JP2005047816A - アズレンスルホン酸アルカリ金属塩含有点鼻薬 - Google Patents
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Abstract
【課題】特にアレルギー性鼻炎に対して相乗的に優れた効果を発揮する、アズレンスルホン酸アルカリ金属塩を含有する点鼻薬の提供。
【解決手段】(1)アズレンスルホン酸アルカリ金属塩と、(2)抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬又は血管収縮薬からなる群より選ばれる成分とを含有する。
【解決手段】(1)アズレンスルホン酸アルカリ金属塩と、(2)抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬又は血管収縮薬からなる群より選ばれる成分とを含有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、アレルギー性鼻炎に対して抑制効果の高い、アズレンスルホン酸アルカリ金属塩を含有する点鼻薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般用医薬品の点鼻薬領域において、花粉症によって引き起こされる季節性アレルギー鼻炎が、特に近年ターゲットとされる疾患として注目されている。この疾患は、花粉や、ハウスダスト、排気ガス中の微粒子、食物成分等の種々の原因物質により引き起こされる。
この症状の代表的な機序は以下のように考えられる。まず、生体にとって異物である抗原が、生体内に侵入し、生体が、この抗原に曝されると、防御反応としてIgE抗体を産生する。産生されたIgEは、肥満細胞の表面に結合して、IgE結合肥満細胞となる。IgE結合肥満細胞が形成された生体内に再び抗原が侵入すると、IgE結合肥満細胞表面で抗原抗体反応が起こり、その結果、IgE結合肥満細胞の脱顆粒により、ヒスタミンや、ロイコトリエンなどの種々の化学伝達物質が遊離され、この化学伝達物質の作用によって、アレルギー反応が生じる。
【0003】
炎症に対する有効成分としては、抗ヒスタミン薬に分類されるマレイン酸クロルフェニラミンなどが挙げられる。これらの成分は、H1受容体においてヒスタミンと競合的に拮抗することにより、ヒスタミンの作用、例えば、細血管の拡張や、大血管の収縮、毛細血管透過性亢進、血圧低下を阻害する。
これまでの一般用医薬品では、血管収縮剤、抗ヒスタミン剤又は殺菌剤の配合が中心で、特に鼻汁抑制などの症状を抑制する対症療法が主体的なものであった。
血管収縮剤である塩酸ナファゾリンや、塩酸テトラヒドロゾリン等は、血管を収縮させることにより、鼻粘膜付近の充血及び膨張が除去され、鼻炎症状が軽減される。
【0004】
近年まで、クロモグリク酸ナトリウム等の抗アレルギー剤が、医療用医薬品の成分として用いられてきた。これらの抗アレルギー剤は、アレルギーの原因を局所的に抑制する作用機序を持った成分として使われており、アレルギー性鼻炎治療薬の中心的存在であった。
これらの抗アレルギー剤は、抗ヒスタミン薬とは多少異なり、抗原抗体反応に伴って起こるマスト細胞の脱顆粒現象を抑制し、ヒスタミンや、SRS−A等の化学伝達物質の遊離抑制作用を示す。
その他、医療用医薬品では、ステロイド薬のように幅広い抗炎症作用や、抗アレルギー作用を有する薬が用いられている。
しかしながら、アレルギー薬単剤では、十分な鼻炎抑制及び改善効果が得られにくく、また、ステロイド薬では、長期連用する場合、安全面において不安が残るなど問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の点鼻薬よりも優れた鼻炎症状抑制効果を有する点鼻薬を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
ところで、アズレン(アズレンスルホン酸ナトリウム等のアズレンスルホン酸アルカリ金属塩)は、特に口腔薬や、点眼薬の領域において、生薬成分由来ということもあり、古くから安全性の高い薬として用いられてきた。この植物成分由来の成分を水溶性にしたアズレンには、抗炎症や、抗アレルギー作用、組織修復作用、更にヒスタミン遊離抑制作用もあり、非常に幅広い薬効を持っている。即ち、アズレンは、各種起炎物質による炎症性浮腫に対する抑制効果があり、抗ヒスタミン作用、更には毛細血管透過性抑制を有し、また直接局所に作用して抗炎症作用を示すことが知られている。
しかしながら、アズレン自体の抗炎症や、抗アレルギー作用等に関する作用は、それほど高くなく、また、アレルギー性鼻炎等の点鼻薬として配合されたことはこれまでなかった。
