JP2005055014A - ボイラの台数制御方法 - Google Patents

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弘之 竹田
Koji Miura
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  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

【課題】蒸発量や負荷追随性において異なるボイラを組み合わせ、安定した蒸気供給を可能とする。
【解決手段】蒸気使用設備7への供給蒸気を生成する複数台のボイラ1,2の燃焼台数を制御するボイラ1,2の台数制御方法であって、他のボイラより蒸発量の小さいボイラ2を含ませ、蒸気負荷が低負荷か,負荷安定状態か少なくとも一つを判定し、蒸発量の小さいボイラを優先的に燃焼量増減の対象とする。また、蒸気使用設備7への供給蒸気を生成する複数台のボイラ1,2の燃焼台数を制御するボイラ1,2の台数制御方法であって、他のボイラより負荷追随性の高いボイラを含ませ、蒸気負荷が低負荷か,負荷安定状態か,負荷変動帯にあるかの少なくとも一つを判定し、負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼量増減の対象とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数台の蒸気ボイラの燃焼台数を制御するボイラの台数制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のボイラの台数制御方法としては、種々の方式のものが提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0003】
しかしながら、これら従来の台数制御方法は、同じ蒸発量のボイラの制御であり、つぎの課題があった。蒸気負荷が低い,たとえば設置ボイラの最小蒸発量以下となる状況下では、全缶停止や、それに伴う圧力低下やその変化状況さらには圧力低下による過剰起動指示の発生により、十分に安定した蒸気供給が行えない場合があった。そして、蒸気負荷が低い状況下では、ボイラ1台の燃焼ON−OFFによる圧力変動が大きく安定した圧力を維持することが難しい場合があった。
【0004】
また、複数台のボイラが燃焼している状態で、蒸気負荷は比較的安定しているにもかかわらず、ボイラの燃焼状態の移行(負荷に合わせた発停や低燃,高燃への移行)により、結果的に圧力が変動してしまうという課題もあった。
【0005】
ところで、負荷追随性の異なるボイラを組み合わせた台数制御方法が提案されている(たとえば、特許文献2参照。)。しかしながら、この従来例においては、優先順位が蒸気負荷が低負荷か,負荷安定状態か,負荷が変動しているかどうかを考慮した制御となっていなかった。このため、負荷やその変動状況によっては、安定した蒸気供給を維持することが困難な場合もあった。
【0006】
【特許文献1】
実公平7−40803号公報
【特許文献2】
特開平2002−81604号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、蒸発量や負荷追随性において異なるボイラを組み合わせ、安定した蒸気供給を可能とすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、蒸気使用設備への供給蒸気を生成する複数台のボイラの燃焼台数を制御するボイラの台数制御方法であって、他のボイラより蒸発量の小さい燃焼状態を有する小蒸発量ボイラおよび/または他のボイラより負荷追随性の高いボイラを含ませ、蒸気負荷および/またはその変動状況に応じて、前記小蒸発量ボイラまたは負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼量増減の対象とすることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この実施の形態は、蒸気ボイラの燃焼台数を制御するボイラの台数制御方法に適用される。
