JP2005060490A - インク、画像形成方法、印刷物及び記録装置 - Google Patents

インク、画像形成方法、印刷物及び記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005060490A
JP2005060490A JP2003291104A JP2003291104A JP2005060490A JP 2005060490 A JP2005060490 A JP 2005060490A JP 2003291104 A JP2003291104 A JP 2003291104A JP 2003291104 A JP2003291104 A JP 2003291104A JP 2005060490 A JP2005060490 A JP 2005060490A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ink
recording
acid
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003291104A
Other languages
English (en)
Inventor
Wataru Ishikawa
渉 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Original Assignee
Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Medical and Graphic Inc filed Critical Konica Minolta Medical and Graphic Inc
Priority to JP2003291104A priority Critical patent/JP2005060490A/ja
Publication of JP2005060490A publication Critical patent/JP2005060490A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)

Abstract

【課題】 本発明により、選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも1つのノズルを有する記録ヘッドで吐出され、文字品質に優れ、色混じりがなく、かつ光沢に優れた高精細な画像を記録することができるインクとそれを用いた画像形成方法、印刷物及び記録装置を提供すること。
【解決手段】 選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも1つのノズルを有する記録ヘッドで吐出されるインクであって、活性光線により硬化し、かつポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を含有することを特徴とするインク。
【選択図】 なし

Description

本発明は、新規のインクとそれを用いた画像形成方法、印刷物及び記録装置に関し、詳しくは、文字品質、色混じり耐性、光沢に優れた高精細の画像を形成することができるインク、画像形成方法、印刷物及び記録装置に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷等、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインクや、そのインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢等を飛躍的に向上させた専用紙を組み合わせて、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。今日のインクジェット記録方式の画質向上は、記録装置、インク、専用紙の全てが揃って初めて達成されている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムは、記録材料が制限されること、記録材料のコストアップが問題となる。そこで、専用紙と異なる被転写媒体へインクジェット方式により記録する試みが多数なされている。具体的には、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式、速乾性の有機溶剤を主体としたインクを用いるソルベント系インクジェット方式や、画像記録した後、紫外線(UV)光により架橋させる紫外線硬化型インクジェット方式等である。この油性インクは、有機溶剤や有機化合物を使用しているため、環境の観点から取り扱い上の注意が必要である。
紫外線硬化型インクジェット方式は、ソルベント系インクジェット方式に比べ比較的低臭気であり、速乾性、インク吸収性のない記録材料への記録ができる点で、近年注目されつつあり、例えば、特公平5−54667号公報、特開平6−200204号公報、特表2000−504778公報において、紫外線硬化型インクジェットインクが開示されている。
一方、上記無溶媒の紫外線硬化型インクは、着弾直後に硬化することで滲みを抑えつつ、仕上がった画像の耐久性、VOCフリー化を達成することができ好ましい。そのようなインクとして、加熱により微小な穴から吐出飛翔させる紫外線硬化型インクが特許文献1に、同様の構成で無溶剤のインクが特許文献2〜6に開示されている。しかし、これら従来の無溶媒の紫外線硬化型インクは、大ロットで低解像度のプリンタのみの使用に限定されている。
このように、紫外線照射によって速やかに重合されると共に、形成した画像の優れた品質(文字品質、色混じり耐性、画像平滑性)が得られる活性光線硬化型水性インクの開発が切望されている。
特開昭61−164836号公報 特開平5−214279号公報 特開平5−214280号公報 特表2000−504778号公報 国際公開第99/29787号パンフレット 国際公開第99/29788号パンフレット
本発明の目的は、選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも1つのノズルを有する記録ヘッドで吐出され、文字品質、色混じり耐性、画像平滑性に優れた高精細の画像を形成することができるインク、画像形成方法、印刷物及び記録装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも1つのノズルを有する記録ヘッドで吐出されるインクであって、活性光線により硬化し、かつポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を含有することを特徴とするインク。
2.前記ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を0.1〜10質量%含有することを特徴とする前記1に記載のインク。
3.ラジカル重合性モノマー及びラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする前記1または2に記載のインク。
4.カチオン重合性モノマー及び光酸発生剤を含有することを特徴とする前記1または2に記載のインク。
5.前記カチオン重合性モノマーの少なくとも1種がオキセタン化合物であることを特徴とする前記4に記載のインク。
6.前記オキセタン化合物が、2位が置換されているオキセタン環を有する化合物であることを特徴とする前記5に記載のインク。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載のインクを用い、記録材料上に記録ヘッドを用いてインクを吐出した後、活性光線を照射してインクを硬化することを特徴とする画像形成方法。
8.前記活性光線が紫外線であることを特徴とする前記7に記載の画像形成方法。
9.前記記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が、1回の吐出当たり2〜15plであることを特徴とする前記7または8に記載の画像形成方法。
10.非吸収性記録材料を用いて、前記7〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法により作製したことを特徴とする印刷物。
11.前記10に記載の印刷物の作製に用いる記録装置であって、記録ヘッド及びインクを、35〜100℃に加熱してインクを吐出することを特徴とする記録装置。
本発明により、選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも1つのノズルを有する記録ヘッドで吐出され、文字品質に優れ、色混じりがなく、かつ光沢に優れた高精細な画像を記録することができるインクとそれを用いた画像形成方法、印刷物及び記録装置を提供することができる。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも1つのノズルを有する記録ヘッドで吐出されるインクであって、活性光線により硬化し、かつポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を含有するインクにより、文字品質、色混じり耐性、画像平滑性に優れた高精細の画像を形成することができるインクを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
