JP2005057191A - 希土類磁石粉末の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 希土類磁石の粉末スクラップを、希土類磁石原料粉としてリサイクルする方法を提供する。
【解決手段】
希土類磁石の粉末スクラップを、酸素存在下の雰囲気中で、700 〜1200℃の温度で1〜10時間熱処理して酸化脱炭処理を行い、必要により水素還元を行って脱炭粉末を得る酸化脱炭工程、
前記脱炭粉末にアルカリ土類金属からなる還元剤および希土類酸化物粉末を混合添加し、必要により、さらに希土類磁石の合金成分を構成する金属粉末を添加して、加熱をすることにより脱酸処理を行う脱酸工程、
前記脱酸工程で得られた脱炭脱酸混合物を純水により複数回繰り返して洗浄する洗浄工程、
前記洗浄工程で得られた脱炭脱酸混合物を10Pa以下の真空度、900 ℃以上の温度で0.5 時間以上加熱処理をすることにより前記還元剤を除去する真空処理工程、および
前記真空処理工程で得られた希土類磁石合金を所要粒度に粉砕する粉砕工程とを含む希土類磁石粉末の製造方法である。
【解決手段】
希土類磁石の粉末スクラップを、酸素存在下の雰囲気中で、700 〜1200℃の温度で1〜10時間熱処理して酸化脱炭処理を行い、必要により水素還元を行って脱炭粉末を得る酸化脱炭工程、
前記脱炭粉末にアルカリ土類金属からなる還元剤および希土類酸化物粉末を混合添加し、必要により、さらに希土類磁石の合金成分を構成する金属粉末を添加して、加熱をすることにより脱酸処理を行う脱酸工程、
前記脱酸工程で得られた脱炭脱酸混合物を純水により複数回繰り返して洗浄する洗浄工程、
前記洗浄工程で得られた脱炭脱酸混合物を10Pa以下の真空度、900 ℃以上の温度で0.5 時間以上加熱処理をすることにより前記還元剤を除去する真空処理工程、および
前記真空処理工程で得られた希土類磁石合金を所要粒度に粉砕する粉砕工程とを含む希土類磁石粉末の製造方法である。
Description
本発明は、希土類磁石粉末の製造方法に関するものであり、特にNd-Fe-B系に代表されるR-Fe-B系合金から成る希土類磁石 (Rは、Nd、Pr、Dy、Ho、Tbの少なくとも1種類を主成分とする希土類金属、以下、同じ) の製造工程または使用済み機器から発生する希土類磁石の粉末スクラップを、希土類磁石原料粉としてリサイクルするための方法に関する。
希土類磁石のうちでNd-Fe-B系等のR-Fe-B系希土類磁石は、優れた磁気特性を有すると共に、機械的性質や加工性が比較的良好であることから、一般の各種電化製品から、高性能パソコン、携帯電話、携帯端末、自動車等の主要エレクトロニクス部品に幅広く利用されている。
希土類磁石は一般に焼結磁石と、磁石粉末をゴムやプラスチックで結合したボンド磁石に分別されるが、上記用途には、磁気特性の高い焼結磁石が一般的に使用されている。例えば、焼結型のNd-Fe-B系合金から成る希土類磁石 (以下、単にNd-Fe-B系またはR-Fe-B系希土類磁石という) の生産量は増加の一途を辿り、世界で約10000 トン/年、国内では約5500トン/ 年が生産されている。このうち、国内の製造工程では、固形、粉末スクラップが約2400トン発生している。さらに希土類磁石原料は、ほとんどが中国に偏在しており、国際情勢によっては価格高騰といった状況も発生する。従って、希土類磁石スクラップのリサイクル技術を確立することは資源節約、価格安定化のためにも重要である。
さらに環境保護の観点からも、使用済み機器からの有価資源回収の動きが高まっており、本系磁石も例外ではなくリサイクル技術の確立が求められている。
現在、希土類焼結磁石の一般的な製造方法は、原料合金溶製→粉砕→磁場中プレス成形→焼成 (粉末焼結) →加工→防錆 (メッキ等による表面処理) の各工程を経て行われる粉末冶金法による方法である。そのため、長尺焼結品からの小型高寸法精度品の加工 (外周刃、ワイヤソ一等を使った切断) や、予め余肉成形した焼結品の加工 (中ぐり、グラインダ等) 、バリ取り (バレル研磨等) が必須である。
このような加工工程で発生する粉末スクラップ発生量は、製造工程中に発生するスクラップの中で最も多い。従って、資源の有効活用という点で、加工工程で発生する粉末スクラップの再生方法を早急に確立することが求められている。
上記加工工程で発生した希土類磁石の粉末スクラップは、非常に微細であり、乾燥状態では発火性が高いため、一般に研削液と混和したスラリーとして取り扱われている。このスラリーを乾燥して得た粉末スクラップは、一般に約1〜2質量%の炭素を含有している。この炭素量は、R-Fe-B系希土類磁石原料粉末中の炭素量(0.08 質量%未満) に比較して極めて高くなっている。この炭素は、本系磁石製造工程中の粉砕助剤 (ステアリン酸亜鉛など) の添加により焼結体中に生成した希土類元素炭化物と、外部炭素源 (加工時の不可避混入) とが主供給源である。そのような具体的な外部炭素源として、水溶性研削油(W/0エマルジョン) 、加工に用いる研削砥石屑 (タングステンカーバイド等の炭化物やダイヤモンド) 、砥石結合剤 (レジン粉) 、研削補助板 (カーボン板) 摩砕粉などが挙げられる。
このような高炭素含量の粉末スクラップを希土類磁石の原料としてそのまま用いると、そのとき製造される希土類磁石の磁気特性は劣化する。この理由を次に説明する。
すなわち、R-Fe-B系希土類磁石は、強磁性相である主相(R2Fe14B) と非磁性相である粒界相 (R酸化物、R炭化物、R炭酸化物を含んだRリッチ相およびBリッチ相) の2相で構成される液相焼結磁石である。原料合金中の初期炭素量が0.08質量%以上では、粒界相に多量のR炭化物やR炭酸化物が生成されて有効R量が不足するため、十分な保磁力(Hc)を得ることができない。このために高炭素含量の粉末スクラップに対しては脱炭処理を必要とするのである。
一方、加工工程で発生する希土類磁石の粉末スクラップは、通気式粒度測定法により測定した平均粒径が1〜2μm と、非常に微細なスラリー粉末であるため、酸素含量は1.O 質量%以上と、R-Fe-B系希土類磁石の原料合金中の酸素含量(0.7質量%未満) に比べて高い。このような高酸素原料粉末をそのまま用いて製造される希土類磁石も磁気特性は劣化する。この理由を次に説明する。
すなわち、酸素含量が高いと粒子表面が過剰な高融点希土類酸化物に覆われるため、焼成における密度の上昇がほとんど認められず、さらに粒界相のR酸化物の体積が大きくなるために相対的に主相体積が減少するので、残留磁束密度(Br)が低下する。このため高酸素含量の粉末スクラップに対しては脱酸処理を必要とするのである。
