JP2005065901A - 移動用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】患者を移動させる際の介護者の労力を低減させる移動用シートを提供する。
【解決手段】シート本体が円筒状または重ね合わされたシート状部材からなり、当該シート状部材が繊度81デシテックス以下の長繊維糸から構成された平織物であって、且つ繊維間カバー率が3000以上であることを特徴とする移動用シート。
【選択図】図1

Description

本発明は、自宅や施設、病院等において寝たきりの患者を介護する人が、患者の着替えやシーツ、敷き布団などの交換の際にベット上で患者を移動、方向転換させたり、また患者の検査や診察のために、ベッド等からストレッチャへ、ストレッチャから手術台や検査台等へ、あるいはその逆方向に患者を移動させるために用いる移動用シートに関するものである。
従来、自宅や施設、病院等で寝たきりの患者の衣服の着替えやシーツ交換、褥瘡防止のための***変更や、検査や治療のためのベッドまたはストレッチャへの移動をする時など、人手により患者を抱きかかえたり、引きずったり、持ち上げたりして患者を移動させていた。
このような患者の移動にはかなりの力を要し、特に体重の重い患者を持ち上げる場合は更に、複数の人手を必要とするものであった。
また、昨今では自宅で寝たきりの老人の介護を行う介護者も老人である場合やヘルパーの人が力の弱い女性であったりする場合も多く、しかも人手を集めることが困難であり一人で行わなくてはならないものとなっている。従って、患者を移動させることは介護者の体に多大な負担をかけるものであった。
また、患者の側も無理な体勢で移動させられたり、部分的に引っ張られたりすることがあり移動するにも苦痛を伴うものであった。
このような状況の中、介護者や患者の負担・苦痛を和らげ、患者の移動が容易な移動用の補助具として各種織編物やフィルムを用いた移動用シートが市販されるようになった。
公開特許公報においては患者を移動させることを目的とした移動用シートが提案されている。たとえば、平滑性布帛と波状布帛、あるいは畝方向の異なる別個の波状布帛同士を重ね、滑り合わせることで、相対するシート面間の摩擦抵抗を軽減させ、患者の移動、回動を容易にしたもの(特許文献1参照)、平滑シートと凹凸状シート同士を重ね、滑り合わせることで、相対するシート面間における摩擦抵抗を軽減させたもの(特許文献2参照)、ポリエチレン等の薄いフィルムを重ねたもの(特許文献3参照)等が提案されている。
特開平7−88134号公報 特開平10−234791号公報 特開2001−17471公報
しかしながら、特許文献1、2の表面形状あるいは断面形状の異なるシート同士を重ね合わせた移動用シートは、シートを滑らせる方向、あるいは重ね合わせる方向によっては、異なる表面形状同士あるいは断面形状同士の引っかかりにより滑り性が逆に悪くなるという問題があった。また、折り畳んで携帯するには、シートの表面形状あるいは断面形状が異なるためシート面同士がかみ合わず、シート面間の隙間が大きくかさ高となり、収納、携帯し難いという問題があった。
さらに、特許文献3のフィルムを重ねた移動用シートは、長期に渡り寝たきりの患者の移動に使用するには、しわになりやすく、滑り性が悪化しやすいという問題に加え、透水性を有さず洗濯性が悪いという問題があった。
このように従来の移動用シートはいずれも操作が容易であるものの、滑り性および携帯性、移動距離において十分な性能を満足しうるものではなかった。
そこで、本発明の目的はかかる従来技術の欠点を改良し、家庭や病院で手軽に使用でき、かつ、今まで以上にあらゆる方向への滑り性を向上させ、移動距離および携帯性に優れた移動用シートを提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の移動用シートは下記の構成から成る。
すなわち、本発明の移動用シートの一態様は、シート本体が円筒状または重ねあわされたシート状部材からなり、当該シート状部材が繊度81デシテックス以下の長繊維糸から構成された平織物であって、且つ繊維間カバー率が3000以上であることを特徴とするものである。この移動用シートにおいては、好ましくは相対するシート面を2組以上有することを特徴とするものである。さらに好ましくは、相対するシート面の地の目線が15度〜75度の角度で交差することを特徴とするものである。さらに好ましくは、該シート状部材の厚さが0.16mm以下の厚さであることを特徴とするものである。
本発明の移動用シートにより、自宅や病院等において寝たきりの患者を介護する人が、患者を動かす際、わずかな労力で移動させることができ、かつ持ち運びが容易で家庭や病院で手軽に使用できる移動用シートを得る事ができる。
