JP2005043068A - 経路案内装置、センターおよび経路探索方法 - Google Patents
経路案内装置、センターおよび経路探索方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】ユーザが希望する経路探索条件に合致するとともにユーザの移動効率の良い最適な経路を探索する経路案内装置および経路探索方法を提供すること。
【解決手段】マイクロコンピュータ21は、車両の現在地から目的地までの候補経路をユーザによって選択された経路探索条件に基づいて複数探索する。次に、マイクロコンピュータ21は、探索した候補経路について前記選択された経路探索条件を反映する複数のパラメータα,β,γおよびδと候補経路を構成する道路の属性とを利用してそれぞれの経路コストを計算する。このとき、マイクロコンピュータ21は、経路コストの計算に併せて各パラメータの和が一定となるようにパラメータを変更しながらそれぞれの経路コストを計算する。そして、マイクロコンピュータ21は、計算した経路コストのうち最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定する。
【選択図】 図2
【解決手段】マイクロコンピュータ21は、車両の現在地から目的地までの候補経路をユーザによって選択された経路探索条件に基づいて複数探索する。次に、マイクロコンピュータ21は、探索した候補経路について前記選択された経路探索条件を反映する複数のパラメータα,β,γおよびδと候補経路を構成する道路の属性とを利用してそれぞれの経路コストを計算する。このとき、マイクロコンピュータ21は、経路コストの計算に併せて各パラメータの和が一定となるようにパラメータを変更しながらそれぞれの経路コストを計算する。そして、マイクロコンピュータ21は、計算した経路コストのうち最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザによって指定された所定の地点間の経路を探索して、同探索された経路をユーザに案内する経路案内装置、センターおよび経路探索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、特許文献1に示すような、最適な配送ルートを探索して計画する配送/配車計画装置およびその方法は知られている。この従来の配送/配車計画装置およびその方法は、需要予測結果と各種データとに基づいて、決定された各配送先までの配送ルートに対して、動的計画法を利用して、最も配送コストが安くなる最適なルートを決定するようになっている。
【0003】
また、従来から、例えば、特許文献2に示すような、ナビゲータ装置も知られている。この従来のナビゲータ装置は、出発地から目的地までの距離、目的地までの所要時間、目的地までの通行費用のそれぞれに対して、加重係数の設定が可能となっている。そして、設定した加重係数を用いて、前記距離、所要時間および通行費用が加重加算され、この加算値が最小となる経路を表示するようになっている。
【0004】
また、従来から、例えば、特許文献3に示すような、車載用ナビゲーション装置も知られている。このナビゲーション装置は、評価関数に用いる各ヒューリスティック項の重み係数または評価関数に用いる計算式を予め複数保持している。そして、探索を行う際に、読み込んだ地図データの道路状況と探索条件とにより適切な前記重み係数または計算式を選択して最適または準最適な経路を短時間で探索するようになっている。
【0005】
さらに、従来から、例えば、特許文献4に示すような経路探索装置も知られている。この経路探索装置は、総合評価関数の数値が小さくなる経路を優先順位をもって複数探索して、そのうちの一つを任意に選択する。そして、選択された経路における各パラメータのコスト値と他の経路における各パラメータのコスト値との各対応した比較を行う。この比較により、選択された経路におけるコスト値が大きくなっているパラメータの重みを減少し、コスト値が小さくなっているパラメータの重みを増加させるように総合評価関数を書き換えるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−183264号公報
【特許文献2】
特開平1−136300号公報
【特許文献3】
特開平8−201087号公報
【特許文献4】
特開平5−224601号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の各装置においては、ルートや経路を探索する際に、ユーザによって予め設定されている探索条件が選択されることにより、選択された探索条件に基づいて、最適なルートや経路を探索する。このため、ユーザによって予め設定されている探索条件として、例えば、”高速道路優先”なる探索条件を選択されると、上記従来の各装置は、目的地周辺の高速道路のインターチェンジを通る経路を探索することができる。この場合、目的地とインターチェンジが近ければ、ユーザは、目的地までの所要時間が短く好適に目的地まで移動することができる。
【0008】
しかしながら、目的地とインターチェンジが遠ければ、ユーザは、高速道路のインターチェンジから目的地まで交通事情の悪い道路を走行しなければならない場合がある。この場合には、上記従来の各装置は、高速道路を利用しているにもかかわらず、目的地までの所要時間が長くて通行費用がかかる経路を案内することになる。一方で、目的地周辺に詳しいユーザであれば、高速道路を途中で降りて、道路事情が良いバイパスなどを利用し、所要時間を短くかつ通行費用を安くする経路を走行することが可能となる場合がある。このため、出発地から目的地までの案内経路は、全道程を通して所要時間や通行費用などを小さくしユーザの目的地までの移動効率の良い案内経路として探索されることが望まれている。
【0009】
【発明の概要】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、ユーザが希望する経路探索条件に合致するとともに、ユーザの移動効率の良い最適な経路を探索する経路案内装置および経路探索方法を提供することにある。
【0010】
本発明の特徴は、車両の現在地と同車両のユーザによって入力された目的地までの案内経路を探索し、同案内経路を前記車両のユーザに対して案内する経路案内装置において、車両の走行可能な道路の地図データとともに、前記道路の属性を記憶する記憶手段と、車両のユーザによって操作されて、車両の現在地から目的地までの経路探索に関する探索条件を選択するための探索条件選択手段と、前記記憶手段に記憶した地図データを利用して前記車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索する候補経路探索手段と、前記探索条件選択手段によって選択された探索条件を前記候補経路探索手段によって探索した候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の前記記憶手段に記憶した属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを計算する経路コスト計算手段と、前記経路コスト計算手段の前記経路コストの計算に併せて、前記複数のパラメータをそれぞれ所定の変動幅で変更するパラメータ変更手段と、前記経路コスト計算手段によって計算した前記複数の候補経路の経路コストを比較し、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定する案内経路比較決定手段とを備えたことにある。
【0011】
この場合、さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得する通行状態取得手段を備えて、前記候補経路探索手段は、前記通行状態取得手段によって取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索するとよい。また、前記道路の属性は、前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものであるとよい。また、前記パラメータ変更手段は、動的計画法に基づいて、前記複数のパラメータを最適化して変更するとよい。また、前記パラメータ変更手段は、前記複数のパラメータの和を一定として変更するとよい。さらに、前記所定の変動幅は、前記案内経路比較決定手段によって決定した案内経路と、前記車両のユーザによって実際に走行された走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差であるとよい。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、外部の車両に対して、同車両の現在地から目的地までの案内経路を探索し、同探索した案内経路を前記車両に提供するセンターにおいて、外部の車両より、同車両の現在地を表す現在地情報、目的地を表す目的地情報および現在地から目的地までの経路探索の探索条件を表す探索条件情報を受信する受信手段と、車両の走行可能な道路の地図データとともに、前記道路の属性を記憶する記憶手段と、前記受信手段によって受信した現在地情報および目的地情報に基づいて、前記記憶手段に記憶した地図データを利用して、前記現在地情報により表される現在地から前記目的地情報により表される目的地までの複数の候補経路を探索する候補経路探索手段と、前記受信手段によって受信した探索条件情報によって表される探索条件を前記候補経路探索手段によって探索した候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の前記記憶手段に記憶した属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを計算する経路コスト計算手段と、前記経路コスト計算手段の前記経路コストの計算に併せて、前記複数のパラメータを所定の変動幅で変更するパラメータ変更手段と、前記経路コスト計算手段によって計算した前記複数の候補経路の経路コストを比較し、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定する案内経路比較決定手段と、前記案内経路比較決定手段によって決定した案内経路を表す案内経路情報を前記外部の車両に送信する案内経路情報送信手段を備えたことにもある。
【0013】
この場合、さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得する通行状態取得手段を備えて、前記候補経路探索手段は、前記通行状態取得手段によって取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索するとよい。また、前記道路の属性は、前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものであるとよい。また、前記パラメータ変更手段は、動的計画法に基づいて、前記複数のパラメータを最適化して変更するとよい。また、前記パラメータ変更手段は、前記複数のパラメータの和を一定として変更するとよい。さらに、前記所定の変動幅は、前記案内経路比較決定手段によって決定した案内経路と、前記外部の車両が実際に走行した走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差であるとよい。
【0014】
