JP2005080450A - 集中巻回転電機システムおよびそれを用いたアクチュエータ並びにブレーキシステム - Google Patents

集中巻回転電機システムおよびそれを用いたアクチュエータ並びにブレーキシステム Download PDF

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Fumio Tajima
文男 田島
Shoichi Kawamata
昭一 川又
Yutaka Matsunobu
豊 松延
Toshiyuki Yasujima
俊幸 安島
Hideki Miyazaki
英樹 宮崎
Yukio Otani
行雄 大谷
Hirotaka Oikawa
浩隆 及川
Shoichi Tsuchiya
昭一 土屋
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Abstract

【課題】
集中巻回転電機の温度上昇を監視することは重要であるが、従来はセンサを取り付けて温度を測定する方法であった。本発明は、複数の巻線全てに温度センサを必要としない簡単なシステム構成で回転電機の温度上昇の監視をおこなうシステムおよびこれを用いたアクチュエータを提供することにある。
【解決手段】
インバータの出力により駆動され固定子には集中巻線を回転子には永久磁石を有する集中巻回転電機であって、前記集中巻回転電機の固定子各相の巻線電流と電圧から巻線温度を測定する温度測定手段と、前記集中巻回転電機が負荷状態でかつ回転停止の状態の前記各相電流と電圧からその後の巻線温度上昇を推定する温度上昇推定手段、から構成され、前記集中巻回転電機の温度上昇を監視することにある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、集中巻回転電機システムおよびこれを用いたアクチュエータ並びにブレーキシステムに関する。
特開2002-67932号公報 特開平11-234964号公報
自動車の操作性向上、あるいは燃費向上、排気ガス対策が必要とされている。これを実現する一つの方法としてブレーキの電動化がある。従来油圧によるブレーキシステムでは運転中に常に従来の油圧を確保する必要があり、このため、大きなエネルギー消費が必要であった。また、油圧は電動に対して応答性が悪い等の欠点もあった。これを電動化することによって必要なときに電気モータを作動させればよいため、エネルギー消費を少なくすることが可能である。また、応答性の良い点は安全性の確保につながるので好ましい方式と言える。
代表的な電動ブレーキに対する公知技術には、前記特許文献1がある。ここでは、永久磁石回転電機を、変速機を介してブレーキパッドを動かし、ディスクロータをはさんでブレーキ力を確保する機構が開示されている。
前記特許文献1の記載によると、2系統電源のいずれから電源の供給を受けているかを検出してPWM周波数の変更などを行う制御手段について記載がある。ここでは、永久磁石回転電機が変速機を介してブレーキパッドを動かし、ディスクロータをはさんでブレーキ力を確保する機構が開示されている。
また、前記特許文献2の記載は、発熱体が集合する部位、例えば中性点近傍に一つの温度検出素子を設けることが開示されている。
前記アクチュエータ、特に、電動ブレーキ用駆動モータとしては、永久磁石式のブラシレスモータの使用が検討されている。特に、車両搭載の小型化を考えると集中巻の永久磁石回転電機が候補として開発が進められている。
前記の特許文献1の開示によれば、自動車用アクチュエータである電動ブレーキでは、ブレーキパッドを押してブレーキ力を発生しているアクチュエータの停止状態が、集中巻回転電機に大きな電流が流れて温度上昇が大きい状態となる。また、アンチスキッドブレーキ等の動作時には正負に高トルクを要求され、大きな電流が流れ、それによってアクチュエータの温度が大きく上昇する。これを保護する必要がある。
また、前記特許文献2によれば、平均的な温度上昇の測定には有用であるが、最高温度上昇の把握では不十分であり、また、温度測定素子を必須条件としている。
