JP2005072255A - プラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 電気的特性を損なうことなく、耐湿性、耐マイグレーション性等の耐久性が改善されたPDP用電磁波遮蔽シートおよびその製造方法の提供。
【解決手段】 基体と、基体上に形成された導電膜と、導電膜に電気的に接している電極とを有するプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートであって、導電膜が、基体側から、酸化物層と金属層とが交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層された多層構造の導電膜であり、金属層が、Agを主成分としBiを含有することを特徴とするプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シート。
【選択図】 図1
【解決手段】 基体と、基体上に形成された導電膜と、導電膜に電気的に接している電極とを有するプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートであって、導電膜が、基体側から、酸化物層と金属層とが交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層された多層構造の導電膜であり、金属層が、Agを主成分としBiを含有することを特徴とするプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シート。
【選択図】 図1
Description
本発明は、プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと略す。)本体を保護するためにPDPの観察者側に設置され、PDPから発生する電磁ノイズを遮蔽する電磁波遮蔽能を有するPDP用電磁波遮蔽シートおよびその製造方法に関する。
従来、PDPの前面からは、人体に有害な電磁波が発生している。この電磁波を遮蔽するための光学フィルタとして、PDPの観察者側に、プラスチックフィルム等の基体上に導電膜を設けた電磁波遮蔽シートを配置することが行われている。
電磁波遮蔽シートの電磁波遮蔽能は、導電膜のシート抵抗を低減することにより向上させることができる。シート抵抗を低減する方法の1つとして、導電膜の材料として純Agを使用することが考えられる。しかし、純Agは耐湿性、耐マイグレーション性の点で実用上の問題がある。
これに対し、純Agに特定の不純物をドープすることで、耐湿性、耐マイグレーション性を向上させることが行われており、現在、たとえば、Ag:Pd、Ag:Au、Ag:Cu、Ag:Pd:Cu、Ag:NdなどのAg合金が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
国際公開第98/13850号パンフレット
これに対し、純Agに特定の不純物をドープすることで、耐湿性、耐マイグレーション性を向上させることが行われており、現在、たとえば、Ag:Pd、Ag:Au、Ag:Cu、Ag:Pd:Cu、Ag:NdなどのAg合金が提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
しかし、これらのAg合金は、不純物のドープにより耐湿性、耐マイグレーション性等の耐久性は向上しているものの、比抵抗等の電気的特性の悪化を免れない。また、電気的特性の悪化は、視感透過率等の光学特性を悪化させてしまう。したがって、耐久性の向上は、電気的特性を悪化させることなく行う必要がある。
本発明は、電気的特性を損なうことなく、耐湿性、耐マイグレーション性等の耐久性が改善されたPDP用電磁波遮蔽シートおよびPDP用電磁波遮蔽シートの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、従来のAg:Pd、Ag:Au、Ag:Cu、Ag:Pd:Cu、Ag:Nd等のAg合金に代えて、Ag:Bi合金を使用することで、純Agを使用する場合と同等の電気的特性を維持しつつ、耐湿性、耐マイグレーション性等の耐久性が向上した電磁波遮蔽シートが得られることを見い出し、その知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、基体と、基体上に形成された導電膜と、導電膜に電気的に接している電極とを有するプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートであって、導電膜が、基体側から、酸化物層と金属層とが交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層された多層構造の導電膜であり、金属層がAgを主成分としBiを含有する金属層であることを特徴とするPDP用電磁波遮蔽シートを提供する。
また、本発明は、基体上に、酸化物層と、Agを主成分としBiを含有する金属層とを、交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層して多層構造の導電膜を形成し、該導電膜上に電極を形成することを特徴とする前記PDP用電磁波遮蔽シートの製造方法を提供する。
すなわち、本発明は、基体と、基体上に形成された導電膜と、導電膜に電気的に接している電極とを有するプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートであって、導電膜が、基体側から、酸化物層と金属層とが交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層された多層構造の導電膜であり、金属層がAgを主成分としBiを含有する金属層であることを特徴とするPDP用電磁波遮蔽シートを提供する。
また、本発明は、基体上に、酸化物層と、Agを主成分としBiを含有する金属層とを、交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層して多層構造の導電膜を形成し、該導電膜上に電極を形成することを特徴とする前記PDP用電磁波遮蔽シートの製造方法を提供する。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートは、高い電磁波遮蔽能を有し、耐湿性、耐マイグレーション性等の耐久性に優れた、PDP用として好適なものである。
また、本発明の製造方法により、高い電磁波遮蔽能を有し、耐湿性、耐マイグレーション性等の耐久性に優れたPDP用電磁波遮蔽シートが得られる。
また、本発明の製造方法により、高い電磁波遮蔽能を有し、耐湿性、耐マイグレーション性等の耐久性に優れたPDP用電磁波遮蔽シートが得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
≪PDP用電磁波遮蔽シート≫
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートは、基体と、基体上に形成された導電膜と、導電膜に電気的に接している電極とを有するものであり、PDPから放出される電磁波を遮蔽する性能(高い導電性、すなわち低いシート抵抗値)を有する。
≪PDP用電磁波遮蔽シート≫
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートは、基体と、基体上に形成された導電膜と、導電膜に電気的に接している電極とを有するものであり、PDPから放出される電磁波を遮蔽する性能(高い導電性、すなわち低いシート抵抗値)を有する。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートの抵抗値は、電磁波遮蔽性能のためには、0.4〜3.5Ω、特に0.5〜2.5Ω、さらには0.5〜1.5Ωであることが好ましい。
