JP2005056738A - 加熱装置、及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 オンデマンド定着方式でフィルムガイド部材と加熱体とを一体化した部材(以下加熱ガイド部材)による温度低下を防ぐ。
【解決手段】 従来のオンデマンド定着方式のガイド加熱部材は、耐熱性液晶ポリマーと線状発熱体を一体成形し、かつ前記発熱体は転写材が通過するニップ部側にのみ配置しているため、ガイドリブ部から熱が放熱し温度低下をまねいている。本発明は、前記ニップ部に複数段の発熱体を設けることで、温度低下を防止し、熱効率や定着性の向上、温調の安定化などを実現することが出来る加熱装置、及び画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被加熱材を加熱体に耐熱性フィルムを介して密着させ、加熱体と耐熱性フィルムとを相対移動させて加熱体の熱を耐熱性フィルムを介して被加熱材に与えるフィルム加熱方式の加熱装置に関する。また、該加熱装置を像加熱装置として備える画像形成装置に関する。
上記のようなフィルム加熱方式の加熱装置は、例えば下記、特許文献1から特許文献3、及び特許文献12等に提案されており、複写機・レーザービームプリンター・ファクシミリ・マイクロフィルムリーダプリンター・画像表示(ディスプレイ)装置・記録機等の画像形成装置において、電子写真・静電記録・磁気記録等の適宜の画像形成プロセス手段により、加熱溶融性の樹脂等より成るトナーを用いて画像支持体としての被記録材(エレクトロファックスシート・静電記録シート・転写材シート・印刷紙など)の面に直接方式、もしくは間接(転写)方式で形成した、目的の画像情報に対応した未定着のトナー画像(被定着像)を、該画像を担持している被記録材面に永久固着画像として加熱定着処理する画像加熱定置装置として活用できる。
また、定着装置に限らず、例えば画像を担持した被記録材を加熱して表面性を改質する装置、仮定着する装置等、広く被加熱材を加熱処理する手段・装置として使用できる。
フィルム加熱方式の加熱装置は、他に知られている熱ローラー方式・熱板方式・ベルト加熱方式・フラッシュ加熱方式・オープン加熱方式等の加熱装置ないしは画像加熱定着装置との対比において、1)加熱体として低熱容量線状加熱体を、フィルムとして薄膜の低熱容量のものを用いることができるため、省電力化・ウェイトタイム短縮化(クイックスタート性)が可能になり、また本機内昇温を抑えることができ、2)画像加熱定着装置にあっては定着点と分離点が別に設定できるためオフセットを防止できる、その他、他の方式装置の種々の欠点を解決できるなどの利点を有し、効果的なものである。
(従来例1)
図5の(a)はフィルム加熱方式の加熱装置の一例(像加熱装置)の横断面模型図、(b)は加熱体の途中部省略・一部切欠き平面模型図である。本例の装置は特許文献3から特許文献11、特許文献12から特許文献16等に開示の所謂テンションレスタイプのフィルム加熱方式の加熱装置であり、耐熱性フィルムとして円筒状のエンドレスフィルムを用い、該フィルムの周長の少なくとも一部は常にテンションフリー(テンションが加わらない状態)とし、フィルムは加圧回転部材としての加圧ローラの回転駆動力で回転駆動するようにした装置である。
10は後述する加熱体30を断熱支持するホルダーであり、横断面上向きの略半円弧状樋型の横長部材で、フィルム内面のガイド部材と装置の補強部材としてのステー(以下、ステーと記す)を兼ねている。
加熱体30は横長の低熱容量の線状加熱体であり、上記ステー10の外側下面に長手に沿って設けた溝10aに嵌め込んで接着して固定支持させてある。
2は加熱体30を含むステー10に外嵌させた円筒状の耐熱性フィルムである。この円筒状耐熱性フィルム2の内周長と、加熱体30を含むステー10の外周長は、フィルム2の方を例えば3mm程大きくしてあり、従ってフィルム2は加熱体30を含むステー10に対し周長が余裕をもってルーズに外嵌している。
7はフィルム2の寄り移動規制手段として、ステー10の左右両端部に配設したフィルム端部を受け止めるフランジ部材である。