すなわちこれら回転電機はその使用状況により、過度の温度上昇から保護する必要がある。特に、自動車用アクチュエータ用として用いる回転電機の場合は次のような状態で使用されることが多い。(1)回転停止近傍における負荷状態で使用されることが多い。(2)小型軽量化のために電流密度を大きくとるため、急峻な温度上昇をきたすこと。(3)回転停止近傍では各相巻線に流れる電流が不均一になるため各相巻線の温度上昇が異なってくる。(4)運転範囲(トルク回転数)が広いこと。などがあげられ、このような条件で巻線の温度保護をするための温度検出素子を取り付けるにしても、素子の取り付け位置による精度の問題、あるいは引き出し線が多くなる等の問題がある。
また、前記の(3)のような理由によって、3相巻線の場合にはそれぞれの巻線温度を測定するために3箇所に温度検出素子を設ける必要がある、などの問題がある。
本発明は、前記の従来技術の問題点を除き、集中巻温度上昇監視装置を有する集中巻回転電機システムにおいて、特に簡単なシステム構成による集中巻温度上昇監視装置を有する集中巻回転電機システムおよびそれを用いたアクチュエータ並びにブレーキシステム等を提供することにある。
前記課題は以下の手段によって解決することができる。
集中巻で巻線が巻かれた固定子を有する回転電機と、前記回転電機の温度上昇を監視する温度上昇監視装置とを有するシステムであって、前記温度上昇監視装置が、前記巻線の電流から前記巻線の温度を測定する温度測定手段と、前記回転電機が負荷状態でかつ回転停止状態における前記巻線の電流から前記回転停止状態後の前記巻線の温度上昇を推定する温度上昇推定手段とから構成した集中巻回転電機システムにより、前記課題を解決することができる。
また、電源から供給された電力を所定の電力に変換し、これを前記回転電機に供給して前記回転電機を駆動する電力変換装置を有し、前記温度上昇監視装置は、前記電力変換装置に組み込まれていることにある。また、前記温度測定手段は前記巻線の電流の周波数よりも高い周波数の信号を前記巻線の電流に重畳する手段と、前記重畳された信号成分を前記巻線の電流から抽出して前記巻線の温度上昇を測定する手段を有することにある。
また、前記温度上昇推定手段は、前記巻線電流の周波数よりも高い周波数の信号が重畳された前記巻線の電流であると共に、前記回転電機が負荷状態でかつ回転停止状態における前記巻線電流の前記信号成分に基づいて前記回転停止後の前記巻線の温度上昇を推定することにある。また、前記温度測定手段に代えて前記巻線の外部から前記巻線の温度を測定する温度センサを有してなることにある。
また、被駆動体を駆動すると共に、集中巻で巻線が巻かれた固定子を有する回転電機と、電源から供給された電力を所定の電力に変換すると共に、前記変換された電力を前記回転電機に供給して前記回転電機の駆動を制御する制御装置を有するアクチュエータにおいて、前記回転電機の温度上昇を監視すると共に、前記巻線の電流から前記巻線の温度を測定する温度測定手段と、前記回転電機が負荷状態でかつ回転停止状態における前記巻線の電流から前記回転停止状態後の前記巻線の温度上昇を推定する温度上昇推定手段とを有する温度上昇監視装置を備え電動アクチュエータを構成する。
また、有限角度内の範囲を移動する被駆動体と、前記被駆動体を駆動すると共に、集中巻で巻線が巻かれた固定子を有する回転電機と、電源から供給された電力を所定の電力に変換すると共に、前記変換された電力を前記回転電機に供給して前記回転電機の駆動を制御する制御装置とを有するブレーキシステムにおいて、前記回転電機の温度上昇を監視すると共に、前記巻線の電流から前記巻線の温度を測定する温度測定手段と、前記回転電機が負荷状態でかつ回転停止状態における前記巻線の電流から前記回転停止状態後の前記巻線の温度上昇を推定する温度上昇推定手段とを有する温度上昇監視装置を備え、ブレーキシステムを構成することにある。