また、本発明を他の観点から捉えると、本発明の特徴は、車両の現在地から同車両のユーザによって入力された目的地までの案内経路を探索する経路探索方法において、予め記憶している車両の走行可能な道路の地図データを利用して、車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索し、前記車両のユーザによって選択された前記車両の現在地から目的地までの経路探索の探索条件を前記候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の予め記憶している属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを前記複数のパラメータを変化させて計算し、前記計算した複数の候補経路のそれぞれの経路コストを比較して、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定するようにしたことにある。
【0015】
この場合、さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得し、同取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索するとよい。前記道路の属性は、前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものであるとよい。また、前記複数のパラメータを、動的計画法に基づいて最適化して変更するとよい。また、前記複数のパラメータを、前記複数のパラメータの和が一定として変更するとよい。さらに、前記複数のパラメータを前記決定した案内経路と、前記車両のユーザによって実際に走行された走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差内で変更するとよい。
【0016】
また、本発明の他の特徴は、車両に搭載された経路案内装置と交信可能なセンターが前記車両の現在地から目的地までの案内経路を探索する経路探索方法において、経路案内装置は、検出した車両の現在地を表す現在地情報、車両のユーザによって入力された目的地を表す目的地情報および前記ユーザによって選択された前記現在地から前記目的地までの経路探索の探索条件を表す経路探索条件情報をセンターに送信し、前記センターは、前記送信された現在地情報、目的地情報および経路探索条件情報を受信し、前記受信した現在地情報および目的地情報に基づいて、予め記憶している車両の走行可能な道路の地図データを利用して、前記車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索し、前記受信した経路探索条件情報により表される探索条件を前記候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の予め記憶している属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを前記複数のパラメータを変化させて計算し、前記計算した複数の候補経路のそれぞれの経路コストを比較して、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定し、前記決定した案内経路を表す案内経路情報を前記経路案内装置に送信するようにしたことにもある。
【0017】
この場合、前記センターは、さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得し、同取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索するとよい。また、前記道路の属性は、前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものであるとよい。また、前記複数のパラメータを、動的計画法に基づいて最適化して変更するとよい。また、前記複数のパラメータを、前記複数のパラメータの和が一定として変更するとよい。さらに、前記複数のパラメータを前記決定した案内経路と、前記車両のユーザによって実際に走行された走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差内で変更するとよい。
【0018】
これらによれば、経路案内装置またはセンターは、ユーザによって選択された探索条件を反映する複数のパラメータをそれぞれ変更しながら経路コストを計算することができる。このため、ユーザによって選択された探索条件が、例えば、「所要時間を短くかつ通行費用を安く」であれば、経路案内装置またはセンターは、探索条件を反映する複数のパラメータのうち、所要時間を反映するパラメータと通行時間を反映するパラメータをそれぞれ大きく(または小さく)変更し、候補経路の経路コストを計算することができる。そして、目的地までの経路コストが最小となる候補経路を案内経路として決定することができる。
【0019】
これにより、経路案内装置またはセンターは、車両の現在地から目的地までの全道程において、ユーザが選択した探索条件を満足すべく、パラメータ値を最適に変更して経路コストを計算する。これにより、決定される案内経路は、目的地から遠くにある高速道路のインターチェンジで降りて、インターチェンジから目的地までを道路事情が良いバイパスを利用する案内経路とすることができる。したがって、ユーザは、目的地までの所要時間や通行費用などを小さくして、好適に目的地まで移動することができる。
【0020】
また、経路案内装置またはセンターは、外部から通行状態情報を受信することにより、渋滞や事故が発生している道路を除外して候補経路を探索することができる。これにより、ユーザは、渋滞や事故が発生していない道路のみから構成された案内経路を走行することができて、好適に移動することができる。
【0021】
また、動的計画法(DP法)に基づいて、複数のパラメータを最適化して変更することにより、ユーザが所望する条件を反映して案内経路に反映することができる。また、複数のパラメータの和を一定としてそれぞれのパラメータ変更することにより、ユーザが選択した探索条件をバランス良く案内経路に反映することができる。すなわち、複数のパラメータの和を一定に保って、パラメータを所定の変動幅で変更することにより、一のパラメータの極端な変更を防止することができる。このため、ユーザの選択した探索条件が、例えば、通行費用を低減する探索条件であっても、有料道路を必ず除外するなど極端に探索条件を反映した経路を探索することを効果的に防止することができる。
【0022】
さらに、複数のパラメータの変動幅を案内経路と走行経路との差分に基づく標準偏差とすることができる。これにより、例えば、ユーザは熟知している経路を走行する機会が多く案内経路を敢えて走行しないなど、ユーザ固有の走行パターンを学習的に把握し、同ユーザの走行パターンを反映した案内経路を探索することができる。このため、ユーザは、好適に案内経路を走行することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両に搭載された位置検出器10と、同検出器10に接続された経路案内装置20を概略的に示している。
【0024】
位置検出器10は、GPS(Global Positioning System)受信機11、ジャイロスコープ12および車速センサ13を有しており、車両の現在地を検出するために利用される。GPS受信機11は、車両の現在地を検出するための電波を衛星から受信するとともに、車両の位置を座標データとして検出して出力する。ジャイロスコープ12は、車両の進行方位を検出するための車両の旋回速度を検出して出力する。車速センサ13は、車両の走行速度を検出して出力する。そして、これらGPS受信機11、ジャイロスコープ12および車速センサ13から出力された各検出値が後述する経路案内装置20のマイクロコンピュータ21に供給されることにより、マイクロコンピュータ21は、車両の現在地を検出することができる。
【0025】
経路案内装置20は、マイクロコンピュータ21を備えており、マイクロコンピュータ21には、記憶装置22、表示装置23および操作スイッチ群24が接続されている。マイクロコンピュータ21は、CPU、ROM、RAMなどを主要構成部品とするもので、図2に示す経路案内プログラムの実行により、車両の現在地の検出、車両の現在地から目的地までの経路の探索、探索した経路に従った経路案内などの処理を実行する。
【0026】
記憶装置22は、ハードディスク、不揮発性RAM、CD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体および同記録媒体のドライブ装置を含むものであり、マイクロコンピュータ21で実行される前記プログラムや各種データなどを記憶する。また、記憶装置22の記録媒体には、マイクロコンピュータ21の経路探索処理に利用される地図データ、経路案内処理に利用される音声データおよび車両の走行に関する情報(燃費情報や走行経路情報など)が予め記憶されている。
【0027】
ここで、地図データについて説明しておく。地図データは、複数の道路データや、山、海などの背景に関する背景データから構成されている。そして、道路データは、それぞれの複数のリンクデータ1,2,…の集合からなり、各リンクデータは、道路地図上の2つのノード間を結ぶリンクをそれぞれ表すリンクデータ名、道路種別(有料道路、国道、県道など)を表す道路種別データおよびノードの位置を表すノードデータを含む。ノードは、道路が交差する位置、有料道路のインターチェンジやジャンクション、道路が曲がっている位置、道路幅が変化する位置、道路種別が変化する位置、渋滞の程度が変化する位置などに、予め決められている。
【0028】
表示装置23は、図示しない液晶表示器などによって構成されていて、道路地図、車両の現在地、案内経路、各種操作指示ボタンなどを表示する。操作スイッチ群24は、マイクロコンピュータ21に対して、運転者または同乗者による各種指示(例えば、目的地の入力や経路探索条件の選択など)を外部から与えるもので、表示装置23における液晶表示器の周辺に設けた複数の操作スイッチと、表示装置23の液晶表示器と一体的に構成されたタッチスイッチとを含む。このタッチスイッチは、液晶表示器の裏側に設けられて、運転者または同乗者による液晶表示器へのタッチ操作位置を検出するために設けられている。
【0029】
この操作スイッチ群24には、図3に示すように、表示装置23の液晶表示器に表示されて経路探索の探索条件を選択するための選択ボタン群24aが含まれる。選択ボタン群24aは、”効率ボタン”、”時間ボタン”、コストボタン”および”快適ボタン”から構成される。
【0030】
”効率ボタン”は、目的地までの所要時間と必要な通行料金がともに小さくなる条件で経路の探索を指示するボタンである。”時間ボタン”は、目的地までの所要時間が最小となる条件で経路の探索を指示するボタンである。”コストボタン”は、必要な通行料金や周知の方法によって検出される車両の消費燃料が小さくなる条件で経路の探索を指示するボタンである。”快適ボタン”は、交通事情すなわち道路幅が大きい道路や渋滞が発生していない道路などを優先的に選択したり、右折回数を少なくする条件で経路の探索を指示するボタンである。
【0031】
