JP2005077097A - 気密容器の流体漏れ検出装置 - Google Patents

気密容器の流体漏れ検出装置 Download PDF

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Atsushi Sekine
厚 関根
Yoshiaki Watabe
義明 渡部
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Abstract

【課題】航空機の慣性航法装置における高圧電源部の収納ケースに充填されている不活性ガスの微量の漏れ量を検出でき、航空機の着陸及び飛行の繰返しがあっても収納ケースの不活性ガスが空気と置換され難い流体漏れ検出装置の提供。
高圧電源部の絶縁耐圧の劣化を抑制できる気密容器の漏れ量検出装置を提供する。
【解決手段】ベローズ4の内部空間は気密容器2の内部空間に連通している。直線変位計6は検知棒7を介して端面板5の変位を検知する。ベローズ4は、常圧雰囲気で図1(a)のように縮み、低圧雰囲気で図1(b)のように伸張する。直線変位計6の計測値の変化に基づき気密容器2からの不活性ガスの漏れ量を推算できる。ベローズ4は内外圧力差に応じて伸縮し、常圧雰囲気にあるとき、気密容器2の内圧は常圧となるから、気密容器2内の不活性ガスが湿気を含む空気と置換されることがないから、高圧電源部の絶縁耐圧の劣化を抑制できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気密容器の流体漏れ検出装置に関し、特に気密容器の外周囲圧力の変動に伴なって発生する該気密容器内の気体の漏れを検出する気密容器の流体漏れ検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、航空機等に搭載される慣性航法装置に用いられるリングレーザジャイロには、所定の高圧電源部による高圧電源の供給が必要不可欠である。航空機は通常所定の高度を保持して飛行するが、航空機内の気圧は地上に対比して低圧であるために、機内における必要度に応じて与圧が付与されて正常値に維持されている。しかしながら、上記の慣性航法装置の場合は、通常与圧が付与されない非与圧室に設置されているので、航空機の飛行中は該装置の外周囲気圧は正常値よりもかなり低い環境状態に置かれている。
【0003】
この低気圧環境では、リングレーザジャイロの高圧電源部の電気的絶縁耐圧が低下する。この絶縁耐圧の低下により、高圧電源部の高圧回路とシャーシとの間に放電が生じることがある。地上の常気圧においては正常に動作する高圧電源部も、飛行中の低気圧環境下でこのような放電が起こると、正常な電源として機能しない。航空機の飛行中においても、高圧電源部を地上と同じ常気圧に保持すれば、高圧電源部における放電は防止できる。そこで、高圧電源部を気密性のある気密ケース(気密容器)内に納め、気密ケース内に乾燥窒素等の不活性化ガスを充填するという放電防止策が従来から採られている。
【0004】
しかしながら、該気密ケースの気密シール部に欠陥があったり、または経年変化により該シール部に劣化が生じたりして、僅かでもシール部に隙間が生じると、航空機が上昇した場合には、外部気圧の低下により気密ケース内部の不活性ガスが外部に漏れ出してしまい、航空機が下降して地上に戻った場合には、相対的にケースの内部圧力よりも外部圧力の方が高くなるので、外部の湿った空気が気密ケース内に侵入してくるという状態となる。このように、航空機の飛行状態に応じて上昇と下降とが繰返して行われると、ケース内部の不活性ガスが湿った外部の空気に置換されて、高圧電源部の絶縁耐圧が低下し、高圧電源部の故障に至る。このような高圧電源部の故障を未然に防ぐには、該気密ケース内の不活性ガスの漏れ量を検出することによって、気密ケースの欠陥や劣化を早期に発見し、気密ケースの修繕や交換により、気密ケースの気密性を常に保持することが必要である。
【0005】
