JP2005064745A - 聴覚補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 非音声区間で環境音が過大に聞こえるのが防止され、発話者の口の動きと発話者の音声とのずれによる違和感を使用者がほとんど抱くことなく、音声区間で音声が適切に増幅され聞き取り易さが向上された聴覚補助装置を提供する。
【解決手段】 集音した外来音データを所定の長さのデータに分割して各データを分析し、音声を検出すると音声のみが強調されるように音声を増幅する。また、補聴器1に音声が連続して入力されると、音声の最初の部分から、現在の入力音と話速変換後の音とがほぼ一致するまで、入力音の時間圧縮による話速変換を実行して出力タイミングをアップする。これにより、補聴器1では、音声を検出した当初は発話者の口の動きと音声がずれているが、数秒後には話速変換が完了して、発話者の口の動きと補聴器1が出力する音声とがほぼ一致する。また、音声の検出が終了すると、時間伸長による話速変換を行って、数秒後には初期状態に戻す。
【選択図】 図3

Description

本発明は、非音声区間での環境音の過大な聞こえを防止するとともに、音声区間での音声の聞き取り易さを向上させる聴覚補助装置に関する。
音を聞き取りづらい人の聴覚を補助する装置として補聴器がある。従来の補聴器は、音声(人間が意思を伝えるために口から発する音。)と音声以外の音を一律に増幅して出力していた。しかし、補聴器の使用者は、相手の声(音声)だけでなく周囲の物音(環境音)も大きく聞こえるので不快感を抱くことがあった。例えば、食器を洗うときに食器同士が当たる音や皿を落としたときの音などは、補聴器の使用者にとって非常に耳障りであった。
そこで、従来、音声が検出されたときだけ増幅率を上げて、音声を検出しないときには増幅率を上げないようにした補聴器が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この補聴器は、入力音のパワーレベルと無音声区間における音のパワーレベルとの比に基づいて、相対的な雑音レベルが高い場合には増幅器の利得を下げる。これにより、過度に増幅された雑音による不快な音が補聴器の使用者に加わらないようにすることができる。
特開平8−294197号公報(第4−11頁、第1−7図)
特許文献1に記載の補聴器は、短時間零交差数を取得して無音声区間であるか否かを検出しており、短時間零交差数の取得のために設定時間間隔で零交差を累積するという処理を行う。そのため、設定時間を短時間に設定しても、入力音の短時間零交差数取得、音声区間の判断、音声の増幅という一連の処理を実行して音声を出力するまでに、少なくとも30〜100msec程度の時間が、常に必要であった。
しかし、人間は、発話者の口の動きと発話者の音声(発言内容)とに15msec以上の差ができると違和感を抱いてしまうという性質を有している。また、補聴器の使用者は、通常、発話者の発言内容を把握するために発話者の口の動きを見ながら発話者の発言を聞くことが多い。そのため、特許文献1に記載された補聴器の使用者は、発話者の口の動きと発話者の音声とがずれているという違和感を常に抱きながら、発話者の話を聞かなければならないという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題を解決するために、非音声区間で環境音が過大に聞こえるのが防止され、また、発話者の口の動きと発話者の音声とのずれによる違和感を使用者がほとんど抱くことなく、音声区間で音声が適切に増幅されて聞き取り易さが向上された聴覚補助装置を提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
(1)外来音を集音する集音手段と、
前記集音手段が集音した外来音のデータを一時記憶するバッファ手段と、
前記集音手段が集音した外来音のデータを順次更新しながら前記バッファ手段に書き込む書込手段と、
前記バッファ手段に記憶されている一定期間分の外来音データ中に音声が有るか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が音声有りと判定しているとき、前記書込手段による書き込み直後の外来音データを前記バッファ手段から読み出し、前記判定手段が音声無しと判定しているとき、前記書込手段による書き込みから前記一定期間経過した前記判定手段による判定済みの外来音データを読み出し、前記判定手段の判定結果が音声無しから音声有りに変化したとき、前記バッファ手段から読み出す外来音データを前記判定済みのデータから書き込み直後のデータへ徐々にシフトしてゆく読出手段と、
