特定する。図11に示す例では、セクタ1ビームパターンがセクタS′ビームパターンとして特定される。そして、送信先端末Bおよび他の端末CのMACモジュール23は、セクタS′(=1)ビームパターンにより指向性受信を行なう(S203、S204)。
送信先端末Bおよび他の端末CのMACモジュール23は、指向性受信により、受信レベルが閾値A以上のときにDRTSパケットの制御パケット部(つまり、RTSパケット)を取得した場合には、DRTSパケットの制御パケット部から送信先アドレスを取出し、取出した送信先アドレスが自端末のアドレスか否かを調べる(S206)
送信先端末BのMACモジュール23は、送信先アドレスが自端末のアドレスなので、通信不可テーブル32を参照して、セクタS′(=1)ビームパターンによる指向性通信が可能か否かを調べる(S207)。
指向性通信が可能な場合には、送信先端末BのMACモジュール23は、SIFSの経過後に(S208)、セクタS′(=1)ビームパターンによりDCTSパケットを指向性送信する(S209)。
次に、送信先端末BのMACモジュール23は、セクタS′(=1)ビームパターンによる指向性受信を行なって、受信レベルが閾値A以上のときに送信元端末AからのDATAパケットを取得する(S210)。
次に、送信先端末BのMACモジュール23は、SIFSの経過後に、(S211)、セクタS′(=1)ビームパターンによりACKパケットを指向性送信する(S212)。
一方、他の端末CのMACモジュール23は、S206において、送信先アドレスが自端末のアドレスでないので、DRTSパケットの制御パケット部(つまり、RTSパケット)から送信元アドレスおよび送信継続時間を取出し、通信不可テーブル32のセクタS′(=1)ビームパターンに対応する通信中の端末のアドレスに、取出した送信先アドレスおよび送信元アドレスを書込み、送信継続時間に取出した送信継続時間を書込み、受信時刻にRTSパケットの受信が完了した時刻を書込む(S213)。
また、端末A,B,C以外の受信端末のMACモジュール23が、S205において、端末Bまたはその他の端末からのDCTSパケットを取得したときには、その端末のMACモジュール23は、DCTSパケットの制御パケット部(つまり、CTSパケット)から送信先アドレス、送信元アドレスおよび送信継続時間を取出し、通信不可テーブル32のセクタS′(=1)ビームパターンに対応する通信中の端末のアドレスに、取出した送信先アドレスおよび送信元アドレスを書込み、送信継続時間に取出した送信継続時間を書込み、受信時刻にCTSパケットの受信が完了した時刻を書込む(S213)。
次に、他の端末CのMACモジュール23、および端末A,B,C以外の端末のMACモジュール23は、DRTSパケットまたはDCTSパケットを受信してから送信継続時間、セクタS′(=1)ビームパターンに対してDNAVを設定する(S214)。
(非対称な利得に起因する隠れ端末の回避)
次に、本実施の形態による通信方法により、非対称な利得に起因する隠れ端末の問題が回避されたことを説明する。
図15(a)は、従来のオムニ受信による通信方法を示す。同図を参照して、端末Cと端末Dとの間で通信が行なわれているとする。すなわち、端末CがRTSパケットを指向性送信する。端末Dが、オムニ受信によって、RTSパケットを取得し、CTSパケットを指向性送信する。端末Cは、指向性受信によって、CTSパケットを取得する。
ここで、端末Aは、アイドル状態にあるときに、オムニ受信を行なうが、オムニ受信では、利得が小さく近距離にある信号しか受信できないので、端末DからのCTSパケットを取得できない。
端末Aは、端末Bとの通信が必要となったときに、端末Cと端末Dとが通信していることを知っていないので、端末Bに対して、RTSパケットを指向性送信する。利得が大きい指向性送信によるRTSパケットは、遠距離まで届くため、端末Cと端末Dとの間で通信されているパケットと衝突し、端末Cと端末Dとの間の通信を妨害する。
図15(b)は、本実施の形態による指向性受信による通信方法を示す。同図では、図15(a)と同様に、端末Cと端末Dとの間で通信が行なわれている。端末CがDRTSパケットを指向性送信する。端末Dが、回転セクタビームパターンによる指向性受信によって、DRTSパケットを取得し、DCTSパケットを指向性送信する。端末Cは、指向性受信によって、DCTSパケットを取得する。
ここで、端末Aは、アイドル状態にあるときに、回転セクタビームパターンによる指向性受信を行なうが、利得が大きな指向性受信では、遠距離にある信号を受信することができるので、端末DからのDCTSパケットを取得する。
端末Aは、端末Bとの通信が必要となったときに、端末Cと端末Dとが通信していることを知っているので、端末Bに対して、DRTSパケットを指向性送信しない。したがって、端末Cと端末Dとの間の通信の妨害が回避される。
以上のように、本実施の形態に係るアドホックネットワークにおける通信方法によれば、受信側は、回転セクタビームパターンによる指向性受信によりDRTSパケットの取得を行なうので、いずれの方向からでも送信されてくるRTSパケットでも取得できるとともに、通信スループットを高くすることができる。また、非対称な利得に起因する隠れ端末の問題も回避できる。
[第2の実施形態]
本実施の形態は、回転セクタビームパターンによる指向性受信に先だって、オムニ受信を行なう通信方法に関する。
図16は、本実施の形態における送信元端末Aおよび送信先端末Bの通信方法を示す。
送信元端末Aは、送信先端末Bが存在するセクタ4に対応するセクタ4ビームパターンでDRTSパケットを指向性送信する。送信先端末Bは、オムニ受信によって、DRTSパケットのトーンを受信し、受信レベルが閾値B以上であるか否かを調べる。トーンの受信レベルが閾値B以上のときには、送信先端末Bは、さらに回転セクタビ−ムパターンよる指向性受信によって、DRTSパケットのトーンを受信し、受信レベルが閾値A以上で、最大であるセクタ2ビームパターンを特定する。その後、送信先端末Bは、セクタ1ビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが閾値A以上のときにDRTSパケットの制御パケット部(つまり、RTSパケット)を取得する。
