JP2005074694A - 制振材およびこれを用いる置き床 - Google Patents

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Abstract

【課題】 下地材などの不陸に対応でき、かつ廃棄処理しやすい。
【解決手段】 床仕上げ材16と、この床仕上げ材16の下に接して設けられる制振材3と、この制振材3の下に接して設けられる下地材18と、この下地材18を床スラブ20から離して支える複数の支持装置22とを備える。制振材3は、木質繊維板で形成され、この平均密度が0.85g/cmから1.05g/cmの範囲に入る値を有し、木質繊維板の表裏層の密度が木質繊維板の厚み方向の中央を含む層5の密度よりも小さく形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、音圧レベルを低減する制振材およびこれを用いて建物の床下地の上に浮かせて設ける置き床に関するものである。
従来、床の制振材としては、種々のものが使用されている。たとえば表面の密度が高い硬質層を有する木質繊維板を使用するものが知られている(特許文献1)。また、別の床として、たとえばパーティクルボードからなる受け板を設け、この受け板の上に無機物配合アスファルトからなる制振材を設け、さらにこの上に仕上げ材としてフローリング材を使用するものが知られている(特許文献2)。
特開平7−9404号公報 特開2000−154633号公報
しかしながら、表面の密度が高い硬質層を有する木質繊維板(特許文献1)は、曲げ剛性が比較的高いので、この下に敷設する下地板に不陸があると、木質繊維板が下地板になじまず、両板の間に隙間が発生する。木質繊維板と下地板の間に隙間が発生すると衝撃音の共鳴やきしみ音などが発生する。
また、制振材として無機物配合のアスファルトを使用することは、万が一の火災や焼却処理をする場合の有毒ガスの問題や、解体時に無機物配合のアスファルトと木質材とを分別する処理作業など環境上や廃棄処理上の問題が残る。
本発明は、下地材などの不陸に対応でき、かつ廃棄処理しやすいことを課題とする。
本発明の制振材は、木質繊維板で形成され、該木質繊維板の平均密度が0.85g/cmから1.05g/cmの範囲に入る値を有し、前記木質繊維板の表裏層の密度が前記木質繊維板の厚み方向の中央を含む層の密度よりも小さく形成されてなることを特徴とする。
このようにすることにより、木質繊維板の表裏層の密度が木質繊維板の厚み方向の中央を含む層の密度よりも小さく形成されるので、曲げヤング係数が小さくなる。このため、この制振材の下に設ける下地材などに不陸があっても、この制振材は下地材などになじみ、隙間が発生することがない。
さらに、制振材は木質繊維板から形成されるので、万が一の火災や、解体時の焼却処理の場合に有毒ガスの発生がほとんどない。そして木質繊維板は、主として木質原料から形成されるので、廃棄の際に分別する必要もなく廃棄処理がし易い。
さらに、木質繊維板の平均密度が0.85g/cmから1.05g/cmの範囲に入る値を有するので、十分な質量を有し制振材としての遮音性能が確保される。
また、本発明の置き床は、床仕上げ材と、該床仕上げ材の下に接して設けられる上記の制振材と、該制振材の下に接して設けられる下地材と、該下地材を床下地から離して支える複数の支持手段とを備えてなることを特徴とする。
このようにすると、床下地や下地材に不陸があっても、先に記したように、制振材の曲げヤング係数が小さいので、制振材はこれらの材料になじみ、隙間が発生することがない。制振材とこれらの材料との間に隙間が発生しないので衝撃音の共鳴やきしみなどがほとんどない。
さらに、万が一の火災や、置き床の解体時の焼却処理の場合に有毒ガスの発生がほとんどない。また、制振材は木質繊維板で形成されるので廃棄の際に分別する必要もなく廃棄処理がし易い。