また、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートは、PDPの前面に配置されるものであるため、ディスプレイが見にくくならないように、可視光線透過率は40%以上であることが好ましい。
また、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートの可視光線反射率は6%未満、特に3%未満であることが好ましい。
また、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートの可視光線反射率は6%未満、特に3%未満であることが好ましい。
<基体>
本発明において、基体の材料としては、ガラス板(風冷強化ガラス、化学強化ガラス等の強化ガラスを含む)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の透明プラスチック材料等が挙げられる。
本発明において、基体の材料としては、ガラス板(風冷強化ガラス、化学強化ガラス等の強化ガラスを含む)、およびポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等の透明プラスチック材料等が挙げられる。
<導電膜>
本発明において、導電膜は、基体側から、酸化物層と金属層とが交互に計(2n+1)層積層された多層構造の導電膜(以下、多層膜ということがある。)である。nは1以上の整数であり、2〜6が好ましく、3〜6が最も好ましい。
本発明において、導電膜は、基体側から、酸化物層と金属層とが交互に計(2n+1)層積層された多層構造の導電膜(以下、多層膜ということがある。)である。nは1以上の整数であり、2〜6が好ましく、3〜6が最も好ましい。
酸化物層としては、Bi、Zr、Al、Ti、Sn、In、NbおよびZnからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物を主成分とする層が挙げられる。好ましくはTi、Sn、In、NbおよびZnからなる群から選ばれる1種以上の金属の酸化物を主成分とする層である。特に、吸収が小さく、屈折率が2前後であることから、ZnOを主成分とする層が好ましい。また、屈折率が大きく、好ましい色調が少ない層数で得られやすいことからTiO2またはNb2O5を主成分とする層が好ましい。
酸化物層は、複数の薄い酸化物層から構成されていてもよい。たとえば、ZnOを主成分とする酸化物層に代えて、SnO2を主成分とする層とZnOを主成分とする層とから形成することもできる。
酸化物層は、複数の薄い酸化物層から構成されていてもよい。たとえば、ZnOを主成分とする酸化物層に代えて、SnO2を主成分とする層とZnOを主成分とする層とから形成することもできる。
ZnOを主成分とする酸化物層(ZnO膜)は、Zn以外の1種以上の金属を含有することが好ましい。該1種以上の金属は、主として酸化物の状態でZnO膜中に存在している。
1種以上の金属としては、Sn、Al、Cr、Ti、Si、B、Mg、Ga、Yが好ましく挙げられる。
ZnO膜中の、1種以上の金属の合計量の含有割合は、得られる導電膜の耐湿性が向上することから、該金属の合計量とZnとの総量に対して1〜10原子%が好ましい。1原子%以上であることにより、充分にZnOの内部応力を低減することができ、ZnO膜と、Agを主成分とする金属層との密着性を維持することができる。その結果として耐湿性が良好となる。また、10%以下とすることで、耐湿性を保つことができる。これは、Zn以外の含有金属の割合をある程度以下にすることで、ZnOの結晶性を保ち、Agとの相性を維持できるためと考えられる。安定して再現性よく低内部応力のZnO膜を得ること、およびZnOの結晶性を考慮すると、金属の含有割合は、2〜6原子%がより好ましい。
1種以上の金属としては、Sn、Al、Cr、Ti、Si、B、Mg、Ga、Yが好ましく挙げられる。
ZnO膜中の、1種以上の金属の合計量の含有割合は、得られる導電膜の耐湿性が向上することから、該金属の合計量とZnとの総量に対して1〜10原子%が好ましい。1原子%以上であることにより、充分にZnOの内部応力を低減することができ、ZnO膜と、Agを主成分とする金属層との密着性を維持することができる。その結果として耐湿性が良好となる。また、10%以下とすることで、耐湿性を保つことができる。これは、Zn以外の含有金属の割合をある程度以下にすることで、ZnOの結晶性を保ち、Agとの相性を維持できるためと考えられる。安定して再現性よく低内部応力のZnO膜を得ること、およびZnOの結晶性を考慮すると、金属の含有割合は、2〜6原子%がより好ましい。
酸化物層の幾何学的膜厚(以下、単に膜厚という)は、最も基体に近い酸化物層および最も基体から遠い酸化物層は20〜60nm(特に30〜50nm)、それ以外の酸化物層は40〜120nm(特に40〜100nm)とすることが好ましい。
金属層は、Agを主成分としBiを含有する金属層である。Agを主成分とすることにより、比抵抗が小さく、可視光の吸収が小さい金属層とすることができる。また、Biを含有することにより、耐湿性、耐マイグレーション性等の耐久性に優れた金属層とすることができる。
ここで耐マイグレーション性とは、銀が拡散し凝集することを抑制する性能を意味する。銀が凝集すると、耐湿性が不良になると同時に、凝集した部分が白化し、外観が不良となる。かかるマイグレート(凝集)は、高温、高湿条件下で起こりやすいとともに、塩素の存在などがマイグレート(凝集)を加速すると考えられる。
Biの含有割合は、BiとAgとの総量に対して0.1〜1.0原子%であることが好ましい。0.1原子%以上とすることで、銀の耐久性を向上することができる。1.0原子%までの範囲であれば、含有割合が多いほど耐湿性が向上する。一方、1.0原子%以下であれば、生産効率が高く(製膜速度が早い)、高い可視光透過率を維持することができる。前記観点から、Biの含有量は、BiとAgとの総量に対して0.2〜0.6原子%であることが特に好ましい。
ここで耐マイグレーション性とは、銀が拡散し凝集することを抑制する性能を意味する。銀が凝集すると、耐湿性が不良になると同時に、凝集した部分が白化し、外観が不良となる。かかるマイグレート(凝集)は、高温、高湿条件下で起こりやすいとともに、塩素の存在などがマイグレート(凝集)を加速すると考えられる。
Biの含有割合は、BiとAgとの総量に対して0.1〜1.0原子%であることが好ましい。0.1原子%以上とすることで、銀の耐久性を向上することができる。1.0原子%までの範囲であれば、含有割合が多いほど耐湿性が向上する。一方、1.0原子%以下であれば、生産効率が高く(製膜速度が早い)、高い可視光透過率を維持することができる。前記観点から、Biの含有量は、BiとAgとの総量に対して0.2〜0.6原子%であることが特に好ましい。
金属層の合計膜厚は、たとえば得られる電磁波遮蔽シートの抵抗値の目標を1.5Ωとした場合は25〜60nm(特に25〜50nm)、抵抗値の目標を0.9Ωとした場合は35〜80nm(特に35〜70nm)とすることが好ましい。各金属層の膜厚は、前記の合計膜厚を金属層数で適宜配分する。なお、金属層の数が多くなると各金属層の比抵抗が上がるので、抵抗を下げるため結果として合計膜厚は大きくなる傾向にある。
