JP2005048796A - 自動調整弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】主弁上流側の圧力を一定に保つ1次圧力調整弁としての機能を持つのみならず、弁閉機能が完璧で、パイロット弁が目詰まりせず、作動が迅速でありながらチャタリングやハンチングが起こりにくく、主弁上流側圧力が急速に低下した場合にはただちに閉鎖して液の流過を阻止できる自動調整弁装置を得る。
【解決手段】主弁装置は、主弁体と主弁駆動部材とを備え、主弁駆動部材は主弁箱の円筒状壁部との間に圧力室を形成し、パイロット弁装置は、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通するA弁装置と、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば開通し、低くなれば閉鎖するB弁装置と、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通するC弁装置とからなり、A弁装置とB弁装置とが、中間に圧力室を介して、主弁装置の上流側と下流側との間に連通路によって直列的に連通されると共に、別の連通路中にC弁装置が介設される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体輸送管路に設置する自動調整弁装置に関するものであり、より詳しくは、主弁上流側の管路内圧力を自動的に所定値に維持する1次圧力調整弁に関するものである。なお、本明細書中、「水」や「液」の語は流体を総称的に代表するものとする。
【0002】
【従来の技術】
従来から、中高層ビルの空調、冷暖房設備においては、地下に設置された熱交換器によって製造された冷水や温水を、ポンプによって各階の空調機器に循環させることが、一般的に行われている。
その一例として、循環回路が開放回路(回路の一部が大気開放されている)の場合を示したのが図8である。この場合、各階の空調機器101の温度コントロール(空調機器101に付随する開閉弁102の開閉調節)によって循環回路の負荷が変動しても、熱交換器103やポンプ104が定流量で運転できるようにしておくことが必要であり、このため、循環回路の往路107と帰路108の圧力を一定に保つための装備として、往路107と帰路108にそれぞれ1次圧力調整弁を設置することが多い。
【0003】
このうち、往路107側に設置する1次圧力調整弁V’は、ポンプ104の運転中に所定限度を超えた圧力上昇分を循環回路外に逃がして、往路107内の圧力を一定に保つという役割があるので、一般的に「リリーフ弁」とも称されており、一方、帰路108側に設置する1次圧力調整弁Vは、ポンプ104の運転中に各階の空調機器101経過後の帰路108の圧力を一定に保つという役割と共に、ポンプ104の停止時に帰路108中の冷温水が地下の貯液槽110に抜け落ちるのを防止し、ひいてはポンプ104の再起動時の配管ウォーターハンマーを防止するという役割もあるので、一般的に「落水防止弁」とも称されている。
【0004】
従来から一般的に、1次圧力調整弁としては、主弁上流側の管路内圧力(1次圧力)を検知し、例えばニードル弁のような固定的な絞り調節流路で流量を絞りながら作用させたパイロット弁によって、主弁駆動用のピストンやダイヤフラムを作動させる構造のものが広く用いられて来た。
【0005】
従来の1次圧力調整弁の典型的な構成は、図9に示したように、主弁装置Mにおいては、入口流路aと出口流路cとその連通流路中に主弁座4を備えた主弁箱1の内部に、一体的に組み合わされた主弁体5と該主弁体5より大きい受圧面積を持つ主弁駆動部材6とが主弁軸7を介して進退自在に設けられ、主弁駆動部材6は主弁箱の円筒状壁部3に対して滑動自在に嵌装されて、該壁部3及び主弁箱蓋2との間に主弁駆動圧力室dを形成し、そして、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば開通し、低くなれば閉鎖するパイロット弁装置Pが付設され、主弁駆動圧力室dは、固定絞り調節弁10を介して主弁上流側の入口流路aに連通されると共に、パイロット弁装置Pを介して主弁下流側の出口流路cに連通されている。パイロット弁装置Pにおいては、受圧板を挟んだ一方には主弁上流側圧力が導入され、反対側には所定圧力手段としてのばねが装着されて、その主弁上流側圧力とばね付勢力とのバランスによって作動する弁体がパイロット流路を開閉するようになっている。
そしてこの構成によって、主弁上流側圧力が所定値より高くなった場合には、パイロット弁装置Pが開通し、主弁駆動圧力室dの内圧が主弁下流側圧力に向かって低下し、主弁体5が開弁作動し、一方、主弁上流側圧力が所定値より低くなった場合には、パイロット弁装置Pが閉鎖し、主弁駆動圧力室dの内圧が主弁上流側圧力に向かって上昇し、主弁体5が閉鎖作動し、これらの自動開閉作動によって主弁装置Mの通過流量を調節して主弁上流側圧力を一定に保つというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来技術による1次圧力調整弁には、次のような問題がある。