希土類磁石の粉末スクラップの再生方法として、次の各方法が考えられる。
溶媒抽出法:
これは、粉末スクラップを完全酸化物とした後、水と共に攪拌槽に投入、スラリー化させて硝酸、硫酸等の酸溶液を添加して希土類元素イオンとして浸出、分離後、鉄酸化物等の不溶解性沈殿物は濾別分離する方法である。
溶解鋳造法:
これは、粉末スクラップと他の合金成分となる種々の金属等からなる母合金塊とを所要組成に調合し、高周波溶解等で溶解、鋳造後、これを粉砕して所要粒度の合金粉末を得る方法である。
直接還元法:
これは、粉末スクラップを還元剤、例えば金属Caと共に混合加熱・ 脱酸してから、副生成物 (例えばCaO)を崩壊、洗浄除去した後、得られた還元粉末を、微粉砕し、焼結磁石原料粉末として用いる方法である。
溶媒抽出法:
これは、粉末スクラップを完全酸化物とした後、水と共に攪拌槽に投入、スラリー化させて硝酸、硫酸等の酸溶液を添加して希土類元素イオンとして浸出、分離後、鉄酸化物等の不溶解性沈殿物は濾別分離する方法である。
溶解鋳造法:
これは、粉末スクラップと他の合金成分となる種々の金属等からなる母合金塊とを所要組成に調合し、高周波溶解等で溶解、鋳造後、これを粉砕して所要粒度の合金粉末を得る方法である。
直接還元法:
これは、粉末スクラップを還元剤、例えば金属Caと共に混合加熱・ 脱酸してから、副生成物 (例えばCaO)を崩壊、洗浄除去した後、得られた還元粉末を、微粉砕し、焼結磁石原料粉末として用いる方法である。
しかしながら、上記溶媒抽出法は、希土類元素を高純度で分離精製できる特徴を持つ反面、抽出に掛かるコストが高く、また、鉄酸化物等のスクラップを副生成するため、環境負荷の点で問題となっている。
溶解鋳造法は、上記溶媒抽出法に比べると低コストであるが、実用的には、再生スクラップ品の酸素を大幅に低下 (例えば<0.05 質量%) させない限り、通常の母材溶解に比べて高コストとなる。
直接還元法は、得られる還元粉末が合金粉末として磁石製造に直接適用できるため、最も低コストであり、環境負荷の面でも優れている。しかし、高炭素スクラップを適用した場合に脱炭が行われないという問題と、還元剤として用いたCaが残留するという問題がある。一方で、原料粉末として直接用いるためには成分調整 (主に希土類成分) を必要とする場合がある。この成分調整の方法として、次のような3つの方法が考えられる。
(1) 所定成分の合金粗粉末と混合して微粉砕を行い、原料粉末の成分を調整する。
(2) 予め微粉砕された所定成分の合金微粉末を混練して原料粉末の成分を調整する。
(3) 粉末スクラップを還元剤と共に還元する際に、所定成分となるような金属成分を添加して拡散合金化により所定成分の合金粉末を形成させる。
これらの方法のなかで、(1) 、(2) の方法は、添加合金粉末の別途作製が必須となり、高コスト化の要因となる。(3) の方法は、安価な酸化物粉末などの形態で直接に脱酸、合金化できるため、低コストが期待できる。ところが、(3) の方法では、直接還元法を用いる場合には、前述と同様に高炭素スクラップを適用した場合に脱炭が行われないという問題と、還元剤として用いたCaが残留するという問題がある。
ところで、希土類磁石の粉末スクラップの直接還元中の脱炭については、金属Caを還元剤として、脱酸のみならず脱炭も同時に行う方法が、特許文献1および特許文献2に提案されている。
しかし、これらの方法では十分な脱炭は行えない。なぜなら、熱力学的にはR炭化物の方がCaC2より安定であり(NdC2+Ca→Nd+CaC2 ΔG=34.548kcal (1000℃))、R炭化物からCaC2を生成させて炭素を除去することは困難である。
従って、炭素量の高い希土類磁石の粉末スクラップの脱炭を含めた工業的な再生方法は確立していないのが現状である。
Ca残留については、直接還元時に還元剤、例えば金属Caの一部が希土類磁石合金中に固溶 (500ppm以上) することが知られており、そのうち70%は希土類粒界相に存在するとされている。このため、単なる物理洗浄では除去できない。この固溶Caは、磁石製造の焼成工程における炉体汚染 (蒸発Caの付着) のみならず、製品として長期間使用した場合の表面錆 (防錆メッキ下部にピット錆形成) が発生する恐れがあり、原料粉末として用いる場合には、100ppm以下まで残留Caを低減する必要がある。
特開昭58−73731 号公報
特開昭58-136728 号公報
本発明は、希土類磁石の粉末スクラップを、酸素存在下の雰囲気中で、700 ℃〜1200℃の温度で1〜10時間加熱する酸化脱炭処理を行い、得られた脱炭粉末を好ましくはさらに粉砕後、Ca系還元剤と、必要により成分調整用の粉末 (希土類酸化物粉末および/または他の金属粉末) とを添加、混練し、次いで加熱脱酸処理を行って脱炭脱酸混合物とし、この脱炭脱酸混合物を純水デカンテーションにより1回または複数回洗浄してCa系副生成物の低減処理を行った後、減圧熱処理によって固溶Ca分を蒸発除去し、最後に所定粒度に微粉砕することを特徴とする希土類磁石粉末の製造法である。
本発明における酸化脱炭処理については、酸素存在下の雰囲気が酸素分圧140Pa 以下の酸素含有雰囲気であるが、あるいは、酸化脱炭処理を酸素分圧が140Pa を超える酸素存在下の雰囲気で行う場合には、水素還元を付加することが必要である。
また、本発明における脱酸処理は、不活性ガス中で加熱する直接還元法により行われることが望ましい。
本発明における固溶Ca分の蒸発除去は、温度900 ℃以上で10Pa以下の真空度において0.5 時間以上加熱することにより行う。
また、本発明における還元粉末の微粉砕は気流粉砕 (ジェットミル粉砕) で行うことが望ましい。
さらに、本発明に係る希土類磁石の原料粉の製造法では、希土類磁石が、R-Fe-B系合金 (Rは、Nd,Pr,Dy,Ho,Tbの少なくとも1種を主成分とする希土類金属) からなることが望ましい。
本発明によれば、従来、低炭素化が困難であった希土類磁石の粉末スクラップを酸素分圧の制御により低コストで酸化脱炭し、さらに直接還元によって脱酸および必要により成分調整することで低炭素化および低酸素化が可能となった。さらに減圧熱処理によって固溶Caを除去することで、不純物が少なく従来のバージン合金粉末に比べて遜色ない希土類合金粗粉末を得ることができる。続いて、上記粗粉末を既存の粉砕方法により単独で微粉砕、あるいはバージン合金粉末と混練して微粉砕することにより良質な再生プレス原料として希土類磁石を製造することが可能となり、希土類金属の有効活用、省資源化に極めて効果があるものである。