8は加熱体30との間にフィルム2を挟んで圧接ニップ部(定着ニップ部)Nを形成し、且つフィルム2を回転駆動させる加圧回転体としての加圧ローラであり、金属軸8aと、シリコンゴム等の離型性の良い耐熱ゴム層8bよりなり、不図示の軸受手段・付勢手段により所定の押圧力をもってフィルム2を挟ませて加熱体30の表面に圧接させて配設してある。そして駆動手段Mにより不図示の動力伝達系を介して回転駆動力が伝達され矢示の反時計方向に回転駆動される。
この加圧ローラ8の回転駆動による該ローラ8とフィルム2外面との摩擦力でフィルム2に回転力が作用し(被記録材Pが圧接ニップ部Nに導入されたときは該被加熱材Pを介してフィルム2に回転力が間接的に作用)、該フィルム2が加熱体30の表面に圧接摺動しつつ矢示の時計方向aに回転駆動される。フィルム内面ガイド部材を兼ねるステー10はこのフィルム2の回転を容易にする。またフィルム2の内面と加熱体30の表面との摺動抵抗を低減するために両者の間に耐熱性グリス等の潤滑剤を少量介在させるのがよい。
ステー10はPPS(ポリフェニレンサルファイド),PAI(ポリアミドイミド),PI(ポリイミド),PEEK(ポリエーテルエーテルケトン),液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂や、これらの樹脂とセラミックス,金属,ガラス等との複合材料などで構成できる。
加熱体30は、耐熱性フィルム2もしくは被加熱材としての被記録材Pの搬送方向aに対して直角方向を長手とする細長の耐熱性・絶縁性・高熱伝導性のヒーター基板31、該基板31の表面側の短手方向中央部に基板長手に沿って形成具備させた通電発熱抵抗体4、通電発熱抵抗体4の長手両端部の給電用電極41・41、通電発熱抵抗体4を形成した加熱体30表面を保護させた耐熱性オーバーコート層50、基板31裏面側に具備させた、加熱体温度を検知するサーミスタ等の温度検知素子6等からなる、全体に低熱容量の線状加熱体(セラミックヒータ)である。
この加熱体30を通電発熱抵抗体4を形成具備させた表面側を下向きに露呈させて前記のように耐熱性・断熱性のステー10の下面に固定配設してある。
ヒーター基板31は、例えば、アルミナや窒化アルミニウム等の厚み1mm・幅10mm・長さ240mmのセラミック等である。
通電発熱抵抗体4は、例えば、Ag/Pd(銀パラジウム),RuO2,Ta2N等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により、厚み約10μm、幅1〜3mmの線状もしくは細帯状に塗工して形成したものである。
給電用電極41・41はAg等のスクリーン印刷パターン層である。
オーバーコート層5は、例えば、約10μm厚の耐熱性ガラス層である。
加熱体30は、通電発熱抵抗体4の両端部電極41・41に対する給電により該通電発熱抵抗体4が長手全長にわたって発熱することで速やかに昇温し、その昇温が温度検知素子6で検知されて不図示の制御系にフィードバックされて、像加熱時、この温度検知素子6の温度が所定の設定温度に維持されるように発熱抵抗体4への通電がコントロールされる。
フィルム2は熱容量を小さくしてクイックスタート性を向上させるために、フィルム膜厚は100μm以下、好ましくは60μm以下20μm以上の耐熱性・離型性・強度・耐久性・可撓性のある単層、あるいは複合層フィルムを使用できる。例えば、PTFE,PFA,FEP等の単層フィルム、或いはポリイミド,ポリアミドイミド,PEEK,PES,PPS等のフィルムの外周表面にPTFE,PFA,FEP等をコーティングした複合層フィルム等である。
複写機等本機のコピーボタンの押下もしくはプリント命令信号に基づいて、あるいは不図示の作像プロセス手段部から該像加熱装置へ搬送された画像定着すべき未定着顕画像(トナー像)Tを支持した被記録材Pの先端が該装置の手前側に配設したセンサ(不図示)に検知されたときの信号に基づいて、加圧ローラ8の回転駆動が開始され、また加熱体30のヒートアップが開始される。
