JP2005058019A - 防虫性のシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のシートは、300〜410nmの波長範囲(A)で光線透過率(TA)が1%以下であり、450〜700nmの波長範囲(B)で光線透過率(TB)が80%以上であり、極大吸収波長(λP)が530〜620nmである吸収極大ピーク(P)を有し、この極大吸収波長(λP)における光線透過率(TP)は、450〜700nmの波長範囲における最大光線透過率(TBmax)の0.98倍以下である。例えばアクリル樹脂などの透明樹脂に、最大吸収波長(λUVmax)が350〜370nmである紫外線吸収剤および最大吸収波長(λVISmax)が530〜620nmである着色剤を含有させた透明樹脂組成物シートである。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はシートに関し、詳しくは光源を覆うことにより、この光源に昆虫類が群がることを防止できる防虫性のシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
昆虫類には、紫外光に向かって進む走光性があるため、夜間には、かかる波長の光を放射する光源、例えば白色蛍光灯などに向かって群がってくる。
【0003】
光源に昆虫類が群がってくることを防ぐために、昆虫類が最も敏感に反応する波長の光を遮蔽し、これ以外の光、例えば可視光のほとんどは透過するシートが提案されている。例えば特許文献1〔特開昭55−023921号公報〕には、光線透過率が波長300〜380nmで1%以下、波長420〜700nmで80%以上であるシートが提案されている。同文献で具体的に提案されているシートは、波長400〜410nmの光線透過率が40%〜70%であり、波長420〜700nmに吸収極大ピークがないので(特許文献1の第8頁の第1図)、人間の目には殆ど無色に見え、これを透して見える光源からの光は、自然な色調に見える。
【0004】
しかし、同文献に具体的に開示されているシートは、波長400〜410nmで40%〜70%もの光線透過率であるため、かかる波長範囲の光にも反応する昆虫類が群がってくるという問題があった。
【0005】
かかる問題を解決するものとしては、特許文献2〔特開昭62−278931号公報〕には、波長300〜380nmの光線透過率が1%以下であり、波長400〜480nmの光線透過率が30%以下であり、波長580〜700nmの光線透過率が80%以上であるシートが提案されており、具体的には波長580〜700nmに吸収極大ピークが見られないものが開示されている〔特許文献2の第9頁の第3図〕。かかるシートは、400〜410nmの光線透過率が30%以下であるので、かかる波長範囲の光にも反応する昆虫類が群がってくるのを防止することができる。
【0006】
しかし、同文献で具体的に提案されているシートは、人間の目には着色して見え、これを透過してくる光源からの光が不自然な色調に見えてしまうという問題があった。
【0007】
【特許文献1】特開昭55−023921号公報
【特許文献2】特開昭62−278931号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者は、光源を覆うことで、この光源に昆虫類が群がることを防止でき、人間の目には着色していない自然な色調に見えるシートを開発するべく鋭意検討した結果、波長300〜410nmでの光線吸収率を1%以下で、波長450nm〜700nmの光線透過率が80%以上であり、この波長範囲に極大吸収波長530〜620nmの吸収極大ピークが有り、この極大吸収波長における光線透過率が、波長450nm〜700nmにおける最大光線透過率の0.98倍以下のシートは、昆虫類が群がってくることが無く、また人間の目には殆ど着色していないように見えることを見出し、本発明に至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、300nm〜410nmの波長範囲(A)で光線透過率(TA)が1%以下であり、
450nm〜700nmの波長範囲(B)で光線透過率(TB)が80%以上であり、
極大吸収波長(λP)が530nm〜620nmである吸収極大ピーク(P)を有し、
前記極大吸収波長(λP)における光線透過率(TP)が、450nm〜700nmの波長範囲(B)における最大光線透過率(TBmax)の0.98倍以下である
ことを特徴とするシートを提供するものである。図1に本発明のシートの一例の光線透過スペクトルを示す。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のシートは、300nm〜410nmの波長範囲(A)で光線透過率が1%以下であり、理想的には実質的に0である。かかる波長範囲(A)での光線透過率(TA)が1%以下であるので、昆虫類が反応する波長範囲(A)の光は十分に遮蔽されている。