上記の構成に加えて、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を0.1〜10質量%含有すること、ラジカル重合性モノマー及びラジカル重合開始剤を含有すること、カチオン重合性モノマー及び光酸発生剤を含有すること、カチオン重合性モノマーの少なくとも1種がオキセタン化合物であること、オキセタン化合物が2位が置換されているオキセタン環を有する化合物であるインクであることにより、その効果がより一層発揮されることを見出した。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明のインクは、選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも1つのノズルを有する記録ヘッドで吐出され、活性光線により硬化し、かつポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を含有することが特徴である。
はじめに、本発明のインクに係るポリアクリル酸またはポリメタクリル酸について説明する。
本発明に係るポリアクリル酸及びポリメタクリル酸とは、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸やその誘導体またはそれらのアルカリ塩であって、具体的には、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム及びポリアクリル酸エステル共重合体またはそのアルカリ塩等であって、共重合体としては、架橋分岐型が好ましい。ポリアクリル酸類のアルカリ塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩及びカルシウム塩等が使用可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましい。
本発明に係るポリメタクリル酸類とは、メタクリル酸メチル等の非官能性モノマー、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等の一官能性モノマー及びジメタクリル酸エチレン等の多官能性モノマーに分類されるメタクリルモノマー、ポリメタクリル酸またはそのアルカリ金属塩、並びに、共重合体を含むメタクリル酸エステル系合成樹脂である。
本発明に係るアクリル酸類−メタクリル酸類共重合体としては、分子量が5,000〜20,000の共重合体であって、ナトリウム塩やカリウム塩等の使用が可能であるが、入手しやすさからナトリウム塩の使用が好ましい。アクリル酸類とメタクリル酸類の共重合の割合は、アクリル酸類/メタクリル酸類が質量比で9/1〜4/6の割合であることが好ましい。
本発明のインクにおいて、ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸の含有量としては0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量%である。
本発明のインクでは、ラジカル重合性モノマー(以下、ラジカル重合性物質ともいう)及びラジカル重合開始剤を含有することが好ましい。
ラジカル重合性物質は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性物質は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性物質が挙げられる。具体的には、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。上記ラジカル重合性物質の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、特公昭61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び特開昭61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、特公昭44−6413号、特公昭44−6413号及び特公昭47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同第2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、特公昭37−13109号、特公昭38−18015号、特公昭45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307頁(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、ヨーロッパ特許第126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)に記載の金属アレン錯体、特願平4−56831号明細書及び特願平4−89535号明細書に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
また、本発明のインクにおいては、カチオン重合性モノマー及び光酸発生剤を含有することが好ましい。
本発明で用いることのできるカチオン重合性モノマーからなるカチオン重合系光硬化樹脂としては、カチオン重合により高分子化の起こるタイプのエポキシタイプの紫外線硬化性プレポリマー、モノマーは、1分子内にエポキシ基を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物類及びエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらのプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
カチオン重合性組成物中に含有されるカチオン重合性化合物としては、他に例えば下記の(1)スチレン誘導体、(2)ビニルナフタレン誘導体、(3)ビニルエーテル類及び(4)N−ビニル化合物類を挙げることができる。
(1)スチレン誘導体
例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等
(2)ビニルナフタレン誘導体
例えば、1−ビニルナフタレン、α−メチル−1−ビニルナフタレン、β−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メトキシ−1−ビニルナフタレン等
(3)ビニルエーテル類
例えば、イソブチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、α−メチルフェニルビニルエーテル、β−メチルイソブチルビニルエーテル、β−クロロイソブチルビニルエーテル等
(4)N−ビニル化合物類
例えばN−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等。
また、本発明においては、カチオン重合性モノマーの少なくとも1種が、オキセタン化合物であることが好ましく、更にオキセタン化合物が、2位が置換されているオキセタン環を有する化合物であることが好ましい。
本発明で好ましく用いられるオキセタン化合物について、以下説明する。
《2位が置換されているオキセタン環を有するオキセタン化合物》
本発明のインクでは、下記一般式(1)で表される2位が置換されているオキセタン環を分子中に少なくとも1つ有するオキセタン化合物を用いることが好ましい。
Figure 2005060490
上記一般式(1)において、R1〜R6は、各々水素原子または置換基を表す。但し、R3〜R6で表される基の少なくとも一つは置換基である。
一般式(1)において、R1〜R6で各々表される置換基としては、例えば、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、フリル基またはチエニル基を表す。また、これらの基は更に置換基を有していてもよい。
《分子中に1個のオキセタン環を有するオキセタン化合物》
更に、上記一般式(1)の中でも、下記一般式(2)〜(5)で表されるオキセタン環を有する化合物が好ましく用いられる。
Figure 2005060490
式中、R1〜R6は、水素原子または置換基を表し、R7、R8は、各々置換基を表し、Zは、各々独立で、酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基を表す。
一般式(2)〜(5)において、R1〜R6で各々表される置換基は、前記一般式(1)のR1〜R6で各々表される置換基と同義である。
一般式(2)〜(5)において、R7、R8で各々表される置換基としては、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基または3−ブテニル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基等)、炭素数1〜6個のアシル基(例えば、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基またはペンチルカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシカルボニル基(例えば、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)、炭素数1〜6個のアルキルカルバモイル基(例えば、プロピルカルバモイル基、ブチルペンチルカルバモイル基等)、アルコキシカルバモイル基(例えば、エトキシカルバモイル基等)を表す。