【0010】
(実施の形態1)
この実施の形態1は、蒸気使用設備への供給蒸気を生成する複数台のボイラの燃焼台数を制御するボイラの台数制御方法であって、他のボイラより蒸発量の小さいボイラを含ませ、蒸気負荷が低負荷かどうかを判定し、低負荷との判定時前記蒸発量の小さいボイラを優先的に燃焼量増減の対象とするボイラの台数制御方法を特徴としている。この実施の形態1は、蒸気負荷が低負荷かどうかを判定することで、蒸気負荷に応じて、前記蒸発量の小さいボイラの優先順位の変更を行う。この場合の優先順位の変更は、低負荷状況において燃焼量増減対象となるように、起動および停止の優先順位を高くし、好ましくは、最も高い優先順位とする。
【0011】
前記実施の形態1は、たとえば、蒸気負荷がボイラ1台の低燃状態よりも低いような蒸気負荷が低い場合において、安定な蒸気供給を実現することを課題としている。
【0012】
前記ボイラは、蒸気を生成して、前記蒸気使用設備へ供給するものであれば、形式、種類は問わない。また、制御対象となる前記ボイラの台数は、少なくとも2台あればよい。
【0013】
前記各ボイラの蒸気供給管路には、好ましくは、前記各ボイラにて生成の蒸気を集合する蒸気集合部が設けられ、この蒸気集合部を経て前記蒸気使用設備へ蒸気を供給する。好ましくは、前記蒸気集合部に、その内部圧力を検出し、台数制御を行うための圧力検出手段が設けられる。前記蒸気集合部の圧力は、蒸気の温度に1対1に対応しているので、この実施の形態においては、温度検出により間接的に圧力検出を行うものを含む。
【0014】
この実施の形態1においては、複数のボイラの中に他のボイラより蒸発量の小さい燃焼状態を有するボイラを意図的に含ませる。前記蒸発量が小さい燃焼状態とは、燃焼量が段階的に変化するボイラの場合は、最も小さい蒸発量を出力する燃焼状態を意味する。前記燃焼段階数は、ON(燃焼)−OFF(停止)ボイラで1,ON−低燃−高燃の3位置ボイラで2,N位置ボイラでN−1となる。
【0015】
この実施の形態1においては、一例として蒸発量の大きい複数の3位置の大蒸発量ボイラと蒸発量の小さい1台の3位置の小蒸発量ボイラとを含む。そして、これらのボイラは、たとえば階段値制御と称される台数制御により制御される。前記複数の大蒸発量ボイラは、蒸発量を互いに異ならせてもよい。
【0016】
前記階段値制御とは、特許文献1に記載のように、所定の制御圧力帯における前記供給蒸気の圧力の絶対値(圧力値)に基づいてボイラの燃焼台数を増減する制御である。前記制御圧力帯は、一例として、その圧力帯の上限値である階段値制御圧力とその圧力帯の幅である階段値制御幅とによって設定される。この階段値制御は、制御圧力帯における前記供給蒸気の圧力値と起動の優先順位(以下、単に優先順位という。)とに基づき、前記複数台のボイラの燃焼台数を制御することにより行われる。
【0017】
そして、この実施の形態1の台数制御においては、蒸気負荷が低負荷か否かを判定する。低負荷でないと判定された時は、予め定めた優先順位に従い前記複数のボイラを燃焼制御(通常負荷制御)する。前記小蒸発量ボイラの優先順位は、総燃焼時間や発停回数などボイラの運転状況から判断される優先順位などに適宜任意に設定されている。そして、低負荷であると判定されると、前記小蒸発量ボイラを優先的に燃焼量増減の対象ボイラとし、好ましくは、優先順位を最も高くして、蒸気負荷の変動に基づく燃焼制御(低負荷制御)を行う。こうして、前記小蒸発量ボイラを優先的に燃焼させる。
【0018】
このように低負荷時において、小蒸発量ボイラを優先的に燃焼させることで、全ての前記ボイラを停止させることなく安定した蒸気供給が可能となる。また、ボイラの停止,起動が抑止されるので、省エネの効果も得られる。
【0019】
前記通常負荷制御と低負荷制御との切替,すなわち低負荷か否かの判定は、つぎのいずれかの方法により行われるが、これに限定されるものではない。
(1)蒸発量による自動判定