次に本発明を構成する各要件についてさらに詳しく説明する。本発明の制振材は、遮音レベルないし音のエネルギーを小さくする必要のある個所、たとえば床材、壁材、天井材などに使用され、特に建物に設けられる鉄筋または鉄骨コンクリート製の床スラブに対して浮かせて設ける置き床(または浮き床)に好適である。因みに制振材は、床全面に設けられると良い。また、なじみ易くするために裏面に溝を形成しても良い。
制振材を形成する木質繊維板は、その中央を含む層と、この両側に位置する表裏層とを有し、少なくとも三層構造である。中央を含む層と表裏層との境目は必ずしも明確でなくても良く、漸次密度が厚み方向において中央を含む層側から表裏層側に連続的に密度が変化するものでも良い。但し、表裏層の密度は中央を含む層の密度より小さく形成される。表裏層は、表層と裏層とで必ずしも同じ密度に形成されなくても良く、異なる密度であっても良い。
木質繊維板の平均密度は、木質繊維板全体の質量をその全体体積で割った値で、その値は0.85g/cmから1.05g/cmの範囲に入るようにする。平均密度が0.85g/cm未満の場合は制振材としての質量が小さく遮音性能に劣る。平均密度が1.05g/cmを越える場合は木質ファイバーマット(以下「木質マット」と云う。)の熱圧条件、板厚精度などの製造上、品質上の条件が厳しくなりコストアップになる。
木質繊維板の表裏層の密度は、0.4g/cmから0.7g/cmの範囲に入るようにすると良い。表裏層の密度が0.4g/cm未満の場合は、木質繊維板の表裏面が軟らか過ぎて取り扱いにくく、運搬、輸送時に損傷を受けやすい。表裏層の密度が0.7g/cmを越える場合は、木質繊維板の曲げヤング係数が大きくなり下地材などへのなじみが不十分となり不陸に対応できなくなる。木質繊維板の中央を含む層の密度は、0.9g/cmから1.2g/cmの範囲に入るようにすると良い。こうするとなじみを確保しながら中央を含む層による遮音性能を高くすることができる。
因みに、木質繊維板の表裏層の密度が0.4g/cmから0.7g/cmの範囲に入るようにし、木質繊維板の中央を含む層の密度が0.9g/cmから1.2g/cmの範囲に入るようにした場合の曲げヤング係数は、凡そ2,000から6,000N/mmとなる。これに対して、平均密度が0.85g/cmから1.05g/cmの範囲に入るようにした木質繊維板で、表裏層の密度が中央を含む層の密度より高い一般の木質繊維板の曲げヤング係数は、凡そ4,000から7,000N/mmとなり、本発明の木質繊維板の曲げヤング係数の方が低く、下地材などになじみ易いことが分かる。
表裏層の密度が中央を含む層の密度よりも小さい木質繊維板の製造方法は、たとえば(1)木質マットの表裏層を形成させるファイバーに含浸させる接着剤の使用量を、中央を含む層を形成させるファイバーに含浸させる接着剤の使用量より少なくして木質マットを形成し、この木質マットを加熱、圧締する、(2)木質マットの形成過程において、表裏層を形成するために降らせるファイバーの含水率を中央を含む層を形成するために降らせるファイバーの含水率より低くすることにより木質マットを形成し、この木質マットを加熱、圧締する、(3)表裏層側を発泡させた木質マットを予め形成し、この木質マットを加熱、圧締する、(4)プレキュア層を利用する、などの方法を単独であるいは組み合わせて行うことができる。
本発明の置き床は、建物の床下地、たとえば床スラブの上に浮かせて設けるものである。上記制振材は、置き床に用いて、床に発生する軽量床衝撃音や重量床衝撃音を低減することができる。床仕上げ材は、表面に化粧面が施されたものでフローリング材である。その厚みは大きいものが好ましいが、少なくとも9mm以上のものを使用すると良い。下地材は、比較的厚い、たとえば12mm以上の構造用合板、パーティクルボードなどを使用すると良い。