導電膜の膜厚、すなわち酸化物層と金属層との全合計膜厚は、特に制限はなく、上述した酸化物層の合計膜厚、および金属層の合計膜厚に応じて適宜決定される。たとえば、金属層数が2(n=2)の場合は160〜200nm(特に180〜190nm)、金属層数が3(n=3)の場合は230〜330nm(特に250〜300nm)、金属層数が4(n=4)の場合は300〜400nm(特に340〜390nm)、金属層数が5(n=5)の場合は370〜500nm(特に420〜470nm)、金属層数が6(n=6)の場合は440〜600nm(特に520〜570nm)であることが好ましい。
本発明においては、Agを主成分としBiを含有する金属層に対し、酸化物層として、ZnOを主成分としAlの酸化物またはSnの酸化物を含有する酸化物層を組み合わせることが好ましい。
ZnOを主成分としAlの酸化物またはSnの酸化物を含有する酸化物層は、金属層との相性がよく、両者を組み合わせることにより、耐湿性が向上する。
かかる酸化物層は、後述するように、例えば、Zn以外の少なくとも1種の金属または該金属の酸化物をドープしたZnOターゲットを用いて、スパッタリング法により形成することができる。スパッタリングによる製膜速度が速いことから、Zn以外の金属としては特にAlが好ましく選ばれる。
また、ZnOとAlの酸化物とからなる酸化物層と、AgとBiとからなる金属層とは、きわめて相性がよい。
この理由は、AlがAgやBiと結晶構造が同じであることに起因すると考えられる。このため、AlがZnOの粒界や界面に析出した場合でも、AgやBiと原子レベルの界面での整合性がよくなると考えられる。
ZnOを主成分としAlの酸化物またはSnの酸化物を含有する酸化物層は、金属層との相性がよく、両者を組み合わせることにより、耐湿性が向上する。
かかる酸化物層は、後述するように、例えば、Zn以外の少なくとも1種の金属または該金属の酸化物をドープしたZnOターゲットを用いて、スパッタリング法により形成することができる。スパッタリングによる製膜速度が速いことから、Zn以外の金属としては特にAlが好ましく選ばれる。
また、ZnOとAlの酸化物とからなる酸化物層と、AgとBiとからなる金属層とは、きわめて相性がよい。
この理由は、AlがAgやBiと結晶構造が同じであることに起因すると考えられる。このため、AlがZnOの粒界や界面に析出した場合でも、AgやBiと原子レベルの界面での整合性がよくなると考えられる。
本発明においては、導電膜として、基体上に、酸化物層、金属層、酸化物層、と交互に計(2n+1)層(nは1以上の整数)積層された多層膜を用いることにより、低いシート抵抗値、低い反射率、高い可視光線透過率が得られる。
基体上に、酸化物層、金属層、酸化物層、と交互に(2n+1)層(nは1以上の整数)で積層された多層膜としては、3層(n=1)、5層(n=2)、7層(n=3)、9層(n=4)、11層(n=5)、13層(n=6)などの多層膜が挙げられる。特に、nが3以上、すなわち7層以上の多層の導電膜であることが好ましい。中でも、nが3〜6の整数であると、すなわち多層膜が7層、9層、11層または13層であると、抵抗値を充分に低くでき、近赤外線遮蔽能も付与することができる。そのため、別途、近赤外線遮蔽樹脂フィルムを設ける必要がなくなる。
また、こうした構成とすることで、観察者側から見た色調が好ましいものとなる(赤みを帯びない)。
また、こうした構成とすることで、観察者側から見た色調が好ましいものとなる(赤みを帯びない)。
nが3以上の整数、すなわち導電膜が7層以上の多層膜であって、導電膜が少なくとも3層の金属層を有する場合、該金属層のうち、最も基体に近い金属層と、最も基体から遠い金属層との間の金属層の膜厚が、最も基体に近い金属層の膜厚よりも大きく、かつ最も基体から遠い金属層の膜厚よりも大きいことが好ましい。また、最も基体に近い金属層の膜厚と、最も基体から遠い金属層の膜厚が同じであることが好ましい。
酸化物層についても同様に、最も基体に近い酸化物層と、最も基体から遠い酸化物層との間の酸化物層の膜厚が、最も基体に近い酸化物層の膜厚よりも大きく、かつ最も基体から遠い酸化物層の膜厚よりも大きいことが好ましい。また、最も基体に近い酸化物層の膜厚と、最も基体から遠い酸化物層の膜厚が同じであることが好ましい。
酸化物層についても同様に、最も基体に近い酸化物層と、最も基体から遠い酸化物層との間の酸化物層の膜厚が、最も基体に近い酸化物層の膜厚よりも大きく、かつ最も基体から遠い酸化物層の膜厚よりも大きいことが好ましい。また、最も基体に近い酸化物層の膜厚と、最も基体から遠い酸化物層の膜厚が同じであることが好ましい。
より具体的には、最も基体に近い金属層の膜厚は8〜15nm(好ましくは9〜11nm)、最も基体に近い金属層と、最も基体から遠い金属層との間の金属層の膜厚は10〜16nm(好ましくは13〜16nm)、最も基体から遠い金属層の膜厚は8〜15nm(好ましくは9〜11nm)の範囲から、要求される光学性能を満たすように適当に調整される。
また、最も基体に近い酸化物層の膜厚は20〜60nm(好ましくは30〜50nm)、最も基体に近い酸化物層と、最も基体から遠い酸化物層との間の金属層の膜厚は40〜100nm(好ましくは70〜90nm)、最も基体から遠い酸化物層の膜厚は20〜60nm(好ましくは30〜50nm)の範囲から、要求される光学性能を満たすように適当に調整される。
また、最も基体に近い酸化物層の膜厚は20〜60nm(好ましくは30〜50nm)、最も基体に近い酸化物層と、最も基体から遠い酸化物層との間の金属層の膜厚は40〜100nm(好ましくは70〜90nm)、最も基体から遠い酸化物層の膜厚は20〜60nm(好ましくは30〜50nm)の範囲から、要求される光学性能を満たすように適当に調整される。
図1に、9層の導電膜を有する電磁波遮蔽シート1の一例を示す。なお、説明の便宜上、各寸法比は実際のものと相違したものとなっている。
電磁波遮蔽シート1は、図1に示すように、基体2と、9層構造の導電膜3とから基本的に構成されている。
導電膜3は、基体2側から、第1のZnOを主成分とする酸化物層4(1層目)、第1のAgを主成分とする金属層5(2層目)、第2のZnOを主成分とする酸化物層6(3層目)、第2のAgを主成分とする金属層7(4層目)、第3のZnOを主成分とする酸化物層8(5層目)、第3のAgを主成分とする金属層9(6層目)、第4のZnOを主成分とする酸化物層10(7層目)、第4のAgを主成分とする金属層11(8層目)、第5のZnOを主成分とする酸化物層12(9層目)、が順に形成された9層構造の多層膜である。こうした構成とすることで、観察者側から見た色調が好ましいものとなる(赤みを帯びない)。
電磁波遮蔽シート1は、図1に示すように、基体2と、9層構造の導電膜3とから基本的に構成されている。
導電膜3は、基体2側から、第1のZnOを主成分とする酸化物層4(1層目)、第1のAgを主成分とする金属層5(2層目)、第2のZnOを主成分とする酸化物層6(3層目)、第2のAgを主成分とする金属層7(4層目)、第3のZnOを主成分とする酸化物層8(5層目)、第3のAgを主成分とする金属層9(6層目)、第4のZnOを主成分とする酸化物層10(7層目)、第4のAgを主成分とする金属層11(8層目)、第5のZnOを主成分とする酸化物層12(9層目)、が順に形成された9層構造の多層膜である。こうした構成とすることで、観察者側から見た色調が好ましいものとなる(赤みを帯びない)。