ここで、上述の閾値Bは、閾値A−(セクタビームパターンによる指向性受信による利得Gd−オムニ受信による利得Go)とする。たとえば、閾値A=−81dB、Gd=13dB、およびGo=0dBのときには、閾値B=−94dBとなる。これによって、オムニ受信でも、セクタKビームパターン(K=1〜6)による指向性受信と同様に、自端末からd2(>d1)だけ離れた端末から電力Pで指向性送信されたパケットを受取ることができる。
送信先端末Bは、セクタ1ビームパターンで、DCTSパケットを指向性送信する。送信元端末Aは、セクタ4ビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが閾値A以上のときにDCTSパケットを取得する。
送信元端末Aは、セクタ4ビームパターンで、DATAパケットを指向性送信する。送信先端末Bは、セクタ1ビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが閾値A以上のときにDATAパケットを取得する。
送信先端末Bは、セクタ1ビームパターンで、ACKパケットを指向性送信する。送信元端末Aは、セクタ4ビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが閾値A以上のときにACKパケットを取得する。
また、本実施の形態では、トーンの長さが第1の実施形態のDRTSおよびDCTSと相違するDRTSパケットおよびDCTSパケットを用いる。
図17(a)は、本実施の形態のDRTSパケットの構成を示す。同図に示すように、DRTSパケットは、トーンと制御パケット部から構成される。制御パケット部は、RTSパケットで構成され、RTSを示すフレームの種類と、送信先アドレスと、送信元アドレスと、送信継続時間とを含む。ここで、トーンは、ノイズとの区別が可能な所定の信号である。トーンのビット長は、受信端末がオムニ受信でトーンが受信でき、かつ回転セクタビームパターンで指向性受信するときにすべてのセクタビームパターンでトーンが受信できる長さとする。つまり、受信端末がオムニビームパターンによる全方向受信に要する時間と回転セクタビームパターンによる指向性受信に要する時間との和にトーンの伝送速度を乗算して得られるビット長以上とする。オムニ受信に要する時間が40μsecであり、回転セクタビームパターンによって指向性受信を行なうときに要する時間200μsecのときには、トーンのビット長は、(200+40)μsec×トーンの伝送速度(ビット/μsec)以上であり、たとえば、250μsec×トーンの伝送速度(ビット/μsec)とする。
図17(b)は、本実施の形態のDCTSパケットの構成を示す。同図に示すように、DCTSパケットは、トーンと制御パケット部とから構成される。制御パケット部は、CTSパケットで構成され、CTSを示すフレームの種類と、送信先アドレスと、送信元アドレスと、送信継続時間とを含む。トーンのビット長は、DRTSと同様である。
(データ通信時の動作)
次に、本実施の形態における、データ通信時の送信元端末Aの処理と、送信先端末Bの処理、および他の端末Cの処理について説明する。
本実施の形態では、送信元端末Aは、第1の実施形態と同様にS101〜S110を実行する。ただし、送信元端末Aは、図6(a)に示す第1の実施形態におけるDRTSパケットに代えて、図17(a)に示すDRTSパケットを送信し、図6(b)に示す第1の実施形態におけるDCTSパケットに代えて、図17(b)に示すDCTSパケットを受信する。
図18は、送信先端末Bおよび他の端末Cの処理手順を示すフローチャートである。同図を参照して、送信先端末Bおよび他の端末CのMACモジュール23は、アイドル状態のときには、オムニ受信を行なう(S201、S401)。
送信先端末Bおよび他の端末CのMACモジュール23は、オムニ受信によって、DRTSパケットのトーンを受信し、受信レベルが閾値B以上であるか否かを調べる(S402)。送信先端末Bおよび他の端末CのMACモジュール23は、トーンの受信レベルが閾値B以上のときには、第1の実施形態と同様に、S202〜S214の処理を実行する。
S202〜S214においては、第1の実施形態と同様に、閾値Aを用いる。また、送信先端末Bおよび他の端末CのMACモジュール23は、図6(a)に示す第1の実施形態におけるDRTSパケットに代えて、図17(a)に示すDRTSパケットを受信し、図6(b)に示す第1の実施形態におけるDCTSパケットに代えて、図17(b)に示すDCTSパケットを送信する(S403)。
以上のように、本実施の形態に係るアドホックネットワークにおける通信方法によれば、回転セクタビームパターンによる指向性受信に先だって、オムニ受信を行なうので、回転セクタビームパターンに指向性通信の頻度を少なくし、セクタアンテナの省電力化、および消耗防止を実現できる。
[第3の実施形態]
本実施の形態は、指向性通信によって生じる問題を回避することのできる通信方法に関する。
図19を参照して、指向性通信によって生じる問題を説明する。仮に、端末AがDRTSパケットをオムニ送信し、端末BがDCTSパケットをオムニ送信するときには、図19に示す位置にある端末Xは、端末Aから送信されたDRTSパケット、および/または端末Bから送信されたDCTSパケットを受けることができるため、通信不可テーブル32に端末Aと端末Bとが通信中であることを設定でき、それによりDNAVを設定できる。
しかしながら、端末Aが、DRTSパケットを指向性送信し、端末BがDCTSパケットを指向性送信するときには、図19に示す位置にある端末Xは、端末Aから送信されたDRTSパケットを受けず、端末Bから送信されたDCTSパケットを受けないため、通信不可テーブル32に端末Aと端末Bとが通信中であることを設定することができず、DNAVを設定できない。
そして、端末Xは、端末Aとの通信が必要となったときに、端末Aに対して、DRTSパケットを指向性送信する。端末Aは、端末Bとの間で指向性通信を
行なっているので、端末XからのDRTSパケットを受信できない。これにより、ルーティングプロトコルモジュール16によるルーティングのパフォーマンスが悪くなる。
本実施の形態では、上記問題を解決するための通信方法を提供する。
本実施の形態では、図19に示す位置にある、DRTSパケットを取得した端末RのMACモジュール23は、そのDRTSパケットの送信先アドレスが自端末のアドレスでないときには、通信不可テーブル32を参照して、送信先端末のアドレスが登録されているか否かを調べ、登録されているときには、通信不可テーブル32から必要な情報を取出して、送信先端末が通信中であることを知らせるDT(Denied Transmission)パケットを作成する。