加圧ローラ8の回転によるフィルム2の回転周速度が定常化し、加熱体30の温度が所定に立ち上がった状態において、フィルム2を挟んで加熱体30と加圧ローラ8とで形成される定着ニップ部Nのフィルム2と加圧ローラ8との間に被加熱材としての画像定着すべき被記録材Pが導入されてフィルム2一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されることにより加熱体30の熱がフィルム2を介して被記録材Pに付与され被記録材P上の未定着顕像Tが被記録材P面に加熱定着されるものである。定着ニップ部Nを通った被記録材Pはフィルム2の面から分離されて搬送される。
本例のテンションレスタイプのフィルム加熱方式の装置は、フィルム回転駆動状態時に定着ニップ部Nと、この定着ニップ部Nよりもフィルム回転方向上流側のステー外面部分とフィルム2との接触部領域のフィルム部分のみにテンションが作用し、残余の大部分のフィルム部分にはテンションが作用しない。そのため、フィルム回転駆動状態時におけるフィルム2のステー長手に沿う寄り移動力が小さく、フィルム2の寄り移動規制手段ないしはフィルム寄り制御手段を簡単化することができる。例えばフィルム2の寄り移動規制手段としてはフィルム端部を受け止めるフランジ部材7のような簡単なものにすることができ、フィルム寄り制御手段は省略して装置のコストダウンや小型化を図ることができる。
(従来例1−1)
特許文献17では、従来例1にあるような加熱体とフィルムガイド部材とを接着組立する手間を省くことを目的として、ガイド部材を例えばアルミナ,窒化アルミ,窒化ケイ素等の高耐久性を有するセラミックで形成し、該ガイド部材上に例えばAg/Pd等の電気抵抗材料をスクリーン印刷等により塗工して形成具備させ、さらに絶縁保護を目的として、該電気抵抗材料の上に耐久ガラス等のオーバーコート層を形成具備させてある。
しかしながら、前記従来例1−1では、加熱体30と該加熱体30を支持するフィルムガイド部材兼用のステー10とが別部材となっていたため、(1)加熱体30とステー10の接着組み立てが必要なため、製造工程に手間がかかる。(2)接着強度が足りず、加熱体30がステー10から剥れることがある。等の欠点があった。
(従来例2)
図6は上記決定に対応した従来例2の加熱装置(像加熱装置)の横断面模型図である。前述図5の装置と共通の構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
発熱体をフィルムガイド部材に内封して製造し、加熱体とフィルムガイド部材を一体化構造体とすることで、両部材の接着組み立て工程がなく、また複雑ない発熱体成型の工程もなく製造が容易となる効果を得ることができた。
60は加熱体とフィルムガイド部材を一体化して構成した、それ自体が加熱体であり、フィルムガイド部材でもある加熱ガイド部材であり、装置の基材ともなる。以下これを定着ステーと記す。この定着ステー60は、ステー主体60Aと、このステー主体60Aに直接に形成具備させた通電発熱抵抗体5を基本構成体としている。
通電発熱抵抗体5は、このステー主体60Aの内部に長手に沿って、例えばニクロム等の電気抵抗材料を内封して形成具備させたものである。
上記のように発熱体をフィルムガイド部材に内封し、加熱体とフィルムガイド部材を一体化した兼用構造体(加熱ガイド部材)とすることにより、装置の部品点数を減らし、装置構成を簡略化でき、またガイド部材に複雑な発熱パターンをスクリーン印刷するといった工程をなくし、加熱体の製造を容易にすることができる。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−44076号公報 特開平4−44077号公報 特開平4−44078号公報 特開平4−44079号公報 特開平4−44080号公報 特開平4−44081号公報 特開平4−44082号公報 特開平4−44083号公報 特開平4−204980号公報 特開平4−204981号公報 特開平4−204982号公報 特開平4−204983号公報 特開平4−204984号公報 特開平6−337602号公報
