JP2005076496A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 この発明は、排気通路に触媒を備える内燃機関において燃料噴射量を制御するための燃料噴射制御装置に関し、触媒内に好適な酸素吸蔵分布を作り出すことにより、触媒に効率的に排気ガスを浄化させることを目的とする。
【解決手段】 リーン外乱が生じたら、先ず、酸素吸蔵量OSAが目標下限値(0.5−α)*Cmaxとなるようにリッチスパイク制御(時刻t1〜t2)およびベースリッチ制御(時刻t2〜t3)を行う。OSAが目標上限値(0.5+α)*Cmaxとなるようにリーンスパイクを印加する(時刻t3〜t4)。以後、ベースリッチ制御とリーンスパイクを交互に行って理想の酸素吸蔵分布を維持する。
【選択図】 図11

Description

この発明は、内燃機関の燃料噴射制御装置に係り、特に、排気通路に触媒を備える内燃機関において燃料噴射量を制御する装置として好適な燃料噴射制御装置に関する。
従来、例えば特開平5−195842号公報に開示されるように、排気通路に触媒を備える内燃機関において、触媒の酸素吸蔵量が所定の目標値となるように燃料噴射量を制御する装置が知られている。内燃機関は、混合気が燃料リッチである場合はHCやCO等の未燃成分を含む排気ガスを排出し、一方、混合気が燃料リーンである場合は、NOxを含む排気ガスを排出する。触媒は、COやHCを含む排気ガスが流入してきた場合には、吸蔵酸素を放出してそれらの成分を浄化(酸化)する。また、NOxを含む排気ガスが流入してくると、触媒は、排気ガス中の酸素を吸蔵することでその浄化(還元)を図る。
内燃機関の運転中には、種々の条件で混合気の空燃比がリッチ或いはリーンにシフトする。このような状況下で触媒が常に安定した浄化能力を効率的に発揮するためには、触媒の内部に、適量の酸素が吸蔵されており、かつ、十分な酸素吸蔵余力が残されている必要がある。上記従来の装置によれば、触媒内の酸素吸蔵量を、常にそのような要求を満たす適量に制御することができる。このため、この装置によれば、触媒に優れた浄化能力を発揮させることができる。
特開平5−195842号公報 特開平8−193537号公報 特開平10−184425号公報
ところで、触媒の排気ガス浄化能力は、触媒内部に吸蔵されている酸素の量により変動する他、その内部にどのような分布で酸素が吸蔵されているかによっても変動する。これに対して、上記従来の装置は、触媒の酸素吸蔵量を所定の目標値に制御するだけであり、触媒内に意図的に所望の酸素吸蔵分布を作り出す機能は有していない。この点、上記従来の装置は、触媒の排気ガス浄化能力を最大限に引き出すものではなかった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、触媒内に好適な酸素吸蔵分布を作り出すことにより、触媒に効率的に排気ガスを浄化させることのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
触媒が過剰に酸素を吸蔵した吸蔵過剰状態を検知する吸蔵過剰状態検知手段と、
前記吸蔵過剰状態が検知された場合に、空燃比をリッチとするリッチ制御と、空燃比をリーンとするリーン制御とを、前記リッチ制御から始めて交互に実行する第1空燃比反転手段と、
前記触媒が過剰に酸素を脱離した脱離過剰状態を検知する脱離過剰状態検知手段と、
前記脱離過剰状態が検知された場合に、空燃比をリッチとするリッチ制御と、空燃比をリーンとするリーン制御とを、前記リーン制御から始めて交互に実行する第2空燃比反転手段とを備え、
前記第1空燃比反転手段および前記第2空燃比反転手段は、それぞれ、個々のリッチ制御による脱離酸素の積算量および個々のリーン制御による吸蔵酸素の積算量が、制御の反転毎に順次減少するように個々の制御の実行条件を変更する実行条件変更手段を含むことを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記実行条件変更手段は、個々のリッチ制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が0より大きく、かつ、最大酸素吸蔵量の1/2以下となるように設定し、また、個々のリーン制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が最大酸素吸蔵量より少なく、かつ、最大酸素吸蔵量の1/2以上となるように設定し、
前記第1空燃比反転手段および前記第2空燃比反転手段は、少なくとも前記リッチ制御と前記リーン制御が1回ずつ実行され、かつ、前記酸素吸蔵量が所定の目標範囲に収まるまでは、前記実行条件変更手段により設定された実行条件に則って前記リッチ制御と前記リーン制御を繰り返す処理を継続することを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記第1空燃比反転手段の実行条件変更手段は、初回のリッチ制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が前記目標範囲の下限値となるように設定し、それに続くリーン制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が前記目標範囲の上限値以下となるように設定し、
前記第2空燃比反転手段の実行条件変更手段は、初回のリーン制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が前記目標範囲の上限値となるように設定し、それに続くリッチ制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が前記目標範囲の下限値以上となるように設定することを特徴とする。
また、第4の発明は、第3の発明において、
前記初回のリッチ制御で目標空燃比とされるリッチ目標値は、それに続くリーン制御で目標空燃比とされるリーン空燃比に比して、理論空燃比からより大きくシフトしており、
前記初回のリーン制御で目標空燃比とされるリーン目標値は、それに続くリッチ制御で目標空燃比とされるリッチ目標値に比して、理論空燃比からより大きくシフトしていることを特徴とする。
また、第5の発明は、第2乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記第1空燃比反転手段および前記第2空燃比反転手段は、
少なくとも前記リッチ制御と前記リーン制御が1回ずつ実行され、かつ、前記酸素吸蔵量が前記目標範囲の上限値または下限値と一致するまるまでは、前記実行条件変更手段により設定された実行条件に則って前記リッチ制御と前記リーン制御を繰り返す処理を継続し、
前記リッチ制御と前記リーン制御が少なくとも1回ずつ実行され、かつ、前記酸素吸蔵量が前記目標範囲の上限値または下限値と一致した後は、前記上限値に相当する酸素吸蔵量を前記下限値とするための実行条件でのリッチ制御と、前記下限値に相当する酸素吸蔵量を前記上限値とするための実行条件でのリーン制御とを繰り返し実行することを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、
前記上限値に相当する酸素吸蔵量を前記下限値とするための実行条件でのリッチ制御と、前記下限値に相当する酸素吸蔵量を前記上限値とするための実行条件でのリーン制御とは、一方が理論空燃比から大きくシフトした空燃比を目標とするスパイク制御であり、他方が理論空燃比から僅かにシフトした空燃比を目標とするスライト制御であることを特徴とする。