次に、本発明に係る希土類磁石の原料粉末の製造法の実施態様を詳述する。以下の説明では、希土類磁石がR-Fe-B系希土類磁石である場合を例とするが、本発明はR-Fe-B系希土類磁石に限定されず、例えば、Sm-Co 系やSm-Fe-N 系の磁石スクラップ等についても適用されることは本明細書の記載からも当業者には容易に理解されるところである。
本発明は、 (炭素を含む) R-Fe-B系希土類磁石の粉末スクラップに、 (1)酸化脱炭工程、 (2)必要により成分調整を含む脱酸工程、 (3)Ca低減のための洗浄処理を行う洗浄工程、 (4)固溶Ca低減のために真空下での熱処理によりR-Fe-B系希土類磁石用原料となる再生合金粗粉末とする真空処理工程、 (5)微粉砕後、所要粒度に分級して希土類磁石原料粉末とする粉砕工程から構成される。以下に各工程について説明する。
(1)酸化脱炭工程:
希土類磁石中の粒界相に存在するR炭化物は、1000℃程度の高温で熱処理すると、酸素によって脱炭 (酸化脱炭) される。
希土類磁石中の粒界相に存在するR炭化物は、1000℃程度の高温で熱処理すると、酸素によって脱炭 (酸化脱炭) される。
例えば、RC2 で示される組成のR炭化物の酸化脱炭は、下記の式(1) および(2) の連鎖反応によって起こり、R2O3で示される希土類酸化物が生成する。
2RC2+3.5O2(g) →R2O3+4CO(g) ・・・(1)
ΔG =−440kcal(1000℃)
2RC2+5.5O2(g) →R2O3+4CO2(g)・・・(2)
ΔG =−610kcal(1000℃)
また、フリーカーボンについても下記の式(3) で示される酸化脱炭が行われる。
ΔG =−440kcal(1000℃)
2RC2+5.5O2(g) →R2O3+4CO2(g)・・・(2)
ΔG =−610kcal(1000℃)
また、フリーカーボンについても下記の式(3) で示される酸化脱炭が行われる。
C+20(g) →CO2(g)・・・(3)
ΔG =−176kcal(1000℃) .
粉末スクラップの場合は、比表面積が大きく、また、フリーカーボンについても粉末状で存在しているため、上式の反応は微量の酸素が存在すれば容易に進行する。逆に雰囲気中の酸素濃度が高すぎる場合、例えば大気雰囲気中の場合には過剰酸化となり、主相が熱分解され、一部が酸化鉄となる。この酸化鉄は水素雰囲気あるいは水素水蒸気雰囲気によって熱処理を行うことで還元される。酸化鉄の存在は、続く脱酸処理において、還元剤 (例えば金属Ca) の添加量を増大させるばかりでなく、酸化鉄の還元反応において融鉄を形成するほどの大きな反応熱を発生するため、処理量の如何によらず、容器損傷、還元融着による歩留劣化、さらには炉体損傷等の事態を招く恐れがある。すなわち、より低コストで酸化鉄の生成を極小化するために、雰囲気中の酸素分圧を140Pa 以下で酸化脱炭を行うことが望ましい。
ΔG =−176kcal(1000℃) .
粉末スクラップの場合は、比表面積が大きく、また、フリーカーボンについても粉末状で存在しているため、上式の反応は微量の酸素が存在すれば容易に進行する。逆に雰囲気中の酸素濃度が高すぎる場合、例えば大気雰囲気中の場合には過剰酸化となり、主相が熱分解され、一部が酸化鉄となる。この酸化鉄は水素雰囲気あるいは水素水蒸気雰囲気によって熱処理を行うことで還元される。酸化鉄の存在は、続く脱酸処理において、還元剤 (例えば金属Ca) の添加量を増大させるばかりでなく、酸化鉄の還元反応において融鉄を形成するほどの大きな反応熱を発生するため、処理量の如何によらず、容器損傷、還元融着による歩留劣化、さらには炉体損傷等の事態を招く恐れがある。すなわち、より低コストで酸化鉄の生成を極小化するために、雰囲気中の酸素分圧を140Pa 以下で酸化脱炭を行うことが望ましい。
140Pa 以下という酸素分圧は、圧力が667Pa 以下であるため、減圧によって得ることが経済的であるが、不活性ガスと酸素または空気を混合した混合ガスを用いても良い。例えば、1質量%の炭素を有する粉末スクラップであれば、酸化脱炭に必要な酸素量はわずかであり、工業的な熱処理炉で実現可能な0.01Pa (酸素分圧で0.002Pa)で十分である。つまり酸素分圧の下限は特に制限されない。特に大気減圧雰囲気で脱炭する場合の好ましい圧力は、0.01Pa以上1Pa以下 (酸素分圧では、0.002Pa 以上0.2Pa 以下) である。なお、研削スラッジのような油や防錆剤を含むスクラップの場合には、過剰な酸素雰囲気下にて酸化脱炭する方が熱処理炉のメンテナンスを考えれば工業的には低コストとなる場合がある。このような場合には、酸素分圧が140Pa を超える雰囲気下の脱炭に続いて脱酸工程の前に、水素雰囲気下で酸化鉄の還元をあらかじめ行うことが有効である。
前述した酸化脱炭には、製造工程で発生する粉末スクラップのみならず、急冷希土類合金スクラップ、固形スクラップ、メッキ済スクラップ、あるいは電気機器から回収された使用済み希土類磁石にも適用できる。メッキ済スクラップのみ予めショットブラストでメッキ除去を必要とするが、他のスクラップでは、水素化粉砕させて、機械粉砕 (例えばディスクミル、ボールミル等) すれば良く、あるいは、機械粉砕のみでも良い。粉砕粒度は特に限定されないが、平均粒径が2〜10μm であれば充分であり、過剰な微粉砕は発火等の要因となり避けるべきである。
スラリー状のスクラップについては、脱炭前にストレーナ等で異物除去および濾過脱水等を施してケーキ状にした後に、酸化脱炭させれば良い。
熱処理温度、熱処理時間についてはそれぞれ、700 ℃以上1200℃以下、1時間以上10時間以下とする。
熱処理温度が700 ℃未満では、酸化脱炭反応が充分に進行せず、単なる乾燥処理となるため、取り出し時の発火等の要因となる。熱処理温度が1200℃超では、脱炭は充分であるが、低融点の希土類粒界相が、容器へ垂れ落ちる現象が発生して回収歩留低下に繋がる。
また、熱処理時間が1時間より短いと、熱処理温度を1200℃と高くしても、希土類粒界相の脱炭反応は充分に進行しない。また、熱処理温度が10時間超では、脱炭性は良好だが、操炉コストが大きくなり、また熱処理温度を700 ℃と低くしても、粒子同士の溶着が進行し、粗大焼結粒子となるため、続く脱酸処理において粗大焼結粒子の内部脱酸が不充分となり脱酸性が低下する。