本発明によれば、回転停止状態近傍で動作することが多い回転電機の温度上昇を簡単な構成で測定あるいは推定できるので温度異常を回避することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の集中巻温度上昇監視装置を有する集中巻回転電機システムを電動ブレーキに適用した場合について示している。直流電源100等から電力供給を受け、インバータ駆動回路207、PWM制御回路208を介して電動ブレーキ209のモータ端子であるU、V、Wに電力を供給する構成である。インバータ駆動回路207のゲート制御回路はマイクロコンピュータ等によって構成される。
一方、電動ブレーキ209のブラシレスアクチュエータの磁極位置検出器HU、HV,HW(後で説明する図3参照)からの信号A,A,Aを、角度変換器200に取り込む。そして変換された角度信号θを電流指令変換器201に入力する。磁極位置検出器HU、HV,HWで検出された3相の磁極位置信号をもとに、角度変換器200では回転子の位置θを算出する。
電流指令変換器201にはブレーキ力の要求に応じた指令電流ISが入力される。この電流指令ISは、先に算出された位置θによって各3相の電流指令にそれぞれ位相差を有する形(ISU,SV,SW)に電流指令変換器201内で変換される。
つまり(1)〜(3)式で表される電流指令信号に変換される。
SU=IS SIN(θ) ……(1)
SV=IS SIN(θ−2π/3) ……(2)
SW=IS SIN(θ−4π/3) ……(3)
これらの各3相の電流指令信号ISU,SV,SWは電流制御手段202に入力される。電流制御手段202は、その電流指令入力に応じた出力電圧V,V、Vをインバータ駆動回路207に出力し、PWM制御回路208を経由して電動ブレーキ装置209に出力する。
電動ブレーキ装置209のブラシレスアクチュエータ1は、インバータ駆動回路207、PWM制御回路208の出力により駆動される。また、PWM制御回路208による駆動出力電流は、電流トランスCTによりI、I、Iが検知される。その検知された検知電流I、I、Iは、電流制御手段202にフィードバックされるので、その電流指令の制御値に合致するようにブラシレスアクチュエータの電流制御、つまりトルク制御が行なれる。また、図1に示すように、検知電流Iu,Iv、Iwは温度上昇監視装置203にも入力される。
温度上昇監視装置203は電圧電流検出手段204と重畳電流発生手段205と温度演算手段206とを備える。そして、必要に応じて電流制御系202の出力電圧および電動ブレーキ装置209の駆動電流を電圧電流検出手段204に取り込む。
本発明では、基本的には、ブラシレスアクチュエータの低速駆動時の電圧に余裕のある区間において、重畳電流発生手段205によって、各相に駆動状態における巻線の温度を求めるために、加算手段10u,10v、10wにより、駆動電流と異なる微小な温度検出電流(巻線抵抗検出用電流)Imu、Imv、Imwを各相の指令電流Isu、Isv、Iswに重畳する。そして、電流制御手段202は、この重畳された電流Iau、Iav,Iawによりブラシレスアクチュエータ1の制御を行う。重畳される温度検出用の電流Imu、Imv、Imwは、PWMにより制御される電流の周波数よりも大きい周波数が選択される。例えば、200Hz〜400Hzの周波数の電流が選択される。そして、この周波数信号が重畳された電圧と電流すなわち、電圧V,V、Vおよび電流I、I、Iから、各相の巻線抵抗値を電圧電流検出手段204により求めることができる。
具体的には、例えば図2に示すように、フィルタ50a(F)、50b(F)を用いて各相の指令電流に温度検出用として重畳した周波数成分の電圧および電流を検出する。そして抵抗演算手段52により抵抗を求める(抵抗演算手段52については後述の図6により説明する)。前記のように、この温度検出用の電流の周波数は、電動ブレーキ装置209が駆動される電流の周波数よりも大きい値が選定されるが、あまり大きいと、巻線のインダクタンスの影響が大きくなり、誤差の要因ともなる。したがって、駆動電流周波数と識別できる範囲での周波数が選定され、重畳される。そして、電圧信号V,V、Vおよび電流信号I、I、Iから、各相巻線の抵抗値を把握することができる。
