JP2005053859A - 安定化した塩基性薬物含有組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物を含有する安定な製剤並びにその製造方法を提供する。
【解決手段】1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物、及び2)塩を形成していないアニオン性高分子を接触状態で含有してなる安定化された医薬組成物
【選択図】 なし



Description

本発明は、水分存在化で溶解して化学的に分解するが、酸性pH下では化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物と、2)塩を形成していないアニオン性高分子含を有してなる安定化された医薬組成物に関する。
水分存在下で不安定な塩基性薬物を安定化する方法として、1)主にシリカゲル、ケイ酸等の吸湿力のある添加剤に、水分を吸着させて製剤中の活性成分から水分を取り除く方法、2)薬物を含有する製剤に、疎水性皮膜を被覆して製剤内部への水分の浸入を防止する方法、3)pH調整剤を添加して、薬物を相対的に安定化する方法等が知られている。
特に、中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物においては、クエン酸や酒石酸などの酸性を呈する添加剤(pH調整剤)を配合し、当該塩基性薬物の安定性の向上を図る試みがなされている。
しかしながら、これらの方法では必ずしも十分な安定性が得られない場合があり、更なる安定性の改善が求められている。即ち、当該塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物が、水への溶解度が高く、水分存在化で溶解して化学的に分解するが水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する場合、製剤化において添加した賦形剤が含有するわずかな水分に当該塩基性薬物自体が溶解したり、配合したpH調整剤(有機酸等)が空気中の水分を吸着してそのわずかな水分にpH調整剤(有機酸等)自体と当該塩基性薬物が溶解することがあり、これらの作用により、共存する当該塩基性薬物が不安定化する場合があった
水分存在下で不安定な塩基性薬物、特に、水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物を含有する製剤、とりわけ固形製剤について、より一層安定な製剤の開発が求められている。
例えば、国際特許出願 PCT/JP03/03064号(出願日2003年3月14日)によって開示されるピペリジン骨格を有する塩基性化合物は、優れたナトリウムチャネル阻害作用を有する化合物であり、循環器系に対する作用や肝薬物代謝酵素に対する阻害作用や酵素誘導等がなく安全性に優れる等の優れた特性も有している化合物である。当該塩基性化合物は、鎮痛剤として有用なナトリウムチャネル阻害剤であり、各種の神経痛、疼痛、神経障害、腰痛、神経根障害、炎症痛、関節痛、手術後痛、癌性痛、脳血管障害急性期神経障害、頭部外傷神経障害、脊髄損傷神経損傷、パーキンソン病、多発性硬化症、てんかん、不眠、早漏またはそううつ病の治療・予防剤として有用であるが、上記の「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない」物性を有している。この為、当該塩基性薬物を含有する、より安定な製剤の開発が求められている。
以上のような状況に鑑み、本発明者らは、水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物を含有する安定な製剤並びにその製造方法を探索すべく鋭意検討を行った。その結果、以下に示す構成により所期の目的を達成できることを見出し、本発明を完成した。
本発明は、1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物、及び2)塩を形成していないアニオン性高分子を接触状態で
含有してなる安定化された医薬組成物である。
本発明に係る塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物は、水分に対し不安定で水に対する溶解度が高く、且つ、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物であれば、特に限定されない。また、塩を形成していないアニオン性高分子と接触状態で含有させた際の安定化効果は、当該塩基性薬物の水に対する溶解度が高い薬物に於いても顕著であり、特に、1W/W%以上である場合には、その安定化効果は大きい。
本発明における当該塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物は、特に限定されず、例えば、鎮痛剤、抗生物質、抗痴呆薬、抗血小板薬、抗うつ剤、脳循環代謝改善剤、抗アレルギー剤、胃腸薬、胃潰瘍治療薬、循環器病薬、脳神経疾患治療薬、消化器疾患治療薬、抗癌剤等が挙げられる。
好ましい塩基性薬物として、例えば、ピペリジン骨格を有する薬物を挙げることができる。本発明にかかる代表的な塩基性薬物は、ピペリジン骨格を有する次の構造式(I)を有する化合物であり、例えば、国際特許出願番号 PCT/JP03/03064(出願日2003年3月14日)によって開示される方法で製造することができる。

一般式
Figure 2005053859
[式中、Aは、式
Figure 2005053859
で表される基を意味する;
は、メチレン基、1,2−エチレン基または1,1−エチレン基を意味する;
は、式
Figure 2005053859
(式中、R51、R53、R54、R55およびR57は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基またはヒドロキシメチル基であり、且つ、R51、R53、R54、R55およびR57のうち少なくともいずれか4個が水素原子を意味する)で表される基を意味する;
は、式
Figure 2005053859
(式中、X45は、フッ素原子、水酸基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個の基を有していてもよいメチレン基または式−CF−を意味する。)で表わされる基を意味する;
は、式
Figure 2005053859
で表わされる基を意味する。]
で表わされる化合物もしくはその薬理的に許容される塩またはそれらの水和物である。
式(1)において、R51、R53、R54、R55およびR57は、より好ましくは、R51、R53、R54、R55およびR57がすべて水素原子である。
また、X2は、より好ましくは、式
Figure 2005053859
で表わされる基である。
本発明において、さらに好ましい塩基性薬物として、
1)3−[4−[2−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル)エチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