蒸発量が所定蒸発量(たとえば大蒸発量ボイラ高燃1台分)以下となると、低負荷であると自動的に判定して、前記低負荷制御へ切り替える。
(2)起蒸状態(ボイラの運転状態)と圧力変動による自動判定
台数制御により全ボイラが停止するか、大蒸発量ボイラ1台低燃焼状態でも圧力が上昇すると低負荷と判定して、前記低負荷制御へ切り替える。
(3)台数制御装置や外部指示機器の登録プログラムによる判定
蒸気負荷の変動パターンが決まっている場合、台数制御装置や外部指示機器の登録プログラムにより予め時刻設定を行い、所定時刻となると低負荷制御へ切り替える。
(4)外部信号による判定
蒸気使用設備(蒸気負荷)側からの低負荷を知らせる信号に基づき前記低負荷制御へ切り替える。
【0020】
また,小蒸発量ボイラを優先的に燃焼させる方法としては、前記のように小蒸発量ボイラを大蒸発量ボイラの制御システムに組み込んで、優先順位を高くする方法以外に、つぎの方法により実現できる。すなわち、前記小蒸発量ボイラを他の前記大蒸発量ボイラの台数制御システムから切り離し、前記低負荷時に前記小蒸発量ボイラの燃焼制御圧力を他の前記大蒸発量ボイラよりも高く設定することにより実現することもできる。この例においては、前記低負荷時に前記小蒸発量ボイラの燃焼制御圧力を他の前記大蒸発量ボイラよりも高く設定することにより、当該小蒸発量ボイラを燃焼量増減の対象ボイラとする。また、この例において、低負荷でない通常負荷状態では当該小蒸発量ボイラを他のボイラとの同一台数制御システムに組み入れて、燃焼時間の均一化をはかるように構成することもできる。
【0021】
また、前記通常負荷制御において、前記大蒸発量ボイラが安定して起動可能な負荷量と判定できる場合には、前記小蒸発量ボイラの優先順位を変更することにより、燃焼時間の均一化を図るなどの制御も必要に応じて盛り込むことができる。より詳細には、前記小蒸発量ボイラの優先順位を総燃焼時間や発停回数などボイラの運転状況から判断される優先順位へ変更し、前記小蒸発量ボイラの燃焼時間や起動回数などボイラ使用状況が他のボイラと同程度となるようにすることができる。
【0022】
さらに、前記通常負荷制御は、階段値制御ではなく、目標値制御とすることもできる。前記目標値制御は,予め設定した目標圧力となるように、ボイラの燃焼台数を増減するための判定条件に基づき、ボイラの燃焼状態を制御する方式である。前記判定条件は、つぎのものを含む。
▲1▼目標圧力からのずれ(変位量)
▲2▼目標圧力からのずれとその状態の継続時間
▲3▼圧力変化の状況(圧力変化の勾配および勾配が圧力上昇側か下降であるか)
▲4▼圧力変化の状況とその状態の継続時間
▲5▼目標圧力からの変位量と時間で求まるずれ量積分値
【0023】
前記判定条件は、前記▲1▼〜▲5▼に限定されるものでなく、前記▲1▼〜▲5▼の複数を組み合わせて判定し、前記ボイラの燃焼台数を制御するように構成することができる。
【0024】
前記目標値制御における制御圧力帯は、供給蒸気の圧力の安定目標値を示す前記目標値制御圧力とその圧力帯の幅である目標値制御幅によって設定される。前記目標値制御圧力は、一例として前記目標値制御幅のほぼ中央に設定される。
【0025】
この発明は、前記の実施の形態に限定されるものではなく、つぎの実施の形態を含む。
【0026】
(実施の形態2)
実施の形態2は、蒸気使用設備への供給蒸気を生成する複数台のボイラの燃焼台数を制御するボイラの台数制御方法であって、他のボイラより蒸発量の小さい燃焼状態を有する小蒸発量ボイラを含ませ、蒸気負荷が安定状態にあるかどうかを判定し、安定状態にあると判定した時前記小蒸発量ボイラを優先的に燃焼量増減の対象とするボイラの台数制御方法を特徴としている。
【0027】
この実施の形態2は、蒸気負荷が安定状態にあるかどうかを判定することで、蒸気負荷の変動状況を判定し、これに応じて、前記小蒸発量ボイラの優先順位を変更を行う。この場合も、低負荷状況において燃焼量増減対象となるように、優先順位を変更する。ここにおける燃焼量増減対象ボイラとなるように優先順位を変更することは、優先順位を最も高くすることを意味しない。従って、蒸気負荷の安定状態を支えている燃焼状態のボイラが前記小蒸発量ボイラであり、他に小蒸発量ボイラが無い場合には、その小蒸発量ボイラを燃焼増減対象ボイラとし、代わりに他のボイラを燃焼状態とする。