(1)主弁駆動部材6が円筒状壁部3に接する部分のシール部材6sは、主弁締切り時において漏れを許さない完璧な密封性を要する構造のものが多く、種々のシール手段を追求し、更にベローズやダイヤフラム等を採用してその課題を解決しようとしているが、特に大型化・高圧化するほど、シール部分の耐久性や加工精度に困難を生じ、また、保守管理上も煩わしさが残る。即ち、主弁締切り時の下流側への液漏れが発生しやすい。
(2)1次圧力調整中の急激な流動変化による圧力脈動の影響(いわゆる「チャタリング」や「ハンチング」)を防止するために、従来技術のものでは、主弁上流側の液を導入する連通路の途中に、例えばニードル弁のような固定絞り調節弁10を必要とし、この固定した精細な流路がスケール・異物等の目詰まり事故の原因となる。そのためにストレーナー等が必要で、清浄液以外では扱いにくいものである。
(3)所定の1次圧力を設定するための調節が、ニードル弁等の固定絞り調節弁10とパイロット弁装置Pの2箇所の兼ね合いを見ながらの調節となり、運転・保守管理上の手が掛かる。
(4)主弁駆動圧力室dの圧力増減制御は、専らパイロット弁装置Pを介して出口流路cに排出するパイロット液の増減制御によってなされており、その間も、固定絞り調節弁10を介して入口流路aから常にパイロット液が流入しているため、主弁駆動圧力室dの圧力増減制御が迅速には行いにくい。
(5)しかも、この固定絞り調節弁10を介して流入している流量は、少量に固定されているから、前述のようなポンプ停止時に管内水の抜け落ち防止のために急速に主弁を閉鎖しなくてはならない場合には、主弁駆動圧力室dへのパイロット液の供給が遅すぎて対応できず、「落水防止」という要求を満たすことができない。
【0007】
なお、このパイロット弁装置と主弁装置を一体化した「直動型」の1次圧力調整弁も広く用いられているが、この直動型においても、同様の技術的思想に依拠しているため、やはり上記(1)〜(5)の問題を有している。
【0008】
上記問題の内の(5)の点に関しては、ポンプ停止時の主弁閉鎖時間を短縮する方法として、図10に示したような、主弁駆動圧力室dへのパイロット液の補給を行うサブパイロット弁装置Sを追加装備したものも広く使用されている。
即ち、主弁駆動圧力室dは、固定絞り調節弁10よりも大きい通路を備えたサブパイロット弁装置Sを介して主弁上流側の入口流路aに連通されている。サブパイロット弁装置Sにおいては、受圧板を挟んだ一方には主弁上流側圧力が導入され、反対側には所定圧力手段としてのばねが装着されて、その主弁上流側圧力とばね付勢力とのバランスによって作動する弁体がパイロット流路を開閉するようになっている。
そしてこの構成によって、主弁上流側圧力が所定値より高い場合には、サブパイロット弁装置Sが閉鎖状態を維持しているが、主弁上流側圧力が所定値より低くなった場合には、サブパイロット弁装置Sが開通し、その通過流量が固定絞り調節弁10よりも大きいことから主弁駆動圧力室dの内圧が主弁上流側圧力に向かって速く上昇し、主弁体5が速く閉鎖作動して、落水防止の機能を果たすというものである。
【0009】
しかし、この装置は、追加のサブパイロット弁装置Sを十分に大きくするならば上記(5)の問題を一応解決できるとはいうものの、スペースをとる上、このサブパイロット弁装置Sによるパイロット液の補給が、上記(2)に述べた固定絞り調節弁10によるパイロット液の流入規制の効果を減殺してチャタリングやハンチングを引き起こす原因となりかねないため、安定的な運転のためには、サブパイロット弁装置Sの圧力設定や流量設定が極めて微妙となるなどの煩わしさが残る。そして、いずれにしても、残る(1)〜(4)の問題は未解決のまま残している。
【0010】
そこで、本発明は、1次圧力調整弁としての優れた自動調整機能を発揮するのみならず、締切り密封機能も完璧であり、パイロット弁装置部からニードル弁等の固定的な絞り調節流路を排除し、パイロット弁装置部の自掃作動による目詰まり防止機能も備え、作動が迅速でありながらチャタリングやハンチングが起こりにくく、更には、給液ポンプの停止などによって主弁上流側圧力が急速に低下した場合にはただちに閉鎖して液の流過を阻止する「落水防止弁」としての機能も発揮する、取扱い簡単で便利な自動調整弁装置を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、
主流路を開閉する主弁装置がパイロット弁装置に連係して駆動される自動調整弁装置において、
主弁装置は、主弁箱の内部に一体的に組み込まれた主弁体と該主弁体より大きい受圧面積を持つ主弁駆動部材とを備え、主弁体は主弁座の上流側に位置して、主弁座との間に絞り流路を形成し、主弁駆動部材は主弁箱の円筒状壁部に対して滑動自在に嵌装されて、該壁部との間に主弁駆動圧力室を形成し、
パイロット弁装置は、
前記主弁装置の上流側圧力と所定圧力手段との対向作用力のバランスによって作動し、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通するパイロットA弁装置と、