また、マイクロコンピュータ21には、音声認識ユニット25、スピーカ26および交通情報受信機27も接続されている。音声認識ユニット25は、操作スイッチ群24に代えて用いられるもので、マイクロフォンを内蔵しており、運転者または同乗者の音声による指示を認識して、同指示内容をマイクロコンピュータ21に与えるものである。スピーカ26は、運転者に対して、探索された案内経路の案内を音声によって提供するものである。
【0032】
交通情報受信機27は、受信アンテナ27aを備えていて、外部(例えば、交通情報センターなど)から提供される渋滞情報や事故情報などの通行状態情報を受信するものである。そして、交通情報受信機27は、取得した通行状態情報をマイクロコンピュータ21を介して、記憶装置22に供給することにより、記憶装置22の所定記憶位置に通行状態情報を記憶するようになっている。ここで、交通情報受信機27としては、例えば、FM電波や、道路沿いに設置された送信装置から送信される電波ビーコンまたは光ビーコンを受信するVICS(Vehicle Information and Communication System)受信機を採用することができる。あるいは、道路に沿って埋設されたLCX(Leaky
Coaxial:漏洩同軸)ケーブルから漏洩した電波を受信するLCX漏洩電波受信機などを採用することができる。
【0033】
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作について説明する。運転者が図示しないイグニッションスイッチをオン状態とすると、経路案内装置20のマイクロコンピュータ21は、図2に示す経路案内プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。
【0034】
このメインプログラムは、ステップS10にて開始される。そして、マイクロコンピュータ21は、ステップS11にて、位置検出器10から出力された検出値に基づいて車両の現在地を検出し、同検出した現在地を表す現在地情報(例えば、座標データ)を図示しないRAMに一時的に記憶する。
【0035】
続いて、マイクロコンピュータ21は、ステップS12にて、運転者または同乗者に対して目的地を入力するように促す。すなわち、マイクロコンピュータ21は、表示装置23に対して、図示しない液晶表示器に目的地入力画面を表示するように指示する。表示装置23は、同指示に従い、液晶表示器に所定の目的地入力画面を表示する。運転者または同乗者は、液晶表示器の所定位置に表示されている操作スイッチ群24の操作指示ボタンをタッチ操作して、例えば、目的地周辺の地図を表示させたり、電話番号や施設名称などを入力する画面を表示させたりして、目的地を入力する。このように、目的地が入力されると、マイクロコンピュータ21は、入力された目的地を表す目的地情報(例えば、座標データ)を図示しないRAMに一時的に記憶して、ステップS13に進む。
【0036】
ステップS13においては、マイクロコンピュータ21は、運転者または同乗者によって経路を探索するための探索条件が入力されたか否かを判定する。具体的に説明すると、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS12にて、運転者または同乗者によって目的地が入力されると、表示装置23に対して、液晶表示器に経路探索条件設定画面を表示するように指示する。
【0037】
表示装置23は、同指示に従い、図3に示すように、液晶表示器に経路探索条件設定画面を表示する。運転者または同乗者は、表示されている選択ボタン群24aのうち、希望する探索条件を表すボタンをタッチ操作して、経路探索条件を選択する。ここで、運転者または同乗者によって経路探索条件が選択されると、マイクロコンピュータ21は、選択された経路探索条件を表す経路探索条件情報を記憶装置22の所定記憶位置に更新して記憶する。このように、経路探索条件が選択されると、マイクロコンピュータ21は、ステップS13にて「Yes」と判定して、ステップS14に進む。
【0038】
なお、ステップS12およびステップS13においては、運転者または同乗者は、音声認識ユニット25を利用して、目的地を入力したり、経路探索条件を選択することも可能である。すなわち、運転者または同乗者は、音声認識ユニット25のマイクロフォンに対して、例えば、「○○ショッピングセンター」などと発音して目的地を入力したり、「快適」などと発音して経路探索条件を選択することも可能である。この場合、音声認識ユニット25は、運転者または同乗者の音声入力内容を認識し、同内容をマイクロコンピュータ21に供給する。これにより、マイクロコンピュータ21は、目的地や経路探索条件を認識して、ステップS12およびステップS13の処理を実行することができる。
【0039】
ステップS14においては、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS12にて入力された目的地までの案内経路を前記ステップS13にて入力された経路探索条件に基づいて探索する。この経路探索処理を具体的に説明する。
【0040】
マイクロコンピュータ21は、まず、前記ステップS13にて選択された経路探索条件に基づいて、運転者または同乗者によって入力された目的地までの複数の経路(以下、この経路を候補経路という)を探索する。
【0041】
すなわち、運転者または同乗者によって、”効率ボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、例えば、国道と高速道路を利用して、現在地から目的地までの候補経路を複数探索する。また、”時間ボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、例えば、法定速度が大きい道路(高速道路)を利用して、現在地から目的地までの候補経路を複数探索する。また、”コストボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、例えば、有料道路以外の道路を利用して、現在地から目的地までの候補経路を複数探索する。さらに、”快適ボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、交通情報受信機27を介して取得した交通情報に基づいて、例えば、交通渋滞が発生しておらず道路の車線数が多い道路を利用して、現在地から目的地までの候補経路を複数探索する。
【0042】
次に、マイクロコンピュータ21は、複数探索した候補経路の経路コストをそれぞれ計算する。この計算された経路コストは、運転者または同乗者によって選択された経路探索条件に合致する経路を表す指数であって、経路の優先度を表すものである。そして、マイクロコンピュータ21は、それぞれの候補経路について計算した経路コストが最小となる経路を、案内経路として最終的に決定する。以下、案内経路を最終的に決定するためのマイクロコンピュータ21の処理について、詳細に説明する。
【0043】
マイクロコンピュータ21は、下記数1および数2を利用して、候補経路の経路コストAを計算する。
【0044】
【数1】
【0045】
【数2】
【0046】
ここで、経路コストAiは、リンクiまでの経路コストであり、経路コストAi+1は、次のリンク(リンクi+1)までの経路コストである。また、diおよびdi+1は、リンクiおよびリンクi+1の経路距離であり、viおよびvi+1は、リンクiおよびリンクi+1の法定速度である。また、eiおよびei+1は、リンクiおよびリンクi+1の道路種別であり、fiおよびfi+1は、リンクiおよびリンクi+1の車両の推定燃費である。また、ΣdiおよびΣdi+1は現在地からリンクiおよびリンクi+1までの合計距離、Σ(di/vi)およびΣ(di+1/vi+1)は現在地からリンクiおよびリンクi+1までの合計所要時間、Σ(ei×di)およびΣ(ei+1×di+1)は、現在地からリンクiおよびリンクi+1までの合計通行料金、Σ(fi×di)およびΣ(fi+1×di+1)は現在地からリンクiおよびリンクi+1までの合計消費燃料を表している。
【0047】
また、α,β,γおよびδは、運転者または同乗者が入力した経路探索条件を候補経路に反映するためのパラメータであって、上記数1または数2の距離、所要時間、通行料金および消費燃料のうち、経路探索条件に関係する項目に重み付けするものである。
【0048】
すなわち、運転者または同乗者によって、”快適ボタン”が入力された場合には、探索する経路の所要時間と通行費用とのバランスを保つように、α,β,γおよびδの値が決定される。また、”時間ボタン”が入力された場合には、目的地まで移動するための所要時間が最短となるように、δ=”0”として、α,βおよびγの値が決定される。また、”コストボタン”が入力された場合には、目的地までの移動費用が最小となるように、α=”0”,δ=”0”として、βおよびγの値が決定される。さらに、”快適ボタン”が入力された場合には、探索する経路を交通事情が良好な道路を優先的に選択するように、α=”0”,β=”0”として、γおよびδの値が決定される。
【0049】
これら各パラメータの値を決定するにあたり、各パラメータの値は、以下に詳細に説明する制約1から制約3を満たすように決定される。なお、以下の説明においては、決定される各パラメータの組み合わせをパラメータセットという。
【0050】
パラメータセットは、図4に示す制約1から制約3の要件を満足させるように決定される。これらの要件は、制約1が各パラメータ値の和を一定とすることあり、制約2が各パラメータ値を所定の変動幅内で変更することであり、制約3が所定の変動幅を標準偏差に基づいて決定することである。ここで、制約3の標準偏差は、例えば、運転者が自らの経験に基づいて、敢えて案内経路を逸脱して走行する頻度を経路案内装置20が学習することにより、計算される標準偏差である。
【0051】
この経路案内装置20による学習について、以下に説明する。この経路案内装置20による学習は、同装置20が探索した案内経路(推奨経路)と、運転者が実際に走行した走行経路との差分に基づいて行われるものである。まず、学習の過程について説明する。経路案内装置20は、後述するように、経路コストを計算し、運転者に対して案内経路(推奨経路)を探索する。この案内経路(推奨経路)の探索に際し、経路案内装置20は、初回の探索には、初期値として予め設定されているパラメータセット(α0,β0,γ0,δ0)を利用して、案内経路(推奨経路)を探索する。
【0052】
また、経路案内装置20は、過去に計算した経路コスト計算回数が5回以下である場合には、学習による標準偏差がなく図4に示すΔが定義できないため、簡易的に、初期値として予め設定されているパラメータセットを構成する各値の50%をΔと定義する。そして、経路案内装置20は、この定義したΔを利用して、経路コスト計算を実行し、案内経路(推奨経路)を探索する。
【0053】
さらに、経路案内装置20は、過去に計算した経路コスト計算回数が6回以上である場合には、過去5回の経路コスト計算によって決定したパラメータセットに基づいて標準偏差すなわちΔを求め、Δを定義する。そして、経路案内装置20は、以降、経路コスト計算を計算するごとにΔを求め、前回定義したΔを更新する。このように、標準偏差すなわちΔを繰り返し更新することにより、経路案内装置20は、運転者の案内経路(推奨経路)に対する走行パターンを学習することができる。これにより、経路案内装置20が探索する案内経路(推奨経路)に対して、運転者の走行パターンがより反映され、運転者にとって好適な案内経路(推奨経路)とすることができる。