(2)必要により成分調整を含む脱酸工程:
上述した酸化脱炭処理により得られるR-Fe-B系脱炭スクラップに、還元剤として金属Ca、そして必要により、成分調整用として希土類酸化物粉末 (例えば Nd2O3、Dy2O3)およびB合金粉末 (例えばFeB)、その他の金属粉末を添加、混練し、不活性ガス中で加熱する直接還元法を用いて、脱酸処理を行う。このときの脱酸法は、例えばステンレス鋼製等の還元容器に、脱炭スクラップ、金属Ca、所定量の希土類酸化物粉末 (例えばNd2 O3粉末、 Dy2O3粉末) 、B合金粉末 (例えばFeB)、その他の金属粉末 (例えばCo粉末) を入れて大気圧程度の不活性雰囲気下 (例えばAr) で還元剤が溶融する温度まで加熱して還元 (固相拡散還元) させる。この場合、Ca低減洗浄処理時の崩壊性を容易にするために、フラックスを脱炭スクラップと予備混練しておくことが好ましい。
上述した酸化脱炭処理により得られるR-Fe-B系脱炭スクラップに、還元剤として金属Ca、そして必要により、成分調整用として希土類酸化物粉末 (例えば Nd2O3、Dy2O3)およびB合金粉末 (例えばFeB)、その他の金属粉末を添加、混練し、不活性ガス中で加熱する直接還元法を用いて、脱酸処理を行う。このときの脱酸法は、例えばステンレス鋼製等の還元容器に、脱炭スクラップ、金属Ca、所定量の希土類酸化物粉末 (例えばNd2 O3粉末、 Dy2O3粉末) 、B合金粉末 (例えばFeB)、その他の金属粉末 (例えばCo粉末) を入れて大気圧程度の不活性雰囲気下 (例えばAr) で還元剤が溶融する温度まで加熱して還元 (固相拡散還元) させる。この場合、Ca低減洗浄処理時の崩壊性を容易にするために、フラックスを脱炭スクラップと予備混練しておくことが好ましい。
還元剤としては、R酸化物を脱酸できるアルカリ土類金属ならば特に限定されないが、工業的には、取り扱いに優れる粒状金属Caが好ましい。
添加量としては、溶融時の蒸発分および脱炭スクラップ中の希土類酸化物の還元に必要な反応当量の1.0 〜2.0 倍程度とすることが望ましい。また、上記フラックスについては、還元剤として金属Caを用いる場合、不揮発性の無水CaCl2 を用いることが好ましく、添加量は脱炭スクラップの3〜20質量%程度が良い。還元反応に必要な加熱温度は、金属Caの場合、839 ℃以上であり、加熱時間は1〜5時間程度とすることが好ましい。冷却条件は特に限定されない。加熱温度が1200℃以上では、金属Caの蒸発量が多くなるため、実用上は加熱温度を1200℃以下とすべきである。
(3)Ca低減のための洗浄工程:
続いて、上述の脱酸生成混合物を純水によって1回または複数回のデカンテーション洗浄を行って副生成物CaO の低減処理を行い、再生粗粉末を製造する。本実施形態では、還元反応後に冷却した脱炭・脱酸混合物を反応容器から取り出し、例えば比抵抗が 15MΩ・cm/25 ℃程度の純水で繰り返し洗浄を行う。
続いて、上述の脱酸生成混合物を純水によって1回または複数回のデカンテーション洗浄を行って副生成物CaO の低減処理を行い、再生粗粉末を製造する。本実施形態では、還元反応後に冷却した脱炭・脱酸混合物を反応容器から取り出し、例えば比抵抗が 15MΩ・cm/25 ℃程度の純水で繰り返し洗浄を行う。
純水洗浄によって、脱炭脱酸混合物中の未反応脱酸剤 (例えば金属Ca) や副生成物 (例えばCaO)は、水中でCa(OH)2 となり、デカンテーション洗浄によってCa成分が除去され、還元された粉末スラリーを得ることができる。なお、この場合に消和反応[Ca(OH)2形成時の発熱反応] による還元粉末の再酸化を防ぐために、脱炭脱酸混合物を粗砕して投入し、さらに低水温とすることが望ましい。また、デカンテーション洗浄の際にCa成分の除去性を向上させるために適当な攪拌装置を用いるとより好ましい。デカンテーション洗浄の終点としては、溶液のpH=10以下となるまで洗浄を繰り返すことが望ましい。
こうして得られた還元粉末スラリーを、濾過脱水して、室温程度で減圧乾燥することで再生粗粉末を得ることができる。
(4)固溶Ca低減のため加熱を行う真空処理工程:
直接還元による再生粉末中の固溶Caを除去するために、減圧熱処理を行う。Ca融液は希土類磁石の粒界相に優先的に固溶することが知られている。この固溶Caを粒界相から除去するにはCaの蒸気圧以下の真空度で熱処理を行えばよい。この条件として種々の検討から、熱処理温度は900 ℃以上、熱処理時間0.5 時間以上、真空度10Pa以下が必要であることを知見した。熱処理温度が900 ℃未満の場合は、粒界相の活性化が不充分となり固溶Caの蒸発が困難となる。また、900 ℃以上ではCaの蒸気圧が増加するため蒸発しやすいが、熱処理温度を上げすぎると粒界相が優先的に再酸化されやすい。熱処理時間については、0.5 時間未満になるとCaの蒸発が不十分となるため、0.5 時間以上を必要とする。
直接還元による再生粉末中の固溶Caを除去するために、減圧熱処理を行う。Ca融液は希土類磁石の粒界相に優先的に固溶することが知られている。この固溶Caを粒界相から除去するにはCaの蒸気圧以下の真空度で熱処理を行えばよい。この条件として種々の検討から、熱処理温度は900 ℃以上、熱処理時間0.5 時間以上、真空度10Pa以下が必要であることを知見した。熱処理温度が900 ℃未満の場合は、粒界相の活性化が不充分となり固溶Caの蒸発が困難となる。また、900 ℃以上ではCaの蒸気圧が増加するため蒸発しやすいが、熱処理温度を上げすぎると粒界相が優先的に再酸化されやすい。熱処理時間については、0.5 時間未満になるとCaの蒸発が不十分となるため、0.5 時間以上を必要とする。
(5)所要粒度への粉砕工程:
上述のCa低減処理済みの再生粉末は、粒径数十μm の粗大粒子であるため、希土類磁石の原料粉末として利用するために、所要粒度への粉砕を行う。この場合、必要により成分再調整として、所定成分のバージン合金粉末を配合して粉砕しても良い。この粉砕には酸化および汚染を防止して、さらに所要粒度への分級装置を有する気流粉砕装置 (例えばジェットミル) を用いて不活性ガス中で、例えば窒素ガスを用いて粉砕することが望ましい。
上述のCa低減処理済みの再生粉末は、粒径数十μm の粗大粒子であるため、希土類磁石の原料粉末として利用するために、所要粒度への粉砕を行う。この場合、必要により成分再調整として、所定成分のバージン合金粉末を配合して粉砕しても良い。この粉砕には酸化および汚染を防止して、さらに所要粒度への分級装置を有する気流粉砕装置 (例えばジェットミル) を用いて不活性ガス中で、例えば窒素ガスを用いて粉砕することが望ましい。