前記判定手段が音声有りと判定している外来音データと、前記判定手段が音声無しと判定している外来音データと、を異なる増幅率で増幅して出力する増幅手段と、
を備えたことを特徴とする。
この構成においては、聴覚補助装置では、集音手段で集音した外来音を一旦バッファ手段に記憶させて、バッファに一定期間の外来音データが蓄積されると、その一定期間の外来音データを読み出して、音声(人間が意思を伝えるために口から発する音)のデータがこのデータ中に有るか否かの判定を行う。判定の結果、音声無しの判定があった場合には、判定済みの外来音データを読み出して、この外来音データを増幅してから出力する。また、音声無しの判定後に音声を検出して音声有りの判定となった場合には、バッファ手段から読み出した外来音データを書き込み直後のデータへ徐々にシフトする。そして、引き続き音声有りと判定された場合には、バッファ手段から書き込み直後の外来音データを読み出して、この外来音データを音声無しと判定された場合とは異なる増幅率で増幅してから出力する。
したがって、聴覚補助装置は、集音した外来音に音声が含まれているか否かを判定して、その判定結果に応じて異なる増幅率で外来音を増幅して出力するので、前記判定手段が音声有りと判定した場合には外来音データに含まれる音声を強調して出力するように増幅手段の増幅率を設定しておくことで、聴覚補助装置の使用者は、音声を容易に聞き取ることができる。また、音声無しの判定後に音声を検出して音声有りの判定となった場合には、バッファ手段から読み出す外来音データを判定済みのデータから書き込み直後のデータへ徐々にシフトしてゆくので、聴覚補助装置の使用者は、データのシフトが完了すると、発話者の口の動きと音声がずれていることによる違和感を抱くことなく、増幅された音声を聞くことができる。また、聴覚補助装置の外来音データのシフトが速やかに完了するように設定しておくことで、聴覚補助装置の使用者は、発話者の口の動きと音声がずれていることによる違和感をほとんど抱くことがない。
(2)前記読出手段が前記バッファ手段から読み出す外来音データをシフトしているとき、そのシフトに合わせて外来音データの話速を変化する話速変換手段を備えたことを特徴とする。
この構成においては、聴覚補助装置は、音声無しの判定後に音声を検出して音声有りの判定となって、バッファ手段から読み出す外来音データを判定済みのデータから書き込み直後のデータへ徐々にシフトしてゆく際に、外来音データの話速を変化するので、発話者の音声ピッチを変化させずに出力することが可能となる。したがって、聴覚補助装置の使用者は、違和感を抱くことなく増幅された音声を聞くことができる。
(3)前記読出手段は、前記判定手段の判定結果が音声有りから音声無しに変化したとき、前記バッファ手段から読み出す外来音データを書き込み直後のデータから前記判定済みのデータへ徐々にシフトすることを特徴とする。
この構成においては、音声有りの判定後に音声区間が終了して環境音だけになって音声無しの判定となった場合には、バッファ手段から読み出す外来音データを音声の有無を判定済みのデータへ徐々にシフトする。したがって、聴覚補助装置がしばらく音声を検出しないときには、集音手段で集音した外来音を一旦バッファ手段に記憶させてこの外来音データ中に音声データが有るか否かを判定する状態に戻すことができる。
(4) 前記話速変換手段は、前記読出手段が前記バッファ手段から読み出す外来音データをシフトしているとき、そのシフトに合わせて外来音データの話速を変化することを特徴とする。
この構成においては、音声有りの判定後に音声区間が終了して環境音だけになって音声無しの判定となった場合には、バッファ手段から読み出した外来音データに対して話速変換を行って、バッファ手段から読み出す外来音データを音声の有無を判定済みのものにシフトする。したがって、聴覚補助装置がしばらく音声を検出しないときには、話速変換として時間伸長を行うことで、処理音の聞こえ方が自然となり、聴覚補助装置の使用者は違和感を感じることがない。
(5)前記増幅手段は、前記判定手段の判定結果が音声有りから音声無しに変化したとき、音声無しと判定された外来音用の増幅率まで所定の割合で増幅率を下げながら外来音データを増幅することを特徴とする。
