JP2005065752A - Mri用磁場発生装置 - Google Patents

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Masaru Higuchi
大 樋口
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Abstract

【課題】MRI用磁場発生装置において、撮像中に傾斜磁場コイルから発生する熱によって磁極片の温度が上昇するのを軽減させる。
【解決手段】空隙を隔てて対向し、厚み方向に磁化された1対の永久磁石と、永久磁石の組み合わせの外側に設けられ永久磁石を支持する継鉄と、永久磁石の対向する面側の夫々に設けられ、対向する向きに周辺突起部を有する1対の磁極片7と、磁極片7の対向する面側であって突起部の内側の夫々に設けられ、空隙を隔てて対向する1対の傾斜磁場発生手段9と、傾斜磁場発生手段9と磁極片7との間に設けられた第1の熱伝導抑制手段16とを備え、1対の磁極片間に磁場を発生させるMRI用磁場発生装置、および、傾斜磁場発生手段9の対向する面側の各々に設けられた送信コイル11と、傾斜磁場発生手段9と送信コイル11との間に設けられた第2の熱伝導抑制手段17とを備えるMRI用磁場発生装置を提供する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気共鳴断層撮影装置(MRI)に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気共鳴断層撮影装置(MRI)は、磁気共鳴現象を利用した断層撮影装置であり、医療診断などに盛んに使用されている。従来、MRIの磁場発生用として、常伝導電磁石、超伝導電磁石等が使用されているが、最近の高特性希土類永久磁石の開発により、希土類永久磁石(以下単に永久磁石という)をMRIの磁場発生用として使用することが、例えば0.5T(テスラ:kg・s−2・A−1)以下の低磁場の機種では主流となってきている。
【0003】
図5を参照して従来のMRI用磁場発生装置及びこの装置に使用する磁極片などの1例を説明する。図5はMRI用磁場発生装置100の側面方向から見た断面図である。図5において、実質的に平行な板状継鉄101及び102は柱状継鉄103で支持されている。この一対の板状継鉄101及び102には、好ましくは、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、Sm−N−Fe系からなる群から選ばれる永久磁石であって、略円盤状の永久磁石104及び105が対向して設けられている。更に、これらの永久磁石104及び105の対向する面には、好ましくは夫々ベース(基部)が略円盤形の磁極片106及び107が取り付けられている。永久磁石104及び105は夫々厚み方向で、実質的に同じ向きに磁化されている。
【0004】
一方、磁極片106及び107の周辺部(即ちベースの周辺部)には、夫々対向する向きに周辺突起部106b及び107bが設けられている。周辺突起部106b及び107bの夫々は、磁極片106及び107間の空間の略々中央部に形成される磁場の強度を均一にするためのものであり、好ましくは、突起部の高さは略一定である。磁極片106及び107は、例えば、低炭素鋼或いは継鉄などの軟鉄材からなるベース106a,107aの上にソフト磁性材料からなる周辺突起部106b,107bを積層したものである。
【0005】
また、磁極片106及び107の空隙側の凹部には、対向する磁極片の空隙側に傾斜磁場を発生させるために一対の傾斜磁場発生手段108及び109が設けられている。この傾斜磁場発生手段の主たる目的は、磁極片空隙側の磁場均一空間に対して意図的に磁場の均一性を線形に乱すことである。このとき、該不均一磁場を含むNMR信号を受信すれば、信号の画像化の際に空間情報を付随することができる。尚、好ましくは、傾斜磁場発生手段108及び109として、3次元座標のX軸、Y軸、Z軸に一致した3つの直交した傾斜磁場コイルが用いられる。尚、傾斜磁場コイルの技術としては、特許文献1などが挙げられる。
