JP2005069131A - 可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】可変圧縮比機構付き内燃機関で、冷機時の出力、燃費を向上できるようにした。
【解決手段】機関回転速度、アクセル開度、機関水温を順次読込み(S1〜S3)、機関回転速度とアクセル開度に基づいて、暖機完了時のノッキング発生限界に適合して高負荷時に低めに設定した基本圧縮比を(S4)、機関水温に基づいて冷機時には高負荷時でも圧縮比を増加補正する水温補正係数を算出し(S5)、この水温補正係数を用いて目標圧縮比を増加補正するようにした(S6)。
【選択図】 図3
【解決手段】機関回転速度、アクセル開度、機関水温を順次読込み(S1〜S3)、機関回転速度とアクセル開度に基づいて、暖機完了時のノッキング発生限界に適合して高負荷時に低めに設定した基本圧縮比を(S4)、機関水温に基づいて冷機時には高負荷時でも圧縮比を増加補正する水温補正係数を算出し(S5)、この水温補正係数を用いて目標圧縮比を増加補正するようにした(S6)。
【選択図】 図3
Description
本発明は、内燃機関に搭載された圧縮比を可変する可変圧縮比機構の制御に関する。
圧縮比を可変にできる内燃機関において、低負荷側を高圧縮比、高負荷側を低圧縮比とすることによって、燃料消費率を向上させつつノッキングを回避するようにしたものがある(特許文献1)。
特開平07−229431号公報
しかしながら、従来の圧縮比制御方式では以下のような問題点が発生することがわかった。
長時間車両を放置したような場合は、機関冷却水温度(以下機関水温という)が大気温度レベルまで下がっており、再始動ではその温度から暖機運転を始めるため、始動後直ぐには機関水温は上昇せず、しばらくの間シリンダ内壁温が低いままの運転しなければならない時間帯が必ず発生する。
長時間車両を放置したような場合は、機関冷却水温度(以下機関水温という)が大気温度レベルまで下がっており、再始動ではその温度から暖機運転を始めるため、始動後直ぐには機関水温は上昇せず、しばらくの間シリンダ内壁温が低いままの運転しなければならない時間帯が必ず発生する。
その期間中は機関の圧縮行程で発生する圧縮熱も、燃料の霧化に使われずに、シリンダ壁より冷却水に逃げてしまう割合が多くなってしまうため、暖機運転中は、暖機後に比べて混合気自身の着火性が低くなっているといえる。
また同時に、シリンダ以外の燃焼室を構成するシリンダヘッド内壁面や、点火プラグ、吸・排気バルブ裏面、ピストン冠面なども同様に温度が低いため、前述した混合気の着火性の低下と併せて、機関水温が低い間は、暖機終了後に比べて高負荷域でもノッキングが発生し難くなっている。
また同時に、シリンダ以外の燃焼室を構成するシリンダヘッド内壁面や、点火プラグ、吸・排気バルブ裏面、ピストン冠面なども同様に温度が低いため、前述した混合気の着火性の低下と併せて、機関水温が低い間は、暖機終了後に比べて高負荷域でもノッキングが発生し難くなっている。
圧縮比を可変にできる内燃機関においては、予め暖機後の平衡状態で機関回転速度や負荷で割り振って、ノッキングの起きない範囲で高出力を得られる最適な目標圧縮比を実験で求めているが、前述した冷機始動後の暖機運転中にその暖機後の平衡目標値を用いてしまうと、実際はもっと圧縮比を高くしてもノッキングが起きないような条件であっても、完全暖機後の比較的低い目標圧縮比を用いてしまうことになる。
その結果、圧縮比可変制御本来の特長を充分生かすことができず、燃費率の悪化や出力の低下などが起きてしまう領域があることが解った。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、冷機状態に適切な圧縮比可変制御を行うことで、ノッキングを抑制しつつ十分な出力を確保できるようにすることを目的とする。
本発明は、このような従来の課題に着目してなされたもので、冷機状態に適切な圧縮比可変制御を行うことで、ノッキングを抑制しつつ十分な出力を確保できるようにすることを目的とする。
このため本発明は、暖機完了後の機関運転条件に基づいて設定した可変圧縮比機構の目標圧縮比に対して、冷機時の燃焼室壁温度状態に基づいて目標圧縮比を増加補正して設定し、前記可変動弁機構により圧縮比を前記目標圧縮比に制御する構成とした。
かかる構成によると、冷機始動直後の機関水温がまだ低いような冷機時においては、完全暖機後の平衡状態で適合された目標圧縮比の値をそのまま用いること無く、低水温時用に増加補正されるので、暖機後に設定される値よりも高めの目標圧縮比を用いることができ、その結果、燃費率や出力の向上などを図ることができる。
以下、図面に基づき、本発明の実施形態について説明する。
図1は、実施形態における可変圧縮比機構付き内燃機関のシステム構成図である。