この構成においては、発話者が発言を終了して聴覚補助装置が集音する外来音に音声が含まれずに環境音のみになると、聴覚補助装置から出力される外来音の増幅率を、音声無しと判定された外来音用の増幅率に所定の割合で低下させることができる。したがって、聴覚補助装置は、音声を検出してから音声をしばらく検出しなくなったときには、環境音の音量を所定の割合で徐々に下げるので、聴覚補助装置の使用者は、発話者の音声が終了しても、聴覚補助装置が音声を検出しなくってからも、聴覚補助装置から出力される外来音の音量の変化に違和感を抱くことなく、外来音を聞くことができる。また、聴覚補助装置は、外来音の増幅率を所定の割合で低下させるので、発話者がしばらく休憩してから発言を再開した場合など音声区間に少し間が空いた直後に外来音が急に大きく増幅されても、聴覚補助装置の使用者がうるさく感じることがない。
(6)前記判定手段が音声有りと判定すると、その旨を報知する報知手段を備えたことを特徴とする。
この構成においては、聴覚補助装置の使用者は、聴覚補助装置から音声が出力されることを把握できるので、発話者の音声を最初から集中して聞くことができる。なお、報知手段としては、聴覚補助装置の使用者に対して、音声で報知するスピーカ、光で報知するLED、振動で報知する振動モータなどが好適である。
本発明の聴覚補助装置は、非音声区間で環境音が過大に聞こえることがなく、また、発話者の口の動きと発話者の音声とのずれによる違和感がほとんどなく、音声区間で音声が適切に増幅されて音声を容易に聞き取ることができるという利点がある。
以下、聴覚補助装置の一実施形態として補聴器を例に挙げて説明する。図1は、補聴器の概略構成を示したブロック図である。ここで、以下の説明では、音声とは人間が意思を伝えるために口から発する音のことを指し、環境音とは音声を含まない音のことを指すものとする。
補聴器1は、マイク2、信号処理部3、及びスピーカ4から成る。また、信号処理部3は、A/Dコンバータ11、DSP12、CPU13、操作部14、D/Aコンバータ15、メモリ16、及び入出力インタフェース17を備えている。
マイク2は、補聴器1の使用者の周囲における外来音を集音して、集音したアナログ音信号を信号処理部3へ出力する。信号処理部3は、音声の話速変換や増幅などの信号処理を行い、スピーカ4へ出力する。スピーカ4は、信号処理部3で信号処理された音声信号を空気振動に変換して、使用者の外耳道に放出する。
信号処理部3において、A/Dコンバータ11は、マイク2が出力したアナログ音信号をディジタル音信号に変換する。DSP12は、A/Dコンバータ11が出力したディジタル音信号に対して話速変換処理や増幅処理などの音処理を行う。CPU13は、補聴器1の各部を制御する。操作部14は、補聴器1の音量設定や時間設定など各種の設定を行うためのものである。D/Aコンバータ15は、DSP12で信号処理されたディジタル音信号をアナログ音信号に変換する。メモリ16は、ユーザが設定した補聴器1の設定値などを記憶する。入出力インタフェース17は、パソコン8と信号をやりとりするためのインタフェースである。
次に、DSP12の構成について説明する。図2は、補聴器が内蔵するDSPの概略構成を示したブロック図である。DSP12は、ライトコントローラ21、リングバッファ22、リードコントローラ23、音声区間検出部24、リードコントローラ25、話速変換部26、ゲインコントローラ27、及び報知音発生部28を備えている。
ライトコントローラ21は、サンプリング周期で歩進するポインタが示す書き込みアドレスに従ってA/Dコンバータ11から送られてきたディジタル音信号をリングバッファ22へ順番に記録する。
リングバッファ22は、ライトコントローラ21が出力したディジタル音データを順番に記憶し、メモリ領域が記憶データでいっぱいになると、最も古いデータから順に、新しいデータを上書きして古いデータを削除する。なお、リングバッファに代えて、シフトレジスタやFIFOメモリを使用しても良い。
リードコントローラ23は、環境音のみを検出している非音声区間において、リングバッファ22が記憶するディジタル音データの50msec分を順次読み出して、音声区間検出部24へ出力する。ここで、リードコントローラ23がリングバッファ22から読み出す50msec分のディジタル音データ、または、その50msecの時間を、以下、フレームとも称する。
