JP2005062673A - 光学異方性層、その製造方法、それを用いた位相差板、楕円偏光板及び液晶表示装置 - Google Patents

光学異方性層、その製造方法、それを用いた位相差板、楕円偏光板及び液晶表示装置 Download PDF

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慎一 森嶌
Hajime Nakayama
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Abstract

【課題】 液晶表示装置の視野角拡大に寄与する光学異方性層、位相差板及び楕円偏光板を提供する。
【解決手段】 ディスコティック液晶性化合物及び含フッ素化合物を含む組成物からなる光学異方性層であって、該層においてディスコティック液晶性化合物の分子が層平面に対して平均チルト角35〜85度でハイブリッド配向し、波長550nmにおける位相差が80〜200nmである光学異方性層;該光学異方性層と、波長550nmにおける位相差が200〜350nmで、Nzファクター(=(nx−nz)/(nx−ny))が0.5〜2.0である第2の光学異方性層とを有する位相差板;及び該位相差板と、偏光子とを有する楕円偏光板である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、各種ディスプレイ(例えば、OA機器、携帯端末に利用される反射型、半透過型液晶表示装置)、光ディスク用ピックアップに利用される光学異方性層、位相差板、楕円偏光板及び反射型、半透過型等の液晶表示装置に関する。また本発明は、ディスコティック液晶性分子が高チルド配向してなる光学異方性層の製造方法に関する。
λ/4板は、非常に多くの用途を有しており、既に反射型LCD、光ディスク用ピックアップやPS変換素子に使用されている。しかし、λ/4板と称していても、ある特定波長でλ/4を達成しているものが大部分である。より広い波長域でλ/4を達成するために光学異方性を有する2枚のポリマーフィルムを積層する技術が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、位相差がλ/4であるポリマーフィルムと位相差がλ/2であるポリマーフィルムとを遅相軸が交差した状態で貼り合わせてなる位相差板が提案されている(例えば、特許文献3参照)。さらに、レターデーション値が160〜320nmである位相差板を少なくとも2枚、その遅相軸が互いに平行でも直交でもない角度になるように積層してなる位相差板が提案されている(例えば、特許文献4参照)。これらの位相差板は、二枚のポリマーフィルムを使用して、広い波長領域でλ/4を達成している。一方、液晶性分子により形成された複数の光学異方性層を積層することにより、薄膜化した広帯域λ/4板についても開示されている。(例えば、特許文献5及び6参照)
特開平10−68816号公報 特開平10−90521号公報 特開平10−68816号公報 特開平10−90521号公報 特開2001−4837号公報 特開2000−321576号公報 特開平11−148080号公報
しかしながら、これらの位相差板の例では、正面方向のレターデーションを適切な大きさにすることでλ/4板としての働きを持っているものの、斜め方向からでは液晶セル、光学異方性層ともにレターデーションが視野角依存性を持っているためにズレが生じ、結果としてコントラストの低下が生じる。すなわちこれまでのλ/4板を形成する光学異方性層には液晶セルを視野角補償する機能は盛り込まれておらず、より広い視野角範囲を持つλ/4板技術が望まれている。本発明ではこの視野角補償機能をλ/4板に持たせるためには、液晶性分子を高チルト角で配向固定した光学異方性層を用いることが有効であることを見出した。
ところで、反射型液晶表示装置では、室内光あるいは室外光といった外光を利用しているが、これらの光は、垂直に入射するのみならず、斜めから入射する。上記複数の光学異方性層より形成されたλ/4板を反射型液晶表示装置に組み込む場合、充分な暗表示を得るために、通常、垂直入射時に4分の1波長程度を持つように設計されるので、斜め入射の光に対しては4分の1波長からずれが生じることがしばしばである。したがって視野角によりコントラストが低下するという課題が残されている。視野角依存性を改良するために、ネマチックハイブリッド配向を固定化した液晶性フィルムを含む補償素子を2枚備えた液晶表示素子が開示されている(例えば特許文献6)が、未だ不充分である。また、重合性液晶性組成物からなる従来のλ/4板は、格子状のムラが発生することがある。このムラを改良する方法として、λ/4板を構成している組成物中に、重合性液晶とともにレベリング剤を含有させる方法が開示されている(例えば特許文献7)。しかしながら、この方法は重合性液晶がホモジニアス配向の場合にのみ有効であり、本発明のようにハイブリット配向をはじめとした複雑な配向には、適用できないことが判った。
したがって、本発明の目的は、液晶表示装置に用いたときに、表示品位及び視野角特性の改善に寄与する光学異方性層、位相差板及び楕円偏光板、ならびに表示品位及び視野角特性に優れる液晶表示装置、特に、反射型、半透過型液晶表示装置を提供することである。また、本発明の他の目的は、ディスコティック液晶性分子を高チルト角で安定的に配向させる方法を提供することである。
本発明の目的は、下記の手段により達成された。
(1) ディスコティック液晶性化合物及び含フッ素化合物を含む組成物からなる光学異方性層であって、該層においてディスコティック液晶性化合物の分子が層平面に対して平均チルト角35〜85度でハイブリッド配向し、波長550nmにおける位相差が80〜200nmである光学異方性層。
(2) 前記含フッ素化合物が、下記一般式(I)で表される(1)に記載の光学異方性層。
一般式(I)
(R0m−L0−(W)n
[式中、R0はアルキル基、末端にCF3基を有するアルキル基、又は末端にCF2H基を有するアルキル基を表し、mは1以上の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数個のR0は同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基を表す。L0は(m+n)価の連結基を表し、Wは親水性基を表し、nは1以上の整数を表す。]
(3) 前記含フッ素化合物が、下記一般式(II)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む重合体である(1)又は(2)に記載の光学異方性層。
Figure 2005062673
[式中、Hfは水素原子又はフッ素原子を表し、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子又はN(R2)−を表し、m1は1〜6の整数、n1は2〜4の整数を表す。R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
(4) 前記重合体が、さらに下記一般式(III)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む共重合体である(3)に記載の光学異方性層。
Figure 2005062673
[式中、R3は水素原子又はメチル基を表し、Yは2価の連結基を表し、R4は置換基を有していてもよいポリ(アルキレンオキシ)基又は置換基を有していてもよい炭素数1以上20以下のアルキル基を表す。]
(5) 二層以上の光学異方性層を有し、少なくとも一層が(1)〜(4)のいずれかに記載の光学異方性層である光学異方性層。
(6) (1)〜(4)のいずれかに記載の光学異方性層である第1の光学異方性層と、波長550nmにおける位相差が200〜350nmで、Nzファクター(下記式)が0.5〜2.0である第2の光学異方性層とを有する位相差板。
Nzファクター=(nx−nz)/(nx−ny)
[式中、nx及びnyは面内の主屈折率であり、nzは厚さ方向の主屈折率である。]
(7) 前記第2の光学異方性層が、正の光学異方性を持つ液晶を水平配向してなる(6)に記載の位相差板。
(8) 前記第2の光学異方性層が、延伸したポリマーフィルムからなる(6)に記載の位相差板。
(9) 波長589.3nmにおける厚み方向のレターデーションRth(下記式)が0〜300nmである第3の光学異方性層をさらに有する(6)〜(8)のいずれかに記載の位相差板。
Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
[式中、nx及びnyは面内の主屈折率であり、nzは厚さ方向の主屈折率であり、dは厚み(nm)である。]
(10) 前記第3の光学異方性層が液晶、トリアセチルセルロース及び環状ポリオレフィンから選ばれる素材から形成された層である(9)に記載の位相差板。
(11) 偏光子と、(6)〜(10)のいずれかに記載の位相差板とを有する楕円偏光板。
(12) (11)に記載の楕円偏光板と駆動液晶セルとを有するTN型又はECB型液晶表示装置。
(13) 黒表示時の前記駆動液晶セル中の液晶分子のダイレクターを層平行面に投影した軸の平均方向と、第1の光学異方性層中のハイブリッド配向した分子のダイレクターを層平行面に投影した方向とが実質的に平行となる(12)に記載の液晶表示装置。
(14) ディスコティック液晶性化合物の分子をフッ素含有化合物の存在下で配向させることによって、層平面に対して平均チルト角35〜85度でハイブリッド配向させて、光学異方性層を製造する方法。
(15) 前記フッ素化合物が、前記一般式(I)で表される化合物である(14)に記載の方法。
(16) 前記フッ素化合物が、前記一般式(II)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む重合体である(14)に記載の方法。
(17) 前記重合体が、さらに前記一般式(III)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む共重合体である(14)に記載の方法。
(18) 前記光学異方性層の波長550nmにおける位相差が80〜200nmである(14)〜(17)のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、格子状ムラなどのない表示品位が高く視野角特性の改善に寄与する、光学異方性層、位相差板、楕円偏光板及び液晶表示装置を提供することができる。また、本発明によれば、ディスコティック液晶性化合物の分子を高チルト角で安定的に配向させ得る方法を提供することができる。
発明の実施の形態
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の光学異方性層は、ディスコティック液晶性化合物及び含フッ素化合物を含む組成物からなり、該層においてディスコティック液晶性化合物の分子が層平面に対して平均チルト角35〜85度でハイブリッド配向し、波長550nmにおける位相差が80〜200nmであることを特徴とする。なお、本発明の光学異方性層は、ディスコティック液晶性化合物の分子をネマチックハイブリッド配向させることによって作製するが、液晶性分子は層内において重合等によって固定化され、もはや液晶性を失っていてもよい。以下、本発明の光学異方性層を、「第1の光学異方性層」という場合がある。
本発明において、「チルト角」とは、傾斜ネマチック配向した液晶性分子が層平面となす角度を意味し、液晶性分子の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向が層平面となす角度のうち、最大の角度を意味する。従って、正の光学的異方性を持つ棒状液晶性分子では、チルト角は棒状液晶性分子の長軸方向すなわちダイレクター方向と層平面とのなす角度を意味し、負の光学的異方性を持ち円盤状の分子形状であるディスコティック液晶性分子では、チルト角は分子の円盤面の層平面からの傾きを意味する。また本発明において、「平均チルト角」とは、光学異方性層の上界面での前記チルト角及び下界面での前記チルト角の平均値を意味する。従って、ネマチックハイブリッド配向(本発明では単に「ハイブリッド配向」という)では上界面のチルト角と下界面のチルト角の中間の値となる。本発明において、前記光学異方性層のディスコティック液晶性分子の平均チルト角は、絶対値として35゜〜85゜であり、好ましくは37゜〜70゜、さらに好ましくは40゜〜60゜である。平均チルト角が5゜〜85゜の範囲から外れた場合、液晶表示装置に用いた場合に、表示のコントラストの低下等を招く。なお平均チルト角は、クリスタルローテーション法を応用して求めることができる。
第1の光学異方性層において、ディスコティック液晶性化分子はハイブリッド配向した状態にあり、その状態で固定化されているのが好ましい。本発明において、「ハイブリッド配向」とは、ディスコティック液晶性分子がネマチック配向しているとともに、ディスコティック液晶性分子のチルト角が層上面と下面とで異なった配向形態をいう。したがって、第1の光学異方性層では、ディスコティック液晶性分子のチルト角が上面界面近傍と下面界面近傍とで異なり、具体的には、上面界面近傍と下面界面近傍とでチルト角の差が5°以上である。前記チルト角は、上面界面から下面界面方向に連続的に変化しているのが好ましい。