【0007】
本発明者らは、意外なことに、それほど作用の高くないアズレンスルホン酸アルカリ金属塩を、アレルギー薬や、抗ヒスタミン薬又は血管収縮薬と組合せることにより、アレルギー性鼻炎の症状改善効果において、相乗的な作用を有することを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、(1)アズレンスルホン酸アルカリ金属塩及び(2)抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬及び血管収縮薬からなる群より選ばれる成分を含有することを特徴とする点鼻薬に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明で使用するアズレンスルホン酸アルカリ金属塩は、以下の一般式Iで示される化合物である。
【0009】
【化1】
【0010】
上記式Iにおいて、Mは、アルカリ金属(例えば、ナトリウムや、カリウム等)を示す。
アズレンスルホン酸アルカリ金属塩としては、例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム(グアイアズレンスルホン酸ナトリウム)が適当である。
アズレンスルホン酸アルカリ金属塩は、溶解性の点から、水和物を使用することが好ましい。アズレンスルホン酸アルカリ金属塩の配合量は、一般に、点鼻薬に対して、0.001〜2.0質量%、好ましくは、0.01〜0.1質量%であることが適当である。
【0011】
本発明においては、上記アズレンスルホン酸アルカリ金属塩とともに、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬及び血管収縮薬を併用することにより、特に、アレルギー性鼻炎の症状改善効果において、これらの抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬及び血管収縮薬の作用が相乗的に高められる。
本発明で使用する抗ヒスタミンは、ジフェンヒドラミンや、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸カルビノキサミン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジン及び塩酸イプロヘプチンからなる群から選択される。
抗アレルギー薬は、クロモグリク酸ナトリウムや、アンレキサノクス、ケトチフェン、フマル酸ケトチフェン及び塩酸レボカバスチンからなる群から選択される。
【0012】
更に、血管収縮薬は、塩酸ナファゾリンや、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸オキシメタゾリン及び塩酸トラマゾリンからなる群から選択される。
抗ヒスタミン、抗アレルギー薬及び血管収縮薬は、組合せて使用してもよい。また、抗ヒスタミン、抗アレルギー薬及び血管収縮薬の薬剤において、そこに包含される各薬剤を単独で、2種以上を組合せて使用してもよい。
【0013】
抗ヒスタミン薬は、点鼻薬に対して、例えば、0.01〜2.0質量%、好ましくは、0.05〜1.0質量%であることが適当である。
抗アレルギー薬は、点鼻薬に対して、例えば、0.05〜5.0質量%、好ましくは、0.1〜5.0質量%であることが適当である。
血管収縮薬は、点鼻薬に対して、例えば、0.01〜2.0質量%、好ましくは、0.03〜1.0質量%であることが適当である。
本発明の点鼻薬には、必要に応じて、医薬的に許容することのできる種々の任意的成分を配合することができる。このような成分としては、アズレンスルホン酸塩と、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬又は血管収縮薬との溶解性や安定性等に悪影響を与えないものであれば、特に制限されるものではない。
このような任意成分としては、具体的には、以下のものが例示される。
【0014】
局所麻酔薬:リドカイン及びその塩類、ジブカイン及びその塩類等
殺菌剤:塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等
消炎剤:グリチルリチン酸類、サリチル酸類等
増粘剤:ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ゼラチン、カルボキシビニルポリマー
香料:l−メントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油、ラベンダー等
安定化剤:エチレンジアミン四酢酸塩、安息香酸ナトリウム等