【0054】
次に、経路案内装置20の学習方法について説明する。経路案内装置20は、案内経路(推奨経路)と走行経路との差分から最適計算を実施してパラメータセット(αi,βi,γi,δi)を求める。すなわち、上記数1によって定義される経路コストAにて、例えば、出発地から目的地間の経路距離、法定速度、道路種別、(推定)燃費は、車両の走行後において、各値が既知の値となる。また、経路コストAは、パラメータセットの組み合わせによって変化するが、パラメータセットがドライバにとって最適に設定されていれば、経路コストAが最小である案内経路(推奨経路)と走行経路とは一致する。このように、案内経路(推奨経路)と走行経路が一致する場合には、経路案内装置20は、学習する必要がなくて、Δを「0」とする。
【0055】
一方、案内経路(推奨経路)と走行経路とが一致しない場合には、経路案内装置20は、パラメータセットすなわちα,β,γ,δを適宜変化させて、経路コストAを最小とするα,β,γ,δを演算して求める。そして、経路案内装置20は、演算して求めたα,β,γ,δをαi,βi,γi,δiとし、ある案内経路(推奨経路)に対する学習結果パラメータセットとして蓄積しておく。そして、経路案内装置20は、蓄積した学習結果パラメータセットが5セット以上蓄積され、かつ、同蓄積した学習結果パラメータセットのうち、異なる目的地までの案内経路(推奨経路)に対する学習パラメータセットが3セット以上含まれる場合には、下記数3および数4の演算を実施する。
【0056】
【数3】
【0057】
【数4】
【0058】
ここで、Nは、蓄積した学習結果パラメータセットのセット数である。ここで、他のパラメータすなわちβi,γi,δiについても数3および数4に基づいて同様に演算されて、Δβ,Δγ,Δδが演算されることはいうまでもない。そして、経路案内装置20は、演算したΔα,Δβ,Δγ,Δδを、上記した制約3のΔとして設定する。なお、運転者の走行経路に明らかに偏りがある場合は、例えば、「お好み走行モード」などを新たに設けて、αi,βi,γi,δiを別途設定するようにすることも可能である。
【0059】
そして、マイクロコンピュータ21は、上記数1および数2に基づく経路コストの計算に併せて、α,β,γおよびδを制約1から制約3を満足させながらそれぞれ変更する。まず、マイクロコンピュータ21は、車両の現在地から1番目のリンク1(以下、現在地からi番目のリンクをリンクiという)について、記憶装置22に予め設定されて記憶しているパラメータセットを利用して、経路コストA1を計算する。具体的に説明すると、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS13にて記憶装置22の所定記憶位置に記憶した経路探索条件情報を取得する。また、マイクロコンピュータ21は、取得した経路探索条件情報が表す経路探索条件に対応するパラメータセットを記憶装置22から取得する。
【0060】
すなわち、前記ステップS13にて、”効率ボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、記憶装置22から、図5に示すように、パラメータセットとして、α=0.2,β=0.3,γ=0.3,δ=0.2を取得する。また、”時間ボタン”が選択されていれば、パラメータセットとして、α=0.25,β=0.5,γ=0.25,δ=0を取得する。また、”コストボタン”が選択されていれば、パラメータセットとして、α=0,β=0.5,γ=0.5,δ=0を取得する。さらに、”快適ボタン”が選択されていれば、パラメータセットとして、α=0,β=0,γ=0.5,δ=0.5を取得する。なお、以下の説明においては、運転者または同乗者によって、”効率ボタン”が選択されているものとして説明する。
【0061】
次に、マイクロコンピュータ21は、記憶装置22に記憶している地図データおよび通行状態情報を利用して、候補経路のリンク1に関する距離、法定速度、道路種別および推定燃費を表す各情報を取得する。そして、マイクロコンピュータ21は、取得した各情報によって表される数値およびパラメータセットによって表されるパラメータ値を数1に代入して、リンク1の経路コストA1を計算する。
【0062】
次に、マイクロコンピュータ21は、リンク2の経路コストA2を数2に基づいて計算する。この場合においても、マイクロコンピュータ21は、記憶装置22から候補経路のリンク2に関する距離、法定速度、道路種別および推定燃費を表す各情報を取得する。そして、マイクロコンピュータ21は、経路コストA1の計算に用いた各パラメータ値をα,β,γ,δの順に変更して経路コストA2を計算する。
【0063】
すなわち、マイクロコンピュータ21は、制約2および制約3に基づいてαを変更して最小となる経路コストA2を計算する。このとき、マイクロコンピュータ21は、β,γ,δについて制約1から制約3を満足するように変更してαを決定し、経路コストA2が最小となるパラメータセットを決定する。以下、このαを変化させたときの経路コストを経路コストA2αという。
【0064】
また、マイクロコンピュータ21は、制約2および制約3に基づいてβを変更して最小となる経路コストA2を計算する。このとき、マイクロコンピュータ21は、γ,δについて制約1から制約3を満足するように変更してβを決定し、経路コストA2が最小となるパラメータセットを決定する。以下、このβを変化させたときの経路コストを経路コストA2βという。なお、この場合においては、αの値は変化させない。
【0065】
さらに、マイクロコンピュータ21は、制約2および制約3に基づいてγを変更して最小となる経路コストA2を計算する。このとき、マイクロコンピュータ21は、δについて制約1から制約3を満足するように変更してγを決定し、経路コストA2が最小となるパラメータセットを決定する。以下、このγを変化させたときの経路コストを経路コストA2γという。なお、この場合においては、αおよびβの値は変化させない。ここで、δは、決定されたα,βおよびγを利用して制約1に基づいて決定される。
【0066】
そして、マイクロコンピュータ21は、上記計算した経路コストA2α、A2βおよびA2γのうち最小となる経路コストを選択し、この選択した経路コストを経路コストA2として決定する。このように、リンク2の経路コストA2を決定すると、マイクロコンピュータ21は、リンク2の経路コスト計算と同様の計算を繰り返して、リンク3の経路コストA3、リンク4の経路コストA4、…、リンクiの経路コストAi、…、リンクjすなわち目的地に接続するリンクの経路コストAjを計算する。
【0067】
このように、一の候補経路の経路コストA1、…、経路コストAjを決定すると、マイクロコンピュータ21は、決定した経路コストを平均処理することにより、この候補経路のトータルの経路コストAを決定する。また、マイクロコンピュータ21は、他の候補経路の経路コストも同様に計算して決定し、これら決定した複数の候補経路の経路コストのうち、最小となる候補経路を案内経路として決定する。そして、マイクロコンピュータ21は、案内経路を決定すると、同決定した案内経路を表す案内経路情報を記憶装置22の所定記憶位置に記憶して、ステップS16に進む。
【0068】
また、前記ステップS13にて、運転者または同乗者により、所定の時間(例えば、10sec程度)が経過するまでに経路探索条件が選択されなければ、マイクロコンピュータ21は、「No」と判定して、ステップS15に進む。ステップS15においては、マイクロコンピュータ21は、前回の経路案内プログラム実行時に運転者または同乗者によって選択され、記憶装置22の所定記憶位置に記憶した経路探索条件に基づいて、目的地までの案内経路を探索する。ここで、ステップS15における経路探索処理は、前記ステップS14の経路探索処理と同様に、上記数1および数2に基づいて、リンクごとにパラメータセットを変化させて経路コストを計算する。そして、計算した経路コストが最小となるとなる候補経路を案内経路として決定し、決定した案内経路を表す案内経路情報を記憶装置22の所定記憶位置に記憶して、ステップS16に進む。
【0069】
前記ステップS14または前記ステップS15の処理後、ステップS16にて、マイクロコンピュータ21は、運転者に対して、決定した案内経路の案内を開始する。具体的に説明すると、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS14または前記ステップS15の実行により、記憶装置22の所定記憶位置に記憶した案内経路情報を表示装置23に供給するとともに、液晶表示器上に案内画面を表示するように指示する。表示装置23は、同指示に従って、記憶装置22に記憶されている地図データを利用して、液晶表示器上に道路地図や背景を表示するとともに、供給された案内経路情報に基づく案内経路を表示する。また、マイクロコンピュータ21は、案内経路情報の音声データを、スピーカ26を介して再生し、運転者に対して、案内経路を音声によって案内する。
【0070】
前記ステップS16にて探索経路案内処理が実行された後、ステップS17にて、マイクロコンピュータ21は、車両が目的地に到着しているか否かを判定する。すなわち、マイクロコンピュータ21は、位置検出器10からの各検出値に基づいて、車両が目的地に到着していなければ、「No」と判定して、前記ステップS16に戻り、探索経路案内処理を実行する。そして、マイクロコンピュータ21は、車両が目的地に到着して「Yes」と判定されるまで繰り返し前記ステップS16の探索経路案内処理を実行する。一方、車両が目的地に到着していると判定すると、「Yes」と判定してステップS18に進み、運転者に対して、例えば、「目的地に到着しました。」などの音声案内を実行し、ステップS19にて経路案内プログラムの実行を終了する。
【0071】
以上の説明からも理解できるように、本第1実施形態によれば、運転者または同乗者は、経路探索条件を選択することができる。そして、マイクロコンピュータ21は、選択された経路探索条件を反映すべく、パラメータセットを経路コスト計算において制約1から制約3を満たしながら変更することができる。このように、パラメータセットを変更して計算した経路コストが最小となる候補経路を案内経路として決定することにより、運転者または同乗者が希望する経路探索条件における経路コスト計算を最適化することができる。これにより、運転者または同乗者が希望する経路探索条件に最も合致した案内経路を探索することができて、案内経路を好適に提供することができる。
【0072】
上記第1実施形態においては、車両に搭載された経路案内装置20のマイクロコンピュータ21がパラメータセットを構成する各パラメータ値を変更して候補経路の経路コストを計算した。そして、計算した経路コストが最小となる候補経路を、運転者または同乗者が選択した経路探索条件に最も適した案内経路として、案内するように実施した。しかしながら、経路案内装置20がセンターと通信可能であり、経路案内装置20が案内経路を表す案内経路情報を受信して案内経路を案内する場合には、センターにて、パラメータセットを構成する各パラメータ値を変更して経路コストを計算し、最適な案内経路を決定するように実施してもよい。以下、この第2実施形態について説明するが、上記第1実施形態と同一部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0073】