前記主弁装置の上流側圧力と所定圧力手段との対向作用力のバランスによって作動し、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば開通し、低くなれば閉鎖するパイロットB弁装置と、
前記主弁装置の上流側圧力と所定圧力手段との対向作用力のバランスによって作動し、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通するパイロットC弁装置とからなり、
前記パイロットA弁装置と前記パイロットB弁装置とが、中間に前記主弁駆動圧力室を介して、前記主弁装置の上流側と下流側との間に連通路によって直列的に連通されると共に、前記主弁装置の主流路と前記主弁駆動圧力室との間に更に設けられた連通路中に前記パイロットC弁装置が介設されたことを特徴とする。
【0012】
この発明においては、前記パイロットA弁装置と前記パイロットB弁装置の両弁体が同軸上に設けられ、前記主弁装置の上流側圧力と1個の所定圧力手段との対向作用力のバランスによって、両弁体が連動して作動する構造に構成されてもよい。
又、前記パイロットA弁装置、前記パイロットB弁装置、前記パイロットC弁装置の3弁体が同軸上に設けられ、前記主弁装置の上流側圧力と1個の所定圧力手段との対向作用力のバランスによって、3弁体が連動して作動する構造に構成されてもよい。
【0013】
上記の構成に基づいて、本発明の自動調整弁装置は、主弁装置の上流側圧力の変化によって開閉するパイロットA弁装置とパイロットB弁装置とが、連動作動を行い、主弁駆動圧力室の内圧を適宜に増減して、主弁体の開度を調整しながら通過流量を自動制御し、1次圧力調整弁としての優れた自動調整機能を発揮する。又、締切り密封性も容易に達成できる。
又、パイロットA弁装置、B弁装置のいずれにもニードル弁等の固定的な絞り調節流路がないので、スケール・異物等による目詰まりは発生しにくく、又、万一目詰まりが発生しても、その目詰まりによって生ずる圧力変化によって、その弁体が自動的に開弁する自掃作動を行い、目詰まりを排除するという機能も備えている。
又、パイロットA弁装置、B弁装置の両弁体が一体的に連動して、パイロット弁装置内で主弁上流側圧力と主弁下流側圧力の混合を行い、その合成圧力を主弁駆動圧力室に送り込んで流況変化に速やかに対応する仕組みとなっているので、作動が迅速である。しかも、チャタリングやハンチングが発生しにくい。
【0014】
そして、給液ポンプの停止などによって主弁上流側圧力が急速に低下した場合には、パイロットA弁装置、B弁装置、C弁装置の協動により、主弁をただちに閉鎖して、液の流過を阻止する「落水防止弁」としての機能を発揮する
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を、実施例を示した図面に基づいて説明する。
なお、以下便宜上の用語として、パイロットA弁装置は「A弁装置」、その弁体は「A弁体」、パイロットB弁装置は「B弁装置」、その弁体は「B弁体」、パイロットC弁装置は「C弁装置」、その弁体は「C弁体」、主弁上流側圧力は「1次圧力」、主弁下流側圧力は「2次圧力」と呼称する。又、各図において共通の役割をする部材には共通の図面符号を付してある。
【0016】
まず、第1実施例を示した図1に基づいて説明すると、その主弁装置Mの図においては、1は入口流路aから出口流路cへの主流路を備えた主弁箱を示し、2は主弁箱蓋を示す。4は主弁座である。主弁箱1の中には、主弁座4に対して上流側に設けられた主弁体5と、主弁箱1の円筒状壁部3に対してシール部材6s(このシールは逸流阻止程度の粗雑な密封性で充分である)を介して滑動自在に嵌装された主弁駆動部材6と、両部材5;6を一体的に組み合わせる主弁軸7とを備えている。この主弁軸7は軸受9によって進退自在に支持されている。そして、主弁駆動部材6と円筒状壁部3及び主弁箱蓋2に包まれて袋室状の主弁駆動圧力室dが形成されており、その内圧の増減により主弁体5が駆動され、主弁座4との間の主弁開口部bを開閉する。主弁体5と主弁駆動部材6との受圧面積の関係は、主弁駆動部材6の方を大きめに設定する。
なお、図中の主弁ばね8は、最初の通液時の主弁体5の作動の安定上は望ましいものではあるが、以後の作動には特に関係がないので省略してもよい。
【0017】
そして、1次圧力の変化に対応して、その1次圧力が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通するA弁装置と、1次圧力が所定値より高くなれば開通し、低くなれば閉鎖するB弁装置とが、その中間に主弁駆動圧力室dを介して、主弁上流側と主弁下流側との間に連通路によって直列的に連通され、更に、1次圧力が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通するC弁装置が、主流路(本実施例においては主弁上流側)と主弁駆動圧力室dとの間に別途設けられた連通路中に介設されることによって、主弁駆動圧力室dが主弁駆動の作動圧力室として機能するよう構成されている。
【0018】
