JP2005074700A - 樹脂成形品の成形方法および成形装置 - Google Patents

樹脂成形品の成形方法および成形装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 射出成形装置によって成形された樹脂板状体を、プレス装置の金型に配設された転写板により加圧して、微細なパターンを転写して樹脂成形品を成形するに際して、射出成形装置に取付けられる金型構造の簡略化によるコスト低減、成形サイクル向上、および成形バリエーション増加を実現する。
【解決手段】 射出成形装置1によって成形された樹脂板状体A2をプレス装置3の相対向する金型17,20の間に移送し、樹脂板状体A2の被転写面B1,B2に対して前記金型17,20の少なくとも一方に配設された転写板15を当接・加圧して、微細なパターンを転写する樹脂成形品の成形方法において、樹脂板状体A2が、被転写面B1に樹脂流動痕Eを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、射出成形装置によって成形された樹脂板状体を、プレス装置の金型に配設された転写板により加圧して、微細なパターンを転写する樹脂成形品の成形方法および成形装置に関するものである。
従来、1次成形された樹脂板状体を、プレス装置の金型に配設された転写板により加圧して、微細なパターンを転写する樹脂成形品の成形装置としては、特許文献1、特許文献2に記載されたものが知られている。特許文献1は、樹脂シート1Aを樹脂成形機により圧縮加圧して導光板を得ることが記載されている。前記特許文献1には樹脂シート1Aの成形方法は明記されていないが、一般的に樹脂シート1Aは押出機によって成形され、切断装置によって一定寸法に切断された樹脂シート1Aが使用される。しかし押出機によって成形された樹脂シート1Aは、押出機のスクリュの応力が残存したまま押出機のダイから樹脂シート1Aが押出されるために、冷却後の樹脂シート1Aには、僅かに波状の撓みが発生する。そしてこの波状の撓みは樹脂シート1Aが大面積になるほど顕著になる。よって前記樹脂シート1Aに対して、後工程の樹脂成形機により、微細な凹凸等を転写しようとしても、均一に転写が行なえないという問題があった。また押出機による樹脂シート1Aの成形は、引取装置や切断装置等の周辺装置が必要であり、大掛りな設備が必要となるものであった。
上記問題を解決するものとして、特許文献2には、射出成形機により1次成形された樹脂板Aを、プレス成形装置1により2次成形して光学製品を得る光学製品のプレス成形装置が記載されている。前記特許文献2によれば、1次成形された樹脂板Aは、射出成形機により成形されるため、前記した押出機により成形された樹脂板のように波状の撓みはない。そして従来射出成形機により樹脂板Aを成形する場合は、光学製品の光学特性に影響を及ぼさないように、樹脂板Aの被転写面に樹脂流動痕の残らない一点サイドゲート金型により、樹脂板の成形が行なわれていた。しかし一点サイドゲート金型を用いて1次成形される樹脂板Aを成形することは、ダイレクトゲート金型による成形と比較すると、樹脂流通路が長く必要であり、ホットランナの設置等により金型構造が複雑になり、金型のコストやランニングコストの面において不利であるという問題があった。
特開2001−191348号公報(請求項1、図2、図4) 特開2003−1705号公報(0002、0011)
そこで本発明は、射出成形装置によって成形された樹脂板状体を、プレス装置の金型に配設された転写板により加圧して、微細なパターンを転写して樹脂成形品を成形するに際して、射出成形装置に取付けられる金型構造の簡略化によるコスト低減、成形サイクル向上、および成形バリエーション増加を実現した樹脂成形品の成形方法および成形装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項1に記載の樹脂成形品の成形方法は、射出成形装置によって成形された樹脂板状体をプレス装置の相対向する金型の間に移送し、樹脂板状体の被転写面に対して金型の少なくとも一方に配設された転写板を当接・加圧して、微細なパターンを転写する樹脂成形品の成形方法において、前記