第1の発明によれば、吸蔵過剰状態、或いは脱離過剰状態が検知された場合に、リッチ制御とリーン制御とを繰り返し実行することができる。この際、それらの制御は、リッチ制御の実行に伴う脱離酸素の積算量と、リーン制御の実行に伴う吸蔵酸素の積算量が、順次減少するように行われる。この場合、触媒の内部には、酸素を一杯に吸蔵した領域(フル領域)と、酸素を殆ど吸蔵していない領域(空領域)とが交互に表れる理想的な酸素吸蔵分布が形成される。このため、本発明によれば、触媒の排気ガス浄化能力を最大限発揮させることができる。
第2の発明によれば、吸蔵過剰状態、或いは脱離過剰状態が生じた場合に、リッチ制御とリーン制御とを少なくとも1回ずつ実行させることができる。このため、本発明によれば、触媒の内部に、フル・空・フルの3層分布、或いは空・フル・空の3層分布を形成することができる。また、本発明によれば、リッチ制御とリーン制御が繰り返されることにより、触媒内の酸素吸蔵量は、最大酸素吸蔵量の1/2に向かって近づけられ、その吸蔵量が目標範囲に収まるまでは上記の繰り返しが継続される。このため、本発明によれば、最終的には、触媒の内部に理想的な酸素吸蔵分布を形成しつつ、触媒の酸素吸蔵量を目標範囲に収めることができる。
第3の発明によれば、吸蔵過剰状態が生じた際にはその後初回のリッチ制御により、また、脱離過剰状態が生じた際にはその後初回のリーン制御により、触媒の酸素吸蔵量を速やかに目標範囲に戻すことができる。そして、以後、酸素吸蔵量を目標範囲に収めつつ、触媒内に理想的な酸素吸蔵分布を形成することができる。
第4の発明によれば、吸蔵過剰状態が検知された後に実行される初回のリッチ制御は、大きくリッチ化された空燃比を目標として実行される。また、脱離過剰状態が検知された後に実行される初回のリーン制御は、大きくリーン化された空燃比を目標として実行される。これらの処理によれば、短時間で酸素吸蔵量を目標範囲に復帰させることができる。このため、本発明によれば、吸蔵過剰状態や脱離過剰状態が検知された後、極めて短い時間で触媒の酸素吸蔵量を適量とすることができる。
第5の発明によれば、触媒内にフル・空・フルの分布、または空・フル・空の分布が形成され、かつ、酸素吸蔵量が目標範囲に収まった後に、その酸素吸蔵量が目標範囲の上限値と下限値の間で変動するように燃料噴射量を制御することができる。理論空燃比を狙った制御では、酸素吸蔵量が増えているのか減っているのかが把握し難いのに対して、本発明の制御によれば、意図的に酸素の吸脱を繰り返させることにより、酸素吸蔵量を精度良く目標範囲内に維持することができる。このため、本発明によれば、触媒が効率的に浄化機能を発揮する状態を長期に渡って維持することができる。
第6の発明によれば、触媒の酸素吸蔵量を目標範囲に維持するための繰り返し制御において、リッチ制御とリーン制御の一方をスパイク制御とし、他方をスライト制御とすることができる。スパイク制御によれば、触媒の前端部付近の酸素を均一な密度で吸脱させることができる。一方、スライト制御によれば、酸素の吸脱反応に十分な時間を与えることができる。これらの制御を繰り返して行うことによれば、触媒の前端付近の領域を、酸素濃度を均一に保ちつつ交互にフルおよび空とすることができる。このため、本発明によれば、触媒内の酸素吸蔵分布を長期に渡って理想的な分布に維持することができる。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態1の構成を説明するための図を示す。図1に示すシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10の各気筒には、排気マニホールドを介して排気通路12が連通している。排気通路12には、第1触媒14と第2触媒16とが直列に配置されている。第1触媒14および第2触媒16は、何れも、所定の活性温度環境下で、酸素の吸脱反応を伴って排気ガス中のHC、COおよびNOxを浄化することのできる三元触媒である。
第1触媒14の上流にはフロントA/Fセンサ18が配置されている。また、第1触媒14の下流(第2触媒16の上流)には、リアOセンサ20が配置されている。フロントA/Fセンサ18は、排気ガスの空燃比に応じた出力を発生する公知の空燃比センサである。一方、リア0センサ20は、排気ガスがリッチであるかリーンであるかに応じて出力を急変させる公知の酸素センサである。
内燃機関10は、個々の気筒に対して燃料を噴射するための燃料噴射弁22を備えている。燃料噴射弁22には、図示しない燃料フィードポンプより所定の圧力で燃料24が供給されている。燃料噴射弁22の先端に設けられた弁機構が開弁すると、その燃料24が個々に気筒に向けて噴射される。燃料噴射弁22によれば、弁機構を開弁させる時間、つまり、燃料噴射時間TAUを制御することで、精度良く燃料噴射量を制御することができる。
実施の形態1のシステムは、図1に示すように、ECU(Electronic Control Unit)30を備えている。フロントA/Fセンサ18、リアOセンサ20、および燃料噴射弁22は、何れもECU30と電気的に接続されている。ECU30には、これらの要素に加えて、吸入空気量Gaを検出するためのエアフロメータや、機関回転数Neを検出するための回転数センサ(何れも図示せず)などが電気的に接続されている。
[実施の形態1の動作]
(リッチ外乱およびリーン外乱の説明)
第1触媒14に流入する排気ガスの空燃比(以下、「排気空燃比」と称す)は、内燃機関10の運転状態に応じて変化する。例えば、フューエルカットの実行中は、燃料の噴射が停止されることから、その空燃比は比較的長期にわたってリーンな値となる。一方、触媒の過熱防止を目的としたOPT増量等が実行されている間は、排気空燃比が比較的長期にわたってリッチとなる。以下、これらの例に挙げたように排気空燃比を長期にわたってリッチ化させる現象を「リッチ外乱」と称し、一方、排気空燃比を長期にわたってリーン化させる現象を「リーン外乱」と称す。
図2は、リッチ外乱或いはリーン外乱に伴う第1触媒14の酸素吸蔵率の変化、およびリアOセンサ20の出力変化を説明するための図である。ここで、「酸素吸蔵率」とは、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAを、その最大酸素吸蔵量Cmaxで除した値である。酸素吸蔵率は、図2の横軸に示すように、最小値0と最大値1の間で変化する値である。
内燃機関10においてリーン外乱が生ずると、長期に渡って排気空燃比がリーンに維持される結果、第1触媒14に容量一杯の酸素が吸蔵される。つまり、この場合は、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAが最大酸素吸蔵量Cmaxと等しくなり、酸素吸蔵率は最大値「1」となる。第1触媒14の酸素吸蔵率が「1」付近に到達した後、更に排気空燃比がリーンに維持されると、第1触媒14の下流にリーンなガスが吹き抜けるため、リアOセンサ20の出力は最小値の0.2V程度となる。この状態は、図2に示す座標軸上では点Aとして表すことができる。