2)3−[4−(2−フルオロフェノキシメチル)ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

3)3−[4−(2−メトキシフェノキシメチル)ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

4)3−[4−(2−メチルフェノキシメチル)ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

5)(E)−3−[4−[2−(3−メチル−2−チエニル)ビニル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

6)3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

7)3−[4−[2−(2−メチルフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859
8)3−[4−[2−(2−メトキシフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859
9)6−[2−[4−(2−フルオロフェノキシメチル)ピペリジノ]エチル]−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

10)3−[4−[2−[2−(メチルチオ)フェニル]アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

11)3−[4−[2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859
12)3−[4−[2−(2−エトキシフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

13)3−[1−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]エチル]−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859
14)3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]−4−メチルピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859

15)3−[4−メチル−4−[2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859
16)3−[4−[2−[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859
17)3−[1−[4−[2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル]ピペリジノ]エチル]−1H−ピラジン−2−オン、
Figure 2005053859
18)cis−3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]−2−メチルピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン;
Figure 2005053859
から選ばれた一種である化合物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物を、さらに特に好ましい塩基性薬物としては、3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オンもしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物をあげることができる。
本明細書における「塩」とは、本発明に係る化合物と塩を形成し、かつ薬理学的に許容されるものであれば特に限定されず、例えば、無機酸塩、有機酸塩、または酸性アミノ酸塩などが挙げられる。 無機酸塩の好ましい例としては、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩などが挙げられ、有機酸塩の好ましい例としては、例えば酢酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、ステアリン酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。酸性アミノ酸塩の好ましい例としては、例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩などが挙げられる。いずれも特に限定されない。
3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩は、粉体状態において25C相対湿度5%から95%の保存条件下における吸湿性はほとんどないが、水に対する溶解度は3W/W%以上であり、酸性pH及び塩基性pH下においても溶解性に優れている。また、水溶液中では化学的に分解するが、中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性をしている。3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩の水溶液中における分解速度定数のpHプロファイルを、図1に示した。
本発明における塩を形成していないアニオン性高分子は、酸性官能基を少なくとも1種類以上含む高分子であり、塩を形成していないものであれば特に限定されない。塩を形成していないアニオン性高分子とは、例えば、カルボキシル基又は硫酸基を少なくとも1種類以上含む高分子であり、好ましくはカルボキシル基を含有する高分子である。塩を形成していないカルボキシル基を含有する高分子とは、特に限定されないが、例えば、メタクリル酸コポリマータイプA、メタクリル酸コポリマータイプB、メタクリル酸コポリマータイプC、カルボキシメチルセルロース、カーボマー、アルギン酸、酢酸フタル酸セルロース及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートが挙げられ、好ましくは、メタクリル酸コポリマータイプA、メタクリル酸コポリマータイプB、メタクリル酸コポリマータイプC、カルボキシメチルセルロース、カーボマーであり、より好ましくは、メタクリル酸コポリマータイプA、カルボキシメチルセルロースである。
この安定化メカニズムは、以下のように考えられる。
本発明に係る「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物」は、「塩を形成していないアニオン性高分子」とイオンコンプレックスを形成する。当該塩基性薬物と当該アニオン性高分子が接触状態で存在すると、正電荷にチャージされた状態の当該塩基性薬物と当該アニオン性高分子の酸性官能基(例えばカルボキシル基、硫酸基)との間で、化学吸着に基づく静電的相互作用が働くためである。塩を形成しているアニオン性高分子では、酸性官能基に対し、正電荷にチャージされた状態の当該塩基性薬物と正電荷にチャージされた塩とが配位するために競合するので安定化効果はない。当該塩基性薬物は、アニオン性高分子に保持されることによって医薬組成物中の微量水分や吸着水の中には溶出しにくくなるため、当該塩基性薬物の固体状態での分解反応は抑制されるのである。
本発明における1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物と、2)塩を形成していないアニオン性高分子の配合比率は、特に限定されないが、通常、塩基性薬物1重量部に対し、アニオン性高分子0.1〜20重量部であり、好ましくは0.2〜15重量部であり、より好ましくは0.5〜10重量部である。
また、医薬組成物中のアニオン性高分子の配合比率は、通常、多く配合するほど塩基性薬物の安定性は向上するが、医薬組成物の成形性、崩壊性、溶出性や粉体の流動性等の観点を考慮すると、通常、医薬組成物1重量部に対し、アニオン性高分子0.01〜0.5重量部であり、好ましくは0.02〜0.4重量部であり、より好ましくは0.03〜0.25重量部である。特に好ましくは、アニオン性高分子がメタクリル酸コポリマータイプAである場合は、主に医薬組成物の成形性の観点から0.1〜0.2重量部であり、カルボキシメチルセルロースである場合は、カルボキシメチルセルロースは崩壊剤としても用いられる添加剤である為、成形性と物性安定性の観点から0.03〜0.2重量部である。また、アニオン性高分子が、カーボマーである場合は、カーボマーが水分存在下でゲル化して徐放化効果を有する為、徐放性製剤を意図しない場合の配合比率は、特に好ましくは、0.03〜0.05重量部である。
このアニオン性高分子の配合比率において、「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物」の安定化が達成できると共に、医薬組成物の良好な成形性、崩壊性、溶出性や粉体の良好な流動性等、優れた物性を確保することが可能である。
