JP2005045175A - 電子部品の組立方法とその方法によって組み立てられた電子部品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 溶接処理と、筒体挿入処理と、浸漬処理とを順に行って電子部品を組立てる。溶接処理は、リード線5を素子チップ2の両電極に溶接する処理であり、筒体挿入処理は、電子部品の素子チップ2に取付けられた対のリード線5,5を筒体3に開口された対の孔6内にそれぞれ挿通する処理であり、浸漬処理は、筒体3に保持された素子チップ2を筒体3の一部とともに溶融ガラスの液面下に浸漬して筒体の一部を含んで素子チップ2をガラスコートで被覆する処理である。上記処理によって、素子チップ2と筒体3の一部とに跨って溶融ガラスが被着してガラスコート4される。
【選択図】 図1
Description
図3において、リード線引き出し処理は、パイプ11内に差し込まれたリード線5をパイプ11から一定長さに引き出す処理である。パイプ11は、リード線5を各ステーションに順に搬送するときのリード線のホルダーとして用いられるものである。対のパイプ11,11はそれぞれクランプ(図示略)に保持され、各処理ごとにクランプは別途駆動装置によって対のパイプを互いに接近させたり、あるいは逆に互いに遠ざけたりすることによって間隔が調整される。
潰し加工処理は、円形断面のリード線5の一部を平坦面に押し潰す処理である。第2ステーション(2)には、プレス機13が設置されている。図4(a)において、プレス機13は、固定型14と、その両側に進退動可能に配置された可動型15,15との組合せを有しており、第2ステーション(2)に送り込まれた対のリード線5,5は、固定型14を挟んでそれぞれ両型間に差し込まれ、可動型15を固定型14に押し付けてリード線5の一部を押し潰し、図4(b)に示すようにリード線5の下端部分の一定範囲を平坦部5aに変形させる。平坦部5aは素子チップ2にリード線5を取付けるための部分である。潰し加工処理後、対のリード線5,5を第3ステーション(3)に送り込む。
素子チャック処理は、対のリード線5,5間に素子チップ2を挟み込む処理である。図5において、第3ステーション(3)には、パーツフィーダー16が設置され、パーツフィーダー16には、一定の姿勢に整列させて多数の素子チップ2,2、・・・が収容され、第3ステーション(3)に送り込まれた対のリード線5,5間に順送りに1個ずつ送りだされる。対のリード線5,5は間隔を開いた状態で、特定の素子チップの列を跨いで第3ステーション(3)に送り込まれるが、次に両パイプ11,11の間隔を狭めて対のリード線5,5間に1個の素子チップ2を挟み、これを上方に持ち上げて次に第4ステーション(4)に送り込む。素子チップを挟むリード線5の一部分は平坦に加工されているので、素子チップは挟みやすい。
矯正処理は、対のリード線5,5間に挟んだ素子チップ2の位置を正規の位置に矯正する処理である。図6(a)において、第4ステーション(4)には、定盤17が設置され、対のパイプ11,11を押し下げてリード線5,5間の素子チップ2を定盤17に押し付けてリード線5と素子チップ2との下端縁の位置を同一面に揃える。素子チップ2を対のリード線5,5間で挟んで摘み上げたときには、素子チップ2は、リード線5の下端縁より下方にはみ出して摘まれるのが通例であり、リード線5を定盤17に押し当てることによって、素子チップ2は図6(b)に示すようにその下面がリード線の下端縁と同じ位置まで押し上げられて下端縁が同一平面に調整される。次いで素子チップ2を挟んだまま、対のリード線5,5を第5ステーション(5)に送り込む。
溶接処理は、リード線5,5を素子チップ2の電極に溶接する処理である。図7において、第5ステーション(5)にはスポット溶接機18が設置され、スポット溶接機18の対の電極間に素子チップ2を挟んだ対のリード線5,5を搬入し、リード線5の平坦面5aの外面からスポット溶接機18の対の電極を同時に押し付けてリード線5の一部を素子チップ2の両面電極にスポット溶接し、素子チップ2にリード線5の取付けを行った後のサーミスタ材料Mを第6ステーション(6)に送り込む。
引っ張り処理は、パイプ11からサーミスタのリード線5として必要な長さを引き出す処理である。この実施例では、第6ステーション(6)には、サーミスタ材料Mの搬送ラインの下方にクランプ19aが設置されている。クランプ19aは、モーター34に駆動されて上方に押し上げられ、クランプ19aを開いて素子チップ2を受け入れた後、閉じて図8(a)に示すように素子チップ2をくわえ込み、素子チップ2の直上の対のリード線5,5を挟んでこれを下方に引っ張り、パイプ11の下方に規定の長さになるまでリード線5を引き出す。図8(b)は、パイプ11の下方に規定の長さにリード線5が引き出された状態を示している。リード線5を規定の長さに引き出した後、クランプ19aを開き、これを下降させてクランプ19aからサーミスタ材料Mをはずし、次いでサーミスタ材料Mを第7ステーション(7)に送り出す。