【0011】
450nm〜800nmの波長範囲(B)では、光線透過率(TB)が80%以上である。かかる光線透過率(TB)が80%未満であると、例えば光源を覆った場合などに十分に可視光を透過することができず、人間の目には暗く見えてしまう傾向にある。かかる波長範囲(B)における最大光線透過率(TBmax)は84%以上である。
【0012】
本発明のシートは、吸収極大ピーク(P)を有しており、この吸収極大ピーク(P)は最大吸収波長(λP)が530nm〜620nmである。最大吸収波長(λP)が530nm未満であったり、620nmを超えていると、人間の目には着色して見えることがある。
【0013】
吸収極大ピーク(P)の最大吸収波長(λp)における光線透過率(Tp)は、450nm〜800nmの波長範囲(B)における最大光線透過率(TBmax)の0.98以下、好ましくは0.9倍以下である。かかる光線透過率(TP)が最大光線透過率(TBmax)の0.98倍を超えていると、人間の目には着色して見えてしまう傾向にあり、好ましくない。吸収極大ピーク(P)の最大吸収波長(λP)における光線透過率(TP)は80%以上であり、450nm〜800nmの波長範囲(B)における最大光線透過率(TBmax)の0.8倍以上となる。
【0014】
かかる本発明のシートとしては、例えば透明樹脂に紫外線吸収剤および着色剤を含有させた透明樹脂組成物シートが挙げられる。
【0015】
透明樹脂としては、例えばアクリル樹脂が挙げられる。アクリル樹脂はそれ単独では無色で透明な熱可塑性樹脂として広く用いられているものである。かかるアクリル樹脂としては、例えばメタクリル酸メチル単位の含有量が50質量%以上の重合体が挙げられ、メタクリル酸メチルの単独重合体であってもよいし、メタクリル酸メチルおよびこれと共重合可能な単量体の共重合体であってもよい。
【0016】
メタクリル酸メチルと共重合可能な単量体は、分子内にメタクリル酸メチルとラジカル重合可能な二重結合を一つ有する単官能単量体であってもよいし、二つ以上有する多官能単量体であってもよい。単官能単量体としては、例えばアクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシルなどのアクリル酸エステル類、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシルなどのようなメタクリル酸エステル類、アクリル酸、メタクリル酸、スチレンなどが挙げられる。また、多官能単量体としては、例えばネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0017】
紫外線吸収剤としては、例えば最大吸収波長(λUVmax)が350nm〜370nmである紫外線吸収剤が用いられる。最大吸収波長(λUVmax)が350nm未満の紫外線吸収剤を用いたのでは、410nm以下の光線透過率(TA)を1%以下とするために多量に含有させる必要があり、経済的に不利である。また、370nmを超える紫外線吸収剤であってもよいが、その多くは、波長450nm以上にも吸収があるので好ましくない。
【0018】
最大吸収波長(λUVmax)が350nm〜370nmである紫外線吸収剤としては、例えば2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル〕−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール〔最大吸収波長λUVmax=353nm〕、2、4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール〔最大吸収波長λUVmax=353nm〕などが挙げられる。かかる紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収剤の種類にもよるが、例えばシートの単位面積あたり10g/m2〜100g/m2程度である。
【0019】
着色剤としては、最大吸収波長(λVISmax)が530nm〜620nmである着色剤が用いられ、透過光の散乱が少ない点で、染料が好ましく用いられる。かかる染料としては、例えばC.I.ディスパース バイオレット 26(C.I.Disperse Violet 26)〔最大吸収波長λUVmax=540nm、「Sumiplast Bordeaux HBL」(住化ファインケム社)などとして市販されている。〕、
C.I.ディスパース バイオレット 28(C.I.Disperse Violet 28)〔最大吸収波長λVISmax=約550nm、「Sumiplast Violet RR」(住化ファインケム社)、「Diaresin Violet D」(三菱化学社)などとして市販されている。〕、