樹脂板状体が、被転写面に樹脂流動痕を有するものであることを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の樹脂成形品の成形方法は、請求項1において、樹脂流動痕がゲート痕であることを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の樹脂成形品の成形方法は、請求項1において、樹脂流動痕がウエルドマークであることを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の樹脂成形品の成形装置は、樹脂板状体を成形する射出成形装置と、該樹脂板状体をプレス装置に移送する移送装置と、樹脂板状体の被転写面に対して転写板を当接・加圧して、微細なパターンを転写するプレス装置と、からなる樹脂成形品の成形装置において、射出成形装置は被転写面に樹脂流動痕を有する樹脂板状体が成形される金型が配設されており、移送装置は樹脂板状体の被転写面をプレス装置の転写板に向けて移送するものであることを特徴とする。
本発明の樹脂成形品の成形方法および成形装置は、射出成形装置によって成形された樹脂板状体を、プレス装置の金型に配設された転写板により加圧して、微細なパターンを転写して樹脂成形品を成形するに際して、射出成形装置によって成形される樹脂板状体に、被転写面に樹脂流動痕を有するものを使用することにより、射出成形装置に取付けられる金型構造の簡略化によるコスト低減、成形サイクル向上、および成形バリエーション増加を実現することができる。
本発明の実施形態について図1ないし図3を参照して説明する。図1は樹脂成形品である導光板の成形方法および成形装置を示す概略図である。図2は、プレス装置の断面図である。図3は、多点ゲート金型を用いて射出成形された樹脂板状体を示す図である。
図1により本実施形態の樹脂成形品である導光板の成形装置の概略について説明する。1は射出成形装置であって、固定盤4と可動盤5には、型合わせした際にキャビティ6が形成される固定金型7と可動金型8がそれぞれ配設されている。本実施形態において射出成形装置1に取付けられた金型は、固定金型7のキャビティ形成面6aの略中央にゲート9が形成され、図示しないスプルブッシュにより射出装置10に向けて溶融樹脂通路11が形成されたダイレクトゲート金型と呼ばれるものである。固定金型7のキャビティ形成面6aは、キャビティ6内で成形される導光板用のスプル付樹脂板状体A1(以下単に樹脂板状体A1と略す)の被転写面B1を形成する部分であり、スタンパ等は配設されておらず、特殊な鏡面加工もなされていない。また本実施形態では、可動金型8のキャビティ形成面6bについても樹脂板状体A1の被転写面B2を形成する部分となっている。また可動金型8には図示しないエジェクタ装置が配設されている。
なお本実施形態の射出成形装置1は、パーティング面同士が当接されるように固定的に型締される固定金型7と可動金型8が取付けられ、樹脂板状体A1の成形を行なうタイプのものである。しかし射出成形装置1は、射出後に可動金型を移動させてキャビティ内の溶融樹脂の圧縮を行なう射出圧縮成形装置、または射出プレス成形装置を用いることを否定するものではない。
図1において2は、移送装置であって、前記射出成形装置1により成形された樹脂板状体A1を後工程のプレス装置3に移送する。移送装置2は、樹脂板状体A1を吸着把持する把持部12、アーム部13、およびゲートカット機構14等からなり、それぞれが図示しないアクチュエータやエア吸引手段等により作動される。なお本実施形態では移送装置2に、射出成形装置1において成形された樹脂板状体A1を取出す機能、ゲートカット機能、プレス装置3へゲートカットされた樹脂板状体A2(以下単に樹脂板状体A2と略すが、樹脂板状体A2が射出成形装置によって成形された樹脂板状体に該当することは言うまでもない)を搬入する機能が、備えられている。しかし移送装置2の前記機能は、それぞれが独立して配設、または射出成形装置1とプレス装置3にそれぞれ別れて付設されたものでもよい。例えば射出成形装置1がゲートカット機能を有し、可動金型8の型開きと同時に樹脂板状体A1がゲートカットされるものでもよい。