本発明に係る医薬組成物の剤型は、特に限定されず、例えば、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ドライシロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、軟膏剤又はテープ剤等の固形製剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション剤等の液体製剤などが挙げられるが、好ましくは、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、ドライシロップ剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、軟膏剤又はテープ剤等の固形製剤であり、より好ましくは、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤又はカプセル剤である。
本発明に係る「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物」を含有する安定化された医薬組成物の処方及び製造法は特に限定はされない。1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物、及び、2)塩を形成していないアニオン性高分子を混合するか、又は、必要に応じて更に賦形剤や結合剤等を加えて混合して造粒、整粒を施して、散剤、顆粒剤、細粒剤を調製しても良いし、また、それらに必要に応じて滑沢剤や崩壊剤を加えて打錠して錠剤にしても良い。尚、造粒は、通常用いられる装置により行うことができ、例えば、ローラーコンパクター等の乾式造粒装置、流動層造粒装置、転動造粒装置、押し出し造粒装置を使用することができる。得られた散剤、顆粒剤、細粒剤等は必要に応じて崩壊剤、滑沢剤等を混合して錠剤とすることもできる。
この製造工程において望ましい形態としては、上述した造粒時において、水若しくは水分含有溶媒を使用しない形態であり、乾式造粒又は造粒媒として水分を含有しない非水系の湿式造粒が好ましく、より好ましくは、乾式造粒である。また、1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物、及び、2)塩を形成していないアニオン性高分子を、必要に応じて更に賦形剤、結合剤、滑沢剤や崩壊剤を加えて直接打錠して錠剤にする製造法は、より好ましい製造法である。
医薬組成物中に添加する製剤添加剤として、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤等を任意に加えてよく、特に限定されないが、水分含量の低い製剤添加剤が望ましい。賦形剤は、例えば、マンニット、結晶セルロース、乳糖、デキストリン、αーシクロデキストリン、βーシクロデキストリン、γーシクロデキストリン、プルラン、珪酸類等が挙げられるが、好ましくは、マンニット、結晶セルロースである。結合剤は、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール等が、崩壊剤は、例えば、カルボキシメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、クロスカルメロースナトリウム等が、滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、ステアリン酸、フマル酸等を挙げることができる。
本発明にかかる散剤、顆粒剤、細粒剤、錠剤等の医薬組成物は、必要に応じて皮膜を被覆してもよい。皮膜は水分透過性の低い皮膜が好ましい。
膜を形成する主成分は、特に限定されないが、通常、水溶性高分子及び/又は水不溶性高分子であり、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース等が挙げられるが、望ましくは、水分透過性及び酸素透過性の低いメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及び/又はポリビニルアルコールであり、特に望ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。また、皮膜中に、必要に応じて、着色剤を加えてもよい。皮膜中に含有される着色剤は、特に限定されないが、例えば、黄色、赤色、緑色及び/又は白色の着色剤が挙げられる。黄色の着色剤としては、例えば黄色三二酸化鉄、黄酸化鉄、食用黄色4号アルミニウムレーキ及びベンガラを、赤色の着色剤としては、例えば、三二酸化鉄を、緑色の着色剤としては、例えば、銅クロロフィリンナトリウム、銅クロロフィリンカリウムを、白色の着色剤としては、例えば、酸化チタンを挙げることができる。本発明においては、これらを単独で用いることもできるし、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
尚、皮膜を被覆(コーティング)は、通常用いられる装置により行うことができ、例えば、流動層造粒装置、転動造粒装置、押し出し造粒装置を使用することができる。
塩を形成していないアニオン性高分子であるメタクリル酸コポリマータイプA(商品名 オイドラギットL100、樋口商会)、メタクリル酸コポリマータイプB(商品名 オイドラギットS100、樋口商会)、メタクリル酸コポリマータイプC(商品名 オイドラギットL100−55、樋口商会)は、米国薬局方のNF記載の基剤であり、市販のものを容易に入手可能である。また、カルボキシメチルセルロース(商品名 カルメロース、ニチリン化学)、カーボマー(商品名 カーボポール、BFGoodrich)、アルギン酸(商品名 アルギン酸、富士化学)、酢酸フタル酸セルロース(商品名 CAP、和光純薬)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(商品名 HPMCP、信越化学)も容易に入手可能である。
本発明は、また、1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、2)塩を形成していないアニオン性高分子を混合状態で配合することを特徴とする安定化された医薬組成物の製造方法である。
さらに、本発明は、1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、2)塩を形成していないアニオン性高分子を接触状態で配合することを特徴とする当該塩基性薬物の安定化方法である。
本発明に係る1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物、及び2)塩を形成していないアニオン性高分子を混合状態で含有してなる医薬組成物は、「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物」の医薬組成物(特に顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤)中の安定性に関して、驚くべき格段の向上を図ることが可能である。
本発明は、従来、「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物」の製剤化においては、医薬組成物中の当該塩基性薬物の経時的安定性の低さの為、難しいと考えられていた製剤、例えば、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、カプセル剤等の製剤化やそのバラ包装、又は院内調剤の実施を可能とする画期的な技術である。
本発明に係る組成物は、例えば、以下の方法により製造することができる。3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩280g、メタクリル酸コポリマータイプA800g、酸化チタン28g、タルク40g、マンニトール1992g、結晶セルロース600g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース200gをミキサーにて均一に混合する。これにステアリン酸マグネシウム60gを加えてさらに混合し、径7.5mmの杵で打錠し、3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩を28mgを含有してなる錠剤(1錠400mg)を調製する。この方法により、安定性に優れた散剤、顆粒剤、細粒剤又は錠剤等の「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物」含有組成物を製造することができる。
次に、必要に応じて、前記錠剤400gに、酸化チタン、タルク及び三二酸化鉄(合計量24g)を均一分散させた10%ヒドロキシプロピルメチルセルロース水溶液のコーティングを施すことにより、皮膜被覆錠剤を製造することができる。
本発明によると、「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物」を含有する医薬組成物の優れた安定性の確保が可能である。その効果例を以下に示す。
実験例
1、塩を形成していないアニオン性高分子による安定化効果
製剤添加剤を加えて、塩基性薬物である3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩の100倍散を調製し、その安定性評価を行った。