図20は、DTパケットの構成を示す。同図を参照して、DTパケットは、DTパケットを示すフレームの種類と、送信先アドレスと、送信元アドレスと、通信中の端末のアドレスと、送信継続時間とを含む。図19の例では、送信先アドレスは端末Xのアドレスで、送信元アドレスは端末Rのアドレスで、通信中の端末のアドレスは端末Aのアドレスであり、送信継続時間は端末Aと端末Bとの間の残りの送信継続時間となる。
(DTパケットの通信時の動作)
図19に示すアドホックネットワークを例に用いて、DTパケットの通信時の送信元端末Xの処理と、他の端末Rの処理について説明する。
図21は、送信元端末Xの処理手順を示すフローチャートである。同図を参照して、まず、送信元端末XのMACモジュール23は、送信先端末Aとの通信のため、第1の実施形態と同様に、S101〜S106の処理を行なう。
送信元端末XのMACモジュール23は、セクタSビームパターンによる指向性受信により、端末RからのDTパケットを取得したときには、DTパケットから通信中の端末のアドレスと送信継続時間とを取出す(S501,S502)。
送信元端末XのMACモジュール23は、送信先端末Aのアドレスが取出した通信中の端末のアドレスと一致しないときには(S503)、第1の実施形態のS107〜S110の処理を行なう。
一方、送信元端末XのMACモジュール23は、送信先端末Aのアドレスが通信中の端末のアドレスと一致するときには(S503)、DTパケットの取得が完了した時刻から、取出した送信継続時間だけ経過した後(S504)、第1の実施形態のS101から処理を再実行する。
図22は、他の端末Rの処理手順を示すフローチャートである。同図を参照して、他の端末RのMACモジュール23は、第1の実施形態と同様に、S201〜S206の処理を行なう。
他の端末RのMACモジュール23は、送信先アドレスが自端末のアドレスでないときには、通信不可テーブル32を参照して、送信先端末Aのアドレスが登録されているか否かを調べ、登録されているときには、通信不可テーブル32から、送信先端末Aのアドレスに対応する送信継続時間と受信時刻とを取出し、送信継続時間−(現在の時刻−受信時刻)より、残りの送信継続時間ΔRTを算出する(S601,S602)。
他の端末RのMACモジュール23は、残りの送信継続時間ΔRTが0より大きいときには、端末Aのアドレスを通信中の端末のアドレスとして含み、算出した残りの送信継続時間を送信継続時間として含むDTパケットを作成する(S603、S604)。
他の端末RのMACモジュール23は、セクタS′ビームパターンにより、DTパケットを指向性送信する(S605)。
以上のように、本実施の形態に係るアドホックネットワークにおける通信方法によれば、RTSパケットを取得した端末Rは、そのRTSパケットの送信先アドレスが自端末のアドレスでないときには、通信不可テーブル32を参照して、送信先端末Aのアドレスが登録されているか否かを調べ、登録されているときには、送信先端末Aが通信中であることを知らせるDT(Denied Transmission)パケットを作成して、送信元端末Dに送信するので、指向性通信によって生じる問題を回避することができる
[第4の実施形態]
本実施の形態は、RTS/CTSを受信しないことに起因する隠れ端末の問題を回避することのできる通信方法に関する。
図23を参照して、RTS/CTSを受信しないことに起因する隠れ端末の問題を説明する。端末Aと端末Bとが、他の端末がアイドル状態のときに、指向性通信を行なっているとする。この端末Aと端末Bとの間の指向性通信中に、端末Cと端末Dとが、DRTSおよびDCTSパケットの交換を行ない、端末CからDATAが送信されたとする。
端末Aは、端末Bと指向性通信を行なっているので、端末Cから送信されたDRTSパケットを受信せず、端末Dから送信されたDCTSパケットを受信しない。
端末Aは、端末Bとの通信終了後に、端末Dとの通信の必要が生じたときに、通信不可テーブル32に端末Cと端末Dとが通信中であることが設定されていないので、DNAVが設定されておらず、DRTSパケットを送信する。しかし、このDRTSパケットは、端末Cから送信されたDATAパケットと衝突し、端末Cと端末Dとの通信を妨害する。
本実施の形態では、上記問題を解決するための通信方法に提供する。
本実施の形態では、送信元端末のMACモジュール23は、DIQ(InQuire)パケットを作成する。
図24(a)は、DIQパケットの構成を示す図である。同図を参照して、DIQパケットは、トーンと制御パケット部とからなる。トーンは、第1の実施形態における図6(a)に示すDRTSパケットのトーンと同一である。制御パケット部は、IQパケットで構成され、IQパケットを示すフレームの種類と、送信先アドレスと、送信元アドレスと、照会する端末のアドレスとを含む。図23の例では、送信先アドレスが端末Rのアドレスで、送信元アドレスが端末Aのアドレスで、照会する端末のアドレスが端末Dのアドレスである。
また、DIQパケットを受信した端末のMACモジュール23は、RP(ResPonse)パケットを作成する。
図24(b)は、RPパケットの構成を示す図である。同図を参照して、RPパケットは、RQパケットを示すフレームの種類と、送信先アドレスと、送信元アドレスと、照会された端末の通信状態と、送信継続時間とを含む。図23の例では、送信先アドレスが端末Aのアドレスで、送信元アドレスが端末Rのアドレスで、照会された端末の通信状態が端末Dが通信中のため通信中であり、送信継続時間が端末Cと端末Dとの間の残りの送信継続時間である。
(DIQ,RPパケット通信時の動作)
図23に示すアドホックネットワークを例に用いて、DIQ,RPパケット通信時の送信元端末Aの処理と、他の端末Rの処理について説明する。
図25は、送信元端末Aの処理手順を示すフローチャートである。同図を参照して、まず、送信元端末AのMACモジュール23は、送信先端末Dとの通信の前に、ネットワークテーブル31を参照して、受信レベルが最小の端末、すなわち近傍に位置する端末Rを探し、ネットワークテーブル31からその近傍端末Rのアドレスに対応するセクタS″ビームパターンと、近傍端末Rのアドレスと、受信レベルとを取得する(S701)。