C.I.ピグメント バイオレット 1(C.I.Pigment Violet 1)〔最大吸収波長λUVmax=560nm、「Rhodamine B」(サンケミカル社)、「Fanal Violet D5480」(BASF社)などとして市販されている。〕、
C.I.ソルベント バイオレット 13(C.I.Solvent Violet 13)〔最大吸収波長λVISmax=約580nm、「Waxoline Purple AS」(ICI社)、「Sumiplast Violet B」(住化ファインケム社)、「Macrolex Violet B」(Bayer社)などとして市販されている。〕、
C.I.ソルベント ブルー 97(C.I.Solvent Blue 97)〔最大吸収波長λUVmax=580〜610nm、「Macrolex Blue RR」(Bayer社)などとして市販されている。〕などが挙げられる。かかる着色剤の含有量は、その種類によって異なるが、例えばシートの単位面積あたり0.001g/m2〜0.02g/m2程度である。
【0020】
かかる透明樹脂組成物シートは、例えば加熱されて溶融状態にある透明樹脂に紫外線吸収剤および着色剤を添加して、成形する方法、具体的には押出成形、射出成形などの通常の成形方法で製造することができる。また、押出成形などの方法でペレット化してから、プレス成形法によって熱プレスしてもよい。
【0021】
透明樹脂シートは、単量体またはその部分重合物と紫外線吸収剤および着色剤とを混合し、得られた混合物を重合セル内で重合させて成形するキャスト重合法によっても製造することができる。単量体としては、メタクリル酸メチルを単独で用いてもよいし、メタクリル酸メチルおよびこれと共重合可能な単量体の混合物であってもよい。混合物は通常、重合開始剤を含有させて用いられる。また通常は、重合後、重合セルからの離型を容易にするために離型剤が添加されて用いられる。
【0022】
透明樹脂シートは、上記と同様の単量体に紫外線吸収剤および着色剤を混合してから、懸濁重合法、塊状重合法などの方法で重合して透明樹脂組成物を得、得られた透明樹脂組成物を押出成形法、射出成形法などの成形法により成形する方法でも製造することができる。
【0023】
かかる本発明のシートは、厚みが通常0.1mm〜30mm程度である。
【0024】
本発明のシートは、光線透過率が300nm〜410nmの波長範囲(A)で1%以下であるので、白色蛍光灯などの光源を覆う照明カバーとして用いることで、光源に昆虫類が群がることを防止することができ、また人間の目には着色していないよう見えるので、自然な色調の照明光で照明することができる。
【0025】
本発明のシートは、内部に光源を有していて、この内部の光源によって照明する内照式の看板の看板材として用いることで、看板材に描かれた装飾の色彩を損なうことなく、昆虫類が群がることを防止することができる。
【0026】
本発明のシートを、家屋などの窓材、出入口の間仕切り板などとして用いることで、屋内の照明によって窓際や出入口などに昆虫類が群がることがなく、また日中は自然な色調で太陽光を屋内に採り入れることができる。
【0027】
本発明のシートを商品などを陳列するためのショーウインドーガラスとして用いると、夜間にショーウインドー内の商品などを照明しても昆虫類が群がることがないので、美観を損ねることなく商品などを陳列することができ、また自然な色調で商品などを陳列することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明のシートによれば、光源に昆虫類が群がることを防止でき、また、このシートは人間の目には着色していない自然な色調に見える。
【0029】
【実施例】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されるものではない。
【0030】
なお、各実施例で得たシートの光線透過スペクトルは、分光光度計〔日立U−4000型〕を用いて300nm〜800nmの波長範囲で5nm間隔で測定して求めた。また、イエローインデックスは(YI)は、上記で得た光線透過スペクトルから、JIS Z−8722に記載の方法により、Cの標準光を用いたときの三刺激値(X、Y、Z)を求め、この三刺激値から、JIS Z−7105に従って求めた。
【0031】
実施例1