1) 3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩 10mgと各種賦形剤1gを、乳鉢で混合した(塩基性薬物:添加剤=1:100の配合比)。これを透明なガラス瓶に200mg入れ、冷所、60℃相対湿度75%の条件下で1週間保存し、高速液体クロマトグラフィーにより、当該薬物の含量の残存率(%)又は類縁物質量(%)を評価した。

添加剤として、(D-マンニトール,乳糖,結晶セルロース、又は、トウモロコシデンプン)の各々を用いた場合の残存率(%)を表1に示した。添加剤として、〔タルク、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC-L)、ポリビニルピロリドン、pH調整剤であるカルボキシル基を有する有機酸(クエン酸、酒石酸、リンゴ酸)、無水ケイ酸、亜硫酸ナトリウム〕の各々を用いた場合の類縁物質量(%)は、表2に示した。

2) 薬物の製剤化において賦形剤の添加は必須となる為、D-マンニトールを主賦形剤とし,塩基性薬物と添加剤としての種々の安定化剤を、3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩:D-マンニトール:添加剤=1:90:10の配合比となるように加えて乳鉢を用いて混合し,当該塩基性薬物の100倍散を調製した。尚、安定化剤として、以下の添加剤を用いた。
(A)塩を形成してないアニオン性高分子として、カルボキシル基を有する添加剤〔メタクリル酸コポリマータイプ A(実施例1)、メタクリル酸コポリマータイプ B(実施例2)、メタクリル酸コポリマータイプ C(実施例3)、カルボキシビニルポリマー(実施例4)、カルボキシメチルセルロース(実施例5)〕
(B)塩を形成しているアニオン性高分子として、カルボキシル基を有する添加剤〔カルボキシメチルセルロースカルシウム(参考例6)〕
(C)塩を形成していないアニオン性低分子として、カルボキシル基を有する添加剤〔L-アスパラギン酸(参考例1)、ステアリン酸(参考例2)〕
(D)塩を形成してないカチオン性高分子の添加剤
〔アミノアルキルメタクリレート(参考例5)〕
(E)塩を形成している低分子アルカリ性塩の添加剤
〔リン酸二水素カリウム(参考例3)、無水リン酸水素カルシウム(参考例4)〕
これらの各々の混合物を透明なガラス瓶に200mg入れ、冷所、60℃相対湿度75%の条件下で1週間保存し、高速液体クロマトグラフィーにより、含量の残存率(%)を評価した。尚、対照実験として、当該塩基性薬物とD-マンニトールのみを混合した試料について同様の評価を行った。
含量の残存率(%)を、表3に示した。