図1において3は、プレス装置であって、移送装置2により移送された樹脂板状体A2の被転写面B1,B2に転写板15を当接・加圧して微細な凹凸パターンを転写する。プレス装置3について図2を参照して詳述すると、プレス装置3は、ベッド16に載置された下型17に対して、可動盤19に取付けられた上型20が、相対向して取付けられている。そして可動盤19には、加圧機構である加圧シリンダのラム18が固着され、ラム18が昇降されることにより、上型20が下型17に対して昇降自在に設けられている。なおプレス装置3の加圧機構については、前記ラム18によるものに限定されず、電動機等の他の機構のものでもよい。
下型17は、冷却盤21、樹脂板状体A2に転写を行なう転写板15、および前記転写板15を冷却盤21に当接および離隔移動させる転写板移動機構等からなっている。下型17の各部について詳述すると、ベッド16上に取付けられた冷却盤21は、その内部に複数の温調用媒体通路22が形成され、所定の温度に制御される。またベッド16上において、冷却盤21の近傍には、後述する転写板15が冷却盤21から一定以上離隔するのを防止するため、ホルダ23がそれぞれ取付けられている。またベッド16上における前記ホルダ23の内側近傍には、転写板15を冷却盤21に当接および離隔移動させる転写板移動機構としてのバネ24の一端がそれぞれ取付けられ、バネ24の他端には前記ホルダ23に当接して転写板15を保持する保持部25が固着されている。なお転写板移動機構としては、バネ24以外にシリンダ等のアクチュエータを用いたものでもよい。
前記保持部25にはそれぞれ複数の電極が固着されるとともに、電極はそれぞれ端子26に接続されている。そして前記保持部25,25には、転写板15が固着されている。本実施形態において転写板15は、厚さが3mmのステンレス板27の裏面に、絶縁体であって弾性体であるゴムシート28が貼付られた板からなる。そしてステンレス板27の表面は、樹脂板状体A2の被転写面B1に微細な凹凸パターンを転写するための微細な凹凸を有する転写面15aとなっている。また転写板15の裏面となるゴムシート28の裏面は、前記冷却盤21の表面との当接面となっている。そして転写板15のステンレス板27は、厚さが薄いので、冷却盤21と比較すると熱容量が小さくなっている。また転写板15のステンレス板27は、前記端子26および保持部25の電極とともに加熱機構を構成し、図示しない電源から前記端子26および保持部25の電極を介して通電がなされると抵抗発熱される。
なお転写板15については、本実施形態以外に、ステンレス板27の表面に、別途0.1mm程度の厚さのスタンパを貼付けたものでもよく、ゴムシート28の裏面側にも別の金属板が配設されたものでもよい。そして転写板15の微細な凹凸としては、導光板の出光面等となるドットやグルーブ等各種の微細なパターンを転写するものが取付可能である。また加熱機構についても、誘導加熱等の他の方法であってもよい。
本実施形態では、上型20についても下型17と同様に、冷却盤21、抵抗発熱される転写板15、および前記転写板15を冷却盤21に当接および離隔移動させる転写板移動機構等が備えられている。なお下型17または上型20の一方に微細な凹凸を有する転写板15を配設し、他の金型については微細な凹凸を有さない鏡面からなる転写板を配設してもよく、他の金型には転写板15を配設しないようにしてもよい。
次に本実施形態の樹脂成形品である導光板の成形方法について説明する。まず射出成形装置1に透明アクリル樹脂が供給され、導光板用の樹脂板状体A1の成形が行なわれる。ただし導光板用に使用される樹脂材料については、ポリカーボネートやシクロオレフィンポリマー等であってもよい。また前記樹脂材料から成形される樹脂成形品についても、光拡散板やレンズ等の他の光学製品であってもよい。本実施形態で成形される導光板は、厚さが均等な導光板であるので、射出成形装置1によって成形される樹脂板状体A1も厚さが均等なものが成形される。なお楔型導光板を成形する場合は、押出機によって楔型の樹脂板状体を成形することは非常に困難であるので、射出成形装置1により成形された楔型の樹脂板状体が使用される。また射出成形装置1を使用して樹脂板状体A1を成形すると、導光板の周辺部に爪部等の凹凸を自在に形成することが可能である。