この第2実施形態に係る経路案内装置20は、図6に示すように、案内経路情報を提供するセンター30と通信可能とされている。そして、センター30は、交通情報を提供する交通情報センター40と通信可能に接続されている。この第2実施形態に係る経路案内装置20は、図7に示すように、上記第1実施形態の交通情報受信機27が省略されて、通信装置28が設けられている。通信装置28は、センター30との無線交信を可能とするものであり、無線交信するアンテナ28aが接続されている。
【0074】
センター30は、図8に示すように、互いに通信可能に接続された制御装置31、記憶装置32、通信装置33および外部通信インターフェース34(以下、外部通信I/F34という)を備えている。制御装置31は、CPU、ROM、RAM、タイマなどを主要構成部品とするもので、図9のセンター側プログラムを含む各種プログラムの実行により、記憶装置32、通信装置33および外部通信I/F34の作動を統括的に制御する。そして、経路案内装置20より受信した車両の現在地から目的地までの経路探索および提供などの処理を実行する。
【0075】
記憶装置32は、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体および同記録媒体のドライブ装置を含むものであり、制御装置31で実行される前記プログラムを含む各種プログラムおよび各種データを記憶している。また、記憶装置32のハードディスク内には、全国の最新かつ詳細な地図データを記憶しておくための地図データベース32aが構築されている。ここで、地図データベース32aに記憶されている地図データは、上述した地図データと同様に構成されている。
【0076】
通信装置33は、経路案内装置20と無線通信可能とするものである。そして、通信装置33には、無線交信するためのアンテナ33aが接続されている。ここで、経路案内装置20とセンター30との間の交信は、アンテナ28aおよびアンテナ33aを用いて無線で行われるものであるが、通常の方法で行われて特徴を有するものではない。したがって、以降の説明において、受信、送信などと単にいう場合にはこれらに交信方法の適当な方法を採用しているものとする。外部通信I/F34は、通信回線NWに接続しており、交通情報センター40から提供される交通情報や渋滞情報を制御装置31に提供する。
【0077】
次に、上記のように構成した第2実施形態の動作について説明する。運転者によって図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、経路案内装置20のマイクロコンピュータ21は、図8に示す経路案内装置側のプログラムの実行をステップS100にて開始する。
【0078】
そして、ステップS13にて、経路探索条件が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は「Yes」と判定して、ステップS101に進む。ステップS101においては、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS11にて検出した現在地を表す現在地情報、ステップS12にて入力された目的地を表す目的地情報および前記ステップS13にて選択された経路探索条件を表す経路探索条件情報をセンター30に送信する。
【0079】
また、ステップS13にて、所定時間内に経路探索条件が選択されていなければ、マイクロコンピュータ21は「No」と判定して、ステップS102に進む。ステップS102においては、マイクロコンピュータ21は、現在地情報、目的地情報および前回のプログラム実行時に運転者または同乗者によって選択されて記憶装置22の所定記憶位置に記憶した経路探索条件を表す経路探索条件情報をセンター30に送信する。
【0080】
センター30においては、制御装置31が、ステップC10にて、前記ステップS101またはステップS102の送信処理によって送信された各情報を受信するとともに、同受信した各情報を記憶装置32の所定記憶位置に記憶する。そして、各情報を記憶装置32に記憶すると、ステップC11に進む。
【0081】
ステップC11においては、制御装置31は、前記ステップC10にて受信した車両の現在地情報、目的地情報および経路探索条件情報に基づいて、車両の現在地から目的地までの案内経路を探索する。この制御装置31による案内経路の探索は、実質的に上記第1実施形態に係る経路案内装置20の案内経路の探索と同一であるため、その詳細な説明は省略するが、以下に簡単に説明する。
【0082】
制御装置31は、まず、外部通信I/F34を介して、交通情報センター40から交通情報や渋滞情報を取得するとともに、前記受信した経路探索条件情報によって表される経路探索条件に基づいて、車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索する。次に、制御装置31は、上記数1および数2を利用して、複数探索した候補経路の経路コストをそれぞれ計算する。制御装置31は、記憶装置32に予め設定されて記憶している図5に示すパラメータセットを取得するとともに、地図データベース32aに記憶している地図データを利用して、候補経路のリンク1に関する各情報を取得する。そして、制御装置31は、取得した各情報およびパラメータセットを上記数1に代入して、リンク1に経路コストA1を計算する。
【0083】
次に、制御装置31は、リンク2の経路コストを数2に基づいて計算する。このとき、制御装置31は、経路コストA1の計算に用いたパラメータセットの各パラメータ値を変更して経路コストA2を計算する。すなわち、制御装置31は、パラメータα,β,γおよびδをそれぞれ変更したときの経路コストA2α、A2βおよびA2γを比較して、最小となる経路コストを選択して、リンク2の経路コストA2を決定する。そして、制御装置31は、目的地に接続するリンクjの経路コストAjまで決定し、これら決定した経路コストを平均処理することにより、この候補経路のトータルの経路コストAを決定する。また、制御装置31は、他の候補経路についても同様に、トータルの経路コストを決定し、これら決定したトータルの経路コストを比較して、経路コストが最小となる候補経路を案内経路として決定する。このように、案内経路を決定すると、制御装置31は、同決定した案内経路を表す案内経路情報を記憶装置32の所定記憶位置に記憶して、ステップC12に進む。
【0084】
ステップC12においては、制御装置31は、前記ステップC11にて記憶した案内経路情報を経路案内装置20に送信する。すなわち、制御装置31は、記憶装置32を利用して、記憶した案内経路情報を取得するとともに、同取得した案内経路情報を通信装置33に供給する。通信装置33は、供給された案内経路情報をアンテナ33aを介して、経路案内装置20に送信する。
【0085】
経路案内装置20においては、マイクロコンピュータ21が、ステップS103にて、前記ステップC12の送信処理によって送信された案内経路情報を通信装置28を介して受信する。そして、マイクロコンピュータ21は、受信した案内経路情報を記憶装置22の所定記憶位置に記憶して、ステップS16に進む。
【0086】
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態においても、運転者または同乗者は、経路探索条件を選択することができる。そして、センター30の制御装置31は、受信した経路探索条件情報により表される経路探索条件を反映すべく、パラメータセットを経路コスト計算において制約1から制約3を満たしながら変更することができる。このように、パラメータセットを変更して計算した経路コストが最小となる候補経路を案内経路として決定することにより、運転者または同乗者が希望する経路探索条件における経路コスト計算を最適化することができる。これにより、運転者または同乗者が希望する経路探索条件に最も合致した案内経路を探索することができて、案内経路を好適に提供することができる。
【0087】
ここで、上記第1実施形態および第2実施形態においては、運転者または同乗者の選択可能な経路探索条件を、”効率”、”時間”、”コスト”および”快適”として実施したが、本発明の目的を逸脱しない限り、これらの項目に限定されないことはいうまでもない。同様に、上記第1実施形態および第2実施形態においては、経路コストの計算において、パラメータセットを構成するパラメータをα,β,γおよびδとして実施したが、本発明の目的を逸脱しない限り、これらのパラメータに限定されないことはいうまでもない。さらに、上記第1実施形態および第2実施形態においては、各パラメータを変化させるときに、それぞれのパラメータを一つずつ変化させて、最小となる経路コストを計算するように実施したが、他の方法(例えば、動的計画法など)を利用して、経路コストを計算することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る経路案内装置の概略を示すブロック図である。
【図2】図1の経路案内装置にて実行される第1実施形態に係る経路案内プログラムのフローチャートである。
【図3】経路探索条件を説明するための図である。
【図4】パラメータの制約を説明するための図である。
【図5】記憶装置に記憶されているパラメータセットを説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る経路案内システムの全体を示す概略ブロック図である。
【図7】図6の経路案内装置の概略を示すブロック図である。
【図8】図6のセンターの概略を示すブロック図である。
【図9】図6の経路案内装置およびセンターにて実行される第2実施形態に係る経路案内プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
10…位置検出器、20…経路案内装置、21…マイクロコンピュータ、22…記憶装置、27…交通情報受信機、28…通信装置、30…センター、31…制御装置、32…記憶装置、33…通信装置、40…交通情報センター
【発明の属する技術分野】
本発明は、ユーザによって指定された所定の地点間の経路を探索して、同探索された経路をユーザに案内する経路案内装置、センターおよび経路探索方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、例えば、特許文献1に示すような、最適な配送ルートを探索して計画する配送/配車計画装置およびその方法は知られている。この従来の配送/配車計画装置およびその方法は、需要予測結果と各種データとに基づいて、決定された各配送先までの配送ルートに対して、動的計画法を利用して、最も配送コストが安くなる最適なルートを決定するようになっている。
【0003】
また、従来から、例えば、特許文献2に示すような、ナビゲータ装置も知られている。この従来のナビゲータ装置は、出発地から目的地までの距離、目的地までの所要時間、目的地までの通行費用のそれぞれに対して、加重係数の設定が可能となっている。そして、設定した加重係数を用いて、前記距離、所要時間および通行費用が加重加算され、この加算値が最小となる経路を表示するようになっている。
【0004】