しかしながら、従来例2は、通電発熱抵抗体5が定着ニップ部N近傍のみに配置されているため、(1)熱が反定着ニップ部側へ逃げるため熱効率が悪い。(2)被加熱材が定着ニップ部Nに高速で挟持搬送されると通電発熱抵抗体5の温度が低下しやすい。等の欠点がある。
本発明は、上述の問題点に着目して成されたものであって、オンデマンド定着方式でフィルムガイド部材と加熱体とを一体化した部材(以下加熱ガイド部材)による温度低下を防ぐことのできる加熱装置、及び画像形成装置の提供を目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は以下(1)〜(3)の構成を備える。
(1)被加熱材を加熱体に耐熱性フィルムを介して密着させ、加熱体の熱を耐熱性フィルムを介して被加熱材に与える方式の加熱装置であり、前記耐熱性フィルムのガイド部材を有し、前記加熱体と前記ガイド部材が一体化している加熱ガイド部材を有する加熱装置において、
前記加熱体は線状の発熱抵抗体であり、該発熱体は被加熱材が前記耐熱性フィルムと接触するニップ近傍でかつ、前記加熱ガイド部材の内部に縦方向に複数段配置されたことを特徴とする加熱装置。
(2)前記加熱ガイド部材は、あらかじめ発熱抵抗体が配置された型に耐熱樹脂を流し込んで成型することを特徴とする上記(1)記載の加熱装置。
(3)被加熱材に画像を形成する画像形成手段と、上記(1)又は(2)に記載の像加熱装置を前記画像形成手段側からの被記録材上の画像を加熱処理する像加熱装置として備えたことを特徴とする画像形成装置。
以上のように本発明によれば、フィルム加熱方式の加熱装置について、発熱体をフィルムガイド部材に複数段内封して製造し、加熱体とフィルムガイド部材を一体化構造体とすることによって、容易な製造方法で、断熱効果ならびに安定的な熱量供給が実現でき、クイックスタート性の向上や、被加熱紙の高速挟持搬送による温度低下の防止、等所定の目的が達成される。
以下に本発明を実施するための最良の形態を、実施例に基づいて図面を参照しながら説明する。
図1(a)は本実施例の加熱装置(像加熱装置)の横断面模型図である。(b)は本実施例の加熱装置(像加熱装置)の加熱体の横断面模型図である。前述図5、6の装置と共通の構成部材・部分には同一の符号を付して再度の説明を省略する。
1は加熱体とフィルムガイド部材を一体化して構成した、それ自体が加熱体であり、フィルムガイド部材でもある加熱ガイド部材であり、装置の基材ともなる。以下これを定着ステーと記す。この定着ステー1は、ステー主体1Aと、このステー主体1Aに直接に形成具備させた通電発熱抵抗体5b、5aを基本構成体としている。
ステー主体1Aは前述図6の装置の定着ステー60と同様に横断面上向きの略半円弧状樋型の横長部材であり、フィルム2の内面ガイド部材、装置の補強部材として機能させると共に、加熱体として機能させるために、前記ステー主体1AはPPS(ポリフェニレンサルファイド),PAI(ポリアミドイミド),PI(ポリイミド),PEEK(ポリエーテルエーテルケトン),液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂をその材料として用いて形成してある。
通電発熱抵抗体5a、5bは、このステー主体1Aの内部に長手に沿って、例えばニクロム等の電気抵抗材料を内封して形成具備させたものである。
通電発熱抵抗体5bは、被加熱材が定着ニップ部Nのステー主体1A端面からd3の距離を置いて一列に配置されている。また、通電発熱抵抗体5aは、前記通電発熱抵抗体5bと温度検知素子6の間に、それぞれd2、d1の距離を置いて一列に配置されている。通電発熱抵抗体同士の間隔は、通電発熱抵抗体5bはd5b、通電発熱抵抗体5aはd5aで設定されている。また、通電発熱抵抗体5aと通電発熱抵抗体5bの中心を結ぶ線の成す角度をθとしている。
図7は、常温から発熱体に電力を供給した時の通電発熱抵抗体5a、5bの温度推移を示している。一般に、常温からの通電発熱抵抗体の温度推移の勾配が大きいほど、クイックスタート性が向上し利便性が良くなる。