射出成形装置1による樹脂板状体A1の成形は、図1の(1)に示されるように、ダイレクトゲート金型である固定金型7と可動金型8の間に形成されたキャビティ6に、射出装置10から溶融樹脂通路11を介して溶融樹脂が射出充填される。そして前記溶融樹脂は、キャビティ6内および溶融樹脂通路11内において冷却され、被転写面B1の略中央にスプル部Cが固着された樹脂板状体A1が成形される。なお本実施形態は、ダイレクトゲート金型を用いることにより、一点サイドゲート金型と比較して、金型構造の簡略化による金型コスト削減が可能となる。またダイレクトゲート金型は、ゲート9からキャビティ6内に溶融樹脂が流動する距離を短縮化することができ、そのため溶融樹脂の温度を低くすることによる成形サイクル向上や、射出速度が遅くてもよいといった効果もある。
樹脂板状体A1の冷却が完了すると型開がなされ、樹脂板状体A1は図示しないエジェクタにより突出される。それと略同時に樹脂板状体A1は、移送装置2の把持部12により吸着され、射出成形装置1から取出される。本実施形態では通常の突出ピンからなるエジェクタによって樹脂板状体A1の被転写面B2を突出すので、前記被転写面B2に突出し痕が形成されるが、前記突出し痕は後述するプレス装置3による成形でなくすことができる。
次に図1の(2)に示されるように、移送装置2によって射出成形装置1から取出された樹脂板状体A1は、移送装置2のゲートカット機構14によりゲートカットされ、ゲート部Dの部分から樹脂板状体A2とスプル部Cとに分離される。しかし導光板用の樹脂板状体A2の被転写面B1には、樹脂流動痕であるゲート痕Eが残り、被転写面B1全体が完全に均一な面とはならない。(よってダイレクトゲート金型は、被転写面B1にゲート痕Eを有する樹脂板状体A2が成形される金型に該当する。)その後樹脂板状体A2は移送装置2により、プレス装置3の転写板15に対して、ゲート痕Eが残っている被転写面B1を向けて載置される。図1に示される例では、図1の(2)において、樹脂板状体A2の被転写面B1は右側を向いているが、図1の(3)においては、被転写面B1が下型17に配設された転写板15に向けられるように移送される。なお本実施形態では、射出成形装置1によって成形された樹脂板状体A2が移送装置2によって、そのままプレス装置3に移送する例について説明するが、射出成形装置1により成形された樹脂板状体A2を複数枚ストックした上で、プレス装置3で連続成形してもよく、成形する場所についても別の場所であってもよい。
なおプレス装置3では樹脂板状体A2が転写板15に載置される際、転写板15と冷却盤21はバネ24が伸張して離隔した状態にある。そして樹脂板状体A2がプレス装置3の転写板15の上に載置されると、ラム18が作動され、上型20に配設された転写板15と樹脂板状体A2の被転写面B2(上面)が当接され、上型20の下降が停止されるが、その際はまだ冷却盤21と転写板15とは離隔した状態にある。そして次に転写板15に通電がなされ、転写板15が抵抗発熱され、転写板15は短時間で昇温され、アクリルからなる樹脂板状体A2のガラス転移温度である約100度より高温になる。本実施形態では転写板15が、所定温度(成形される樹脂板状体A2によって転写板15の昇温温度は相違するが145℃ないしは185℃)となったことが検出されると、図1の(4)に示されるように、ラム18が再度下降される。そして転写板15と冷却盤21が当接されるのと、略同時に転写板15への通電を停止させ、樹脂板状体A2に対して転写板15を介して所定加圧力(成形される樹脂板状体A2によって加圧力は相違するが1MPaないしは3MPa)により加圧を行なう。そして加圧時においては、前記のように転写板15への通電が停止され、転写板15と冷却盤21とが当接されていることから転写板15の冷却が急速に進行する。そして樹脂板状体A2に対して所定時間(成形される樹脂板状体A2によって加圧時間は相違するが40秒間ないしは80秒間)、転写板15を当接・加圧することにより、樹脂板状体A2に転写が完了し、微細な凹凸パターンが形成された導光板が成形される。なお加圧終了時に転写板15の温度は、40℃ないしは65℃程度である。