さらに好ましくは、Ca低減処理済みの再生粉末を予め水素化粉砕および脱ガス処理をしておくと良い。水素は、希土類磁石の粒界相と優先的に反応し水素化物を形成することで粒界相の体積膨張を促し自然粉砕を引き起こす。水素化処理を行うことで続く気流粉砕による微粉砕性が大幅に改善されるのである。
水素化粉砕の条件としては、特に限定されないが、水素吸収性を向上させるために水素圧力0.2MPa (絶対圧) 以上で行うことが望ましい。
脱ガス処理は、長期保存に伴う酸化およびプレス成形体の酸化を防止するために必要である。脱ガス条件としては特に限定されないが、真空中またはAr雰囲気中で100 ℃以上に加熱し、0.5 時間以上の脱ガスを行うと良い。
このようにして得られた再生粉末の不純物は、バージン鋳造凝固インゴットもしくはバージン急冷凝固薄片から得られる粉末と同レベルまで低減されるため、この再生微粉末をプレス原料粉末として用いることにより、バージン原料と遜色ない希土類磁石を製造することができる。また、本発明にかかる再生微粉末は焼結型、ボンド型への適用が可能である。
以上から、本発明によりR-Fe-B系希土類磁石の製造工程または使用済み機器等から発生する希土類磁石の炭素量および酸素量が高い粉末スクラップを希土類磁石原料として安価に工業的規模で再生することが可能となるのである。
次に、実施例により、焼結希土類磁石の多様な製造工程で発生したスクラップの再生方法を例示する。以下の実施例および比較例において、「%」は特に指定のない限り、「質量%」である。使用した試料の測定方法を次にまとめて示す:
金属組成値および希土類量:ICP(プラズマ発光分光分析)
含水率: 大気加熱式含水率測定装置
炭素量、酸素量:LECO (赤外線吸収法)
平均粒径:通気式粒度計
エネルギー積:B−Hトレーサ
金属組成値および希土類量:ICP(プラズマ発光分光分析)
含水率: 大気加熱式含水率測定装置
炭素量、酸素量:LECO (赤外線吸収法)
平均粒径:通気式粒度計
エネルギー積:B−Hトレーサ
本例は、Nd-Fe-B系磁石の加工工程で発生した、スラリー状スクラップ(A) の再生処理を例示する。スラリーの金属組成値および含水率は次の通りであった:
スラリー状スクラップ(A) の金属組成
25.2%Nd-3.9%Dy-0.9%B-70 %Fe、含水率:38%。
スラリー状スクラップ(A) の金属組成
25.2%Nd-3.9%Dy-0.9%B-70 %Fe、含水率:38%。
このスラリー状スクラップ(A) 50kgを、濾過脱水し、24時間の減圧乾燥を行い、約30kgの乾燥した粉末を得た。この粉末(A) の成分および平均粒径を表1に示す。炭素含量および酸素含量ともに極めて高い値であった。
この粉末(A) 5kgづつをステンレス鋼製容器に入れ、雰囲気炉中で加熱処理を行って、酸化脱炭を行った。加熱処理条件は、昇温速度5℃/min、圧力0.05Pa (酸素分圧0.01Pa) および650Pa(酸素分圧130Pa)、加熱時間5時間、最高温度を700 ℃、950 ℃および1100℃とし、熱処理後はAr雰囲気中で炉冷を行い、6種類の粉末 (Al〜A6)(以下、脱炭粉末という) を得た。脱炭粉末性状 (炭素量、酸素量、希土類量) を表2に示す。酸素量は8.5 %以上となり、炭素量は0.03%以下と大幅に低減していた。
脱炭粉末 (Al〜A6) 各3kgを用いて、次のように直接還元法により脱酸、成分調整を行った。
脱酸剤には粒子径2〜7mmの純度99%粒状金属Ca用い、添加量はスクラップ中の酸素が全てCaO となるような脱酸当量を1.0 とした場合の1.5 倍とした。フラックスには純度95%の無水CaC12 を用い、脱炭粉末 (Al〜A6) に対して10%の量で添加した。さらに成分調整として純度99.9%、粒径7μm のNd2O3 粉末および純度99.9%、粒径7μm のDy2O3 粉末および粒径45μm 以下の19.9B-Fe 合金粉末を30.5%Nd-5.0%Dy-1.1%B-63.4%Feとなるように配合し充分に混練を行った。
得られた混合物をステンレス鋼製反応容器に入れ、Ar気流中で1000℃まで3時間かけて昇温し、5時間保持した後、室温まで冷却し、6種類の還元反応混合物、つまり脱炭・脱酸混合物を取り出し、5mm程度に粗砕した。
粗砕した6種類の還元反応混合物各3kgを、15℃以下に冷却した、比抵抗15M Ω・cm/25 ℃の純水30リットルを用いて初期崩壊を行った。初期崩壊によるCa(OH)2 懸濁液 (未反応金属Caおよび副生成物CaO が水と反応した生成物) をデカンテーション洗浄 (再生希土類粉末を沈降分離、上澄液排出) の繰り返しによりスラリーがpH=10以下になるまで行った。
続いて上記スラリーを脱水濾過し、室温で減圧乾燥を24時間行った。
このようにして得られた6種類の脱炭・脱酸混合物、つまり還元粉末 (A7〜A12)2kgの成分と平均粒径を表3に示す。全てにおいて、希土類成分およびB量は、ほぼ目標成分通りであり、かつC<0.03%、0<0.4 %の清浄な再生粉末であったが、残留Caについては全て0.05%以上であった。また全てについてX線回折による相同定の結果、本系希土類磁石の特徴である主相(Nd2Fe14B) のみで構成される希土類磁石合金粉末であることが判明した。
上記で得られた6種類の還元粉末各2kgを、ステンレス鋼製容器に入れて、9Paの真空度で910 ℃まで1時間かけて昇温し、0.5 時間保持してから室温まで冷却して固溶Ca除去を行った。このようにして得られた6種類の熱処理粉末(A13〜A18)のCa量を表4に示す。全てにおいてCa<0.01%まで低減されていることを確認した。
続いて、上記の6種類の熱処理粉末(A13〜A18)各2kgをステンレス鋼製密閉容器に装入し、真空引き後、水素を導入し圧力を0.3MPaとして常温で水素化粉砕を実施した。その後、真空炉にて1×10-2Paで温度500 ℃で1時間の脱水素処理を行い、Ar雰囲気で冷却を行った。
これらの6種類の粗粉砕粉末各2kgを、ステアリン酸亜鉛0.6gとともに十分に混練したのち、N2ガスを用い、圧力7kg/cm2でジェットミルにより微粉末(A19〜A24)を得た。表5にこれら微粉末の成分および平均粒径を示す。全てにおいてC<0.08%、O<0.7 %、Ca<0.01%と不純物量の少ない清浄な品質のものであった。