内燃機関1の吸気通路55のコンプレッサ53上流には、吸入空気量を検出するエアフロメータ2が配置され、コンプレッサ53の下流に介装されるインタークーラ3の下流側に、過給圧を検出する吸気圧センサ4が配置されている。
図1は、実施形態における可変圧縮比機構付き内燃機関のシステム構成図である。
内燃機関1の吸気通路55のコンプレッサ53上流には、吸入空気量を検出するエアフロメータ2が配置され、コンプレッサ53の下流に介装されるインタークーラ3の下流側に、過給圧を検出する吸気圧センサ4が配置されている。
また、機関1のクランク角を検出するクランク角センサ5と、排気中の酸素濃度を検出する酸素センサ6と、機関水温を検出する水温センサ7と、ノッキングを検出するノッキングセンサ8と、スロットル弁9の開度を検出するスロットル開度センサ10と、インタークーラ3出口部で吸気温を検出する吸気温センサ60、機関1を始動(クランキング)するスタータをON,OFFするスタータスイッチ61と、を備えており、これらのセンサ類の検出信号及びバッテリ電圧VBの信号が、機関コントロールモジュール(ECM)11に入力される。
前記内燃機関1は、過給機としてターボ過給機51を備えている。
このターボ過給機51は、排気通路54に位置するタービン52と吸気通路55に位置するコンプレッサ53とを同軸状に配置した構成であり、運転条件に応じて過給圧を制御するために、タービン52の上流側から排気の一部をバイパスさせる排気バイパス弁56を備えている。
このターボ過給機51は、排気通路54に位置するタービン52と吸気通路55に位置するコンプレッサ53とを同軸状に配置した構成であり、運転条件に応じて過給圧を制御するために、タービン52の上流側から排気の一部をバイパスさせる排気バイパス弁56を備えている。
機関1の吸気ポート部には、各気筒毎に燃料噴射弁16が設けられ、該燃料噴射弁16から噴射される燃料によって、燃焼室内に混合気が形成される。
前記燃焼室内に形成された混合気は、点火栓17による火花点火によって着火燃焼し、燃焼排気は、前記タービン52に回転エネルギーを与えた後、触媒19で浄化され、マフラー20を介して排気中に放出される。
前記燃焼室内に形成された混合気は、点火栓17による火花点火によって着火燃焼し、燃焼排気は、前記タービン52に回転エネルギーを与えた後、触媒19で浄化され、マフラー20を介して排気中に放出される。
また、本実施形態の内燃機関1には、図2に示す構成の可変圧縮比機構100が備えられている。
機関1のクランク軸31は、複数のジャーナル部32とクランクピン部33とカウンタウエィト部31aとを備えており、図示せぬシリンダブロックの主軸受に、ジャーナル部32が回転自在に支持されている。
機関1のクランク軸31は、複数のジャーナル部32とクランクピン部33とカウンタウエィト部31aとを備えており、図示せぬシリンダブロックの主軸受に、ジャーナル部32が回転自在に支持されている。
上記クランクピン部33は、ジャーナル部32から所定量偏心しており、ここにロアーリンク34が回転自在に連結されている。
上記ロアーリンク34は、略中央の連結孔に上記クランクピン部33が嵌合している。
アッパーリンク35は、下端側が連結ピン36によりロアーリンク34の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン37によりピストン38に回動可能に連結されている。
上記ロアーリンク34は、略中央の連結孔に上記クランクピン部33が嵌合している。
アッパーリンク35は、下端側が連結ピン36によりロアーリンク34の一端に回動可能に連結され、上端側がピストンピン37によりピストン38に回動可能に連結されている。
上記ピストン38は、燃焼圧力を受け、シリンダブロックのシリンダ39内を往復動する。
制御リンク40は、上端側が連結ピン41によりロアーリンク34の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸42を介して機関本体例えばシリンダブロックの適宜位置に回動可能に連結されている。
制御リンク40は、上端側が連結ピン41によりロアーリンク34の他端に回動可能に連結され、下端側が制御軸42を介して機関本体例えばシリンダブロックの適宜位置に回動可能に連結されている。
詳しくは、制御軸42は、小径部42bを中心として回転するように機関本体に支持されており、この小径部42bに対し偏心している大径部42aに、上記制御リンク40下端部が回転可能に嵌合している。
上記のような可変圧縮比機構100においては、上記制御軸42がアクチュエータ43によって回動されると、小径部42bに対して偏心している大径部42aの軸中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。