送信元端末AのMACモジュール23は、近傍端末Rとの通信のため、第1の実施形態と同様に、S101〜S105の処理を行なう。
送信元端末AのMACモジュール23は、トーンと、送信先端末Dのアドレスを照会する端末のアドレスとして含むIQパケットとからなるDIQパケットを作成する。そして、送信元端末AのMACモジュール23は、取得した受信レベルより近傍端末Rにパケットが届くための最小の送信電力を特定する。送信元端末AのMACモジュール23は、特定した送信電力で、セクタS″ビームパターンによりDIQパケットを指向性送信する(S702)。
送信元端末AのMACモジュール23は、セクタS″ビームパターンによる指向性受信により、近傍端末RからRPパケットを取得できなかったときには(S703)、DIQパケットを再送する。
送信元端末AのMACモジュール23は、セクタS″ビームパターンによる指向性受信により、近傍端末RからRPパケットを取得したときには(S703)、RPパケットから照会された端末の通信状態を取出し、照会された端末の通信状態が非通信中であれば(S704)、送信先端末Dとの通信のためS101〜S110の処理を行なう。
また、照会された端末の通信状態が通信中であれば(S704)、さらに、送信元端末AのMACモジュール23は、RPパケットから送信継続時間を取出し、現在の時刻から送信継続時間が経過後に、送信先端末Dとの通信のためS101〜S110の処理を行なう。
図26は、近傍端末Rの処理手順を示すフローチャートである。同図を参照して、近傍端末RのMACモジュール23は、第1の実施形態と同様に、S201〜S205の処理を行なう。
近傍端末RのMACモジュール23は、S205においてDRTSパケットの制御パケット部を取得せずに、DIQパケットの制御パケット部(つまり、IQパケット)を取得したときには(S801)、DIQパケットの制御パケット部から照会する端末のアドレスを取出して、この照会する端末のアドレスが通信不可テーブル32の通信中の端末のアドレスとして登録されているか否かを調べる(S802)。
近傍端末RのMACモジュール23は、照会する端末のアドレスが通信不可テーブル32に登録されているときには、通信不可テーブル32から照会する端末のアドレスに対応する送信継続時間と受信時刻とを取出して、送信継続時間−(現在の時刻−受信時刻)より、残りの送信継続時間ΔRTを算出する(S803)。
近傍端末RのMACモジュール23は、残りの送信継続時間ΔRTが0より大きいときには、通信中を照会された端末の通信状態として含み、残りの送信継続時間ΔRTを送信継続時間として含むRPパケットを作成する(S804、S805)。
近傍端末RのMACモジュール23は、照会する端末のアドレスが通信不可テーブル32に登録されていないとき、または残りの送信継続時間ΔRTが0以下のときには、非通信中を照会された端末の通信状態として含むRPパケットを作成する(S802、S804、806)。
近傍端末RのMACモジュール23は、IQパケットを受信したときの受信レベルに基づいて、送信元端末Aにパケットが届くための最小の送信電力を特定する。近傍端末RのMACモジュール23は、特定した送信電力で、セクタS′ビームパターンにより、RPパケットを指向性送信する(S807)。
以上のように、本実施の形態に係るアドホックネットワークにおける通信方法によれば、送信元端末Aは、送信先端末DにDRTSパケットを送信する前に、送信先端末Dが通信中であるかを近傍の端末Rに照会するので、RTS/CTSを受信しないことに起因する隠れ端末の問題を回避することができる。
(変形例)
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、たとえば、以下の変形例も包含する。
(1) 位置情報の取得
本発明の実施形態では、各端末は、Helloパケットの交換によってネットワークテーブルを作成することによって他の端末の位置を知ることができるものとしたが、これに限定するものではない。たとえば、各端末は、GPS受信機を備え、GPSで取得した自己の位置情報を定期的に交換しあうことによって、他の端末の位置を知るものとしてもよい。また、送信元端末は、送信先端末の位置を知らないときには、回転セクタビームパターンまたはオムニビームパターンでDRTSパケットを送信し、送信先端末から帰ってくるDCTSパケットを回転セクタビームパターンにより指向性受信することによって、送信先端末の位置を知得する。送信元端末は、送信先端末の位置を知得後は、第1の実施形態のように、特定のセクタビームパターンでDRTSパケットを指向性送信するものとしてもよい。
(2) 送信先アドレスに基づく送信の禁止
本発明の実施形態では、送信元端末Aは、送信先端末Bの方向が含まれるセクタS(=4)ビームパターンにDNAVが設定されているときには、DRTSパケットを送信しないものとしたが、通信不可テーブルに送信先端末Bのアドレスが、セクタSビームパターン以外のセクタビームパターンに対応して登録されているときにも、DRTSパケットを送信しないものとしてもよい。
(3) 受信レベルの閾値
本発明の第1の実施形態では、指向性受信したときの受信レベルが常に閾値A以上のときに限り、パケットを取得するものとしたが、これに限定するものではない。第2の実施形態では、閾値Aおよび閾値Bを固定することが必要であるが、第1の実施形態では、閾値Aは、変化させるものとしてもよい。
(4) 第4の実施形態のIQパケットの代替手段
第4の実施形態では、送信元端末は、送信先端末にDRTSパケットを送信する前に、近傍の端末にDIQパケットを送信して、送信先端末が通信中であるかを照会したが、これに限定するものではない。たとえば、送信元端末は、送信の必要が生じたときに、仮に送信先端末が通信しているとしてその通信に要すると考えられる最大時間、すなわち、DRTS/DCTSパケットの交換に要する時間+最長のDATAパケットの通信時間+ACKの通信時間だけ待った後、送信先端末にDRTSパケットを送信するものとしてもよい。
(5) 第4の実施形態のDIQ、RPパケットの送信
第4の実施形態では、DIQパケット、RPパケットをセクタビームパターンにより指向性送信したが、これに限定するものではない。送信元端末Aおよび端末Rは、送信電力を調整しているので、DIQパケット、RPパケットをオムニ送信するものとしてもよい。また、送信元端末Aは、端末Rが近距離にあるので、RPパケットを受信するときの受信レベルの閾値を上げるものとしてもよい。