支持手段は、下地材を床下地から浮かせるものであれば特に限定されないが、たとえば下地材を載置する受け座部と、この受け座部から垂直に延在する支柱部と、この支柱部を支える台座部とを有するものである。受け座部と支柱部とは自在に回動可能に形成され、支柱部と台座部との間にねじなどの高さ調整手段を設けると良い。
本発明の制振材およびこれを用いる置き床によれば、木質繊維板の表裏層が中央を含む層の密度より小さく形成されるので、下地材などに発生する不陸になじみ、制振材と下地材などとの間に隙間が発生せず、音の共鳴やきしみ音などがない。さらに、制振材は木質繊維板で形成されるので廃棄処理しやすい。
以下、本発明に係る制振材およびこれを用いる置き床の最良の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、図1〜4において、同一または同等部分には同一符号を付けて示す。
図1は、本発明に係る置き床の実施例を示す斜視図である。図2は、図1における支持装置を設けた位置の拡大断面図である。置き床1は、建物に設けられる鉄筋または鉄骨コンクリート製の床スラブ20に浮かせて設けられる。すなわち、置き床1は、床仕上げ材(フローリング材)16と、この床仕上げ材16の下に接して設けられる制振材3と、この制振材3の下に接して設けられる下地パネル(下地材)18と、下地パネル18を床スラブ(床下地)20から離して支える複数の支持装置(支持手段)22とを備える。因みに制振材は、下地パネルの全面に設けられる。
図3は、この実施例における制振材3の拡大断面図である。制振材3は、略三層構造を有する木質繊維板で、木質繊維板の厚み方向11の中央を含む層5と、木質繊維板の表面13から厚み方向11内側に形成される表層7と、木質繊維板の裏面14から厚み方向11内側に形成される裏層9とを有する。表層7および裏層9の密度は、中央を含む層5の密度より小さく形成される。すなわち、表層7と裏層9の密度は等しく、0.4g/cmから0.7g/cmの範囲に含まれ、中央を含む層5の密度は、0.9g/cmから1.2g/cmの範囲に含まれる。
図1、2において、床仕上げ材16は、表面に化粧面が施されたもので、その厚みは大きいものが好ましいが、少なくとも9mm以上のものを使用すると良い。下地材18は、比較的厚い、たとえば12mm以上の構造用合板、パーティクルボードなどを使用する。
支持装置22は、たとえば大きさ910×1820mmの矩形状の下地材18の四隅部分に位置するように複数設けられる。さらに、支持装置22は、下地材18を載置する受け座部24と、この受け座部24から垂直に延在する支柱部26と、この支柱部26を支える台座部28とを有する。支柱部26は、受け座部24の下地材18を受ける側と反対側の中心から垂直に設けられる。受け座部24と支柱部26とは自在に回動可能に形成されると良い。支柱部26と台座部28は、その間に高さ調整手段、たとえば雄ねじと雌ねじにより高さの微調整ができるものが設けられると良い。
次に図3に示した制振材3の製造方法について説明する。先ず(1)の接着剤の使用量を調整して木質マットを製造する方法について説明する。制振材3を形成する繊維板は、広葉樹・針葉樹などの木材チップを蒸煮し繊維間結合を緩めてリファイナー(解繊装置)によって解繊された木質ファイバーを利用する。広葉樹・針葉樹などの木質ファイバー以外に、竹、笹、稲葉、バカス、パルプ工場より多量に副生するノット粕などの植物性繊維を用いても良い。リファイナーとしては高温高圧蒸気(10kgf/cm)の蒸煮装置から取り出された木材チップを解繊するものや、蒸煮装置と直結された高温高圧下にあるものなどが用いられる。
リファイナーから排出された木質ファイバーは、多量の水分を有するためリファイナーから熱風ダクト中に投入され風送されながら乾燥される。風送速度は10〜30m/sec、風送雰囲気温度30〜120°C前後であるが木質ファイバーの密度、送り量、前後の工程の処理能力などによって広範囲に調整される。この熱風による風送で木質ファイバーは5〜10%程度の水分量にまで乾燥される。