一般式(2)〜(5)において、Zで表される、酸素または硫黄原子、あるいは主鎖に酸素または硫黄原子を含有してもよい2価の炭化水素基としては、アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基等)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基、3−ペンチニレン基等)が挙げられ、また、前記のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基の炭素原子は、酸素原子や硫黄原子に置き換わっていてもよい。
上記の置換基の中でも、R1が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)が好ましく、特に好ましく用いられるのは、エチル基である。また、R7及びR8としては、プロピル基、ブチル基、フェニル基またはベンジル基が好ましく、Zは、酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基(アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基等)が好ましい。
《分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物》
また、本発明では、下記一般式(6)、(7)で表されるような、分子中に2個以上のオキセタン環を有する化合物を用いることができる。
Figure 2005060490
式中、Zは、前記一般式(2)〜(5)において用いられる基と同義であり、mは、2、3または4を表す。R1〜R6は、水素原子、フッ素原子、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)またはフリル基を表す。但し、一般式(6)においては、R3〜R6の少なくとも一つは置換基である。
式中、R9は、炭素数1〜12の線形または分岐アルキレン基、線形または分岐ポリ(アルキレンオキシ)基、または、下記一般式(9)、(10)及び(11)からなる群から選択される2価の基を表す。
上記の炭素数1〜12の分岐アルキレン基の一例としては、下記一般式(8)で表されるアルキレン基が好ましく用いられる。
Figure 2005060490
式中、R10は、低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)を表す。
Figure 2005060490
式中、nは0または1〜2000の整数を表し、R12は、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表し、R11は、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)または、下記一般式(12)で表される基を表す。
Figure 2005060490
式中、jは0または1〜100の整数を表し、R13は、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)を表す。
Figure 2005060490
式中、R14は、水素原子、炭素数1〜10個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等)、炭素数1〜10個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子等)、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、アルコキシカルボニル基((例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)またはカルボキシル基を表す。
Figure 2005060490
式中、R15は、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−SO−、−SO2−、−CH2−、−C(CH32−、または、−C(CF32−を表す。
本発明で使用されるオキセタン環を有する化合物の好ましい部分構造の態様としては、例えば、上記一般式(6)、(7)において、R1が低級アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)であることが好ましく、特に好ましくは、エチル基である。また、R9としては、ヘキサメチレン基または、上記一般式(10)において、R14が水素原子であるものが好ましく用いられる。
上記一般式(8)において、R10がエチル基、R12及びR13が、各々メチル基、Zが、酸素または硫黄原子を含まない炭化水素基が好ましい。
更に、本発明に係るオキセタン環を有する化合物の好ましい態様の一例としては、下記一般式(13)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2005060490
式中、rは25〜200の整数であり、R16は炭素数1〜4のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)またはトリアルキルシリル基を表す。R1、R3、R5、R6は、各々、上記一般式(1)において、R1〜R6で各々表される置換基と同義である。但し、R3〜R6の少なくとも一つは置換基である。
以下、本発明に係る、2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の具体例を例示化合物1〜15として示すが、本発明はこれらに限定されない。
1:trans−3−tert−ブチル−2−フェニルオキセタン
2:3,3,4,4−テトラメチル−2,2−ジフェニルオキセタン
3:ジ[3−エチル(2−メトキシ−3−オキセタニル)]メチルエーテル
4:1,4−ビス(2,3,4,4−テトラメチル−3−エチル−オキセタニル)ブタン
5:1,4−ビス(3−メチル−3−エチルオキセタニル)ブタン
6:ジ(3,4,4−トリメチル−3−エチルオキセタニル)メチルエーテル
7:3−(2−エチル−ヘキシルオキシメチル)−2,2,3,4−テトラメチルオキセタン
8:2−(2−エチル−ヘキシルオキシ)−2,3,3,4,4−ペンタメチル−オキセタン
9:4,4′−ビス[(2,4−ジメチル−3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ビフェニル
10:1,7−ビス(2,3,3,4,4−ペンタメチル−オキセタニル)ヘプタン)
11:オキセタニル シルセスキオキサン
12:2−メトキシ−3,3−ジメチルオキセタン
13:2,2,3,3−テトラメチルオキセタン
14:2−(4−メトキシフェニル)−3,3−ジメチルオキセタン
15:ジ(2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルオキセタン−3−イル)エーテル
本発明に係る、少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の合成は、下記に記載の文献を参考に合成することができる。
(1)Hu Xianming,Richard M. Kellogg,Synthesis,533〜538,May(1995)
(2)A. O. Fitton,J. Hill,D. Ejane,R. Miller,Synth.,12,1140(1987)
(3)Toshiro Imai and Shinya Nishida,Can. J. Chem.Vol.59,2503〜2509(1981)
(4)Nobujiro Shimizu,Shintaro Yamaoka, and Yuho Tsuno,Bull.Chem.Soc.Jpn.,56,3853〜3854(1983)
(5)Walter Fisher and Cyril A. Grob,Helv.Chim.Acta.,61,2336(1978)
(6)Chem.Ber.101,1850(1968)
(7)“Heterocyclic Compounds with Three− and Four−membered Rings”,Part Two,Chapter IX,Interscience Publishers,John Wiley & Sons,New York(1964)
(8)Bull.Chem.Soc.Jpn.,61,1653(1988)
(9)Pure Appl.Chem.,A29(10),915(1992)
(10)Pure Appl.Chem.,A30(2&3),189(1993)
(11)特開平6−16804号公報
(12)ドイツ特許第1,021,858号明細書
(光硬化性インク中の含有量)
本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物の活性光線硬化型インク中の含有量は、1〜97質量%が好ましくは、より好ましくは30〜95質量%である。
(オキセタン化合物とその他のモノマーとの併用)
また、本発明に係る少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物は、単独で用いてもよいが、構造の異なる2種を併用してもよく、また、後述する、光重合性モノマーや重合性モノマー等の光重合性化合物等を併用して使用することができる。併用する場合、混合比は、少なくとも2位が置換されているオキセタン環を有する化合物が混合物中、10〜98質量%になるように調製することが好ましく、また、その他の光重合性モノマーや重合性モノマー等の光重合性化合物が2〜90質量%になるように調整することが好ましい。