一方、内燃機関10においてリッチ外乱が生ずると、長期に渡って排気空燃比がリッチに維持される結果、第1触媒14内の吸蔵酸素が使い果たされて酸素吸蔵率が最小値「0」となる。また、この場合は、第1触媒14の下流にリッチなガスが吹き抜けるため、リアOセンサ20の出力は最大値の0.8V程度となる。この状態は、図2に示す座標軸上では点Cとして表すことができる。
第1触媒14の酸素吸蔵率は、リーン外乱が生じた後(点A)、排気空燃比がリッチとされることにより最大値「1」から最小値「0」に向かって変化する。この際、酸素吸蔵率が「0」近傍の値に低下するまでは、第1触媒14の下流に流出するガスがストイキに保たれるため、リアOセンサ20の出力はリーン出力(0.2V近傍値)のまま維持される。その結果、リーン外乱の後にリッチ外乱が生じた場合は、酸素吸蔵率とリアOセンサ20の出力との関係が、図2中に示すB領域を通る曲線に沿ってA点からC点に変化する。
これに対して、リッチ外乱が生じた後に(点C)、排気空燃比がリーンになると、第1触媒14の酸素吸蔵率は最小値「0」から最大値「1」に向かって変化する。この際、酸素吸蔵率が「1」近傍の値に上昇するまでは、第1触媒14の下流に流出するガスがストイキに保たれるため、リアOセンサ20の出力はリッチ出力(0.8V近傍値)のまま維持される。その結果、リッチ外乱の後にリーン外乱が生じた場合は、酸素吸蔵率とリアOセンサ20の出力との関係が、図2中に示すD領域を通る曲線に沿ってC点からA点に変化する。
図2に示すB領域およびD領域は、酸素吸蔵率が0.5±αの範囲に収まる領域である。第1触媒14は、酸素吸蔵率がこの範囲に収まっている場合にHC、COおよびNOxの全てを効率的に浄化することができる。このため、内燃機関10の運転中は、原則として、第1触媒14の酸素吸蔵率がその範囲(0.5±αの範囲)に収まるように空燃比を制御することが望ましい。
ところが、フロント空燃比センサ18の出力は、第1触媒14に流入するガスの空燃比を表すものではあるが、第1触媒14内部の酸素吸蔵状態は、そこに流入してくるガスの空燃比と直接相関を有するものではない。また、リアOセンサ20の出力は、図2に示す通り、酸素吸蔵率が0.5±αの範囲では、リッチ出力またはリーン出力となる。従って、フロント空燃比センサ18の出力を基礎としても、リア02センサ20の出力を基礎としても、酸素吸蔵率が0.5±αに収まっているか否かを直接判断することはできない。
そこで、本実施形態では、以下に説明する手法で酸素吸蔵率を0.5±αの範囲に収めることとしている。
すなわち、本実施形態の装置は、リーン外乱の発生等に伴ってリアOセンサ20の出力が最小値0.2Vとなった場合には、先ず、その時点で酸素吸蔵率が「1」になったもの、つまり、酸素吸蔵量OSAが最大酸素吸蔵量Cmaxになったものと判断する。同様に、リッチ外乱の発生等に伴ってリアOセンサ20の出力が最大値0.8Vとなった場合には、その時点で酸素吸蔵量OSAが「0」になったものと判断する。
第1触媒14に流入するガス中の酸素過不足量は公知の手法で求めることができる。酸素過不足量が判ると、その値を積算することで酸素吸蔵量OSAの増減量ΔOSAを求めることができる。このため、ある時点でOSAがCmaxである、或いは「0」であると確定できれば、その後はOSAの絶対量を推定し続けることができる。一方で、酸素吸蔵量OSAは、第1触媒14に流入するガス中の酸素過不足量を制御することにより、つまり、そのガスの空燃比を制御することにより自由に増減させることができる。このため、本実施形態の装置は、リアOセンサ20の出力が最小値0.2Vまたは最大値0.8Vとなった後、上記の手法でOSAを推定しながら、そのOSAに対応する酸素吸蔵率(OSA/Cmax)が0.5±αに収まるように空燃比の制御を行う。
上記の制御手法によれば、リッチ外乱或いはリーン外乱等に起因して第1触媒14の酸素吸蔵率が最小値0または最大値1となった後に、その酸素吸蔵率を精度良く理想の範囲(0.5±α)に収めることができる。このため、本実施形態の装置によれば、第1触媒14に対して、優れた浄化能力を与えることができる。
ところで、第1触媒14の排気ガス浄化能力は、酸素吸蔵量OSAが同じであっても、酸素の吸蔵分布が異なれば異なったものとなる。そして、その浄化能力は、第1触媒14の全体にわたって平均的に酸素が吸蔵されている場合に比して、酸素を一杯に吸蔵している領域(以下、「フル領域」と称す)と、酸素を殆ど吸着していない領域(以下、「空領域」と称す)とが、排気ガスの流れ方向に交互に並んでいる方が良好となる。
そこで、本実施形態の装置は、酸素吸蔵率が理想の範囲(0.5±α)に収まると同時に、第1触媒14内の酸素吸蔵分布が、フル領域と空領域とが交互に並ぶ分布となるように、空燃比制御を行うこととした。以下、図3および図4を参照して、上記の機能を実現するために、本実施形態において実行される処理の具体的な内容を説明する。
図3は、リーン外乱に続いて実行される空燃比制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。より具体的には、図3(A)は、リーン外乱後の空燃比制御において用いられる目標空燃比の波形を示す。また、図3(B)および図3(C)は、その空燃比制御の実行に伴う第1触媒14の酸素吸蔵量OSAの変化、および第1触媒14内の酸素吸蔵分布の変化をそれぞれ表している。
図3において、時刻t1は、フューエルカット等のリーン外乱が終了した時刻を示す。この時刻t1において、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAは最大酸素吸蔵量Cmaxに達しており(図3(B))、また、第1触媒14の全ての領域はフル領域となっている(図3(C))。この場合、第1触媒14の下流にはリーンなガスが吹き抜けており、リアOセンサ20の出力は、リーン出力(0.2V)に反転している。
本実施形態の装置は、リーン外乱が終了した時点でリアOセンサ20の出力がリーン出力に反転している場合は、第1リッチ制御を開始する。第1リッチ制御の実行中は、目標空燃比が所定のリッチ目標値とされる(図3(A))。その結果、第1触媒14の吸蔵酸素が脱離し、酸素吸蔵量OSAが減少傾向を示す(図3(B))。この際、酸素の脱離は第1触媒14のフロント側から開始される。その結果、第1触媒14の内部には、フロント側からリア側に向かって拡大する空領域が形成される。
第1リッチ制御は、この制御に伴う脱離酸素の積算量ΔOSAが最大酸素吸蔵量Cmaxの3/4程度となるまで継続され、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAがCmax/4となった時点で終了される。図3において、時刻t2は、第1リッチ制御が終了した時刻を示す。この時刻t2において、第1触媒14の内部には、フロント側の3/4相当の領域が空領域となり、リア側の1/4程度の領域だけがフル領域となる酸素吸蔵分布が形成されている(図3(B))。
第1リッチ制御が終了すると(時刻t2)、目標空燃比が所定のリーン目標値に変更され、第1リーン制御が開始される。第1リーン制御の実行中は、酸素を過剰に含むガスが第1触媒14に流入することから、酸素吸蔵量OSAは増加傾向を示す。この際、酸素の吸蔵は、第1触媒14のフロント側から開始されるため、その内部には、フロントからリアに向かって拡大するフル領域が形成される。