次に、乾燥された木質ファイバーは、接着剤が塗布されて接着剤塗布木質ファイバーとされる。これをマット状に形成して接着剤塗布木質マットとされる。すなわち木質マットは、先ず接着剤量を低減させた接着剤塗布木質ファイバーがフェルターに風送されて裏層となる接着剤塗布マットが形成され、さらに、この上に接着剤量を増加させた接着剤塗布木質ファイバーを風送して中央を含む層となる接着剤塗布マットが積層され、最後に接着剤を低減させた接着剤塗布木質ファイバーをフェルターに風送して表層となる接着剤塗布マットを積層することにより形成される。この三層の接着剤塗布マットを熱圧成形することにより木質繊維板が形成される。
木質ファイバーに接着剤を塗布するには、先ず乾燥された木質ファイバーはブレンダー(混合装置)に投入される。ブレンダーにて揮発性液体を内蔵する熱可塑性合成樹脂カプセルからなる発泡剤を添加された加熱硬化性接着剤を混合して木質ファイバーに該接着剤を塗布する。また、ブレンダーを用いずに加熱硬化性接着剤や発泡剤を解繊と同時に添加する方法や風送ダクト内に噴霧し浮遊中の木質ファイバーに塗布する方法によって行うこともできる。
次に(2)の木質ファイバーの含水率を調整して木質マットを製造する方法について説明する。乾燥された木質ファイバーは、接着剤が塗布されて接着剤塗布木質ファイバーとされるが、この際、含水率を低減させた接着剤塗布木質ファイバーがフェルターに風送されて裏層となる接着剤塗布マットが形成される。さらに、この上に含水率を増加させた接着剤塗布木質ファイバーが風送されて中央を含む層となる接着剤塗布マットが積層される。最後に含水率を低減させた接着剤塗布木質ファイバーがフェルターに風送されて表層となる接着剤塗布マットが形成され積層される。含水率の調整は一般に行われる方法が用いられる。この三層の接着剤塗布マットを熱圧成形することにより木質繊維板が形成される。
次に(3)の表裏層を発泡させた木質マットを得る方法について説明する。乾燥された木質ファイバーは、接着剤が塗布されて接着剤塗布木質ファイバーとされるが、この際、接着剤に熱可塑性合成樹脂カプセルからなる発泡剤を混合させる。発泡剤が入れられた接着剤塗布木質ファイバーがフェルターに風送されて裏層となる接着剤塗布マットが形成される。この接着剤塗布マットを加熱する事により発泡させて裏層となる木質マットが形成される。同様にして、熱可塑性合成樹脂カプセルからなる発泡剤が入れられた接着剤塗布木質ファイバーがフェルターに風送されて表層となる接着剤塗布マットが形成される。この接着剤塗布マットを加熱する事により発泡させて表層となる木質マットが形成される。一方、中央を含む層となる木質マットは、乾燥された木質ファイバーに接着剤が塗布されて接着剤塗布木質ファイバーとされ、この接着剤塗布木質ファイバーがフェルターに風送されて形成される。この中央を含む層となる木質マットの表裏に発泡させた木質マットを重ねて目的の三層木質マットが形成される。
本発明に用いる揮発性液体を内蔵する熱可塑性合成樹脂カプセルからなる発泡剤の揮発性液体は、n−ブタン、n−ペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、ネオヘキサン、シクロヘキサン、n−オクタン、iso−オクタンなどの鎖式もしくは環状飽和炭化水素、n−ペンテン、n−ヘキセン、シクロヘキセン、n−オクテンなどの鎖式もしくは環状不飽和炭化水素、芳香族炭化水素、エチルエーテル、エチル−プロピルエーテルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸メチル、酢酸エチルなどの酢酸エステル類、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブなどのセロソルブ類、メタノール、エタノールなどのアルコール類などの一般に有機溶剤と呼ばれる有機化合物、あるいはフッ素系化合物が主として含まれる。