音声区間検出部24は、リングバッファ22から読み出したディジタル音データを分析して、このディジタル音データ中に音声が含まれているか否かを判定する。なお、この分析には50msecの時間を要する。音声区間検出部24は、音声が含まれていると判定した場合には、話速変換部26・ゲインコントローラ27・報知音発生部28へ音声検出信号を出力する。また、音声が含まれていないと判定した場合には、話速変換部26・ゲインコントローラ27・報知音発生部28へ未検出信号を出力する。なお、音声区間検出部24は、周知技術であるVAD(Voice Activity Detection:音声アクティビティ検出)、LPC分析、ケプストラム法などを用いて、音声が含まれているか否かの分析を行う。
リードコントローラ25は、スピーカ4から出力する環境音や音声のデータをリングバッファ22から読み出す。すなわち、リードコントローラ25は、非音声区間においては、ライトコントローラ21同様、サンプリング周期で歩進するポインタが示す読み出しアドレスに従ってディジタル音データを読み出し、このディジタル音データを話速変換部26へ出力する。ここで、非音声区間においては、このリードコントローラ25で読み出されるディジタル音データは、ライトコントローラ21で書き込まれるディジタル音データに対して100msec遅れている。
話速変換部26は、音声区間検出部24が音声区間の開始または終了を検出したときから所定時間の間、リードコントローラ25に対して読み出しアドレスの歩進速度を変更する指示を出す。話速変換部26が歩進速度を単純に変更する場合には、音声の周波数が変動して入力音(外来音)と出力音との高さや音声スピードが異なったものになる。すなわち、話速変換部26が歩進速度を上げると、スピーカ4から出力される音声のピッチが上がるとともに音声スピードが速くなる。一方、話速変換部26が歩進速度を下げると、スピーカ4から出力される音声のピッチが下がるとともに音声スピードが遅くなる。なお、話速変換部26は、周知の可変速再生機能を備えるようにすれば、歩進速度を変更する際に音程(キー)を変えないでスピードのみを変えることができる。また、話速変換部26は、歩進速度を変更する際に、リードコントローラ25から出力される音声(外来音)データに対して、無音区間や長時間母音区間などの時間圧縮や時間伸長を行って話速を変換する方式のものであっても良い。この場合、話速変換部26は、音声の周波数が変動して入力音(外来音)と出力音との高さが異なったり音声スピードが変化したりして音声が聞き取りにくくなることのないように音声データを処理することができる。
ゲインコントローラ27は、音声区間検出部24から送られてきた信号に応じて増幅率を変更して、話速変換部26から送られてきたディジタル音データを増幅する。すなわち、ゲインコントローラ27は、音声区間検出部24から未検出信号が送られてくると、環境音用に設定された増幅率に変更して、話速変換部26から送られてきたディジタル音データを増幅する。また、ゲインコントローラ27は、音声区間検出部24から音声検出信号が送られてくると、音声用に設定された増幅率に変更して、音声が強調されるように、話速変換部26から送られてきたディジタル音データ(音声データ)を増幅する。ここで、環境音の増幅率及び音声の増幅率は、使用者の使用環境に応じて設定することができる。例えば、ゲインコントローラ27の環境音の増幅率は、使用者が大きな物音を気づくことができる程度に設定し、音声の増幅率は、使用者が音声を容易に聞き取ることができる程度の値に設定すると良い。
報知音発生部28は、音声区間検出部24から音声検出信号が送られてくると、音声が出力されることを補聴器1の使用者に報知する音を生成してD/Aコンバータ15に出力する。報知音の音色や再生時間は、使用者の好みに応じて予め設定することができる。
次に、補聴器1の全般の動作について説明する。図3は、補聴器の動作を説明するためのタイミングチャートである。図4は、補聴器における外来音データの音声検出動作を説明するための図である。図5は、図3に示した各タイミングにおけるリングバッファの入力ポインタ及び出力ポインタの関係を示した図である。なお、補聴器1の動作中には、リングバッファ22の入力ポインタ及び出力ポインタは順次移動するが、リングバッファ22の動作を容易に理解できるように、図5には入力ポインタの位置を固定して示している。
補聴器1は、マイク2で集音した外来音をリングバッファに常時書き込んでおり、リングバッファ22が記憶する外来音データから一定期間分(50msec分)の外来音データを読み出して音声の有無を判定する。そして、その判定結果に応じて、外来音データの読み出し位置や増幅率を変更して外来音をスピーカ4から出力する。