第1リーン制御は、この制御に伴う吸蔵酸素の積算量ΔOSAが最大酸素吸蔵量Cmaxsの1/2程度となるまで継続され、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAがCmaxの3/4となった時点で終了される。図3において、時刻t3は、第1リーン制御が終了した時刻を示す。この時刻t3において、第1触媒14の内部には、フロント側の1/2相当の領域がフル領域となり、その後ろに1/4程度の空領域と1/4程度のフル領域とが交互に隣接する酸素吸蔵分布が形成されている(図3(B))。
第1リーン制御が終了すると(時刻t3)、目標空燃比が再びリッチ目標値に変更され、第2リッチ制御が開始される。第2リッチ制御の実行中は、第1触媒14にリッチなガスが流入するため再び酸素吸蔵量OSAが減少傾向に転ずる。そして、第1触媒14の内部には、フロントからリアに向かって拡大する空領域が形成される。
第2リッチ制御は、この制御に伴う脱離酸素の積算量ΔOSAが最大酸素吸蔵量Cmaxsの1/4程度となるまで継続され、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAがCmaxの1/4となった時点で終了される。図3において、時刻t4は、第2リッチ制御が終了した時刻を示す。この時刻t4において、第1触媒14の内部には、フロント側からリア側に向かって、空領域とフル領域とが、1/4程度の大きさで交互に繰り返される酸素吸蔵分布が形成されている(図3(C))。
以上説明した通り、本実施形態の装置では、リーン外乱が終了した時点でリアOセンサ20の出力がリーン反転していた場合には、その後、目標空燃比をリッチ目標値とするリッチ制御と、目標空燃比をリーン目標値とするリーン制御とが交互に繰り返される。そして、それらのリッチ制御およびリーン制御は、個々の制御に伴う吸蔵酸素或いは脱離酸素の積算量ΔOSAが、制御の切り替え毎に順次減少するように実行される。その結果、最終的には、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAが最大酸素吸蔵量Cmaxのほぼ半分に制御され、かつ、第1触媒14の内部にフル領域と空領域とが交互に並んだ酸素吸蔵分布が形成される。
本実施形態の装置は、内燃機関において、燃料増量等のリッチ外乱が生じた場合には、リッチ制御とリーン制御を入れ替えて、上述した空燃比制御を実行する。以下、リーン外乱に続いて実行される空燃比制御を「リーン外乱制御」と称し、また、リッチ外乱に続いて実行される空燃比制御を「リッチ外乱制御」と称することとする。
図4は、リッチ外乱制御の実行に伴う動作を説明するためのタイミングチャートである。尚、リッチ外乱制御は、原理的には図3を参照して説明したリーン外乱制御と同様であるため、ここでは、その詳細な説明は省略する。
図5は、上述した空燃比制御を実現するためにECU30が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。より具体的には、図5(A)はリーン外乱制御を実現するためのフローチャートであり、図5(B)は、リッチ外乱制御を実現するためのフローチャートである。以下、それらの代表例として、リーン外乱制御のフローチャートについて説明する。
図5(A)に示すルーチンは、フューエルカット等のリーン外乱が終了した時点で起動されるものとする。このルーチンでは、先ず、リアOセンサ20の出力がリーン反転しているか、つまり、その出力が0.2V近傍の値であるかが判別される(ステップ100)。
その結果、リアOセンサ20の出力がリーン反転していないと判別された場合は、そのまま今回の処理サイクルが終了される。一方、その出力にリーン反転が生じていると判別された場合は、第1触媒14にフルに酸素が吸蔵されていると判断して、酸素吸蔵量OSAを最大酸素吸蔵量Cmaxとする(ステップ102)。尚、最大酸素吸蔵量Cmaxは、公知の手法で計測するものとし、ここではその計測についての詳細な説明は省略する。
次に、酸素吸蔵量OSAの累積開始が指示される(ステップ104)。本ステップ104の処理が実行されると、以後、以下に説明する手法で酸素吸蔵量OSAの算出が繰り返し実行されることになる。
すなわち、本実施形態の装置において、第1触媒14に流入するガス中の酸素過不足量ΔOSAは、以下に示す(1)式により求めることができる。また、(1)式により算出される「酸素過不足量ΔOSA」を用いれば、リーン外乱後の酸素吸蔵量OSAは、(2)式のように表すことができる。本実施形態の装置は、OSAの累積開始が指示された後、これら(1)式および(2)式に従って、繰り返しOSAの最新値を算出し続ける。
ΔOSA=∫(排気ガス量×ストイキとの酸素濃度差×吸着脱離係数)dt ・・・(1)
OSA=Cmax+ΔOSA ・・・(2)
但し、(1)式における「ストイキとの酸素濃度差」は、第1触媒14に流入するガス中の酸素濃度とストイキにおける酸素濃度との差であり、前者の濃度が高い場合(つまりリーンの場合)に正となるものとする。この値は、メインA/Fセンサ18の出力に基づいて算出することができる。また、「吸着脱離係数」は、予め定められた固定値である。
図5(A)に示すルーチンでは、次に、第1リッチ制御が実行される(ステップ106)。第1リッチ制御の実行中は、目標空燃比が所定のリッチ目標値に設定され、酸素吸蔵量OSAを見ながら、メインA/Fセンサ18の出力がそのリッチ目標値と対応するように空燃比のフィードバック制御が実行される。ECU30は、酸素吸蔵量OSAが、第1判定値OSAL1(Cmax/4に相当)になると、つまり、第1リッチ制御の実行に起因する脱離酸素の積算量ΔOSAがCmax*3/4に達すると、第1リッチ制御を終了させる。
第1リッチ制御が終了すると、次に、第1リーン制御が開始される(ステップ108)。第1リーン制御の実行中は、目標空燃比が所定のリーン目標値に設定され、酸素吸蔵量OSAを見ながら、メインA/Fセンサ18の出力がそのリーン目標値と対応するように空燃比のフィードバック制御が実行される。ECU30は、酸素吸蔵量OSAが、第2判定値OSAL2(Cmax*3/4に相当)になると、つまり、第1リーン制御の実行に起因する吸蔵酸素の積算量ΔOSAがCmax*2/4に達すると、第1リーン制御を終了させる。
第1リーン制御が終了すると、次に、第2リッチ制御が開始される(ステップ110)。第2リッチ制御の実行中は、目標空燃比が再びリッチ目標値に設定される。ECU30は、酸素吸蔵量OSAが、最大酸素吸蔵量Cmaxの半分(Cmax/2)になると、つまり、第2リッチ制御の実行に起因する脱離酸素の積算量ΔOSAがCmax*1/4に達すると、第2リッチ制御を終了させ、以後、ストイキ制御を再開する(ステップ112)。
以上説明した通り、図5(A)に示すリーン外乱制御によれば、リーン外乱の終了後に、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAを迅速にCmax/2に戻すことができる。そして、この処理によれば、OSAがCmax/2に戻される過程で、図3(C)中に時刻t4の分布として示した酸素吸蔵分布を第1触媒14の中に形成することができる。
同様に、図5(B)に示すリッチ外乱制御(ステップ120〜132)によれば、リッチ外乱の終了後に、OSAをCmax/2に戻しつつ、図4(C)中に時刻t4の分布として示す酸素吸蔵分布を第1触媒14内部に形成することができる。このため、本実施形態の装置によれば、第1触媒14に高い排気ガス浄化能力を発揮させることができ、内燃機関10に対して優れたエミッション特性を付与することができる。