また、電流印加手段205は、発振器54と3相電流生成手段56とから構成される。周波数は前記のようにインバータ駆動周波数よりも高い周波数が選択される。そして3相電流生成手段56により生成された測定用信号Imu、Imv、Imwはその重畳手段10u、10v、10wに出力される。
図3には、電動ブレーキに適用した場合の制御対象である電動ブレーキ装置に使用するブラシレスアクチュエータ(回転機/モータ)1を示している。図3はそのブラシレスアクチュエータ1の断面構造を示している。ブラシレスアクチュエータ1は、固定子2と、回転子3とから構成され、固定子2は図示のように集中巻の巻線構造で、ここでは固定子突極42が12個、回転子の極数は8個の場合を示している。これらの極数は、その他の組み合わせであってもよい。
固定子2は、固定子鉄心4と固定子巻線5とを含み構成される。ここで、固定子鉄心4は、円環状のヨーク41と固定子突極42とからなり、複数の固定子突極42の間には、固定子巻線5を収納するスロット43が設けられている。
回転子3は、磁性体からなる回転子鉄心7とその外周に固着された永久磁石6(N.S)とを含み構成される。ここで、回転子3は図示せぬ支持機構を介して固定子2に回転可能に支承されている。
固定子鉄心4の固定子突極42には固定子巻線5を有する第1の固定子突極42Aと、固定子巻線5を持たない第2の固定子突極42Bとがある。さらに第2の固定子突極42Bの空隙面には磁極位置検出器11(HU、HV、HW)を収納する磁極位置検出器のスロット42Cが設けられている。このスロット42Cは固定子鉄心4の打ち抜き時に一緒に加工することができる。この磁極位置検出器11のスロット42Cは3相の場合には一般的には3個を必要とし、磁極位置検出器11も図示のように3個必要となる。各スロット42Cの相対的な電気角はそれぞれ120度の位相差を有するように設ける必要がある。
回転子3の永久磁石6には円筒状の形状を有する例で示した。永久磁石は極異方性もしくはハルバック着磁(正弦波状着磁)等によって空隙面が正弦波状になるように構成されている。このような構成によれば、磁極位置検出器のスロット42Cに配置された磁極位置検出器11には回転子位置に応じた正弦波状の信号波形を得ることができる。この信号波形を例えばマイクロプロセッサのAD変換器を介して取り込むことによって、容易に位置情報に変換することができる。また、この磁極位置検出器11からの信号によりモータ(電動機)の回転停止を判定することができる。
このようなブラシレスアクチュエータ1にあっては、各相に誘起する電圧の波形も当然正弦波状信号を得ることができる。この正弦波誘起電圧に対して、回転子の位置に応じた正弦波電流を通電することで出力トルクの変動の少ないブレーキ駆動等に適したモータを提供することができる。上記のように磁極位置検出器11(HU、HV、HW)をモータ内に設け、180度通電の正弦波電流を通電することによって、トルク脈動が小さく、コンパクトな駆動システムを構成することができる。
以上は本発明対象の永久磁石ブラシレスモータの構造を示したが、本発明の対象はここに示した構造のみに限定されるものではなく、例えば、固定子突極数、回転子極数の選択は、図3に示したものに限られるものではない。また、磁極位置検出等も本方式に限定されるものではない。例えば、レゾルバ、エンコーダ等を用いても同様に構成することができる。また、固定子突極の全てに固定子巻線が巻回されていてもよい。
図4は本発明のブラシレスアクチュエータ1を搭載した電動ブレーキ装置の実施例の略断面図を示している。電動ブレーキ装置100は、車軸102を支えている支持体であるアーム101にキャリパ本体104が固定され、一方、車軸102にはディスクロータ103が備えられている。このディスクロータ103の両側には図示せぬキャリアに軸方向に移動可能に支承されたブレーキパッド107a、107bが設けられている。ディスクロータ103がこれらブレーキパッド107a、107bに挟まれて押圧されることによって車軸102にブレーキ力を発生する。