カプセル外殻を構成する熱可塑性合成樹脂は、内蔵される揮発性液体に不溶性のものが選択され、また該発泡温度に応じて適当な軟化点を有するものが選択される。このような熱可塑性合成樹脂を例示すれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂などである。該カプセル型発泡剤はたとえば特公昭42−26524号公報に詳細される。
本発明に用いる加熱硬化性接着剤は、尿素樹脂、メラミン樹脂、尿素−メラミン共縮合樹脂、フェノール樹脂、アルキルフェノール樹脂、レゾルシン樹脂、アルキルレゾルシン樹脂(油母貝岩などから得られるシェルオイルレゾルシンと呼ばれるアルキルレゾルシン混合物からなる樹脂を含む)、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキド樹脂、熱硬化型アルキル樹脂などの各種の熱硬化型合成樹脂あるいは熱可塑性合成樹脂が含まれ、上記合成樹脂にはパラフィン、ワックスなどを混合してもさしつかえない。
上記組成以外、たとえば炭酸カルシウム、チタン白、ベントナイト、タルク、木粉、小麦粉のような充填剤、酸やアルカリ硬化触媒、ε−カプロラクタム、尿素、レゾルシンなどの縮合調節剤もしくはホルマリンキャッチャー、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防虫剤、難燃剤、撥水剤、染料、顔料などを混合しても良い。加熱硬化性接着剤の添加量は木質ファイバーに対して重量比で30%以下が普通でありその樹脂率は、たとえば10〜60%であって概して低樹脂率の方が木質ファイバーに対して均一な混合がなし得る。
発泡剤は接着剤に対して0.1〜200%程度添加混合して使用する。木質ファイバーを投入されたブレンダー内にはじめに接着剤を添加混合した後、次に該カプセル型発泡剤を添加混合あるいはその逆にはじめに該カプセル型発泡剤を次に接着剤を添加混合の順で個別に添加混合しても良い。
加熱によって接着剤中の発泡剤が発泡されるとともに接着剤の加熱硬化が行われる。加熱によって揮発する揮発性液体を内蔵する熱可塑性合成樹脂カプセルからなる発泡剤は該発泡剤の外殻が熱可塑性合成樹脂であるために加熱により軟化され内蔵される揮発性液体の揮発に伴う体積膨張により発泡膨張され独立気泡が形成されるとともに接着剤が硬化される。該カプセル型発泡剤の発泡に伴う体積膨張により圧締された木質マット内の内部圧力が高くなる。
三層木質マットは、ホットプレスに挿入され熱圧成形される。あるいは連続搬送される木質マットを加熱ローラプレスなど連続プレスに挿入して連続熱圧成形した後、定尺寸法に裁断しても良い。熱圧条件(熱圧圧力、温度、時間など)は、発泡温度、発泡倍率、発泡剤の添加量、接着剤の硬化温度、接着剤の添加量などに応じて広範囲に調整される。一般的に加熱硬化性接着剤が尿素樹脂の場合100〜200°C、フェノール樹脂の場合160〜200°C、レゾルシン樹脂の場合100〜150°Cの温度で5〜50kgf/cm程度の圧力で1〜20分程度で熱圧成形される。
木質マット内の内部圧力が高くなると、熱板による圧力と相俟って木質ファイバーが相互に密着し木質ファイバー相互の接触面積、すなわち接着面積が増大され、また木質ファイバー相互が接着剤と熱可塑性樹脂により連結され実質的に接着面積が増大され、その接着力が向上し機械的強度、内部結合力が著しく向上する。さらに、木質ファイバー間隙に該カプセル型発泡剤に由来する合成樹脂独立気泡が均一に形成され、該ファイバー間の空隙が減少されるため断熱性、水分遮断性が向上する。特に、表裏層において木質ファイバー間に発泡剤の発泡に伴う独立発泡構成が形成された繊維板が容易にしかも能率良く得られる。