ところで、上述した実施の形態1では、リーン外乱制御やリッチ外乱制御によって、第1触媒14の内部に4層構造の酸素吸蔵分布を形成することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、その酸素吸蔵分布は、3層構造であっても、或いは、5層以上の構造であってもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、ECU30が、上記ステップ100または120の処理を実行することにより前記第1の発明における「吸蔵過剰状態検知手段」が、上記ステップ106〜110の処理を実行することにより前記第1の発明における「第1空燃比反転手段」が、上記ステップ126〜130の処理を実行することにより前記第1の発明における「第2空燃比反転手段」が、それらのステップ106〜108,126〜130において、吸脱酸素の積算量ΔOSAが順次減少するように個々の制御の実行条件を変更することにより前記第1の発明における「実行条件変更手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図6乃至図10を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。本実施形態の装置は、実施の形態1の装置において、ECU30に、上記図5に示すルーチンに代えて、後述する図8に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1の装置は、リーン外乱或いはリッチ外乱が生じた後に、第1触媒14のリア側から、1/4づつ空領域またはフル領域が順次形成され、最終的に酸素吸蔵量OSAが最大酸素吸蔵量Cmaxの半分に収まるように空燃比制御を行っている。しかしながら、このような制御によれば、リーン外乱或いはリッチ外乱が生じた後、しばらくの間は、酸素吸蔵量OSAが最大値「Cmax」或いは最小値「0」に偏る期間が生ずる。
内燃機関の運転中は、排気空燃比がリッチ側にもリーン側にも頻繁に変動する。このような変動に対する耐性を高めるためには、リーン外乱やリッチ外乱が生じた後、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAは、速やかにCmax/2近傍に戻されることが望ましい。そこで、本実施形態の装置は、それらの外乱に伴って第1触媒14の酸素吸蔵量OSAがCmaxまたは0となった場合に、最初のリッチ制御またはリーン制御で、OSAを目標範囲の下限値「(0.5−α)*Cmax」に戻し、その後、OSAを「(0.5±α)*Cmax」の範囲で振幅させることにより、フル領域と空領域が交互に並ぶ理想的な酸素吸蔵分布を形成することとした。
図6は、上記の機能を実現すべく、本実施形態において実行されるリーン外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。本実施形態におけるリーン外乱制御では、リーン外乱の終了後に、先ず、リッチ制御が実行される。このリッチ制御では、目標空燃比が所定のリッチ目標値に設定される(図6(A)時刻t1)。本実施形態において、リッチ目標値は、理論空燃比から大きく乖離した値(十分に小さい値)に設定される。その結果、酸素吸蔵量OSAは、最大酸素吸蔵量Cmaxから急速に減少する傾向を示す。
リッチ制御の実行に伴って酸素吸蔵量OSAが目標範囲の下限値(0.5−α)*Cmaxに達すると(図6(B)時刻t2)、リッチ制御に代えてリーン制御が開始される。リーン制御では、目標空燃比がリーン目標値に設定される(図6(A)時刻t2)。リーン目標値は、理論空燃比に比べると十分に大きな値である。但し、リーン目標値は、上記のリッチ目標値に比べると、理論空燃比からの乖離が小さな値である。このようなリーン目標値を用いたリーン制御が開始されると、その後、酸素吸蔵量OSAは、適度な速度で増加する傾向を示す。その結果、酸素吸蔵量OSAがCmax/2の近傍にまで達すると、リーン制御が終了されて、通常のストイキ制御が再開される(時刻t3)。
上記の処理手順によれば、リッチ制御が終了する時点で、第1触媒14の内部に、フロント側の半分強が空領域であり、リア側の半分弱がフル領域である酸素吸蔵分布を形成することができる(図6(C)時刻t2)。この状態でリーン制御が行われると、第1触媒14のフロント部分にフル領域が生成される。その結果、リーン外乱制御の終了する時刻t3の時点では、第1触媒14の内部に、フル領域、空領域、フル領域が交互に並んだ3層構造の酸素吸蔵分布が形成される。
以上説明したように、本実施形態において実行されるリーン外乱制御によれば、リーン外乱の終了後、最初のリッチ制御が終了した時点(時刻t2)で酸素吸蔵量OSAを目標範囲に収めることができる。そして、このリッチ制御では、理論空燃比から大きく乖離したリッチ目標値が用いられるため、極めて短時間のうちにCmaxであった酸素吸蔵量OSAを目標範囲内の値に戻すことができる。また、このリーン外乱制御によれば、リッチ制御の終了後に、理論空燃比から適度に乖離したリーン目標値を用いてリーン制御を行うことができる。このようなリーン制御によれば、速やかに、かつ、精度良く酸素吸蔵量OSAを目標範囲の中央値Cmax/2に収束させることができる。このため、本実施形態の装置によれば、リーン外乱の終了後に、極めて短い時間でOSAを最適値に戻すことができ、かつ、第1触媒14の内部に理想的な酸素吸蔵分布を形成することができる。
図7は、本実施形態において実行されるリッチ外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。尚、リッチ外乱制御は、原理的には図6を参照して説明したリーン外乱制御と同様であるため、ここでは、その詳細な説明は省略する。
図8は、上述した空燃比制御を実現するためにECU30が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。より具体的には、図8(A)はリーン外乱制御を実現するためのフローチャートであり、図8(B)は、リッチ外乱制御を実現するためのフローチャートである。以下、それらの代表例として、リーン外乱制御のフローチャートについて説明する。
図8(A)に示すルーチンは、ステップ106〜110がステップ140および142に置き換えられている点を除き、図5(A)に示すルーチンと同様である。以下、図8(A)において、図5(A)に示すステップと同一のステップについては、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。
図8(A)に示すルーチンでは、リーン外乱の終了後に、リアOセンサ20の出力がリーン反転していると判別された場合に、ステップ104の処理に次いで、リッチ制御が実行される(ステップ140)。ここでは、短期間でOSAを目標下限値(0.5−α)*Cmaxに戻すべく、理論空燃比から大きく乖離したリッチ目標値が目標空燃比とされる。ECU30は、酸素吸蔵量OSAが、目標下限値(0.5−α)*Cmaxまで減少すると、つまり、リッチ制御の実行に起因する脱離酸素の積算量ΔOSAが(0.5+α)*Cmaxに達するとリッチ制御を終了させる。このようなリッチ制御によれば、リーン外乱の終了後に、極めて短時間でOSAを目標範囲内の値に戻すことができる。