また、ブラシレスアクチュエータ1は固定子巻線5を備えた固定子鉄心4と永久磁石6との電磁作用によってモータ回転部110(ここでは図3の7と同一)に回転トルクを発生させる。このトルクは回転を直動動作に変換する変換機構を含む変速機105を介してピストン108に推進力を与える。支持機構109,111によって移動可能に支持されたピストン108はディスクロータ103の両側からブレーキパッド107a、107bを介して押圧して挟むことによってブレーキ力を発生させる。上述したような構成を有するブラシレスアクチュエータ1を用いたことによって小型軽量、高精度、高応答の電動ブレーキ装置を提供することができる。
次に、停止時領域における温度の推定について図5により説明する。この領域では、電流の把握によって温度を積分推定する。図5の(a)に示すように時間t1で負荷状態にあって回転停止状態に至ったとする。各相に流れる電流は、実質トルク指令である電流指令Iが同じであれば、ブラシレスアクチュエータ1の回転子位置に対して図5(a)のように正弦波状に変化する。また、電動ブレーキにおいてはブラシレスアクチュエータ1に大きな電流が流れる状態、すなわち回転停止状態が大半であり、この場合のブラシレスアクチュエータ1の固定子巻線5の温度上昇を把握することは、特に重要である。
例えば前記のように図5(a)のt1の位置で負荷状態で回転が停止に至った場合には、V相巻線は最大電流となり、その他のU,W相巻線の電流はその1/2の電流である。損失でいえば、電流の2乗に比例するためにV相巻線の温度上昇は他相の巻線の4倍の温度上昇となることが推定される。図5の(b)のt1以降もその状態が継続した場合は、温度が上昇することになる。
本発明では、回転電機の低回転負荷のA領域と、t1あるいはt1以降のB領域の二つに分けて温度測定と温度推定を行うことに特徴がある。A領域では重畳した周波数成分の検出による温度測定領域であり、B領域はt1における温度の時間積分による温度上昇の推定をおこなう領域である。図5の(b)によると、前記時間積分による温度推定値が実験値に近い値を示している。
そこで、前記図1の温度上昇監視装置203は、集中巻回転電機の固定子巻線に電流を流してその出力電圧と電流の関係から温度上昇を推定する温度上昇監視システムを回転電機システムに内蔵するものであって、各相巻線の基本温度測定手段と、さらに各相電流を測定して各相の温度上昇を推定する手段とを備えているものである。つまり、回転停止時近傍で、温度上昇監視装置203は電圧電流検出手段204と電流印加手段205と温度演算装置206とによって、各相巻線の抵抗を正確に把握することができる。この精度を向上させるためには電圧電流検出手段204の精度を向上させる必要がある。
前記電圧電流検出手段204は、回転停止時近傍のみ有効であり、他は飽和するような電圧のゲイン選定をすることによって固定子巻線の温度検出精度を向上させることができる。正確な基本温度測定ができれば、電流の把握によって温度上昇の正確な把握が可能である。特にその領域での動作時間は少ないために基本温度測定手段によって巻線温度を正確に把握することができる。
モータの端子電圧の把握として外部の電圧をマイクロコンピュータ内に取り込むときには、起動時近辺の電圧及び電流のゲインを低速時には一定となるように設定し、高速時には飽和するように設定すればよい。例えば図5の(C)のようなゲイン設定が望ましい。また点線で示したように極端にゲインを小さくする方法であってもよい。これによって低速回転における温度測定時の電圧の値は大きくなり、精度の良い温度測定ができる。
次に図1の温度上昇監視装置203はマイクロコンピュータ等で構成されるが、その処理フローについて図6により説明する。ステップ62は、図1の電圧V、V、VおよびI、I,Iを取り込む。そして、ステップ64ではそのうちの重畳電流成分を抽出する(図2のフィルタ処理部分に対応)。ステップ66では電動機の状態がほとんど停止している状態か(回転停止)どうかを、上述の磁極位置検出器11の信号に基づいて回転子の位置θが変化しているか否かで判断する。低速ではあるが回転停止状態ではないと判断されたときは、ステップ68で巻線の平均抵抗値から巻線の温度を推定する。いまステップ64で抽出された電圧、電流から求めた抵抗値の平均値をRmとする。低速であっても回転中であれば、各巻線の抵抗値はほぼ等しいとみなすことができる。それをここではRmとしている。