【0028】
この実施の形態2は、複数台のボイラが燃焼している状態で、蒸気負荷は比較的安定しているにもかかわらず、ボイラの燃焼量の増減(負荷に合わせた発停や低燃,高燃への移行)により、結果的に圧力が変動してしまうという課題を解決する方法である。
【0029】
蒸気負荷が安定しているかどうかの判定は、つぎのようにして行うことができる。
(1)自動判定
予め設定した台数あるいは蒸発量以内の燃焼移行(蒸発量増減調整)にて蒸気供給を行っている場合は、蒸気負荷が安定していると判定する。
(2)台数制御装置や外部指示機器の登録プログラムによる判定
蒸気負荷の変動パターンが決まっている場合、台数制御装置や外部指示機器の登録プログラムにおいて時刻設定を行い、所定時刻となると蒸気負荷が安定と判定する。
(3)外部信号による判定
蒸気使用設備(蒸気負荷)側からの蒸気負荷の安定を知らせる信号に基づき蒸気負荷安定と判定する。
【0030】
いま、前記蒸気使用設備の最大蒸気を10t/hとし、前記大蒸発量ボイラを3位置,2t/hのボイラ5台とし、これに750kg/hの前記小蒸発量ボイラを組み合わせて、台数制御するものとして、前記実施の形態2を説明する。
【0031】
たとえば、3t/h程度の蒸気負荷にてほぼ安定している場合においても、完全に負荷がバランスすることはないため蒸気供給側としてのボイラの挙動は、前記大蒸発量ボイラ1台が低燃と高燃の移行を繰り返したり、発停を繰り返す。従って、蒸気供給量がたとえば3t/hと4t/hと交互に切り替わり、蒸発量の変動が大きいため圧力もそれに応じて大きく変動する。
【0032】
そこで、この実施の形態2の蒸気圧力安定制御では、前記小蒸発量ボイラを優先的に燃焼量増減の対象とする。「優先的に燃焼量増減対象とする」は、「燃焼量増減を行う優先順位帯に小蒸発量ボイラの優先順位を配置する」あるいは「燃焼量増減を行うボイラとして優先的に燃焼制御する」と言い換えることができる。こうすることにより、負荷変動に伴うボイラの燃焼台数の増減は、小蒸発量ボイラの低燃と高燃の切替や発停で対応することができ、燃焼量増減による圧力変動を抑えることが可能となる。
【0033】
(実施の形態3)
実施の形態3は、蒸気使用設備への供給蒸気を生成する複数台のボイラの燃焼台数を制御するボイラの台数制御方法であって、他のボイラより負荷追随性の高いボイラを含ませ、蒸気負荷が低負荷か否かを判定し、前記負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼量増減の対象とするボイラの台数制御方法を特徴とする。
【0034】
この実施の形態3は、前記実施の形態1と同様に、蒸気負荷がボイラ1台の低燃状態よりも低いような蒸気負荷が低い場合において、安定な蒸気供給を実現することを課題としている。
【0035】
前記実施の形態3において、負荷追随性が高いボイラとは、起動応答性が高いボイラ,起蒸応答性が高いボイラ,燃焼量増減(燃焼移行)の応答性が高いボイラの全てを含む。 起動応答性が高いボイラは、パイロット状態(パイロットバーナが燃焼状態)やパージ状態(パージが行われている状態)にあり、起動が早いボイラなど早く燃焼を開始できる状態のボイラを意味する。起蒸応答性が高いボイラは、連続パイロット(パイロットバーナを連続して燃焼させる)により圧力を維持しているボイラや圧力保持制御が実施できているボイラなど早く所定圧力の蒸気を供給できるボイラを意味する。また、燃焼量増減応答性が高いボイラは、燃焼を低燃から高燃へ移行させるための時間を要しない(短い)燃焼量増大応答性の高いボイラ,燃焼を高燃から低燃へ移行させる時間が短い燃焼量減少応答性の高いボイラおよび燃焼状態から停止へ移行させる時間の短い停止応答性の高いボイラを含む。
【0036】