リッチ制御が終了すると、次に、リーン制御が開始される(ステップ142)。ここでは、酸素吸蔵量OSAの制御精度を重視して、リッチ目標値に比して理論空燃比からの乖離が抑えられたリーン目標値が目標空燃比とされる。ECU30は、酸素吸蔵量OSAが、目標範囲の中央値Cmax/2にまで増加すると、つまり、リーン制御の実行に起因する吸着酸素の積算量ΔOSAがα*Cmaxに達するとリーン制御を終了させる。このようなリーン制御によれば、目標下限値とされた酸素吸蔵量OSAを精度良く目標範囲の中央値Cmax/2付近まで増やすことができる。
以上説明した通り、図8(A)に示すリーン外乱制御によれば、リーン外乱の終了後に、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAを極めて短時間で目標範囲内の値に戻すことができる。そして、この処理によれば、その後OSAを目標範囲から外すことなく、フル領域、空領域、フル領域が交互に並ぶ理想的な酸素吸蔵分布(図6(C)、時刻t3参照)を第1触媒14の中に形成することができる。
同様に、図8(B)に示すリッチ外乱制御(ステップ120〜124,144,146,132)によれば、リッチ外乱の終了後に、極めて短時間でOSAを目標範囲内の値に戻しつつ、空領域、フル領域、空領域が交互に並ぶ理想的な酸素吸蔵分布(図7(C)、時刻t3参照)を第1触媒14の中に形成することができる。このため、本実施形態の装置によれば、第1触媒14に高い排気ガス浄化能力を発揮させることができ、内燃機関10に対して優れたエミッション特性を付与することができる。
上述した実施の形態2では、リーン外乱後に最初に行われるリッチ制御において、理論空燃比から十分に乖離したリッチ目標値が目標空燃比とされる。また、これに続いて実行されるリーン制御においても、リッチ目標値よりは乖離幅が小さいものの、理論空燃比よりは十分に大きなリーン目標値が目標空燃比とされる。以下、これらの制御のように、理論空燃比から十分に乖離した値を目標空燃比として行われる制御を「スパイク制御」と称す。
本実施形態の装置において、排気空燃比を確実にリッチまたはリーンに制御する手法としては、上記のスパイク制御の手法の他、目標空燃比を理論空燃比から僅かにリッチまたはリーンに偏らせる手法を用いることができる。つまり、排気空燃比は、理論空燃比から大きく乖離した目標空燃比を設定しなくても、メインA/Fセンサ18の精度誤差等を吸収するに足る量だけ理論空燃比から乖離した目標空燃比を設定すれば、確実にリッチまたはリーンに制御することができる。以下、このように、排気空燃比を確実にリッチまたはリーンとするに足る量だけ、理論空燃比から僅かに乖離させた値を目標空燃比として行われる制御を「スライト制御」と称す。
既述した通り、実施の形態2の装置は、リーン外乱制御において実行されるリッチ制御およびリーン制御(図6参照)、並びにリッチ外乱制御において実行されるリーン制御およびリッチ制御(図7参照)の全てをスパイク制御の手法で行うこととしている。スパイク制御は、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAを急速に変化させるうえで、また、第1触媒14のリア側の吸蔵状態に影響を与えることなく、そのフロント側の吸蔵状態のみを集中的に変化させるうえで有利である。このため、実施の形態2で用いられる制御手法は、短時間でOSAを最適値Cmax/2とすることができ、かつ、フル領域と空領域の境界を明確化し易いという点で優れている。
しかしながら、リーン外乱制御およびリッチ外乱制御の手法は、このような手法に限定されるものではない。図9(A)および図9(B)は、それらの制御の手法として用いることのできる他の手法の第1例に対応するタイミングチャートである。図9(A)および図9(B)に示すように、ここでは、リーン外乱或いはリッチ外乱後の最初の制御をスパイク制御で行い(時刻t1〜t2)、これに続く制御をスライト制御で行う(時刻t2〜t3)こととしている。
最初の制御をスパイク制御とすれば、外乱の終了後、酸素吸蔵量OSAが目標範囲に収まるまでの時間は、実施の形態2の場合と同等に短時間とすることができる。また、スライト制御は、OSAの制御精度を高めることができ、かつ、第1触媒14における酸素の吸脱反応時間が稼げるという点でスパイク制御に比して優れている。このため、図9に示す制御手法は、実施の形態2のようにスパイク制御が繰り返されると、最終的なOSAの収束値に誤差が生じ易い場合や、反応時間の不足により所望の酸素吸蔵分布が得られないような場合に、それらの不都合を回避しつつ短時間で第1触媒14を理想状態に復帰させる手法として好適である。
図10(A)および図10(B)は、リーン外乱制御およびリッチ外乱制御の手法として用いることのできる他の手法の第2例に対応するタイミングチャートである。図10(A)および図10(B)に示すように、ここでは、リーン外乱後の最初のリッチ制御或いはリッチ外乱後の最初のリーン制御(時刻t1〜t3)が、スパイク制御(時刻t1〜t2)とスライト制御(時刻t2〜t3)の組み合わせで実現されている。
図10に示す例において、スパイク制御からスライト制御への切り替えは、酸素吸蔵量OSAが目標範囲の上限値(図10(A)参照)または下限値(図10(B)参照)に達した時点(時刻t2)で行われる。そして、スライト制御は、OSAが目標範囲の下限値(図10(A)参照)或いは上限値(図10(B)参照)に達するまで(時刻t3)行われる。このような制御手法によれば、リーン外乱やリッチ外乱の後に速やかにOSAを目標範囲に収める機能を維持しつつ、最初のリッチ制御でOSAを目標下限値に合わせる精度(図10(A)参照)、並びに最初のリーン制御でOSAを目標上限値に合わせる精度(図10(B)参照)を高めることができる。更に、この例によれば、図9に示す例の場合と同様に、酸素の吸脱に要する時間を長く稼ぐことができる。このため、図10に示す例によれば、図9に示す例の場合と同等以上の効果を得ることができる。
図10を参照して説明した上記の例は、最初のリッチ制御或いは最初のリーン制御(時刻t1〜t3)に次いで行われるリーン制御或いはリッチ制御(時刻t3〜t4)をスパイク制御で行うこととしている。しかしながら、それらの制御(時刻t3後の制御)は、スライト制御で行うこととしてもよい。このような変形例は、図10に示す制御手法を用いても、なお反応時間の不足に起因して所望の酸素吸蔵分布が得られないような場合に好適である。
ところで、上述した実施の形態2では、リーン外乱制御やリッチ外乱制御によって、第1触媒14の内部に3層構造の酸素吸蔵分布を形成することとしているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、その酸素吸蔵分布は、4層以上の構造であってもよい。
尚、上述した実施の形態2においては、ECU30が、上記ステップ140および142の処理を実行することにより前記第1の発明における「第1空燃比反転手段」が、上記ステップ144および146の処理を実行することにより前記第1の発明における「第2空燃比反転手段」が、それらのステップ140〜46において、吸脱酸素の積算量ΔOSAが順次減少するように個々の制御の実行条件を変更することにより前記第1の発明における「実行条件変更手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態3.