以下、図面に示す一態様を参照しつつ、本発明の移動用シートを詳細に説明する。
図1は、本発明の移動用シートの一態様を示す斜視図であり、図2は、本発明の移動用シートの他の態様の例を示す斜視図である。図3は、本発明の移動用シートのさらに他の態様の例を示す斜視図である。図4は、図1、図2および図3に示した移動用シートのシート状部材2の拡大図である。図5は、図1に示した移動用シートのシート本体1の上面図である。また、図6は、図1に示した移動用シートのシート本体1の展開図である。
本発明の移動用シートは、患者を動かす際に患者とベット等との間で発生する摩擦抵抗による患者自身の人体への負担・苦痛や介護者の労力を低下させるため、患者とベット等との間に配置する。移動用シートのシート状部材同士を接触させ、滑らせるための相対するシート面を構成する必要があるため、シート状部材を重ね合わせた、あるいは円筒状の構造物とする。そのためには、例えば、図1に示すようにシート状部材2を重ね合わせて構成されるシート本体1を接合部5で接合した構造、あるいは図2に示すように一体のシート状部材2をS字型に折り重ねて構成されるシート本体1を接合部5で接合した構造、図3に示すように一体のシート状部材2を円筒状に形成した構造を有する。 ここで、シート本体1における接合部5を接合する場合、接合部5の接合方法としては、縫糸を用いたミシン縫製、接着テープを用いた接合、高周波ウエルダーや超音波ミシンなどによる溶着など、接合方法は通常用いられる方法でなんら差し支えない。
また、接合部5は折り返しなどにより内部に隠された態様が好ましい。接合部5を内部に隠すことによりシート本体1を滑らせる際、キャタピラ機構による運動、すなわち回動運動を行う場合、シート外側が平坦なため接合部5とベッドあるいは人体との引掛りがなく、回動が容易である。
なお、本発明において相対するシート面とは、シート状部材2同士の各接触面をいい、具体的には図1〜3における符号3の部分を指す。
本発明の移動用シートを構成する要素として、シート本体1を構成するシート状部材2の素材が繊度81デシテックス以下の長繊維糸からなり、且つ繊維間カバー率が3000以上の織物を用いるものである。
本発明でいう繊維間カバー率とは、図4に示すように平織物を構成する繊維の糸幅の、繊維間のすき間に対する被覆率を現したもので、経糸6の糸幅8の平方根と1インチあたりの経糸6の本数の積および緯糸7の糸幅9の平方根と1インチあたりの緯糸7の本数の積の合計としたものである。尚、本発明における糸幅の単位はμmとした。繊維間カバー率(K)は次計算式(1)で求める。
Figure 2005065901
Nt:経糸密度(本/inch)
Ny:緯糸密度(本/inch)
Dt:経糸糸幅(μm)
Dy:緯糸糸幅(μm)
シート状部材2の素材に用いる平織物の繊維間カバー率としては,3000以上であることが滑り性が良く好適である。シート状部材2に用いる平織物の繊維間カバー率が3000未満であると、平織物を構成する経糸6と緯糸7間の隙間10が広く、シート状部材2の滑り方向におけるせん断強力が低下し、シート状部材2を重ね合わせて滑らせる際、シート状部材2の滑り方向においてせん断変形が生じ滑り性が悪くなる。より好適には3000〜3500の範囲である。また経糸および緯糸の断面は特に限定されないが、楕円形状であることが糸幅が大きく繊維間カバー率大となり、より好ましい。
シート状部材2の素材に用いる平織物の繊維としては、長繊維であることが長期使用に耐えうる引張強度を有し、且つ表面が滑らかで全ての方向において滑り性が良く好適である。シート状部材2の素材にフィルムを用いると、引張強度が低く、使用中に破れる。シート状部材2の平織物の繊維に短繊維を用いると、シート状部材2を重ね合わせて滑らせる際、相対するシート面3において、織物を構成する短繊維の表面の毛羽による引掛りが生じ、滑り性が悪くなる。
シート状部材2の素材に用いる平織物の繊維の繊度としては,81デシテックス以下であることが滑り性が良く好適である。シート状部材2の素材に用いる繊維の繊度が82デシテックス以上であると、互いに交わりあって平織物を構成する経糸6と緯糸7間の高低差による段差が大きく、シート状部材2を重ね合わせて滑らせる際、相対するシート面3において、交わりあう経糸6と緯糸7間の高低差による段差が引掛り、滑り性が悪くなる。より好適には20デシテックス〜40デシテックスの範囲である。
また、本発明におけるシート状部材2の好適な組織構成として、図4に示すように、シート状部材2に用いる織物の織組織が平織物からなるものである。シート状部材2に用いる織物の織組織が綾織物あるいは朱子織物からなる織物を用いると、シート状部材2を重ね合わせて滑らせる際、シート状部材2を重ねる方向あるいは滑らせる方向により、相対するシート面3において、織物表面の畝による引掛りが生じ、滑り性が悪くなる。