メタクリル酸メチル100質量部あたり2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.002質量部を混合し、80℃で部分重合させて、重合体含有量5質量%の部分重合物を得た。この部分重合物98.5質量部に、2−〔5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチル)フェノール(紫外線吸収剤)1.5質量部、着色剤〔C.I.ソルベント バイオレット 13、最大吸収波長λVISmax=約580nm、「Waxoline Purple AS」〕0.0005質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤)0.08質量部および離型剤0.05質量部を添加し、減圧下〔絶対圧力で87kPa〕にて30分間脱気した。その後、ガラス板〔厚さ10mm、30cm×30cm〕と塩化ビニル製ガスケットで構成された重合セル内に注入し、72℃に加熱して同温度で3時間保持したのち、120℃に加熱し同温度で1時間保持して重合させて、厚さ2mmのアクリル樹脂組成物シートを得た。このアクリル樹脂組成物シートは、目視では着色を確認できなかった。このアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルを図1に示し、評価結果を第1表に示す。
【0032】
このアクリル樹脂組成物シートは、単位面積あたり紫外線吸収剤を25.2g/m2、着色剤を0.0084g/m2それぞれ含んでいて、YIは2である。300nm〜410nmの波長範囲(A)での光線透過率の最大値(TAmax)は0.8%であり、450〜700nmの波長範囲(B)での光線透過率の最小値(TBmin)は83%、最大値(TBmax)は92%である。極大吸収ピークを有し、その極大吸収波長(λp)は約580nm、極大吸収波長における光線透過率(Tp)は83%である。極大吸収波長における光線透過率(Tp)は、最大光線透過率(TBmax)の0.90倍である。
【0033】
このシートを白色蛍光灯の照明カバーとして使用すると、白色蛍光灯からの光は自然な白色に見え、また屋外で使用しても、昆虫類が群がってこない。
【0034】
実施例2
部分重合物の使用量を98.2質量部とし、紫外線吸収剤の使用量を1.8質量部とし、着色剤の使用量を0.0002質量部とした以外は実施例1と同様に操作して、アクリル樹脂組成物シートを得た。このアクリル樹脂組成物シートは、目視では着色を確認できなかった。このアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルを図2に示す。評価結果を第1表に示す。
【0035】
このアクリル樹脂組成物シートは、単位面積あたり紫外線吸収剤を30.2g/m2、着色剤を0.0034g/m2それぞれ含んでいて、YIは5である。300nm〜410nmの波長範囲(A)での光線透過率の最大値(TAmax)は0.3%、450〜700nmの波長範囲(B)での光線透過率の最小値(TBmin)は89%、最大値(TBmax)は92%である。極大吸収ピーク(P)を有し、その極大吸収波長(λp)は約580nm、極大吸収波長における光線透過率(Tp)は89%である。極大吸収波長における光線透過率(Tp)は、最大光線透過率(TBmax)の0.97倍である。
【0036】
このシートを白色蛍光灯の照明カバーとして使用すると、白色蛍光灯からの光は自然な白色に見え、また屋外で使用しても、昆虫類が群がってこない。
【0037】
実施例3
部分重合物の使用量を98.2質量部とし、紫外線吸収剤の使用量を1.8質量部とし、着色剤の使用量を0.0007質量部とした以外は実施例1と同様に操作して、アクリル樹脂組成物シートを得た。このアクリル樹脂組成物シートは、目視では着色を確認できなかった。このアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルを図3に示す。評価結果を第1表に示す。
【0038】
このアクリル樹脂組成物シートは、単位面積あたり紫外線吸収剤を30.2g/m2、着色剤を0.015g/m2それぞれ含んでいて、YIは−1である。300nm〜410nmの波長範囲(A)での光線透過率の最大値(TAmax)は0.2%、450〜700nmの波長範囲(B)での光線透過率の最小値(TBmin)は80%、最大値(TBmax)は92%である。極大吸収ピーク(P)を有し、その極大吸収波長(λp)は約580nm、極大吸収波長における光線透過率(Tp)は80%である。極大吸収波長における光線透過率(Tp)は、最大光線透過率(TBmax)の0.87倍である。
【0039】
このシートを白色蛍光灯の照明カバーとして使用すると、白色蛍光灯からの光は自然な白色に見え、また屋外で使用しても、昆虫類が群がってこない。
【0040】
【表1】
【0041】
比較例1
着色剤を加えなかった以外は実施例1と同様に操作して、アクリル樹脂組成物シートを得た。このアクリル樹脂組成物シートは、目視では極僅かに着色していた。このアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルを図4に示す。評価結果を第2表に示す。