上記のような可変圧縮比機構100においては、上記制御軸42がアクチュエータ43によって回動されると、小径部42bに対して偏心している大径部42aの軸中心位置、特に、機関本体に対する相対位置が変化する。
これにより、制御リンク40の下端の揺動支持位置が変化する。
そして、上記制御リンク40の揺動支持位置が変化すると、ピストン38の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン38の位置が高くなったり低くなったりする。
これにより、機関圧縮比を吸気行程中においても変えることが可能となる。
そして、上記制御リンク40の揺動支持位置が変化すると、ピストン38の行程が変化し、ピストン上死点(TDC)におけるピストン38の位置が高くなったり低くなったりする。
これにより、機関圧縮比を吸気行程中においても変えることが可能となる。
かかる構成の内燃機関において、前記機関コントロールモジュール(ECM)11は、各種機関制御(燃料噴射制御、点火制御等)と共に、前記可変圧縮比機構による圧縮比の制御を以下のように実行する。
図3は、基本的な第1の実施形態における圧縮比制御のフローを示す。このフローは、スタータスイッチ61のON動作により開始される(他のフローも同様)。
図3は、基本的な第1の実施形態における圧縮比制御のフローを示す。このフローは、スタータスイッチ61のON動作により開始される(他のフローも同様)。
図3において、ステップ(図ではSと記す。以下同様)1では、クランク角センサ5からのクランク角信号に基づいて検出される機関回転速度rNe1を読み込む。
ステップ2では、アクセル開度センサ61によって検出されるアクセル開度rAPO1を読み込む。
ステップ3では、水温センサ7によって検出される機関水温rTw1を読み込む。
ステップ2では、アクセル開度センサ61によって検出されるアクセル開度rAPO1を読み込む。
ステップ3では、水温センサ7によって検出される機関水温rTw1を読み込む。
ステップ4では、機関回転速度rNe1とアクセル開度rAPO1に基づいて、図4の基本目標圧縮比設定マップを参照し、該参照した基本目標圧縮比tε0を始動時の目標圧縮比tεとして設定する。この基本目標圧縮比tε0は、機関負荷を表すアクセル開度rAPO1が大きくなるほど低圧縮比に設定される。
ステップ5では、機関水温rTw1に基づいて図5に示したテーブルにより圧縮比の水温補正係数hosTwε1を算出する。ここで、前記水温補正係数hosTwε1は、機関水温rTw1が低いときほど大きい値(>1.0)に設定されている。
ステップ5では、機関水温rTw1に基づいて図5に示したテーブルにより圧縮比の水温補正係数hosTwε1を算出する。ここで、前記水温補正係数hosTwε1は、機関水温rTw1が低いときほど大きい値(>1.0)に設定されている。
ステップ6では、前記基本目標圧縮比tε0に水温補正係数hosTwε1を乗算して、最終的な目標圧縮比tεを設定する。
このようにすれば、以下のような効果が得られる。すなわち、図6,7に示すように、高水温となる暖機完了後では高負荷域で低圧縮比に制限されているのに対し、低水温時は燃焼室壁温度が低くノッキングが発生しにくくなるので、ノッキング発生限界からの圧縮比増加の余裕代が増大する。そこで、冷機状態から始動した場合におきる実際の水温変化に応じた上記水温補正係数hosTwε1による高精度な補正により、ノッキング発生限界まで目標圧縮比を暖機完了後より高めに設定することにより、図8に示すように、圧縮比を増大によって発生トルクを増大できることから、機関出力ひいては燃費を向上できる。
このようにすれば、以下のような効果が得られる。すなわち、図6,7に示すように、高水温となる暖機完了後では高負荷域で低圧縮比に制限されているのに対し、低水温時は燃焼室壁温度が低くノッキングが発生しにくくなるので、ノッキング発生限界からの圧縮比増加の余裕代が増大する。そこで、冷機状態から始動した場合におきる実際の水温変化に応じた上記水温補正係数hosTwε1による高精度な補正により、ノッキング発生限界まで目標圧縮比を暖機完了後より高めに設定することにより、図8に示すように、圧縮比を増大によって発生トルクを増大できることから、機関出力ひいては燃費を向上できる。
図9,図10は、第2の実施形態における圧縮比制御のフローを示す。
第1の実施形態では、燃焼室壁温度に相関する機関水温rTw1として、水温センサ7で検出される検出値を用いたが、本実施形態では、機関水温rTw1を機関負荷等から推定して得た推定値を用いる。
したがって、メインフローである図9では、ステップ3’では、水温センサ7から検出値を読込む代わりに水温を演算によって推定し、ステップ5’では、上記推定水温Twestに基づいて前記図5に示したテーブルにより圧縮比の水温補正係数hosTwε1を算出する。