本実験では、通電発熱抵抗体が5bのみ(パターンB)、5aのみ(パターンA)、5aと5bの組み合わせパターンC、の3パターンの測定を実施した。条件は、低温低湿環境、1通電発熱抵抗体あたりの電力が100Wである。温度は定着ニップ部N近傍を熱電対で測定した。本実験では、ステー主体1Aの定着ニップ部N側の端面と通電発熱抵抗体5bの中心との距離d3、通電発熱抵抗体5bの中心と通電発熱抵抗体5aの中心の距離d2、通電発熱抵抗体5aの中心とステー主体1Aの温度検知素子6側の端面との距離d1、をすべて約3mm間隔で配置している。また、通電発熱抵抗体5aは径3mmを3本、通電発熱抵抗体5bは径2mmを4本とし、通電発熱抵抗体5a、5bの中心を結ぶ線が成す角度θが60°になるように配置している。また、通電発熱抵抗体同士の間隔d5a、d5bは4mmとした。
結果、パターンAは電力供給開始後、約36秒後に所定の温度である140℃に達しているのに対して、パターンBは約24秒かかる。従来、クイックスタート性を高めるために通電発熱抵抗体はパターンBと同様に定着ニップ部N近傍に配置されているのがI一般的である。一方で通電発熱抵抗体が2段構成であるパターンCは、パターンBに比べ、約2/3の時間で所定の温度に達している。パターンCの通常発熱体5aは、通常発熱体5bからの非ニップ側への放熱を遮断する効果と、ニップ部N側へ熱量を供給する2つの役割を果たしているからである。よって、通電発熱抵抗体が2段構成であるパターンCにすることで、クイックスタート性が向上すると言える。
図8は、被加熱材が定着ニップ部Nに挟持搬送された場合の加熱体の温度推移を示している。一般に、被加熱材Pが定着ニップ部Nを挟持搬送されると、被加熱材Pに加熱体の熱量が奪われ、加熱体の温度が低下してしまう。すると、例えば、被加熱材P上に現像剤等が塗布されている場合、前記現像剤を被加熱材P上に定着させることが出来なくなる。よって、加熱体の温度が低下しないように温度検知素子6によって十分の熱量を与えるように制御されている。しかしながら、高速で被加熱材Pを通紙する場合や、厚紙などの被加熱材Pの熱容量が大きい場合等では、供給する熱量が不足するケースが生じる。一般的には、被加熱材の狭搬送速度を落として、対応しているのが現状である(以下ダウンシーケンスと呼ぶ)。ダウンシーケンスは、通常の速度では被加熱材を挟持搬送しないためプロダクティビティーが低下し使用者へ不快感を与えてしまう。
図8の実験は、図7と同環境、同条件でパターンB(定着ニップ部近傍のみ通電発熱抵抗体)、パターンC(通電発熱抵抗体を2段設置)のみ実施した。所定温度(140℃)を10分間保持し、被加熱材P(A4)を加圧ローラ8と耐熱性フィルム2の間に、一定間隔、一定速度(回転速度200mm/s)で通紙し、前記温度を測定した。
結果、パターンBの場合、約10℃低下するのに8秒かかっている。一方で、パターンCでは、その約3倍の24秒間も130℃以上(=初期温度(140)−温度低下分10℃)保持している。つまり、パターンBは、通電発熱抵抗体から被加熱材Pへの熱の供給が追いつかず温度低下が著しいことがわかる。パターンCとパターンBの単位時間あたりの消費電力を計算すると、通電発熱抵抗体の径、数から換算して、パターンCはパターンBに比べ約1.5倍の電力を消費している。電力の消費量が1.5倍にも関わらず、ダウンシーケンスに陥るまでの時間への効果は、約3倍もある。これは、定着ニップ部N近傍の通電発熱抵抗体からの放熱を遮断し、かつ熱量を十分に供給したためである。また、ニップ部近傍に密に配置した場合、熱量の供給は十分まかなうことができる。しかし、反定着ニップ部N方向への放熱が大きくなるため、消費電力に対する温度低下への効果が少なくなるなってしまい、熱効率は非常に悪いことは明白である。
上記実験におけるケースCは、通電発熱抵抗体5a同士の間隔と通電発熱抵抗体5b同士の間隔は一定にしていた。しかし、反定着ニップ部N側の通電発熱抵抗体5aの間隔は、定着ニップ部N側の通電発熱抵抗体5bのそれより小さく設定することで、通電発熱抵抗体5bからの放熱を更に防止し、かつ、転写材が通過するニップ部へ熱を効率よく供給することができる。