与荷チェック処理は、スポット溶接されたリード線5,5と素子チップ2との接合強度を確認する処理である。リード線5,5が差し込まれた両パイプ11,11の間隔を広げても素子チップ2からリード線5が剥がれないことを確認できれば、これを良品と判断する。図9において、この実施例においては、第7ステーション(7)に光電センサの投光器20と受光器21とを向き合わせに配設しており、リード線5が差し込まれた両パイプ11,11の間隔を広げることによってリード線5と素子チップ2間に力を加え、両リード線5,5が開いたことを、投光器20から照射した光線を受光器21で受光することによって確認している。サーミスタ材料Mのリード線5と素子チップ2との溶接に異常がなければ、これを第8ステーション(8)に送り出す。
切断処理は、パイプ11から引き出されたリード線5を規定の長さに切断する処理である。図10において、第8ステーション(8)にはカッター22のほか、第6ステーションと同様にクランプ19bが設置されている。クランプ19bは、図示を略すモータでサーミスタ材料Mの搬送ラインに押し上げられ、サーミスタ材料Mのリード線5,5をチャッキングし、次いでサーミスタ材料Mのリード線5,5を、パイプ11の直下でカッター22にてリード線5を規定の長さに切断する。切断後、リード線5をクランプ19bでチャッキングしたまま、クランプ19bを第9ステーション(9)に移す。
第9ステーション(9)は、第1のインデックステーブル9と、第2のインデックステーブル10の間に設定された筒体挿入処理に専用のステーションである。筒体挿入処理は、クランプ19bにチャッキングされたまま、第9のステーション(9)に送り込まれた素子チップ2のリード線5に筒体3を差し込む処理である。図11において、第9ステーション(9)には、ガイド23と、筒状のシュート24とが設置されている。ガイド23は、詳細は図示を省略しているが、二つ割の割型であり、水平姿勢で開閉可能に設置され、型内に素子チップ2に取付けられた対のリード線5,5の間隔を一定間隔に規制する対の誘導孔25を有し、クランプ19bにチャッキングされたサーミスタ材料Mの対のリード線5,5を下方の開口内に受け入れ、そのままクランプ19bでリード線5,5を押し上げると、対のリード線5,5は誘導孔25の斜面に誘導されながら一定間隔(筒体の孔の間隔)に調整されるものである。シュート24はガイド23の上部に組み合わされ、一定間隔に調整された対のリード線5,5の一部をその内部に受け入れるものである。
第2インデックステーブル10の第10のステーション(10)に送り込まれた素子チップ2のリード線5からクランプ19bをはずし、素子チップ2のリード線5を第2インデックステーブル10に備えたキャリア26に取付ける。この実施例において、キャリア26には、図12に示すようにドラム27の周面に保持具として磁石28を備えたものであり、クランプ19bによるチャッキングを解いたサーミスタ材料Mの対のリード線5,5の上端近傍をこの磁石28に吸着させてドラム27に貼り付け、素子チップ2を下向きの姿勢でサーミスタ材料Mを吊下げるものである。
位置決め処理は、浸漬処理に先立ってドラム27に貼り付けられてキャリア26から吊下げられた各サーミスタ材料Mの各素子チップ2の高さを同じ高さに調整する処理である。図13において、第11のステーション(11)には突き当て板29が設置されており、突き当て板29の直上でキャリア26を下降させ、各サーミスタ材料Mの各素子チップ2を突き当て板29の面上に押し付けると、リード線5は磁石28に吸着されたまま押上げられ、例えばキャリア26のドラム27の下面と突き当て板29との間隔aを例えば20mmまで下げると、ドラム27に保持されている全ての素子チップ2の位置は全てドラム27の下面より20mm下方の位置に調整される。次いでキャリア26を第12のステーション(12)に移行させる。
浸漬処理は、素子チップ2を溶融ガラス中に浸漬させて素子チップ2をガラスコートする処理である。第12のステーション(12)には、坩堝炉30が設置され、坩堝炉30内でガラスインゴットの溶融ガラスが充填されている。図14において、第12のステーション(12)に送り込まれたキャリア26を坩堝炉30の直上で停止させ、キャリア26を坩堝炉30内に下降させて素子チップ2を溶融ガラスの液面下に浸漬させるが、坩堝炉30内の溶融ガラスをバケット31に汲み上げ、バケット31の高さを調整してバケット31内の溶融ガラスの液面下に各素子チップ2を浸漬させることにより浸漬深さを制御する。