本発明において、導電膜3の上には、図1に示すように、酸化物膜や窒化物膜などの保護膜13を設けることが好ましい。この保護膜13を設けることにより、導電膜3を水分から保護できる。また、導電膜3上に任意の樹脂フィルム(防湿フィルム、飛散防止用、反射防止用、近赤外線遮蔽用等の保護フィルム、近赤外線吸収フィルム等の機能性フィルム等)を接着する際の接着剤(特にアルカリ性の接着剤)から導電膜3の酸化物層(特にZnOを主成分とする層)を保護できる。
保護膜13として、具体的には、Sn、In、Ti、Siなどの金属の酸化物膜や窒化物膜等が挙げられる。
特に、導電膜3の最上層にZnOを主成分とする酸化物層を用いた場合には、保護膜13として、特に、インジウム−スズ酸化物(ITO)膜を用いることが好ましい。
保護膜13の膜厚は、2〜30nmが好ましく、特に3〜20nmが好ましい。
保護膜13として、具体的には、Sn、In、Ti、Siなどの金属の酸化物膜や窒化物膜等が挙げられる。
特に、導電膜3の最上層にZnOを主成分とする酸化物層を用いた場合には、保護膜13として、特に、インジウム−スズ酸化物(ITO)膜を用いることが好ましい。
保護膜13の膜厚は、2〜30nmが好ましく、特に3〜20nmが好ましい。
<電極>
電極は、導電膜の電磁波遮蔽効果が発揮されるように、導電膜と電気的に接するように設けられる。
電極の配置としては、導電膜の周辺全体に施すのが、導電膜の電磁波遮蔽効果を確保するために好ましい。
電極の材質としては、抵抗が低い方が電磁波遮蔽性能の点では優位となる。たとえば、Agペースト(Agとガラスフリットを含むペースト)やCuペースト(Cuとガラスフリットを含むペースト)を塗布、焼成したものが好適に用いられる。
電極は、導電膜の電磁波遮蔽効果が発揮されるように、導電膜と電気的に接するように設けられる。
電極の配置としては、導電膜の周辺全体に施すのが、導電膜の電磁波遮蔽効果を確保するために好ましい。
電極の材質としては、抵抗が低い方が電磁波遮蔽性能の点では優位となる。たとえば、Agペースト(Agとガラスフリットを含むペースト)やCuペースト(Cuとガラスフリットを含むペースト)を塗布、焼成したものが好適に用いられる。
<各種樹脂フィルム>
「防湿フィルム」
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、導電膜を水分から保護するために、導電膜上に、防湿用の樹脂フィルム(防湿フィルム)が設けられていることが好ましい。
防湿フィルムとしては、特に制限はなく、一般的にPDP用電磁波遮蔽シートに用いられているものが使用でき、例えばPET、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチック製のフィルムが挙げられる。
「防湿フィルム」
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、導電膜を水分から保護するために、導電膜上に、防湿用の樹脂フィルム(防湿フィルム)が設けられていることが好ましい。
防湿フィルムとしては、特に制限はなく、一般的にPDP用電磁波遮蔽シートに用いられているものが使用でき、例えばPET、ポリ塩化ビニリデン等のプラスチック製のフィルムが挙げられる。
「飛散防止用樹脂フィルム」
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、特に基体としてガラス板を用いる場合に、電磁波遮蔽シートの前面側(観察者側)および/または裏面側(PDP側)に、飛散防止用樹脂フィルムが設けられていることが好ましい。
飛散防止樹脂用フィルムとしては、特に制限はなく、一般的にPDP用電磁波遮蔽シートに用いられているものが使用できる。特に、傷がついたとき自己修復する自己修復性と飛散防止特性とを有するウレタン樹脂系のフィルムを用いると良好な結果が得られる。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、特に基体としてガラス板を用いる場合に、電磁波遮蔽シートの前面側(観察者側)および/または裏面側(PDP側)に、飛散防止用樹脂フィルムが設けられていることが好ましい。
飛散防止樹脂用フィルムとしては、特に制限はなく、一般的にPDP用電磁波遮蔽シートに用いられているものが使用できる。特に、傷がついたとき自己修復する自己修復性と飛散防止特性とを有するウレタン樹脂系のフィルムを用いると良好な結果が得られる。
「反射防止用樹脂フィルム」
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、電磁波遮蔽シートの前面側(観察者側)および/または裏面側(PDP側)に、反射防止用樹脂フィルムが設けられていることが好ましい。
反射防止用樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、一般的にPDP用電磁波遮蔽シートに用いられているものが使用できる。特に、フッ素樹脂系のフィルムを用いると良好な結果が得られる。低屈折率の樹脂フィルムは、色調調整のため、有色のフィルムとすることもできる。
また、電磁波遮蔽シートの前面側(観察者側)および/または裏面側(PDP側)に、反射防止用樹脂フィルムの代わりに、低屈折率の薄膜を形成してもよい。
反射防止用樹脂フィルムまたは低屈折率の薄膜(反射防止層)は、得られる電磁波遮蔽シートの反射率が低くなり好ましい反射色が得られることから、その反射防止層自身について、可視域での反射率が最低となる波長が500〜600nm、特に530〜590nmであることが好ましい。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、電磁波遮蔽シートの前面側(観察者側)および/または裏面側(PDP側)に、反射防止用樹脂フィルムが設けられていることが好ましい。
反射防止用樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、一般的にPDP用電磁波遮蔽シートに用いられているものが使用できる。特に、フッ素樹脂系のフィルムを用いると良好な結果が得られる。低屈折率の樹脂フィルムは、色調調整のため、有色のフィルムとすることもできる。
また、電磁波遮蔽シートの前面側(観察者側)および/または裏面側(PDP側)に、反射防止用樹脂フィルムの代わりに、低屈折率の薄膜を形成してもよい。
反射防止用樹脂フィルムまたは低屈折率の薄膜(反射防止層)は、得られる電磁波遮蔽シートの反射率が低くなり好ましい反射色が得られることから、その反射防止層自身について、可視域での反射率が最低となる波長が500〜600nm、特に530〜590nmであることが好ましい。
電磁波遮蔽シート自身の飛散防止および反射防止の観点からは、上述した飛散防止用樹脂フィルムと反射防止用樹脂フィルムの機能を兼ね備えた、飛散防止兼反射防止用樹脂フィルムとして、旭硝子社製のARCTOP(商品名)を用いることが好ましい。ARCTOP(商品名)は、自己修復性と飛散防止特性とを有するポリウレタン系軟質樹脂フィルムの片面に、非結晶性の含フッ素重合体からなる低屈折率の反射防上層を形成して反射防止処理を施したものである。
「近赤外線遮蔽フィルム」
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、電磁波遮蔽シートの前面側(観察者側)および/または裏面側(PDP側)に、近赤外線遮蔽フィルムが設けられていてもよい。
近赤外線遮蔽フィルムとしては、特に制限はなく、一般的にPDP用電磁波遮蔽シートに用いられているものが使用できる。