定着ステー1は、通電発熱抵抗体5a、5bの両端間に通電がなされることにより前記通電発熱抵抗体5a、5bが長手全体にわたって発熱し、その発熱でステー主体1Aも昇温して加熱体として機能する。
温度検知素子6の検知温度が不図示の制御回路へフィードバックされて、像加熱時、温度検知素子6の検知温度が所定の設定温度に維持されるように通電発熱抵抗体5a、5bへの通電がコントロールされる。
上記のように発熱体をフィルムガイド部材に複数段内封し、加熱体とフィルムガイド部材を一体化した兼用構造体(加熱ガイド部材)1とすることにより、工程を容易にし、かつ、無駄な放熱を遮断し十分な熱量を供給することで、クイックスタート性を向上させ、温度低下によるウェイトタイムを短くすることができる。
本実施例で記載された具体的数値はあくまでも一例であり、各ケースにおいて最適な条件を導き出すことが望ましい。
図2は実施例2における定着ステー1の製造過程を表した図であり、図3は実施例2により製造された定着ステー1の概略図である。203は定着ステー1を形成するための型であり、該型203に射出ノズル202よりPPS(ポリフェニレンサルファイド),PAI(ポリアミドイミド),PI(ポリイミド),PEEK(ポリエーテルエーテルケトン),液晶ポリマー等の高耐熱性樹脂を流し込み、定着ステー1を形成する。
その時に予め、型203にはニクロムなどの線状の通電抵抗発熱体201を長手に沿って配置しておき、前述の高耐熱性樹脂を流し込む。その後冷却し、所定の温度になったら型203をはずすことで、図3のように通電抵抗発熱体201を内封した定着ステー1が形成される。
これにより、従来では加熱体とフィルムガイドは別体であったものを一体に成型し、且つ定着ステー1上に複雑な発熱パターンやオーバーコート層などをスクリーン印刷するという工程を行うことなくステーを成型できる。
図4は例えば前述した実施例1に示したような本発明に従うフィルム加熱方式の加熱装置としての像加熱装置Aを組み込んだ画像形成装置の一例の概略構成を示している。本例の画像形成装置は原稿台往復動型・回転ドラム型・転写式・プロセスカートリッジ着脱方式の電子写真複写装置である。
100は装置機筺、101はその装置機筺100の上面板102上に配設したガラス板等の透明板部材よりなる往復動型の原稿載置台であり、機筺上面板101上を図面上右方a、左方a´に夫々所定の速度で往復移動駆動される。
Gは原稿であり、複写すべき画像面側を下向きにして原稿載置台101の上面に所定の載置基準に従って載置し、その上に原稿圧着板103をかぶせて押え込むことによりセットされる。
104は機筺上面板102面に原稿載置台101の往復移動方向とは直角の方向(紙面に垂直の方向)を長手として開口された原稿照明部としてのスリット開口部である。
原稿載置台101上に載置セットした原稿Gの下向き画像面は原稿載置台101の右方aへの往動移動過程で右辺側から左辺側にかけて順次にスリット開口部104の位置を通過していき、その通過過程でランプ105の光Lをスリット開口部104、透明な原稿載置台101を通して受けて照明走査され、その照明走査光の原稿面反射光が像素子アレイ106によって感光ドラム107面に結像露光される。
感光ドラム107は例えば酸化亜鉛感光層・有機半導体感光層等の感光層が被覆処理され、中心支軸108を中心に所定の周速度で矢示bの時計方向に回転駆動され、その回転過程で帯電器109により正極性又は負極性の一様な帯電処理を受け、その一様帯電面に前記の原稿画像の結像露光(スリット露光)を受けることにより感光ドラム107面には結像露光した原稿画像に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
この静電潜像は現像器110により加熱で軟化溶融する樹脂等より成るトナーにて順次に顕像化され、該顕像たるトナー画像が転写部としての転写放電器111の配設部位へ移行していく。
