JP2005086185A - 成膜方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、基板表面に吸着しにくいガス種を原料ガスとして用いた場合でも、異なる種類の原料ガスを交互に供給しながら基板上で反応させる方法により成膜を行なうことができる成膜方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 原料ガスとしてTaF5とSiH4とを交互に供給しながら基板上で反応させてTaSixの薄膜を生成する。原料ガスを供給する前に、双極子モーメントを有するガスであるNH3を供給することのより基板表面に前処理を施す。あるいは、前処理としてTaN膜を基板表面に生成する。SiH4の供給時の分圧を所定のしきい値以上とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 原料ガスとしてTaF5とSiH4とを交互に供給しながら基板上で反応させてTaSixの薄膜を生成する。原料ガスを供給する前に、双極子モーメントを有するガスであるNH3を供給することのより基板表面に前処理を施す。あるいは、前処理としてTaN膜を基板表面に生成する。SiH4の供給時の分圧を所定のしきい値以上とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は成膜方法に係り、より詳細には、半導体製造工程等において基板上でバリア膜等として機能する薄膜を生成するための成膜方法に関する。
トランジスタ等の半導体製造工程において、基板上の絶縁酸化膜上に導電層として銅層を形成する際に、絶縁酸化膜と銅層との間にバリア膜を設ける場合がある。バリア膜は銅層の銅が絶縁酸化膜中に拡散しないように銅層と絶縁酸化膜とを分離するために設けられる。バリア膜として、例えばタンタルナイトライド(TaN)、チタンナイトライド(TiN)等の薄膜を用いることが多い。
従来、上述のバリア膜を生成する方法として物理的気相成長法(PVD)が一般的に用いられているが、より効率的にバリア膜を生成するために、化学的気相成長法(CVD)を用いることも提案されている。
例えば、TaF5とSiH4とを気相合成することによりタンタルシリサイド(TaSi)膜を生成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。ところが、CVDで薄膜を生成する場合、膜厚を精度よく制御することが難しく、極薄の膜を生成することができない。また、CVDで薄膜を生成すると、薄膜中に微量ではあるが不純物が混入する場合がある。例えば、上述のようにTaF5とSiH4とを用いてCVDによりTaSi膜を生成した場合、TaSi膜中に不純物としてフッ素(F)が混入する。バリア膜は比抵抗を極力小さくすることが求められているが、このように不純物が混入すると比抵抗が大きくなり、バリア膜として良好な特性が損なわれてしまう。
さらに、TaSi膜が基板上で成長するには最初に核が基板上に生成されなければならないが、この核が生成されてTaSi膜が成長し始めるまでにある程度の時間が必要となる。この時間を一般にインキュベーションタイムと称している。インキュベーションタイムが長いと成膜処理に時間がかかり、スループットが低下してしまう。
そこで、CVDによる薄膜生成処理を行なう前に、基板に前処理を施して核の生成を促進する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。この方法では、WF6とSiH4とを用いてCVDにより薄膜を形成する際に、基板をアンモニア(NH3)で前処理する。NH3による前処理により、気相中で反応したWF6とSiH4とを基板に吸着されやすくすることで、インキュベーションタイムを短縮している。
国際公開第02/056348号パンフレット
特開2000−235962号公報
国際公開第02/48427号パンフレット
以上のように、バリア膜をCVDにより生成する方法が提案されているが、半導体構造における配線がより一層微細化されている現状において、より高品質のバリア膜を生成する方法が要望されている。