本発明においては、シート状部材2の表面を平滑にし、引張強度を高めることにより、円筒状または重ね合わされたシート状部材2の相対するシート面3における滑り性を高めることが可能となる。
また、本発明の移動用シートを構成する他の要素として、図1、2および図6に示すようにシート本体1の機構において、シート状部材2の相対するシート面を2組以上設けて滑り合わせる機構とすることが好ましい。図1および図6の例ではシート状部材2を3枚重ねとし、重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の組数を1枚目シート状部材2a−2枚目シート状部材2b間、および2枚目シート状部材2b−3枚目シート状部材2c間の計2組としたものである。
本発明における移動用シートは、重ね合わされたシート状部材2における相対するシート面3の組数を増すことにより、相対するシート面3間の滑り合わせによる相対移動距離を増加させ、シート本体1の移動距離をより多くさせることができるものであり、シート本体1の機構において、相対するシート面の組数は何組であってもよい。より好適には2〜4組の範囲が嵩張らず、シート本体1の移動距離および携帯性共に良く、より好ましい。
本発明においては、シート状部材2の相対するシート面を2組以上設けた機構とすることにより、重ね合わされたシート状部材2における相対するシート面3間の滑り合わせによる相対移動距離を増加させ、シート本体1の移動距離をより多く満足させることが可能となる。
なお、相対するシート面3を構成する方法としては、図1の複数枚のシート状部材2を積層する方法、図2の一枚のシート状部材2を折りたたむ方法、図3の円筒状のシート状部材2を使用する方法等があるが、もちろん、これらを組み合わせることも可能である。また、例えば円筒状のシート状部材2を2枚積層し接合すれば、相対するシート面3が3組となるシート本体1を作成することもできる。
また、相対するシート面3は2方向が開放されている態様、すなわち図1〜3のように2方向が接合された態様が好ましい。4方向または3方向が接合されていると、キャタピラ機構による運動、すなわち回動運動が行えず、シート面3の滑り合わせによる相対移動距離が少なく満足する効果が得にくい。また、3方向または4方向が開放されている、すなわち1方向のみ接合された態様または接合部を有さない態様では、自由度が大きく移動範囲は広いものの、まとまりがつきにくく収納性、携帯性という点でやや劣るものとなる。
また更に、本発明の移動用シートを構成する他の要素として、図5および図6に示すように、円筒状または重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の地の目線が15度〜75度の角度で交差することが好ましい。
ここでいう地の目線とは、図4に示すように、シート状部材2を構成する経糸6および緯糸7それぞれの軸方向のことであり、経糸6の地の目線11と緯糸7の地の目線12とからなる。
相対するシート面3における地の目線の交差角度13は、15度〜75度であることが、滑り性が良く、好適である。15度以下であると、相対するシート面3同士を滑り合わせる際、経糸6同士あるいは緯糸7同士が引掛り、滑り性が向上しない。逆に75度以上であると、相対するシート面3を滑り合わせる際、経糸6と緯糸7が引掛り、滑り性が向上しない。より好適には35度〜55度の範囲が好ましい。
図5および図6の例ではシート状部材2を3枚重ね合わせ、重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3における経糸6の地の目線11同士および緯糸7の地の目線12同士の交差角度13、すなわち1枚目シート状部材2aの経糸6の地の目線11aと2枚目シート状部材2bの経糸6の地の目線11b間、2枚目シート状部材2bの経糸6の地の目線11bと3枚目シート状部材2cの経糸6の地の目線11c間、および1枚目シート状部材2aの緯糸7の地の目線12aと2枚目シート状部材2bの緯糸7の地の目線12b間、2枚目シート状部材2bの緯糸7の地の目線12bと3枚目シート状部材2cの緯糸7の地の目線12c間における地の目線同士の交差角度13を45度とし、シート本体1を構成したものである。
本発明においては、円筒状または重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の経糸6および緯糸7の地の目線を互いに交差させ滑り合わせることにより、より高い滑り性を満足させることが可能となる。
また更に、本発明の移動用シートの好ましい態様として、シート状部材2の厚さ4が0.16mm以下であることが携帯性が良く好適である。