【0006】
ここで、図5に示した磁極片部の拡大断面図6を用いて、更に傾斜磁場発生手段から磁極片空隙方向の構造を詳しく説明する。例えば傾斜磁場発生手段108、109の空隙側には、好ましくは、送信コイル110、111としてRF波発信装置、磁場調整機構112、113そして被験者搬入用テーブル114等が装着される。
【0007】
送信コイル110、111は、撮影される対象にRFパルスと呼ばれる特定の周波数を有する電磁波を照射するためのものである。送信コイル110、111は、特に限定されるものではないが、傾斜磁場発生手段108、109の空隙側、好ましくは磁場調整機構112、113の空隙側に設けることができる。
【0008】
また、傾斜磁場コイル108,109の空隙側に設置されている磁場調整機構111,112は、MRI用磁場発生装置の病院等での設置作業の際に最終的な磁場調整を行うための道具で、特に限定されるものではないが、例えば図7のように、10〜200個程度の磁場調整用穴115が空いた非磁性材料の板を用いることができる。磁場調整機構111,112の有する磁場調整用穴115に任意の磁石片または鉄等の磁性体片を挿入することにより、磁極片空隙側の磁場均一性を高めることが出来る。
【0009】
さらに、磁極片表面に発生する渦電流によって、撮像に用いられる受信信号が阻害されないために、RF波シールド(図示しない)を、特に限定されるものではないが、例えば、傾斜磁場発生手段108,109と送信コイル110、111との間に設けることができる。RF波シールドは、例えば、鋼、ステンレスまたはアルミ等の非磁性導電性薄体と絶縁性樹脂等を積層して形成される。
【0010】
【特許文献1】
特開昭63−65848号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
永久磁石式を含むMRI用磁場発生装置は、傾斜磁場発生手段から発生される交番磁界によって撮像位置情報等を得る。一方で、近年の撮像性能の向上により使用される磁界が高周波かつ強磁界となってきているうえに、撮像中はこのような磁界が傾斜磁場発生手段に頻繁に印加されるため、渦電流による損失等により傾斜磁場発生手段から発生する熱が、磁極片の表面付近で80℃以上に達することもあり、最悪の場合、磁極片およびその周辺装置を破損させてしまうことがある。
【0012】
従って、本発明は、MRI用磁場発生装置において、撮像中に傾斜磁場コイルから発生する熱によって磁極片の温度が上昇するのを軽減させることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明によると、傾斜磁場発生手段をMRI用磁場発生装置の磁極片に組み込む際に、傾斜磁場発生手段と磁極片の間に空隙を与え、好ましくは熱伝導性の低いスペーサで傾斜磁場発生手段を磁極片に固着したり、または送信コイルと傾斜磁場発生手段との間にある磁場調整機構についても高耐熱性を有する部材を用い、または磁場調整機構を設けずに送信コイルと傾斜磁場発生手段との間を空隙にしたことを特徴とするMRI磁界発生装置が提供される。
【0014】
換言すると、本発明によると、空隙を隔てて対向し、厚み方向に磁化された1対の永久磁石と、該永久磁石の組み合わせの外側に設けられ該永久磁石を支持する継鉄と、該永久磁石の対向する面側の夫々に設けられ、対向する向きに周辺突起部を有する1対の磁極片と、該磁極片の対向する面側であって突起部の内側の夫々に設けられ、空隙を隔てて対向する1対の傾斜磁場発生手段と、該傾斜磁場発生手段と該磁極片との間のいずれか一方または両方に設けられた第1の熱伝導抑制手段とを備え、該1対の磁極片間に磁場を発生させるMRI用磁場発生装置が提供される。また、前記傾斜磁場発生手段の対向する面側の各々に設けられた送信コイルと、傾斜磁場発生手段と該送信コイルとの間のいずれか一方または両方に設けられた第2の熱伝導抑制手段とを備え、該1対の磁極片間に磁場を発生させるMRI用磁場発生装置が提供される。さらに、上記の第1および第2の熱伝導抑制手段の両方を備えたMRI用磁場発生装置も提供することができるものである。