このような要望を満たすために、異なる種類の原料ガスを交互に供給しながら基板上で反応させて薄膜を生成するALD(Atomic Layer Deposition)によりバリア膜を生成することが提案されている。ところが、例えば、TaF5とSiH4とを原料ガスとして用いて従来CVDにより生成していたTaSi膜を、ALDにより生成しようとすると、これら原料ガスは基板表面に吸着されにくい特性を有しているため、成膜初期の核成長反応が起こりにくく、ALDでは膜を生成することができないという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、基板表面に吸着しにくいガス種を原料ガスとして用いた場合でも、異なる種類の原料ガスを交互に供給しながら基板上で反応させる方法により成膜を行なうことができる成膜方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明によれば、異なる種類の原料ガスを交互に供給しながら基板上で反応させて薄膜を生成する成膜方法であって、前記原料ガスを供給する前に、該基板の成膜を行なう表面に原料ガスの吸着を促進する前処理を施すことを特徴とする成膜方法が提供される。
上述の発明によれば、基板表面に前処理を施すことにより原料ガスの吸着が促進され、原料ガスの交互供給による方法で成膜ができなかった場合でも、バリア膜として良好な特性を有する膜の生成が可能となる。
前記前処理として、NH3等の双極子モーメントを有するガスを前記基板の表面に供給することとしてもよい。代わりに、前記前処理として、TaN膜を前記基板の表面に生成することとしてもよい。前記TaN膜を、TaF5とプラズマ化したNH3とを交互に供給することにより生成することが好ましい。また、前記原料ガスの供給時に、前記原料ガスの圧力を所定のしきい値以上とすることが好ましい。
上述の発明において、前記原料ガスはTaF5及びSiH4であり、前記前処理はNH3を基板表面に供給する処理であり、前記TaF5及びSiH4を交互供給する際に、TaF5及びSiH4の分圧を所定のしきい値以上とすることにより前記基板上にTaSix膜を生成することとしてもよい。また、前記原料ガスはTaF5及びSiH4であり、前記前処理はTaN膜を基板表面に生成する処理であり、前記TaF5及びSiH4を交互供給する際に、SiH4の分圧を所定のしきい値以上とすることにより前記基板上にTaSix膜を生成することとしてもよい。前記TaF5及びSiH4を交互供給する際に、TaF5の分圧を所定のしきい値以上とすることが好ましい。
上述の如く本発明によれば、基板表面に吸着しにくいガス種を原料ガスとして用いた場合でも、異なる種類の原料ガスを交互に供給しながら基板上で反応させる成膜方法を用いて成膜を行なうことができる。
次に、本発明の実施の形態について図面と共に説明する。
図1は本発明による成膜方法が実施される成膜装置の概略構成図である。図1に示す成膜装置は、複数の原料ガスを交互に供給して薄膜を生成する成膜装置の一例として、フッ化タンタル(TaF5)とシラン(SiH4)とを交互に供給してタンタルシリサイド(TaSix)の薄膜を生成する成膜装置である。
処理チャンバ2内には、薄膜を生成する基体としてシリコン基板Wが載置される載置台4が設けられている。載置台4の上方に配置されたシャワーヘッド6から原料ガスであるTaF5とSiH4とが交互にキャリアガスArと共に処理チャンバ2内に供給される。シャワーヘッド6にはガス供給管8が接続されており、SiH4とArはガス供給管8の一端から供給され、ガス供給管8を流れてシャワーヘッドに供給される。一方、TaF5はガス供給管8の側面に接続されたガス通路10を介してガス供給管8に供給され、Arと共にシャワーヘッド6に供給される。
ここで、アンモニアガス(NH3)もガス供給管8及びシャワーヘッド6を介して処理チャンバ2に供給されるが、NH3の供給は後述するように前処理を施すために行なわれる。したがって、NH3は、TaF5とSiH4とを交互供給してタンタルシリサイド(TaSix)を成長させる工程では供給されない。