シート状部材2の厚さ4が0.17mm以上であると、折り畳み収納する際、折り畳まれたシート本体1が嵩張り、携帯性が悪くなる。より好適には0.05〜0.12mmの範囲が好ましい。
本発明の移動用シートは、より携帯性を高めるため、図1に示すようにシート本体1と一体、あるいは単独に、シート本体1を収納するためのポケット14を設けたものであってもよい。その際、シート状部材2の厚さ4が0.17mm以上であると、シート本体1の厚さが大きく収納が困難であるため、ポケットに若干のすき間、すなわちマチを設ける必要があり、作成に手間を要するが、シート状部材2の厚さ4が0.16mm以下であると、ポケットにマチを設けずともシート本体の1の収納が容易となり、好適である。
本発明においては、シート状部材2の厚さ4を薄くすることにより、シート本体1の携帯性を高めることが可能となる。
本発明におけるシート本体1を構成するシート状部材2は、消臭、抗菌性を付与するために消臭剤や抗菌剤を添加したり、防水性を付与するためのウレタンやアクリル等をコーティングして用いてもよく、さらには、人体と接する面、すなわちシート本体1の外側に位置するシート状部材2のシート面において、人体の滑りを防止する防滑剤のコーティング、フィルム等をラミネートしたものであってもよいし、吸汗性を付与するためのタオルや中綿を挿入したキルティング状の布帛を設けたものであってもよい。またさらに、円筒状または重ね合わされたシート状部材2の相対するシート面3において、より滑り性を高めるためにフッ素系やシリコン系の仕上げ剤を添加することはなんら差し支えない。
本発明におけるシート状部材2の素材となる繊維は、天然繊維、化学繊維、合成繊維のいずれでもよく、より好適にはポリアミドやポリエステル等のフィラメント糸が滑り性や耐摩耗性に優れ、より好ましい。特にフッ素繊維を用いた場合、高い滑り性を有し、より滑り性に優れた移動用シートを構成することが可能となり、より好ましい。
本発明の移動用シートは、被介護者だけでなく健常者においても、車下や高さの低い台下に仰向けの姿勢で潜り作業を行う際、背中に敷いて使用することにより人体の移動を容易にすることが可能となる。つまり、介護具だけでなく、移動用シートとして広く使用することができる。
以下、本発明を実施例および比較例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例および比較例において用いた移動用シートの滑り性、移動距離、携帯性の評価基準を表1に示す。評価点数の合計点数を総合評価とし、総合評価が大きいものほど優れている。
(1)滑り性評価
移動用シート上に荷重を載せ、前後左右に引張ったときの摩擦係数を5段階で評価した。摩擦係数の測定方法はJIS K 7125を使用し、荷重1kg、引張速度1m/minで引張ったときの摩擦係数を測定した。本発明の移動用シートは、評価点数が高い、すなわち摩擦係数が小さいほど滑り性に優れている。評価点4点以上、すなわち摩擦係数2.5未満の範囲を有効とした。評価基準を表1に示す。
(2)移動距離評価
移動用シート上に実際に人(患者役、体重約60kg)を横たえ、移動方向として左右の方向(患者役からみて横方向)に一直線上に移動させたときの移動距離を金尺を使用して実寸測定し、5段階で評価した。本発明の移動用シートは、評価点数が高いほど移動距離に優れている。評価点3点以上、すなわち移動距離40cm以上の範囲を有効とした。評価基準を表1に示す。
(3)携帯性評価
80cm×75cmの移動用シートを16折りに折り畳んだときの厚さを測定し、5段階で評価した。厚さの測定方法は、JIS L 1096 普通法を使用し、23.5kpaの圧力をかけたときの厚さを測定した。本発明の移動用シートは、評価点数が高い、すなわち折り畳んだ時の厚さが薄いほど携帯性に優れている。評価点4点以上、すなわち折り畳んだ時厚さ6mm未満の範囲を有効とした。評価基準を表1に示す。
Figure 2005065901
(実施例1)
図1、図5、図6および表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が繊度33デシテックスのポリエステル長繊維糸から構成された繊維間カバー率3276、厚さ4が0.06mmの平織物であり、シート状部材2を3枚重ね合わせ、重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の組数を1枚目シート状部材2a−2枚目シート状部材2b間、および2枚目シート状部材2b−3枚目シート状部材2c間の計2組とし、相対するシート面3間における経糸6の地の目線11同士および緯糸7の地の目線12同士の交差角度13を45度とし、互いに交差させシート本体1を構成した移動用シートの、滑り性、移動距離、携帯性を、表1の評価基準により5段階で評価し、各評価項目の合計点数を総合評価とした。表3にその結果を示す。