第1の実施形態では、燃焼室壁温度に相関する機関水温rTw1として、水温センサ7で検出される検出値を用いたが、本実施形態では、機関水温rTw1を機関負荷等から推定して得た推定値を用いる。
したがって、メインフローである図9では、ステップ3’では、水温センサ7から検出値を読込む代わりに水温を演算によって推定し、ステップ5’では、上記推定水温Twestに基づいて前記図5に示したテーブルにより圧縮比の水温補正係数hosTwε1を算出する。
図10は、上記推定水温Twestを算出するフローを示す。
ステップ21では、機関負荷を表す値としてアクセル開度rAPO1を読み込む。
ステップ22では、本フローの初回かを判定し、初回のときは、ステップ23で始動後経過時間を計測するタイマーをクリアし(TMStENG=0)、ステップ24で推定水温負荷分上乗せ量をクリア(DLTTwest1=0、DLTTwest2=0)した後、ステップ25へ進み、2回目以降はステップ23,24をジャンプしてステップ25へ進む。推定水温負荷分上乗せ量の機能については後述する。
ステップ21では、機関負荷を表す値としてアクセル開度rAPO1を読み込む。
ステップ22では、本フローの初回かを判定し、初回のときは、ステップ23で始動後経過時間を計測するタイマーをクリアし(TMStENG=0)、ステップ24で推定水温負荷分上乗せ量をクリア(DLTTwest1=0、DLTTwest2=0)した後、ステップ25へ進み、2回目以降はステップ23,24をジャンプしてステップ25へ進む。推定水温負荷分上乗せ量の機能については後述する。
ステップ25では、基本推定水温Twest0を算出する。具体的には、始動後経過時間に基づいて、図11に示すテーブルを参照して算出する。図11は、始動時水温(例えば20°C)に対して無負荷運転したときの水温を設定してあり、始動後経過時間が増大するほど増大する。
ステップ26では、負荷水温補正係数HOSApoを算出する。具体的には、負荷(例えばアクセル開度rAPO1)に基づいて、図12に示すテーブルを参照して算出する。図12は、暖機運転中の負荷が高いときほど発生熱量による水温上昇度が大きいので大きい値に設定してある。
ステップ26では、負荷水温補正係数HOSApoを算出する。具体的には、負荷(例えばアクセル開度rAPO1)に基づいて、図12に示すテーブルを参照して算出する。図12は、暖機運転中の負荷が高いときほど発生熱量による水温上昇度が大きいので大きい値に設定してある。
ステップ27では、推定水温負荷増加分DLTTwest2を以下のようにして算出する。
まず、次式のように、上記基本推定水温Twest0に負荷水温補正係数HOSApoを乗じた値を、推定水温負荷増加分の今回の上乗せ量DLTTwest1として算出する。
まず、次式のように、上記基本推定水温Twest0に負荷水温補正係数HOSApoを乗じた値を、推定水温負荷増加分の今回の上乗せ量DLTTwest1として算出する。
DLTTwest1=Twest0×HOSApo
次に、以下のように、上記今回の上乗せ量DLTTwest1を前回の推定水温負荷増加分DLTTwest2に加算して今回の推定水温負荷増加分DLTTwest2を算出する。すなわち、始動後、毎回の負荷による上乗せ分を積算して推定水温負荷増加分を算出する。
次に、以下のように、上記今回の上乗せ量DLTTwest1を前回の推定水温負荷増加分DLTTwest2に加算して今回の推定水温負荷増加分DLTTwest2を算出する。すなわち、始動後、毎回の負荷による上乗せ分を積算して推定水温負荷増加分を算出する。
DLTTwest2
=DLTTwest2(前回値)+DLTTwest1
ステップ28では、次式のように、上記基本推定水温Twest0に推定水温負荷増加分DLTTwest2を加算して、推定水温Twestを算出する。
ステップ29では、以下のように前記始動後経過時間を計測するタイマーTMStENGをインクリメントする。
=DLTTwest2(前回値)+DLTTwest1
ステップ28では、次式のように、上記基本推定水温Twest0に推定水温負荷増加分DLTTwest2を加算して、推定水温Twestを算出する。
ステップ29では、以下のように前記始動後経過時間を計測するタイマーTMStENGをインクリメントする。
TMStENG=TMStENG(前回値)+1
そして、上記フローによって、推定水温Twestが算出される毎に、この推定水温Twestを用いて、図9のステップ5’で圧縮比の水温補正係数hosTwε1が算出される。
このようにすれば、始動後の経過運転時間及び負荷などから、実際の機関水温の値を精度良く予測して、冷機時の目標圧縮比の補正量を算出することができる。このように、水温や燃焼壁などを高価なセンサを用いること無く推定して、コスト低減や部品点数の削減効果などを得ることができる。