第1の光学異方性層は、液晶表示素子が使用される条件下において、ハイブリッド配向を保持し、その光学的特性を失わないものであるのが好ましい。この様な第1の光学異方性層においては、ディスコティック液晶のダイレクターが層の厚み方向のすべての場所において異なる角度を向いている。従って、第1の光学異方性層は、構造体として見た場合、光軸が存在しない。
第1の光学異方性層は、ディスコティック液晶性分子を前記平均チルト角の範囲となるようにハイブリッド配向させ、その配向状態に固定することによって作製することができる。上記条件を満たす限り、いかなる材料からなっていてもよいし、固定の態様についても限定されない。例えば低分子ディスコティック液晶を液晶状態においてハイブリッド配向させた後、光架橋や熱架橋によって固定化することによって作製することができる。また、高分子ディスコティック液晶を液晶状態においてハイブリッド配向させた後、冷却して固定化することによって作製することができる。なお、第1の光学異方性層の作製に用いるのは液晶性化合物であるが、光学異方性層は、該化合物が重合等によって固定されて形成された層であり、もはや液晶性を示す必要はない。
第1の光学異方性層は、単独で、第1の光学異方性層を2層以上積層することによって、又は他の光学異方性層と組み合わせることによって、種々の光学特性を示し、液晶表示装置に用いた場合に、視野角特性の改善、コントラストの向上等に寄与し得る。
[位相差板の光学的性質]
本発明の位相差板の一態様は、本発明の第1の光学異方性層と、波長550nmにおける位相差が実質的にπ/2である第2の光学異方性層とを有する。第1の光学異方性層は、波長550nmにおける位相差が実質的にπであり、具体的には、位相差が80〜200nmであり、好ましくは100〜180nmであり、より好ましくは120〜160nmである。前記第2の光学異方性層の波長550nmにおけるレターデーション値は、1/2波長であり、具体的には、波長550nmにおけるレターデーション値が200〜350nmであり、好ましくは、220〜330nm、より好ましくは240〜300nmである。また、第2の光学異方性層の下記式で導かれるNzファクターが0.5〜2.0の範囲内であることが好ましく、0.5〜1.5の範囲内であるのがより好ましい。
Nzファクター=(nx−nz)/(nx−ny)
式中、nx及びnyは面内の主屈折率であり、nzは厚さ方向の主屈折率である。この積層体からなる位相差板は、波長450nm、550nm及び650nmで測定したレターデーション値/波長の値が、いずれも0.2〜0.3の範囲内であることが好ましい。
本発明の位相差板の他の態様は、前記第1及び第2の光学異方性層、さらに、波長589.3nmにおける厚み方向のレターデーション(Rth)が0〜300nmの第3の光学異方性層を有する。Rthは、下記数式(2)で定義される。前記第3の光学異方性層のRthは、10〜300nmであるのが好ましく、50〜200nmであるのがより好ましい。また、第3の光学異方性層は負の光学異方性であるのが好ましく、即ち、下記数式(1)を満たしているのが好ましい。さらに、前記第3の光学異方性層のnxとnyは実質的に等しいのが好ましい。
数式(1) nx≧ny>nz
数式(2) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
式中、nx及びnyは光学異方性層の面内の主屈折率であり、nzは厚さ方向の主屈折率であり、dは光学異方性層の厚み(nm)である。
以下、本発明の光学異方性層(第1の光学異方性層)、及び第1の光学異方性層と好ましく組み合わせられる前記第2及び第3の光学異方性層についてそれぞれ詳細に説明する。
[第1の光学異方性層]
本発明において、第1の光学異方性層はディスコティック液晶及び含フッ素化合物を含有する組成物からなる。
(ディスコティック液晶)
本発明に使用可能なディスコティック液晶の例には、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年))に記載されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告(Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82頁(1990))に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告(Angew.Chem.96巻、70頁(1984年))に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告(J.Chem.Commun.,1794頁(1985年))、J.Zhangらの研究報告(J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年))に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクルが含まれる。
ディスコティック液晶としては、分子中心の母核に対して、直鎖のアルキル基、アルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基が母核の側鎖として放射線状に置換した構造である液晶性を示す化合物も含まれる。分子又は分子の集合体が、回転対称性を有し、一定の配向を付与できる化合物であることが好ましい。円盤状液晶性分子から形成する光学異方性層は、最終的に光学異方性層に含まれる化合物が円盤状液晶性分子である必要はなく、例えば、低分子の円盤状液晶性分子が熱や光で反応する基を有しており、結果的に熱、光で反応により重合又は架橋し、高分子量化し液晶性を失った化合物も含まれる。ディスコティック液晶の好ましい例は、特開平8−50206号公報に記載されている。また、ディスコティック液晶の重合については、特開平8−27284公報に記載がある。
ディスコティック液晶を重合により固定するためには、ディスコティック液晶の円盤状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要がある。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこで、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入する。従って、重合性基を有するディスコティック液晶は、下記式(III)で表わされる化合物であることが好ましい。
一般式(III) D(−LQ)n
式(III)において、Dは円盤状コアであり、Lは二価の連結基であり、Qは重合性基であり、nは4〜12の整数である。
円盤状コア(D)の例を以下に示す。以下の各例において、LQ(又はQL)は、二価の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味する。
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
式(III)において、二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−及びS−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることがさらに好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アリーレン基、−CO−及びO−からなる群より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた二価の連結基であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数は、1〜12であることが好ましい。アルケニレン基の炭素原子数は、2〜12であることが好ましい。アリーレン基の炭素原子数は、6〜10であることが好ましい。
二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合する。ALはアルキレン基又はアルケニレン基、ARはアリーレン基を意味する。なお、アルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基(例、アルキル基)を有していてもよい。
L1:−AL−CO−O−AL−
L2:−AL−CO−O−AL−O−
L3:−AL−CO−O−AL−O−AL−
L4:−AL−CO−O−AL−O−CO−
L5:−CO−AR−O−AL−
L6:−CO−AR−O−AL−O−
L7:−CO−AR−O−AL−O−CO−
L8:−CO−NH−AL−
L9:−NH−AL−O−
L10:−NH−AL−O−CO−
L11:−O−AL−
L12:−O−AL−O−
L13:−O−AL−O−CO−
L14:−O−AL−O−CO−NH−AL−
L15:−O−AL−S−AL−
L16:−O−CO−AR−O−AL−CO−
L17:−O−CO−AR−O−AL−O−CO−
L18:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−CO−
L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−AL−O−CO−
L20:−S−AL−
L21:−S−AL−O−
L22:−S−AL−O−CO−
L23:−S−AL−S−AL−
L24:−S−AR−AL−
式(III)において重合性基(Q)は、重合反応の種類に応じて決定する。重合性基(Q)は、不飽和重合性基又はエポキシ基であることが好ましく、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基であることが最も好ましい。
式(III)において、nは4〜12の整数である。具体的な数字は、円盤状コア(D)の種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
(ディスコティック液晶のチルト角)
前記第1の光学異方性層は、厚み方向に対して上界面と下界面でディスコティック液晶分子のチルト角が異なるため、層平面に対して上下非対称である。該上下のチルト角がどの程度異なるか、また平均チルト角が高チルト角であるかあるいは低チルト角であるかによって、液晶表示装置に用いた際に視野角改良効果は異なる。本発明では、平均チルト角を前記範囲とすることで、液晶表示装置に用いた際に視野角改善に寄与する光学異方性層としている。液晶セルの光学パラメーターや要求される光学性能等を考慮して、それらの平均チルト角、上下の界面のチルト角、面内の配向方向、各層の面内レターデーション、Rthなどを最適化することができる。
前記第1の光学異方性層におけるディスコティック液晶の下側界面すなわち支持体側のチルト角と、上側界面すなわち空気界面側のチルト角は、配向膜や液晶層に添加する空気界面配向剤(例えば、本発明の含フッ素化合物又は水平配向剤など)の選択によって制御できる。
(含フッ素化合物)
本発明では、光学異方性層中のディスコティック液晶の平均チルト角を制御するために、含フッ素化合物を用いる。含フッ素化合物を用いることによって、ディスコティック液晶性分子の配向の平均チルト角を所望の範囲とすることができ、光学異方性層中に光学特性のムラが生じるのを軽減することができる。その結果、液晶表示装置に用いた場合に、視野角特性の改善に寄与する。また、前記光学異方性層を液晶表示装置に組み込んでも、それによって表示面にムラを生じさせることはない。前記含フッ素化合物としてはフッ素置換アルキル基を有する化合物が好ましく、末端がCF3であるアルキル基、又は末端がCF2Hであるアルキル基を有する化合物が更に好ましい。含フッ素化合物としては下記一般式(I)又は(II)で表される化合物が特に好ましい。
まず一般式(I)にて表される含フッ素化合物について詳細に説明する。
一般式(I)
(R0m−L0−(W)n
式中、R0はアルキル基、末端にCF3基を有するアルキル基、又は末端にCF2H基を有するアルキル基を表し、mは1以上の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数個のR0は同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基を表す。L0は(m+n)価の連結基を表し、Wは親水性基を表し、nは1以上の整数を表す。