なお、経糸6の糸幅8は181.7μm、緯糸7の糸幅9は265.8μmとし、密度は経糸6、緯糸7共に110本/インチとした。また、シート本体1の接合部5方向の寸法は80cm、接合部5方向に直交する方向の寸法は75cmとした。接合部5はミシン縫製により接合し、シート状部材2を接合部5で折り返し、接合部5がシート本体1の内側にくるように設けた。また、1枚目シート状部材2aにポケット14をシート本体1と一体となるように設けた。
(実施例2)
表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が繊度49デシテックスのナイロン長繊維糸から構成された繊維間カバー率3100、厚さ4が0.07mmの平織物であり、シート状部材2を4枚重ね合わせ、重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の組数を3組とし、相対するシート面3間における経糸6の地の目線11同士および緯糸7の地の目線12同士の交差角度13を75度とし、互いに交差させシート本体1を構成した移動用シートの、滑り性、移動距離、携帯性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、経糸6の糸幅8および緯糸7の糸幅9は共に240.3μmとし、経糸6の密度および緯糸7の密度は共に100本/インチとし、その他の構成は実施例1と同様にした。
(実施例3)
表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が繊度60デシテックスのポリエステル長繊維糸から構成された繊維間カバー率3012、厚さ4が0.13mmの平織物であり、シート状部材2を2枚重ね合わせ、重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の組数を1組とし、、相対するシート面3間における経糸6の地の目線11同士および緯糸7の地の目線12同士の交差角度13を15度とし、互いに交差させシート本体1を構成した移動用シートの、滑り性、移動距離、携帯性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、経糸6の糸幅8および緯糸7の糸幅9は共に280.0μmとし、経糸6の密度および緯糸7の密度は共に90本/インチとし、その他の構成は実施例1と同様にした。
(実施例4)
表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が繊度80デシテックスのポリエステル長繊維糸から構成された繊維間カバー率3050、厚さ4が0.16mmの平織物であり、シート状部材2を2枚重ね合わせ、重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の組数を1組とし、相対するシート面3間における経糸6の地の目線11同士および緯糸7の地の目線12同士の交差角度13を0度とし、シート本体1を構成した移動用シートの、滑り性、移動距離、携帯性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、経糸6の糸幅8および緯糸7の糸幅9は共に290.1μmとし、経糸6の密度および緯糸7の密度は共に90本/インチとし、その他の構成は実施例1と同様にした。
(比較例1)
実施例4の移動用シートにおいて、シート状部材2の繊度が89デシテックス、繊維間カバー率が2952、厚さ4が0.20mmである場合の、滑り性、移動距離、携帯性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、経糸6の糸幅8および緯糸7の糸幅9は共に300.0μmとし、経糸6の密度および緯糸7の密度は共に84本/インチとした。
(比較例2)
実施例4の移動用シートにおいて、シート状部材2の繊度が90デシテックス、繊維間カバー率が3100、厚さ4が0.19mmであり、シート状部材2の織組織が綾織物である場合の、滑り性、移動距離、携帯性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、経糸6の糸幅8および緯糸7の糸幅9は共に305.0μmとし、経糸6の密度および緯糸7の密度は共に88本/インチとした。
(比較例3)