こうした負荷追随性は、一例として、つぎのように利用される。前記燃焼移行応答性および起動応答性については、前記各ボイラが「今起動あるいは燃焼移行を要求された場合にはどの程度の時間が必要」という情報を台数制御器へ提供し、台数制御器は、その時間が短いボイラを燃焼移行(あるいは起動)させる。また、起蒸応答性は、前記各ボイラが前記蒸気集合部圧力と自分の圧力を比較し、ある程度高い圧力(差がない)ならば「圧力が高い」という情報を前記台数制御器へ提供し、前記台数制御器は、そのフラグが立っているボイラを優先して起動する。前記「圧力が高い」の情報は、前記の「起動までの時間」と同様に時間で表現することもできる。
【0037】
そして、この実施の形態3の台数制御においては、蒸気負荷が低負荷か否かを判定する。低負荷でないと判定された時は、前記実施の形態1と同様に、通常負荷制御を行う。そして、低負荷であると判定されると、前記負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼量増減の対象とし、好ましくは、優先順位を最も高くして、蒸気負荷の変動に基づく燃焼制御(低負荷制御)を行う。こうして、前記負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼させる。蒸気負荷が低負荷かどうかの判定は、前記実施の形態1と同様に行われる。
【0038】
前記実施の形態3によれば、負荷追随性の高いボイラが優先的に燃焼制御されるので、応答性の向上により圧力変動を少なくすることができ、安定した蒸気供給を行うことができる。
【0039】
(実施の形態4)
実施の形態4は、蒸気使用設備への供給蒸気を生成する複数台のボイラの燃焼台数を制御するボイラの台数制御方法であって、他のボイラより負荷追随性の高いボイラを含ませ蒸気負荷が安定状態か否かを判定し、前記負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼量増減の対象とするボイラの台数制御方法を特徴としている。
【0040】
この実施の形態4も、前記実施の形態2と同様に、負荷安定領域でのボイラ蒸発量増減による圧力変動を低減することを課題としている。
【0041】
前記実施例形態4を具体例に基づき説明する。蒸気使用設備(負荷)側の蒸気使用量が安定しているにもかかわらず、全体蒸気負荷が低かったり、前記蒸気使用設備の状況,たとえば前記使用設備へ接続される多数の給蒸配管に設けたバルブの多くが閉じられて、配管容積が減少している状況などでは、圧力の変化による燃焼量制御により圧力の変動が大きくなる場合がある。たとえば,2000kg/hの3位置ボイラの多缶設置設備において、1500kg/hの蒸気使用量がある場合、2000kg/hボイラ1台の低燃状態(1000kg/h)と高燃状態(2000kg/h)を交互に移行することで蒸気供給調整を行う。この例では、必要蒸発量に対する供給側の蒸気供給量変動が大きいため、ボイラの燃焼状態によって圧力が大きく変動する可能性がある。さらにこの圧力変動によって過剰なボイラの発停を招くこともある。
【0042】
そこで、負荷追随性の高いボイラを1台もしくは複数台を優先的に燃焼増減の対象とする。これにより、安定した圧力での蒸気供給を行うことができる。この具体例では、蒸気負荷が安定しながらも低い場合の例であるが、前記蒸気使用設備の状況などによっては、蒸気負荷が安定しながら高い場合も同様の対処を行うことでより安定した蒸気供給を行うことができる。
【0043】
(実施の形態5)
実施の形態5は、蒸気使用設備への供給蒸気を生成する複数台のボイラの燃焼台数を制御するボイラの台数制御方法であって、他のボイラより負荷追随性の高いボイラを含ませ、蒸気負荷が変動しているかどうかを判定し、負荷変動範囲に対応して前記負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼量増減の対象とするボイラの台数制御方法を特徴としていいる。
【0044】