式(I)中、R0は含フッ素化合物の疎水性基として機能する。R0で表されるアルキル基は置換もしくは無置換のアルキル基であり、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、更に好ましくは4〜16のアルキル基であり、特に好ましくは6〜16のアルキル基である。該置換基としては後述の置換基群Dとして例示した置換基のいずれかを適用できる。R0で表される末端にCF3基を有するアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20であり、更に好ましくは4〜16であり、特に好ましくは4〜8である。前記末端にCF3基を有するアルキル基は、アルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルキル基である。アルキル基中の水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましく、70%以上を置換されているのが特に好ましい。残りの水素原子は、さらに後述の置換基群Dとして例示された置換基によって置換されていてもよい。R0で表される末端にCF2H基を有するアルキル基は、好ましくは炭素数1〜20であり、更に好ましくは4〜16であり、特に好ましくは4〜8である。前記末端にCF2H基を有するアルキル基は、アルキル基に含まれる水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたアルキル基である。アルキル基中の水素原子の50%以上がフッ素原子で置換されているのが好ましく、60%以上が置換されているのがより好ましく、70%以上を置換されているのが特に好ましい。残りの水素原子は、さらに後述の置換基群Dとして例示された置換基によって置換されていてもよい。R0で表される末端にCF3基を有するアルキル基、又は末端にCF2H基を有するアルキル基の例を以下に示す。
1:n−C817
2:n−C613
3:n−C49
4:n−C817−(CH22
5:n−C613−(CH22
6:n−C49−(CH22
7:H−(CF28
8:H−(CF26
9:H−(CF24
10:H−(CF28−(CH2)−
11:H−(CF26−(CH2)−
12:H−(CF24−(CH2)−
式(I)において、L0で表される(m+n)価の連結基は、アルキレン基、アルケニレン基、芳香族基、ヘテロ環基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−からなる群より選ばれる基を少なくとも二つ組み合わせた連結基であることが好ましい。
式(I)において、Wはアニオン性、カチオン性又はノニオン性の親水性基を表す。Wで表されるアニオン性基としては、マイナスの電荷をもっているものであればいずれでもよいが、好ましくはリン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基又はカルボン酸基であり、より好ましくはリン酸基、ホスホン酸基、硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基であり、さらに好ましくは硫酸基、スルホン酸基、カルボン酸基である。これらのアニオン性基は解離体、非解離体のいずれであってもよい。
Wで表されるカチオン性基としてはプラスの電荷をもっていればいずれでもよいが、好ましくは、有機のカチオン性置換基であり、より好ましくは窒素又はリンのカチオン性基である。さらに好ましくは、ピリジニウムカチオン又はアンモニウムカチオンであり、より好ましくはトリアルキルアンモニウムカチオンである。
Wで表されるノニオン性基としては、メルカプト基、ヒドロキシル基、置換又は無置換のアミノ基、多価アルコール(例えば、グリセリン、グルコース、ソルビトール、ショ糖など)、アミノアルコール(例えば、−N(C24OH)2など)、ポリエチレングリコール(例えば、−(C24O)nHなど)などをあげることができる。
Wとして好ましくはアニオン性親水性基である。
前記一般式(I)で表される化合物の中でも、下記一般式(Ia)又は(Ib)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005062673
式中、R5及びR6は各々アルキル基、末端にCF3基を有するアルキル基、又は末端にCF2H基を有するアルキル基を表すが、R5及びR6が同時にアルキル基であることはない。W1及びW2は各々水素原子、親水性基、親水性基を有するアルキル基、親水性基を有するアルコキシ基、又は親水性基を有するアルキルアミノ基を表すが、W1及びW2が同時に水素原子であることはない。
一般式(Ib)
(R7−L1−)m2(Ar1)−W3
式中、R7はアルキル基、末端にCF3基を有するアルキル基、又は末端にCF2H基を有するアルキル基を表し、m2は1以上の整数を表し、m2が2以上の整数である場合、複数個のR7は同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基又はCF2H基を有するアルキル基を表す。L1は、アルキレン基、芳香族基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し、m2が2以上の整数である場合、複数個のL1は同一でも異なっていてもよい。Ar1は芳香族炭化水素環又は芳香族ヘテロ環を表し、W3は親水性基、親水性基を有するアルキル基、親水性基を有するアルコキシ基、又は親水性基を有するアルキルアミノ基を表す。
前記一般式(Ia)についてさらに詳細に説明する。
5及びR6は前記一般式(I)におけるR0と同義であり、その好ましい範囲も同一である。W1及びW2で表される親水性基は前記一般式(I)におけるWと同義でありその好ましい範囲も同一である。W1及びW2で表される親水性基を有するアルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜20のアルキル基であり、更に好ましくは1〜8のアルキル基であり、特に好ましくは1〜3のアルキル基である。前記親水性基を有するアルキル基は、少なくとも一つの親水性基を有していればよく、該親水性基としては、前記一般式(I)中のWが表す親水性基と同義であり、好ましい範囲も同一である。前記親水性基を有するアルキル基は、親水性基以外の置換基によって置換されていてもよく、該置換基としては後述の置換基群Dとして例示した置換基のいずれかを適用できる。W1及びW2で表される親水性基を有するアルコキシ基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、更に好ましくは1〜8のアルコキシ基であり、特に好ましくは1〜4のアルコキシ基である。前記親水性基を有するアルコキシ基は、少なくとも一つの親水性基を有していればよく、該親水性基としては、前記一般式(I)中のWが表す親水性基と同義であり好ましい範囲も同一である。前記親水性基を有するアルコキシ基は、親水性基以外の置換基によって置換されていてもよく、該置換基としては後述の置換基群Dとして例示した置換基のいずれかを適用できる。W1及びW2で表される親水性基を有するアルキルアミノ基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、好ましくは炭素数1〜20のアルキルアミノ基であり、更に好ましくは1〜8のアルキルアミノ基であり、特に好ましくは1〜4のアルキルアミノ基である。前記親水性基を有するアルキルアミノ基は、少なくとも一つの親水性基を有していればよく、該親水性基としては、前記一般式(I)中のWが表す親水性基と同義であり好ましい範囲も同一である。前記親水性基を有するアルキルアミノ基は、親水性基以外の置換基によって置換されていてもよく、該置換基としては後述の置換基群Dとして例示した置換基のいずれかを適用できる。
1及びW2は、特に好ましくはそれぞれ水素原子又は(CH2nSO3M(nは0又は1を表す。)である。Mはカチオンを表すが、分子内で荷電が0になる場合は、Mはなくてもよい。Mで表されるカチオンとしては、例えばプロトニウムイオン、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなど)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオンなど)、アンモニウムイオンなどが好ましく適用される。このうち、特に好ましくはプロトニウムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンである。
次に、前記一般式(Ib)についてさらに詳細に説明する。
7は前記一般式(I)におけるR0と同義であり、その好ましい範囲も同一である。L1は、好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数6〜12の芳香族基、−CO−、−NR−、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる総炭素数0〜40の連結基を表し、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキレン基、フェニル基、−CO−、−NR−、−O−、−S−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる総炭素数0〜20の連結基を表す。Ar1は、好ましくは炭素数6〜12の芳香族炭化水素環を表し、特に好ましくはベンゼン環又はナフタレン環を表す。W3で表される親水性基、親水性基を有するアルキル基、親水性基を有するアルコキシ基、又は親水性基を有するアルキルアミノ基は前記一般式(Ia)におけるW1及びW2で表される親水性基、親水性基を有するアルキル基、親水性基を有するアルコキシ基、又は親水性基を有するアルキルアミノ基と同義でありその好ましい範囲も同一である。
3は、好ましくは親水性基、又は親水性基を有するアルキルアミノ基であり、特に好ましくはSO3M、又はCO2Mである。Mはカチオンを表すが、分子内で荷電が0になる場合はMはなくてもよい。Mで表されるカチオンとしては、例えばプロトニウムイオン、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオンなど)、アルカリ土類金属イオン(バリウムイオン、カルシウムイオンなど)、アンモニウムイオンなどが好ましく適用される。このうち、特に好ましくはプロトニウムイオン、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン、アンモニウムイオンである。
本明細書において、置換基群Dには、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルケニル基であり、例えば、ビニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ペンテニル基などが挙げられる)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜12、特に好ましくは炭素数2〜8のアルキニル基であり、例えば、プロパルギル基、3−ペンチニル基などが挙げられる)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、例えば、フェニル基、p−メチルフェニル基、ナフチル基などが挙げられる)、置換もしくは無置換のアミノ基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜10、特に好ましくは炭素数0〜6のアミノ基であり、例えば、無置換アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジベンジルアミノ基などが挙げられる)、
アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12、特に好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールオキシ基であり、例えば、フェニルオキシ基、2−ナフチルオキシ基などが挙げられる)、アシル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12アシル基であり、例えば、アセチル基、ベンゾイル基、ホルミル基、ピバロイル基などが挙げられる)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜10のアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニル基などが挙げられる)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる)、
アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜10のアシルアミノ基であり、例えばアセチルアミノ基、ベンゾイルアミノ基などが挙げられる)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜16、特に好ましくは炭素数2〜12のアルコキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜20、より好ましくは炭素数7〜16、特に好ましくは炭素数7〜12のアリールオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノ基などが挙げられる)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニルアミノ基であり、例えば、メタンスルホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基などが挙げられる)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜20、より好ましくは炭素数0〜16、特に好ましくは炭素数0〜12のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、フェニルスルファモイル基などが挙げられる)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のカルバモイル基であり、例えば、無置換のカルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フェニルカルバモイル基などが挙げられる)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基などが挙げられる)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜16、特に好ましくは炭素数6〜12のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ基などが挙げられる)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルホニル基であり、例えば、メシル基、トシル基などが挙げられる)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル基、ベンゼンスルフィニル基などが挙げられる)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のウレイド基であり、例えば、無置換のウレイド基、メチルウレイド基、フェニルウレイド基などが挙げられる)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜16、特に好ましくは炭素数1〜12のリン酸アミド基であり、例えば、ジエチルリン酸アミド基、フェニルリン酸アミド基などが挙げられる)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは1〜12のヘテロ環基であり、例えば、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を有するヘテロ環基であり、例えば、イミダゾリル基、ピリジル基、キノリル基、フリル基、ピペリジル基、モルホリノ基、ベンゾオキサゾリル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズチアゾリル基などが挙げられる)、シリル基(好ましくは、炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは、炭素数3〜24のシリル基であり、例えば、トリメチルシリル基、トリフェニルシリル基などが挙げられる)が含まれる。これらの置換基はさらにこれらの置換基によって置換されていてもよい。また、置換基が二つ以上有する場合は、同じでも異なってもよい。また、可能な場合には互いに結合して環を形成していてもよい。
なお、前記含フッ素化合物は、ディスコティック液晶の配向状態を固定化するために置換基として重合性基を有していてもよい。
本発明に使用可能な一般式(I)で表される含フッ素化合物の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる含フッ素化合物はこれらに限定されるものではない。下記の具体例中、No.I−1〜42は一般式(Ia)、No.I−43〜66は一般式(Ib)で表される化合物の例である。
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
次に、本発明に使用可能な、下記一般式(II)で表されるモノマーから導かれるフルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位を含む重合体(以下、「フッ素系ポリマー」という場合がある)について説明する。
Figure 2005062673
式中、Hfは水素原子又はフッ素原子を表し、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子又はN(R2)−を表し、m1は1〜6の整数、n1は2〜4の整数を表す。R2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
前記フッ素系ポリマーは、さらに下記一般式(III)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む共重合体であるのが好ましい。
Figure 2005062673
式中、R3は水素原子又はメチル基を表し、Yは2価の連結基を表し、R4は置換基を有してもよいポリ(アルキレンオキシ)基又は置換基を有してもよい炭素数1以上20以下のアルキル基を表す。
以下、本発明に使用可能なフッ素系ポリマーについて詳細に説明する。
本発明に使用可能なフッ素系ポリマーは、上記一般式(II)のモノマーから導かれるフルオロ脂肪族基を有する繰り返し単位、好ましくはさらに上記一般式(III)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、又はこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体であるのが好ましい。
前記一般式(II)中のフルオロ脂肪族基は、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導くことができる。これらのフルオロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E.Pavlath,American Chemical Society 1995)の747−752ページに記載されている。テロメリゼーション法とは、ヨウ化物等の連鎖移動常数の大きいアルキルハライドをテローゲンとして、テトラフルオロエチレン等のフッ素含有ビニル化合物のラジカル重合を行い、テロマーを合成する方法である(Scheme1に例示した)。
Figure 2005062673
得られた、末端ヨウ素化テロマーは通常、例えば、以下の[Scheme2]のごとき適切な末端化学修飾を施され、フルオロ脂肪族化合物へと導かれる。これらの化合物は必要に応じ、さらに所望のモノマー構造へと変換されフルオロ脂肪族基を有する前記フッ素系ポリマーの製造に使用される。
Figure 2005062673
前記一般式(II)中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子、又はN(R2)−を表し、Hfは水素原子又はフッ素原子を表す。ここでR2は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基を表し、好ましくは水素原子又はメチル基である。Xは酸素原子がより好ましい。一般式(II)中のm1は1以上6以下の整数が好ましく、1又は2が特に好ましい。一般式(II)中のn1は2〜4であって、特に2又は3が好ましく、また、これらの混合物を用いてもよい。
一般式(II)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーのより具体的なモノマーの例を以下にあげるがこの限りではない。
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
一般式(III)において、R3は水素原子又はメチル基を表し、Yは2価の連結基を表す。2価の連結基としては、酸素原子、イオウ原子又はN(R5)−が好ましい。ここでR5は水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が好ましい。R5のより好ましい形態は水素原子及びメチル基である。
Yは、酸素原子、−N(H)−及びN(CH3)−がより好ましい。
4は置換基を有しても良いポリ(アルキレンオキシ)基又は置換基を有しても良い炭素数1以上20以下のアルキル基を表す。本明細書において、「アルキル基」は、直鎖、分岐及び環状のアルキル基のいずれも含む意味で用いる。
4で表されるポリ(アルキレンオキシ)基は(RO)xで表すことができ、Rは2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基、例えば−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、又はCH(CH3)CH(CH3)−であることが好ましい。前記のポリ(アルキレンオキシ)基中のアルキレンオキシ単位はポリ(プロピレンオキシ)におけるように同一であってもよく、また互いに異なる2種以上のアルキレンオキシが不規則に分布されたものであっても良く、直鎖又は分岐状のプロピレンオキシ又はエチレンオキシ単位であったり、又は直鎖又は分岐状のプロピレンオキシ単位のブロック及びエチレンオキシ単位のブロックのように存在するものであっても良い。このポリ(アルキレンオキシ)鎖は、複数のポリ(アルキレンオキシ)単位同士が1つ又はそれ以上の連鎖結合(例えば−CONH−Ph−NHCO−、−S−など、ここでPhはフェニレン基を表す)で連結されたものも含むことができる。連鎖の結合が3つ又はそれ以上の原子価を有する場合には、これは分岐鎖のアルキレンオキシ単位を得るための手段を供する。またこの共重合体を本発明に用いる場合には、ポリ(アルキレンオキシ)基の分子量は250〜3000が適当である。
4で表される炭素数1以上20以下のアルキル基の好ましい例は、直鎖及び分岐してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基、エイコサニル基等の鎖状アルキル基;シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等の単環シクロアルキル基;及びビシクロヘプチル基、ビシクロデシル基、トリシクロウンデシル基、テトラシクロドデシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロデシル基等の多環シクロアルキル基である。
4で表されるポリ(アルキレンオキシ)基又はアルキル基の置換基としては、水酸基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニルオキシ基、カルボキシル基、アルキルエーテル基、アリールエーテル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、アミノ基等があげられるがこの限りではない。
前記一般式(III)で表されるモノマーは、アルキル(メタ)アクリレート又はポリ(アルキレンオキシ)(メタ)アクリレートであることが特に好ましい。
前記一般式(III)で示されるモノマーの具体例を以下に挙げるが、この限りではない。
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
Figure 2005062673
なお、ポリ(アルキレンオキシ)アクリレート及びメタクリレートは、市販のヒドロキシポリ(アルキレンオキシ)材料、例えば商品名“プルロニック”[Pluronic(旭電化工業(株)製)、“アデカポリエーテル”(旭電化工業(株)製)“カルボワックス”[Carbowax(グリコ・プロダクス)]、“トリトン”[Toriton(ローム・アンド・ハース(Rohm and Haas製))及び“P.E.G”(第一工業製薬(株)製)として販売されているものを公知の方法でアクリル酸、メタクリル酸、アクリルクロリド、メタクリルクロリド又は無水アクリル酸等と反応させることによって製造できる。
別に、公知の方法で製造したポリ(オキシアルキレン)ジアクリレート等を用いることもできる。
前記フッ素系ポリマーは、前記一般式(II)で表されるモノマーのホモポリマー又は前記一般式(II)で表されるモノマーと、ポリアルキレンオキシ(メタ)アクリレートとの共重合体が好ましく、前記一般式(II)で表されるモノマーと、ポリエチレンオキシ(メタ)アクリレート又はポリプロピレンオキシ(メタ)アクリレートとの共重合体であるのがより好ましい。
上記一般式(II)で表されるモノマーと一般式(III)で表されるモノマーの共重合体は、上記各モノマーの他に、さらにこれらと共重合可能なモノマーをも加えて反応させた共重合体であってもよい。この共重合可能なモノマーの好ましい共重合比率としては、全モノマー中の20モル%以下、より好ましくは10モル%以下である。このようなモノマーとしては、PolymerHandbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975)Chapter 2Page 1〜483記載のものを用いることが出来る。例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
具体的には、以下のモノマーをあげることができる。
アクリル酸エステル類:
フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートなど、
メタクリル酸エステル類:
フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレートなど、
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノールなど、
ビニルエーテル類:
アルキルビニルエーテル(例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテルなど、
ビニルエステル類:
ビニルビチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロルアセテート、ビニルジクロルアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β―フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレートなど、
イタコン酸ジアルキル類:
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど、
フマール酸のジアルキルエステル類又はモノアルキルエステル類:
ジブチルフマレートなど
その他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、マレイロニトリル、スチレンなど。
前記フッ素系ポリマー中の一般式(II)で示されるモノマーの量は、該ポリマーの構成モノマー総量の5モル%以上であるのが好ましく、20モル%以上であるのがより好ましく、30モル%以上であるのがさらに好ましい。前記フッ素系ポリマー中の一般式(III)で示されるモノマーの量は、フッ素系ポリマーの構成モノマー総量の10モル%以上であるのが好ましく、15〜70モル%であるのがより好ましく、20〜60モル%であるのがさらに好ましい。
前記フッ素系ポリマーの好ましい重量平均分子量は、3000〜100,000が好ましく、6,000〜80,000がより好ましい。
また、第1の光学異方性層を作製する際に用いる組成物(溶媒を除いた塗布成分)中の前記フッ素系ポリマーの含有量は、0.005〜8質量%であるのが好ましく、0.01〜1質量%であるのがより好ましく、0.05〜0.5質量%であるのがさらに好ましい。前記フッ素系ポリマーの添加量が0.005質量%未満では効果が不十分であり、また8質量%より多くなると、塗膜の乾燥が十分に行われなくなったり、光学フィルムとしての性能(例えばレターデーションの均一性等)に悪影響を及ぼす場合がある。
前記フッ素系ポリマーは公知慣用の方法で製造することができる。例えば先にあげたフルオロ脂肪族基を有する(メタ)アクリレート、ポリアルキレンオキシ基を有する(メタ)アクリレート等の単量体を含む有機溶媒中に、汎用のラジカル重合開始剤を添加し、重合させることにより製造てきる。また、場合によりその他の付加重合性不飽和化合物を、さらに添加して上記と同じ方法にて製造することができる。各モノマーの重合性に応じ、反応容器にモノマーと開始剤を滴下しながら重合する滴下重合法なども、均一な組成のポリマーを得るために有効である。
以下、前記フッ素系ポリマーの具体的な構造の例を示すが、これらに限定されるものではない。なお式中の数字は各モノマー成分のモル比率を示す。Mwは重量平均分子量を表す。
Figure 2005062673
Figure 2005062673
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本発明において、第1の光学異方性層、及び前記第2又は第3の光学異方性層がディスコティック液晶からなる場合はそれらの光学異方性層は、ディスコティック液晶の水平配向を誘起する化合物(以下、「水平配向剤」と略記する)を含有することも好ましい。水平配向剤としてはディスコティック液晶の水平配向を誘起する化合物であれば特に制限はないが、第1の光学異方性層で好適に用いられる水平配向剤としては、本発明の含フッ素化合物と併用することによりディスコティック液晶の水平配向を誘起する化合物が好ましい。特に好ましくは、温度T1℃でディスコティック液晶を水平配向させた後、温度T2℃(但し、T1<T2)でハイブリッド配向へ転移させうる水平配向剤である。ディスコティック液晶を一旦水平配向させた後、ハイブリッド配向へ転移させることによって、シュリーレン欠陥などの欠陥の少ないハイブリッド配向の光学異方性層を迅速に製造することができ生産性を向上できる。
本発明における水平配向剤としては、下記一般式(IV)にて表される含トリアジン環化合物が好適に用いられる。
Figure 2005062673
式中、R7、R8及びR9は各々独立して、水素原子又は置換基を表し、置換基としては前述の置換基群Dとして例示した置換基と同義であり、その好ましい範囲も同一である。R7、R8及びR9は、特に好ましくは置換又は無置換のアルキル基、アルコキシ基又はフェニル基であり、最も好ましくは炭素数6〜20の無置換のアルキル基、炭素数1〜20の無置換のアルコキシ基又は炭素数1〜20の無置換又はフッ素原子が置換したアルコキシ基によって置換されたフェニル基である。また、R7、R8及びR9は可能な場合には連結して二量体又は三量体を形成していてもよい。L2、L3及びL4は、アルキレン基、芳香族基、−CO−、−NR−(Rは炭素原子数が1〜5のアルキル基又は水素原子)、−O−、−S−、−SO−、−SO2−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表し、好ましくは、アルキレン基、芳香族基、−CO−、−NR−、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。L2、L3及びL4は、特に好ましくはアルキレン基、フェニル基、−NH−、−O−、−S−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であり、最も好ましくはエチレン基、プロピレン基、−NH−、−O−及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。
なお、前記水平配向剤は、ディスコティック液晶の配向状態を固定化するために置換基として重合性基を有するものも好ましい。
本発明に使用可能な水平配向剤の具体例を以下に示すが、本発明に用いられる水平配向剤はこれらに限定されるものではない。
Figure 2005062673
Figure 2005062673
第1の光学異方性層は、ディスコティック液晶がハイブリッド配向していることが好ましく、ハイブリッド配向している状態で固定されていることがさらに好ましく、重合反応により液晶性分子が固定されていることが最も好ましい。
第1の光学異方性層は、ディスコティック液晶、含フッ素化合物及び下記の重合性開始剤や他の添加剤を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成することができる。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれる。アルキルハライド及びケトンが好ましい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
配向させたディスコティック液晶は、配向状態を維持して固定するのが好ましい。固定化は、液晶性分子に導入した重合性基の重合反応により実施することが好ましい。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米国特許2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン及びフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許4239850号明細書記載)及びオキサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細書記載)が含まれる。
光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがさらに好ましい。液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm2〜50J/cm2であることが好ましく、100〜800mJ/cm2であることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。光学異方性層の厚さは、0.1〜10μmであることが好ましく、0.5〜5μmであることがさらに好ましい。
[第2の光学異方性層]
本発明において、第2の光学異方性層は、上記光学特性を満たす限り、いずれの材料からなっていてもよい。そのような光学異方性層は、液晶性化合物を含む組成物からなる層であっても、延伸したポリマーフィルムの層であってもよい。前記第2の光学異方性層の光軸は層平面と平行であることが好ましい。かかる光学異方性層を液晶性化合物から形成する場合は、層中において、液晶性分子が実質的に水平(ホモジニアス)配向しているのが好ましい。液晶分子の実質的な水平(ホモジニアス)配向とは、液晶分子のダイレクター方向とフィルム平面との平均角度が0〜40°の範囲内であり、上面界面近傍と下面界面近傍とで該ダイレクターとフィルム平面との成す角度が5°より小さいことを意味する。
上記した様に、第2の光学異方性層は液晶性化合物を含有する組成物から形成されていてもよい。前記液晶性化合物としては、棒状液晶性化合物が好ましい。前記第2の光学異方性層において、液晶性分子は、水平配向していることが好ましく、水平配向している状態で固定されていることがさらに好ましく、重合反応により液晶性分子が固定されていることが最も好ましい。棒状液晶性分子としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。棒状液晶性分子を重合によって配向を固定することがより好ましく、重合性棒状液晶性分子としては、Makromol.Chem.,190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号、同5622648号、同5770107号、世界特許(WO)95/22586号、同95/24455号、同97/00600号、同98/23580号、同98/52905号、特開平1−272551号、同6−16616号、同7−110469号、同11−80081号、及び特開2001−328973号などに記載の化合物を用いることができる。
第2の光学異方性層における液晶性分子の塗布方法及び配向状態の固定化方法は第1の光学異方性層におけるそれと同一である。
上記した様に、前記第2の光学異方性層はポリマーフィルムから形成してもよい。ポリマーフィルムは、光学異方性を発現し得るポリマーから形成する。そのようなポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリエチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマー)、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸エステル及びセルロースエステル(例、セルローストリアセーテート、セルロースジアセテート)が含まれる。また、これらのポリマーの共重合体あるいはポリマー混合物を用いてもよい。
ポリマーフィルムの光学異方性は、延伸により得ることが好ましい。延伸は一軸延伸又は二軸延伸であることが好ましい。具体的には、2つ以上のロールの周速差を利用した縦一軸延伸、又はポリマーフィルムの両サイドを掴んで幅方向に延伸するテンター延伸、これらを組み合わせての二軸延伸が好ましい。なお、二枚以上のポリマーフィルムを用いて、二枚以上のフィルム全体の光学的性質が前記の条件を満足してもよい。ポリマーフィルムは、複屈折のムラを少なくするためにソルベントキャスト法により製造することが好ましい。ポリマーフィルムの厚さは、20〜500μmであることが好ましく、40〜100μmであることが最も好ましい。
[第3の光学異方性層]
本発明において、第3の光学異方性層は、上記条件を満たす限り、いかなる材料からなっていてもよい。例えば、第3の光学異方性層は、光学異方性を発現させたポリマーフィルムの層であってもよいし、液晶性分子を配向させることによって光学異方性を発現させた層であってもよい。また、単層から形成されていてもよく、多層から形成されていてもよい。
第3の光学異方性層がポリマーフィルムである場合、該ポリマーフィルムの材質については、トリアセチルセルロース、環状ポリオレフィン、ポリイミド、変性ポリカーボネートなどが挙げられるが、これらが負の光学異方性を発現するときのポリマー分子鎖の配向状態と同様な分子鎖の配向状態を取れるものであれば、ポリマーフィルムの材質は前記材料に限定されない。中でもトリアセチルセルロースや環状ポリオレフィンからなるポリマーフィルムが好ましい。また、ポリマーフィルムを2軸延伸することより所望のRthを発現させてもよい。また、添加剤をポリマーに加えてRthを調整してもよく、トリアセチルセルロースのRthを調整する方法としては特開2000−111914号、特開2001−166144号の各公報に記載の方法が知られている。