《3位のみに置換基を有するオキセタン化合物》
本発明では、上記の2位に置換基を有するオキセタン化合物と、従来公知のオキセタン化合物とを併用することができるが、中でも、3位のみに置換基を有するオキセタン化合物が好ましく併用できる。
ここで、3位のみに置換基を有するオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526公報、同2001−310937公報に紹介されているような公知のものを使用することができる。
3位のみに置換基を有する化合物としては、下記一般式(14)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2005060490
一般式(14)において、R1は水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、アリル基、アリール基、フリル基またはチエニル基である。R2は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6個のアルキル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基等の炭素数2〜6個のアルケニル基、フェニル基、ベンジル基、フルオロベンジル基、メトキシベンジル基、フェノキシエチル基等の芳香環を有する基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ブチルカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルキルカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の炭素数2〜6個のアルコキシカルボニル基、またはエチルカルバモイル基、プロピルカルバモイル基、ブチルカルバモイル基、ペンチルカルバモイル基等の炭素数2〜6個のN−アルキルカルバモイル基等である。本発明で使用するオキセタン化合物としては、1個のオキセタン環を有する化合物を使用することが、得られるが粘着性に優れ、低粘度で作業性に優れるため、特に好ましい。
2個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(15)で示される化合物等が挙げられる。
Figure 2005060490
一般式(15)において、R1は、上記一般式(14)におけるそれと同様の基である。R3は、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等の線状または分枝状アルキレン基、ポリ(エチレンオキシ)基、ポリ(プロピレンオキシ)基等の線状または分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基、プロペニレン基、メチルプロペニレン基、ブテニレン基等の線状または分枝状不飽和炭化水素基、またはカルボニル基またはカルボニル基を含むアルキレン基、カルボキシル基を含むアルキレン基、カルバモイル基を含むアルキレン基等である。
また、R3としては、下記一般式(16)、(17)及び(18)で示される基から選択される多価基も挙げることができる。
Figure 2005060490
一般式(16)において、R4は、水素原子やメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のアルコキシ基、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、低級アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、またはカルバモイル基である。
Figure 2005060490
一般式(17)において、R5は、酸素原子、硫黄原子、メチレン基、NH、SO、SO2、C(CF32、またはC(CH32を表す。
Figure 2005060490
一般式(18)において、R6は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。nは0〜2000の整数である。R7はメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。R7としては、更に、下記一般式(19)で示される基から選択される基も挙げることができる。
Figure 2005060490
一般式(19)において、R8は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4個のアルキル基、またはアリール基である。mは0〜100の整数である。
2個のオキセタン環を有する化合物の具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2005060490
例示化合物1は、前記一般式(15)において、R1がエチル基、R3がカルボキシル基である化合物である。また、例示化合物2は、前記一般式(15)において、R1がエチル基、R3が前記一般式(18)でR6及びR7がメチル基、nが1である化合物である。
2個のオキセタン環を有する化合物において、上記の化合物以外の好ましい例としては、下記一般式(20)で示される化合物がある。一般式(20)において、R1は、前記一般式(14)のR1と同義である。
Figure 2005060490
また、3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、下記一般式(21)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2005060490
一般式(21)において、R1は、前記一般式(14)におけるR1と同義である。R9としては、例えば、下記A〜Cで示される基等の炭素数1〜12の分枝状アルキレン基、下記Dで示される基等の分枝状ポリ(アルキレンオキシ)基または下記Eで示される基等の分枝状ポリシロキシ基等が挙げられる。jは、3または4である。
Figure 2005060490
上記Aにおいて、R10はメチル基、エチル基またはプロピル基等の低級アルキル基である。また、上記Dにおいて、pは1〜10の整数である。
3〜4個のオキセタン環を有する化合物の一例としては、例示化合物3が挙げられる。
Figure 2005060490
更に、上記説明した以外の1〜4個のオキセタン環を有する化合物の例としては、下記一般式(22)で示される化合物が挙げられる。
Figure 2005060490
一般式(22)において、R8は前記一般式(19)のR8と同義である。R11はメチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基またはトリアルキルシリル基であり、rは1〜4である。
本発明に係るオキセタン化合物の好ましい具体例としては、以下に示す例示化合物4、5、6がある。
Figure 2005060490
上述したオキセタン環を有する各化合物の製造方法は、特に限定されず、従来知られた方法に従えばよく、例えば、パティソン(D.B.Pattison, J.Am.Chem.Soc.,3455,79(1957))が開示している、ジオールからのオキセタン環合成法等がある。また、これら以外にも、分子量1000〜5000程度の高分子量を有する1〜4個のオキセタン環を有する化合物も挙げられる。これらの具体的化合物例としては、以下の例示化合物7、8、9が挙げられる。
Figure 2005060490
次いで、本発明に用いられる光酸発生剤について説明する。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(例えば、有機エレクトロニクス材料研究会編・「イメージング用有機材料」・ぶんしん出版(1993年)・187〜192ページ参照、技術情報協会・「光硬化技術」・2001年、に紹介されている光酸発生剤参照)。
本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C654 -、PF6 -、AsF6 -、SbF6 -、CF3SO3 -塩を挙げることができる。対アニオンとしてボレート化合物をもつものが酸発生能力が高く好ましい。オニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
Figure 2005060490
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができる。具体的な化合物を以下に例示する。
Figure 2005060490
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができる。
Figure 2005060490
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2005060490
本発明に係るインクを着色する場合には、着色剤を添加する。