【0015】
本発明の発明者は、図5に例示したMRI用磁場発生装置における傾斜磁場発生手段等の構成部材を、より耐熱性を有する配置に変更した結果、磁極片に設けられる傾斜磁場コイルの表面または裏面に、一定の空隙または耐熱性部材を設けることが有効であることを知見し、本発明に到達したものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。もっとも、以下の本発明に係る実施の形態は本発明を限定するものではない。なお、本発明にかかるMRI磁場発生装置の基本構成および原理は、図5に例示した従来のMRI磁場発生装置に順ずるものである。既に説明した図5と同様とすることができるMRI用磁場発生装置の構成部については説明を省略するか或いは簡単な説明に止める。
【0017】
図1を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、本発明は上下磁極片部の周辺機構に係わるものであるが、発明の構成をわかりやすくするために、図1には本実施の形態に係る下側の磁極片7のみを示す。従って図1は下側の磁極片7を、継鉄、永久磁石等を除いて表現したものである。
【0018】
本実施の形態のMRI用磁場発生装置は、上記したように永久磁石上に、好ましくは環状の周辺突起部7bを有する磁極片7と、傾斜磁場発生手段として傾斜磁場コイル9と、送信コイル11とを備えてなる。本発明に用いる永久磁石としては、フェライト、希土類磁石等を用い、特に限定されるものではないが、Nd−Fe−B系、Sm−Co系、Sm−Fe−N系希土類焼結磁石を用いることが更に好ましい。永久磁石の形状は、円、四角形等であり、特に限定しないが、形成される磁極片7と同様な形状がよく、それぞれの重量、体積、材質にもよるが、磁極片7の底面積に対し、磁石の底面積を102〜105%とすることが、磁気効率や磁場均一性の確保の点から好ましい。磁化の方向は、互いに向き合う永久磁石の面に実質的に垂直な方向(厚さ方向)であると好ましい。
【0019】
また、本発明に用いる継鉄は、従来と同様とすることができ、例えば、実質的に平行な一対の板状継鉄を柱状継鉄で支持し、この板状継鉄の対抗する面に永久磁石を設けることができるタイプで、C型、ロ型、二本柱型の場合も含まれる。
【0020】
本発明に用いる磁極片7としては、低炭素鋼や純鉄等その他飽和磁束密度の高い材料を使用することができる。磁極片7は磁場均一化作用を有し、さらに磁極片7の内側に組み込まれる傾斜磁場コイル9は、撮像時の位置情報を付加する作用を有するものである。磁極片の厚みや径方向の寸法等の諸条件は、磁場発生装置の発生する磁界強度や機械強度、および磁場均一性等によって制約されるため、このような条件に応じて適宜決定することができる。また、磁極片7に付加する鉄片等により磁場の均一度を調整することもできる。本発明に用いる磁極片7は、磁場空間の均一性を保持するために、好ましくは、磁極片7のベース7aの周縁に設けられた周辺突起部7bを有する。なお、均一な磁場とは、MRI用磁場発生装置として許容できる範囲の均一性を有する磁場であり、通常最低値と最高値とが、磁場平均値に対して±50ppmの範囲に入ることが必要である。磁極片7の組成は、好ましくは、低炭素鋼、純鉄等の軟鉄からなるベース7aとさらに空隙側にケイ素鋼板等の軟磁性材料を積層した周辺突起部7bから構成され、周辺突起部7bの面積は、好ましくは磁極片7の全面積の10〜30%である。
【0021】
本発明に用いる傾斜磁場発生装置として、傾斜磁場コイル9を磁極片7の空隙側に設けることができる。好ましくは、傾斜磁場コイル9は、周辺突起部7bを有する磁極片7の凹部に形成される。傾斜磁場コイル9により、磁極片7の空隙側の磁場均一空間に対して意図的に磁場の均一性を線形に乱すことができる。このとき、該不均一磁場を含むNMR信号を受信すれば、信号の画像化の際に空間情報を付随することができる。傾斜磁場コイル9は、一般的に銅線から構成されるコイル部と基板とからなる。傾斜磁場コイル9の大きさは、線形の傾斜磁場を発生させる必要がある撮像領域の大きさによって決定されるが、一般には磁極片7の面積に対して70〜90%の面積を有し、厚さは15〜30mm程度である。