上記した様に、第3の光学異方性層を、液晶性化合物を含有する組成物から形成してもよい。前記液晶性化合物としては、ディスコティック液晶性化合物又はコレステリック液晶性化合物が好ましく、ディスコティック液晶性化合物がより好ましい。ディスコティック液晶性分子を基板に対して実質的に水平に配向させることにより、負の光学異方性を示す層を形成できる。かかる技術については特開平11−352328号公報に開示されている。実質的に水平とは、ディスコティック液晶性分子のチルト角が0±10°の範囲を意味する。すなわちディスコティック液晶分子の光軸と基板法線方向のなす角度が0±10°の範囲を意味する。ディスコティック液晶性分子のチルト角が0°ではない(具体的には0±10°の範囲)斜め配向をさせてもよいし、チルト角が徐々に変化するハイブリット配向をさせてもよい。また、キラル剤を添加したり、ずり応力を与えることによって、上記配向状態にねじれ変形を加えたものであってもよい。
第3の光学異方性層を形成する好ましいディスコティック液晶の例については、第1の光学異方性層に使用可能なディスコティック液晶の例と同様であり、その好ましい範囲も同一である。コレステリック液晶性化合物の分子は、螺旋状のねじれ配向により負の光学異方性を示す。コレステリック液晶性分子をらせん状に配列させるとともに配列のねじれ角やレターデーション値などを制御することによって所望の光学特性を得ることができる。コレステリック液晶性分子のねじれ配向は公知の方法を用いることで達成可能である。液晶性分子は配向状態で固定されているのが好ましく、重合によって固定化されているのがより好ましい。
[配向膜]
前記第1、第2及び第3の光学異方性層を、液晶性分子から形成する場合、液晶性分子を配向させるためには配向膜を用いることが好ましい。例えば、前記第1、第2及び第3の光学異方性層を同一支持体上に順次形成する場合は、支持体/配向膜/第2の光学異方性層/配向膜/第1の光学異方性層/配向膜/第3の光学異方性層、又は、支持体/配向膜/第3の光学異方性層/配向膜/第1の光学異方性層/配向膜/第2の光学異方性層、等のように、各光学異方性層を配向膜上に形成してその配向を制御し、所望の光学特性を発現させることが出来る。
要求される光学特性、及び用いる液晶性分子の種類に応じて、配向膜の材質を選択することができる。また、各光学異方性層間に配向膜を別途設けなくとも、光学異方性層を構成する成分中に配向膜機能を有する分子を添加することにより、該光学異方性層の上に積層された光学異方性層を所望の配向状態にすることもできる。
配向膜は、有機化合物(好ましくはポリマー)のラビング処理、無機化合物の斜方蒸着、マイクログループを有する層の形成、あるいはラングミュア・ブロジェット法による有機化合物(たとえば、ω−トリコサン酸、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド、ステアリン酸メチル)の累積(LB膜)のような手段で設けることが出来る。さらに、電場や磁場の付与あるいは光照射によって配向機能が生じる配向膜も知られている。ポリマーのラビング処理により形成する配向膜が特に好ましい。ラビング処理は、ポリマー層の表面を紙や布で一定方向に数回こすることにより実施する。
配向膜に使用するポリマーの種類は、液晶化合物の配向(特に平均チルト角)に応じて決定する。発現しようとする平均チルト角に応じて表面エネルギーを調整することが好ましい。また、本発明において、第3の光学異方性層を液晶性分子で形成する場合には、配向膜の表面エネルギーを低下させないポリマーを用いることが好ましい。また、第3の光学異方性層をディスコティック液晶性分子を用いて形成する場合は、ラビング処理をしなくてもよく、配向膜が無くても良い。ただし、液晶性分子と透明支持体との密着を改善する目的で、界面で液晶性分子と化学結合を形成する配向膜(特開平9−152509号公報記載)を用いてもよい。密着性改善の目的で配向膜を使用する場合は、ラビング処理を実施しなくても良い。
第2の光学異方性層において、正の光学的異方性を持つ液晶性分子のダイレクタ−を透明支持体の長軸方向に対して45°よりも大きい角度で配向させる場合にはラビング方向に対して直交方向に棒状液晶性分子のダイレクターが並ぶような配向膜(以下直交配向膜という)を用いることが好ましい。直交配向膜に関しては特開2002−62427号公報及び特開2002−268068号公報に記載されている。
配向膜の厚さは、0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜3μmであることがさらに好ましい。なお、いずれの配向膜を用いた場合も、液晶性分子を配向状態に固定した後は、他の支持体上等に転写可能である。配向状態で固定化された液晶化合物は、配向膜がなくても配向状態を維持することができる。したがって本発明の位相差板は、各光学異方性層を同一の支持体上で順次形成して作製する方法以外に、仮支持体上などで形成した各光学異方性層を、必要があれば接着剤などを用いて、貼り合せる方法によっても作製することが出来る。
いずれの配向膜においても、重合性基を有することが好ましい。重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を導入するか、あるいは、環状基の置換基として導入することができる。
[光学異方性層の積層]
積層する光学異方性層がいずれも液晶化合物よりなる場合、3層を同一支持体上に逐次積層してもよいし、それぞれを仮支持体上に形成した後、それらを貼り合せてもよいし、2層を支持体上に積層したものに仮支持体上に形成した1層を転写してもよい。
積層する光学異方性層が、いずれかが液晶化合物よりなる層で、いずれかがポリマーフィルムからなる層である場合、ポリマーフィルムからなる層を液晶化合物からなる層を形成するための支持体として用いることができる。例えば、トリアセチルセルロース等の負の光学異方性を有すポリマーフィルムは、第3の光学異方性層として利用でき、且つ液晶性化合物よりなる第1の光学異方性層の支持体としても利用できる。さらに、その上に、液晶性化合物を塗布して第2の光学異方性層を形成してもよいし、ポリマーフィルムを貼り合せて第2の光学異方異性層を形成してもよい。また、延伸したポリマーフィルムを第2の光学異方性層として用いた場合、該フィルムの一方の面に、液晶性化合物からなる本発明の光学異方性を形成し、さらにその上にもしくはフィルムの他の面に、第3の光液晶化合物を積層塗布して、仮支持体上に形成した液晶層を転写して、又はポリマーフィルムを貼り合わせることによって、第3の光学異方性層を形成してもよい。
液晶化合物を塗布する支持体として用いられるポリマーフィルムは、前記第2及び第3の光学異方性層のいずれかの層としても利用できるし、偏光子の保護フィルムとしても利用できるし、そのどちらの機能も兼ね備えたフィルムとしても利用できる。なお、後述する本発明の楕円偏光板の好ましい形態は、偏光子、第2、第1、及び第3の光学異方性層がこの順で積層されたものであるが、最終的にこの順になれば、積層していく順序は問われない。
[支持体]
本発明の位相差板及び楕円偏光板は、支持体を有していてもよく、該支持体としては透明支持体が好ましい。透明支持体としてはガラス板又はポリマーフィルム、好ましくはポリマーフィルムが用いられる。支持体が透明であるとは、光透過率が80%以上であることを意味する。支持体の厚みは、10〜500μmであることが好ましく、30〜200μmであることがさらに好ましい。
支持体とその上に設けられる層(接着層、配向膜あるいは光学異方性層)との接着を改善するために、透明支持体に表面処理(例えば、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処理など)を実施してもよい。支持体に紫外線吸収剤を添加してもよい。透明支持体の上に、接着層(下塗り層)を設けてもよい。接着層については、特開平7−333433号公報に記載がある。接着層の厚さは、0.1〜2μmであることが好ましく、0.2〜1μmであることが好ましい。
支持体としては、波長分散が小さいポリマーフィルムを用いることが好ましい。支持体は、光学異方性が小さいことも好ましい。波長分散が小さいとは、具体的には、Re400/Re700の比が1.2未満であることが好ましい。光学異方性が小さいとは、具体的には、面内レターデーション(Re)が20nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがさらに好ましい。ポリマーの例には、セルロースエステル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及び環状ポリオレフィンが含まれる。セルロースエステルが好ましく、アセチルセルロースがさらに好ましく、トリアセチルセルロースが最も好ましい。環状ポリオレフィンとしては、特公平2−9619号記載のテトラシクロドデセン類の開環重合体又はテトラシクロドデセン類とノルボルネン類の開環共重合体を水素添加反応させて得られた重合体を構成成分とするポリマー、商品名としてはアートン(JSR製)や、ゼオネックス、ゼオノア(日本ゼオン製)のシリーズから使用することができる。ポリマーフィルムは、ソルベントキャスト法により形成することが好ましい。
[楕円偏光板]
本発明の位相差板は、液晶表示装置において使用されるλ/4板、光ディスクの書き込み用のピックアップ、GH−LCDやPS変換素子に使用されるλ/4板、あるいは反射防止膜として利用されるλ/4板として、特に有利に用いられる。なお、λ/4板は、一般に偏光膜と組み合わせて使用される。よって、位相差板と偏光膜とを組み合わせた楕円偏光板として構成しておくと、容易に反射型及び半透過型液晶表示装置のような用途とする装置に組み込むことができる。
本発明の楕円偏光板は、本発明の位相差板と直線偏光子とを有する。本発明の楕円偏光板において、前記第1及び第2の光学異方性層及び直線偏光膜の光学的向きは、全体がほぼ完全な円偏光になるように積層する。このように光学的な向きを設定することで、広い波長領域でλ/4を達成する広帯域λ/4板を提供することができる。例えば、第1の光学異方性層の遅相軸と第2の光学異方性層の遅相軸との角度を60°、第1の光学異方性層の遅相軸と偏光膜の偏光軸(透過率が面内で最大になる方向)との角度を75°、そして第2の光学異方性層の遅相軸と偏光膜の偏光軸との角度を15°に設定することで可視領域全体で円偏光、すなわち広帯域λ/4が達成できる。また、前記第1の光学異方性層の遅相軸と前記第2の光学異方性層の遅相軸との角度を60゜、前記第1の光学異方性層の遅相軸と偏光膜の偏光軸との角度を15゜、そして、前記第2の光学異方性層の遅相軸と偏光膜の偏光軸との角度を75゜に設定してもよい。以上の角度の許容範囲は、±10゜以内であり、±8゜以内であることが好ましく、±6゜以内であることがより好ましく、±5゜以内であることがさらに好ましく、±4゜以内であることが最も好ましい。
本発明の楕円偏光板の好ましい形態は、直線偏光膜、第2、第1及び第3の光学異方性層はこの順に積層された楕円偏光板である。
本明細書において、広域帯λ/4板とは、具体的には、波長450nm、550nm及び650nmで測定したレターデーション値/波長の値が、いずれも0.2〜0.3の範囲内であることを意味する。レターデーション値/波長の値は、0.21〜0.29の範囲内であることが好ましく、0.22〜0.28の範囲内であることがより好ましく、0.23〜0.27の範囲内であることが最も好ましい。
図1は、楕円偏光板の代表的な態様を示す断面模式図である。図1に示す楕円偏光板は、両面を保護フィルム(T1、T2)により挟まれた直線偏光膜(P)、第2の光学異方性層(A)、第1の光学異方性層(B)、及び第3の光学異方性層(C)を、この順に積層した構成を有する。図2は、光学異方性層の遅相軸の方向と直線偏光膜の偏光透過軸又は偏光吸収軸の方向とを示す平面図である。図2中、第2の光学異方性層(A)の遅相軸(a)と第1の光学異方性層(B)の遅相軸(b)との同一面内での角度(α)は、50〜70゜であることが好ましい。また、図2中、第2の光学異方性層(A)の遅相軸(a)と直線偏光膜の偏光透過軸又は偏光吸収軸(p1)との角度(β)は、10〜20゜であるのが好ましい。
本発明の楕円偏光板は、本発明の位相差板と直線偏光膜から構成される。直線偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。偏光膜の偏光軸(透過軸)は、フィルムの延伸方向に垂直な方向に相当する。偏光膜は、一般に保護膜を有する。透明支持体をポリマーフィルムからなる光学異方性層として機能させることもできるし、偏光膜の片側の保護膜として機能させることもできる。透明支持体とは別に保護膜を用いる場合は、保護膜として光学的等方性が高いセルロースエステルフィルム、特にトリアセチルセルロースフィルムや環状ポリオレフィンフィルムを用いることが好ましい。
本発明による楕円偏光板においては、該保護フィルムのRthが前記第3の光学異方性層のRthよりも30nm以上小さい。該保護フィルムのRthは0〜50nmであることが好ましく、0〜30nmであることがより好ましく、0〜20nmであることが最も好ましい。