よって本実施形態のプレス装置3は、転写板15を抵抗発熱させることにより短時間で高温とすることができ、転写板15と当接する樹脂板状体A2の被転写面B1,B2を溶融状態とした上で加圧することができるので、樹脂板状体A2の被転写面B1,B2にゲート痕Eや突出し痕があったとしても容易になくすことができる。そしてプレス装置3の転写板15を急速に冷却することにより短時間で離型可能にすることができ、樹脂板状体A2に対して良好な転写を行なうことができる。それに対して特許文献2に示されるプレス成形装置は、スタンパの温度を昇降制御させることができない。よって高温状態のスタンパを用いて所定加圧力以上で加圧を継続すると、離型が困難となるため、樹脂板状体に対して良好な転写を行なうことができず、短時間で樹脂流動痕等をなくすことも困難であった。
なお本実施形態では前記のように、温度を変更制御可能な転写板15が配設されたプレス装置3を用いて導光板の成形を行なうことについて説明したが、プレス装置3を上記のものに限定するものではない。例えば温度を変更制御不可能な転写板が配設された熱プレス装置を用いても、成形サイクルを長くすればゲート痕Eをなくすことは可能であり、また転写ローラ等をプレス装置として使用するものでもよい。
次に図3により多点ゲート金型を用いて射出成形された樹脂板状体をプレス装置3により転写する場合について説明する。一のキャビティに対して複数のゲートを有する多点ゲート金型は、厚さが薄く面積の大きい樹脂板状体等を成形するためには有効な金型であるが、各ゲートから射出された溶融樹脂が衝突する部分にウエルドマークと呼ばれる樹脂流動痕が残る。そのため従来から多点ゲート金型は、導光板用の樹脂板状体の成形には用いられていなかった。そして従来、14インチ程度以上の導光板を成形するための樹脂板状体は、射出前のキャビティの厚さ方向の間隔を成形される樹脂板状体の厚さよりも広く保ち、一点サイドゲートから前記キャビティ内に溶融樹脂を射出充填後、キャビティ内の溶融樹脂を圧縮するインロー金型が取付けられた射出プレス装置等により成形されていた。しかしながら前記インロー金型や射出プレス装置は、構造も複雑なためコストアップにつながっていた。また30インチ以上の大型導光板を成形するための樹脂板状体の成形は、前記インロー金型や射出プレス装置を用いても一点サイドゲートからキャビティ内に溶融樹脂を射出充填することが難しかったので、押出機により成形された樹脂板状体に高価なプリズムシートを貼付して製造されるものが多かった。
図3の(1),(2)に示される樹脂板状体A3,A4が成形される多点ゲート金型は、上記問題を解決するものである。図3の(1)に示される樹脂板状体A3は、キャビティの両側にサイドゲートが設けられている多点ゲート金型によって成形される。よって樹脂板状体A3は、両側にランナ部F1が形成され、樹脂板状体A3の中央部に20μm程度の深さの溝であるウエルドマークG1が残っている。また図3の(2)に示される樹脂板状体A4は、キャビティの被転写面を形成する部分に四のゲートが形成された多点ゲート金型によって成形される。よって樹脂板状体A4は、被転写面B3に四のランナ部F2が固着され、各ゲートから射出充填された溶融樹脂同士が衝突した部分にウエルドマークG2が残っている。(よって多点ゲート金型は、被転写面B3にウエルドマークG1,G2を有する樹脂板状体A3,A4が成形される金型に該当する。)
しかし本発明では上記のようなウエルドマークG1,G2を有する樹脂板状体A3,A4であっても、ランナ部F1,F2をゲートカット後に、プレス装置3により転写成形を行なうことにより、ウエルドマークG1,G2やゲートカット後のゲート痕等の樹脂流動痕をなくすことができる。よって多点ゲート金型を用いることにより、射出成形装置1に特殊なコストの高いものを使用しないで、導光板用の樹脂板状体A3,A4を成形することができる。またダイレクトゲート金型の場合と同様に多点ゲート金型は、一点サイドゲート金型と比較して、ゲートからキャビティ内へ溶融樹脂が流動する距離を短縮化することができ、そのため溶融樹脂の温度を低くすることによる成形サイクルの短縮や、射出速度が遅くてもよいといった効果もある。さらに30インチ以上の大型導光板用の樹脂板状体についても多点ゲート金型により簡単に成形できるようになり、プレス装置3で転写して大型導光板の転写成形が可能となり、成形バリエーションを増加させることができるようになった。