次に、図11乃至図15を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。本実施形態の装置は、実施の形態1の装置において、ECU30に、上記図5に示すルーチンに代えて、後述する図13に示すルーチンを実行させることにより実現することができる。
上述した実施の形態1および2の装置は、リーン外乱制御或いはリッチ外乱制御の実行に伴って第1触媒14が理想の状態に至った後は、それらの制御を止めてストイキ制御を再開させることとしている。このストイキ制御では、理論空燃比を目標空燃比とする燃料噴射量のフィードバック制御が行われる。しかしながら、メインA/Fセンサ18の出力誤差に代表されるような様々な誤差の影響で、そのようなフィードバック制御によっては、排気空燃比を厳密に理論空燃比に制御することができない。そして、ストイキ制御の実行中に第1触媒14の酸素吸蔵量OSAが目標範囲(0.5±α)*Cmaxを外れたとしても、その現象は即座にはリアOセンサ20の出力に反映されないため、リアOセンサ20の出力を監視しても、ストイキ制御の誤差をリアルタイムで修正することはできない。
実施の形態1または2の装置において、フル領域と空領域とが交互に繰り返し隣接する理想の酸素吸蔵分布が形成された後、ストイキ制御によって、僅かにリッチまたはリーンに偏ったガスが供給され続けると、第1触媒14内の酸素吸蔵分布は、フル領域と空領域との境界があいまいなものとなり易い。そして、それらの領域の境界があいまいになり、理想の酸素吸蔵分布が崩れれば、第1触媒14に最大限の浄化能力を発揮させることができなくなる。
これに対して、第1触媒14の内部に理想の酸素吸蔵分布が形成された後、そのフロント側の一部だけで酸素の吸脱が繰り返される程度にリッチ制御とリーン制御を繰り返すこととすれば、第1触媒14の全体に、僅かだけリッチ或いはリーンに偏ったガスが流通し続けるのを防ぐことができ、フル領域と空領域の境界があいまいになるのを避けることができる。そこで、本実施形態の装置は、理想の酸素吸蔵分布が形成された後に、更に、上記の要件を満たすようなリッチ制御とリーン制御を繰り返し実行することとした。
図11は、上記の機能を実現すべく、本実施形態において実行されるリーン外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。ここでは、リーン外乱が終了した後、先ず、スパイク制御(時刻t1〜t2)とスライト制御(時刻t2〜t3)の組み合わせにより最初のリッチ制御が実行される(ステップ時刻t1〜t3)。図10(A)を参照して説明したリーン外乱制御の場合と同様に、ここでも、最初のリッチ制御を構成するスパイク制御は酸素吸蔵量OSAが目標下限値(0.5−α)*Cmaxとなるまで継続され、続くスライト制御はOSAが目標上限値(0.5+α)*Cmaxとなるまで続けられる(時刻t3)。
図11に示すリーン外乱制御では、以後、スパイク制御によるリッチ制御(時刻t3〜t4、t5〜t6)とスライト制御によるリーン制御(時刻t4〜t5、t6〜t7)が繰り返し行われる。この際、リッチ制御は酸素吸蔵量OSAが目標上限値(0.5+α)*Cmaxとなるまで実行され、リーン制御は酸素吸蔵量OSAが目標下限値(0.5−α)*Cmaxとなるまで実行される。そして、それらの処理が繰り返されることにより、目標範囲(0.5±α)*Cmaxの中で酸素吸蔵量OSAの増減が繰り返される。
この際、第1触媒14内部では、図11(C)に示すように、フロント側の半分強が空領域となりリア側の半分弱がフル領域となる第1の分布(時刻t3、t5、t7)と、フロント側の更に最前端の部分がフル領域となる第2の分布(時刻t4、t6)とが繰り返し形成される。そして、それらの分布を構成する各層は、酸素を一杯に吸蔵したフル領域と酸素を殆ど含まない空領域とに区分され、両者の境界は明確なまま維持される。このように、図11に示すリーン外乱制御によれば、リーン外乱の終了後に第1触媒14の酸素吸蔵量OSAを速やかに目標範囲に戻し、かつ、その内部に速やかに理想的な酸素吸蔵分布を形成し、更に、その状態を長期に渡って継続的に維持することができる。
図12は、本実施形態において実行されるリッチ外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。尚、図12に示すリッチ外乱制御の例は、原理的には図11に示すリーン外乱制御の例と同様であるため、ここでは、その詳細な説明は省略する。
図13は、上述した空燃比制御を実現するためにECU30が実行する制御ルーチンのフローチャートを示す。より具体的には、図13(A)はリーン外乱制御を実現するためのフローチャートであり、図13(B)は、リッチ外乱制御を実現するためのフローチャートである。尚、図13(A)に含まれるステップ100〜104、並びに図13(B)に含まれるステップ120〜124は、図5(A)または図5(B)に含まれる対応ステップと同様であるため、ここではそれらの説明は省略または簡略する。また、図13(A)に示すルーチンと図13(B)に示すルーチンとは、原理的には異なるところがないため、以下、それらの代表例として、図13(A)に示すリーン外乱制御のルーチンをそれらの代表例として説明する。
図13(A)に示すルーチンでは、リーン外乱の終了後に、リアOセンサ20の出力がリーン反転していると判別された場合に、ステップ104の処理に次いで、リッチスパイクの印加処理が行われる(ステップ150)。ここでは、具体的には、理論空燃比から大きく乖離したリッチ目標値が目標空燃比とされる。この処理が実行されると、以後、排気空燃比がスパイク的にリッチとなり、酸素吸蔵量OSAに急激な減少が生ずる。
リッチスパイクの印加は、OSAが目標上限値(0.5+α)*Cmaxまで減少した時点で終了される。このようなリッチスパイク制御によれば、リーン外乱の終了後に、極めて短時間でOSAを目標範囲内の値に戻すことができる。尚、リッチスパイクの終了時期は、OSAの累積値を基礎として判断しても、或いは、OSAの累積値を見ることなく、予め設定した条件の成否に応じて見込みにより判断してもよい。
リッチスパイクの印加が終了すると、次に、ベースリッチ制御が開始される(ステップ152)。ベースリッチ制御は、理論空燃比から僅かにリッチに偏った値を目標空燃比として行われるスライト制御である。ベースリッチ制御が開始されると、以後、酸素吸蔵量OSAは、比較的緩やかな減少傾向を示す。
図13(A)に示すルーチンでは、次に、リッチ外乱或いはリーン外乱の発生が認められるか否かが判別される(ステップ154)。その結果、何れかの外乱の発生が認められると判別された場合は、その外乱に対処するため、今回の処理サイクルが速やかに終了される。一方、それらの外乱の発生は認められないと判別された場合は、次に、酸素吸蔵量OSAが目標下限値(0.5−α)*Cmaxを下回るまで低下したか否かが判別される(ステップ156)。
その結果、OSA<(0.5−α)*Cmaxが未だ成立していないと判別された場合は、ステップ152以降の処理が繰り返され、ベースリッチ制御が継続される。そして、上記条件の成立が認められると、リーンスパイクの印加処理が行われる(ステップ158)。つまり、このルーチンによれば、最初のリッチ制御を構成するリッチスパイク制御とベースリッチ制御の双方に起因する脱離酸素の積算量ΔOSAが(0.5+α)*Cmaxに達すると、その時点でスパイク制御によるリーン制御が開始される。
リーン制御の実行中は、理論空燃比から十分に乖離したリーン目標値が目標空燃比とされる。その結果、排気空燃比がスパイク的にリーンとなり、酸素吸蔵量OSAに速やかな増加が生ずる。リーンスパイクの印加は、OSAが目標上限値(0.5+α)*Cmaxまで増加した時点で終了される。このようなリーンスパイク制御によれば、第1触媒14の最前端部分でのみ酸素の吸着反応を生じさせ、既に形成されているフル領域と空領域の境界をあいまい化させることなく、その最前端部分にフル領域を形成することができる。尚、リーンスパイクの終了時期は、OSAの累積値を基礎として判断しても、或いは、OSAの累積値を見ることなく、予め設定した条件の成否に応じて見込みにより判断してもよい。
リーンスパイクの印加が終了すると、再び、上記ステップ152の処理に戻り、ベースリッチ制御が開始される。つまり、このルーチンによれば、リーンスパイクの印加(リーン制御の実行)に起因する吸蔵酸素の積算量ΔOSAが2α*Cmaxに達すると、その時点でリーンスパイクの印加に代えてベースリッチ制御が再開される。以後、リッチ外乱或いはリーン外乱が生ずるまでステップ152〜158の処理が繰り返され、その結果、第1触媒14の内部に理想的な酸素吸蔵分布が維持される。
以上説明した通り、図13(A)に示すリーン外乱制御によれば、リーン外乱の終了後に、第1触媒14の酸素吸蔵量OSAを極めて短時間で目標範囲に戻し、また、第1触媒14内部に、フル領域と空領域とが交互に並ぶ理想的な酸素吸蔵分布を速やかに形成することができる。そして、この制御によれば、第1触媒14の内部に、その理想的な酸素吸蔵分布を長期にわたって継続的に維持することができる。
同様に、図13(B)に示すリッチ外乱制御(ステップ120〜124,160〜168)によれば、リッチ外乱の終了後に、極めて短時間でOSAを目標範囲内の値に戻し、かつ、速やかに理想的な酸素吸蔵分布を形成し、更に、その酸素吸蔵分布を長期にわたって維持することができる。このため、本実施形態の装置によれば、長い期間にわたって第1触媒14に高い排気ガス浄化能力を発揮させることができ、内燃機関10に対して優れたエミッション特性を付与することができる。