気密空間の気密性を検知する従来の技術としてなお、特開2001ー349500号公報に記載された「蛇腹型伸縮管継手の漏洩検知装置」が知られている。特開2001ー349500号公報は、気体若しくは液体用の配管において、内管と外管より成る二重管構造の蛇腹型伸縮管継手を有する管継手に適用され、内管などの破損による流体の漏洩の有無を、視覚的に容易に検知することを目的とする漏洩検知装置を提案している。図3は、その特開2001ー349500号公報において図1として示された漏洩検知装置の構造図である。この漏洩検知装置は、気体または液体用の内管12と外管13からなる二重管構造の蛇腹型伸縮部14を有する蛇腹型伸縮管継手11に適用されている。漏洩検出路17は、内管12と外管13からなる二重管構造における空隙16に連通している。この漏洩検知装置は、主要構成要素として、検知用管18、接続部19、ベローズ22、ケーシング23、スプリング24および検知動作子25等を含むベローズ型圧力検知器20により構成されている。スプリング24及びベローズ22は感圧動作手段21を構成している。
【0006】
図3において、正常動作時においては、ベローズ22はスプリング24によって下方に押し下げられており、ベローズ22に固定されている検知動作子25は、ケーシング23の内部に納められた状態となっている。この状態においては、ベローズ22の内部の気体圧力による押し上げる力と、スプリング23の押し下げる圧力との均衡がとられている。しかし、異常事態として、例えば蛇腹型伸縮部14の内管12に亀裂などの破損が発生し、輸送用配管15の内部から空隙16内の圧力よりも高い圧力が空隙16に導入されるような場合には、漏洩検出路17を介してベローズ22の内部の圧力も上昇し、感圧動作手段21の均衡が崩れてスプリング24に抗してベローズ22が伸長して、検知動作子25が押し上げられてケーシング23の外部に突出する。この蛇腹型伸縮継手の漏洩検知装置によれば、目視できない部位に位置する蛇腹型伸縮部14の内管の破損による流体の漏洩を、検知動作子25の突出に基づき視覚的に検知することができ、該破損の有無を容易に確認することができるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、航空機の慣性航法装置においては、高圧電源部における機能障害を防止する手段として、該高圧電源部を気密ケース内に納め、該気密ケース内に乾燥窒素等の不活性ガスを充填している。しかしながら、気密ケースの気密シール部における欠陥やシール部の劣化等により僅かでも気密シール部に隙間が生じると、航空機が上昇した場合には、外部気圧の低下により気密ケース内部の不活性ガスが外部に漏れ出してしまい、航空機が下降して地上に戻った場合には、相対的にケースの内部圧力よりも外部圧力の方が高くなるので、外部の湿った空気がケース内に侵入するという状態となる。このように、航空機の飛行状態に応じて上昇と下降とが繰返して行われると、ケース内部の不活性ガスが湿った外部の空気に置換されて、高圧電源部が絶縁耐圧劣化により故障することがある。
【0008】
そこで、該気密ケース内の不活性ガスの漏れ量を検出することにより、気密ケース内の不活性ガスと気密ケース外部の空気との混合を未然に防止する対応策が求められる。ところが、航空機等に搭載される慣性航法装置に用いられるリングレーザジャイロの高圧電源部の場合には、気密ケースからの不活性ガスの漏れ量が極めて微量であり、その漏れ量を検出することは容易なことではない。このように、リングレーザジャイロの高圧電源部においては不活性ガスの漏れ量が極めて微量であるので、気密ケースからの不活性ガス漏れ量を的確に検知することができず、不活性ガスが湿った外部の空気に置換されることによって発生する絶縁耐圧劣化による機能障害を、簡易な手段で未然に防止することは困難であった。
【0009】
一方、特開2001ー349500号公報の蛇腹型伸縮継手の漏洩検知装置は、蛇腹型伸縮管継手における目視困難な部位に存在する破損障害による流体の漏洩の有無の検知を目的としており、該破損障害により管内より漏れる流体の圧力が、比較的高圧力の場合に適用される流体漏洩の単能的検知手段であり、上記の慣性航法装置の高圧電源部における気密性の収納ケースの場合のように、漏れ量が極めて微量である場合に対応する漏洩検出手段としては原理的に不適である。また、慣性航法装置における漏れ量検知手段は、気密性の収納ケースからの不活性ガス漏れ量を検知する機能だけではなく、収納ケースの外周囲圧力が大気圧であるときには、該収納ケースの内部圧力を、大気圧に対応する所定正常値に保持するとともに、収納ケース内の空気と外部の空気との置換を回避する機能をも併せて有することを必要とするので、前記公報に開示される漏洩検知手段の適用は不可能である。何れにしても、蛇腹型伸縮管継手に適用される漏洩検出装置の機構的複雑性と特殊性とに関連して、その応用面が極めて限定されるという欠点がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、慣性航法装置の高圧電源部において、収納ケースの不活性ガスの微量の漏れ量を検出することを可能にするとともに、該慣性航法装置を搭載する航空機が着陸および高空での飛行を交互に繰り返すときの高圧電源部の絶縁耐圧の劣化を抑制できる気密容器の漏れ量検出装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するために本発明は次の手段を提供する。