また、従来から、例えば、特許文献3に示すような、車載用ナビゲーション装置も知られている。このナビゲーション装置は、評価関数に用いる各ヒューリスティック項の重み係数または評価関数に用いる計算式を予め複数保持している。そして、探索を行う際に、読み込んだ地図データの道路状況と探索条件とにより適切な前記重み係数または計算式を選択して最適または準最適な経路を短時間で探索するようになっている。
【0005】
さらに、従来から、例えば、特許文献4に示すような経路探索装置も知られている。この経路探索装置は、総合評価関数の数値が小さくなる経路を優先順位をもって複数探索して、そのうちの一つを任意に選択する。そして、選択された経路における各パラメータのコスト値と他の経路における各パラメータのコスト値との各対応した比較を行う。この比較により、選択された経路におけるコスト値が大きくなっているパラメータの重みを減少し、コスト値が小さくなっているパラメータの重みを増加させるように総合評価関数を書き換えるようになっている。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−183264号公報
【特許文献2】
特開平1−136300号公報
【特許文献3】
特開平8−201087号公報
【特許文献4】
特開平5−224601号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の各装置においては、ルートや経路を探索する際に、ユーザによって予め設定されている探索条件が選択されることにより、選択された探索条件に基づいて、最適なルートや経路を探索する。このため、ユーザによって予め設定されている探索条件として、例えば、”高速道路優先”なる探索条件を選択されると、上記従来の各装置は、目的地周辺の高速道路のインターチェンジを通る経路を探索することができる。この場合、目的地とインターチェンジが近ければ、ユーザは、目的地までの所要時間が短く好適に目的地まで移動することができる。
【0008】
しかしながら、目的地とインターチェンジが遠ければ、ユーザは、高速道路のインターチェンジから目的地まで交通事情の悪い道路を走行しなければならない場合がある。この場合には、上記従来の各装置は、高速道路を利用しているにもかかわらず、目的地までの所要時間が長くて通行費用がかかる経路を案内することになる。一方で、目的地周辺に詳しいユーザであれば、高速道路を途中で降りて、道路事情が良いバイパスなどを利用し、所要時間を短くかつ通行費用を安くする経路を走行することが可能となる場合がある。このため、出発地から目的地までの案内経路は、全道程を通して所要時間や通行費用などを小さくしユーザの目的地までの移動効率の良い案内経路として探索されることが望まれている。
【0009】
【発明の概要】
本発明は、上記した問題に対処するためになされたものであり、その目的は、ユーザが希望する経路探索条件に合致するとともに、ユーザの移動効率の良い最適な経路を探索する経路案内装置および経路探索方法を提供することにある。
【0010】
本発明の特徴は、車両の現在地と同車両のユーザによって入力された目的地までの案内経路を探索し、同案内経路を前記車両のユーザに対して案内する経路案内装置において、車両の走行可能な道路の地図データとともに、前記道路の属性を記憶する記憶手段と、車両のユーザによって操作されて、車両の現在地から目的地までの経路探索に関する探索条件を選択するための探索条件選択手段と、前記記憶手段に記憶した地図データを利用して前記車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索する候補経路探索手段と、前記探索条件選択手段によって選択された探索条件を前記候補経路探索手段によって探索した候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の前記記憶手段に記憶した属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを計算する経路コスト計算手段と、前記経路コスト計算手段の前記経路コストの計算に併せて、前記複数のパラメータをそれぞれ所定の変動幅で変更するパラメータ変更手段と、前記経路コスト計算手段によって計算した前記複数の候補経路の経路コストを比較し、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定する案内経路比較決定手段とを備えたことにある。
【0011】
この場合、さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得する通行状態取得手段を備えて、前記候補経路探索手段は、前記通行状態取得手段によって取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索するとよい。また、前記道路の属性は、前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものであるとよい。また、前記パラメータ変更手段は、動的計画法に基づいて、前記複数のパラメータを最適化して変更するとよい。また、前記パラメータ変更手段は、前記複数のパラメータの和を一定として変更するとよい。さらに、前記所定の変動幅は、前記案内経路比較決定手段によって決定した案内経路と、前記車両のユーザによって実際に走行された走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差であるとよい。
【0012】
また、本発明の他の特徴は、外部の車両に対して、同車両の現在地から目的地までの案内経路を探索し、同探索した案内経路を前記車両に提供するセンターにおいて、外部の車両より、同車両の現在地を表す現在地情報、目的地を表す目的地情報および現在地から目的地までの経路探索の探索条件を表す探索条件情報を受信する受信手段と、車両の走行可能な道路の地図データとともに、前記道路の属性を記憶する記憶手段と、前記受信手段によって受信した現在地情報および目的地情報に基づいて、前記記憶手段に記憶した地図データを利用して、前記現在地情報により表される現在地から前記目的地情報により表される目的地までの複数の候補経路を探索する候補経路探索手段と、前記受信手段によって受信した探索条件情報によって表される探索条件を前記候補経路探索手段によって探索した候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の前記記憶手段に記憶した属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを計算する経路コスト計算手段と、前記経路コスト計算手段の前記経路コストの計算に併せて、前記複数のパラメータを所定の変動幅で変更するパラメータ変更手段と、前記経路コスト計算手段によって計算した前記複数の候補経路の経路コストを比較し、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定する案内経路比較決定手段と、前記案内経路比較決定手段によって決定した案内経路を表す案内経路情報を前記外部の車両に送信する案内経路情報送信手段を備えたことにもある。
【0013】
この場合、さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得する通行状態取得手段を備えて、前記候補経路探索手段は、前記通行状態取得手段によって取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索するとよい。また、前記道路の属性は、前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものであるとよい。また、前記パラメータ変更手段は、動的計画法に基づいて、前記複数のパラメータを最適化して変更するとよい。また、前記パラメータ変更手段は、前記複数のパラメータの和を一定として変更するとよい。さらに、前記所定の変動幅は、前記案内経路比較決定手段によって決定した案内経路と、前記外部の車両が実際に走行した走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差であるとよい。
【0014】
また、本発明を他の観点から捉えると、本発明の特徴は、車両の現在地から同車両のユーザによって入力された目的地までの案内経路を探索する経路探索方法において、予め記憶している車両の走行可能な道路の地図データを利用して、車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索し、前記車両のユーザによって選択された前記車両の現在地から目的地までの経路探索の探索条件を前記候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の予め記憶している属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを前記複数のパラメータを変化させて計算し、前記計算した複数の候補経路のそれぞれの経路コストを比較して、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定するようにしたことにある。
【0015】
この場合、さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得し、同取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索するとよい。前記道路の属性は、前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものであるとよい。また、前記複数のパラメータを、動的計画法に基づいて最適化して変更するとよい。また、前記複数のパラメータを、前記複数のパラメータの和が一定として変更するとよい。さらに、前記複数のパラメータを前記決定した案内経路と、前記車両のユーザによって実際に走行された走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差内で変更するとよい。
【0016】
また、本発明の他の特徴は、車両に搭載された経路案内装置と交信可能なセンターが前記車両の現在地から目的地までの案内経路を探索する経路探索方法において、経路案内装置は、検出した車両の現在地を表す現在地情報、車両のユーザによって入力された目的地を表す目的地情報および前記ユーザによって選択された前記現在地から前記目的地までの経路探索の探索条件を表す経路探索条件情報をセンターに送信し、前記センターは、前記送信された現在地情報、目的地情報および経路探索条件情報を受信し、前記受信した現在地情報および目的地情報に基づいて、予め記憶している車両の走行可能な道路の地図データを利用して、前記車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索し、前記受信した経路探索条件情報により表される探索条件を前記候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の予め記憶している属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを前記複数のパラメータを変化させて計算し、前記計算した複数の候補経路のそれぞれの経路コストを比較して、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定し、前記決定した案内経路を表す案内経路情報を前記経路案内装置に送信するようにしたことにもある。