得られた6種類の微粉末を用いて、磁界796kA/m 中で配向させながら1.5kg/cm2 の成形圧力で磁場成形を行い10個の圧粉体を得た。続いて真空中で1070℃、3時間で焼結を行い、500 ℃、1時間の熱処理を施した後に、着磁を行い永久磁石とした。これらのエネルギ積(BHmax) は、表6に示すとおり2.45GA/m以上と良好であった。
本例は、プレス成形工程で発生した、圧粉成形不良品からなるスクラップの再生処理例である。この圧粉成形不良品(B) の組成、形状は次の通りであった:
圧粉成形不良品(B) の組成:30.4%Nd-1.0%Dy-1.1%B-67.5 %Fe
圧粉成形不良品(B) の形状:直径約30mm、高さ約10mmの中実円筒品。
圧粉成形不良品(B) の組成:30.4%Nd-1.0%Dy-1.1%B-67.5 %Fe
圧粉成形不良品(B) の形状:直径約30mm、高さ約10mmの中実円筒品。
この圧粉成形不良品(B) 20kgを、ボールミルにより、Ar雰囲気中で軽粉砕して、粉末(B) を得た。粉末(B) の成分および粒子径を表1に示す。スラリー状スクラップ(A) に比べて、炭素量、酸素量とも少ないことがわかる。
この粉末(B) を用いて、実施例1と全く同様に酸化脱炭を行った。得られた脱炭粉末 (B1〜B6) 性状を表2に示す。酸素量は2〜3倍に増大し、炭素量は0.03%以下であった。
脱炭粉末 (Bl〜B6) 各3kgを用いて、目標成分を31.0%Nd-5.0%Dy-1.1B-62.9 %Feと変更した以外は実施例1と全く同様にして直接還元法による脱酸、成分調整を行い、還元反応混合物、つまり脱炭・脱酸混合物を得た。続いて実施例1と全く同様に純水洗浄、乾燥を行い、還元粉末 (B7〜B12)を得た。表3に示すように、実施例1と同様にCa残留を除いては高品位な希土類合金粉末であることが認められた。
上記の6種類の還元粉末各2kgを、実施例1と全く同様に固溶Ca除去を行い、6種類の熱処理粉末(B13〜B18)を得た。このようにして得られた6種類の熱処理粉末(B13〜BL8)の成分Ca量を表4に示す。全てにおいて実施例1と同様にCaは0.01%未満まで低減されていた。
続いて6種類の熱処理粉末(B13〜B18)を実施例1と全く同様にジェットミルにより粉砕し微粉末(B19〜B24)を得た。表5にこれら微粉末の成分と平均粒径を示す。実施例1と同様に不純物の少ない良好な品質であった。
得られた6種類の微粉末を用いて、実施例1と同様に永久磁石を作製した。これらのエネルギ積(BHmax) は、表6に示すとおり2.45GA/m以上と良好であった。
本例は、焼結工程で発生した、焼結不良品からなるスクラップの再生処理を例示する。本例で用いた焼結不良品(C) の組成、形状は次の通りであった:
焼結不良品(C) の組成:29.9%Nd-1.0%Dy-1.1%B-68 %Fe
焼結不良品(C) の形状:直径約30mm、高さ約30mmの中実円筒品。
焼結不良品(C) の組成:29.9%Nd-1.0%Dy-1.1%B-68 %Fe
焼結不良品(C) の形状:直径約30mm、高さ約30mmの中実円筒品。
この焼結不良品(C) 20kgをステンレス鋼製密閉容器に装入し、真空引き後、水素を導入し圧力を0.3MPaとして常温で水素化粉砕を行った。その後、真空炉で1×10-2Pa以下で温度300 ℃で1時間の脱水素処理を行い、Arガスで冷却を行った。続いてディスクミルによりAr雰囲気中で粉砕を行い、粉末(C) を得た。粉末(C) の成分と平均粒径を表1に示す。
この粉末(C) を用いて、実施例1と全く同様に酸化脱炭を行った。得られた脱炭粉末 (Cl〜C6) 性状を表2に示す。実施例1と同様に酸素量が増加し、炭素量は0.03%以下であった。
脱炭粉末 (C1〜C6) を用いて、目標成分を31%Nd-5.0%Dy-1.1%B-62.9 %Feと変更した以外は実施例1と全く同様にして直接還元法による脱酸、成分調整を行い、還元反応混合物 (脱炭脱酸混合物) を得た。続いて実施例1と全く同様に純水洗浄、乾燥を行い、還元粉末 (C7〜C12)を得た。表3に示すように、実施例1と同様にCa残留を除いては高品位な希土類合金粉末であることが認められた。
これらの還元粉末 (C7〜C12)を、実施例1と全く同様に固溶Ca除去を行い、6種類の熱処理粉末(C13〜Cl8)を得た。このようにして得られた6種類の熱処理粉末(C13〜C18)の成分Ca量を表4に示す。全てにおいて実施例1と同様にCaは0.01%以下まで低減されていた。
続いて6種類の熱処理粉末(C13〜C18)を実施例1と全く同様にジェットミルにより微粉末(C19〜C24)を得た。表5に、これらの微粉末の成分と平均粒径を示す。実施例1と同様に不純物の少ない良好な品質であった。
得られた微粉末(C19〜C24)を用いて、実施例1と同様に永久磁石を作製した。これらのエネルギ積(BHmax) は、表6に示すとおり2.45GA/m以上と良好であった。
本例は、銅メッキとNiメッキによる防錆工程で発生した、メッキ不良品からなるスクラップの再生処理を例示する。本例で用いたメッキ不良品(D) は、メッキ前の状態では、実施例3の焼結不良品と全く同じ組成および形状有していた。
このメッキ不良品(D) 20kgをショットブラストにより銅メッキとNiメッキを完全に剥離した後、ステンレス鋼製密閉容器に装入し、真空引き後、水素を導入し圧力を0.3MPaとして常温で水素化粉砕を行った。その後、真空炉で1×10-2Pa以下で温度300 ℃で1時間の脱水素処理を行い、Arガスで冷却を行った。続いてディスクミルによりAr雰囲気中で粉砕を行い、粉末(D) を得た。粉末(D) の成分と平均粒径を表1 に示す。
この粉末(D) を用いて、実施例1と全く同様に酸化脱炭を行った。得られた脱炭粉末 (D1〜D6) の性状を表2に示す。実施例1〜3と同様に酸素量が増加し、炭素量は0.03%以下であった。
脱炭粉末 (Dl〜D6) を用いて、目標成分を31%Nd-5.0%Dy-1.1%B-62.9 %Feと変更した以外は実施例1と全く同様にして直接還元法による脱酸、成分調整を行い、還元反応混合物を得た。続いて実施例1と全く同様に純水洗浄、乾燥を行い、還元粉末(D7 〜D12)を得た。表3に示すように、実施例1と同様にCa残留を除いては高品位な希土類合金粉末であることが認められた。
これらの還元粉末 (D7〜D12)を、実施例1と全く同様に固溶Ca除去を行い、6種類の熱処理粉末(D13〜D18)を得た。このようにして得られた6種類の熱処理粉末(D13〜D18)の成分Ca量を表4に示す。全てにおいて実施例1と同様にCaは0.01%以下まで低減されていた。