等張化剤:塩化ナトリウム、D−ソルビトール
防腐剤:p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸プロピル等
緩衝剤:クエン酸ナトリウム、クエン酸、リン酸及びその塩類等
色素:食用青色1号、食用黄色5号、銅クロロフィリンナトリウム等
【0015】
【実施例】
以下、本発明について、実施例及び比較例により、更に詳細に説明する。
なお、実施例中、「部」、「%」は、質量基準で示す。
【0016】
実施例1〜3及び比較例1〜5
アレルギー性鼻炎の症状を訴えた成人男女のうち、患者120名を対象に、8つの群(一群につき15名)に振り分けた。ここで、I〜III群を実施例1〜3とし、IV〜VIII群を比較例1〜5とした。
下記の表1に示される組成を有する点鼻液(示された成分以外は、精製水である)を、一日4回(8時、12時、15時、18時)、一回当たり両鼻腔に二回ずつ噴霧をした。噴霧容器は、ワンプッシュで、約80μlの噴霧量とした。点鼻薬投与前までの症状を、自ら観察又は判断し、平均的な症状を0とし、投与後の症状の改善程度により、やや改善(+1)、明らかに改善(+2)、又は悪化(−1)、変化なし(0)として、自己申告にて判定を行った。判定は10日間連続して行い、集計結果を一人当たりの改善評価平均ポイント数にて示した。その結果を、以下の表1併記した。
【0017】
表1
【0018】
<試験結果>
上記表1に示すように、実施例1〜3においては、抗ヒスタミン薬としてのマレイン酸クロルフェニラミン、抗アレルギー薬としてのクロモグリク酸ナトリウム、又は血管収縮薬としての塩酸ナファゾリンに対して、アズレンスルホン酸アルカリ金属塩を併用する場合、これらの抗ヒスタミン、抗アレルギー薬又は血管収縮薬の単独使用の場合と、アズレンスルホン酸アルカリ金属塩の単独使用の場合との改善評価平均ポイントの単純総和と比較すると、併用によって、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬又は血管収縮薬によるアレルギー性鼻炎に対する相乗的に優れた作用効果の得られることが分かる。
【0019】
【配合例】
以下、参考のため、本発明において特に好ましい配合例について、具体例を挙げて説明する。
【0020】
<配合例1>
下記の各成分を秤量したものを精製水100mLに溶解し点鼻薬を製した。
アズレンスルホン酸ナトリウム 20mg
マレイン酸クロルフェニラミン 500mg
クロモグリク酸ナトリウム 1000mg
塩酸ナファゾリン 50mg
塩化ベンザルコニウム 10mg
精製水にて全量(100mL)
【0021】
<配合例2>
下記の各成分を秤量したものを精製水100mLに溶解し点鼻薬を製した。
アズレンスルホン酸ナトリウム 50mg
塩酸ジフェンヒドラミン 200mg
塩酸ナファゾリン 50mg
塩化セチルピリジニウム 25mg
精製水にて全量(100mL)
【0022】
<配合例3>
下記の各成分を秤量したものを精製水100mLに溶解し点鼻薬を製した。
アズレンスルホン酸ナトリウム 20mg
クロモグリク酸ナトリウム 1000mg
塩酸テトラヒドロゾリン 100mg
塩化セチルピリジニウム 25mg
精製水にて全量(100mL)
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、アレルギー性鼻炎に対して抑制効果の高い、アズレンスルホン酸アルカリ金属塩を含有する点鼻薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の一般用医薬品の点鼻薬領域において、花粉症によって引き起こされる季節性アレルギー鼻炎が、特に近年ターゲットとされる疾患として注目されている。この疾患は、花粉や、ハウスダスト、排気ガス中の微粒子、食物成分等の種々の原因物質により引き起こされる。
この症状の代表的な機序は以下のように考えられる。まず、生体にとって異物である抗原が、生体内に侵入し、生体が、この抗原に曝されると、防御反応としてIgE抗体を産生する。産生されたIgEは、肥満細胞の表面に結合して、IgE結合肥満細胞となる。IgE結合肥満細胞が形成された生体内に再び抗原が侵入すると、IgE結合肥満細胞表面で抗原抗体反応が起こり、その結果、IgE結合肥満細胞の脱顆粒により、ヒスタミンや、ロイコトリエンなどの種々の化学伝達物質が遊離され、この化学伝達物質の作用によって、アレルギー反応が生じる。
【0003】