【0022】
また、本発明に用いる磁場調整機構は、従来と同様とすることができ、例えば、上記したように、10〜200個程度の磁場調整用穴115が空いた非磁性材料の板を傾斜磁場コイルの空隙側に設けることができる。磁場調整機構の有する磁場調整用穴に任意の磁石片または鉄等の磁性体片を挿入することにより、磁極片空隙側の磁場均一性を高めることが出来る。
【0023】
また、本発明に用いる送信コイルは、従来と同様とすることができ、例えば、一対の傾斜磁場発生手段の空隙側、好ましくは磁場調整機構の空隙側に、送信コイルとしてRF波発信装置を設けることができる。
【0024】
特に限定されるものではないが、本発明に用いる熱伝導抑制手段は、スペーサを含んでなり、このスペーサにより空隙を形成してもよく、また、本発明に用いる熱伝導抑制手段は、非磁性体を含んでいるものであり、特に、非磁性絶縁体を選ぶことが好ましい。また、熱伝導抑制手段は、上下の傾斜磁場コイルのいずれか一方または両方に設けることができ、好ましくは、上下の傾斜磁場コイルの両方に設ける。
【0025】
本実施の形態にかかるMRI用磁場発生装置は、傾斜磁場コイル9の裏面および表面に、熱伝導抑制手段として第1の耐熱性スペーサ16、および第2の耐熱性スペーサ17を用いることを特徴としている。傾斜磁場コイル9の表面、すなわち傾斜磁場コイル9と送信コイル11との空隙に第2のスペーサ17を記してあるが、この空隙を用いて磁場調整を行う場合は、後に詳述するように、非磁性絶縁体として耐熱性樹脂等で作製された磁場調整機構を、熱伝導抑制手段として傾斜磁場コイル9と送信コイル11との間に挿入しても良い。
【0026】
熱伝導抑制手段(好ましくはスペーサ16,17)として、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリイミド系樹脂等の耐熱性樹脂、アルミナ等のセラミックス、その他コルク材や硬質スポンジゴム等の非磁性絶縁体を用いることができる。単に耐熱性スペーサを用いるとすれば、金属等のスペーサを用いることも勿論有効である。しかし、金属の場合では熱伝導性が高いため、スペーサを介して熱を伝達してしまい、装置が破損される恐れがある。従ってスペーサには熱伝導性の低い部材、例えば、高耐熱性を有する部材、絶縁性樹脂を用いることがさらに好ましい。特に、熱伝導抑制手段(好ましくはスペーサ16,17)の熱伝導率は、1.0W/m・K以下であると好ましい。なお、本明細書において、熱伝導率は以下の測定方法によるものをいう。すなわち、すなわち、平板直接法、例えばJIS A 1413に代表されるような一般的な計測方法を用いればよい。
【0027】
また、スペーサ16,17の形状は、特に限定されるものではなく、円柱状、四角柱状等の任意の形状とすることができる。さらに、図3に例示するように、スペーサ16,17は、傾斜磁場コイル9と磁極片7または送信コイル11とを固着させるためのフランジ部16aを有すると好ましい。フランジ部を設けることにより、傾斜磁場コイル9をより安定に固着させることができる。また、熱の伝達をより少なくするために、底面に平行な面でのスペーサの断面積は、傾斜磁場コイルが安定に固着される範囲で、より小さいと好ましい。同様に、スペーサの数は、傾斜磁場コイルが安定に固着される範囲で、より少ないと好ましい。具体的には、特に限定されるものではないが、スペーサの断面積は、500〜1200mmが好ましく、各傾斜磁場コイルに対して、4〜20個のスペーサを設けることが好ましい。また、コイル断面積に対して、好ましくは1〜20%、さらに好ましくは2〜8%の面積でスペーサを設けることが好ましい。
【0028】