また、近赤外線遮蔽フィルムの代わりに、近赤外線吸収基体を用いる、近赤外線吸収剤を添加した粘着剤をフィルム積層時に使用する、反射防止樹脂フィルム等に近赤外線吸収剤を添加して近赤外線吸収機能を併せ持たせる、近赤外線反射機能を有する導電膜を用いる、等の方法が可能である。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、電磁波遮蔽シートの前面側(観察者側)および/または裏面側(PDP側)に、近赤外線遮蔽フィルムが設けられていてもよい。
近赤外線遮蔽フィルムとしては、特に制限はなく、一般的にPDP用電磁波遮蔽シートに用いられているものが使用できる。
また、近赤外線遮蔽フィルムの代わりに、近赤外線吸収基体を用いる、近赤外線吸収剤を添加した粘着剤をフィルム積層時に使用する、反射防止樹脂フィルム等に近赤外線吸収剤を添加して近赤外線吸収機能を併せ持たせる、近赤外線反射機能を有する導電膜を用いる、等の方法が可能である。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、防湿フィルム、飛散防止用樹脂フィルム、反射防止用樹脂フィルム等の樹脂フィルムを、適宜、色調調整のため、有色のフィルムとすることもできる。
たとえば、導電膜は、膜厚等の膜設計によっては着色して見えることがあるが、樹脂フィルムをその補色のフィルムとすることにより、全体の色調のニュートラル化が可能となる。
たとえば、導電膜は、膜厚等の膜設計によっては着色して見えることがあるが、樹脂フィルムをその補色のフィルムとすることにより、全体の色調のニュートラル化が可能となる。
<支持基体>
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートは、電磁波遮蔽シートの裏面側(PDP側)に、前記基体よりも剛性の高い、透明な支持基材(以下、単に支持基材という。)が設けられていてもよい。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、支持基材を設けることにより、基体の材料がPET等のプラスチックであっても、PDP側の表面と反対側で生じる温度差により反りが発生することがない。
支持基体の材料としては、上述した基体の材料と同様の材料等が挙げられる。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートは、電磁波遮蔽シートの裏面側(PDP側)に、前記基体よりも剛性の高い、透明な支持基材(以下、単に支持基材という。)が設けられていてもよい。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、支持基材を設けることにより、基体の材料がPET等のプラスチックであっても、PDP側の表面と反対側で生じる温度差により反りが発生することがない。
支持基体の材料としては、上述した基体の材料と同様の材料等が挙げられる。
各種樹脂フィルムおよび/または支持基体を設ける場合、各種樹脂フィルムおよび/または支持基体は、基体上および/または導電膜上に、粘着剤層を介して積層されることが好ましい。
粘着剤層の粘着剤としては、市販されている粘着剤を使用することができ、好ましい具体例としては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレンーブタジエン共重合体系ゴム、ブチルゴム、又はシリコーン樹脂等の粘着剤を挙げることができる。特に、良好な耐湿性が得られることからアクリル系の粘着剤が好ましく用いられる。
また、この粘着剤層には、紫外線吸収剤などの種々の機能を有する添加剤が配合されてもよい。
なお、樹脂フィルムの積層は、粘着剤や接着剤を用いずに、熱による貼り合わせが可能な場合もある。
粘着剤層の粘着剤としては、市販されている粘着剤を使用することができ、好ましい具体例としては、アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル共重合体、スチレンーアクリル共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、スチレンーブタジエン共重合体系ゴム、ブチルゴム、又はシリコーン樹脂等の粘着剤を挙げることができる。特に、良好な耐湿性が得られることからアクリル系の粘着剤が好ましく用いられる。
また、この粘着剤層には、紫外線吸収剤などの種々の機能を有する添加剤が配合されてもよい。
なお、樹脂フィルムの積層は、粘着剤や接着剤を用いずに、熱による貼り合わせが可能な場合もある。
<着色セラミック層>
また、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、電極の観察者側に、電極が観察者側から直接見えないように隠蔽するための着色セラミック層が形成されることが好ましい。着色セラミック層は、電極よりも観察者側に設けられていればよく、例えば支持基体上に印刷したり、着色テープを貼ることにより形成できる。
また、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートにおいては、電極の観察者側に、電極が観察者側から直接見えないように隠蔽するための着色セラミック層が形成されることが好ましい。着色セラミック層は、電極よりも観察者側に設けられていればよく、例えば支持基体上に印刷したり、着色テープを貼ることにより形成できる。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートは、PDPの観察者側に設置すればよく、その配置位置は特に限定されない。たとえばPDP表面から離して設置してもよいし、PDP表面に直接貼り付けてもよい。
<第1実施形態>
以下、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートの第1実施形態について説明する。
図2に、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートの一実施態様の層構造を示す模式的概略断面図を示す。図2において、21は基体、22は導電膜、23a、23bは電極である。
また、本実施態様においては、導電膜22上に、粘着剤層24を介して、保護フィルム25が設けられている。
また、基体21上には接着剤層26を介して支持基体27が設けられており、基体21と支持基体27との間の、電極23a、23bの観察者側(人側)には着色セラミック層28a、28bが設けられている。
さらに、支持基体27上には、接着剤層29を介して飛散防止兼反射防止用樹脂フィルム30が設けられている。
以下、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートの第1実施形態について説明する。
図2に、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートの一実施態様の層構造を示す模式的概略断面図を示す。図2において、21は基体、22は導電膜、23a、23bは電極である。
また、本実施態様においては、導電膜22上に、粘着剤層24を介して、保護フィルム25が設けられている。
また、基体21上には接着剤層26を介して支持基体27が設けられており、基体21と支持基体27との間の、電極23a、23bの観察者側(人側)には着色セラミック層28a、28bが設けられている。
さらに、支持基体27上には、接着剤層29を介して飛散防止兼反射防止用樹脂フィルム30が設けられている。
本実施形態においては、飛散防止兼反射防止用樹脂フィルム30は、電磁波遮蔽シートの最も人側に設けられている。飛散防止兼反射防止樹脂フィルム30としては、上述したARCTOP(商品名、旭硝子(株)製)が好ましく用いられる。