本発明による楕円偏光板の異なる形態においては、片面にしか保護膜を有さない直線偏光膜を用いてもよい。すなわち、直線偏光膜と前記第1の光学異方性層の間には保護膜が無く、実質的に光学的等方性の粘着材層又は接着剤層のみが介在する。
[液晶表示装置]
本発明の液晶表示装置は、前記楕円偏光板を少なくとも有し、反射型、半透過型、透過型液晶表示装置等が含まれる。液晶表示装置は一般的に、偏光板、液晶セル、及び必要に応じて位相差板、反射層、光拡散層、バックライト、フロントライト、光制御フィルム、導光板、プリズムシート、カラーフィルター等の部材から構成されるが、本発明においては前記楕円偏光板を使用することを必須とする点を除いて特に制限は無い。また前記楕円偏光板の使用位置は特に制限はなく、また、1カ所でも複数カ所でも良い。液晶セルとしては特に制限されず、電極を備える一対の透明基板で液晶層を狭持したもの等の一般的な液晶セルが使用できる。液晶セルを構成する前記透明基板としては、液晶層を構成する液晶性を示す材料を特定の配向方向に配向させるものであれば特に制限はない。具体的には、基板自体が液晶を配向させる性質を有していている透明基板、基板自体は配向能に欠けるが、液晶を配向させる性質を有する配向膜等をこれに設けた透明基板等がいずれも使用できる。また、液晶セルの電極は、公知のものが使用できる。通常、液晶層が接する透明基板の面上に設けることができ、配向膜を有する基板を使用する場合は、基板と配向膜との間に設けることができる。前記液晶層を形成する液晶性を示す材料としては、特に制限されず、各種の液晶セルを構成し得る通常の各種低分子液晶物質、高分子液晶物質及びこれらの混合物が挙げられる。また、これらに液晶性を損なわない範囲で色素やカイラル剤、非液晶性物質等を添加することもできる。
前記液晶セルは、前記電極基板及び液晶層の他に、後述する各種の方式の液晶セルとするのに必要な各種の構成要素を備えていても良い。前記液晶セルの方式としては、TN(Twisted Nematic)方式、STN(SuperTwisted Nematic)方式、ECB(Electrically Controlled Birefringence)方式、IPS(In−Plane Switching)方式、VA(Vertical Alignment)方式、MVA(Multidomain Vertical Alignment)方式、PVA(Patterned Vertical Alignment)方式、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)方式、ハーフトーングレイスケール方式、ドメイン分割方式、あるいは強誘電性液晶、反強誘電性液晶を利用した表示方式等の各種の方式が挙げられる。また、液晶セルの駆動方式も特に制限はなく、STN−LCD等に用いられるパッシブマトリクス方式、並びにTFT(Thin Film Transistor)電極、TFD(Thin Film Diode)電極等の能動電極を用いるアクティブマトリクス方式、プラズマアドレス方式等のいずれの駆動方式であっても良い。カラーフィルターを使用しないフィールドシーケンシャル方式であってもよい。
本発明における楕円偏光板は、反射型及び半透過型液晶表示装置に好ましく用いられる。反射型液晶表示装置は、反射板、液晶セル及び偏光板を、この順に積層した構成を有する。位相差板は、反射板と直線偏光膜との間(反射板と液晶セルとの間又は液晶セルと直線偏光膜との間)に配置される。反射板は、液晶セルと基板を共有していてもよい。半透過反射型液晶表示装置は、電液晶セルと、該液晶セルより観察者側に配置された偏光板と、前記偏光板と前記液晶セルの間に配置される少なくとも1枚の位相差板と、観察者から見て前記液晶層よりも後方に設置された半透過反射層を少なくとも備え、さらに観察者から見て前記半透過反射層よりも後方に少なくとも1枚の位相差板と偏光板とを有す。このタイプの液晶表示装置では、バックライトを設置することで反射モードと透過モード両方の使用が可能となる。
前記液晶表示装置において、少なくとも1枚の位相差板と偏光板は楕円偏光板として機能する。本発明における液晶表示装置は、本発明の楕円偏光板を少なくとも1ヶ所に用いたものである。なお、本発明において、必ずしも偏光子と本発明の位相差板と一体化して楕円偏光板とした後に、液晶表示装置に組み込むことは必要でなく、第1の光学異方性層、偏光子をそれぞれ組み込み、最終的に液晶表示装置内部で本発明の楕円偏光板となっていれば本発明の液晶表示装置の範囲に含まれる。本発明の液晶表示装置の好ましい態様は、黒表示時の液晶セル中の液晶分子のダイレクターを層平行面に投影した軸の平均方向と、第1の光学異方性層中のハイブリッド配向した分子のダイレクターを層平行面に投影した方向とが実質的に平行となる態様である。液晶セル中の液晶性分子のダイレクターは、基板の対向面に設けられた配向膜のラビング方向によって所望の向きに調整することができる。
本発明の位相差板及び楕円偏光板は前記用途に限らず、その他の種々の用途に供することが出来る。たとえば、ホスト−ゲスト型液晶表示装置、タッチパネル、エレクトロルミネッセンス(EL)素子などの反射防止膜、反射型偏光板などに用いることができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することが出来る。したがって、本発明の範囲は以下に示す実施例に制限されるものではない。なお、トリアセチルセルロースフィルム、光学異方性層の面内、及び厚み方向のレターデーション値は複屈折計(王子計測機器(株)製KOBRA−21ADH)で測定できる。
[実施例1]
(位相差板の作製)
Rthが40nmであるトリアセチルセルロースフィルムの両面をけん化処理し、その片面にポリビニルアルコール(クラレ(株)製 MP−203)の希釈液を塗布し、膜を形成した。この膜をラビング処理し、配向膜とした後、この配向膜のラビング面上に、下記の組成のディスコティック液晶を含む塗布液を、スピンコート塗布し、乾燥、及び加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して厚さ0.7μmの液晶固定化層を形成した。このトリアセチルセルロースとディスコティック液晶層との積層体は全体として、波長589.3nmにおいてRthが100nmである負の光学異方性を有し、第3の光学異方性層C1として機能することがわかった。
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ディスコティック液晶層(C1)の塗布液組成
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下記ディスコティック液晶(1) 32.6質量%
水平配向剤(H−2) 0.7質量%
下記変性トリメチロールプロパントリアクリレート 3.2質量%
下記増感剤 0.4質量%
下記光重合開始剤 1.1質量%
メチルエチルケトン 62.0質量%
───────────────────────────────
上記作製した第3の光学異方性層C1を塗布した裏面に再びポリビニルアルコール(クラレ(株)製 MP−203)の希釈液を塗布し、膜を形成し、該膜の表面をラビング処理して配向膜を形成した。この配向膜のラビング処理面上に、下記の組成のディスコティック液晶を含む塗布液を、スピンコート塗布し、乾燥、及び加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して厚さ4.9μmの第1の光学異方性層B1を形成した。同一の方法で、あらかじめ第1の光学異方性層B1をガラス上に形成し、光学性能を確かめたところ、第1の光学異方性層B1はラビング方向と直交する方向に遅相軸を有していた。また、550nmにおけるレターデーション値(Re550)は150nmであった。クリスタルローテーション法を応用して平均チルト角を測定したところ、下側配向膜界面のチルト角10°、上側空気界面側のチルト角90°、平均チルト角50°であり、ディスコティック液晶性分子がハイブリッド配向していることがわかった。
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ディスコティック液晶層(B1)の塗布液組成
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下記ディスコティック液晶(1) 32.6 質量%
含フッ素化合物(I−52) 0.12質量%
含フッ素化合物(P−11) 0.03質量%
下記変性トリメチロールプロパントリアクリレート 3.2 質量%
下記増感剤 0.4 質量%
下記光重合開始剤 1.1 質量%
メチルエチルケトン 62.6 質量%
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Figure 2005062673
一軸延伸したアートンフィルム(JSR製)を第2の光学異方性層A1として用いた。光軸はフィルム平面と平行であり、550nmで測定したレターデーション値は260nm、Nzファクターは1.0であった。上記作製した光学異方性層B1と光学異方性層C1の積層体と前記アートンフィルムを粘着剤で貼り合せた。このとき、光学異方性層A1、光学異方性層B1、光学異方性層C1の順になるようにし、光学異方性層A1と光学異方性層B1の遅相軸は60°交差するように貼合した。
(楕円偏光板の作製)
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延伸し、乾燥して直線偏光膜を得た。ポリビニルアルコール(クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤としてケン化処理したトリアセチルセルロースフィルムと貼り合わせ、両面がトリアセチルセルロースによって保護された偏光板を得た。ここで用いたトリアセチルセルロースフィルムのRth値は30nmであった。
次いで、上記作製した位相差板(光学異方性層A1、光学異方性層B1及び光学異方性層C1の積層体)と偏光板を粘着剤で貼り合せ楕円偏光板を作製した。このとき、光学異方性層A1と偏光板が接するように貼り合わせ、偏光板の透過軸と光学異方性層A1、光学異方性層B1の遅相軸とのなす角はそれぞれ75°、15°であった。即ち、作製した楕円偏光板は、図1に示すのと同様の層構成を有し、図2中のβが15°、αが60°の楕円偏光板であった。
[実施例2]
(位相差板の作製)
厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを第3の光学異方性層C2として機能する透明支持体として用いた。複屈折計(王子計測機器(株)製KOBRA−21ADH)で測定した589.3nmにおけるトリアセチルセルロースフィルムのRth値は100nmであった。上記第3の光学異方性層C2にポリビニルアルコール(クラレ(株)製 MP−203)の希釈液を塗布し、膜を形成し、膜表面をラビング処理し、配向膜を形成した。この配向膜のラビング処理面上に、実施例1において第1の光学異方性層(B1)の作製に用いたのと同一組成の塗布液を、スピンコート塗布し、乾燥、及び加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して厚さ4.9μmの第1の光学異方性層B1を形成した。
実施例1同様、一軸延伸したアートンフィルム(JSR製)を第2の光学異方性層A1として用いた。上記作製した光学異方性層B1と光学異方性層C2の積層体とアートンフィルムを粘着剤で貼り合せた。このとき、光学異方性層A1、光学異方性層B1、光学異方性層C2の順になるようにし、光学異方性層A1と光学異方性層B1の遅相軸は60°交差するように貼合した。
(楕円偏光板の作製)
実施例1同様の方法にて楕円偏光板を作製した。即ち、作製した楕円偏光板は、図1に示すのと同様の層構成を有し、図2中のβが15°、αが60°の楕円偏光板であった。
[実施例3]
(位相差板の作製)
実施例1と同様にして、光学異方性層B1と光学異方性層C1との積層体を得た。Rthが40nmであるトリアセチルセルロースフィルムの表面をけん化処理し、その上にポリビニルアルコール(クラレ(株)製 MP−203)の希釈液を塗布し、膜を形成し、膜表面にラビング処理を施して配向膜とした。この配向膜のラビング処理面上に、下記の組成の塗布液をスピンコート塗布、乾燥、及び加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して厚さ1.73μmの第2の光学異方性層A2を形成した。光学異方性層A2はラビング方向に遅相軸を有していた。550nmにおけるレターデーション値(Re550)は260nmであり、Nzファクターは1.0であった。クリスタルローテーション法を応用して平均チルト角を測定したところ、膜内の平均チルト角が実質0°の水平配向していることが判った。
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光学異方性層A2の塗布液組成
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下記棒状液晶性化合物(1) 14.5 質量%
上記増感剤 0.15質量%
上記光重合開始剤 0.29質量%