【0042】
このアクリル樹脂組成物シートは、単位面積あたり紫外線吸収剤を25.2g/m2含んでいて、YIは7である。300nm〜410nmの波長範囲(A)での光線透過率の最大値(TAmax)は0.6%、450〜700nmの波長範囲(B)での光線透過率の最小値(TBmin)は91%、最大値(TBmax)は92%である。極大吸収ピーク(P)は有しない。
【0043】
このシートを白色蛍光灯の照明カバーとして屋外で使用すると、昆虫類が群がってこないものの、白色蛍光灯からの光はやや黄色く見える。
【0044】
比較例2
部分重合物の使用量を98.75質量部とし、紫外線吸収剤の使用量を1.25質量部とし、着色剤を加えなかった以外は実施例1と同様に操作して、アクリル樹脂組成物シートを得た。このアクリル樹脂組成物シートは、目視では着色を確認できなかった。このアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルを図5に示す。評価結果を第2表に示す。
【0045】
このアクリル樹脂組成物シートは、単位面積あたり紫外線吸収剤を21.0g/m2含んでいて、YIは6である。300nm〜410nmの波長範囲(A)での光線透過率の最大値(TAmax)は1.4%、450〜700nmの波長範囲(B)での光線透過率の最小値(TBmin)は91%、最大値(TBmax)は92%である。極大吸収ピーク(P)は有しない。
【0046】
このシートを白色蛍光灯の照明カバーとして屋外で使用すると、昆虫類が群がってこないものの、白色蛍光灯からの光はやや黄色く見える。
【0047】
比較例3
部分重合物の使用量を99.5質量部とし、紫外線吸収剤の使用量を0.5質量部とし、着色剤を加えなかった以外は実施例1と同様に操作して、アクリル樹脂組成物シートを得た。このアクリル樹脂組成物シートは、目視では着色を確認できなかった。このアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルを図6に示す。評価結果を第2表に示す。
【0048】
このアクリル樹脂組成物シートは、単位面積あたり紫外線吸収剤を8.4g/m2含んでいて、YIは6である。300nm〜410nmの波長範囲(A)での光線透過率の最大値(TAmax)は4.2%、450〜700nmの波長範囲(B)での光線透過率の最小値(TBmin)は91%、最大値(TBmax)は92%である。極大吸収ピーク(P)は有しない。
【0049】
このシートを白色蛍光灯の照明カバーとして屋外で使用すると、昆虫類が群がってこないものの、白色蛍光灯からの光はやや黄色く見える。
【0050】
【表2】
【0051】
実施例4
市販のメタクリル樹脂〔「スミペックスMH」、住友化学工業(株)製〕ペレット97.1質量部に、実施例1で用いたと同じ紫外線吸収剤2.9質量部と、実施例1で用いたと同じ着色剤0.00035質量部とを加え、押出機にて溶融しながら混練してペレットを得た。このペレットを熱プレスにより板状に成形して、アクリル樹脂組成物シートを得た。このアクリル樹脂組成物シートは、目視では着色を確認できなかった。このアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルを図7に示す。評価結果を第3表に示す。
【0052】
このアクリル樹脂組成物シートは、単位面積あたり紫外線吸収剤を48.7g/m2、着色剤を0.0059g/m2それぞれ含んでいて、YIは6である。300nm〜410nmの波長範囲(A)での光線透過率の最大値(TAmax)は0.1%(測定下限)未満、450〜700nmの波長範囲(B)での光線透過率の最小値(TBmin)は86%、最大値(TBmax)は92%である。極大吸収ピーク(P)を有し、その極大吸収波長(λp)は約580nm、極大吸収波長における光線透過率(Tp)は86%である。極大吸収波長における光線透過率(Tp)は、最大光線透過率(TBmax)の0.93倍である。
【0053】
このシートを白色蛍光灯の照明カバーとして使用すると、白色蛍光灯からの光は自然な白色に見え、また屋外で使用しても、昆虫類が群がってこない。
【0054】
比較例4
紫外線吸収剤を添加しなかった以外は実施例4と同様に操作して、アクリル樹脂組成物シートを得た。このアクリル樹脂組成物シートは、目視では着色していた。このアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルを図7に示す。評価結果を第3表に示す。
【0055】