本発明に用いられる着色剤としては、従来から知られている顔料及び染料が使用できる。顔料としては、例えば、フタロシアニン系、アゾ系、キナクリドン系、ジオキサンジン系、ジケトピロロピロール系等の各種の有彩色有機顔料、カーボンブラック、チタンホワイト、シリカ、マイカ、酸化亜鉛等の無機顔料等が挙げられる。
有機顔料としては、下記に挙げるものを適宜に使用することができる。イエロー顔料としては、例えば、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー2、ピグメントイエロー3、ピグメントイエロー12、ピグメントイエロー13、ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー16、ピグメントイエロー17、ピグメントイエロー55、ピグメントイエロー73、ピグメントイエロー74、ピグメントイエロー75、ピグメントイエロー83、ピグメントイエロー93、ピグメントイエロー95、ピグメントイエロー97、ピグメントイエロー98、ピグメントイエロー109、ピグメントイエロー110、ピグメントイエロー114、ピグメントイエロー128、ピグメントイエロー138、ピグメントイエロー139、ピグメントイエロー150、ピグメントイエロー151、ピグメントイエロー154、ピグメントイエロー155及びピグメントイエロー180等が挙げられる。
マゼンタ顔料としては、例えば、ピグメントレッド5、ピグメントレッド7、ピグメントレッド12、ピグメントレッド48(Ca)、ピグメントレッド48(Mn)、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド57(Sr)、ピグメントレッド57:2、ピグメントレッド122、ピグメントレッド123、ピグメントレッド146、ピグメントレッド168、ピグメントレッド184、ピグメントレッド202、ピグメントレッド221、ピグメントレッド238、ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン顔料としては、例えば、ピグメントブルー1、ピグメントブルー2、ピグメントブルー3、ピグメントブルー16、ピグメントブルー22、ピグメントブルー60、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:4、バットブルー4及びバットブルー60等が挙げられる。
また、顔料粒子の平均粒子径を25〜350nm程度の範囲にすることで、印刷物の用途にも依存するが、可視光線の波長よりも十分に小さいので、散乱が少なければ十分に透明といえる印刷物が与えられる。
着色剤として染料を用いた場合は、上記の顔料を用いた場合と異なり、紫外線照射による退色が全くない状態で使用することはできず、多少は退色を伴う。この理由から、インクの色材として染料を適用する場合には、金属イオンで錯体を形成しているところの、所謂、アゾ含金染料を用いることが光による退色が少ないので好ましい。しかし、退色の水準を問題にしなければ、一般の水溶性染料であっても、少なくともインク組成物としては成り立つ。これを前提に、プロセスカラーの色彩を有するという意味で適用可能な染料種は、以下のような化合物である。
イエロー染料としては、例えば、アシッドイエロー11、アシッドイエロー17、アシッドイエロー23、アシッドイエロー25、アシッドイエロー29、アシッドイエロー42、アシッドイエロー49、アシッドイエロー61、アシッドイエロー71、ダイレクトイエロー12、ダイレクトイエロー24、ダイレクトイエロー26、ダイレクトイエロー44、ダイレクトイエロー86、ダイレクトイエロー87、ダイレクトイエロー98、ダイレクトイエロー100、ダイレクトイエロー130、ダイレクトイエロー132及びダイレクトイエロー142等、が挙げられる。
マゼンタ・レッド染料としては、例えば、アシッドレッド1、アシッドレッド6、アシッドレッド8、アシッドレッド32、アシッドレッド35、アシッドレッド37、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド80、アシッドレッド85、アシッドレッド87、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドレッド115、アシッドレッド180、アシッドレッド254、アシッドレッド256、アシッドレッド289、アシッドレッド315、アシッドレッド317、ダイレクトレッド1、ダイレクトレッド4、ダイレクトレッド13、ダイレクトレッド17、ダイレクトレッド23、ダイレクトレッド28、ダイレクトレッド31、ダイレクトレッド62、ダイレクトレッド79、ダイレクトレッド81、ダイレクトレッド83、ダイレクトレッド89、ダイレクトレッド227、ダイレクトレッド240、ダイレクトレッド242及びダイレクトレッド243等、が挙げられる。
シアン染料としては、例えば、アシッドブルー9、アシッドブルー22、アシッドブルー40、アシッドブルー59、アシッドブルー93、アシッドブルー102、アシッドブルー104、アシッドブルー113、アシッドブルー117、アシッドブルー120、アシッドブルー167、アシッドブルー229、アシッドブルー234、アシッドブルー254、ダイレクトブルー6、ダイレクトブルー22、ダイレクトブルー25、ダイレクトブルー71、ダイレクトブルー78、ダイレクトブルー86、ダイレクトブルー90、ダイレクトブルー106及びダイレクトブルー199等、が挙げられる。
本発明のインクにおいては、上記説明した各構成要素の他に、必要に応じて重合禁止剤、界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
インクの着色剤として顔料が使用される場合には、インク中における純顔料分の濃度は、概ね、インク全量に対して0.3〜15質量%の範囲である。顔料の着色力は顔料粒子の分散状態に依存するが、約0.3〜1質量%の範囲であると、淡色のインクとして利用される範囲となる。また、それ以上であると、一般のカラー着色用に用いられる濃度を与える。
また、本発明に用いられるインクジェット用インクは、顔料分散体を用いてインク組成物の粘度が25℃で10〜500mPa・sで、35℃以上に、加熱することにより1〜30mPa・sになるよう組成比を決める。
室温での粘度を上げることにより、吸収性のある記録媒体にもインクの浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、着弾時のドット滲みを抑えることができ、画質が改善される。また、表面張力の違う基材間でも同じようなドットが形成されるため、同じような画質が得られる。10mPa・s未満では、滲み防止効果が小さく、500mPa・sより大きいと、インク液の供給に問題が生じる。
また、安定な出射性を得るためにはインク組成物が1〜30mPa・sとなることが好ましい。
本発明のインクを調製する際、使用する原材料をいかなる順序で混合してもよいが、混合時の安定性を確保するために、全ての材料が中性から塩基性であるように、予め調節しておくことが好ましい。混合時には、不均一な状態を長く保持することないように、速やかに撹拌を行うことが好ましい。色材として、顔料分散体を使用する場合には、均一性を損なわないように、混合した後、更によく撹拌を行うことが好ましい。
次いで、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明のインクを用いた画像形成方法においては、インク組成物を記録媒体に付着させた後に、活性光線の照射を行う。発生光線の照射は、可視光照射、紫外線照射であってもよく、特に、紫外線照射が好ましい。紫外線照射を行う場合、紫外線照射量は、100mJ/cm2以上、好ましくは500mJ/cm2以上であり、また、10,000mJ/cm2以下、好ましくは5,000mJ/cm2以下の範囲で行う。上記で規定する範囲内における紫外線照射量であれば、十分硬化反応を行うことができ、また紫外線照射によって着色剤が退色してしまうことも防止できるので有利である。紫外線照射は、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。例えば、Fusion System社製のHランプ、Dランプ、Vランプ等の市販されているものを用いて行うことができる。
メタルハライドランプは高圧水銀ランプ(主波長は365nm)に比べてスペクトルが連続しており、200〜450nmの範囲で発光効率が高く、かつ長波長域が豊富である。従って、本発明のインク組成物の様に顔料を使用している場合はメタルハライドランプが適している。
本発明では、記録材料上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜20μmであることが好ましい。スクリーン印刷分野の活性光線硬化型インクジェット記録では、総インク膜厚が20μmを越えているのが現状であるが、記録材料が薄いプラスチック材料であることが多い軟包装印刷分野では、前述した記録材料のカール・皺の問題でだけでなく、印刷物全体のこし・質感が変わってしまうという問題があるため、過剰な膜厚のインク吐出は好ましくない。
なお、ここで「総インク膜厚」とは記録材料に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