炎症に対する有効成分としては、抗ヒスタミン薬に分類されるマレイン酸クロルフェニラミンなどが挙げられる。これらの成分は、H1受容体においてヒスタミンと競合的に拮抗することにより、ヒスタミンの作用、例えば、細血管の拡張や、大血管の収縮、毛細血管透過性亢進、血圧低下を阻害する。
これまでの一般用医薬品では、血管収縮剤、抗ヒスタミン剤又は殺菌剤の配合が中心で、特に鼻汁抑制などの症状を抑制する対症療法が主体的なものであった。
血管収縮剤である塩酸ナファゾリンや、塩酸テトラヒドロゾリン等は、血管を収縮させることにより、鼻粘膜付近の充血及び膨張が除去され、鼻炎症状が軽減される。
【0004】
近年まで、クロモグリク酸ナトリウム等の抗アレルギー剤が、医療用医薬品の成分として用いられてきた。これらの抗アレルギー剤は、アレルギーの原因を局所的に抑制する作用機序を持った成分として使われており、アレルギー性鼻炎治療薬の中心的存在であった。
これらの抗アレルギー剤は、抗ヒスタミン薬とは多少異なり、抗原抗体反応に伴って起こるマスト細胞の脱顆粒現象を抑制し、ヒスタミンや、SRS−A等の化学伝達物質の遊離抑制作用を示す。
その他、医療用医薬品では、ステロイド薬のように幅広い抗炎症作用や、抗アレルギー作用を有する薬が用いられている。
しかしながら、アレルギー薬単剤では、十分な鼻炎抑制及び改善効果が得られにくく、また、ステロイド薬では、長期連用する場合、安全面において不安が残るなど問題となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の点鼻薬よりも優れた鼻炎症状抑制効果を有する点鼻薬を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
ところで、アズレン(アズレンスルホン酸ナトリウム等のアズレンスルホン酸アルカリ金属塩)は、特に口腔薬や、点眼薬の領域において、生薬成分由来ということもあり、古くから安全性の高い薬として用いられてきた。この植物成分由来の成分を水溶性にしたアズレンには、抗炎症や、抗アレルギー作用、組織修復作用、更にヒスタミン遊離抑制作用もあり、非常に幅広い薬効を持っている。即ち、アズレンは、各種起炎物質による炎症性浮腫に対する抑制効果があり、抗ヒスタミン作用、更には毛細血管透過性抑制を有し、また直接局所に作用して抗炎症作用を示すことが知られている。
しかしながら、アズレン自体の抗炎症や、抗アレルギー作用等に関する作用は、それほど高くなく、また、アレルギー性鼻炎等の点鼻薬として配合されたことはこれまでなかった。
【0007】
本発明者らは、意外なことに、それほど作用の高くないアズレンスルホン酸アルカリ金属塩を、アレルギー薬や、抗ヒスタミン薬又は血管収縮薬と組合せることにより、アレルギー性鼻炎の症状改善効果において、相乗的な作用を有することを見出し、本発明に至ったものである。
即ち、本発明は、(1)アズレンスルホン酸アルカリ金属塩及び(2)抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬及び血管収縮薬からなる群より選ばれる成分を含有することを特徴とする点鼻薬に関するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明で使用するアズレンスルホン酸アルカリ金属塩は、以下の一般式Iで示される化合物である。
【0009】
【化1】
【0010】
上記式Iにおいて、Mは、アルカリ金属(例えば、ナトリウムや、カリウム等)を示す。
アズレンスルホン酸アルカリ金属塩としては、例えば、アズレンスルホン酸ナトリウム(グアイアズレンスルホン酸ナトリウム)が適当である。
アズレンスルホン酸アルカリ金属塩は、溶解性の点から、水和物を使用することが好ましい。アズレンスルホン酸アルカリ金属塩の配合量は、一般に、点鼻薬に対して、0.001〜2.0質量%、好ましくは、0.01〜0.1質量%であることが適当である。
【0011】
本発明においては、上記アズレンスルホン酸アルカリ金属塩とともに、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬及び血管収縮薬を併用することにより、特に、アレルギー性鼻炎の症状改善効果において、これらの抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬及び血管収縮薬の作用が相乗的に高められる。
本発明で使用する抗ヒスタミンは、ジフェンヒドラミンや、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸カルビノキサミン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジン及び塩酸イプロヘプチンからなる群から選択される。