処理チャンバ2に供給されたTaF5とSiH4のうち、反応に寄与しなかった部分は、処理チャンバ2の底部に設けられたバタフライバルブ12を介して高真空ポンプ(ターボ分子ポンプ:TMP)14により処理チャンバ2内から排気され、さらに低真空ポンプ(ドライポンプ:DP)16により外部に排気される。
図1に示す成膜装置で生成されるタンタルシリサイド(TaSix)の薄膜は、例えば多層薄膜構造中に銅ビア等を形成する際に層間絶縁膜と銅ビアとの間に設けられるバリア膜として用いられる。図2はバリア膜として用いるタンタルシリサイドの薄膜を生成する工程を示す図である。
図2に示す例では、半導体装置等の薄膜多層構造において、上下の配線層を接続する銅ビアを形成している。まず、図2(a)に示すように、配線層としての銅膜20の上に層間絶縁膜21とエッチストッパ膜22とが形成される。次に、図2(b)に示すように、層間絶縁膜21とエッチストッパ膜22とを貫通してビア孔23が形成される。続いて、図2(c)に示すように、ビア孔23の上部にトレンチ24が形成される。
通常、ビア孔23の内面及びトレンチ24の内面にバリア膜25を形成し、ビア23及びトレンチに埋め込まれた銅が層間絶縁膜21中に拡散することを防止する。本発明の実施例では、後述するようにバリア膜としてタンタルシリサイド(TaSix)の薄膜を形成するが、その前に図2(d)に示すようにビア孔23の内面及びトレンチ24の内面に前処理を施す。その後、図26(e)に示すように、TaF5とSiH4とを交互に供給しながらTaSixのバリア膜25を生成する。バリア膜25を形成した後、図2(f)に示すように、トレンチ24及びビア孔23の中に銅を埋め込んで銅ビア26を形成する
以上のように、本発明の一つの特徴は、従来はバリア膜を生成することができなかったような条件においても、前処理を行うことによりバリア膜を生成することができるようにしたことである。ただし、前処理は必須のものではなく、例えば供給する原料ガスの圧力を増大させる等の他の成膜条件を調整制御することで、原料ガスの交互供給によるバリア膜を生成可能とすることもできる。
以上のように、本発明の一つの特徴は、従来はバリア膜を生成することができなかったような条件においても、前処理を行うことによりバリア膜を生成することができるようにしたことである。ただし、前処理は必須のものではなく、例えば供給する原料ガスの圧力を増大させる等の他の成膜条件を調整制御することで、原料ガスの交互供給によるバリア膜を生成可能とすることもできる。
ここで、本発明の第1実施例によるバリア膜の成膜方法について説明する。
原料ガスであるTaF5とSiH4とは、両方ともシリコン基板に吸着されにくい性質を有しており、通常の条件下での交互供給では基板上にTaSixの薄膜を生成することはできない。そこで、本発明の第1実施例では、TaF5とSiH4とを処理チャンバ2内に交互供給する前に基板Wの表面に前処理を施し、且つTaF5とSiH4とを処理チャンバ2内に交互供給する際に処理チャンバ2内の圧力を上げることにより、TaF5とSiH4が基板に吸着されやすいようにし、TaSixの薄膜の生成を可能としている。
上述のように、本実施例では、成膜処理を行なう前に、基板Wの表面にNH3を供給する前処理工程を行なう。すなわち、通常の基板Wの表面にはTaF5はほとんど吸着されないため、基板Wの表面にTaF5を吸着させるために前処理を行なう。
基板Wの表面にNH3を供給すると、図3(a)に示すように、基板Wの表面に多数のNH3が付着する。この状態でTaF5を供給すると、基板上のNH3とTaF5とが結合して、図3(b)に示すように、基板上に多数のNHx−TaFxが付着した状態となる。この状態は、基板の表面にTaFxNyが付着した状態と考えることができる。TaFxNyはSiH4を化学吸着しやすい性質を有している。したがって、図3(b)に示す状態の基板にSiH4を供給すると、図3(c)に示すように、SiHxがTaFxと反応してHFとTaSiとが生成される。HFは基板から離れて周囲のガス中に拡散するが、TaSiは基板上に付着して残る。これにより、基板上にTaSiの核が生成される。