(1)補聴器1は、しばらくの間音声を検出していない状態や初期状態(非音声区間)では、外来音に音声が含まれているか否かを分析・判定してから外来音を出力している。例えば、図4に示すように、補聴器1は、非音声区間では、リングバッファ22に入力音データ(外来音データ)をディジタル音データとして順次蓄積しており、リングバッファ22に1フレーム(50msec)分の外来音データ(第1フレーム)が蓄積されると、リードコントローラ23はこの第1フレームの外来音データを読み出して音声区間検出部24に出力する。音声区間検出部24は、第1フレームの外来音データ中に音声が含まれているかどうかを約50msecの間分析する。音声区間検出部24は、分析が終了して外来音データに音声が含まれていないと判定した場合には、話速変換部26及びゲインコントローラ27へ未検出信号を出力する。これにより、話速変換部26は話速変換を行わずに外来音のデータをゲインコントローラ27へ出力し、ゲインコントローラ27は増幅率を変更せずに環境音用の増幅率で外来音を増幅する。
このとき、リングバッファ22では、図5(1)に示すように、入力ポインタ(ライトコントローラ21用)が出力ポインタ(リードコントローラ25用)よりもディジタル音データの100msec分進んだアドレスに位置する。すなわち、リードコントローラ25は、音声区間検出部24の判定後にリングバッファ22から外来音データを読み出すので、ライトコントローラ21によってリングバッファ22に書き込まれてから100msec経過した外来音データを読み出している。したがって、補聴器1では、マイク2で外来音を集音してから約100msec後に、スピーカ4から外来音が増幅されて出力される。
また、補聴器1は、外来音データの蓄積、音声の有無分析・判定、及び音声出力を並行に行っている。すなわち、図4に示すように、第1フレームの外来音データを分析中には第2フレームの外来音データを蓄積している。また、第1フレームの外来音データを出力中には、第2フレームの外来音データを分析するとともに、第3フレームの外来音データを蓄積している。さらに、第2フレームの外来音データを出力中には、第3フレームの外来音データを分析するとともに、第4フレームの外来音データを蓄積している。
続いて、図3に示すように、発話者が時刻t1から時刻t3まで発話した場合、補聴器1は以下のような動作を行う。
(2)補聴器1のリードコントローラ23は、時刻t1からの外来音データを含む50msecの間の外来音データ(フレーム)がリングバッファ22に蓄積されると、このフレームを読み出して音声区間検出部24に出力する。音声区間検出部24は、このフレーム中に音声が含まれているかどうかを約50msecの間分析する。そして、音声区間検出部24は、分析を終了して外来音データに音声が含まれていると判定した場合には、話速変換部26及びゲインコントローラ27へ音声検出信号を出力する。これにより、話速変換部26は音声の時間圧縮(話速変換)を開始し、ゲインコントローラ27は音声を強調するために音声用の増幅率に変更して音声の増幅を直ちに行う。
また、発話者の発言がしばらく続き、外来音に音声が含まれている状態が連続するので、補聴器1は、引き続き音声の時間圧縮による話速変換を行いながら、音声が途切れないようにリングバッファ22から音声データの読み出しを続ける。そのため、図5(2)に示すように、リングバッファ22では、音声データの読み出しが早まり、出力ポインタが徐々に入力ポインタに近づいていく(シフトする)。
(3)話速変換部26は、話速変換の開始から1sec〜5sec経過して、スピーカ4から出力する音声とマイク2で集音した音声とがほぼ一致すると、音声の時間圧縮(話速変換)を停止する(時刻t5)。このとき、リングバッファ22では、図5(3)に示すように、出力ポインタが入力ポインタに追いつき、リードコントローラ25は、ライトコントローラ21がリングバッファ22に書き込んだ直後の外来音データを読み出している。
(4)発話者の発言が続いて、外来音に音声が含まれている状態が連続すると、補聴器1のスピーカ4から出力する音声がマイク2で集音した音声とほぼ一致した状態が続き、音声区間検出部24はスピーカ4から出力後の音データに対して音声が含まれているか否かを分析・判定する処理を続ける。このとき、リングバッファ22では、図5(4)に示すように、出力ポインタと入力ポインタとは同一速度で移動し、補聴器1ではリングバッファ22に書き込み直後の外来音データを読み出して、音声用の増幅率で増幅してスピーカ4から出力する。