また、特に限定されるものではないが、スペーサ16,17の厚みは、5〜30mmであると好ましい。すなわち、傾斜磁場コイル9と磁極片7との間の距離については、装置の放熱性等を考慮すれば広いほど効果があるが、エンハンスと呼ばれる傾斜磁場コイル9により発生する磁場の磁気効率の向上を考慮した場合、磁極片7と傾斜磁場コイル9との間の距離は近い方が良い。そのため、これらの構成部品間の距離は、勿論MRI装置の大きさや磁場強度等にもよるが、凡そ5〜30mm以内の距離になるようにスペーサ16,17を設けることが好ましい。
【0029】
また、傾斜磁場コイル9と送信コイル11との間の距離については、その領域が空隙であっても、その領域が磁場調整機構を有する場合であっても、同様に、ある程度の距離範囲であることが望ましい。特に、図2に示すようにRF波シールド18を送信コイル11の下に設けるような場合では、RF波シールド18の送信RF波への干渉を防ぐために、5〜30mm程度の間隔L2がRF波シールド18と送信コイル11との間にあることが好ましい。
【0030】
また、スペーサ16,17を設ける位置は、特に限定されるものではなく、傾斜磁場コイル9を安定に固着するために任意の位置に配置することができる。具体的には、特に限定されるものではないが、スペーサ16,17は、ボルト等で磁極片等に固着する前に、傾斜磁場コイル導線部と干渉しないように固定位置が決定されるが、その際にコイル等の面に対し、できる限り均等に固定ボルトで配置されるようにして、コイルの振動や該振動に伴う騒音を抑制してコイル上に配置されることが望ましい。また、傾斜磁場コイル9と磁極片7との間に空隙を設けるためのスペーサ16は、上述したように、傾斜磁場コイル9と磁極片7のベース部7aとの間に配置する他、傾斜磁場コイル9の側面と磁極片7の周辺突起部7bとの間に配置することもできる。また、スペーサ16,17は、傾斜磁場コイル9を安定に固着されれば、任意の方法で、傾斜磁場コイル9と磁極片7または送信コイル11とに固定させることができる。具体的には、特に限定されるものではないが、非磁性ボルトや接着剤等を用いて固定することができる。
【0031】
また、本発明の別の実施の形態によると、傾斜磁場コイル9と送信コイル11との間に空隙を設けるための第2の熱伝導抑制手段を設け、該熱伝導抑制手段として非磁性絶縁体を設けてもよい。具体的には、特に限定されるものではないが、上述した磁場調整機構13を非磁性絶縁体から形成し、この磁場調整機構13と傾斜磁場発生手段9との間にRFシールド18を含むように、磁場調整機構13をさらに送信コイル11とRF波シールド18との間に設けることで、傾斜磁場発生手段9と送信コイル11との間に非磁性絶縁体を設けることができる。なお、特に限定されるものではないが、非磁性絶縁体は、5〜20mmの厚さとすると好ましい。また、非磁性絶縁体としては、塩化ビニル系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂等の耐熱性樹脂、アルミナ等のセラミック、その他コルク材、硬質スポンジゴム等が挙げられ、熱伝導率としては1.0W/m・K以下の材料を用いることが好ましく、該非磁性絶縁体には、10〜200個程度の磁場調整穴を設けることもでき、任意の磁石片または鉄等の磁性体片を穴部に挿入して、磁場均一性を高めてもよい。
【0032】
【実施例】
[実施例1]
本発明の実施例1を図3に示す。この実施例の構成は図2に順ずるものである。MRI磁場発生装置は通常、ヒータ等により32℃程度にまで加熱されているため、本実験においても構成装置の温度を32℃で安定させた。また、傾斜磁場コイル9と磁極片7との間にスペーサ16として耐熱性ポリアセタール樹脂(ポリプラスチック製商品名:ジュラコン、熱伝導率0.28W/m・K)を用いた。その際、熱伝導性および防振性を考慮して、傾斜磁場コイルの断面積に対して2%程度の面積比になるように各スペーサを配置した。尚、本実施例(実験1)との比較のため、傾斜磁場コイル9と磁極片7とを接触させた場合(実験2)、およびスペーサ16として熱伝導性の高い真鍮を用いた場合(実験3)における、夫々の磁極片7の表面温度を測定した。なお、傾斜磁場コイル9の表面温度は80℃であった。