メチルエチルケトン 85.06質量%
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実施例1にて作製した光学異方性層B1と光学異方性層C1の積層体と光学異方性層A2を粘着剤で貼り合せた。このとき、光学異方性層A2、光学異方性層B1、光学異方性層C1の順になるようにし、光学異方性層A2と光学異方性層B1の遅相軸は60°交差するように貼合した。
Figure 2005062673
(楕円偏光板の作製)
偏光板は片面だけがトリアセチルセルロースで保護されたものを用いて、該偏光板の保護されていない面(延伸したポリビニルアルコールよりなる直線偏光膜)と光学異方性層A2(トリアセチルセルロースフィルム面)を光学的に等方性の粘着剤によって貼り合わせ、楕円偏光板を作製した。このとき、偏光板の透過軸と光学異方性層A2、光学異方性層B1の遅相軸とのなす角はそれぞれ75°、15°であった。即ち、作製した楕円偏光板は、図1に示すのと同様の層構成を有し、図2中のβが15°、αが60°の楕円偏光板であった。
[実施例4]
(位相差板の作製)
実施例2と同様に厚さ80μmのトリアセチルセルロースフィルムを光学異方性層C2として機能する透明支持体として用い、このトリアセチルセルロースフィルムの片面をけん化処理し、ポリビニルアルコール(クラレ(株)製 MP−203)の希釈液を塗布し、膜を形成した。この膜の表面をラビング処理し、配向膜とした。この配向膜のラビング処理面上に、実施例1において第1の光学異方性層(B1)の作製に用いたのと同一の組成の塗布液を、スピンコート塗布し、乾燥、及び加熱(配向熟成)し、さらに紫外線照射して厚さ2.4μmの光学異方性層B1−1を形成した。この光学異方性層B1−1を同一の方法で、あらかじめガラス上に作製し、光学性能を確かめたところ、ラビング方向と直交する方向に遅相軸を有していた。550nmにおけるレターデーション値(Re550)は75nmであった。クリスタルローテーション法を応用して平均チルト角を測定したところ、下側配向膜界面のチルト角10°、上側空気界面側のチルト角90°、平均チルト角50°であり、ディスコティック液晶性分子がハイブリッド配向していることがわかった。
この光学異方性層B1−1を同一の方法でもう一枚作製して、約60度のお湯に浸漬することでディスコティック液晶層のみをトリアセチルセルロースフィルムから剥離し、これを光学異方性層B1−2とし、上記作製した光学異方性層B1−1に粘着剤で貼り合せて厚さ4.8μmの光学異方性層B2を形成した。このとき、光学異方性層B1−1と光学異方性層B1−2の塗布した側の面を表とすると、どちらも表が上になるようにし、それぞれの遅相軸が平行となるように貼合した。2層貼り合せた光学異方性層B2は550nmにおけるレターデーション値(Re550)が150nmであった。
実施例2と同様に一軸延伸したアートンフィルム(JSR製)を光学異方性層A1として用い、上記作製した光学異方性層B2と光学異方性層C2の積層体とアートンフィルムを粘着剤で貼り合せた。このとき、光学異方性層A1、光学異方性層B2、光学異方性層C2の順になるようにし、光学異方性層A1と光学異方性層B2の遅相軸は60°交差するように貼合した。
(楕円偏光板の作製)
実施例1同様の方法にて楕円偏光板を作製した。即ち、作製した楕円偏光板は、図1に示すのと同様の層構成(但し、第1の光学異方性層Aは2層からなる)を有し、図2中のβが15°、αが60°の楕円偏光板であった。
[比較例1]〜[比較例3]
実施例1〜3において、光学異方性層B1の塗布液組成物から含フッ素化合物(I−52)及び(P−11)を除いた以外は同様にして楕円偏光板を作製した。
[比較例4]
実施例1において、光学異方性層B1の代わりに、レターデーションが150nmのアートンフィルムB2を用いて楕円偏光板を作製した。
[実施例5]
(視野角測定)
上記作製した楕円偏光板をそれぞれ組み込んだECB半透過型の表示装置を作製した。まず、一対の0.7mmの厚みのガラス基板をギャップ4μmで対向配置した。観察者側のガラス基板には、ITO電極、他方のガラス基板にはITO電極の対向電極として凹凸をつけたアルミ反射電極を形成した。上下基板の対向面に、ポリイミド膜の表面をラビング処理した配向膜を形成した。上下基板のそれぞれの配向膜のラビング角度は平行(ねじれ角度0度)にした。ガラス基板のギャップに、Δn=0.086、誘電率異方性が+10.0のネマチック液晶を注入し、液晶セル(LC)を作製した。
この液晶セルを用いて、図3に示す層構成の液晶表示装置を作製した。液晶セルLCの下側に、実施例1〜4で作製した楕円偏光板(図中、第1の光学異方性をB、第2の光学異方性層をA、第3の光学異方性層をC、偏光板をP1で示した)を、第1の光学異方性層B(実施例1〜3において光学異方性層B1、実施例4において光学異方性層B2)のダイレクター方向(遅相軸と直交方向)が、液晶セルLCの上下基板のラビング方向と平行になるように配置した。即ち、黒表示時の液晶セルLC中の液晶分子のダイレクターを層平行面に投影した軸の平均方向と、前記第1の光学異方性層中のハイブリッド配向した分子のダイレクターを層平行面に投影した方向とが実質的に平行となる様に貼り合わせた。
また、実施例で用いたアートンフィルムと同様のものでレターデーションがそれぞれ150nmの光学異方性層D、260nmの光学異方性層Eの2枚をDとEの遅相軸が60°で交差するように積層し、さらに偏光板P2を、その透過軸と光学異方性層Eの遅相軸が15°で交差するようにして貼り合わせた積層体を作製し、この積層体を、光学異方性層Dの遅相軸が液晶セルLCの上下基板のラビング方向と平行になるように配置した。図4に、液晶セル上側の光学異方性層Dの遅相軸d、光学異方性層Eの遅相軸e、及び偏光板P2の透過軸p2の関係を示した。作製した液晶表示装置では、光学異方性層Eの遅相軸eと、偏光板P2の透過軸p2との交差角度βが15°であり、光学異方性層Eの遅相軸eと光学異方性層Dの遅相軸dとの交差角αは60°であった。
続いて、通常の室内蛍光灯照明下で、分光放射輝度計を用いて、液晶表示装置の下側からの透過輝度の測定を行った。このときの観察角度は液晶表示装置を水平に置いたまま、法線から0〜80°の方向に極角を10°毎で固定し、それぞれの角度で液晶表示装置の方位角を10°毎に変えながら輝度を液晶表示装置のON時とOFF時のそれぞれ測定し、ON時とOFF時の輝度の比であるコントラスト比を算出した。全ての極角、方位角でのコントラスト比を全方位について足し合わせた値を点数評価して、表1に記載した。また、作製した第1の光学異方性層のムラを目視にて観察した。
Figure 2005062673
光学異方性層A1を持つ実施例1、2、及び4は比較例1、2及び4よりもコントラスト比が優れており格子状ムラも観測されない。光学異方性層A2を持つ実施例3は比較例3よりもコントラスト比が優れており格子状ムラが観測されない。従って。本出願の態様によって初めて全方位コントラスト比の高く格子状ムラのない表示装置を提供できる。
本発明の楕円偏光板の代表的な態様を示す断面図である。 図1の楕円偏光板の光学異方性層の遅相軸の方向と直線偏光膜の偏光透過軸の方向とを示す平面図である。 実施例で作製した液晶表示装置の層構成を示す概略断面図である。 図3の上側光学異方性層(E、D)遅相軸の方向と上側偏光板(P2)の偏光透過軸の方向とを示す平面図である。
符号の説明
A 第2の光学異方性層
B 第1の光学異方性層
C 第3の光学異方性層
P 直線偏光膜
P1 下側直線偏光板
P2 上側直線偏光板
T1 直線偏光膜の保護フィルム
T2 直線偏光膜の保護フィルム
LC 液晶セル
D アートンフイルム(150nm)からなる上側光学異方性層
E アートンフイルム(260nm)からなる上側光学異方性層
a 第2の光学異方性層の遅相軸
b 第1の光学異方性層の遅相軸
d アートンフイルム(150nm)からなる上側光学異方性層の遅相軸
e アートンフイルム(260nm)からなる上側光学異方性層の遅相軸
1、p2 偏光透過軸

Claims (18)

  1. ディスコティック液晶性化合物および含フッ素化合物を含む組成物からなる光学異方性層であって、該層においてディスコティック液晶性化合物の分子が層平面に対して平均チルト角35〜85度でハイブリッド配向し、波長550nmにおける位相差が80〜200nmである光学異方性層。
  2. 二層以上の光学異方性層を有し、少なくとも一層が請求項1に記載の光学異方性層である光学異方性層。
  3. 前記含フッ素化合物が、下記一般式(I)で表される請求項1または2に記載の光学異方性層。
    一般式(I)
    (R0m−L0−(W)n
    [式中、R0はアルキル基、末端にCF3基を有するアルキル基、または末端にCF2H基を有するアルキル基を表し、mは1以上の整数を表す。mが2以上の整数である場合、複数個のR0は同一でも異なっていてもよいが、少なくとも一つは末端にCF3基またはCF2H基を有するアルキル基を表す。L0は(m+n)価の連結基を表し、Wは親水性基を表し、nは1以上の整数を表す。]
  4. 前記含フッ素化合物が、下記一般式(II)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む重合体である請求項1または2に記載の光学異方性層。
    Figure 2005062673
    [式中、Hfは水素原子またはフッ素原子を表し、R1は水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R2)−を表し、m1は1〜6の整数、n1は2〜4の整数を表す。R2は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。]
  5. 前記重合体が、さらに下記一般式(III)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む共重合体である請求項4に記載の光学異方性層。
    Figure 2005062673
    [式中、R3は水素原子またはメチル基を表し、Yは2価の連結基を表し、R4は置換基を有していてもよいポリ(アルキレンオキシ)基または置換基を有していてもよい炭素数1以上20以下のアルキル基を表す。]
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学異方性層である第1の光学異方性層と、波長550nmにおける位相差が200〜350nmで、Nzファクター(下記式)が0.5〜2.0である第2の光学異方性層とを有する位相差板。
    Nzファクター=(nx−nz)/(nx−ny)
    [式中、nxおよびnyは面内の主屈折率であり、nzは厚さ方向の主屈折率である。]
  7. 前記第2の光学異方性層が、正の光学異方性を持つ液晶性分子を水平配向してなる請求項6に記載の位相差板。
  8. 前記第2の光学異方性層が、延伸したポリマーフィルムからなる請求項6に記載の位相差板。
  9. 波長589.3nmにおける厚み方向のレターデーションRth(下記式)が0〜300nmである第3の光学異方性層をさらに有する請求項6〜8のいずれか1項に記載の位相差板。
    Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
    [式中、nxおよびnyは面内の主屈折率であり、nzは厚さ方向の主屈折率であり、dは厚み(nm)である。]
  10. 前記第3の光学異方性層が液晶、トリアセチルセルロースおよび環状ポリオレフィンから選ばれる素材から形成された層である請求項9に記載の位相差板。
  11. 偏光子と、請求項6〜10のいずれか1項に記載の位相差板とを有する楕円偏光板。
  12. 請求項11に記載の楕円偏光板と駆動液晶セルとを有するTN型またはECB型液晶表示装置。
  13. 黒表示時の前記駆動液晶セル中の液晶分子のダイレクターを層平行面に投影した軸の平均方向と、第1の光学異方性層中のハイブリッド配向した分子のダイレクターを層平行面に投影した方向とが実質的に平行となる請求項12に記載の液晶表示装置。
  14. ディスコティック液晶性化合物の分子をフッ素含有化合物の存在下で配向させることによって、層平面に対して平均チルト角35〜85度でハイブリッド配向させて、光学異方性層を製造する方法。
  15. 前記フッ素化合物が、請求項3中の一般式(I)で表される化合物である請求項14に記載の方法。
  16. 前記フッ素化合物が、請求項4中の一般式(II)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む重合体である請求項14に記載の方法。
  17. 前記重合体が、さらに請求項5中の一般式(III)のモノマーから導かれる繰り返し単位を含む共重合体である請求項14に記載の方法。
  18. 前記光学異方性層の波長550nmにおける位相差が80〜200nmである請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。

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