パイロットA弁装置及びB弁装置の図においては、21は弁箱、22は弁箱蓋を示す。弁箱21の中には、A弁装置のA弁室f、B弁装置のB弁室h、A弁装置とB弁装置の間の中間室g、1次圧力室kが形成されている。A弁室fの中にはA弁体24が配設され、B弁室hの中にはB弁体25が配設され、A弁室fとB弁室hの間に中間室gが配設されている。そして、A弁体24とB弁体25は同軸上にあって連動し、且つ、互いに相手の作動を妨げないよう、シリンダー・ピストン様式の弁開閉機構が適用されている。又、その作動時に、一方が開き一方が閉鎖するという状態のみならず、両弁体24;25共にほぼ閉鎖する状態も生み出し得る位置間隔に配設されている。23は受圧板、23sはシール部材、26は両弁体24;25を受圧板23と一体的に組み合わせる弁軸を示す。又、弁箱蓋22の側には所定圧力手段としてのばね27(例示したものは圧縮コイルばね)が付設されている。
なお、B弁体25については、閉鎖時の厳密な密封性を示すため、シール部材が図示されている。そして、A弁体24については、閉鎖時の厳密な密封性は必要なく、幾分洩れ気味であってもよいことが図示されている。勿論、A弁体24にも厳密な密封性を付加しても何ら差し支えない。又、締切り密封機能を必要としない仕様の場合には、両弁体24;25共に、閉鎖時の厳密な密封性は必要ない。
【0019】
1次圧力室kは連通路rにより入口流路aの1次圧力に連通されている。A弁室fは連通路pにより入口流路aに連通され、中間室gは連通路mにより主弁駆動圧力室dに連通され、そしてB弁室hは連通路qにより出口流路cに連通されている。
【0020】
パイロットC弁装置の図においては、31は弁箱、32は弁箱蓋を示す。弁箱31の中には、C弁室i、室j、1次圧力室k’が形成されている。C弁室iの中にはC弁体34が配設されている。33は受圧板、33sはシール部材、36はC弁体34を受圧板33と一体的に組み合わせる弁軸を示す。又、弁箱蓋32の側には所定圧力手段としてのばね37(例示したものは圧縮コイルばね)が付設されている。
C弁体34については、シール部材が図示されており、C弁体34の開閉作動を明解にするためにはこのようなシール部材を装着することが好ましいものの、主弁体5の閉鎖時の厳密な水密性は、主弁体5のシール部材5sとB弁体25のシール部材によって達成されているので、このC弁体34については、閉鎖時の厳密な密封性は必須ではなく、幾分洩れ気味であっても差し支えない。
【0021】
1次圧力室k’は連通路r’により入口流路aの1次圧力に連通されている。C弁室iは連通路p’により入口流路aに連通され、そして室jは連通路m’により主弁駆動圧力室dに連通されている。この連通路配管は、逆向きに(即ちC弁室iを主弁駆動圧力室dに、室jを入口流路aに)連通させてもよいことは勿論である。
【0022】
なお、このC弁装置の弁体34および連通路p’;m’は、A弁装置;B弁装置の弁体24;25および連通路p;m;qよりも口径を大きく設定するほうが、本装置の「落水防止弁」としての明解な作動のためには好ましく、図中においても、連通路p’;m’の方を連通路p;m;qよりも太い一点鎖線にて表示している。
又、ばね27;37の力は、所要の1次圧力と均衡できる範囲値のものを選定しておくことは勿論であるが、本装置の明解な作動のためにはC弁装置のばね37の設定圧力をA弁装置;B弁装置のばね27の設定圧力よりも低めに設定しておくことが好ましい。
【0023】
次に、本発明の作用について説明する。
図8に例示された循環回路(貯液槽110及び熱交換器103→ポンプ104、逆止弁105、開閉弁106等の送液機器→循環往路107→空調機器101、開閉弁102、空気抜き弁109等の各階設備→循環帰路108→貯液槽110及び熱交換器103)において、循環往路107と循環帰路108の圧力を一定に維持するために、往路107のバイパス配管と帰路108に第1実施例(図1)の自動調整弁装置をそれぞれ介設して、その作動を観察するものとする。
なお、ポンプ運転時には、帰路108側の弁装置Vはほぼ開弁しているのに対し、往路107側の弁装置V’はほぼ閉鎖しているのが通常状態であるから、両弁装置の設定1次圧力には若干の差を設けておく(V’の方をVより高めにする)のが通常である。
【0024】
まず、循環帰路108に介設された自動調整弁装置Vの方について観察する。
ポンプの運転を開始してから1次圧力が未だ所定値に達していない段階では、パイロットA弁装置;B弁装置においては、ばね27の力が1次圧力室kの内圧(1次圧力)に勝っており、受圧板23は、ばね27が伸びる方向(即ち図中の右方向)に押されている。従って、A弁体24は開通、B弁体25は閉鎖している。又、C弁装置においては、ばね37の力が1次圧力室k’の内圧(1次圧力)に勝っており、受圧板33は、ばね37が伸びる方向(即ち図中の下方向)に押されている。従って、C弁体34は開通している。
これら弁体24;25;34の働きにより、主弁駆動圧力室dは入口流路aとは連通され、出口流路cとは遮断され、主弁駆動圧力室dの内圧は1次圧力となっているので、主弁体5はその前後面に作用する圧力の差によって閉鎖し、主弁体5のシール部材5sとB弁体25のシール部材が密封性を保っている。