続いて6種類の熱処理粉末(D13〜D18)を実施例1と全く同様にジェットミルにより粉砕し微粉末(D19〜D24)を得た。表5に、これらの微粉末の成分と平均粒径を示す。実施例1と同様に不純物の少ない良好な品質であった。
得られた微粉末(D19〜D24)を用いて、実施例1と同様に永久磁石を作製した。これらのエネルギ積(BHmax) は、表6に示すとおり2.45GA/m以上と良好であった。
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、大気雰囲気で加熱時間2時間、最高温度1000℃の酸化脱炭を行い、続いて水素雰囲気中で加熱時間7時間、最高温度1000℃の水素還元を行って炉冷し、4種類の脱炭粉末(A25) 、(B25) 、(C25) 、(D25) を得た。これらの脱炭粉末の性状 (炭素量、酸素量、希土類量) を表2に示す。炭素量は0.03%以下に低減し、酸素量8.5 %以上であった。続いて脱炭粉末(A25) 、(B25) 、(C25) 、(D25) を用いて、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥を実施した後に固溶Ca除去を行って、熱処理粉末を得た後、実施例1と全く同様の条件で微粉砕まで行い、微粉末(A26) 、(B26) 、(C26) 、(D26) を得た。
表5に、これらの微粉末の成分と平均粒径を示す。実施例1と同様に不純物の少ない良好な品質であった。得られた微粉末(A26) 、(B26) 、(C26) 、(D26) を用いて、実施例1と同様に永久磁石を作製した。これらのエネルギ積(BHmax) は、表6に示すとおり2.45GA/m以上と良好であった。
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、大気の一部導入により真空度を760Pa(酸素分圧160Pa)および1333Pa (酸素分圧280Pa)に増大させた以外は、実施例5と同様の条件で、酸化脱炭および水素還元を実施した。得られた脱炭粉末(A27〜A28)、(B27〜B28)、(C27〜C28)、(D27〜D28)の性状 (炭素量、酸素量、希土類量) を表2に示す。全ての粉末において炭素量は0.03%以下に低減し、酸素量は8〜9%であった。続いて脱炭粉末(A27〜A28)、(B27〜B28)、(C27〜C28)、(D27〜D28)を用いて、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥を実施した後に固溶Ca除去を行って、熱処理粉末を得た後、実施例1と全く同様の条件で微粉砕まで行い、微粉末(A29〜A30)、(B29〜B30)、(C29〜C30)、(D29〜D30)を得た。
表5に、これらの微粉末の成分と平均粒径を示す。実施例1と同様に不純物の少ない良好な品質であった。得られた微粉末(A29〜A30)、(B29〜B30)、(C29〜C30)、(D29〜D30)を用いて、実施例1と同様に永久磁石を作製した。これらのエネルギ積(BHmax) は、表6に示すとおり2.45GA/m以上と良好であった。
(比較例1)
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、実施例1の方法による酸化脱炭を行わない以外は、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥を実施した後に固溶Ca除去を行って、熱処理粉末(A31) 、(B31) 、(C31) 、(D31) を得た。しかし、表3に示すように、酸素量は低減されるが、炭素量の低下は認められなかった。
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、実施例1の方法による酸化脱炭を行わない以外は、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥を実施した後に固溶Ca除去を行って、熱処理粉末(A31) 、(B31) 、(C31) 、(D31) を得た。しかし、表3に示すように、酸素量は低減されるが、炭素量の低下は認められなかった。
続いて、これらの熱処理粉末を、実施例1と全く同様にして、微粉砕まで行い、微粉末(A32) 、(B32) 、(C32) 、(D32) を得た。表5に示すように、炭素量は高いままであり、希土類磁石原料粉末としては不適当な品質であることが判った。
(比較例2)
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、酸化脱炭の最高温度を550 ℃または1250℃に変更した以外は、実施例1 と同様の条件で、酸化脱炭を実施した。
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、酸化脱炭の最高温度を550 ℃または1250℃に変更した以外は、実施例1 と同様の条件で、酸化脱炭を実施した。
最高温度1250℃の場合は、全ての粉末において容器底面との溶着が激しく、脱炭粉末を回収することができなかった。最高温度550 ℃で得られた脱炭粉末(A33) 、(B33) 、(C33) 、(D33) の成分を表2に示す。全ての粉末において、炭素量は低減されなかった。
続いて、最高温度550 ℃の各脱炭粉末について、実施例1〜4の目標組成と全く同様にして直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥を実施した後に固溶Ca除去を行って、還元粉末(A34) 、(B34) 、(C34) 、(D34) を得たが、表3に示すように炭素量は高いままであった。さらに実施例1と同様に、微粉砕まで行い、微粉末(A35) 、(B35) 、(C35) 、(D35) を得たが、表5に示すように、炭素量は高いままであり、希土類磁石原料粉末としては不適当であることが判った。
(比較例3)
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、最高温度を1000℃とし、加熱時間を0.5 時間または1l時間に変化させた以外は、実施例1と同様の条件で、酸化脱炭を実施した。加熱時間が11時間の場合、炭素量は大幅に低下するものの、全ての粉末において粒子同士が完全に溶着し、且つ低融点相が容器底部に垂れ落ち、回収不能であった。