その場合の巻線温度Taは次の(4)式で演算することができる。
Ta=(R/R20)・(234.5+T20)―234.5 ……(4)
20=T20(20℃)における巻線抵抗値
=平均抵抗値
ステップ70ではあらかじめ定められた温度Tsetと比較してTa>Tsetのときはステップ82でアラームの発生あるいは運転者に巻線温度が監視上限値を超えたことを知らせるなどの対策がとられる。
一方、前記ステップ66でアクチュエータ用電動機が負荷状態でほとんど回転停止状態にあると判断された場合は、ステップ72でその停止状態にあるときの各相の電流を検知する。例えば図5の(a)の場合、t1ではI=2I(ただし、I=I)である。そこでt1における電圧電流からその後の巻線の温度上昇を推定することになる。W=I 、W=I 、W=I をステップ74で演算する。さらに前記T1以降の経過時間を考慮してステップ76では∫Wdt、∫Wdt、∫Wdt、により巻線温度の時間積分推定をし、その中の最大値、(∫(W、W、W)dt)maxをステップ78で求める。この場合の積分時間は、予め定められた単位時間であり、この単位時間ごとに積分推定を繰り返すことになる。
前記図5の(a)の場合は当然∫Wdtが最大値を示すことになる。そして、その最大値が予め定められたTsetよりも大きいかどうかをステップ80で判定し、大きいときは前記と同様にステップ82の処理が行なわれる。もし、ステップ80で推定した温度Ta<Tsetのときは積分推定を続ける方法と、ステップ62に戻って再度温度推定処理を行う方法とがある。ステップ84では回転停止の負荷状態が解除されたかどうかを判断する。もし、回転停止の負荷状態が解除されていなければステップ76に戻って、再度予め定められた時間積分による温度推定を実行する。解除されているときはステップ62の処理に戻る。
前記実施例では、温度センサを使用しない場合を示したが、例えば、図4に示したように、温度センサ15(サーミスタ)を1個設けることによって低回転域における巻線温度を測定し、回転停止の状態の巻線温度を前記実施例のようにして時間積分推定とする方法と組み合わせることによって、巻線の温度上昇をさらに高精度に把握することができる。この温度センサ15は、巻線の外部から巻線温度を測定するもので、サーミスタの他、熱電対等の温度検出素子を用いてもよい。
また、マイクロコンピュータで制御する制御装置においては、温度測定および演算を、制御周期の複数倍の周期に同期して行うことによって、マイクロコンピュータの負荷を軽減することが可能となる。また、本システムが特に有効になるのはブラシレスアクチュエータが有限角度内を動作するような制御対象の場合である。この制御対象が、例えば、ブラシレスアクチュエータのように回転停止近傍で働く電動ブレーキ、スロットルアクチュエータ、自動マニュアルトランスミッション用アクチュエータである場合には特に有効である。
また、本発明によれば、簡単な構成で回転電機の温度上昇を把握することができるので、温度上昇による回転電機の動作異常を回避することができる。なお、本実施例を180度通電のブラシレスモータの例で示したが、120度通電の場合より2相の電流が等しいことからより簡単に適用できる。また、温度センサを1個も使わない方式を示したが、基準となる温度センサを平均的な温度を示す中性点の位置に1個だけ配置し、回転停止負荷状態以降の温度推定は前記の温度推定をすれば、より検出精度の向上が期待できる。
本発明の温度監視装置を有する集中巻回転電機システムの概要を示す図である。 温度測定のために重畳した周波数成分の電圧電流検出手段の構成例を示す図である。 ブラシレスアクチュエータ用回転電機の構造を示す図である。 図3のアクチュエータを搭載した電動ブレーキの構成図である。 電流波形と温度測定あるいは推定領域を説明するための図である。 温度測定および推定処理フロー図である。