【0033】
なお、本実施例では、図3拡大図のように樹脂スペーサ16もしくは金属スペーサ16の厚みL3を15mmとし、傾斜磁場コイル9側にフランジ部16aを設けた。本発明ではスペーサの形状については任意のものでよいが、このようなフランジ部を設けることは、傾斜磁場コイル9をより安定に固着させるために有効な手段である。また、該傾斜磁場コイル9とスペーサ16は、接着剤を用いて強固に固定した。
【0034】
実験結果を表1に示す。このように、磁極片7と傾斜磁場コイル9を接触させた場合では、該傾斜磁場コイル9から発生した熱が磁極片7に伝熱し、磁極片7と傾斜磁場コイル9とはほぼ同じ表面温度となった。また、スペーサ16として金属を用いた場合でも、金属の熱伝導性のために磁極片温度の上昇は少ししか軽減させることができなかった。しかし、耐熱性樹脂をスペーサに用いた場合では、磁極片7への伝熱は大幅に低減することができた。
【0035】
【表1】
Figure 2005065752
【0036】
[実施例2]
本発明の実施例2(実験4)を図4に示す。ここでは傾斜磁場コイル9に接触して配置されたRF波シールド18と送信コイル11との間には耐熱性塩化ビニル樹脂(信越ポリマー製、熱伝導率0.17W/m・K)で製作した厚さL4が10mmの磁場調整機構13を設けた。この際の傾斜磁場コイル断面積に対する樹脂断面積の比率は該磁場調整機構の調整穴以外の領域に等しく約60%である。これはRFシールドが柔らかく荷重に対してあまり強くないために比率が大きくなったものである。また、本実施例との比較のため、RF波シールド18と送信コイル11とを接触させた場合(実験5:調整機構無、スペーサ無)、および該RF波シールド18と送信コイル11との間を空間にした場合(実験6:調整機構無、スペーサ有)における、夫々の送信コイル11の表面温度を測定した。なお、傾斜磁場コイル9の表面温度は80℃であった。なお、実験6におけるスペーサは、耐熱性ポリアセタール樹脂(商品名:ジュラコン、熱伝導率0.28W/m・K)を傾斜磁場コイルに対して6%使用し、接着剤で固定したものである。その厚みは6mmであった。
【0037】
表2に実施例2の実験結果を示す。実験4のように耐熱性塩化ビニル樹脂の磁場調整機構13を設けた場合、送信コイル11の表面温度は、樹脂の耐用温度範以内である45℃となった。また、RF波シールド18と送信コイル11とを接触させた状態では75℃、非接触の場合では38℃となり、非接触(実験6)の場合、さらに有効であることがわかった。それ故に該領域を空間としても、該領域に磁場調整機構13を配置させても良いが、MRI磁界発生装置では送信コイル11の下の空間に磁場調整機構13を設けた方が、磁場均一性等の向上に寄与することも多く、そのような性能向上を考慮すれば耐熱性樹脂等を用いることが好ましいと言える。
【0038】
【表2】
Figure 2005065752
【0039】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、傾斜磁場発生手段の表面および裏面に耐熱性樹脂等によるスペーサを設けた場合、傾斜磁場発生手段から発生した熱を有効に断熱できる。さらに、RF波シールドを設けた場合では傾斜磁場発生手段と送信コイルの干渉も同様に防ぐことができる。すなわち、傾斜磁場強度を上げて撮像性能を上げると同時に、傾斜磁場コイルからの大きな発熱によって周辺機器が損傷することなく、しかもRF波シールドとの距離を設けることによって、よりS/N比の高いNMR信号を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るMRI用磁場発生装置における傾斜磁場コイル等の構成部材の1例を示す模式図である。
【図2】本発明に係るMRI用磁場発生装置における傾斜磁場コイル等の構成部材の別の例を示す模式図である。
【図3】図1に示したスペーサの拡大断面の模式図である。