抗アレルギー薬は、クロモグリク酸ナトリウムや、アンレキサノクス、ケトチフェン、フマル酸ケトチフェン及び塩酸レボカバスチンからなる群から選択される。
【0012】
更に、血管収縮薬は、塩酸ナファゾリンや、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸オキシメタゾリン及び塩酸トラマゾリンからなる群から選択される。
抗ヒスタミン、抗アレルギー薬及び血管収縮薬は、組合せて使用してもよい。また、抗ヒスタミン、抗アレルギー薬及び血管収縮薬の薬剤において、そこに包含される各薬剤を単独で、2種以上を組合せて使用してもよい。
【0013】
抗ヒスタミン薬は、点鼻薬に対して、例えば、0.01〜2.0質量%、好ましくは、0.05〜1.0質量%であることが適当である。
抗アレルギー薬は、点鼻薬に対して、例えば、0.05〜5.0質量%、好ましくは、0.1〜5.0質量%であることが適当である。
血管収縮薬は、点鼻薬に対して、例えば、0.01〜2.0質量%、好ましくは、0.03〜1.0質量%であることが適当である。
本発明の点鼻薬には、必要に応じて、医薬的に許容することのできる種々の任意的成分を配合することができる。このような成分としては、アズレンスルホン酸塩と、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬又は血管収縮薬との溶解性や安定性等に悪影響を与えないものであれば、特に制限されるものではない。
このような任意成分としては、具体的には、以下のものが例示される。
【0014】
局所麻酔薬:リドカイン及びその塩類、ジブカイン及びその塩類等
殺菌剤:塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム等
消炎剤:グリチルリチン酸類、サリチル酸類等
増粘剤:ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ゼラチン、ゼラチン、カルボキシビニルポリマー
香料:l−メントール、カンフル、ハッカ油、ユーカリ油、ラベンダー等
安定化剤:エチレンジアミン四酢酸塩、安息香酸ナトリウム等
等張化剤:塩化ナトリウム、D−ソルビトール
防腐剤:p−オキシ安息香酸メチル、p−オキシ安息香酸プロピル等
緩衝剤:クエン酸ナトリウム、クエン酸、リン酸及びその塩類等
色素:食用青色1号、食用黄色5号、銅クロロフィリンナトリウム等
【0015】
【実施例】
以下、本発明について、実施例及び比較例により、更に詳細に説明する。
なお、実施例中、「部」、「%」は、質量基準で示す。
【0016】
実施例1〜3及び比較例1〜5
アレルギー性鼻炎の症状を訴えた成人男女のうち、患者120名を対象に、8つの群(一群につき15名)に振り分けた。ここで、I〜III群を実施例1〜3とし、IV〜VIII群を比較例1〜5とした。
下記の表1に示される組成を有する点鼻液(示された成分以外は、精製水である)を、一日4回(8時、12時、15時、18時)、一回当たり両鼻腔に二回ずつ噴霧をした。噴霧容器は、ワンプッシュで、約80μlの噴霧量とした。点鼻薬投与前までの症状を、自ら観察又は判断し、平均的な症状を0とし、投与後の症状の改善程度により、やや改善(+1)、明らかに改善(+2)、又は悪化(−1)、変化なし(0)として、自己申告にて判定を行った。判定は10日間連続して行い、集計結果を一人当たりの改善評価平均ポイント数にて示した。その結果を、以下の表1併記した。
【0017】
表1
【0018】
<試験結果>
上記表1に示すように、実施例1〜3においては、抗ヒスタミン薬としてのマレイン酸クロルフェニラミン、抗アレルギー薬としてのクロモグリク酸ナトリウム、又は血管収縮薬としての塩酸ナファゾリンに対して、アズレンスルホン酸アルカリ金属塩を併用する場合、これらの抗ヒスタミン、抗アレルギー薬又は血管収縮薬の単独使用の場合と、アズレンスルホン酸アルカリ金属塩の単独使用の場合との改善評価平均ポイントの単純総和と比較すると、併用によって、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬又は血管収縮薬によるアレルギー性鼻炎に対する相乗的に優れた作用効果の得られることが分かる。
【0019】
【配合例】
以下、参考のため、本発明において特に好ましい配合例について、具体例を挙げて説明する。
【0020】
<配合例1>
下記の各成分を秤量したものを精製水100mLに溶解し点鼻薬を製した。
アズレンスルホン酸ナトリウム 20mg
マレイン酸クロルフェニラミン 500mg
クロモグリク酸ナトリウム 1000mg