飛散防止兼反射防止樹脂フィルム30には、近赤外線吸収剤を混入して、近赤外線遮蔽効果を持たせてもよい。本発明の電磁波遮蔽シートにおいては、導電膜22によって近赤外線を遮蔽できるが、このような樹脂フィルムを用いることにより、その遮蔽効果がさらに向上する。
飛散防止兼反射防止樹脂フィルム30には、近赤外線吸収剤を混入して、近赤外線遮蔽効果を持たせてもよい。本発明の電磁波遮蔽シートにおいては、導電膜22によって近赤外線を遮蔽できるが、このような樹脂フィルムを用いることにより、その遮蔽効果がさらに向上する。
図2において、支持基体27上の基体21や導電膜22が、図示上、左右両端を除いて設けられているのは、この部分に電極23を接地するための接地端子を形成するためである。接地端子は、接地抵抗を下げて高い電磁波遮蔽効果を確保するために、電磁波遮蔽シートの周辺全体に多数設けることが好ましい。
本実施形態では、電磁波遮蔽シートの最も人側の面に、飛散防止兼反射防止樹脂フィルム30、例えば上述のARCTOP(商品名、旭硝子(株)製)が接着されているが、このフィルム30のかわりに、支持基体27の外側の面に直接、低屈折率の膜を形成する方法により反射防止処理を施してもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートの第2実施形態について説明する。なお、以下に記載する実施形態において、上記実施形態に対応する構成要素には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
次に、本発明のPDP用電磁波遮蔽シートの第2実施形態について説明する。なお、以下に記載する実施形態において、上記実施形態に対応する構成要素には、同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図3は、本発明の電磁波遮蔽シートの他の実施形態の層構造を示す模式的概略断面図である。本実施形態では、支持基体27の人側に、粘着剤層31を介して基体21、導電膜22、電極23a、23bが順に積層されており、導電膜22上に、粘着剤層32を介して飛散防止兼反射防止樹脂フィルム30が積層されている。
このような構成にすると、この飛散防止兼反射防止樹脂フィルム30により、導電膜22の保護効果が得られるため、第1実施形態における保護フィルム25を設けなくともよい。
このような構成にすると、この飛散防止兼反射防止樹脂フィルム30により、導電膜22の保護効果が得られるため、第1実施形態における保護フィルム25を設けなくともよい。
≪PDP用電磁波遮蔽シートの製造方法≫
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートは、基体上に、酸化物層と、Agを主成分としBiを含有する金属層とを、交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層して多層構造の導電膜を形成し、該導電膜上に電極を形成することにより製造できる。
本発明のPDP用電磁波遮蔽シートは、基体上に、酸化物層と、Agを主成分としBiを含有する金属層とを、交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層して多層構造の導電膜を形成し、該導電膜上に電極を形成することにより製造できる。
基体上への導電膜(酸化物層、金属層)の形成方法は限定されず、たとえば、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング化学的気相成長法などが利用できる。中でも、品質、特性の安定性が良好であることから、スパッタリングが好適に使用できる。
スパッタリングによる導電膜の形成は、たとえば、以下のようにして行うことができる。まず、基体表面に、酸化物層のターゲット(たとえば、Zn以外の少なくとも1種の金属または該金属の酸化物をドープしたZnO)を用いて、酸素ガスを混合したアルゴンガスを導入し、パルススパッタを行い、酸化物層を形成する。ついで、BiをドープしたAg合金のターゲット材を用いて、アルゴンガスを導入し、パルススパッタを行い、金属層を形成する。この操作を繰り返し、最後に前記と同様の方法で酸化物層を形成することにより、(2n+1)層構造の導電膜を形成する。
金属層中のBiの含有割合を、BiとAgとの総量に対して0.2〜0.6原子%とするためには、Ag:Bi合金中のBiの含有割合を、BiとAgとの総量に対して0.2〜1原子%とすることが好ましく、0.3〜0.6原子%とすることがより好ましい。
スパッタリングによる導電膜の形成は、たとえば、以下のようにして行うことができる。まず、基体表面に、酸化物層のターゲット(たとえば、Zn以外の少なくとも1種の金属または該金属の酸化物をドープしたZnO)を用いて、酸素ガスを混合したアルゴンガスを導入し、パルススパッタを行い、酸化物層を形成する。ついで、BiをドープしたAg合金のターゲット材を用いて、アルゴンガスを導入し、パルススパッタを行い、金属層を形成する。この操作を繰り返し、最後に前記と同様の方法で酸化物層を形成することにより、(2n+1)層構造の導電膜を形成する。
金属層中のBiの含有割合を、BiとAgとの総量に対して0.2〜0.6原子%とするためには、Ag:Bi合金中のBiの含有割合を、BiとAgとの総量に対して0.2〜1原子%とすることが好ましく、0.3〜0.6原子%とすることがより好ましい。
電極は、たとえば、Agペースト(Agとガラスフリットを含むペースト)やCuペースト(Cuとガラスフリットを含むペースト)を導電膜上に塗布、焼成することにより形成できる。
以下に発明をより詳細に説明するために実施例を示す。本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
実施例1
[支持基体の作製]
図2に示した構成のPDP用電磁波遮蔽シートを以下の手順で作製した。
まず、厚さ2.5mmのガラス板を98cm×68cmに切断し、面取りした後洗浄し、着色セラミックス層形成用のインクを、ガラス板周辺部全体にスクリーン印刷した。次いで、ガラス強化処理を目的として、このガラス板を660℃まで加熱し、その後風冷強化を施して、着色セラミックス層28a、28bが表面に形成された支持基体27を作製した。
[支持基体の作製]
図2に示した構成のPDP用電磁波遮蔽シートを以下の手順で作製した。
まず、厚さ2.5mmのガラス板を98cm×68cmに切断し、面取りした後洗浄し、着色セラミックス層形成用のインクを、ガラス板周辺部全体にスクリーン印刷した。次いで、ガラス強化処理を目的として、このガラス板を660℃まで加熱し、その後風冷強化を施して、着色セラミックス層28a、28bが表面に形成された支持基体27を作製した。
[スパッタ法による導電膜の形成]
つぎに、基材2(図2の基材21)として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を使用して、該基材2上に、図1に示した構成の導電膜3(図2の導電膜22)を、以下の手順で形成した。
まず、基材2表面の洗浄を目的としたイオンビームによる乾式洗浄を以下のようにして行った。まずArガスに約30%の酸素を混合して、100Wの電力を投入した。イオンビームソースによりイオン化されたArイオンおよび酸素イオンを基材表面に照射した。
つぎに、基材2(図2の基材21)として厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)を使用して、該基材2上に、図1に示した構成の導電膜3(図2の導電膜22)を、以下の手順で形成した。