【0012】
(1)気密容器の内部空間に連通する連通孔でもって、該気密容器の内部空間と自らの内部空間を連通し、内外圧力差に応じて所定方向に伸縮するベローズと、
前記ベローズにおける特定位置の前記所定方向の変位を検知する変位検知手段と
を有し、
前記変位検知手段で検知した前記変位に基づき前記気密容器の流体漏れを検知する気密容器の流体漏れ検出装置。
【0013】
(2)気密容器の内部空間に連通する連通孔でもって、該気密容器の内部空間と自らの内部空間を連通し、内外圧力差に応じて所定方向に伸縮するベローズと、
前記ベローズが所定長さに伸びたときに、該ベローズの特定部位が接触し、該特定部位が押す圧力を検知する圧力計と
を有し、
前記圧力計で検知した前記圧力の変動に基づき前記気密容器の流体漏れを検知する気密容器の流体漏れ検出装置。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。先ず本発明の第1の実施の形態について説明する。図1(a)および(b)は、本発明の第1の実施の形態である気密容器の流体漏れ検出装置1と、流体漏れ検出装置1で内部気体の漏れ量が検出される気密容器2との結合構造の断面図である。気密容器2は気密容器本体2aと蓋2bとでなる。蓋2bは、気密シール部3(ガスケット、オーリングおよび接着剤等)により気密容器本体2aの上部開口を封止している。気密容器本体2aには、別の小さい開口2cが設けてある。
【0015】
気密容器の流体漏れ検出装置1はベローズ4と、直線変位計6と、筐体8とを備えてなる。筐体8は円筒状である。筐体8の左端は気密容器本体2の右側面に固着されている。筐体8の右端は開放孔9を介して、大気に開放されている。そこで、端面板5には常に外周囲圧力(大気圧)が加わっている。
【0016】
ベローズ4の左側端は開口であり、ベローズ4の右側端は端面板5で封止されている。ベローズ4の左側端の開口(前述の連通孔に相当)の縁は、気密容器本体2の開口2cの縁に密着して固定されている(封止されている)。ベローズ4の内部空間は、開口2cを介して気密容器2の内部空間に連通しており、ベローズ4の内部圧力は気密容器2の内部圧力と同じである。ベローズ4および端面板5の外周は筐体8の内壁に接触している。
【0017】
ベローズ4は、軸方向に伸縮自在であり、内部空間と大気との圧力差に応じて軸方向に自在に伸縮する弾性体である。ベローズ4および端面板5の外周は筐体8の内壁に接触しているので、ベローズ4が軸方向に伸縮するとき、ベローズ4および端面板5の外周は筐体8の内壁に摺接し、その内壁に案内される。そこで、ベローズ4は、軸を筐体8の軸に常に一致させて、軸方向に伸縮する。
【0018】
端面板5の位置は、気密容器2の内部空間の圧力と外周囲圧力(大気圧)との差に対応している。端面板5の軸方向変位は、直線変位計6に伝達される。検知棒7は、直線変位計6の可動部材であり、ベローズ4の端面の位置を表す指標でもある。
【0019】
図1(a)は、内部にガス等の気体が充填された初期状態において、図1の装置が航空機に搭載されており、その航空機が地上にある場合の如く、図1の装置の外周囲圧力が常圧であるときに、気密容器2の内部圧力と外周囲圧力の大気圧とが均衡している状態を示している。ベローズ4の端面板5に加えられる気密容器2の内部圧力は、開放孔9を介して端面板5に印加される大気圧と均衡し、ベローズ4は静止した状態にある。この初期状態において、端面板5に固定されている検知棒7を介して、直線変位計6により端面板5の位置D0 (ここで端面板5の位置は、直線変位計6が設定されている筐体8の右側端面を基準として計測するものとする)が計測されるものとする。
【0020】