3)3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩の種々濃度の水溶液50ml中に、塩を形成してないアニオン性高分子1gを添加し、溶液を25℃にて1時間攪拌した後、溶液を遠心分離し上澄み液をとり、高速液体クロマトグラフィーにより安定化剤が添加された溶液中の当該塩基性薬物の重量を算出して、安定化剤を添加する前の当該塩基性薬物の重量から差し引くことにより塩を形成してないアニオン性高分子に吸着した当該塩基性薬物の重量(mg)を求めた。尚、塩を形成してないアニオン性高分子として、カルボキシル基を有する3種類の添加剤〔メタクリル酸コポリマータイプ A、メタクリル酸コポリマータイプ B、カルボキシメチルセルロース〕を使用した。
当該アニオン性高分子に吸着した当該塩基性薬物の重量の変化を、図2に示した。
高速液体クロマトグラフィーによる測定条件を下記に示した。

(表1および表3の測定条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:268nm)
カラム:内径4.6mm、長さ7.5cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたもの
カラム温度:30℃付近の一定温度
移動相A:水950mLにアセトニトリル50mLおよび過塩素酸2mL加える。
移動相B:水200mLにアセトニトリル800mLおよび過塩素酸2mL加える。
移動相の送液:移動相Aおよび移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御した。
注入後からの時間(分) 移動相A(%) 移動相B(%)
0〜12 100から55 0から45
12〜14 55から0 45から100
14〜16 0から0 100から100
16〜17 0から100 100から0
流量:1.0mL/分

(表2の測定条件)
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:268nm)
カラム:内径4.6mm、長さ5cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたもの
カラム温度:50℃付近の一定温度
移動相A:水990mLにアセトニトリル10mLおよびトリフルオロ酢酸1mL加える。
移動相B:水100mLにアセトニトリル900mLおよびトリフルオロ酢酸1mL加える。
移動相の送液:移動相Aおよび移動相Bの混合比を次のように変えて濃度勾配制御した。
注入後からの時間(分) 移動相A(%) 移動相B(%)
0〜8 99から75 1から25
8〜10 75から0 25から100
10〜12 0から0 100から100
12〜13 0から99 100から1
流量:2.0mL/分
尚、残存率(%)は、冷所保存品の含量を100%としたときの60℃相対湿度75%保存品の含量を残存率として求め、表2の類縁物質量は相対面積法により求めた。また、色の着色変化について目視で評価した。尚、対照実験として、添加剤を配合しない当該塩基性薬物のみの試料について同様の評価を行った。
Figure 2005053859
Figure 2005053859
Figure 2005053859
表1に示すように、「水分存在化で溶解して化学的に分解するが水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物」〔3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩〕は、加温加湿保存条件下で、当該塩基性薬物単独では安定であるにもかかわらず、主要な賦形剤との混合により含量残存率の大きな低下が認められた。また、混合物のいずれにおいても、着色変化が認められた。加湿保存条件下では、賦形剤がその表面に水分を吸着し、その吸着水層中に当該塩基性薬物の一部が溶解して溶液状態で存在することになり、分解が促進された為である。
また、表2に示すように、賦形剤以外の種々添加剤の配合においても、加温加湿保存条件下で、分解が認められた。当該塩基性薬物は、水分存在化で溶解して化学的に分解するが水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有するにもかかわらず、pH調整剤であるカルボキシル基を有する有機酸(クエン酸、酒石酸、リンゴ酸)の添加により、より激しい分解の促進が認められた。これは、加湿保存下において、有機酸が水分を吸着して溶解し、その溶解した吸着水層中に当該塩基性薬物の一部が溶解して溶解状態で存在することになり、分解が促進される為である。尚、崩壊剤である低置換度ヒドロキシプロピルセルロース(L-HPC)、滑沢剤であるタルク、ステアリン酸マグネシウムは、当該塩基性薬物の分解は促進されるが、その程度は小さかった。
しかしながら、表3に示すように、(A)塩を形成してないアニオン性高分子〔カルボキシル基を有する(メタクリル酸コポリマータイプ A、メタクリル酸コポリマータイプ B、メタクリル酸コポリマータイプ C、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース)〕を配合した場合には、賦形剤(マンニトール)の存在下においても、当該塩基性薬物の安定性向上に大きな効果が認められた。また、その安定化効果は、メタクリル酸コポリマータイプ A、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースが特に著しかった。メタクリル酸コポリマーにおいては、遊離カルボキシル基を有しているメタクリル酸の含量が50%であるタイプAが、メタクリル酸含量が30%であるタイプBよりも、安定性に優れていた。
図2に示すように、水溶液中の3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩の濃度が増すにつれて、塩を形成してないアニオン性高分子への当該塩基性薬物の吸着量の増加が認められたことから、塩を形成してないアニオン性高分子の安定化効果は、当該塩基性薬物の当該アニオン性高分子へのラングミュアー型に従う化学吸着であり、イオンコンプレックスの形成によるものと考えられた。また、吸着作用は、メタクリル酸コポリマータイプ Aとカルボキシメチルセルロースが特に優れていた。
一方、表3の参考例に示すように、(B)塩を形成しているアニオン性高分子〔カルボキシル基を有する(カルボキシメチルセルロースカルシウム)〕、(C)塩を形成していないアニオン性低分子〔カルボキシル基を有する(L-アスパラギン酸、ステアリン酸)〕では、安定化効果は全くなかった。(B)塩を形成しているアニオン性高分子は、塩であるために、当該塩基性薬物と十分なイオンコンプレックスを形成することができず、(C)塩を形成していないアニオン性低分子は、低分子であるが故に、酸性官能基の量が少なく十分なイオンコンプレックスを形成できないことを示している。また、(D)塩を形成してないカチオン性高分子〔アミノアルキルメタクリレート〕、(E)塩を形成している低分子アルカリ性塩〔リン酸二水素カリウム、無水リン酸水素カルシウム〕には安定化効果はなく当該塩基性薬物の分解が認められた。
以上の結果から、「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物」は、医薬組成物中で、「塩を形成していないアニオン性高分子」と接触状態で存在した場合に、大きな安定化効果が得られることは明らかである。
2、塩を形成していないアニオン性高分子の添加量の効果
1)D-マンニトールを主賦形剤とし、安定化剤としてのメタクリル酸コポリマータイプAの配合量を変化させて、3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩と共に乳鉢を用いて混合し,当該塩基性薬物の100倍散を調製した。尚、メタクリル酸コポリマータイプAの配合量は、混合物(医薬組成物)1重量部に対し、0.05重量部(5%、実施例6)、0.1重量部(10%、実施例7)、0.2重量部(20%、実施例8)とした。
これらの各々の混合物を透明なガラス瓶に200mg入れ、冷所、60℃相対湿度75%の条件下で18日間保存し、高速液体クロマトグラフィーにより、含量の残存率(%)の評価を行った。尚、対照実験として、当該塩基性薬物とD-マンニトールのみを混合した試料について同様の評価を行った。
含量の残存率(%)を、表4に示した。