排出処理は、キャリア26からサーミスタ1を取り外す処理である。第13のステーション(13)には、シューター32とトレー33とが設置されている。シューター32は、ドラム27の磁石28から引き剥がされたサーミスタ1をトレー33に向けて滑降させ、トレー33は、シューター32から受け入れたサーミスタ1,1,1・・・を整列させて収容するケースである。サーミスタ1が取り外されたキャリア26は、一定角度転回し、第10のステーション(10)に戻され、次に第9のステーション(9)から搬入されるサーミスタ材料Mのリード線の取付けに備える。
2 素子チップ
3 筒体
4 ガラスコート
5 リード線
6 孔
7 曲縁
8 傾斜面
9 第1インデックステーブル
10 第2インデックステーブル
11 パイプ
12 リール
13 プレス機
14 固定型
15 可動型
16 パーツフィーダ
17 定盤
18 スポット溶接機
19a、19b クランプ
20 投光器
21 受光器
22 カッター
23 ガイド
24 シュート
25 誘導孔
26 キャリア
27 ドラム
28 磁石
29 突き当て板
30 坩堝炉
31 バケット
32 シューター
33 トレー
34 モータ
Claims (11)
- 筒体挿入処理と、浸漬処理とを有する電子部品の組立方法であって、
筒体挿入処理は、電子部品の素子チップに取付けられた対のリード線を筒体に開口された対の孔内にそれぞれ挿通する処理であり、筒体挿入処理によって、素子チップは、筒体の一端に保持され、リード線は筒体の他端から外部に引き出され、
浸漬処理は、筒体に保持された素子チップを筒体の一部とともに溶融ガラスの液面下に浸漬して筒体の一部を含んで素子チップをガラスコートで被覆する処理であることを特徴とする電子部品の組立方法。 - 筒体挿入処理は、素子チップを下向きの姿勢で素子チップに取付けられた対のリード線を保持して上方から筒体を落下させることにより、対をなすそれぞれのリード線を筒体の孔内に挿し込む処理であることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の組立方法。
- 筒体挿入処理の前処理として溶接処理を有し、
溶接処理は、リード線を素子チップの両電極に溶接する処理であり、素子チップの両電極に溶接されたリード線はクランプされて筒体挿入処理に導入されるものであることを特徴とする請求項1に記載の電子部品の組立方法。 - 対のリード線はパイプ内に挿通され、溶接処理は、両パイプを一定間隔に保持し、両パイプから引き出されたリード線と、リード線の対間に保持された素子チップに対して行うものであることを特徴とする請求項3に記載の電子部品の組立方法。
- 溶接処理の前処理として矯正処理を有し、
矯正処理は、リード線間に挟んだ素子チップを定盤に押し付けてリード線と素子チップとの関係位置を調整する処理であることを特徴とする請求項3に記載の電子部品の組立方法。 - 溶接処理の後処理として引っ張り処理と切断処理とを有し、
引っ張り処理は、リード線をチャックしてパイプを通して引き出す処理であり、
切断処理は、引き出されたリード線を規定の長さに切断する処理であり、パイプ側に残されたリード線間に素子チップを挟んで溶接処理を行うことを特徴とする請求項3に記載の電子部品の組立方法。 - 電子部品の素子チップと、筒体と、ガラスコートとを有する電子部品であって、
素子チップは、対のリード線を有し、
筒体は、素子チップを保持するものであり、柱状をなし、両端面に開口する対の孔を有し、
対の孔は、素子チップの対のリード線を挿通するものであり、
孔内に筒体の一端から挿入されたリード線は、他端から引き出され、
ガラスコートは、素子チップと筒体の一部とに跨って被着して素子チップを封止するものであることを特徴とする電子部品。 - 筒体は、リード線を挿入する側の孔の開口縁に案内面を有し、
案内面は、リード線を孔内に誘導する曲面であることを特徴とする請求項7に記載の電子部品。 - ガラスコートは、筒体の外周一部を覆うとともに筒体の孔内に浸透して素子チップの対のリード線を被覆するものであることを特徴とする請求項7に記載の電子部品。
- リード線は、その一端が一定の長さにわたって扁平に潰し加工され、その扁平面の一部がスポット溶接によって素子チップの2面に平行に取付けられ、筒体の対の孔の間隔は、素子チップの厚みによって決定されているものであることを特徴とする請求項7に記載の電子部品。
- ガラスコートは、素子チップと、筒体とを一体に結合して素子チップを保形するものであることを特徴とする請求項7に記載の電子部品。
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