これ以降、TaF5とSiH4とを交互に供給することにより、TaSiの核が成長し、TaSix膜を生成することができる。ただし、図3(c)に示すSiH4がTaF5と反応する段階では、反応速度が遅いため成膜に時間がかかってしまう。
そこで、本実施例では、原料ガスのSiH4を供給する際の圧力を上げること、すなわちSiH4の分圧を上げることにより、SiH4とTaF5との反応速度を高めて、TaSix膜の生成時間を短縮している。SiH4の分圧を上げるためには、SiH4の供給量を増大する方法や、SiH4の供給時に処理チャンバ2からの排気を絞る方法が考えられる。本実施例では、処理チャンバ2の排気口に設けられたバタフライバルブ12の開度を小さくするか、閉じることにより、処理チャンバ2内の圧力が上昇するように制御している。
図4は前処理後の原料ガス供給のシーケンスを示すタイムチャートである。図4のタイムチャートには、原料ガスとしてTaF5,SiH4及びキャリアガスとしてArを処理チャンバに供給するシーケンスが示されており、それに加えて、処理チャンバの排気口に設けられたバタフライバルブ12の開度が示されている。バタフライバルブ12の開度を調整することにより、排気速度を調整することができ、したがって処理チャンバ2内の圧力を調節することができる。
本実施例では、NH3を供給して前処理を行なった後に、図4に示すシーケンスでTaF5,SiH4及びArを処理チャンバ2に供給する。前処理は、例えばNH3とArを400/100sccmの流量で2秒間処理チャンバ2に供給し、次の2秒間で真空排気を行なうことで行なわれる。このような前処理の後に、図4に示すシーケンスでTaF5とSiH4とを交互供給する。
まずTaF5とArとを0.5/100sccmの流量で1秒間処理チャンバ2に供給する(図4(a),(c))。この時、バタフライバルブ12は全閉(0度)となっている(図4(d))。次に、バタフライバルブ12を全開(90度)として処理チャンバ2内のTaF5とArとを5秒間排気する(図4(d))。排気が終わると、SiH4及びArを165/100sccmの流量で6秒間処理チャンバ2に供給する(図4(b)、(c))。この時、バタフライバルブ12は全閉(0度)とされている(図4(d))。SiH4及びArを6秒間供給した後、バタフライバルブ12を全開(90度)として処理チャンバ2内のSiH4とAr及び反応生成物とを5秒間排気する(図4(d))。以上のシーケンスを、TaSi膜が所定の厚さになるまで例えば100回繰り返す。
以上のように、NH3により前処理を行った後に図4に示すシーケンスでTaF5とSiH4とを交互供給した結果、図4に示すシーケンスを50回繰り返した時点でTaSix膜が生成され始め、100回の時点で約200Åの膜厚のTaSix膜が得られた。その後、200回目で約300Å、300回目で約400Åの膜厚のTaSix膜が得られた(後述の図6参照)。
なお、本実施例では前処理として基板表面にNH3を供給したが、後述するように基板表面に極薄のTaN膜を生成することとしてもよい。この場合でも、上述のシーケンスによりTaN膜上にTaSi膜を生成することができる。
以上のように、原料ガスのTaF5及びSiH4はどちらも極性をもたないガスであり、基板表面に吸着しにくいため、本実施例では、双極子モーメントを有しているNH3による前処理を行なって、TaF5の吸着を促進することにより、TaSix膜の生成を可能としている。前処理用のガスとしてNH3を用いることが好ましいが、これに限定されることなく、双極子モーメントを有する他のガスを用いることとしてもよい。
また、本実施例では、成膜中のSiH4の分圧を例えば130Pa(1Torr)以上というように、あるしきい値以上とすることで、TaSix膜の生成を可能としている。SiH4の分圧を上げるためにバタフライバルブ12を閉じているが、必ずしも完全に閉じる必要はなく、分圧がしきい値以上となるように開度を調整すればよい。
次に、本発明の第2実施例による成膜方法について説明する。