【0025】
次に、1次圧力が上昇して所定値に達すると、パイロットA弁装置;B弁装置においては、1次圧力室kの内圧(1次圧力)が、ばね27の力に勝ち、受圧板23は、ばね27を縮める方向(即ち図中の左方向)に押し返される。従って、A弁体24は閉鎖、B弁体25は開通する。又、C弁装置においては、1次圧力室k’の内圧(1次圧力)が、ばね37の力に勝ち、受圧板33は、ばね37を縮める方向(即ち図中の上方向)に押し返される。従って、C弁体34は閉鎖する。
これら弁体24;25;34の働きにより、主弁駆動圧力室dは入口流路aとはほぼ遮断され、出口流路cとは連通され、主弁駆動圧力室dの内圧は2次圧力に向かって低下するので、主弁体5とそれより大きい受圧面積を持つ主弁駆動部材6との面積差に伴う推力の差により、主弁体5は推し開かれ、流れは入口流路a→主弁開口部b→出口流路cの方向に流動を始める。
【0026】
1次圧力が所定値に達した後は、各階の空調機器での使用流量の多寡などにより変化する1次圧力の変化を受けて、A弁体24とB弁体25が応動し、主弁駆動圧力室dの内圧を適宜に増減して、主弁体5の開度を調整しながら所定の1次圧力を維持する。
A弁体24とB弁体25は、一本の弁軸26上に揃えて設けられ、一個の所定圧力手段(ばね27)に対して一体的に連動して、パイロット弁装置内で1次圧力と2次圧力の混合を行い、その合成圧力を主弁駆動圧力室dに送り込んで流況変化に速やかに対応するという、簡明かつ合理的な仕組みとなっており、このため作動が迅速である。しかも両弁体24;25は、作動時に、一方が開通し一方が閉鎖するという状態のみならず、両弁体共にほぼ閉鎖する状態も生み出し得る位置間隔に配設され、流況が安定しているときは、両弁体共にほぼ閉鎖の状態で安定する仕組みとなっており、このため、弁体が振動するチャタリングやハンチングは発生しにくい。これらによって、本装置は1次圧力調整弁としての優れた自動調整機能を発揮する。
【0027】
A弁装置;B弁装置のいずれにも、ニードル弁等の固定的な絞り調節流路がないので、スケール・異物等による目詰まりは発生しにくい。又、万一目詰まりが発生しても、その目詰まりによって生ずる圧力変化によって、その弁体24;25が自動的に開弁する自掃作動を行う。即ち、例えばA弁体24に目詰まりが発生したとすると、連通路pから主弁駆動圧力室dへの1次圧力の導入が妨げられるので、主弁駆動圧力室dの内圧は低下し、主弁体5は開弁方向に作動して通過流量が増大し、それによって1次圧力が減少し、その結果、A弁体24が開弁方向に移動して、目詰まりを自動的に排除する。この自掃作動によって目詰まりを排除するという優れた機能を備えているので、細目のストレーナー等は不要であり、保守管理も容易である。
【0028】
このA弁装置;B弁装置が1次圧力調整作動を行っているとき、C弁装置においては、C弁体34は閉鎖状態を維持しており、A弁体24;B弁体25の1次圧力調整作動には干渉しない。特に、前述のようにC弁装置のばね37の設定圧力をA弁装置;B弁装置のばね27の設定圧力よりも低めに設定しておくと、1次圧力に若干の変動があってもC弁体34は確実に閉鎖状態を維持しているので、安定的かつ精妙な調整作動を行えるA弁装置;B弁装置に専ら1次圧力調整の役割を担わせることができ、スムーズな調整ができて好都合である。
【0029】
ポンプの運転を停止したときには、1次圧力は急速に低下するが、このとき、パイロットA弁装置;B弁装置においては、受圧板23は、ばね27が伸びる方向(即ち図中の右方向)に押され、A弁体24は開通、B弁体25は閉鎖する。又、C弁装置においては、受圧板33は、ばね37が伸びる方向(即ち図中の下方向)に押され、C弁体34は開通する。
これら弁体24;25;34の働きにより、主弁駆動圧力室dは入口流路aとは連通され、出口流路cとは遮断され、主弁駆動圧力室dの内圧は1次圧力に向かって急速に上昇するので、主弁体5はただちに閉鎖し、液の流過を阻止する。
【0030】
本発明においては、パイロットA弁装置;B弁装置が連動開閉するという構成によって、A弁装置;B弁装置のみでも主弁閉鎖は十分に迅速に作動するものであるが、特にC弁装置を設けてあるので、このC弁装置がパイロット作動液を主流路(入口流路a)から一気に主弁駆動圧力室dに追加供給することとなり、極めて迅速に主弁閉鎖を行うことができ、「落水防止弁」として高度な性能を発揮することとなる。
なお、本発明におけるC弁装置は、既に主弁閉鎖を十分に迅速に作動させ得るA弁装置;B弁装置の働きを加勢するものであるから、従来技術の主弁閉鎖加速用サブパイロット弁装置に比べればコンパクトで済むことは言うまでもない。
【0031】
主弁体5の閉鎖時に、厳密に密封性の機能を果たす部分は、主弁体5のシール部材5sとB弁体25のシール部材であり、これらは従来技術によって容易に密封性を達成できる部材である。一方、主弁駆動部材6のシール部材6sその他のシール部材は、粗雑な密封性のままにしておいても、下流側への液漏れの原因とはならない。
【0032】