(5)音声区間検出部24は、発話者の発言停止により外来音データに音声が含まれていないことを、発話者の発言停止(時刻t3)から100msec後(時刻t4)に検出すると、未検出信号を話速変換部26及びゲインコントローラ27へ出力する。話速変換部26は、未検出信号を検出すると、音声の時間伸長による話速変換を開始する。
(6)補聴器1において、発話者の発言が停止した状態がしばらく続き、外来音に音声が含まれていない状態が連続すると、話速変換部26は引き続き音声の時間伸長(話速変換)を行いながら、音声が途切れないようにリングバッファ22から音声データの読み出しを続ける。このとき、リングバッファ22では、時間伸長により話速が変換されるので、データの読み出しが遅くなるため、図5(6)に示すように、出力ポインタが徐々に入力ポインタから離れていく(シフトされる)。
(7)話速変換の開始から約1sec〜5sec経過して、スピーカ4から出力する音声とマイク2で集音した音声とのずれが初期値である約100msecになると(時刻t6)、話速変換部26は音声の時間伸長による話速変換を停止する。このとき、リングバッファ22では、図5(7)に示すように、入力ポインタが出力ポインタよりも100msecのディジタル音データ分進んだアドレスに位置する。
(8)次の音声区間を検出するまで(1)の状態と同様に、マイク2で外来音を集音してから約100msec後に、環境音の増幅率の設定値に基づいて環境音を増幅してスピーカ4から音を出力する。このとき、図5(8)に示すように、(7)と同様、リングバッファ22では、入力ポインタが出力ポインタよりも100msecのディジタル音データ分進んだアドレスに位置する。
また、ゲインコントローラ27は、未検出信号を検出してから外来音に音声が含まれていない状態が1分間続くと、増幅率を20%低下させる。また、外来音に音声が含まれていない状態が続くと、増幅率が環境音の増幅率になるまで、1分毎に20%ずつ増幅率を低下させる。なお、増幅率は、上記のように段階的に低下させるようにしても良いし、所定の割合で直線的に低下させるようにしても良く、また、低下率は任意の値に設定できる。
さらに、音声区間検出部24は、音声の時間伸長による話速変換中や増幅率の低下中に、発話者が発言を再開したことにより、外来音データに音声が含まれていることを検出すると音声検出信号を出力して、音声の時間圧縮による話速変換を話速変換部26に、音声を強調するための増幅をゲインコントローラ27に、直ちに開始させる。
補聴器1は上記のような処理を行うので、外来音を分析して音声を検出して、音声を強調するように増幅することができる。また、音声を検出すると時間圧縮による話速変換を行うので、1〜5秒後には補聴器1の入力音と出力音とをほぼ一致させることができ、その際には、使用者は音声のずれを感じることなく音声を聞くことができる。さらに、音声の検出が終了すると、時間伸長による話速変換を行うので、1〜5秒後には補聴器1の入力音と出力音との関係を初期状態に戻すことができるので、外来音に音声が含まれているか否かの判定を確実に行うことができる。加えて、音声の検出が終了すると、音声の増幅率を徐々に低下させるので、発話者が一呼吸おいて発言を続けた場合などに、音声の増幅率が大きく変動することがなく、使用者は違和感なく音声を聞くことができる。
ここで、上記の(2)で説明したように音声区間検出部24が分析を終了して外来音データに音声が含まれていると判定した場合には、音声区間検出部24から報知音発生部28に信号を出力させて、報知音発生部28で報知音を発生させるように設定することもできる。このように設定した場合、報知音発生部28は、この音声検出信号を検出すると、報知音信号を生成してD/Aコンバータ15へ例えば約50msecの間この信号を出力して、スピーカ4から報知音を出力させる。また、この場合、話速変換部26は、報知音発生部28が報知音の信号を出力後にリングバッファ22から音声が含まれている外来音データを読み出すようにすると良い。
また、上記の説明では、音声が出力されることを報知する報知手段として、報知音発生部を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限るものではなく、他の形態であっても良い。例えば、メガネ型の補聴器などの場合、補聴器の使用者が容易に確認できる位置にLEDを設けて、このLEDを点滅させることで音声が出力されることを報知するようにしても良い。また、耳かけ形やポケット形の補聴器の場合、振動用モータを設けて、振動により音声が出力されることを報知するようにしても良い。