(6) アプリケーションとプロセス/アプリケーションのプロトコル
本発明の実施形態では、アプリケーションとしてメイラ、プロセス/アプリケーションのプロトコルとしてSMTPを用いて説明を行なったが、これに限定するものではなく、トランスポート層としてTCPを用いるものであれば、どのようなものでもよい。
(7) DIQ,RPパケットの変形例
第4の実施形態では、送信元端末Aは、送信先端末Dが通信中であるかを近傍の端末Rに照会したが、これに限定するものではない。送信元端末AのMACモジュール23は、送信先端末Dの存在する方向が含まれるセクタ1ビームパターンの通信状態を照会するためのDIQパケットを作成して近傍の送信するものしてもよい。図27(a)は、DIQパケットの変形例の構成を示す。同図を参照して、DIQパケットは、トーンと、制御パケット部とからなる。トーンは、第1の実施形態のDRTSパケットのトーンと同一である。制御パケット部は、IQパケットで構成され、IQパケットを示すフレームの種類と、送信先アドレスと、送信元アドレスと、照会するセクタビームパターンとを含む。図23の例では、送信先アドレスが端末Rのアドレスで、送信元アドレスが端末Aのアドレスで、照会するセクタビームパターンがセクタ1ビームパターンである。
端末RのMACモジュール23は、DIQパケットの制御パケット部(つまり、IQパケット)を取得したときには、IQパケットの制御パケット部から照会するセクタビームパターンを取出して、通信不可テーブル32に、この照会するセクタビームパターンに対応する通信中の端末のアドレスが登録されているか否かを調べる。
端末RのMACモジュール23は、照会するセクタビームパターンに対応する通信中の端末のアドレスが通信不可テーブル32に登録されているときには、通信不可テーブル32からその通信中の端末のアドレスに対応する送信継続時間と受信時刻とを取出して、送信継続時間−(現在の時刻−受信時刻)より、残りの送信継続時間ΔRTを算出する。端末RのMACモジュール23は、残りの送信継続時間ΔRTが0より大きいときには、通信中を照会されたセクタビームパターンの通信状態として含み、残りの送信継続時間ΔRTを送信継続時間として含むRPパケットを作成する。
端末RのMACモジュール23は、照会するセクタビームパターンに対応する通信中の端末のアドレスが通信不可テーブル32に登録されていないとき、または残りの送信継続時間ΔRTが0以下のときには、非通信中を照会されたセクタビームパターンの通信状態として含むRPパケットを作成する。
図27(b)は、RPパケットの変形例の構成を示す。同図を参照して、RPパケットは、RPパケットを示すフレームの種類と、送信先アドレスと、送信元アドレスと、照会されたセクタビームパターンの通信状態と、送信継続時間とを含む。図23の例では、送信先アドレスが端末Aのアドレスで、送信元アドレスが端末Rのアドレスで、照会されたセクタビームパターンの通信状態が、セクタ1ビームパターンが通信中のため通信中であり、送信継続時間が端末Cと端末Dとの間の残りの送信継続時間である。
そして、端末RのMACモジュール23は、第4の実施形態と同様に、このRPパケットを指向性送信する。
また、この変形例と実施例4とを組合せて用いるものとしてもよい。すなわち、送信元端末Aは、送信先端末Dが通信中であるか、または送信先端末Dの存在する方向が含まれるセクタ1ビームパターンの通信状態が通信中かどうかを照会するためのIQパケットを作成して、近傍の端末Rに照会するものとしてもよい。近傍の端末Rは、送信先端末Dが通信中であるか、または送信先端末Dの存在する方向が含まれるセクタ1ビームパターンの通信状態が通信中の場合に、通信中である通信状態と、残りの送信継続時間とを含むRPパケットを送信し、送信先端末Dが非通信中で、かつ送信先端末Dの存在する方向が含まれるセクタ1ビームパターンの通信状態が非通信中の場合に、非通信中である通信状態を含むRPパケットを送信するものとしてもよい。
(8) 回転セクタビームパターン
本発明の実施形態では、回転セクタビームパターンによる指向性通信により、セクタビームパターンによる指向性通信をすべてのセクタビームパターンに対して行なったが、セクタビームパターンは、必ずしも回転しなくてもよい。すなわち、セクタ1ビームパターン→セクタ2ビームパターン→セクタ3ビームパターン1→セクタ4ビームパターン→セクタ5ビームパターン→セクタ6ビームパターンの順序でなくても、任意の順序で指向性通信してもよい。
(9) トーンを有するパケットの構成
本実施の形態では、トーンとRTSパケットを1個のDRTSパケットとしたが、別個のパケットとしてもよい。つまり、トーンとRTSパケットが短い時間間隔で分離されるものとしてもよい。DCTSパケット、DHelloパケット、およびDIQパケットについても同様である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
アドホックネットワークの構成を示す図である。 端末Aの構成を示す図である。 アンテナ部20の構成を示す図である。 (a)は、オムニビームパターンを示す図であり、(b)は、方位が分割されたセクタを示す図であり、(c)は、セクタ1ビームパターンを簡略化した図であり、(d)は、セクタ2ビームパターンを簡略した図であり、(e)は、セクタ3ビームパターンを簡略化した図であり、(f)は、セクタ4ビームパターンを簡略化した図であり、(g)は、セクタ5ビームパターンを簡略化した図であり、(h)は、セクタ6ビームパターンを簡略化した図であり、(i)は、回転セクタビームパターンを説明するための図である CSMA/CA方式を示す図である。 (a)は、第1の実施形態のDRTSパケットの構成を示す図であり、(b)は、第1の実施形態のDCTSパケットの構成を示す図である。 第1の実施形態における送信元端末Aおよび送信先端末Bの通信方法を示す図である。 DHelloパケットの構成を示す図である。 端末Aが作成したネットワークテーブル31の例を示す図である。 端末Cが作成した通信不可テーブル32の例を示す図である。 端末の位置情報の交換処理の動作手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態における送信元端末A、送信先端末B、および他の端末Cの配置を示す図である。 