以上の作動によって、循環帰路108に介設した自動調整弁装置Vは、各階の空調機器101経過後の帰路108の圧力を一定に保つという「1次圧力調整弁」としての優れた自動調整機能を果たすと共に、ポンプ104の停止時に帰路108中の冷温水が貯液槽110に抜け落ちるのを防止するという「落水防止弁」としての的確な機能も果たすものである。
【0033】
なお、ばね27;37を調整ねじ28;38にてワンタッチで調整することにより、所要の圧力設定値を調整することができる。
又、連通路q中に介設されている開閉弁29は、パイロット弁装置の作動に拘わりなく別途強制的に主弁装置Mを閉鎖させたい場合に用いるもので、常時は開通状態にしておく。主弁装置Mを閉鎖させたい場合は、開閉弁29を閉弁操作すればよく、それによって主弁駆動圧力室dの内圧は1次圧力に向かって上昇し、主弁体5を閉鎖させる。この開閉弁29は、手動操作でもよいし、各種アクチュエーター等を用いて遠隔操作してもよい。一方、別途強制的に主弁装置Mを開弁させる必要がある場合は、図示は省略したが、主弁駆動圧力室dと出口流路cとの間に別途の開閉弁を介設しておき(常時は閉鎖状態にしておく)、それを開弁操作すればよい。
【0034】
一方、図8に例示された循環往路107のバイパス配管に介設された自動調整弁装置V’の方は、帰路108側に介設された自動調整弁装置Vと同じ開閉作動を行うが、その役割は若干異なっており、主弁装置Mは上流側圧力(1次圧力)が所定値範囲に納まっているときにはほぼ閉鎖しているが、1次圧力が上昇して所定値を超えそうな状態になったときには、主弁体5が推し開かれ、流れが入口流路a→主弁開口部b→出口流路cの方向に流れて、1次圧力の上昇を抑える。即ち、往路107内の所定値以上の圧力上昇分をバイパスして逃がす「リリーフ弁」の役割をすることによって、往路107内の圧力を一定に保つという「1次圧力調整弁」としての機能を果たす。
【0035】
なお、往路107側は、帰路108側とは異なり、ポンプ停止時に往路107中の冷温水が貯液槽110に抜け落ちるのを防止するという「落水防止」の機能は逆止弁105によって容易に達成できるので、この自動調整弁装置V’には特にパイロットC弁装置が装着されていなくても用は足りることとなる。勿論、C弁装置が装着されていても差し支えないので、説明の簡単のために図8中では、帰路108側の弁装置Vと同型のものを例示している。
【0036】
次に、その他の実施例について説明する。
図2の第2実施例は、第1実施例のA弁体24とB弁体25を中間室gの中に同居させたものである。その部分的変更に伴って、連通路配管も第1実施例のものとは若干異なっているが、その他の構成及び作用効果は第1実施例と同様なので、詳述は省略する。
なお、この図2中のC弁装置については、各室i;j内でC弁体34周りに発生する偏圧を解消して、設定圧力に対してC弁装置を正確に反応作動させるために、弁軸36およびC弁体34を完全バランス構造にする一例が示してある。
【0037】
図3の第3実施例は、第1実施例の主弁駆動部材6を、第1実施例のものとは逆に主弁座4の下流側に設け、ばね27の作動方向を第1実施例のものとは逆向きにしたものである。それらの部分的変更に伴って、主弁駆動部材6及び主弁体5の作動方向が第1実施例のものとは逆向きになり(主弁体5は、主弁駆動圧力室dの内圧が1次圧力に向かって上昇したときに開弁し、内圧が2次圧力に向かって低下したときに閉鎖する)、A弁装置とB弁装置の配置及び入口流路aと出口流路cへの夫々の連通路配管も第1実施例のものとは逆になり、そして、C弁装置の設置位置も、連通路m’;q’を介して主弁駆動圧力室dと出口流路cとの間となる(落水防止の際は、C弁装置がパイロット作動液を主弁駆動圧力室dから一気に出口流路cに排出させることによって主弁体5を急閉鎖させることとなる)など、各構成要素の配設位置や作動方向が第1実施例の場合とは異なってくるが、その作用効果は第1実施例と同じであり、その他の構成も第1実施例と同様なので、詳述は省略する。
【0038】
図4の第4実施例は、第1実施例のA;B弁装置とC弁装置とを向かい合わせに合体して、A;B;C連合パイロット弁装置としたものである。但し、A弁体24;B弁体25の弁軸26とC弁体34の弁軸36とは、相互に独立した運動ができ、所要の圧力設定値も調整ねじ28;38によって夫々独立して調整できる構造にしてある。A;B;C連合パイロット弁装置に合体したのに伴って、夫々の連通路配管も第1実施例のものとは若干異なっているが、その他の構成及び作用効果は第1実施例と同様なので、詳述は省略する。
【0039】
図5の第5実施例は、第4実施例のA弁体24とB弁体25を中間室gの中に同居させたものである。その部分的変更に伴い、ばね27の作動方向が第4実施例のものとは逆向きになり、連通路配管も第4実施例のものとは若干異なっているが、その他の構成及び作用効果は第4実施例と同様なので、詳述は省略する。
【0040】
図6の第6実施例は、第4実施例のA;B;C連合パイロット弁装置の弁軸を1つにし、所定圧力手段も1つのものを共有させることによって、第4実施例のものと同様の機能を果たさせつつ、更にコンパクトな装置にしたものである。