本発明は、以上の如き構造からなる三層構造の繊維板であり、均一な内部組織が得られにくい繊維板であっても該カプセル型発泡剤を表裏の木質マットに均一に混合しておけば、木質ファイバー間隙に合成樹脂気泡からなる均一な独立発泡構成を有するため外部に連通する空隙が減少され、断熱性、水分遮断性が向上し吸水吸湿による膨張収縮が強く抑制され寸法安定性が向上し、また低温環境下において内蔵する水の凍結のために内部破壊が起こるようなこともない。また接着剤の接着力、熱可塑性合成樹脂のもつ接着力、発泡による該樹脂被膜による木質ファイバー相互の機械的架橋状接着、発泡剤の発泡に伴う内部圧力による木質ファイバー相互の接触面積(接着面積)の増大により高い接着効果が得られる。
次に、(4)のプレキュア層を利用して木質繊維板を製造する方法について説明する。乾燥された木質ファイバーは、接着剤が塗布されて接着剤塗布木質ファイバーとされる。これをマット状に形成して接着剤塗布木質マットとされる。この接着剤塗布木質マットを加熱、圧締することにより、両面に所定層厚の高密度層を有する木質繊維板が得られる。この時、この木質繊維板の加熱、圧締時の接着剤のプレキュアによる低密度の層が表層と裏層に形成される。この低密度の層を利用することにより、木質繊維板の表裏に密度の小さい層を形成することができる。
次に、本実施例の制振材3および置き床1の作用について説明する。制振材3は、木質繊維板の表裏層7、9の密度が木質繊維板の厚み方向の中央を含む層5の密度よりも小さく形成されるので、曲げヤング係数が小さくなる。このため、この制振材3の下に設ける下地材18などに不陸があっても、この制振材3はなじみ、隙間が発生することがない。
さらに、制振材3は木質繊維板から形成されるので、万が一の火災や、解体時の焼却処理の場合に有毒ガスの発生がほとんどない。そして木質繊維板は、主として木質原料から形成されるので、廃棄の際に分別する必要もなく廃棄処理がし易い。
さらに、木質繊維板の平均密度が0.85g/cmから1.05g/cmの範囲に入る値を有するので、繊維板としての剛性が確保され、かつ中央を含む層の密度が比較的大きいので遮音性に優れる。
また、置き床1は、床スラブ20や下地材18に不陸があっても、先に記したように、制振材3の曲げヤング係数が小さいので、制振材3は下地材18になじみ隙間が発生することがない。制振材3と下地材18との間に隙間が発生しないので床衝撃音の共鳴やきしみ音などがほとんどない。
さらに、万が一の火災や、置き床1の解体時の焼却処理の場合に有毒ガスの発生がほとんどない。また、制振材3は木質繊維板で形成されるので廃棄の際に分別する必要もなく廃棄処理がし易い。
図4は、本発明に係る制振材の別の実施例を示す断面図である。図1〜3に示した実施例の制振材3においては、その木質繊維板は平均密度が0.85g/cmから1.05g/cmの範囲に含まれるものであるが、その表裏層は中央を含む層よりも密度が小さい。これに対して、図4に示す制振材4は、表裏層8、10の密度が中央を含む層6の密度よりも大きいものである。表裏層8、10の密度が、たとえば0.9g/cmから1.2g/cmで、その厚みは0.3〜1.0mm程度の層厚を有するものである。これに対して中央を含む層6の密度は、たとえば0.4g/cmから0.7g/cmである。さらに、制振材4は、その裏面側に複数の平行な溝15を有し、断面において櫛形に形成される。溝15の深さは裏層10の層厚より大きくすると良いが、中央を含む層6側に深く形成されないようにする。すなわち裏層10の層厚を0.3〜1.0mmとすれば溝15の深さは、大きくても数mm程度までとする。また、溝15と溝15とのピッチは、制振材が下地材になじむように適宜の大きさとする。