この実施の形態5において、「負荷変動範囲に対応して前記負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼量増減の対象とする」とは、負荷変動によって燃焼移行(停止あるいは起動)する優先順位に,負荷追随性性の高いボイラを配置することを意味する。
【0045】
この実施の形態5は、負荷が変動する場合の安定な蒸気供給を課題とする。この実施の形態5を具体例により説明する。2000kg/hの3位置ボイラ10台のシステムにおいて5台を起動応答性の高いボイラとし、かつ,負荷変動として4000kg/hが瞬間的に発生する可能性がある場合、少なくとも2台の停止,かつ負荷増大時に優先して燃焼することができる前記起動応答性の高いボイラを確保するように優先順位の変更制御を行う。たとえば、5台高燃にて燃焼している場合で、通例の優先順位ならば5台ともが前記起動応答性の高いボイラとなっている場合には、起動応答性の低いボイラを起動応答性の高いボイラに優先して燃焼状態とし、起動応答性の高いボイラを停止状態とする,すなわち燃焼増減の対象として、負荷変動が予想される台数だけ確保する制御とする。
【0046】
この具体例では,少なくとも2台の起動応答性の高いボイラを停止状態に移行させる代わりに、負荷応答性の低いボイラを燃焼させておく。こうすることで負荷が急変した場合にも起動応答性が高いボイラが追随性よく燃焼状態となるため,負荷変動に対しより圧力変動の少ない制御が行える。
【0047】
この発明は、前記実施の形態1〜5に限定されるものではなく、前記実施の形態1〜5の2つ以上を組み合わせて行うボイラの台数制御方法にも適用される。また、この発明の制御対象ボイラは、異種ボイラとして前記小蒸発量ボイラと前記負荷追随性高いボイラの両方を有するシステムを含み、一つのボイラが、前記小蒸発量ボイラであり、かつ前記負荷追随性高いボイラであるシステムを含む。さらに、この発明は、前記小蒸発量ボイラ2および/または前記負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼量増減の対象とする判定条件として、蒸気負荷を判定し、かつ蒸気負荷の変動状況も判定するシステムを含む。
【0048】
【実施例】
以下、この発明の前記実施の形態1に対応する実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明を実施したボイラシステムの一実施例の概略構成図であり、図2は、同実施例の台数制御方法を説明するフローチャート図であり、図3は、制御パターンの一例を示す図である。
【0049】
図1に示すように、前記一実施例のボイラシステムは、4台(No.1〜No.4)の大蒸発量の第一蒸気ボイラ1,1,…および1台の小蒸発量の第二蒸気ボイラ2(以下、蒸気ボイラを単にボイラという。)と、前記各ボイラ1、2の蒸気供給配管3,3,…が接続される蒸気集合部4と、前蒸気集合部4の圧力を検出する圧力検出器5と、台数制御器6とを備えている。前記第一ボイラ1は、蒸発量が2000kg/hの3位置ボイラで、前記第二ボイラ2は、蒸発量が1000kg/hの3位置ボイラである。両ボイラ1,2は、燃焼段階および蒸発量という特性情報が異なるという点で異種ボイラである。前記蒸気集合部4は、蒸気使用設備7へ接続される。この実施例の前記蒸気使用設備7の最大蒸発負荷を約9t/hとする。
【0050】
前記台数制御器6は、前記圧力検出器5と前記各ボイラ1,2とに回線8,8,…にて接続され、前記圧力検出器5からの入力信号と予め定められた優先順位に基づき、格納された制御手順に従い図2に示すような台数制御を行う。前記優先順位は、図3に示すように、前記各第一ボイラ1(No.1〜No.4)に対してそれぞれ優先順位1〜4を付与し、前記第二ボイラ2に対して優先順位5を付与している。
【0051】
以下に、前記台数制御器6による台数制御方法を図2および図3に従い説明する。この台数制御方法は、階段値制御により行われる。
【0052】