【0017】
この場合、前記センターは、さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得し、同取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索するとよい。また、前記道路の属性は、前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものであるとよい。また、前記複数のパラメータを、動的計画法に基づいて最適化して変更するとよい。また、前記複数のパラメータを、前記複数のパラメータの和が一定として変更するとよい。さらに、前記複数のパラメータを前記決定した案内経路と、前記車両のユーザによって実際に走行された走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差内で変更するとよい。
【0018】
これらによれば、経路案内装置またはセンターは、ユーザによって選択された探索条件を反映する複数のパラメータをそれぞれ変更しながら経路コストを計算することができる。このため、ユーザによって選択された探索条件が、例えば、「所要時間を短くかつ通行費用を安く」であれば、経路案内装置またはセンターは、探索条件を反映する複数のパラメータのうち、所要時間を反映するパラメータと通行時間を反映するパラメータをそれぞれ大きく(または小さく)変更し、候補経路の経路コストを計算することができる。そして、目的地までの経路コストが最小となる候補経路を案内経路として決定することができる。
【0019】
これにより、経路案内装置またはセンターは、車両の現在地から目的地までの全道程において、ユーザが選択した探索条件を満足すべく、パラメータ値を最適に変更して経路コストを計算する。これにより、決定される案内経路は、目的地から遠くにある高速道路のインターチェンジで降りて、インターチェンジから目的地までを道路事情が良いバイパスを利用する案内経路とすることができる。したがって、ユーザは、目的地までの所要時間や通行費用などを小さくして、好適に目的地まで移動することができる。
【0020】
また、経路案内装置またはセンターは、外部から通行状態情報を受信することにより、渋滞や事故が発生している道路を除外して候補経路を探索することができる。これにより、ユーザは、渋滞や事故が発生していない道路のみから構成された案内経路を走行することができて、好適に移動することができる。
【0021】
また、動的計画法(DP法)に基づいて、複数のパラメータを最適化して変更することにより、ユーザが所望する条件を反映して案内経路に反映することができる。また、複数のパラメータの和を一定としてそれぞれのパラメータ変更することにより、ユーザが選択した探索条件をバランス良く案内経路に反映することができる。すなわち、複数のパラメータの和を一定に保って、パラメータを所定の変動幅で変更することにより、一のパラメータの極端な変更を防止することができる。このため、ユーザの選択した探索条件が、例えば、通行費用を低減する探索条件であっても、有料道路を必ず除外するなど極端に探索条件を反映した経路を探索することを効果的に防止することができる。
【0022】
さらに、複数のパラメータの変動幅を案内経路と走行経路との差分に基づく標準偏差とすることができる。これにより、例えば、ユーザは熟知している経路を走行する機会が多く案内経路を敢えて走行しないなど、ユーザ固有の走行パターンを学習的に把握し、同ユーザの走行パターンを反映した案内経路を探索することができる。このため、ユーザは、好適に案内経路を走行することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る車両に搭載された位置検出器10と、同検出器10に接続された経路案内装置20を概略的に示している。
【0024】
位置検出器10は、GPS(Global Positioning System)受信機11、ジャイロスコープ12および車速センサ13を有しており、車両の現在地を検出するために利用される。GPS受信機11は、車両の現在地を検出するための電波を衛星から受信するとともに、車両の位置を座標データとして検出して出力する。ジャイロスコープ12は、車両の進行方位を検出するための車両の旋回速度を検出して出力する。車速センサ13は、車両の走行速度を検出して出力する。そして、これらGPS受信機11、ジャイロスコープ12および車速センサ13から出力された各検出値が後述する経路案内装置20のマイクロコンピュータ21に供給されることにより、マイクロコンピュータ21は、車両の現在地を検出することができる。
【0025】
経路案内装置20は、マイクロコンピュータ21を備えており、マイクロコンピュータ21には、記憶装置22、表示装置23および操作スイッチ群24が接続されている。マイクロコンピュータ21は、CPU、ROM、RAMなどを主要構成部品とするもので、図2に示す経路案内プログラムの実行により、車両の現在地の検出、車両の現在地から目的地までの経路の探索、探索した経路に従った経路案内などの処理を実行する。
【0026】
記憶装置22は、ハードディスク、不揮発性RAM、CD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体および同記録媒体のドライブ装置を含むものであり、マイクロコンピュータ21で実行される前記プログラムや各種データなどを記憶する。また、記憶装置22の記録媒体には、マイクロコンピュータ21の経路探索処理に利用される地図データ、経路案内処理に利用される音声データおよび車両の走行に関する情報(燃費情報や走行経路情報など)が予め記憶されている。
【0027】
ここで、地図データについて説明しておく。地図データは、複数の道路データや、山、海などの背景に関する背景データから構成されている。そして、道路データは、それぞれの複数のリンクデータ1,2,…の集合からなり、各リンクデータは、道路地図上の2つのノード間を結ぶリンクをそれぞれ表すリンクデータ名、道路種別(有料道路、国道、県道など)を表す道路種別データおよびノードの位置を表すノードデータを含む。ノードは、道路が交差する位置、有料道路のインターチェンジやジャンクション、道路が曲がっている位置、道路幅が変化する位置、道路種別が変化する位置、渋滞の程度が変化する位置などに、予め決められている。
【0028】
表示装置23は、図示しない液晶表示器などによって構成されていて、道路地図、車両の現在地、案内経路、各種操作指示ボタンなどを表示する。操作スイッチ群24は、マイクロコンピュータ21に対して、運転者または同乗者による各種指示(例えば、目的地の入力や経路探索条件の選択など)を外部から与えるもので、表示装置23における液晶表示器の周辺に設けた複数の操作スイッチと、表示装置23の液晶表示器と一体的に構成されたタッチスイッチとを含む。このタッチスイッチは、液晶表示器の裏側に設けられて、運転者または同乗者による液晶表示器へのタッチ操作位置を検出するために設けられている。
【0029】
この操作スイッチ群24には、図3に示すように、表示装置23の液晶表示器に表示されて経路探索の探索条件を選択するための選択ボタン群24aが含まれる。選択ボタン群24aは、”効率ボタン”、”時間ボタン”、コストボタン”および”快適ボタン”から構成される。
【0030】
”効率ボタン”は、目的地までの所要時間と必要な通行料金がともに小さくなる条件で経路の探索を指示するボタンである。”時間ボタン”は、目的地までの所要時間が最小となる条件で経路の探索を指示するボタンである。”コストボタン”は、必要な通行料金や周知の方法によって検出される車両の消費燃料が小さくなる条件で経路の探索を指示するボタンである。”快適ボタン”は、交通事情すなわち道路幅が大きい道路や渋滞が発生していない道路などを優先的に選択したり、右折回数を少なくする条件で経路の探索を指示するボタンである。
【0031】
また、マイクロコンピュータ21には、音声認識ユニット25、スピーカ26および交通情報受信機27も接続されている。音声認識ユニット25は、操作スイッチ群24に代えて用いられるもので、マイクロフォンを内蔵しており、運転者または同乗者の音声による指示を認識して、同指示内容をマイクロコンピュータ21に与えるものである。スピーカ26は、運転者に対して、探索された案内経路の案内を音声によって提供するものである。
【0032】
交通情報受信機27は、受信アンテナ27aを備えていて、外部(例えば、交通情報センターなど)から提供される渋滞情報や事故情報などの通行状態情報を受信するものである。そして、交通情報受信機27は、取得した通行状態情報をマイクロコンピュータ21を介して、記憶装置22に供給することにより、記憶装置22の所定記憶位置に通行状態情報を記憶するようになっている。ここで、交通情報受信機27としては、例えば、FM電波や、道路沿いに設置された送信装置から送信される電波ビーコンまたは光ビーコンを受信するVICS(Vehicle Information and Communication System)受信機を採用することができる。あるいは、道路に沿って埋設されたLCX(Leaky
Coaxial:漏洩同軸)ケーブルから漏洩した電波を受信するLCX漏洩電波受信機などを採用することができる。
【0033】
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作について説明する。運転者が図示しないイグニッションスイッチをオン状態とすると、経路案内装置20のマイクロコンピュータ21は、図2に示す経路案内プログラムを所定の短時間ごとに繰り返し実行する。
【0034】
このメインプログラムは、ステップS10にて開始される。そして、マイクロコンピュータ21は、ステップS11にて、位置検出器10から出力された検出値に基づいて車両の現在地を検出し、同検出した現在地を表す現在地情報(例えば、座標データ)を図示しないRAMに一時的に記憶する。
【0035】
続いて、マイクロコンピュータ21は、ステップS12にて、運転者または同乗者に対して目的地を入力するように促す。すなわち、マイクロコンピュータ21は、表示装置23に対して、図示しない液晶表示器に目的地入力画面を表示するように指示する。表示装置23は、同指示に従い、液晶表示器に所定の目的地入力画面を表示する。運転者または同乗者は、液晶表示器の所定位置に表示されている操作スイッチ群24の操作指示ボタンをタッチ操作して、例えば、目的地周辺の地図を表示させたり、電話番号や施設名称などを入力する画面を表示させたりして、目的地を入力する。このように、目的地が入力されると、マイクロコンピュータ21は、入力された目的地を表す目的地情報(例えば、座標データ)を図示しないRAMに一時的に記憶して、ステップS13に進む。
【0036】
ステップS13においては、マイクロコンピュータ21は、運転者または同乗者によって経路を探索するための探索条件が入力されたか否かを判定する。具体的に説明すると、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS12にて、運転者または同乗者によって目的地が入力されると、表示装置23に対して、液晶表示器に経路探索条件設定画面を表示するように指示する。
【0037】