本発明については、前記実施形態において、透明な樹脂材料を用いて光学製品である導光板を成形する場合について説明してきた。しかしながら本発明は、前記成形に限定されない。例えば、燃料電池のセパレータを樹脂材料から成形する場合においては、樹脂材料はカーボンを多く含み不透明であり、溶融樹脂の流動性に問題がある。しかし本発明を用いれば、流動性に問題がある材料であっても、多点ゲート金型を用いることにより、キャビティ内への樹脂材料の充填を良好にすることができる。例えば燃料電池のセパレータにおいては、表面積を大きくするために、表面に微細な凹凸溝を多数形成する必要があるが、プレス装置3により表面に微細な凹凸溝を形成することができる。
またパソコンの枠体等の薄肉部を有する樹脂成形品(屈曲部や空洞部等のある複雑な形状のものを含む)を射出成形により成形する場合は、ゲートの数に関係なくウエルドマークやヒケ等の樹脂流動痕が発生しやすい。しかし本発明によれば、射出成形後の前記樹脂成形品(樹脂板状体)の表面に、プレス装置3により再度転写成形を行なうことにより、表面にしぼ加工や梨地加工を行ないつつ、ウエルドマークやヒケを目立たなくすることができる。なおこの例では転写板は完全な平面に限定されない。
なお本発明については、一々列挙はしないが、上記したものに限定されず、当業者が本発明の趣旨を踏まえて変更を加えたものについても、適用されることは言うまでもないことである。
樹脂成形品である導光板の成形方法および成形装置を示す概略図である。 プレス装置の断面図である。 多点ゲート金型を用いて射出成形された樹脂板状体を示す図である。
符号の説明
1 射出成形装置
2 移送装置
3 プレス装置
4 固定盤
5,19 可動盤
6 キャビティ
6a,6b キャビティ形成面
7 固定金型
8 可動金型
9 ゲート
10 射出装置
11 溶融樹脂通路
12 把持部
13 アーム部
14 ゲートカット機構
15 転写板
16 ベッド
17 下型
18 ラム
20 上型
21 冷却盤
22 温調用媒体通路
23 ホルダ
24 バネ
25 保持部
26 端子
27 ステンレス板
28 ゴムシート
A1 スプル付樹脂板状体
A2 ゲートカットされた樹脂板状体
A3,A4 樹脂板状体
B1,B2,B3 被転写面
C スプル部
D ゲート部
E ゲート痕
F1,F2 ランナ部
G1,G2 ウエルドマーク

Claims (4)

  1. 射出成形装置によって成形された樹脂板状体をプレス装置の相対向する金型の間に移送し、
    前記樹脂板状体の被転写面に対して前記金型の少なくとも一方に配設された転写板を当接・加圧して、
    微細なパターンを転写する樹脂成形品の成形方法において、
    前記樹脂板状体は、
    被転写面に樹脂流動痕を有するものであることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
  2. 前記樹脂流動痕は、ゲート痕であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の成形方法。
  3. 前記樹脂流動痕は、ウエルドマークであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の成形方法。
  4. 樹脂板状体を成形する射出成形装置と、
    該樹脂板状体をプレス装置に移送する移送装置と、
    前記樹脂板状体の被転写面に対して転写板を当接・加圧して、微細なパターンを転写するプレス装置と、
    からなる樹脂成形品の成形装置において、
    前記射出成形装置は被転写面に樹脂流動痕を有する樹脂板状体が成形される金型が配設されており、
    前記移送装置は樹脂板状体の被転写面を前記プレス装置の転写板に向けて移送することを特徴とする樹脂成形品の成形装置。
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