第1の実施形態における送信元端末Aの処理手順を示すフローチャートである。 第1の実施形態における送信先端末Bおよび他の端末Cの処理手順を示すフローチャートである。 (a)は、非対称な利得に起因する隠れ端末の問題が生じる従来のオムニ受信による通信方法を示す図であり、(b)は、非対称な利得に起因する隠れ端末の問題が回避された本実施の形態による指向性受信による通信方法を示す図である。 第2の実施形態における送信元端末Aおよび送信先端末Bの通信方法を示す図である。 (a)は、第2の実施形態のDRTSパケットの構成を示す図であり、(b)は、第2の実施形態のDCTSパケットの構成を示す図である。 第2の実施形態における送信先端末Bおよび他の端末の処理手順を示すフローチャートである。 指向性通信によって生じる問題を説明するための図である。 DTパケットの構成を示す図である。 第3の実施形態における送信元端末Xの処理手順を示すフローチャートである。 第3の実施形態における他の端末Rの処理手順を示すフローチャートである。 RTS/CTSを受信しないことに起因する隠れ端末の問題を説明するための図である。 (a)は、DIQパケットの構成を示す図であり、(b)は、RPパケットの構成を示す図である。 第4の実施形態における送信元端末Aの処理手順を示すフローチャートである。 第4の実施形態における近傍端末Rの処理手順を示すフローチャートである。 (a)は、DIQパケットの変形例の構成を示す図であり、(b)は、RPパケットの変形例の構成を示す図である。
符号の説明
A〜I 端末、A0〜A6 励起素子、R1〜R6 可変リアクタンス、11 入力部、12 表示部、13 電子メールアプリケーション、14 通信制御部、15 SMTPモジュール、16 ルーティングプロトコルモジュール、17 TCPモジュール、18 UDPモジュール、19 IPモジュール、20 アンテナ部、22 LLCモジュール、23 MACモジュール、24 無線インタフェースモジュール、31 ネットワークテーブル、32 通信不可テーブル、41 制御回路。

Claims (8)

  1. セクタアンテナを有する端末で形成されるアドホックネットワークにおける通信方法であって、
    第1の端末が、第2の端末が存在する方向を含む第1のセクタビームパターンで、トーンと制御パケットとを指向性送信するステップと、
    前記第2の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、前記指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第2のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、
    前記第2の端末が、前記第2のセクタビームパターンによる指向性受信によって、前記制御パケットを取得するステップとを含み、
    前記トーンのビット長は、前記第2の端末が前記セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行なうのに要する時間にトーンの伝送速度を乗算して得られるビット長以上である、アドホックネットワークにおける通信方法。
  2. セクタアンテナを有する端末で形成されるアドホックネットワークにおける通信方法であって、
    第1の端末が、第2の端末が存在する方向を含む第1のセクタビームパターンで、トーンと、前記第2の端末のアドレスを示す送信先端末のアドレス、前記第1の端末のアドレスを示す送信元端末のアドレス、および送信継続時間を含むRTSパケットとを指向性送信する第1のステップと、
    前記第2の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、前記指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第2のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、
    前記第2の端末が、前記第2のセクタビームパターンによる指向性受信によって、前記RTSパケットを取得するステップと、
    前記第2の端末が、前記RTSパケットから送信先端末のアドレスを取得し、前記取得した送信先端末のアドレスが自端末のアドレスの場合に、前記第2のセクタビームパターンにより、トーンと、送信先端末のアドレス、送信元端末のアドレス、および送信継続時間とを含むCTSパケットとを指向性送信するステップと、
    前記第1の端末が、前記第1のセクタビームパターンによる指向性受信により、前記CTSパケットを取得するステップと、
    前記第1の端末が、前記第1のセクタビームパターンにより、DATAパケットを指向性送信するステップと、
    前記第2の端末が、前記第2のセクタビームパターンによる指向性受信により、前記DATAパケットを取得するステップと、
    前記第2の端末が、前記第2のセクタビームパターンによりACKパケットを指向性送信するステップと、
    前記第1の端末が、前記第1のセクタビームパターンによる指向性受信により、前記ACKパケットを取得するステップとを含み、
    前記トーンのビット長は、前記第2の端末が前記セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行なうのに要する時間にトーンの伝送速度を乗算して得られるビット長以上である、アドホックネットワークにおける通信方法。
  3. 前記アドホックネットワークの各端末は、各セクタビームパターンに対応させて、通信中の端末のアドレスと、送信継続時間と、受信時刻とを記憶する送信不可テーブルを有し、
    前記アドホックネットワークの通信方法は、さらに、
    前記第1および第2の端末以外の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、前記指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第3のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、
    前記第1および第2端末以外の端末が、前記第3のセクタビームパターンによる指向性受信によって、前記RTSパケットまたは前記CTSパケットを取得するステップと、