いま、図1の装置が航空機に搭載されており、その航空機が上昇した場合の如く、図1の装置の外周囲圧力が低下したとする。外周囲圧力が常圧である図1の初期状態から、気密容器2の外周囲圧力が低下した状態に移ると、上記の圧力の均衡状態が破れて、気密容器2の内部圧力が相対的に外周囲圧力よりも高くなり、ベローズ4が伸長して端面板5は、図1(b)に示されるように、筐体8の端面に近接するように変位する。但し、直線変位計6においては計測値限界が規定されており、外周囲圧力の低下に伴う端面板5の変位位置は、その計測値限界に対応する規定位置に保持される。図1(b)は、その状態を示している。
【0021】
この図1(b)の状態において、気密容器2の気密シール部3に、僅少の欠陥が存在している場合を想定すると、気密容器2の内部圧力と外周囲圧力との差異に応じて、微量ではあるが気密容器2からのガス漏れが生じる。
【0022】
次の段階において、外周囲圧力が低下した図1(b)状態から外周囲圧力が再度上昇して常圧の状態に戻ると、ベローズ4は、図1(a)に示されるように収縮して、気密容器2の内部圧力と外周囲圧力とが均衡する状態に戻る。この均衡状態において、直線変位計6により、ベローズ4の端面板5の位置D1 が計測される。この場合には、外周囲圧力が低下した際に、僅少ではあるが気密容器2からのガス漏れが生じているので、気密容器2の内部圧力が僅かながら低下しており、計測されるベローズ4の端面板5の位置D1 と、図1(a)に示される初期状態における端面板5の位置D0 との間には微小の差異が生じてD0 <D1 という関係が成立つ。
【0023】
このD1 およびD0 の位置は、直線変位計6により精度高く計測されて、その差異(D1―D0 )の数値を参照することにより、外周囲圧力の低下に伴うガスの漏れ量を検出することができる。また上記の外周囲圧力の低下が繰返して生じる場合には、大気圧と均衡する状態に復帰する度に該位置を計測して、最終的に計測される位置と前記位置D0 との差異の数値を参照することにより、最終的なガスの漏れ量を検出することができる。なお実質的には、ベローズ4のバネ定数、端面板5の内外面における実効面積差異および端面板5と筐体8との間のフリクション(摩擦)等を考慮した上でガスの漏れ量が推算される。直線変位計6は、気密容器2における僅かなガス漏れをも検知できる程度に、非常に高い精度で端面板5の位置を検知できる。
【0024】
また気密容器2の内部圧力が常圧の外周囲圧力と均衡する状態に復帰したときの内外圧力の均衡状態においては、気密容器2からのガス漏れは必然的に回避され、または外部からの気密容器2に対する湿った空気等の流入も当然に回避される。このように、図1の実施の形態は、気密容器2の内部空間圧力と外周囲圧力とを均衡させることによりガスの漏れ量を検出する方式であるから、ガスの漏れ量が検出できるだけではなく、気密容器2の内部に外部の湿った空気が流入することを原理的に防止できる。これは、本実施の形態の特徴の一つである。
【0025】
本実施の形態である気密容器の流体漏れ検出装置は、航空機搭載の慣性航法装置における高圧電源部の収納ケースの漏れ検出手段に適用して好適である。この収納ケースは、図1の気密容器2に相当する。航空機は離陸して飛行した後に下降して地上に降りるという運用状態を繰り返すので、気密容器2は、外周囲圧力が常気圧→低気圧→常気圧→低気圧→常気圧という具合に交互に変動する環境下に置かれる。従って、数回の飛行運用後において、不活性化ガスの漏れ量が、高圧電源部の機能保持に必要とされる許容限界内にあるか否かを判定することが求められる。
【0026】
仮に5回の飛行運用後に、結果的に漏れ量が高圧電源部の機能保持上の許容限界外にあるものと判定された場合を想定してみると、初期状態における端面板5の位置の計測値D0 に対応して、地上に降りる度に気密容器2の漏れ量をチェックすることにより、端面板5の位置としてD1 ,D2 ,D3 ,D4 ,D5 なる5個の計測値が求められる。不活性ガスの漏れ量は飛行の度に累増するので、前述のように、D0 <D1 <D2 <D3 <D4 <D5 となる。この想定例においては、直線変位計6による位置計測値の差異(D5 −D0 )に対応する気密容器2の内部圧力が、許容限界外であるものと判定されて、この時点において、該気密容器2の気密シール部に対する改修が求められることになる。
【0027】