A弁体24;B弁体25;C弁体34は同軸上に設けられ、1次圧力とばね27との対向作用力のバランスによって、この3弁体24;25;34が連動して作動し、且つ互いの作動を妨げない仕組みとなっている。即ち、C弁体34及び対応する弁座もシリンダー・ピストン様式としてある。又、前述のように、C弁体34の作動のための圧力設定値は、A弁体24;B弁体25の圧力設定値とは若干の差異をもたせるのが通常であるが、本実施例においては、その差異は、C弁体34の開閉位置とA弁体24;B弁体25の開閉位置に若干の「ずれ」を設けることによって実現している。この「ずれ」の度合は、ねじ等によって調整可能にしてもよいことは勿論である。
以上によって、第4実施例のものと同様の制御が可能となるものである。その他の構成及び作用効果は第4実施例と同様なので、詳述は省略する。
【0041】
図7の第7実施例は、第6実施例のA弁体24とB弁体25を中間室gの中に同居させたものである。その部分的変更に伴い、ばね27の作動方向が第6実施例のものとは逆向きになり、連通路配管も第6実施例のものとは若干異なっているが、その他の構成及び作用効果は第6実施例と同様なので、詳述は省略する。
なお、この図7には、主弁体5と主弁駆動部材6を一体構造にした例が図示され、又、点検・保守等のために主弁駆動圧力室dの中の水抜きを適時に行えるように、開閉弁11付きのサイフォン配管を付設した例も図示されている。
【0042】
次に、本発明の各実施例に共通の事項について説明する。
パイロットA弁装置;B弁装置については、いずれの実施例においても、A弁体24とB弁体25が連動し、且つ、互いに相手の作動を妨げないようにする仕組みの一例として、シリンダー・ピストン様式の弁開閉機構が例示されているが、このシリンダー・ピストン様式以外の様式を用いてもよいし、A弁装置;B弁装置を分けて弁体24;25を別個の弁軸上に夫々設けてもよい。
C弁装置についても同様に、A弁装置;B弁装置と協動し、且つ、互いに相手の作動を妨げないよう、A弁装置;B弁装置とは別個の弁軸上に設けてもよいし、図6〜図7のようなシリンダー・ピストン様式の弁開閉機構を用いてもよいし、目的に叶う適宜の様式を用いてよい。
A弁装置;B弁装置;C弁装置いずれについても、弁体周りに発生する偏圧を解消して設定圧力に対して正確に反応作動させるために、図2のC弁装置において例示したような完全バランス構造を適用してもよい。
その他にも、パイロット弁装置の各室f;g;h;i;j;k;k’の配置(位置関係)及び組み合わせ、それに伴う連通路配管等、この発明の趣旨の範囲内で設計変更可能であり、パイロット弁装置の構造を前記の各実施例に限定するものではない。
【0043】
パイロット弁装置の所定圧力手段については、各実施例のようなばね27;37を用いる方法の他にも、他の弾性部材を用いたり、重錘にリンクしたり、倍力機構を付加したり、気圧、液圧装置等の適用が容易にできることは勿論である。
【0044】
主弁装置Mについては、各実施例においては、主弁体5にリフト弁形式を適用しているが、この発明の趣旨の範囲内で、その他の形式の開閉弁(例えば、バタフライ弁、ゲート弁、ボール弁等)を適用してもよい。又、図7に例示したような主弁体5と主弁駆動部材6の一体構造を適用してもよい。なお、各実施例においては、主弁装置Mの構造を簡明にするために、a→b→cの主流路部と主弁駆動圧力室dの両方を主弁箱1内にコンパクトに収めたものを図示したが、その他にも、この主流路部と主弁駆動圧力室dを、2つに分割した主弁箱の夫々に収め、この2つの弁箱を貫通させた主弁軸の両端に主弁体5と主弁駆動部材6を装着する等の構造にしても差し支えない。
【0045】
仕様条件によっては、1次圧力調整作動中の不意の流動変化による圧力脈動の影響(チャタリングやハンチング)を防止する必要があるが、その対処方法の例として、各実施例に示したように、主弁開口部bの形状を流量変化をスムーズにする鋸歯状の流路としたり、その他にも、パイロットA弁装置;B弁装置に制動装置を設けたり、適宜にA弁装置;B弁装置の連通路を絞るなどしてもよい。なお、「落水防止弁」としての急閉鎖作動を阻害しない範囲で主弁装置Mを緩徐に作動させることが必要となる場合には、主弁装置Mに片効きの制動装置(主弁の開弁方向のみ制動)を設けてもよい。それらの対処方法は、いずれかを単独で採用しても、いくつかを組み合わせて採用してもよいし、それが必要とされない仕様条件下においては省略してもよい。
【0046】
各実施例にわたり、密封性を要する箇所に装着されるシール部材については、現地の仕様に合わせて適宜にOリング、シールリング、ダイヤフラム、ベローズ等を適用してよく、又、直接接触により良好な密封性を保持できる場合は、該シール部材を省略してもよい。なお、高速流が通過する可能性のある箇所には、キャビテーション防止等の目的で櫛歯状突起や整流格子等を形成してもよいことは勿論である。
その他、この発明における弁装置を構成する各部材にわたり、従来技術の援用は何ら妨げるものではなく、又、この発明の趣旨の範囲内で種々設計変更可能であり、この発明を前記の各実施例に限定するものではない。
【0047】
【発明の効果】