また、本発明では、各ノズルより吐出する液滴量が2〜15plであることが好ましい。本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インクの液滴量が2〜15plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成できる。
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001〜2.0秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001〜1.0秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングができるだけ早いことが特に重要となる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が、例えば、特開昭60−132767号公報に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号明細書では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることができる。
また、活性光線を照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満である光源を使用することも可能である。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷陰極管、LED等があるが、これらに限定されない。総消費電力は光源の駆動、照射に要する電力の総計であるが、本発明によれば上記のように少ない電力であっても文字品質に優れ、色混じりの発生がなく、高精細な画像を非常に安定に記録することができるインクジェット記録が可能となる。
次いで、本発明の印刷物について説明する。
本発明の印刷物は、非吸収性録材料上に、本発明の画像形成方法、または本発の記録装置を用いて、作製されることが特徴である。ここでいう非吸収性とは、インク組成物(単にインクともいう)を吸収しないと言う意味であり、本発明においては、下記に示すようなブリストウ法におけるインク転移量が、0.1ml/mm2未満であり、実質的に0ml/mm2であるようなものを非吸収性記録材料と定義する。
本発明でいうブリストウ法とは、短時間での紙及び板紙の液体吸収挙動を測定する方法であり、詳しくは、J.TAPPI紙パルプ試験方法No.51−87紙または板紙の液体吸収性試験方法(ブリストウ法)に準じて測定し、接触時間40m秒におけるインク転移量(ml/m2)で表される。なお、上記の測定方法では、測定に純水(イオン交換水)が使用されているが、測定面積の判別を容易にするために、本発明においては、2%未満の水溶性染料を含有させてもよい。
具体的な測定方法の一例を、以下に説明する。
インク転移量の測定法としては、記録媒体を25℃、50%RHの雰囲気下で12時間以上放置した後、例えば、熊谷理機工業株式会社製の液体動的吸収性試験機であるBristow試験機II型(加圧式)を用いて測定する。測定に用いる液体は、測定精度を高めるため、市販の水系インクジェットインク(例えば、マゼンタインク)とし、規定の接触時間後に記録媒体上のマゼンタ染色された部分の面積を測定することにより、インク転移量を求めることができる。
本発明に係る非吸収性記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙等の他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、OPS(延伸ポリスチレン)フィルム、OPP(延伸ポリプロピレン)フィルム、ONy(延伸ナイロン)フィルム、PVC(ポリビニルクロライド)フィルム、PEフィルム、TACフィルムがある。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類等が使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。これらの記録材料の中でも、特に熱でシュリンク可能な、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルムへ画像を形成する場合に本発明の構成は、有効となる。これらの基材は、インクの硬化収縮、硬化反応時の発熱等により、フィルムのカール、変形が生じやすいばかりでなく、インク膜が基材の収縮に追従し難い。
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mJ/m2のような広範囲の記録材料に良好な高精細な画像を形成できるが、更に好ましくは、40〜60mJ/m2の範囲の記録材料である。
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
次いで、本発明の記録装置について説明する。
以下、本発明の記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。なお、図面の記録装置はあくまでも本発明の記録装置の一態様であり、本発明の記録装置はこの図面に限定されない。
図1は、本発明の記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、記録材料Pを加温できるように面状ヒーターが設置されており、記録材料Pを40〜80℃に加温することが可能である。
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
なお、図1ではヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ホワイト(W)の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えば、紫外線硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出される紫外線硬化インクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴なうモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して紫外線硬化インクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けて紫外線硬化インクの吐出を行なった後、搬送手段で記録材料Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対して紫外線硬化インクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3から紫外線硬化インクを吐出することにより、記録材料P上に紫外線硬化インク滴の集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ管、冷陰極管、水銀ランプ管もしくはブラックライトが好ましい。特に波長365nmの紫外線を発光する冷陰極管及びブラックライトが滲み防止、ドット径制御を効率よく行なえ、かつ、硬化の際の皺も低減でき好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、紫外線硬化インクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によって紫外線硬化インクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(紫外線硬化型インクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。また、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプまたはフィルターを交換することで適宜変更することができる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《インク組成物セットの調製》
表1に記載の構成を有するインク組成物セット1〜3を各々調製した。
Figure 2005060490
なお、表1に記載の各略称の詳細は、以下の通りである。
K:ブラックインク
C:シアンインク
M:マゼンタインク
Y:イエローインク
W:ホワイトインク
色材1:C.I.pigment Black−7
色材2:C.I.pigment Blue−15:3
色材3:C.I.pigment Red−57:1
色材4:C.I.pigment Yellow−13
色材5:酸化チタン(アナターゼ型 平均粒径0.20μm)
*1:テトラエチレングリコールジアクリレート
*2:ε−カプロラクタム変性ジペンタエリスルトールヘキサアクリレート
*3:フェノキシエチルメタクリレート
*4:ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸
イルガキュア907:チバガイギー社製
B−2:ポリアクリル酸(ハイビスワコー103、和光純薬工業社製)
B−4:ポリメタクリル酸(ジュリマーAC−30H、日本純薬社製)
《インクジェット画像形成方法》