本発明の第2実施例では、前処理として基板Wの表面に極薄のTaN膜を生成する。TaN膜は原料ガスのTaF5を吸着するため、基板表面にTaN膜があると、TaSix膜を効率的に生成することができる。このような前処理により生成する膜としてTaN膜が好ましいが、これに限ることなく、原料ガスを吸着する性質を有する膜であれば他の種類の膜を用いてもよい。
本実施例では、前処理としてTaN膜を生成するが、TaN膜の生成は、基板を加熱しながら原料ガスを交互供給する方法(以下、熱ALDと称する)や、原料ガスを処理チャンバ外でプラズマ化して交互供給する方法(以下、リモートプラズマエンハンストALD:REALDと称する)がある。
以下、本実施例ではREALDによりTaN膜を生成して前処理を行い、その後に上述の図4に示すシーケンスに基づいてTaF5とSiH4とを交互供給してTaSix膜を生成する。
前処理としてREALDによるTaN膜の生成は、以下のようにして行なう。まず、基板を400℃に加熱し、TaF5とArとを0.5/100sccmの流量で1秒間供給する。その後、真空排気を3秒間行い処理チャンバ2内のTaF5を排気する。次に、プラズマ化したNH3,H2,Arを220/220/100sccmの流量で6秒間供給する。その後真空排気を1秒間行なう。以上のシーケンスを10回〜20回繰り返すことにより、基板上に極薄のTaN膜が生成される。
なお、本実施例では、プラズマ化したNH3,H2,Arを供給するために、図1におけるガス供給管8に例えば高周波プラズマ発生装置が接続される。
以上の前処理を行なってから、基板温度を400℃として図4に示すシーケンスを100回繰り返してTaSi膜を生成した。
図5は、上述のシーケンスにより成膜する際の処理チャンバ2内の圧力プロファイルを示すグラフである。
上述のシーケンスでは、TaF5を供給する時にはバタフライバルブ12を閉じているが、必ずしも閉じる必要はなく、前処理条件によっては開いておいてもよい。図5に示す圧力プロファイルでは、TaF5を供給する時間は1秒間と短いため、バタフライバルブ12を閉じていても、処理チャンバ2内の圧力はほとんど上昇しない。続いてバタフライバルブ12を開いて、TaF5及びArの供給を停止し、5秒間排気する。これにより基板に吸着されなかった処理チャンバ内のTaF5をほぼ完全に排気する。
次に、バタフライバルブ12を閉じて、SiH4及びArの供給を開始する。バタフライバルブ12を閉じた状態、すなわち排気を行なわない状態で原料ガスが供給されるため、処理チャンバ2内の圧力は上昇し、図5に示す圧力プロファイルでは12秒目近辺で156Pa(1.2Torr)に達する。
ここで、図5中には、バタフライバルブ12を閉じないで、開いたまま原料ガスを供給した場合の圧力が点線で示されている。この場合、処理チャンバ2内の圧力はほとんど上昇せず、したがってSiH4の分圧も低いため、TaSi膜は生成されなかった。本発明者等の実験によると、TaSi膜を生成するためには、SiH4の供給時の圧力が130Pa(1Torr)以上必要であった。この圧力のしきい値は、成膜条件により変化するものと考えられるが、TaF5とSiH4とを交互供給してTaSix膜を生成する場合、少なくともSiH4の分圧をあるしきい値以上とすることが必要であることがわかった。
以上のような処理において、TaF5の供給時にバタフライバルブを開いて圧力を約1.56Pa(0.012Torr)とした場合、膜厚が373Åで比抵抗が225μΩcmのTaSi膜が得られた。また、TaF5の供給時にバタフライバルブを閉じて圧力を約2.73Pa(0.021Torr)とした場合、膜厚が639Åで比抵抗が224μΩcmのTaSi膜が得られた。したがって、TaF5の供給時は、バタフライバルブを開いても閉じてもよいが、閉じて圧力を上げたほうが成膜速度が大きくなることがわかった。
図6は、前処理としてNH3を供給する方法と、TaN膜を生成する方法とを用いて生成したTaSix膜の膜厚を示すグラフである。
前処理としてTaN膜を生成した場合、TaSix膜の生成処理を始めると直ちに成膜が始まり、シーケンスを100回繰り返した時点で約700Åの膜厚となる。このように、前処理としてTaN膜を生成した場合には、インキュベーションタイムはほぼ無いものと考えられる。