    前記第1および第2の端末以外の端末が、前記RTSパケットまたは前記CTSパケットから送信先端末のアドレスを取得するステップと、
    前記第1および第2の端末以外の端末が、前記RTSパケットから取得した送信先端末のアドレスが自端末のアドレスでない場合、または前記CTSパケットを取得したときに、前記RTSパケットまたは前記CTSパケットから送信元端末のアドレスと、送信継続時間とを取出すステップと、
    前記第1および第2端末以外の端末が、前記送信不可テーブル内に前記第3のセクタビームパターンに対応させて、通信中の端末のアドレスとして前記取出した送信元端末のアドレスおよび前記取出した送信先端末のアドレスを、送信継続時間として前記取出した送信継続時間を、受信時刻として前記RTSパケットまたはCTSパケットの受信が完了した時刻を書込むステップとを含む、請求項2記載のアドホックネットワークにおける通信方法。
  4. 前記アドホックネットワークにおける通信方法は、さらに、
    第3の端末が、送信先端末が存在する方向が含まれる第4のセクタビームパターンで、トーンと、送信先端末のアドレス、前記第3の端末のアドレスを示す送信元端末のアドレス、および送信継続時間を含むRTSパケットとを指向性送信するRTS送信ステップと、
    第4の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、前記指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第5のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、
    前記第4の端末が、前記第5のセクタビームパターンによる指向性受信によって、前記RTSパケットを取得するステップと、
    前記第4の端末が、前記RTSパケットから送信先端末のアドレスを取出し、前記送信不可テーブル内に前記送信先端末のアドレスが登録されているときには、前記送信不可テーブルから、前記送信先端末のアドレスに対応する送信継続時間と受信時刻とを取得し、前記受信時刻と前記送信継続時間とに基いて、残りの送信継続時間を算出するステップと、
    前記第4の端末が、前記送信先端末のアドレスを通信中の端末のアドレスとして含み、前記残りの送信継続時間を送信継続時間として含むDTパケットを作成するステップと、
    前記第4の端末が、前記第5のセクタビームパターンにより、前記DTパケットを指向性送信するステップと、
    前記第3の端末が、前記第4のセクタビームパターンによる指向性受信により、前記DTパケットを取得するステップと、
    前記第3の端末が、前記受信したDTパケット内の前記通信中の端末のアドレスと前記送信先端末のアドレスとが一致するときに、前記DTパケット内の前記送信継続時間の経過後に、前記RTS送信ステップを再度実行させるステップとを含む、請求項3記載のアドホックネットワークにおける通信方法。
  5. 前記アドホックネットワークの通信方法は、さらに、
    各端末が、その端末の送信指定時刻ごとに送信端末となり、トーンと、送信元端末のアドレスとして自端末のアドレスを含むHelloパケットとを、セクタビームパターンによる指向性送信をすべてのセクタビームパターンに対して行なって送信するステップと、
    各端末が、その端末の受信指定時刻ごとに受信端末となり、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、前記指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第4のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、
    前記受信端末が、前記第4のセクタビームパターンによる指向性受信によって、前記Helloパケットを取得するステップと、
    前記受信端末が、前記Helloパケットから送信元端末のアドレスを取得して、前記第4のセクタビームパターンに対応させて、前記送信元端末のアドレスと、Helloパケットを受信したときの受信レベルとをネットワークテーブルに書込むステップとを含み、
    前記第1のステップにおいて、前記第1の端末は、自端末が保持する前記ネットワークテーブルを参照して、前記第2の端末が存在する方向を含む第1のセクタビームパターンを特定する、請求項3記載のアドホックネットワークにおける通信方法。
  6. 第3の端末が、送信先端末にRTSパケットを送信する前に、前記ネットワークテーブル内の受信レベルに基いて、自端末の近傍の端末を特定し、前記ネットワークテーブルから前記近傍の端末のアドレスとともに、セクタビームパターンおよび受信レベルを取得するステップと、
    前記第3の端末が、前記取得した受信レベルに基いて、前記近傍の端末にパケットが届くための最小の送信電力を特定し、前記特定した送信電力で、前記取得したセクタビームパターンにより、トーンと、送信先端末のアドレスを通信状態を照会する端末のアドレスとして含むIQパケットとを指向性送信するステップと、
    前記近傍の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、前記指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第5のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、
    前記近傍の端末が、前記第5のセクタビームパターンによる指向性受信によって、前記IQパケットを取得するステップと、
    前記近傍の端末が、前記IQパケット内の通信状態を照会する端末のアドレスが、前記通信不可テーブルに登録されていないときには、非通信中を通信状態として含むRPパケットを作成し、前記通信不可テーブルに登録されているときには、前記通信不可テーブル内の前記通信状態の照会する端末のアドレスに対応する送信継続時間と受信時刻とに基いて、残りの送信継続時間を算出し、通信中を通信状態として含み、前記算出した残りの送信継続時間を送信継続時間として含むRPパケットを作成するステップと、
    前記近傍の端末が、前記第5のセクタビームパターンにより、前記RPパケットを指向性送信するステップと、