選択的にインク滴の吐出制御可能なピエゾ型インクジェットノズルを備えた、図1に記載のインクジェット記録装置に、上記調製した各インク組成物セットを装填し、表2に示す幅600mm、長さ1000mの長尺の各記録材料へ、下記の各画像記録を連続して行った。記録材料をプラテン部に設置された面状ヒーターにより50℃に加温した。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。ピエゾヘッドは、2〜15plのマルチサイズドットを720dpi×720dpi(dpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。)の解像度で吐出できるよう駆動して、各インクを連続吐出した。着弾した後、0.1秒後に、表3記載の照射条件で硬化処理を行った。記録後、トータルインク膜厚を測定したところ、2.3〜13μmの範囲であった。なお、評価は温度23℃、40%RHに調整された場所で行った。
Figure 2005060490
ここで、表2に記載の各記録材料の略称の詳細は、以下の通りである。
OPP:oriented polypropylene
PET:polyethylene terephthalate
また、表2に記載の照射光源の詳細は、以下の通りである。
照射光源C:高圧水銀灯(電源消費電力1kw以上/時)
《インクジェット記録画像の評価》
上記画像形成方法で記録した各画像について、下記の各評価を行った。なお、各評価は、連続吐出した画像記録の1m後の試料について行った。
(文字品質の評価)
Y、M、C、Kの各色目標濃度で6ポイントMS明朝体文字を印字し、文字のガサツキをルーペで拡大して目視観察し、下記の基準に則り文字品質の評価を行い、各色の平均ランクを求めた。
◎:ガサツキなし
○:僅かにガサツキが見える
△:ガサツキが見えるが、文字として判別でき、ギリギリ使えるレベル
×:ガサツキがひどく、文字がかすれていて使えないレベル
(色混じり(滲み)耐性の評価)
隣り合う各色dotをルーペで拡大し、滲み具合を目視観察し、下記の基準に則り色混じり耐性の評価を行い、各色の平均ランクを求めた。
◎:隣り合うdot形状が真円を保ち、滲みがない
○:隣り合うdot形状はほぼ真円を保ち、ほとんど滲みがない
△:隣り合うdotが少し滲んでいてdot形状が少しくずれているが、ギリギリ使えるレベル
×:隣り合うdotが滲んで混じりあっており、使えないレベル
(光沢の評価)
Y、M、C、Kの各色ベタ画像を印字し、光沢度合いを目視観察し、下記の基準に則り光沢の評価を行い、各色の平均ランクを求めた。
◎:ベタ画像部は極めて均一で、光沢がある
○:ベタ画像は光沢はあるが、わずかに表面の凸凹が観察される
△:ベタ画像表面が凸凹を有し、実用上許容される下限のレベルである
×:ベタ画像表面に明らかな凸凹が認められ、また光沢もなく、実用上許容される限度外の品質である
以上により得られた各評価結果を、表3に示す。
Figure 2005060490
表3より明らかなように、本発明のインク組成物セットを用いて画像形成した水準は、比較例に対し文字品質に優れ、色混じりがなく、かつ光沢が良好な高精細な画像を記録することができた。
実施例2
表4、表5に記載の構成を有するインク組成物セット4〜8を各々調製した。
Figure 2005060490
Figure 2005060490
なお、表4、表5に記載の各化合物のうち、前記表1に記載されていない化合物略称の詳細は、以下の通りである。
化合物1:ジ(2−(4−メトキシフェニル)−3−メチルオキセタン−3−イル)エーテル
化合物3:エポキシ化大豆油(DAIMACS 300K、ダイセル化学社製)
OXT−221:アロンオキセタンOXT−221、東亜合成製
PN−111:アジスパーPN−111、味の素ファインテクノ社製
CS5102:日本曹達社製
CI7001:日本曹達社製
B−3:ポリアクリル酸(ジュリマーAC−10LP、日本純薬社製)
Figure 2005060490
《インクジェット画像形成方法》
上記調製したインク組成物セット4〜8の各々について、実施例1に記載の装置及び方法に準じ、表6に記載の照射条件、記録材料を用いて画像形成を行った。
Figure 2005060490
ここで、表6に記載の各記録材料の略称の詳細は、以下の通りである。
OPP:oriented polypropylene
PET:polyethylene terephthalate
また、表6に記載の照射光源、照射方法の詳細は、以下の通りである。
照射光源A:蛍光灯(ニッポ電機社製特注品、電源消費電力1kw未満/時)
照射方法A:記録ヘッドの両端より線光源で照射
照射光源B:冷陰極管(ハイベック社製特注品、電源消費電力1kw未満/時 308nm)
照射方法B:記録ヘッド両端より線光源10本ずつ照射
なお、膜厚は白インクを用いたため厚くなり、2.3〜19.6μmとなった。
《インクジェット記録画像の評価》
上記画像形成方法で記録した各画像について、実施例1に記載の方法に準じて、文字品質の評価、色混じり(滲み)耐性の評価及び光沢の評価を行い、得られた結果を表7に示す。
Figure 2005060490
表7より明らかなように、本発明のインク組成物セットを用いて画像形成した水準は、比較例に対し文字品質に優れ、色混じりがなく、かつ光沢が良好な高精細な画像を記録することができた。
本発明に用いられる記録装置の要部の構成を示す正面図である。
符号の説明
1 記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
P 記録材料

Claims (11)

  1. 選択的にインク滴の吐出制御可能な少なくとも1つのノズルを有する記録ヘッドで吐出されるインクであって、活性光線により硬化し、かつポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を含有することを特徴とするインク。
  2. 前記ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸を0.1〜10質量%含有することを特徴とする請求項1に記載のインク。
  3. ラジカル重合性モノマー及びラジカル重合開始剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインク。
  4. カチオン重合性モノマー及び光酸発生剤を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインク。
  5. 前記カチオン重合性モノマーの少なくとも1種がオキセタン化合物であることを特徴とする請求項4に記載のインク。
  6. 前記オキセタン化合物が、2位が置換されているオキセタン環を有する化合物であることを特徴とする請求項5に記載のインク。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のインクを用い、記録材料上に記録ヘッドを用いてインクを吐出した後、活性光線を照射してインクを硬化することを特徴とする画像形成方法。
  8. 前記活性光線が紫外線であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成方法。
  9. 前記記録ヘッドの各ノズルより吐出するインク液滴量が、1回の吐出当たり2〜15plであることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成方法。
  10. 非吸収性記録材料を用いて、請求項7〜9のいずれか1項に記載の画像形成方法により作製したことを特徴とする印刷物。
  11. 請求項10に記載の印刷物の作製に用いる記録装置であって、記録ヘッド及びインクを、35〜100℃に加熱してインクを吐出することを特徴とする記録装置。
JP2003291104A 2003-08-11 2003-08-11 インク、画像形成方法、印刷物及び記録装置 Pending JP2005060490A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003291104A JP2005060490A (ja) 2003-08-11 2003-08-11 インク、画像形成方法、印刷物及び記録装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003291104A JP2005060490A (ja) 2003-08-11 2003-08-11 インク、画像形成方法、印刷物及び記録装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005060490A true JP2005060490A (ja) 2005-03-10

Family

ID=34368893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003291104A Pending JP2005060490A (ja) 2003-08-11 2003-08-11 インク、画像形成方法、印刷物及び記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005060490A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007160662A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録方法