2)D-マンニトールを主賦形剤とし、安定化剤としてのメタクリル酸コポリマータイプAの配合量を変化させて、3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩2.8mgを含有する錠剤(錠剤重量100mg)を製造した。尚、メタクリル酸コポリマータイプAの配合量は、下記錠剤1重量部に対し、0.1重量部(10%、実施例9)、0.15重量部(15%、実施例10)、0.2重量部(20%、実施例11)とし、下記実施例9〜11で製造した錠剤を使用した。
これらの各々の錠剤を透明なガラス瓶に2錠(200mg)入れ、冷所、60℃の条件下で1週間保存し、高速液体クロマトグラフィーにより、類縁物質量(%)の評価を行った。また、錠剤の外観の着色変化の有無について目視で評価した。
類縁物質量(%)は、表5に示した。
Figure 2005053859
Figure 2005053859
表4に示すように、メタクリル酸コポリマータイプA を配合することにより、いずれの配合量〔医薬組成物1重量部に対し、0.05重量部(実施例6)、0.1重量部(実施例7)、0.2重量部(実施例8)〕においても、対照例と比較して、粉体混合物中における当該塩基性薬物〔3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩〕の著しい安定性の向上が認められた。
また、当該塩基性薬物〔3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩〕2.8mgを含有する錠剤(錠剤重量100mg)においても、同様に、メタクリル酸コポリマータイプAの配合量〔錠剤1重量部に対し、0.1重量部(実施例9)、0.15重量部(実施例10)、0.2重量部(実施例11)〕を増すほど、当該塩基性薬物〔3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩〕の分解が抑制され安定化された。また、錠剤の外観の変化はほとんど認めなかった。
医薬組成物中の「塩を形成していないアニオン性高分子」の配合比率を多くするほど、「水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物」の安定性が向上することは明らかである。
(実施例)
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるわけではない。
実施例1〜5
3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩、D-マンニトール及び種々の塩を形成してないアニオン性高分子を、1:90:10の重量配合比で乳鉢内で混合し,当該塩基性薬物の100倍散を得た。塩を形成してないアニオン性高分子として、メタクリル酸コポリマータイプ A(実施例1)、メタクリル酸コポリマータイプ B(実施例2)、メタクリル酸コポリマータイプ C(実施例3)、カルボキシビニルポリマー(実施例4)、カルボキシメチルセルロース(実施例5)を用いた。
実施例6〜8
3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩、D-マンニトール及びメタクリル酸コポリマータイプAを、1:94:5(実施例6)、1:89:10(実施例7)、1:79:20(実施例8)の重量配合比で乳鉢内で混合し,当該塩基性薬物の100倍散を得た。
実施例9〜11
表5に記載した処方に従い、以下の方法により錠剤を製造した。
3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩、メタクリル酸コポリマータイプA、酸化チタン、タルク、マンニトール、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを、各々、表5の処方重量比でミキサーにて混合し、ステアリン酸マグネシウムを添加し混合後、径6.5mmで打錠して、1錠中に3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩を2.8mg含有する錠剤(100mg)を得た。
実施例12〜14
下記の表6に記載した処方に従い、錠剤を製造した。
実施例14の製法を下記に示した。
(実施例14)
3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩112.1g、酸化チタン11.2gをミキサーにて混合した。次に、メタクリル酸コポリマータイプA80g、タルク4g、マンニトール106.7g、結晶セルロース60g、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース20gを加えてミキサーにて混合し、ステアリン酸マグネシウムを添加し混合後、径10mmで打錠して、1錠中に3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩を112.1mg(3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オンとして100mg)を含有する錠剤(400mg)を得た。
次に、流動層造粒装置を用いて、着色剤(酸化チタン、タルク)を分散させたヒドロキシプロピルメチルセルロースの10%水溶液を当該錠剤にコーティングし、1錠中に3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩を112.1mg(3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オンとして100mg)を含有する被覆錠剤(414mg)を得た。