まず、基材2表面の洗浄を目的としたイオンビームによる乾式洗浄を以下のようにして行った。まずArガスに約30%の酸素を混合して、100Wの電力を投入した。イオンビームソースによりイオン化されたArイオンおよび酸素イオンを基材表面に照射した。
次いで、乾式洗浄処理された基材2表面の一方の面に、アルミナを5質量%ドープした酸化亜鉛ターゲットを用いて、アルゴンに3体積%の酸素ガスを混合して導入し、0.35Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度4.8w/cm2、反転パルス幅1μsecのパルススパッタを行い、酸化亜鉛膜4(厚さ40nm)を形成した。
ついで、0.5原子%BiをドープしたAg合金ターゲットを用いて、アルゴンガスを導入し、0.5Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.4w/cm2、反転パルス幅5μsecのパルススパッタを行い、Ag合金膜5(厚さ13nm)を形成した。
該条件下では、Ag合金膜中のBiの含有割合は、BiとAgとの総量に対して0.25原子%となる。
ついで、0.5原子%BiをドープしたAg合金ターゲットを用いて、アルゴンガスを導入し、0.5Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.4w/cm2、反転パルス幅5μsecのパルススパッタを行い、Ag合金膜5(厚さ13nm)を形成した。
該条件下では、Ag合金膜中のBiの含有割合は、BiとAgとの総量に対して0.25原子%となる。
ついで、アルミナを5質量%ドープした酸化亜鉛ターゲットを用いて、アルゴンに3体積%の酸素ガスを混合して導入し、0.35Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度4.8w/cm2、反転パルス幅1μsecのパルススパッタを行い、酸化亜鉛膜6(厚さ80nm)を形成した。
ついで、0.5原子%BiをドープしたAg合金ターゲットを用いて、アルゴンガスを導入し、0.5Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.4w/cm2、反転パルス幅5μsecのパルススパッタを行い、Ag合金膜7(厚さ16nm)を形成した。
ついで、0.5原子%BiをドープしたAg合金ターゲットを用いて、アルゴンガスを導入し、0.5Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.4w/cm2、反転パルス幅5μsecのパルススパッタを行い、Ag合金膜7(厚さ16nm)を形成した。
ついで、アルミナを5質量%ドープした酸化亜鉛ターゲットを用いて、アルゴンに3体積%の酸素ガスを混合して導入し、0.35Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度4.8w/cm2、反転パルス幅1μsecのパルススパッタを行い、酸化亜鉛膜8(厚さ80nm)を形成した。
ついで、0.5原子%BiをドープしたAg合金ターゲットを用いて、アルゴンガスを導入し、0.5Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.4w/cm2、反転パルス幅5μsecのパルススパッタを行い、Ag合金膜9(厚さ16nm)を形成した。
ついで、0.5原子%BiをドープしたAg合金ターゲットを用いて、アルゴンガスを導入し、0.5Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.4w/cm2、反転パルス幅5μsecのパルススパッタを行い、Ag合金膜9(厚さ16nm)を形成した。
ついで、アルミナを5質量%ドープした酸化亜鉛ターゲットを用いて、アルゴンに3体積%の酸素ガスを混合して導入し、0.35Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度4.8w/cm2、反転パルス幅1μsecのパルススパッタを行い、酸化亜鉛膜10(厚さ80nm)を形成した。
ついで、0.5原子%BiをドープしたAg合金ターゲットを用いて、アルゴンガスを導入し、0.5Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.4w/cm2、反転パルス幅5μsecのパルススパッタを行い、Ag合金膜11(厚さ13nm)を形成した。
ついで、0.5原子%BiをドープしたAg合金ターゲットを用いて、アルゴンガスを導入し、0.5Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度0.4w/cm2、反転パルス幅5μsecのパルススパッタを行い、Ag合金膜11(厚さ13nm)を形成した。
ついで、アルミナを5質量%ドープした酸化亜鉛ターゲットを用いて、アルゴンに3体積%の酸素ガスを混合して導入し、0.35Paの圧力で、周波数100kHz、電力密度4.3w/cm2、反転パルス幅1μsecのパルススパッタを行い、酸化亜鉛膜12(厚さ35nm)を形成した。
ついで、酸化亜鉛膜12上に、保護膜としてITOターゲット(インジューム:スズ=90:10)を用いて、アルゴンに3体積%の酸素ガスを混合して導入し、0.35Paの圧力で周波数100kHz、電力密度0.5w/cm2、反転パルス幅1μsecのパルススパッタを行い、ITO膜13(厚さ5nm)を形成して、電磁波遮蔽フィルムを得た。
得られた電磁波遮蔽フィルムに、粘着材(リンテック社製、P0280)を25μmの厚さとなるように塗布し、上記作製した支持基体27の、着色セラミックス層28a、28b形成側の面に貼り付けた。
ついで、電磁波遮蔽フィルムを保護する目的で、電磁波遮蔽フィルムの、支持基体27が貼り合わされた側と反対側に、保護フィルム25(商品名ARCTOP CP21、旭硝子(株)製)を貼り合わせた。導電膜の外周部の一部には、電極取り出しの目的から、保護フィルムを貼り合せない部分を残しておいた。
[電極の形成]
ついで、予め残しておいた電磁波遮蔽フィルム露出部分(導電膜の外周部)に、Agペースト(商品名AF4810、太陽インキ社製)をナイロンメッシュ#180、乳剤厚み20μmにてスクリーン印刷し、熱風循環炉で85℃35分間乾燥させて、電極を形成した。
ついで、予め残しておいた電磁波遮蔽フィルム露出部分(導電膜の外周部)に、Agペースト(商品名AF4810、太陽インキ社製)をナイロンメッシュ#180、乳剤厚み20μmにてスクリーン印刷し、熱風循環炉で85℃35分間乾燥させて、電極を形成した。
ついで、支持基体27の裏面(電磁波遮蔽フィルムを貼り合わせた反対面)に、反射防止とガラス飛散防止を目的としたポリウレタン系軟質樹脂フィルム(商品名ARCTOP URP2199)に透明性粘着加工を施したものを貼り合わせて、PDP用電磁波遮蔽シートを得た。なお、通常は、この樹脂フィルムに着色剤を添加し、色調補正、Neカットなどを実現し色再現性の向上を図るが、本検証においては同評価を行なわないため、無着色とした。
比較例1
実施例1におけるBiドープのAg合金ターゲットの部分を、1質量%のPdをドープしたAg合金ターゲットとした以外は、すべて実施例1どおりにしてPDP用電磁波遮蔽シートを得た。
実施例1におけるBiドープのAg合金ターゲットの部分を、1質量%のPdをドープしたAg合金ターゲットとした以外は、すべて実施例1どおりにしてPDP用電磁波遮蔽シートを得た。
比較例2