そして、上記フローによって、推定水温Twestが算出される毎に、この推定水温Twestを用いて、図9のステップ5’で圧縮比の水温補正係数hosTwε1が算出される。
このようにすれば、始動後の経過運転時間及び負荷などから、実際の機関水温の値を精度良く予測して、冷機時の目標圧縮比の補正量を算出することができる。このように、水温や燃焼壁などを高価なセンサを用いること無く推定して、コスト低減や部品点数の削減効果などを得ることができる。
また、予め水温センサなどが装着されている機関でも、万一センサの故障やケーブルの断線などが発生した場合であっても、推定した水温に基づいて的確な圧縮比補正量を算出して、燃費率や出力の増大効果を確保することができる。
なお、以上の実施形態では、燃焼室壁温度の代用として機関水温を用いるものを示したが、燃焼により燃焼室壁温度は機関水温に先行して上昇するので、水温センサで検出した実際の水温に、投入負荷量に応じた先行上昇分を増加補正して燃焼室壁温度を推定し、この推定値を用いて冷機時の目標圧縮比を補正する構成としてもよい。
なお、以上の実施形態では、燃焼室壁温度の代用として機関水温を用いるものを示したが、燃焼により燃焼室壁温度は機関水温に先行して上昇するので、水温センサで検出した実際の水温に、投入負荷量に応じた先行上昇分を増加補正して燃焼室壁温度を推定し、この推定値を用いて冷機時の目標圧縮比を補正する構成としてもよい。
1…内燃機関
5…クランク角センサ
7…水温センサ
10…スロットル開度センサ
11…機関コントロールモジュール
16…燃料噴射弁
34…ロアーリンク
35…アッパーリンク
40…制御リンク
42…制御軸
43…アクチュエータ
61…スタータスイッチ
100…可変圧縮比機構
5…クランク角センサ
7…水温センサ
10…スロットル開度センサ
11…機関コントロールモジュール
16…燃料噴射弁
34…ロアーリンク
35…アッパーリンク
40…制御リンク
42…制御軸
43…アクチュエータ
61…スタータスイッチ
100…可変圧縮比機構
Claims (6)
- 圧縮比を可変とする可変圧縮比機構を備えた内燃機関の制御装置であって、
暖機完了後の機関運転条件に基づいて設定した目標圧縮比に対して、冷機時の燃焼室壁温度状態に基づいて目標圧縮比を増加補正して設定し、前記可変動弁機構により圧縮比を前記目標圧縮比に制御することを特徴とする可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置。 - 前記冷機時の燃焼室壁温度状態に基づく目標圧縮比の増加補正量を、少なくとも機関冷却水温度を用いて算出することを特徴とする請求項1に記載の可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置。
- 前記目標圧縮比の増加補正量の算出に、実際に検出した機関冷却水温度を用いることを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置。
- 前記目標圧縮比の増加補正量の算出に、推定した機関冷却水温度を用いることを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置。
- 前記目標圧縮比の増加補正量の算出に用いる機関冷却水温度の推定値を、始動後経過時間により推定される基本値に負荷による増加分を加算して算出することを特徴とする請求項2に記載の可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置。
- 前記圧縮比可変機構は、
一端がピストンにピストンピンを介して連結されるアッパリンクと、
前記アッパリンクの他端が第1連結ピンを介して連結されるとともに、クランクシャフトのクランクピンに回転可能に取り付けられるロアリンクと、
このロアリンクに第2連結ピンを介して一端が連結されるとともに、他端が機関本体に対して揺動可能に支持されるコントロールリンクと、
圧縮比の変更時に、前記コントロールリンクの他端の位置を機関本体に対して変位させる支持位置可変手段と、
を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置。
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JP2003301309A JP2005069131A (ja) | 2003-08-26 | 2003-08-26 | 可変圧縮比機構付き内燃機関の制御装置 |
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- 2003-08-26 JP JP2003301309A patent/JP2005069131A/ja active Pending
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