尚、実施例12及び実施例13は、表6に示す処方と打錠時の杵の径以外は、実施例14と同様の方法により製造した。

(実施例12)
表6に示す処方を用いて、実施例14と同様の方法により、径6.5mmで打錠して、1錠中に3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩を2.8mg(3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オンとして2.5mg)を含有する錠剤(100mg)を得た。次に、流動層造粒装置を用いて、着色剤(酸化チタン、タルク)を分散させたヒドロキシプロピルメチルセルロースの10%水溶液を当該錠剤にコーティングし、1錠中に3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩を2.8mg(3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オンとして2.5mg)を含有する被覆錠剤(106mg)を得た。

(実施例13)
表6に示す処方を用いて、実施例14と同様の方法により、径6.5mmで打錠して、1錠中に3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩を28mg(3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オンとして25mg)を含有する錠剤(400mg)を得た。
次に、流動層造粒装置を用いて、着色剤(酸化チタン、タルク)を分散させたヒドロキシプロピルメチルセルロースの10%水溶液を当該錠剤にコーティングし、1錠中に3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩を28mg(3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オンとして25mg)を含有する被覆錠剤(414mg)を得た。
Figure 2005053859

実施例12及び実施例14の被覆錠剤について、3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩の含量と類縁物質量を高速液体クロマトグラフィーにより安定性試験の評価を行った。尚、評価は、製造直後の錠剤、冷所で3ヶ月保存した錠剤、40℃相対湿度75%の条件下で1ヶ月及び3ヶ月保存した錠剤について行った。また、実施例12については、日本薬局方溶出試験法に従い、日本薬局方第2液(pH6.8)900mlを用いてパドル法(50rpm.)で試験を行ない、15分後の3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン1塩酸塩の溶出率を高速液体クロマトグラフィーにより評価した。被覆錠剤の安定性試験の結果を表7及び表8に示した。
Figure 2005053859
Figure 2005053859
実施例12及び実施例14の被覆錠剤は、含量、類縁物質量及び溶出率とも経時的な変化はほとんどなく安定であった。
3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩の水溶液中における見かけの分解速度定数(Kobs)のpHプロファイルを、示すグラフである。 尚、分解速度は、以下の方法により算出した。即ち、当該薬物を0.005%濃度含有するpH2、pH5、pH6、pH7、pH9、pH10、pH11、pH12の緩衝液を調整し、これをガラス瓶に各々2ml充填し、40C、50C、60C下で24時間、84時間、156時間保存し、高速液体クロマトグラフィーにより、当該薬物の含量の残存率(%)を求めた。尚、残存率(%)は、調製直後の含量を100%としたときの各加温条件下での保存品の含量とした。得られた残存率(%)のFirst-order plotを行ない、見かけの分解速度定数(K obs)を求めた。
3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン 1塩酸塩の種々濃度の水溶液中において、安定化剤1gに吸着した当該塩基性薬物の重量(mg)の変化を、示すグラフである。 尚、安定化剤1gに吸着した当該塩基性薬物の重量(mg)は、以下の方法に従って実験し、算出した。即ち、当該塩基性薬物を約0.001%濃度から約0.45%濃度含む水溶液の各50ml中に、安定化剤1gを添加し、その溶液を25℃にて1時間攪拌した。攪拌後、遠心分離し、上澄み液を試料溶液とした。また、同様に安定化剤を加えないものを調製し標準溶液とした。試料溶液および標準溶液10μLにつき、次の条件で高速液体クロマトグラフ法により試験を行い溶液中の遊離している当該塩基性薬物の重量を算出した。安定化剤が入る前の各溶液の濃度より求めた当該塩基性薬物の重量から、測定により求めた安定化剤が入った溶液中の当該塩基性薬物の重量を差し引くことにより、安定化剤に吸着した薬物の重量を算出した。高速液体クロマトグラフィーの分析条件を以下に示す。検出器:紫外吸光光度計(測定波長:320nm)カラム:内径4.6mm、長さ7.5cmのステンレス管に3μmの液体クロマトグラフ用オクタデシルシリル化シリカゲルを充てんしたものカラム温度:30℃付近の一定温度移動相:水780mLにアセトニトリル220mLおよび過塩素酸1mL加える。流量:1.0mL/分