本発明の自動調整弁装置は、1次圧力調整弁としての優れた自動調整機能を発揮するのみならず、締切り密封機能も完璧であり、又、パイロット弁装置部にニードル弁等の固定的な絞り調節流路がなく、且つパイロット弁装置部が目詰まりしてもその弁体が自動的に開弁する自掃作動を行うので、スケール・異物等による目詰まり事故を防止するメンテナンス・フリーの利点も備えている。又、作動が迅速でありながらチャタリングやハンチングが起こりにくい。更には、給液ポンプの停止などによって主弁上流側圧力(1次圧力)が急速に低下した場合にはただちに閉鎖して液の流過を阻止する「落水防止弁」としての的確な機能も発揮する。そして、パイロット弁装置部をはじめ構造が簡潔で、大型化や高圧化も容易であり、所要の1次圧力設定・調整もワンタッチで簡単に行なえ、設計・製作・運転・保守管理に苦慮すべき部分もなく、信頼性と経済性の高い便利な自動調整弁装置を得ることができたものであり、その実施効果は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す縦断面図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す縦断面図である。
【図5】本発明の第5実施例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の第6実施例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の第7実施例を示す縦断面図である。
【図8】1次圧力調整弁の設置例を示す説明図である。
【図9】従来技術の1次圧力調整弁の一例を示す縦断面図である。
【図10】従来技術の1次圧力調整弁の他の一例を示す縦断面図である。
【符号の説明】
V…自動調整弁装置 V’…自動調整弁装置
M…主弁装置
1…主弁箱 2…主弁箱蓋
3…円筒状壁部
4…主弁座 5…主弁体 5s…シール部材
6…主弁駆動部材 6s…シール部材
7…主弁軸 8…主弁ばね
9…軸受 10…固定絞り調節弁 11…開閉弁
A…パイロットA弁装置 B…パイロットB弁装置
21…弁箱 22…弁箱蓋
23…受圧板 23s…シール部材
24…A弁体 25…B弁体
26…弁軸 27…ばね 28…調整ねじ
29…開閉弁
C…パイロットC弁装置
31…弁箱 32…弁箱蓋
33…受圧板 33s…シール部材
34…C弁体
36…弁軸 37…ばね 38…調整ねじ
a…入口流路 b…主弁開口部
c…出口流路 d…主弁駆動圧力室
f…A弁室 g…中間室 h…B弁室
i…C弁室 j…室
k;k’…1次圧力室
m;m’;p;p’;q;q’;r;r’…連通路
P…パイロット弁装置 S…サブパイロット弁装置
101…空調機器 102…開閉弁
103…熱交換器 104…ポンプ
105…逆止弁 106…開閉弁
107…循環往路 108…循環帰路
109…空気抜き弁 110…貯液槽

Claims (3)

  1. 主流路を開閉する主弁装置がパイロット弁装置に連係して駆動される自動調整弁装置において、
    主弁装置は、主弁箱の内部に一体的に組み込まれた主弁体と該主弁体より大きい受圧面積を持つ主弁駆動部材とを備え、主弁体は主弁座の上流側に位置して、主弁座との間に絞り流路を形成し、主弁駆動部材は主弁箱の円筒状壁部に対して滑動自在に嵌装されて、該壁部との間に主弁駆動圧力室を形成し、
    パイロット弁装置は、
    前記主弁装置の上流側圧力と所定圧力手段との対向作用力のバランスによって作動し、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通するパイロットA弁装置と、
    前記主弁装置の上流側圧力と所定圧力手段との対向作用力のバランスによって作動し、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば開通し、低くなれば閉鎖するパイロットB弁装置と、
    前記主弁装置の上流側圧力と所定圧力手段との対向作用力のバランスによって作動し、主弁上流側圧力が所定値より高くなれば閉鎖し、低くなれば開通するパイロットC弁装置とからなり、
    前記パイロットA弁装置と前記パイロットB弁装置とが、中間に前記主弁駆動圧力室を介して、前記主弁装置の上流側と下流側との間に連通路によって直列的に連通されると共に、前記主弁装置の主流路と前記主弁駆動圧力室との間に更に設けられた連通路中に前記パイロットC弁装置が介設されたことを特徴とする、自動調整弁装置。
  2. 前記パイロットA弁装置と前記パイロットB弁装置の両弁体が同軸上に設けられ、前記主弁装置の上流側圧力と1個の所定圧力手段との対向作用力のバランスによって、両弁体が連動して作動することを特徴とする、請求項1記載の自動調整弁装置。
  3. 前記パイロットA弁装置、前記パイロットB弁装置、前記パイロットC弁装置の3弁体が同軸上に設けられ、前記主弁装置の上流側圧力と1個の所定圧力手段との対向作用力のバランスによって、3弁体が連動して作動することを特徴とする、請求項1記載の自動調整弁装置。
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