なお、補聴器1において、音声の有無を分析・検出する時間や、音声の増幅率を低下させる時間や、話速変換を行う時間などは、補聴器1の使用者の好みに応じて変更することができる。また、補聴器1の環境音の増幅率や音声の増幅率も使用者の聴力や好みに応じて変更することができる。
また、補聴器1では、各種設定の調整などを行うために、補聴器1の入出力インタフェース17をパソコン8と接続してデータをやりとり可能にしているので、補聴器1の使用者はパソコン8を使用して、ゲインコントローラ27の環境音や音声の増幅率の設定など各種設定の調整や変更を容易に行うことができる。
なお、以上の説明では、聴覚補助装置の一実施形態として補聴器を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定するものではない。例えば、テレビ電話のように発話者の画像と音声とを同時に出力する装置に、本発明の聴覚補助装置を内蔵させるようにして、この装置から出力する音が音声か否かに応じて、音の増幅率を変化させたり、話速変換を行ったりする構成にすると良い。これにより、発話者の音声を強調させることができ、難聴者が容易にこの装置を使用することができる。
補聴器の概略構成を示したブロック図である。 補聴器が内蔵するDSPの概略構成を示したブロック図である。 補聴器の動作を説明するためのタイミングチャートである。 補聴器における外来音データの音声検出動作を説明するための図である。 図3に示した各タイミングにおけるリングバッファの入力ポインタ及び出力ポインタの関係を示した図である。
符号の説明
1−補聴器1、2−マイク、3−信号処理部、4−スピーカ、
11−A/Dコンバータ、12−DSP、13−CPU、14−操作部、
15−D/Aコンバータ、16−メモリ、17−入出力インタフェース

Claims (6)

  1. 外来音を集音する集音手段と、
    前記集音手段が集音した外来音のデータを一時記憶するバッファ手段と、
    前記集音手段が集音した外来音のデータを順次更新しながら前記バッファ手段に書き込む書込手段と、
    前記バッファ手段に記憶されている一定期間分の外来音データ中に音声が有るか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段が音声有りと判定しているとき、前記書込手段による書き込み直後の外来音データを前記バッファ手段から読み出し、前記判定手段が音声無しと判定しているとき、前記書込手段による書き込みから前記一定期間経過した前記判定手段による判定済みの外来音データを読み出し、前記判定手段の判定結果が音声無しから音声有りに変化したとき、前記バッファ手段から読み出す外来音データを前記判定済みのデータから書き込み直後のデータへ徐々にシフトしてゆく読出手段と、
    前記判定手段が音声有りと判定している外来音データと、前記判定手段が音声無しと判定している外来音データと、を異なる増幅率で増幅して出力する増幅手段と、
    を備えたことを特徴とする聴覚補助装置。
  2. 前記読出手段が前記バッファ手段から読み出す外来音データをシフトしているとき、そのシフトに合わせて外来音データの話速を変化する話速変換手段を備えた請求項1に記載の聴覚補助装置。
  3. 前記読出手段は、前記判定手段の判定結果が音声有りから音声無しに変化したとき、前記バッファ手段から読み出す外来音データを書き込み直後のデータから前記判定済みのデータへ徐々にシフトする請求項1または2に記載の聴覚補助装置。
  4. 前記話速変換手段は、前記読出手段が前記バッファ手段から読み出す外来音データをシフトしているとき、そのシフトに合わせて外来音データの話速を変化する請求項3に記載の聴覚補助装置。
  5. 前記増幅手段は、前記判定手段の判定結果が音声有りから音声無しに変化したとき、音声無しと判定された外来音用の増幅率まで所定の割合で増幅率を下げながら外来音データを増幅する請求項1乃至4のいずれかに記載の聴覚補助装置。
  6. 前記判定手段が音声有りと判定すると、その旨を報知する報知手段を備えた請求項1乃至5のいずれかに記載の聴覚補助装置。
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