このアクリル樹脂組成物シートは、単位面積あたり紫外線吸収剤を48.7g/m2含んでいて、YIは10である。300nm〜410nmの波長範囲(A)での光線透過率の最大値(TAmax)は0.1%未満、450〜700nmの波長範囲(B)での光線透過率の最小値(TBmin)は91%、最大値(TBmax)は92%である。極大吸収ピーク(P)は有しない。このシートを白色蛍光灯の照明カバーとして屋外で使用すると、昆虫類が群がってこないものの、白色蛍光灯からの光はやや黄色く見える。
【0056】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得たアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルである。
【図2】実施例2で得たアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルである。
【図3】実施例3で得たアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルである。
【図4】比較例1で得たアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルである。
【図5】比較例2で得たアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルである。
【図6】比較例3で得たアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルである。
【図7】実施例4で得たアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルである。
【図8】比較例4で得たアクリル樹脂組成物シートの光線透過スペクトルである。
【符号の説明】
A:300nm〜410nmの波長範囲
B:450nm〜700nmの波長範囲
P:吸収極大ピーク
Claims (3)
- 300nm〜410nmの波長範囲(A)で光線透過率(TA)が1%以下であり、450nm〜700nmの波長範囲(B)で光線透過率(TB)が80%以上であり、極大吸収波長(λP)が530nm〜620nmである吸収極大ピーク(P)を有し、前記極大吸収波長(λP)における光線透過率(TP)が、450nm〜700nmの波長範囲(B)における最大光線透過率(TBmax)の0.98倍以下であることを特徴とするシート。
- 透明樹脂に、最大吸収波長(λUVmax)が350nm〜370nmである紫外線吸収剤および最大吸収波長(λVISmax)が530nm〜620nmである着色剤を含有させた透明樹脂組成物からなる請求項1に記載のシート。
- 透明樹脂がアクリル樹脂である請求項2に記載のシート。
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JP2003207678A Pending JP2005058019A (ja) | 2003-08-18 | 2003-08-18 | 防虫性のシート |
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JP (1) | JP2005058019A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008304798A (ja) * | 2007-06-08 | 2008-12-18 | Bridgestone Corp | 近赤外線遮蔽フィルタ、ディスプレイ用光学フィルタ、これを用いたディスプレイ及びプラズマディスプレイパネル |
JP2009062411A (ja) * | 2007-09-04 | 2009-03-26 | Bridgestone Corp | 近赤外線遮蔽体、これを用いた積層体及びディスプレイ用光学フィルタ、並びにディスプレイ |
JP2016149984A (ja) * | 2015-02-18 | 2016-08-22 | 富士フイルム株式会社 | 防虫用反射材、防虫システム、および防虫方法 |
JP2018166454A (ja) * | 2017-03-30 | 2018-11-01 | 平岡織染株式会社 | シートシャッター用膜材 |
-
2003
- 2003-08-18 JP JP2003207678A patent/JP2005058019A/ja active Pending
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JP2008304798A (ja) * | 2007-06-08 | 2008-12-18 | Bridgestone Corp | 近赤外線遮蔽フィルタ、ディスプレイ用光学フィルタ、これを用いたディスプレイ及びプラズマディスプレイパネル |
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