即ち、図1の実施の形態の気密容器の流体漏れ検出装置が航空機搭載の慣性航法装置における高圧電源部の収納ケースの漏れ検出手段に適用される場合には、飛行状態により収納ケースに不活性ガスの漏れが生じることがあっても、地上に降りる度に該不活性ガスの漏れ量を検出して収納ケースの許容限界と比較することにより、収納ケース内の圧力を正常値に保持することが可能となり、高圧電源部の機能を正常に維持することができる。しかも、地上着陸時においては、収納ケースの内部圧力と、外周囲圧力の大気圧とは圧力が均衡しているので、内部の不活性化ガスが外部に漏れることはなく、また外部の湿った空気が気密ケース内に侵入することもない。このように、航空機搭載の慣性航法装置における高圧電源部の収納ケースの漏れ検出手段として本実施例を適用したとき、収納ケース内部の不活性ガスが湿った外部の空気に置換されて、高圧電源部の絶縁耐圧が低下し、高圧電源部が故障するという従来技術の欠点も解決される。
【0028】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2(a)及び(b)は、本発明の第2の実施の形態である気密容器の流体漏れ検出装置101と、流体漏れ検出装置101で内部気体の漏れ量が検出される気密容器2との結合構造の断面図である。気密容器2は図1のものと同じである。図2(a)は、気密容器の流体漏れ検出装置101及び気密容器2が常圧の外周囲圧力雰囲気に置かれた状態を示し、図2(b)は、気密容器の流体漏れ検出装置101及び気密容器2が常圧より低圧の外周囲圧力雰囲気に置かれた状態を示す。
【0029】
気密容器の流体漏れ検出装置101はベローズ4と、圧力計10と、筐体108とを備えてなる。図2(a)及び(b)の気密容器の流体漏れ検出装置101は、図1の気密容器の流体漏れ検出装置1における直線変位計6に代えて圧力計10を備える。ベローズ4(端面板5を含む)の構造は、図1におけるものと同じである。筐体108は、図1の筐体8と同じ径の円筒形であり、右側端面に開放孔9を備える点も図1の構造と同じであるが、長さが図1の筐体8より短い。気密容器2とベローズ4との結合構造は、図1と同じである。ベローズ4および端面板5の外周が筐体108の内壁に摺接し、ベローズ4および端面板5が筐体108の内壁に案内されて、軸方向に摺動する構造も、図1と同じである。
【0030】
図2(a)は、気密容器2の内部にガスが所定圧力に充填され、外周囲圧力が常圧である初期状態を示している。初期状態では、気密容器の流体漏れ検出装置101が常圧の外周囲圧力雰囲気に置かれ、ベローズ4の弾力に抗して外周囲圧力がベローズ4を圧縮し、ベローズ4の内部圧力が外周囲圧力と均衡するまでベローズ4が短縮された状態を示す。初期状態においては、ベローズ4の端面板5は、圧力計10の感圧面より或る距離だけ離れて位置している。
【0031】
図2(b)は、気密容器の流体漏れ検出装置101が常圧より低い外周囲圧力雰囲気に置かれ、ベローズ4は自らの弾力により伸張し、ベローズ4の右側端面をなす端面板5が圧力計10の感圧面に接触して、ベローズ4の伸張が停止した状態を示す。図2(b)の状態では、ベローズ4の内部圧力(即ち気密容器2の内部圧力)と外周囲圧力との差圧に対応した圧力が圧力計10で検出される。圧力計10で検出される圧力は、主として該差圧、端面板5の面積およびベローズ4のバネ定数(弾性係数)で定まる。したがって、該差圧は圧力計10の検知圧力の関数である。また、外周囲圧力が一定値に安定しているときは、該差圧は気密容器2の内部圧力の関数であるから、該差圧の変動から気密容器2の内部圧力の変化、ひいては気密容器2の内部気体の漏れの程度を検知できる。
【0032】
図2(a)の初期状態では、気密容器2の内部圧力が、外周囲圧力の大気圧と略々均衡しており、ベローズ4の端面板5は、圧力計10の感圧面とは或る距離を置いた状態で静止している。この初期状態を起点として、気密容器2の外周囲圧力が一定値以下に低下すると、気密容器2の内部圧力と外周囲圧力との間に相対的な圧力差が生じてベローズ4が伸長し、図2(b)に示されるように、端面板5が圧力計10の感圧面に当接し、ベローズ4の内部圧力と外周囲圧力との差圧が圧力計10により計測できる。
【0033】
外周囲圧力が低下し、流体漏れ検出装置101が図2(b)の状態に至ったとき、気密容器2の気密シール部3に僅少の欠陥が存在すると、内外圧力差に応じて微量ではあるが気密容器2からのガス漏れが生じる。なお、気密容器2から僅かなガス漏れが生じて気密容器2の内部圧力が僅かに低下しても、気密容器2の内部圧力低下よりも外周囲圧力の低下の方が相対的に大であるので、該外周囲圧力が一定値以下の状態にあるとき、端面板5と圧力計10の感圧面とは接触状態を継続し、圧力計10は気密容器2の内外圧力差の検知を継続する。