Claims (15)

  1. 1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物、及び2)塩を形成していないアニオン性高分子を接触状態で含有してなる安定化された医薬組成物
  2. 塩基性薬物が、ピペリジン骨格を有する請求項1記載の医薬組成物
  3. 塩基性薬物が、 一般式
    Figure 2005053859
    [式中、Aは、式
    Figure 2005053859
    で表される基を意味する;
    は、メチレン基、1,2−エチレン基または1,1−エチレン基を意味する;
    は、式
    Figure 2005053859
    (式中、R51、R53、R54、R55およびR57は、それぞれ独立して水素原子、水酸基、ハロゲン原子、アルキル基、シアノ基またはヒドロキシメチル基であり、且つ、R51、R53、R54、R55およびR57のうち少なくともいずれか4個が水素原子を意味する)で表される基を意味する;
    は、式
    Figure 2005053859
    (式中、X45は、フッ素原子、水酸基、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基からなる群から選ばれる1個の基を有していてもよいメチレン基または式−CF−を意味する。)で表わされる基を意味する;
    は、式
    Figure 2005053859
    で表わされる基を意味する。]
    で表わされる化合物もしくはその薬理的に許容される塩またはそれらの水和物である請求項1又は2記載の医薬組成物
  4. 51、R53、R54、R55およびR57がすべて水素原子である、請求項3記載の医薬組成物
  5. 2が、式
    Figure 2005053859
    で表わされる基である請求項3又は4記載の医薬組成物
  6. 一般式(1)で表される化合物が、
    1)3−[4−[2−(2,3−ジヒドロベンゾフラン−7−イル)エチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    2)3−[4−(2−フルオロフェノキシメチル)ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    3)3−[4−(2−メトキシフェノキシメチル)ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    4)3−[4−(2−メチルフェノキシメチル)ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    5)(E)−3−[4−[2−(3−メチル−2−チエニル)ビニル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    6)3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    7)3−[4−[2−(2−メチルフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    8)3−[4−[2−(2−メトキシフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    9)6−[2−[4−(2−フルオロフェノキシメチル)ピペリジノ]エチル]−1H−ピラジン−2−オン、
    10)3−[4−[2−[2−(メチルチオ)フェニル]アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    11)3−[4−[2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    12)3−[4−[2−(2−エトキシフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    13)3−[1−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]エチル]−1H−ピラジン−2−オン、
    14)3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]−4−メチルピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン
    15)3−[4−メチル−4−[2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    16)3−[4−[2−[2−フルオロ−6−(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン、
    17)3−[1−[4−[2−[2−(トリフルオロメチル)フェニル]アセチル]ピペリジノ]エチル]−1H−ピラジン−2−オン、
    18)cis−3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]−2−メチルピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オン;
    から選ばれた一種である化合物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物である請求項3記載の医薬組成物。
  7. 一般式(1)で表される化合物が、
    3−[4−[2−(2−フルオロフェニル)アセチル]ピペリジノ]メチル−1H−ピラジン−2−オンもしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物である請求項3〜5のいずれか1項記載の医薬組成物。
  8. アニオン性高分子が、カルボキシル基を有する高分子である請求項1〜7のいずれか1項記載の医薬組成物
  9. アニオン性高分子が、メタクリル酸コポリマータイプA、メタクリル酸コポリマータイプB、メタクリル酸コポリマータイプC、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸、酢酸フタルセルロース及び/又はヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートである請求項1〜8のいずれか1項記載の医薬組成物
  10. 塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物1重量部に対し、アニオン性高分子0.1〜20重量部を接触状態で含有してなる請求項1〜9のいずれか1項記載の医薬組成物
  11. 塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物の水に対する溶解度が、1W/W%以上である請求項1〜10のいずれか1項記載の医薬組成物。
  12. 固形製剤である請求項1〜11のいずれか1項記載の医薬組成物
  13. 固形製剤が、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤及び/又はカプセル剤である請求項12記載の医薬組成物
  14. 1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、2)塩を形成していないアニオン性高分子を接触状態で配合することを特徴とする安定化された医薬組成物の製造方法
  15. 1)水分存在化で溶解して化学的に分解するが、水溶液中では中性又は塩基性pH下と比較して酸性pH下で化学的分解が少ない特性を有する塩基性薬物もしくはその薬理的に許容される塩又はそれらの水和物に、2)塩を形成していないアニオン性高分子を接触状態で配合することを特徴とする当該塩基性薬物の安定化方法

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