WO2007083473A1 (ja) * 2006-01-17 2007-07-26 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インク及びそれを用いた画像形成方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181541A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Ricoh Co Ltd エマルジョンインク及びこれを用いた印刷方法
JP2001220526A (ja) * 2000-02-09 2001-08-14 Brother Ind Ltd インクジェット記録方式用エネルギー線硬化型組成物
JP2001288386A (ja) * 2000-04-03 2001-10-16 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化性インクジェットインキ原液、それを用いた活性エネルギー線硬化性インクジェットインキおよび記録方法
JP2001348519A (ja) * 2000-06-08 2001-12-18 Seiko Epson Corp 光硬化型インク
JP2002003575A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Dainippon Ink & Chem Inc 紫外線硬化型樹脂組成物
JP2002178624A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録方法及び画像形成装置
JP2002332434A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Canon Inc インクセット、被記録媒体に着色部を形成する方法及びインクジェット記録装置
JP2003119414A (ja) * 2001-10-15 2003-04-23 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ
JP2003213183A (ja) * 2002-01-28 2003-07-30 Konica Corp 放射線硬化性インクジェット用インク及びインクジェット記録方法
JP2003220698A (ja) * 2002-01-29 2003-08-05 Konica Corp インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001181541A (ja) * 1999-12-28 2001-07-03 Ricoh Co Ltd エマルジョンインク及びこれを用いた印刷方法
JP2001220526A (ja) * 2000-02-09 2001-08-14 Brother Ind Ltd インクジェット記録方式用エネルギー線硬化型組成物
JP2001288386A (ja) * 2000-04-03 2001-10-16 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化性インクジェットインキ原液、それを用いた活性エネルギー線硬化性インクジェットインキおよび記録方法
JP2001348519A (ja) * 2000-06-08 2001-12-18 Seiko Epson Corp 光硬化型インク
JP2002003575A (ja) * 2000-06-26 2002-01-09 Dainippon Ink & Chem Inc 紫外線硬化型樹脂組成物
JP2002178624A (ja) * 2000-12-18 2002-06-26 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録方法及び画像形成装置
JP2002332434A (ja) * 2001-05-10 2002-11-22 Canon Inc インクセット、被記録媒体に着色部を形成する方法及びインクジェット記録装置
JP2003119414A (ja) * 2001-10-15 2003-04-23 Toyo Ink Mfg Co Ltd 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ
JP2003213183A (ja) * 2002-01-28 2003-07-30 Konica Corp 放射線硬化性インクジェット用インク及びインクジェット記録方法
JP2003220698A (ja) * 2002-01-29 2003-08-05 Konica Corp インクジェット記録方法、記録ユニット及びインクジェット記録装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007160662A (ja) * 2005-12-13 2007-06-28 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録方法
WO2007083473A1 (ja) * 2006-01-17 2007-07-26 Konica Minolta Medical & Graphic, Inc. 活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インク及びそれを用いた画像形成方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2006075458A1 (ja) インクジェット用白インク組成物、それを用いたインクジェット画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP2004188891A (ja) インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP2005096254A (ja) 画像形成方法及びインクジェット記録装置
JPWO2007083473A1 (ja) 活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インク及びそれを用いた画像形成方法
JP2005154679A (ja) 活性光線硬化型組成物及び活性光線硬化型インク、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP2004091698A (ja) 活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インクとそれを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP4590821B2 (ja) 活性光線硬化型インク組成物、及びそれを用いた画像形成方法
US7059710B2 (en) Image forming method, printed matter and image recording apparatus
JP2006008791A (ja) 活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インク、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP2004189823A (ja) 保護層組成物、保護層形成装置、インクジェットプリンタ及びそれを用いた画像形成方法
JP2008045081A (ja) 活性光線硬化型組成物、接着剤、インク、およびインクジェット用インク
JP2008036930A (ja) インクジェット記録方法
JP2008037879A (ja) 活性光線硬化型組成物、接着剤、印刷用インク及びインクジェット用インク
JP2004216681A (ja) 画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP2006152064A (ja) 活性光線硬化型組成物、活性光線硬化型インクジェットインク、その画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP2005248065A (ja) 活性光線硬化型組成物とそれを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP4366947B2 (ja) 活性光線硬化型インク組成物、及びそれを用いた画像形成方法
JPWO2006051701A1 (ja) 活性光線硬化型インクジェットインクとそれを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP4400053B2 (ja) 画像形成方法、及び印刷物
JP2005162962A (ja) 活性光線硬化型組成物及び活性光線硬化型インク、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP2004238456A (ja) インク、画像形成方法、印刷物及び記録装置
JP2004358781A (ja) 画像形成方法
JP2004323610A (ja) 活性光線硬化型インクジェットインク組成物、それを用いた画像形成方法及びインクジェット記録装置
JP2004277483A (ja) インク、画像形成方法、印刷物及び記録装置
JP4608842B2 (ja) 画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060803

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100921