【0034】
流体漏れ検出装置101が図2(b)の状態にあり、しかも外周囲圧力が安定しているときに、圧力計10の計測値が減少すれば、気密容器2においてガス漏れがあったことを意味する。したがって、図2(a)及び(b)の実施の形態の採用により、流体漏れ検出装置101が常圧より一定値以上低い外周囲圧力雰囲気にあるときに、気密容器2においてガス漏れがあったことを検知できる。
【0035】
この実施の形態が図2(a)の状態にあり、気密容器2が常圧雰囲気にあるとき、気密容器2の内外圧力は均衡している。そこで、図2(a)及び(b)の実施の形態の採用により、低圧雰囲気においては気密容器2からガス漏れが生じる程度に気密シール部3が劣化したとしても、気密容器2が常圧雰囲気にあるときに、劣化した気密シール部3を介して外部から湿った空気が気密容器2の内に進入することは防止できる。
【0036】
航空機に搭載される慣性航法装置の高圧電源部を収納する収納ケースに図2の実施の形態を適用する場合には、一定値以下に気圧が低下する一定高度において航空機が安定に飛行する状態で、圧力計10の検知圧力の変動の程度に基づき、ガスの漏れ量を検出できる。圧力計10は、僅かなガス漏れによる気密容器2の内部圧力の変化を検知できる程度に、高精度に圧力変化を検知できる。
なお、図1の実施の形態を変形し、図1の構造において、直線変位計6に並べて図2の圧力計10を配置した流体漏れ検出装置を構成すれば、常圧にあるときの端面板5の位置の偏移に基づき気密容器2のガス漏れを検知するとともに、常圧より一定値以上低い外周囲圧力雰囲気にあるときにも圧力計10の検出圧力の変動に基づき気密容器2のガス漏れを検知できるようにすることもできる。このような図1の変形構造でも、気密容器2が常圧雰囲気にあるとき、気密容器2の内外圧力は均衡している。そこで、低圧雰囲気においては気密容器2からガス漏れが生じる程度に気密シール部3が劣化したとしても、気密容器2が常圧雰囲気にあるときに、劣化した気密シール部3を介して外部から湿った空気が気密容器2の内に進入することは防止できる。
【0037】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、慣性航法装置の高圧電源部において、収納ケースの不活性ガスの微量の漏れ量を検出することを可能にするとともに、該慣性航法装置を搭載する航空機が着陸および高空での飛行を交互に繰り返すときの高圧電源部の絶縁耐圧の劣化を抑制できる気密容器の漏れ量検出装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示す断面図である。
【図3】従来例を示す断面図である。
【符号の説明】
1,101 気密容器の流体漏れ検出装置
2 気密容器
3 気密シール部
4 ベローズ
5 端面板
6 直線変位計
7 検知棒
8,108 筐体
9 開放孔
10 圧力計
11 蛇腹型伸縮管継手
12 内管
13 外管
14 蛇腹型伸縮部
15 輸送用配管
16 空隙
17 漏洩検出路
18 検知用管
19 接続部
20 ベローズ型圧力検知器
21 感圧動作手段
22 ベローズ
23 ケーシング
24 スプリング
25 検知動作子

Claims (2)

  1. 気密容器の内部空間に連通する連通孔でもって、該気密容器の内部空間と自らの内部空間を連通し、内外圧力差に応じて所定方向に伸縮するベローズと、
    前記ベローズにおける特定位置の前記所定方向の変位を検知する変位検知手段と
    を有し、
    前記変位検知手段で検知した前記変位に基づき前記気密容器の流体漏れを検知する気密容器の流体漏れ検出装置。
  2. 気密容器の内部空間に連通する連通孔でもって、該気密容器の内部空間と自らの内部空間を連通し、内外圧力差に応じて所定方向に伸縮するベローズと、
    前記ベローズが所定長さに伸びたときに、該ベローズの特定部位が接触し、該特定部位が押す圧力を検知する圧力計と
    を有し、
    前記圧力計で検知した前記圧力の変動に基づき前記気密容器の流体漏れを検知する気密容器の流体漏れ検出装置。
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