【図4】本発明に係るMRI用磁場発生装置における傾斜磁場コイル等の構成部材の別の例を示す模式図と、その1部の拡大図である。
【図5】従来のMRI用磁場発生装置の側面方向から見た断面図である。
【図6】図5に示した磁極片部の拡大断面図である。
【図7】MRI用磁場発生装置に用いられる磁場調整機構の1例を示す模式図である。
【符号の説明】
7 磁極片
7a ベース
7b 周辺突起部
9 傾斜磁場コイル
11 送信コイル
13 磁場調整機構
16 第1のスペーサ
16a フランジ部
17 第2のスペーサ
18 RF波シールド
100 MRI用磁場発生装置
101、102 板状継鉄
103 柱状継鉄
104、105 永久磁石
106、107 磁極片
106a、107a ベース
106b、107b 周辺突起部
108 上部傾斜磁場コイル
109 下部傾斜磁場コイル
110、111 送信コイル
112、113 磁場調整機構
114 テーブル
115 磁場調整用穴

Claims (8)

  1. 空隙を隔てて対向し、厚み方向に磁化された1対の永久磁石と、
    該永久磁石の組み合わせの外側に設けられ該永久磁石を支持する継鉄と、
    該永久磁石の対向する面側の夫々に設けられ、対向する向きに周辺突起部を有する1対の磁極片と、
    該磁極片の対向する面側であって突起部の内側の夫々に設けられ、空隙を隔てて対向する1対の傾斜磁場発生手段と、
    該傾斜磁場発生手段と該磁極片との間のいずれか一方または両方に設けられた第1の熱伝導抑制手段と
    を備え、該1対の磁極片間に磁場を発生させるMRI用磁場発生装置。
  2. 空隙を隔てて対向し、厚み方向に磁化された1対の永久磁石と、
    該永久磁石の組み合わせの外側に設けられ該永久磁石を支持する継鉄と、
    該永久磁石の対向する面側の夫々に設けられ、対向する向きに周辺突起部を有する1対の磁極片と、
    該磁極片の対向する面側であって突起部の内側の夫々に設けられ、空隙を隔てて対向する1対の傾斜磁場発生手段と、
    該傾斜磁場発生手段の対向する面側の夫々に設けられた送信コイルと、
    該傾斜磁場発生手段と該送信コイルとの間のいずれか一方または両方に設けられた第2の熱伝導抑制手段と
    を備え、該1対の磁極片間に磁場を発生させるMRI用磁場発生装置。
  3. 空隙を隔てて対向し、厚み方向に磁化された1対の永久磁石と、
    該永久磁石の組み合わせの外側に設けられ該永久磁石を支持する継鉄と、
    該永久磁石の対向する面側の夫々に設けられ、対向する向きに周辺突起部を有する1対の磁極片と、
    該磁極片の対向する面側であって突起部の内側の夫々に設けられ、空隙を隔てて対向する1対の傾斜磁場発生手段と、
    該傾斜磁場発生手段と該磁極片との間のいずれか一方または両方に設けられた第1の熱伝導抑制手段と、
    該傾斜磁場発生手段の対向する面側の夫々に設けられた送信コイルと、
    該傾斜磁場発生手段と該送信コイルとの間のいずれか一方または両方に設けられた第2の熱伝導抑制手段と
    を備え、該1対の磁極片間に磁場を発生させるMRI用磁場発生装置。
  4. 前記第1および/または第2の熱伝導抑制手段がスペーサを含んでなり、該スペーサにより空隙が形成される請求項1〜3のいずれかに記載のMRI用磁場発生装置。
  5. 前記第1および/または第2の熱伝導抑制手段が、非磁性絶縁体を含んでなる請求項1〜4のいずれかに記載のMRI用磁場発生装置。
  6. 前記第2の熱伝導抑制手段が、非磁性絶縁体である磁場調整機構を含んでなる請求項2または3に記載のMRI用磁場発生装置。
  7. 前記第1および/または第2の熱伝導抑制手段が、熱伝導率が1.0W/m・K以下である樹脂を含んでなる請求項1〜6のいずれかに記載のMRI用磁場発生装置。
  8. 前記傾斜磁場発生手段と前記第2の熱伝導抑制手段との間にRF波シールドを含んでなる請求項2〜7のいずれかに記載のMRI用磁場発生装置。
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