Sは被記録材としての転写材シートPを積載収納したカセットであり、該カセットS内のシートPが給送ローラ112の回転により1枚宛繰出し給送され、次いでレジストローラ113により、ドラム107上のトナー画像形成部の先端が転写放電器111の部位に到達したとき転写材シートPの先端も転写放電器111と感光ドラム107との間位置に丁度到達して両者一致するようにタイミングどりされて同期給送される。
そしてその給送シートの面に対して転写放電器111により感光ドラム107側のトナー画像が順次に転写されていく。
転写部でトナー画像転写を受けたシートは不図示の分離手段で感光ドラム107面から順次に分離されて搬送装置114によって前述の定着装置Aに導かれて担持している未定着トナー画像の加熱定着を受け、画像形成物(コピー)として排出ローラ116を通って機外の排紙トレイ117上に排出される。
画像転写後の感光ドラム107の面はクリーニング装置118により転写残りトナー等の付着汚染物の除去を受けて繰り返して画像形成に使用される。
PCは装置本体100内のカートリッジ着脱部120に着脱されるプロセスカートリッジであり、本例の場合は、像担持体としての感光ドラム107、帯電器109、現像器110、クリーニング装置118の4つのプロセス機器を包含させて一括して装置本体100に対して着脱交換自在としてある。
(a)実施例1の加熱装置の断面図、(b)実施例1の加熱装置の加熱体の断面図 実施例2の製造方法概略図 実施例2により製造されたステーの概略図 実施例3の画像形成装置の概略図 (a)フィルム加熱方式の加熱装置の従来例1の装置の断面図、(b)加熱体の途中部省略・一部切欠き平面図 安易製造フィルム加熱方式の加熱装置の従来例2の装置の断面図 実施例1の加熱装置の温度推移(常温時)を示す図 実施例1の加熱装置の温度推移(温度安定時)を示す図
符号の説明
A 定着装置
G 原稿
L 光
M 駆動手段
N 定着ニップ部
P 被記録材(被加熱材、転写材シート)
PC プロセスカートリッジ
S カセット
1 加熱ガイド部材(定着ステー)
1A ステー主体
2 耐熱性フィルム
4 通電発熱抵抗体
5、5a、5b 通電発熱抵抗体
6 温度検知素子
7 フィルム端部規制フランジ(フランジ部材)
8 加圧ローラ
8a 金属軸
8b 耐熱ゴム層
10 ステー
10a 溝
30 加熱体
31 ヒーター基板
41 給電用電極
50 耐熱性オーバーコート層
60 定着ステー
60A ステー主体
100 画像形成装置機筐(装置本体)
101 原稿載置台
102 機筐上面板
103 原稿圧着板
104 スリット開口部(原稿照明部)
105 ランプ
106 像素子アレイ
107 感光ドラム
108 中心軸
109 帯電器
110 現像器
111 転写放電器
112 給送ローラ
113 レジストローラ
114 搬送装置
116 排出ローラ
117 排紙トレイ
118 クリーニング装置
120 カートリッジ着脱部
201 通電抵抗発熱体
202 射出ノズル
203 型

Claims (3)

  1. 被加熱材を加熱体に耐熱性フィルムを介して密着させ、加熱体の熱を耐熱性フィルムを介して被加熱材に与える方式の加熱装置であり、前記耐熱性フィルムのガイド部材を有し、前記加熱体と前記ガイド部材が一体化している加熱ガイド部材を有する加熱装置において、
    前記加熱体は線状の発熱抵抗体であり、該発熱体は被加熱材が前記耐熱性フィルムと接触するニップ近傍でかつ、前記加熱ガイド部材の内部に縦方向に複数段配置されたことを特徴とする加熱装置。
  2. 前記加熱ガイド部材は、あらかじめ発熱抵抗体が配置された型に耐熱樹脂を流し込んで成型することを特徴とする請求項1記載の加熱装置。
  3. 被加熱材に画像を形成する画像形成手段と、請求項1又は2に記載の像加熱装置を前記画像形成手段側からの被記録材上の画像を加熱処理する像加熱装置として備えたことを特徴とする画像形成装置。
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