    前記第3の端末が、前記取得したセクタビームパターンによる指向性受信により、前記RPパケットを取得するステップと、
    前記第3の端末が、前記RPパケットから通信状態を取出し、前記取出した通信状態が通信中のときには、前記RPパケットから送信継続時間を取出すステップとを含み、
    前記第3の端末が、前記取出した通信状態が非通信中のときには、前記送信先端末へのRTSパケットの送信を開始し、前記取出した通信状態が通信中のときには、前記取出した送信継続時間の経過後、前記送信先端末へのRTSパケットの指向性送信を開始するステップとを含む、請求項5記載のアドホックネットワークにおける通信方法。
  7. 第3の端末が、送信先端末にRTSパケットを送信する前に、前記ネットワークテーブル内の受信レベルに基いて、自端末の近傍の端末を特定し、前記ネットワークテーブルから前記近傍の端末のアドレスとともに、セクタビームパターンおよび受信レベルを取得するステップと、
    前記第3の端末が、前記取得した受信レベルに基いて、前記近傍の端末にパケットが届くための最小の送信電力を特定し、前記特定した送信電力で、前記取得したセクタビームパターンにより、トーンと、送信先端末が存在する方向を含むセクタビームパターンを通信状態を照会するセクタビームパターンとして含むIQパケットとを指向性送信するステップと、
    前記近傍の端末が、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、前記指向性受信によるトーンの受信レベルが最大となるセクタビームパターンを第5のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、
    前記近傍の端末が、前記第5のセクタビームパターンによる指向性受信によって、前記IQパケットを取得するステップと、
    前記近傍の端末が、前記IQパケット内の通信状態を照会するセクタビームパターンに対応する通信中の端末のアドレスが前記通信不可テーブルに登録されていないときには、非通信中を通信状態として含むRPパケットを作成し、前記通信不可テーブルに登録されているときには、前記通信不可テーブル内の前記通信中の端末のアドレスに対応する送信継続時間と受信時刻とに基いて、残りの送信継続時間を算出し、通信中を通信状態として含み、前記算出した残りの送信継続時間を送信継続時間として含むRPパケットを作成するステップと、
    前記近傍の端末が、前記第5のセクタビームパターンにより、前記RPパケットを指向性送信するステップと、
    前記第3の端末が、前記取得したセクタビームパターンによる指向性受信により、前記RPパケットを取得するステップと、
    前記第3の端末が、前記RPパケットから通信状態を取出し、前記取出した通信状態が通信中のときには、前記RPパケットから送信継続時間を取出すステップとを含み、
    前記第3の端末が、前記取出した通信状態が非通信中のときには、前記送信先端末へのRTSパケットの送信を開始し、前記取出した通信状態が通信中のときには、前記取出した送信継続時間の経過後、前記送信先端末へのRTSパケットの指向性送信を開始するステップとを含む、請求項5記載のアドホックネットワークにおける通信方法。
  8. セクタアンテナを有する端末で形成されるアドホックネットワークにおける通信方法であって、
    第1の端末が、第2の端末が存在する方向が含まれる第1のセクタビームパターンで、トーンと、前記第2の端末のアドレスを示す送信先端末のアドレス、前記第1の端末のアドレスを示す送信元端末のアドレス、および送信継続時間を含むRTSパケットとを指向性送信するステップと、
    第2の端末が、オムニビームパターンによる全方向受信を行ない、前記全方向受信によるトーンの受信レベルが第1の閾値以上であるかを判定するステップと、
    前記第2の端末が、前記受信レベルが前記第1の閾値以上と判定されたときに、セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行ない、前記指向性受信によるトーンの受信レベルが第2の閾値以上で、かつ最大となるセクタビームパターンを第2のセクタビームパタ−ンとして特定するステップと、
    前記第2の端末が、前記第2のセクタビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが前記第2の閾値以上のときに前記RTSパケットを取得するステップと、
    前記第2の端末が、前記RTSパケットから送信先端末のアドレスを取得し、前記取得した送信先端末のアドレスが自端末のアドレスの場合に、前記第2のセクタビームパターンにより、トーンと、送信先端末のアドレス、送信元端末のアドレス、および送信継続時間とを含むCTSパケットとを指向性送信するステップと、
    前記第1の端末が、前記第1のセクタビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが前記第2の閾値以上のときに前記CTSパケットを取得するステップと、
    前記第1の端末が、前記第1のセクタビームパターンにより、DATAパケットを指向性送信するステップと、
    前記第2の端末が、前記第2のセクタビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが前記第2の閾値以上のときに前記DATAパケットを取得するステップと、
    前記第2の端末が、前記第2のセクタビームパターンによりACKパケットを指向性送信するステップと、
    前記第1の端末が、前記第1のセクタビームパターンによる指向性受信を行ない、受信レベルが前記第2の閾値以上のときに前記ACKパケットを取得するステップとを含み、
    前記第1の閾値は、前記第2の閾値から、前記セクタビームパターンによる指向性受信の利得と前記オムニビームパターンによる全方向受信の利得の差を減算した値であり、
    前記トーンのビット長は、前記第2の端末が前記オムニビームパターンによる全方向受信に要する時間と前記セクタビームパターンによる指向性受信をすべてのセクタビームパターンに対して行なうのに要する時間との和にトーンの伝送速度を乗算して得られるビット長以上である、アドホックネットワークにおける通信方法。
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