実施例1におけるBiドープのAg合金の部分を、純度99.9%のAgとした以外は、すべて実施例1どおりにしてPDP用電磁波遮蔽シートを得た。
実施例1におけるBiドープのAg合金の部分を、純度99.9%のAgとした以外は、すべて実施例1どおりにしてPDP用電磁波遮蔽シートを得た。
試験例1
実施例1および比較例1,2で作成したPDP用電磁波遮蔽シートについて、下記の手順で、視感透過率、シート抵抗を測定し、高温高湿耐性試験、NaCl滴下試験を行った。
実施例1および比較例1,2で作成したPDP用電磁波遮蔽シートについて、下記の手順で、視感透過率、シート抵抗を測定し、高温高湿耐性試験、NaCl滴下試験を行った。
「視感透過率」
視感透過率(JIS Z 8701において規定されている刺激値Y)を、島津製作所社製分光光度計UV3150PCにより測定した。
実施例1および比較例2のPDP用電磁波遮蔽シートの視感透過率は各々61.1%、62.2%であった。これに対し、比較例1のPDP用電磁波遮蔽シートの視感透過率は55.0%と低かった。
視感透過率(JIS Z 8701において規定されている刺激値Y)を、島津製作所社製分光光度計UV3150PCにより測定した。
実施例1および比較例2のPDP用電磁波遮蔽シートの視感透過率は各々61.1%、62.2%であった。これに対し、比較例1のPDP用電磁波遮蔽シートの視感透過率は55.0%と低かった。
「シート抵抗」
シート抵抗を、Nagy社製渦電流型抵抗測定器SRM12により測定した。
実施例1のPDP用電磁波遮蔽シートのシート抵抗は0.85Ωであった。これに対し、比較例1のPDP用電磁波遮蔽シートのシート抵抗は1.15Ωと高かった。また、比較例2のPDP用電磁波遮蔽シートのシート抵抗は0.81Ωであった。
シート抵抗を、Nagy社製渦電流型抵抗測定器SRM12により測定した。
実施例1のPDP用電磁波遮蔽シートのシート抵抗は0.85Ωであった。これに対し、比較例1のPDP用電磁波遮蔽シートのシート抵抗は1.15Ωと高かった。また、比較例2のPDP用電磁波遮蔽シートのシート抵抗は0.81Ωであった。
「耐高温耐湿性試験」
高温高湿環境下放置による加速試験により、視感透過率(光学特性)およびシート抵抗(電気的特性)の劣化、および外観の変化(白点、白濁の発生の有無)について調査した。60℃−90%の環境下に100時間放置した後、目視観察を行い、上記と同様にして視感透過率、シート抵抗の評価を行った。
本発明および比較例1のPDP用電磁波遮蔽シートは、外観的欠点の発生が無く、視感透過率およびシート抵抗の変化も無かった。これに対し、比較例2のPDP用電磁波遮蔽シートは白点、白濁が発生し、試験前後での視感透過率およびシート抵抗の変化が大きく、光学特性、電気的特性の変化が大きいことを確認した。
高温高湿環境下放置による加速試験により、視感透過率(光学特性)およびシート抵抗(電気的特性)の劣化、および外観の変化(白点、白濁の発生の有無)について調査した。60℃−90%の環境下に100時間放置した後、目視観察を行い、上記と同様にして視感透過率、シート抵抗の評価を行った。
本発明および比較例1のPDP用電磁波遮蔽シートは、外観的欠点の発生が無く、視感透過率およびシート抵抗の変化も無かった。これに対し、比較例2のPDP用電磁波遮蔽シートは白点、白濁が発生し、試験前後での視感透過率およびシート抵抗の変化が大きく、光学特性、電気的特性の変化が大きいことを確認した。
「NaCl滴下試験」
Ag膜の劣化について、NaCl水溶液による腐食度合いの比較を行い、耐マイグレーション性を評価した。
実施例1および比較例1、2のPDP用電磁遮蔽シートの保護フィルム25を貼り合せる前の導電膜上に、2質量%のNaCl水溶液5μLを滴下し、室温にて乾燥した。乾燥後、保護フィルム25を貼り合せ、湿度60%、温度90℃の恒温恒湿槽にて100時間放置した。該シートを恒温恒湿槽から取り出し、保護フィルム側から観察し、NaCl水溶液滴下部分を中心として変色した部分(劣化した部分)の面積を比較した。その結果、実験例1の変色した部分の面積は、比較例1と同等であり、比較例2よりも少ないことを確認した。
Ag膜の劣化について、NaCl水溶液による腐食度合いの比較を行い、耐マイグレーション性を評価した。
実施例1および比較例1、2のPDP用電磁遮蔽シートの保護フィルム25を貼り合せる前の導電膜上に、2質量%のNaCl水溶液5μLを滴下し、室温にて乾燥した。乾燥後、保護フィルム25を貼り合せ、湿度60%、温度90℃の恒温恒湿槽にて100時間放置した。該シートを恒温恒湿槽から取り出し、保護フィルム側から観察し、NaCl水溶液滴下部分を中心として変色した部分(劣化した部分)の面積を比較した。その結果、実験例1の変色した部分の面積は、比較例1と同等であり、比較例2よりも少ないことを確認した。
これらの結果から明らかなように、実施例1のPDP用電磁波遮蔽シートは、PdをドープしたAgを用いた比較例1のPDP用電磁波遮蔽シートよりも高い視感透過率(光学特性)、および低いシート抵抗(電気的特性)を有するとともに、純Agを用いた比較例2のPDP用電磁波遮蔽シートよりも優れた耐湿性、耐マイグレーション性を有していた。
1…電磁波遮蔽シート、2…基体、3…導電膜、4…酸化物層、5…金属層、6…酸化物層、7…金属層、8…酸化物層、9…金属層、10…酸化物層、11…金属層、12…酸化物層、13…保護膜、21…基体、22…導電膜、23aおよび23b…電極、24…粘着剤層、25…保護フィルム、26…粘着剤層、27…支持基体、28aおよび28b…着色セラミック層、29…粘着剤層、30…飛散防止兼反射防止樹脂フィルム、31…粘着剤層、32…粘着剤層
Claims (6)
- 基体と、基体上に形成された導電膜と、導電膜に電気的に接している電極とを有するプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートであって、
導電膜が、基体側から、酸化物層と金属層とが交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層された多層構造の導電膜であり、
金属層が、Agを主成分としBiを含有することを特徴とするプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シート。 - Biの含有割合が、BiとAgとの総量に対して0.2〜0.6原子%である請求項1記載のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シート。
- 酸化物層がZnOを主成分とする請求項1または2記載のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シート。
- ZnOを主成分とする酸化物層が、Zn以外の1種以上の金属を含有する請求項3記載のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シート。
- 基体上に、酸化物層と、Agを主成分としBiを含有する金属層とを、交互に計(2n+1)層[nは1以上の整数]積層して多層構造の導電膜を形成し、該導電膜上に電極を形成することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートの製造方法。
- 金属層を、Ag:Bi合金をターゲットとして用いるスパッタリングにより形成する請求項5記載のプラズマディスプレイ用電磁波遮蔽シートの製造方法。
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