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、最高温度を1000℃とし、加熱時間を0.5 時間または1l時間に変化させた以外は、実施例1と同様の条件で、酸化脱炭を実施した。加熱時間が11時間の場合、炭素量は大幅に低下するものの、全ての粉末において粒子同士が完全に溶着し、且つ低融点相が容器底部に垂れ落ち、回収不能であった。
加熱時間が0.5 時間において得られた脱炭粉末(A36) 、(B36) 、(C36) 、(D36) の成分を表2に示す。全ての粉末において炭素量は高いままであったため、直接還元を実施しなかった。
(比較例4)
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥まで行なった後、加熱温度を800 ℃および700 ℃に変更した以外は、実施例1と全く同様に固溶Ca除去を行った。続いて実施例1と全く同様に微粉砕まで行い、微粉末(A37〜A38)、(B37〜B38)、(C37〜C38)、(D37〜D38)を得た。表7に示すように全ての微粉末において、Ca量が200ppm以上であり希土類磁石原料粉末としては、不適当であることが判った。
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥まで行なった後、加熱温度を800 ℃および700 ℃に変更した以外は、実施例1と全く同様に固溶Ca除去を行った。続いて実施例1と全く同様に微粉砕まで行い、微粉末(A37〜A38)、(B37〜B38)、(C37〜C38)、(D37〜D38)を得た。表7に示すように全ての微粉末において、Ca量が200ppm以上であり希土類磁石原料粉末としては、不適当であることが判った。
(比較例5)
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥まで行なった後、真空度を15Paおよび20Paとした以外は、実施例1と全く同様に固浴Ca除去を行った。続いて実施例1と全く同様に微粉砕まで行い、微粉末(A33〜A40)、(B39〜B40)、(C39〜C40)、(D39〜D40)を得た。表7に示すように全ての微粉末において、Ca量が200ppm以上であり希土類磁石原料粉末としては、不適当であることが判った。
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥まで行なった後、真空度を15Paおよび20Paとした以外は、実施例1と全く同様に固浴Ca除去を行った。続いて実施例1と全く同様に微粉砕まで行い、微粉末(A33〜A40)、(B39〜B40)、(C39〜C40)、(D39〜D40)を得た。表7に示すように全ての微粉末において、Ca量が200ppm以上であり希土類磁石原料粉末としては、不適当であることが判った。
(比較例6)
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥まで行なった後、熱処理時間を0.1 時間および0.3 時間とした以外は、実施例1と全く同様に固溶Ca除去を行った。続いて実施例1と全く同様に微粉砕まで行い、微粉末(A41〜A42)、(B41〜B42)、(C41〜C42)、(D41〜D42)を得た。表7に示すように全ての微粉末において、Ca量が200ppm以上であり希土類磁石原料粉末としては、不適当であることが判った。
実施例1〜4で用いた各種希土類磁石粉末スクラップ粉末(A) 、(B) 、(C) 、(D) を、それぞれ実施例1〜4の目標組成となるように直接還元法により脱酸、成分調整を行い、続いて純水洗浄、乾燥まで行なった後、熱処理時間を0.1 時間および0.3 時間とした以外は、実施例1と全く同様に固溶Ca除去を行った。続いて実施例1と全く同様に微粉砕まで行い、微粉末(A41〜A42)、(B41〜B42)、(C41〜C42)、(D41〜D42)を得た。表7に示すように全ての微粉末において、Ca量が200ppm以上であり希土類磁石原料粉末としては、不適当であることが判った。
Claims (6)
- 希土類磁石の粉末スクラップを、 酸素分圧が140Pa 以下である酸素存在下の雰囲気中で、700 〜1200℃の温度で1〜10時間加熱して酸化脱炭処理を行い脱炭粉末を得る酸化脱炭工程、前記脱炭粉末にアルカリ土類金属からなる還元剤を混合し、得られる混合物を加熱することにより脱酸処理を行う脱酸工程、前記脱酸工程で得られた脱炭脱酸混合物を純水により1回または複数回繰り返して洗浄する洗浄工程、前記洗浄工程で得られた脱炭脱酸混合物を10Pa以下の真空度、900 ℃以上の温度で0.5 時間以上加熱することにより前記還元剤を除去する真空処理工程、および前記真空処理工程で得られた希土類磁石合金を所要粒度に粉砕する粉砕工程とを含む希土類磁石粉末の製造方法。
- 希土類磁石の粉末スクラップを、 酸素分圧が140Pa を超える酸素存在下の雰囲気中で、700 〜1200℃の温度で1〜10時間加熱して酸化脱炭処理を行い、次いで、水素還元を行って、脱炭粉末を得る酸化脱炭工程、前記脱炭粉末にアルカリ土類金属からなる還元剤を混合し、得られる混合物を加熱することにより脱酸処理を行う脱酸工程、前記脱酸工程で得られた脱炭脱酸混合物を純水により1回または複数回繰り返して洗浄する洗浄工程、前記洗浄工程で得られた脱炭脱酸混合物を10Pa以下の真空度、900 ℃以上の温度で0.5 時間以上加熱することにより前記還元剤を除去する真空処理工程、および前記真空処理工程で得られた希土類磁石合金を所要粒度に粉砕する粉砕工程とを含む希土類磁石粉末の製造方法。
- 前記還元剤がカルシウム系還元剤である請求項1または2記載の希土類磁石粉末の製造方法。
- 前記粉砕工程において、水素化粉砕を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の希土類磁石粉末の製造方法。
- 前記酸化脱炭工程後、得られた脱炭粉末に、前記還元剤とともに、希土類磁石の合金成分を構成する金属粉末および/または希土類酸化物粉末を添加して前記混合物とする、請求項1ないし4のいずれかに記載の希土類磁石粉末の製造方法。
- 前記希土類磁石が、R-Fe-B系合金 (Rは、Nd、Pr、Dy、Ho、Tbの少なくとも1種を主成分とする希土類金属) からなる請求項1〜5のいずれかに記載の希土類磁石粉末の製造方法。
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