表裏に高密度層を有する木質繊維板の製造方法は、たとえば乾式法により製造できる。松、杉、檜などの針葉樹材やカポール、ラワン、栗、ポプラなどの広葉樹材などによる木材チップないし建築などの廃材チップを解繊し、あるいはサンダーダスト、ソーダストなどの木粉を適宜混合して木質ファイバーを得、この木質ファイバーに接着剤、サイズ剤などを添加した後乾燥し、この木質ファイバーをフォーミング装置によりスクリーンコンベア上に堆積させ、仮圧締して木質ファイバーマットとし、次いで一定寸法に裁断して定尺木質マットとした後、これを加熱圧締することによって木質繊維板が得られる。
この製造工程において、木質ファイバーに対する接着剤の添加量を多くし、あるいは木質ファイバーの含水率を高くすることにより、得られる木質繊維板の両面に高密度層を形成し、しかもその高密度層の層厚を大きくすることができる。
また、定尺木質マットの上面および下面に水を塗布し、あるいは不織布、紙、布などの保水性のあるシート状物に含水させたものを該木質マットの上面および下面に載置し、この状態で加熱圧締する。これにより、表裏部の含水率が高められた状態で加熱圧締されることとなるため、水の塗布面またはシート状物の載置面側に大きな層厚の高密度層が形成される。
この場合において、水の塗布量や、シート状物への含水量を適宜調整し、あるいは木質ファイバーに対する接着剤の添加量や木質ファイバーの含水率を適宜調整することによって、高密度層に所望の密度や層厚を与えることができる。
このようにして、両面に所定層厚の高密度層を有する木質繊維板が得られるが、この木質繊維板においては、加熱圧締時の接着剤のプレキュアによる低密度の薄表層が形成されることがあるため、必要に応じて少なくとも表面側をサンディングして該低密度薄表層を除去し、高密度層を表面に露出させる。かかる木質繊維板の表面高密度層上に、必要に応じて目止め処理、シーラー処理、耐摩耗処理などの下地処理を施す。
次に、制振材4の作用は、次のようである。すなわち、表裏層8、10は中央を含む層6よりも密度が高いものであるため、曲げヤング係数が大きく木質繊維板自体が引張強度、圧縮強度および曲げ強度に優れ、曲げたわみ量の非常に小さいものとなり、床の材料として適する。また、表面の高密度層により非透水性が付与される。
さらに、裏層10側には複数の溝15が形成されるので、制振材自体が曲げやすくなり、下地材に接触ないし密着しやすくなるので制振材と下地材との間に隙間が発生しない。したがって、下地材などの不陸に対応できる。また、制振材4は、木質繊維板であるので廃棄処理しやすい。
以上この発明を図示の実施形態について詳しく説明したが、それを以ってこの発明をそれらの実施形態のみに限定するものではなく、この発明の精神を逸脱せずして種々改変を加えて多種多様の変形をなし得ることは云うまでもない。
本発明の制振材は、音圧レベルを低減する必要のある建物の床、壁、天井に利用可能であり,特に建物の床下地面の上に浮かせて設ける置き床に好適である。
本発明に係る置き床の実施例を示す斜視図である。 図1における支持装置を設けた位置の拡大断面図である。 実施例における制振材の拡大断面図である。 本発明に係る制振材の別の実施例を示す断面図である。
符号の説明
1 置き床
3、4 制振材
5、6 中央を含む層
7、8 表層
9、10 裏層
11 厚み方向
13 表面
14 裏面
16 床仕上げ材
18 下地材
20 床スラブ(床下地)
22 支持装置(支持手段)

Claims (2)

  1. 木質繊維板で形成され、該木質繊維板の平均密度が0.85g/cmから1.05g/cmの範囲に入る値を有し、前記木質繊維板の表裏層の密度が前記木質繊維板の厚み方向の中央を含む層の密度よりも小さく形成されてなる制振材。
  2. 床仕上げ材と、該床仕上げ材の下に接して設けられる請求項1に記載の制振材と、該制振材の下に接して設けられる下地材と、該下地材を床下地から離して支える複数の支持手段とを備えてなる置き床。
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