一方、前処理としてNH3を供給した場合、TaSix膜の生成処理を始めてからシーケンスを50回程度繰り返した時点でTaSix膜の生成が始まる。その後、100回の時点で約200Åの膜厚となる。このように、前処理としてNH3を供給する場合は、ある程度のインキュベーションタイムが生じる。
以上のように、前処理により、TaSix膜の成膜条件は異なる。図7は前処理と圧力条件とを変えた場合の成膜の有無と成膜速度とを示す図である。
図7において、Closeはバタフライバルブ12を閉めて圧力を上げることを意味し、Openはバタフライバルブ12を開けて排気を行なうことを意味する。また、×は成膜しないことを意味し、○は成膜することを意味する。また、GRは1サイクル当たりの膜の成長速度であり、単位はÅ/サイクル(cy.)である。
図7からわかるように、何の前処理も行わない場合は成膜しなかった。また、前処理としてNH3を供給した場合は、TaF5の供給時、及びSiH4の供給時共にバタフライバルブ12を閉じた場合だけ成膜が可能となり、その成膜速度は2.8Å/サイクルであった。
前処理としてREALDによりTaN膜を生成した場合は、TaF5の供給時、及びSiH4の供給時共にバタフライバルブ12を閉じた場合に成膜が可能となり、その成膜速度は6.8Å/サイクルであった。また、TaF5の供給時はバタフライバルブ12を開き、SiH4を供給時にバタフライバルブ12を閉じた場合でも成膜が可能であり、その成膜速度は3.7Å/サイクルであった。
2 処理チャンバ
4 載置台
6 シャワーヘッド
8 ガス供給管
10 ガス通路
12 バタフライバルブ
14 ターボ分子ポンプ
16 ドライポンプ
20 銅膜
21 層間絶縁膜
22 エッチストップ膜
23 ビア孔
24 トレンチ
25 バリア膜
26 銅ビア
4 載置台
6 シャワーヘッド
8 ガス供給管
10 ガス通路
12 バタフライバルブ
14 ターボ分子ポンプ
16 ドライポンプ
20 銅膜
21 層間絶縁膜
22 エッチストップ膜
23 ビア孔
24 トレンチ
25 バリア膜
26 銅ビア
Claims (9)
- 異なる種類の原料ガスを交互に供給しながら基板上で反応させて薄膜を生成する成膜方法であって、
前記原料ガスを供給する前に、該基板の成膜を行なう表面に原料ガスの吸着を促進する前処理を施すことを特徴とする成膜方法。 - 請求項1記載の成膜方法であって、
前記前処理として、双極子モーメントを有するガスを前記基板の表面に供給することを特徴とする成膜方法。 - 請求項2記載の成膜方法であって、
前記双極子モーメントを有するガスはNH3であることを特徴とする成膜方法。 - 請求項1記載の成膜方法であって、
前記前処理として、TaN膜を前記基板の表面に生成することを特徴とする成膜方法。 - 請求項4記載の成膜方法であって、
前記TaN膜を、TaF5とプラズマ化したNH3とを交互に供給することにより生成することを特徴とする成膜方法。 - 請求項1記載の成膜方法であって、
前記原料ガスの供給時に、前記原料ガスの圧力を所定のしきい値以上とすることを特徴とする成膜方法。 - 請求項1記載の成膜方法であって、
前記原料ガスはTaF5及びSiH4であり、
前記前処理はNH3を基板表面に供給する処理であり、
前記TaF5及びSiH4を交互供給する際に、TaF5及びSiH4の分圧を所定のしきい値以上とすることにより前記基板上にTaSix膜を生成することを特徴とする成膜方法。 - 請求項1記載の成膜方法であって、
前記原料ガスはTaF5及びSiH4であり、
前記前処理はTaN膜を基板表面に生成する処理であり、
前記TaF5及びSiH4を交互供給する際に、SiH4の分圧を所定のしきい値以上とすることにより前記基板上にTaSix膜を生成することを特徴とする成膜方法。 - 請求項8記載の成膜方法であって、
前記TaF5及びSiH4を交互供給する際に、TaF5の分圧を所定のしきい値以上とすることを特徴とする成膜方法。
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