表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2が繊度120デシテックスの綿短繊維糸から構成された繊維間カバー率が2900、厚さ4が0.23mmの平織物であり、シート状部材2を3枚重ね合わせ、重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の組数を2組とし、相対するシート面3間における経糸6の地の目線11同士および緯糸7の地の目線12同士の交差角度13を5度とし、互いに交差させシート本体1を構成した移動用シートの、滑り性、移動距離、携帯性の評価を行った。表3にその結果を示す。
なお、経糸6の糸幅8および緯糸7の糸幅9は共に350.0μmとし、経糸6の密度および緯糸7の密度は共に77本/インチとし、その他の構成は実施例1と同様にした。
(比較例4)
表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2の厚さ4が0.22mmのフィルム状シートを2枚重ね合わせ、重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の組数を1組とし、シート本体1を構成した移動用シートの、滑り性、移動距離、携帯性の評価を行った。表3にその結果を示す。なお、その他の構成は実施例1と同様にした。
(比較例5)
表2に示した移動用シート、すなわちシート状部材2における厚さ4が0.30mmのゴム製シートより構成された移動用シートの、滑り性、移動距離、携帯性の評価を行った。表3にその結果を示す。なお、その他の構成は実施例1と同様にした。
表3から明らかなように、本発明の移動用シートは、シート状部材2の繊度が小さいほど、または繊維間カバー率が大きいほど滑り性の優れた移動用シートとなった。また重ね合わせるシート状部材2の相対するシート面3における経糸6の地の目線11同士および緯糸7の地の目線12同士の交差角度13を15度〜75度とした場合、より滑り性の優れた移動用シートとなった。
また、重ね合わされたシート状部材2において、相対するシート面3の組数を1組設けた場合、比較例に対して移動距離に変化は見られなかったものの、重ね合わされたシート状部材2の相対するシート面3の組数を2組以上設けた場合、移動距離の優れた移動用シートとなった。
また更に、シート本体1において、シート状部材2の厚さ4が薄いほど、携帯性の優れた移動用シートとなった。
すなわち、本発明の移動用シートは、発明の要素を多く満たす程、総合評価は高いものとなった。以上の結果を表2と表3に示す。
Figure 2005065901
Figure 2005065901
本発明は、自宅や施設、病院等において寝たきりの患者を介護する人が、患者の着替えやシーツ、敷き布団などの交換の際にベット上で患者を移動、方向転換させたり、また患者の検査や診察のために、ベッド等からストレッチャへ、ストレッチャから手術台や検査台等へ、あるいはその逆方向に患者を移動させるための移動用シートして利用することができる。
本発明の移動用シートの一態様を示す斜視図である。 本発明の移動用シートの他の態様の例を示す斜視図である。 本発明の移動用シートの他の態様の例を示す斜視図である。 図1、図2および図3に示した移動用シートのシート状部材の拡大図である。 図1に示した移動用シートのシート本体1の上面図である。 図1に示した移動用シートのシート本体1の展開図である。
符号の説明
1:シート本体
2:シート状部材
2a:1枚目シート状部材
2b:2枚目シート状部材
2c:3枚目シート状部材
3:シート状部材の相対するシート面
4:シート状部材の厚さ
5:シート本体の接合部
6:シート状部材の経糸
7:シート状部材の緯糸
8:経糸の糸幅
9:緯糸の糸幅
10:経糸−緯糸間の隙間
11:経糸の地の目線
11a:1枚目シート状部材の経糸の地の目線
11b:2枚目シート状部材の経糸の地の目線
11c:3枚目シート状部材の経糸の地の目線
12:緯糸の地の目線
12a:1枚目シート状部材の緯糸の地の目線
12b:2枚目シート状部材の緯糸の地の目線
12c:3枚目シート状部材の緯糸の地の目線
13:地の目線同士の交差角度
14:ポケット

Claims (4)

  1. シート本体が円筒状または重ね合わされたシート状部材からなり、当該シート状部材が繊度81デシテックス以下の長繊維糸から構成され、且つ繊維間カバー率が3000以上である平織物であることを特徴とする移動用シート。
  2. 相対するシート面を2組以上有することを特徴とする請求項1に記載の移動用シート。
  3. 相対するシート面のシート部材の地の目線が15度〜75度の角度で交差することを特徴とする請求項1または2に記載の移動用シート。
  4. 該シート状部材の厚さが0.16mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の移動用シート。
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