塩酸ナファゾリン 50mg
塩化ベンザルコニウム 10mg
精製水にて全量(100mL)
【0021】
<配合例2>
下記の各成分を秤量したものを精製水100mLに溶解し点鼻薬を製した。
アズレンスルホン酸ナトリウム 50mg
塩酸ジフェンヒドラミン 200mg
塩酸ナファゾリン 50mg
塩化セチルピリジニウム 25mg
精製水にて全量(100mL)
【0022】
<配合例3>
下記の各成分を秤量したものを精製水100mLに溶解し点鼻薬を製した。
アズレンスルホン酸ナトリウム 20mg
クロモグリク酸ナトリウム 1000mg
塩酸テトラヒドロゾリン 100mg
塩化セチルピリジニウム 25mg
精製水にて全量(100mL)
Claims (2)
- (1)アズレンスルホン酸アルカリ金属塩及び(2)抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬及び血管収縮薬からなる群より選ばれる成分を含有することを特徴とする点鼻薬。
- 前記抗ヒスタミン薬が、ジフェンヒドラミン、塩酸ジフェンヒドラミン、サリチル酸ジフェンヒドラミン、タンニン酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸カルビノキサミン、マレイン酸クロルフェニラミン、プロメタジン及び塩酸イプロヘプチンからなる群から選択され、
前記抗アレルギー薬が、クロモグリク酸ナトリウム、アンレキサノクス、ケトチフェン、フマル酸ケトチフェン及び塩酸レボカバスチンからなる群から選択され、
そして、前記血管収縮薬が、塩酸ナファゾリン、硝酸ナファゾリン、塩酸テトラヒドロゾリン、硝酸テトラヒドロゾリン、塩酸フェニレフリン、エピネフリン、塩酸エフェドリン、塩酸メチルエフェドリン、塩酸オキシメタゾリン及び塩酸トラマゾリンからなる群から選択される、請求項1記載の点鼻薬。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003203184A JP2005047816A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | アズレンスルホン酸アルカリ金属塩含有点鼻薬 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2003203184A JP2005047816A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | アズレンスルホン酸アルカリ金属塩含有点鼻薬 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005047816A true JP2005047816A (ja) | 2005-02-24 |
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ID=34262642
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JP2003203184A Pending JP2005047816A (ja) | 2003-07-29 | 2003-07-29 | アズレンスルホン酸アルカリ金属塩含有点鼻薬 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005047816A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006321787A (ja) * | 2005-04-19 | 2006-11-30 | Daiichi Sankyo Healthcare Co Ltd | フマル酸ケトチフェンを含有する局所粘膜適用医薬組成物 |
JP2007099643A (ja) * | 2005-09-30 | 2007-04-19 | Rohto Pharmaceut Co Ltd | アズレン含有水性液剤 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2003128537A (ja) * | 2001-08-15 | 2003-05-08 | Rohto Pharmaceut Co Ltd | 安定化された組成物 |
-
2003
- 2003-07-29 JP JP2003203184A patent/JP2005047816A/ja active Pending
Patent Citations (1)
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