ところで、上述した実施の形態3では、リーン外乱制御において、スライト制御によるリッチ制御(ベースリッチ制御)とスパイク制御のよるリーン制御とを交互に実行することとしている。また、実施の形態3では、リッチ外乱制御において、スライト制御によるリーン制御(ベースリーン制御)とスパイク制御によるリッチ制御とを交互に実行することとしている。
しかしながら、繰り返し実行されるリッチ制御とリーン制御の組み合わせは、このような組み合わせに限定されるものではない。図14および図15は、実施の形態3の装置で用い得る他の制御の組み合わせの例を説明するためのタイミングチャートである。すなわち、図14は、リーン外乱制御において、ベースリーン制御(時刻t2〜t3、t4〜t5)とスパイクリッチ制御(時刻t3〜t4、t5〜t6)が繰り返される例を示している。また、図15は、リッチ外乱制御において、ベースリッチ制御(時刻t2〜t3、t4〜t5)とスパイクリーン制御(時刻t3〜t4、t5〜t6)が繰り返される例を示している。更に、これらの組み合わせは、個々のシステムに対する要求に応じて、スパイクリッチ制御とスパイクリーン制御の組み合わせとしたり、或いは、スライトリッチ制御(ベースリッチ制御)とスライトリーン制御(ベースリーン制御)の組み合わせとしたりすることも可能である。
また、上述した実施の形態3においては、実施の形態2の場合と同様に、リーン外乱またはリッチ外乱の後、最初に行われるリッチ制御或いはリーン制御により、酸素吸蔵量OSAを目標範囲内の値に戻すこととしているが、このような機能は必ずしも必須のものではない。すなわち、理想の酸素吸蔵分布が形成された後にリッチ制御とリーン制御を繰り返す処理は、リーン外乱またはリッチ外乱の後に、即座にOSAを目標範囲に戻す処理と組み合わせて用いる必要はなく、実施の形態1のように、第1触媒14の全体に均等にフル領域と空領域を振り分ける処理と組み合わせて用いることとしてもよい。
本発明の実施の形態1の構成を説明するための図である。 リッチ外乱或いはリーン外乱に伴って、図1に示す第1触媒の酸素吸蔵率に生ずる変化、および図1に示すリアOセンサの出力に生ずる変化を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるリーン外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1において実行されるリッチ外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態1において実行される制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるリーン外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2において実行されるリッチ外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2において実行される制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2において用いることのできるリーン外乱制御およびリッチ外乱制御の第1変形例に対応するタイミングチャートである。 本発明の実施の形態2において用いることのできるリーン外乱制御およびリッチ外乱制御の第2変形例に対応するタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるリーン外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3において実行されるリッチ外乱制御の内容を説明するためのタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3において実行される制御ルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態3において用いることのできるリーン外乱制御の他の例に対応するタイミングチャートである。 本発明の実施の形態3において用いることのできるリッチ外乱制御の他の例に対応するタイミングチャートである。
符号の説明
10 内燃機関
12 排気通路
14 第1触媒
18 フロントA/Fセンサ
20 リアOセンサ
30 ECU(Electronic Control Unit)
OSA 酸素吸蔵量
Cmax 最大酸素吸蔵量

Claims (6)

  1. 触媒が過剰に酸素を吸蔵した吸蔵過剰状態を検知する吸蔵過剰状態検知手段と、
    前記吸蔵過剰状態が検知された場合に、空燃比をリッチとするリッチ制御と、空燃比をリーンとするリーン制御とを、前記リッチ制御から始めて交互に実行する第1空燃比反転手段と、
    前記触媒が過剰に酸素を脱離した脱離過剰状態を検知する脱離過剰状態検知手段と、
    前記脱離過剰状態が検知された場合に、空燃比をリッチとするリッチ制御と、空燃比をリーンとするリーン制御とを、前記リーン制御から始めて交互に実行する第2空燃比反転手段とを備え、
    前記第1空燃比反転手段および前記第2空燃比反転手段は、それぞれ、個々のリッチ制御による脱離酸素の積算量および個々のリーン制御による吸蔵酸素の積算量が、制御の反転毎に順次減少するように個々の制御の実行条件を変更する実行条件変更手段を含むことを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記実行条件変更手段は、個々のリッチ制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が0より大きく、かつ、最大酸素吸蔵量の1/2以下となるように設定し、また、個々のリーン制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が最大酸素吸蔵量より少なく、かつ、最大酸素吸蔵量の1/2以上となるように設定し、
    前記第1空燃比反転手段および前記第2空燃比反転手段は、少なくとも前記リッチ制御と前記リーン制御が1回ずつ実行され、かつ、前記酸素吸蔵量が所定の目標範囲に収まるまでは、前記実行条件変更手段により設定された実行条件に則って前記リッチ制御と前記リーン制御を繰り返す処理を継続することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記第1空燃比反転手段の実行条件変更手段は、初回のリッチ制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が前記目標範囲の下限値となるように設定し、それに続くリーン制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が前記目標範囲の上限値以下となるように設定し、
    前記第2空燃比反転手段の実行条件変更手段は、初回のリーン制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が前記目標範囲の上限値となるように設定し、それに続くリッチ制御の実行条件を、その制御の終了時における酸素吸蔵量が前記目標範囲の下限値以上となるように設定することを特徴とする請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記初回のリッチ制御で目標空燃比とされるリッチ目標値は、それに続くリーン制御で目標空燃比とされるリーン空燃比に比して、理論空燃比からより大きくシフトしており、
    前記初回のリーン制御で目標空燃比とされるリーン目標値は、それに続くリッチ制御で目標空燃比とされるリッチ目標値に比して、理論空燃比からより大きくシフトしていることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記第1空燃比反転手段および前記第2空燃比反転手段は、
    少なくとも前記リッチ制御と前記リーン制御が1回ずつ実行され、かつ、前記酸素吸蔵量が前記目標範囲の上限値または下限値と一致するまるまでは、前記実行条件変更手段により設定された実行条件に則って前記リッチ制御と前記リーン制御を繰り返す処理を継続し、
    前記リッチ制御と前記リーン制御が少なくとも1回ずつ実行され、かつ、前記酸素吸蔵量が前記目標範囲の上限値または下限値と一致した後は、前記上限値に相当する酸素吸蔵量を前記下限値とするための実行条件でのリッチ制御と、前記下限値に相当する酸素吸蔵量を前記上限値とするための実行条件でのリーン制御とを繰り返し実行することを特徴とする請求項2乃至4の何れか1項記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記上限値に相当する酸素吸蔵量を前記下限値とするための実行条件でのリッチ制御と、前記下限値に相当する酸素吸蔵量を前記上限値とするための実行条件でのリーン制御とは、一方が理論空燃比から大きくシフトした空燃比を目標とするスパイク制御であり、他方が理論空燃比から僅かにシフトした空燃比を目標とするスライト制御であることを特徴とする請求項5記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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