図2において、システムの運転が開始されているかどうかをステップS1(以下、ステップSNを単にSNという。)にて判定する。なお、運転開始は、システムの運転開始スイッチ(図示省略)の操作により判定される。S1において、YESが判定されると、S2へ移行して蒸気負荷が低負荷かどうかを判定する。低負荷とは、この実施例では、蒸気負荷が前記第一ボイラ1の低燃焼時の蒸発量を下回る負荷の時,すなわち1台が低燃状態にて蒸気ヘッダ部の圧力が上昇している時としている。そして、蒸気負荷が予め定めた(可変もしくは固定)蒸発量(ボイラ燃焼量)以上となった場合に低負荷制御を解除するように構成している。
【0053】
この低負荷の判断は、これに限定されるものではなく、予め定めた(可変もしくは固定)蒸発量(ボイラ燃焼量)以下となった場合に負荷低下と判断し、予め定めた(可変もしくは固定)蒸発量(ボイラ燃焼量)以上となった場合に低負荷制御を解除と判断するように構成できる。
【0054】
いま、図3の時刻t0では、S2において、低負荷でないと判定され、S3へ移行して、前記圧力検出器5からの圧力信号と予め定めた前記優先順位とに基づき、前記各ボイラ1,2の燃焼台数が制御(通常負荷制御)される。その制御パターンは、図3に示すとおりである。
【0055】
そして、時間が経過し、図3に示すように蒸気負荷が減少し、時刻t1になると、S2において、低負荷と判定される。すると、S5へ移行して、前記第二ボイラ2の優先順位を最も高くする優先順位の変更を行う。この変更された優先順位と前記圧力検出器5からの圧力信号とに基づき、前記各ボイラ1,2の燃焼台数を制御(低負荷制御)する。その制御パターンは、図3に示すとおりである。
【0056】
この実施例では、時刻t1において、優先順位1の前記第一ボイラ1の低燃から停止への移行のタイミング(前者)と前記第二ボイラ2の停止から低燃への移行のタイミング(後者)を同じとしているが、好ましくは、前者を後者よりも後とする。これにより燃焼ボイラの切り替わりにおける蒸気圧力変動を減少できる。
【0057】
この低負荷制御においては、蒸発量1000kg/hの前記第二ボイラ2が、停止−低燃−高燃と制御されるので、低負荷であっても全ボイラ停止させることなく安定した蒸気供給が可能となる。また、前記各第一ボイラ1の停止,起動が抑制されるので、省エネルギーの効果も得られる。
【0058】
この低負荷制御を行っているうちに、蒸気負荷が増加し、設定された蒸気負荷となると、S4において低負荷制御解除が判断され、処理はS2を経て、S3へ移行して、前記通常負荷制御が行われる。
【0059】
運転停止スイッチ(図示省略)が操作されると、S6にてYESが判定され、処理は、S1へ戻る。
【0060】
この発明は、前記実施例に限定されるものではなく、つぎの実施例を含む。すなわち、前記実施例においては、前記台数制御器6を用いて台数制御を行っているが、特開2002−213702に示されるように前記台数制御器6を用いないで、台数制御を行うように構成することができる。
【0061】
【発明の効果】
この発明によれば、蒸発量や負荷追随性において異なるボイラを組み合わせ、安定した蒸気供給を行うことができるなど、産業的価値は多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施したボイラシステムの一実施例の概略構成図である。
【図2】同実施例の台数制御方法を示すフローチャート図である。
【図3】同実施例の制御パターンを示す図である。
【符号の説明】
1 第一ボイラ
2 第二ボイラ
7 蒸気使用設備

Claims (1)

  1. 蒸気使用設備7への供給蒸気を生成する複数台のボイラ1,2の燃焼台数を制御するボイラ1,2の台数制御方法であって、他のボイラより蒸発量の小さい燃焼状態を有する小蒸発量ボイラ2および/または他のボイラより負荷追随性の高いボイラを含ませ、蒸気負荷および/またはその変動状況に応じて、前記小蒸発量ボイラおよび/または負荷追随性の高いボイラを優先的に燃焼量増減の対象とすることを特徴とするボイラの台数制御方法。
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