符号の説明
1…回転電機、2…固定子、3…回転子、4…固定子鉄心、5…固定子巻線、
6…永久磁石、7…回転子鉄心、11…磁極位置検出器(HU、HV、HW)、41…固定子ヨーク部、42…固定子突極、43…スロット、42A…第1の固定子突極、42B…第2の固定子突極、42C…磁極位置検出器のスロット、50a、b…フィルタ、100…電動ブレーキ装置、101…支持部、102…車軸、103…ディスクロータ、104…キャリパ本体、105…変速機:回転―直動変換機構、106…爪部、107…制御対象のブレーキパッド、108…ピストン、109…支持部、110…モータ回転部、200…角度変換器、201…電流指令変換器、202…電流制御手段、203…温度上昇監視装置、204…電圧電流検出手段、205…電流印加手段、206…温度演算手段、207…インバータ駆動回路、208…PWM制御回路、209…電動ブレーキ装置。

Claims (7)

  1. 集中巻で巻線が巻かれた固定子を有する回転電機と、前記回転電機の温度上昇を監視する温度上昇監視装置とを有するシステムであって、前記温度上昇監視装置が、前記巻線の電流から前記巻線の温度を測定する温度測定手段と、前記回転電機が負荷状態でかつ回転停止状態における前記巻線の電流から前記回転停止状態後の前記巻線の温度上昇を推定する温度上昇推定手段とを有してなることを特徴とする集中巻回転電機システム。
  2. 請求項1において、電源から供給された電力を所定の電力に変換し、これを前記回転電機に供給して前記回転電機を駆動する電力変換装置を有し、前記温度上昇監視装置は、前記電力変換装置に組み込まれていることを特徴とする集中巻回転電機システム。
  3. 請求項1において、前記温度測定手段は前記巻線の電流の周波数よりも高い周波数の信号を前記巻線の電流に重畳する手段と、前記重畳された信号成分を前記巻線の電流から抽出して前記巻線の温度上昇を測定する手段を有することを特徴とする集中巻回転電機システム。
  4. 請求項1において、前記温度上昇推定手段は、前記巻線電流の周波数よりも高い周波数の信号が重畳された前記巻線の電流であると共に、前記回転電機が負荷状態でかつ回転停止状態における前記巻線電流の前記信号成分に基づいて前記回転停止後の前記巻線の温度上昇を推定することを特徴とする集中巻回転電機システム。
  5. 請求項1において、前記温度測定手段に代えて、前記巻線の外部から前記巻線の温度を測定する温度センサを有してなることを特徴とする集中巻回転電機システム。
  6. 被駆動体を駆動すると共に、集中巻で巻線が巻かれた固定子を有する回転電機と、電源から供給された電力を所定の電力に変換すると共に、前記変換された電力を前記回転電機に供給して前記回転電機の駆動を制御する制御装置を有するアクチュエータにおいて、前記回転電機の温度上昇を監視すると共に、前記巻線の電流から前記巻線の温度を測定する温度測定手段と、前記回転電機が負荷状態でかつ回転停止状態における前記巻線の電流から前記回転停止状態後の前記巻線の温度上昇を推定する温度上昇推定手段とを有する温度上昇監視装置を備えたことを特徴とするアクチュエータ。
  7. 有限角度内の範囲を移動する被駆動体と、前記被駆動体を駆動すると共に、集中巻で巻線が巻かれた固定子を有する回転電機と、電源から供給された電力を所定の電力に変換すると共に、前記変換された電力を前記回転電機に供給して前記回転電機の駆動を制御する制御装置とを有するブレーキシステムにおいて、前記回転電機の温度上昇を監視すると共に、前記巻線の電流から前記巻線の温度を測定する温度測定手段と、前記回転電機が負荷状態でかつ回転停止状態における前記巻線の電流から前記回転停止状態後の前記巻線の温度上昇を推定する温度上昇推定手段とを有する温度上昇監視装置を備えたことを特徴とするブレーキシステム。




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