表示装置23は、同指示に従い、図3に示すように、液晶表示器に経路探索条件設定画面を表示する。運転者または同乗者は、表示されている選択ボタン群24aのうち、希望する探索条件を表すボタンをタッチ操作して、経路探索条件を選択する。ここで、運転者または同乗者によって経路探索条件が選択されると、マイクロコンピュータ21は、選択された経路探索条件を表す経路探索条件情報を記憶装置22の所定記憶位置に更新して記憶する。このように、経路探索条件が選択されると、マイクロコンピュータ21は、ステップS13にて「Yes」と判定して、ステップS14に進む。
【0038】
なお、ステップS12およびステップS13においては、運転者または同乗者は、音声認識ユニット25を利用して、目的地を入力したり、経路探索条件を選択することも可能である。すなわち、運転者または同乗者は、音声認識ユニット25のマイクロフォンに対して、例えば、「○○ショッピングセンター」などと発音して目的地を入力したり、「快適」などと発音して経路探索条件を選択することも可能である。この場合、音声認識ユニット25は、運転者または同乗者の音声入力内容を認識し、同内容をマイクロコンピュータ21に供給する。これにより、マイクロコンピュータ21は、目的地や経路探索条件を認識して、ステップS12およびステップS13の処理を実行することができる。
【0039】
ステップS14においては、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS12にて入力された目的地までの案内経路を前記ステップS13にて入力された経路探索条件に基づいて探索する。この経路探索処理を具体的に説明する。
【0040】
マイクロコンピュータ21は、まず、前記ステップS13にて選択された経路探索条件に基づいて、運転者または同乗者によって入力された目的地までの複数の経路(以下、この経路を候補経路という)を探索する。
【0041】
すなわち、運転者または同乗者によって、”効率ボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、例えば、国道と高速道路を利用して、現在地から目的地までの候補経路を複数探索する。また、”時間ボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、例えば、法定速度が大きい道路(高速道路)を利用して、現在地から目的地までの候補経路を複数探索する。また、”コストボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、例えば、有料道路以外の道路を利用して、現在地から目的地までの候補経路を複数探索する。さらに、”快適ボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、交通情報受信機27を介して取得した交通情報に基づいて、例えば、交通渋滞が発生しておらず道路の車線数が多い道路を利用して、現在地から目的地までの候補経路を複数探索する。
【0042】
次に、マイクロコンピュータ21は、複数探索した候補経路の経路コストをそれぞれ計算する。この計算された経路コストは、運転者または同乗者によって選択された経路探索条件に合致する経路を表す指数であって、経路の優先度を表すものである。そして、マイクロコンピュータ21は、それぞれの候補経路について計算した経路コストが最小となる経路を、案内経路として最終的に決定する。以下、案内経路を最終的に決定するためのマイクロコンピュータ21の処理について、詳細に説明する。
【0043】
マイクロコンピュータ21は、下記数1および数2を利用して、候補経路の経路コストAを計算する。
【0044】
【数1】
【0045】
【数2】
【0046】
ここで、経路コストAiは、リンクiまでの経路コストであり、経路コストAi+1は、次のリンク(リンクi+1)までの経路コストである。また、diおよびdi+1は、リンクiおよびリンクi+1の経路距離であり、viおよびvi+1は、リンクiおよびリンクi+1の法定速度である。また、eiおよびei+1は、リンクiおよびリンクi+1の道路種別であり、fiおよびfi+1は、リンクiおよびリンクi+1の車両の推定燃費である。また、ΣdiおよびΣdi+1は現在地からリンクiおよびリンクi+1までの合計距離、Σ(di/vi)およびΣ(di+1/vi+1)は現在地からリンクiおよびリンクi+1までの合計所要時間、Σ(ei×di)およびΣ(ei+1×di+1)は、現在地からリンクiおよびリンクi+1までの合計通行料金、Σ(fi×di)およびΣ(fi+1×di+1)は現在地からリンクiおよびリンクi+1までの合計消費燃料を表している。
【0047】
また、α,β,γおよびδは、運転者または同乗者が入力した経路探索条件を候補経路に反映するためのパラメータであって、上記数1または数2の距離、所要時間、通行料金および消費燃料のうち、経路探索条件に関係する項目に重み付けするものである。
【0048】
すなわち、運転者または同乗者によって、”快適ボタン”が入力された場合には、探索する経路の所要時間と通行費用とのバランスを保つように、α,β,γおよびδの値が決定される。また、”時間ボタン”が入力された場合には、目的地まで移動するための所要時間が最短となるように、δ=”0”として、α,βおよびγの値が決定される。また、”コストボタン”が入力された場合には、目的地までの移動費用が最小となるように、α=”0”,δ=”0”として、βおよびγの値が決定される。さらに、”快適ボタン”が入力された場合には、探索する経路を交通事情が良好な道路を優先的に選択するように、α=”0”,β=”0”として、γおよびδの値が決定される。
【0049】
これら各パラメータの値を決定するにあたり、各パラメータの値は、以下に詳細に説明する制約1から制約3を満たすように決定される。なお、以下の説明においては、決定される各パラメータの組み合わせをパラメータセットという。
【0050】
パラメータセットは、図4に示す制約1から制約3の要件を満足させるように決定される。これらの要件は、制約1が各パラメータ値の和を一定とすることあり、制約2が各パラメータ値を所定の変動幅内で変更することであり、制約3が所定の変動幅を標準偏差に基づいて決定することである。ここで、制約3の標準偏差は、例えば、運転者が自らの経験に基づいて、敢えて案内経路を逸脱して走行する頻度を経路案内装置20が学習することにより、計算される標準偏差である。
【0051】
この経路案内装置20による学習について、以下に説明する。この経路案内装置20による学習は、同装置20が探索した案内経路(推奨経路)と、運転者が実際に走行した走行経路との差分に基づいて行われるものである。まず、学習の過程について説明する。経路案内装置20は、後述するように、経路コストを計算し、運転者に対して案内経路(推奨経路)を探索する。この案内経路(推奨経路)の探索に際し、経路案内装置20は、初回の探索には、初期値として予め設定されているパラメータセット(α0,β0,γ0,δ0)を利用して、案内経路(推奨経路)を探索する。
【0052】
また、経路案内装置20は、過去に計算した経路コスト計算回数が5回以下である場合には、学習による標準偏差がなく図4に示すΔが定義できないため、簡易的に、初期値として予め設定されているパラメータセットを構成する各値の50%をΔと定義する。そして、経路案内装置20は、この定義したΔを利用して、経路コスト計算を実行し、案内経路(推奨経路)を探索する。
【0053】
さらに、経路案内装置20は、過去に計算した経路コスト計算回数が6回以上である場合には、過去5回の経路コスト計算によって決定したパラメータセットに基づいて標準偏差すなわちΔを求め、Δを定義する。そして、経路案内装置20は、以降、経路コスト計算を計算するごとにΔを求め、前回定義したΔを更新する。このように、標準偏差すなわちΔを繰り返し更新することにより、経路案内装置20は、運転者の案内経路(推奨経路)に対する走行パターンを学習することができる。これにより、経路案内装置20が探索する案内経路(推奨経路)に対して、運転者の走行パターンがより反映され、運転者にとって好適な案内経路(推奨経路)とすることができる。
【0054】
次に、経路案内装置20の学習方法について説明する。経路案内装置20は、案内経路(推奨経路)と走行経路との差分から最適計算を実施してパラメータセット(αi,βi,γi,δi)を求める。すなわち、上記数1によって定義される経路コストAにて、例えば、出発地から目的地間の経路距離、法定速度、道路種別、(推定)燃費は、車両の走行後において、各値が既知の値となる。また、経路コストAは、パラメータセットの組み合わせによって変化するが、パラメータセットがドライバにとって最適に設定されていれば、経路コストAが最小である案内経路(推奨経路)と走行経路とは一致する。このように、案内経路(推奨経路)と走行経路が一致する場合には、経路案内装置20は、学習する必要がなくて、Δを「0」とする。
【0055】
一方、案内経路(推奨経路)と走行経路とが一致しない場合には、経路案内装置20は、パラメータセットすなわちα,β,γ,δを適宜変化させて、経路コストAを最小とするα,β,γ,δを演算して求める。そして、経路案内装置20は、演算して求めたα,β,γ,δをαi,βi,γi,δiとし、ある案内経路(推奨経路)に対する学習結果パラメータセットとして蓄積しておく。そして、経路案内装置20は、蓄積した学習結果パラメータセットが5セット以上蓄積され、かつ、同蓄積した学習結果パラメータセットのうち、異なる目的地までの案内経路(推奨経路)に対する学習パラメータセットが3セット以上含まれる場合には、下記数3および数4の演算を実施する。
【0056】
【数3】
【0057】
【数4】
【0058】
ここで、Nは、蓄積した学習結果パラメータセットのセット数である。ここで、他のパラメータすなわちβi,γi,δiについても数3および数4に基づいて同様に演算されて、Δβ,Δγ,Δδが演算されることはいうまでもない。そして、経路案内装置20は、演算したΔα,Δβ,Δγ,Δδを、上記した制約3のΔとして設定する。なお、運転者の走行経路に明らかに偏りがある場合は、例えば、「お好み走行モード」などを新たに設けて、αi,βi,γi,δiを別途設定するようにすることも可能である。
【0059】
そして、マイクロコンピュータ21は、上記数1および数2に基づく経路コストの計算に併せて、α,β,γおよびδを制約1から制約3を満足させながらそれぞれ変更する。まず、マイクロコンピュータ21は、車両の現在地から1番目のリンク1(以下、現在地からi番目のリンクをリンクiという)について、記憶装置22に予め設定されて記憶しているパラメータセットを利用して、経路コストA1を計算する。具体的に説明すると、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS13にて記憶装置22の所定記憶位置に記憶した経路探索条件情報を取得する。また、マイクロコンピュータ21は、取得した経路探索条件情報が表す経路探索条件に対応するパラメータセットを記憶装置22から取得する。
【0060】
すなわち、前記ステップS13にて、”効率ボタン”が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は、記憶装置22から、図5に示すように、パラメータセットとして、α=0.2,β=0.3,γ=0.3,δ=0.2を取得する。また、”時間ボタン”が選択されていれば、パラメータセットとして、α=0.25,β=0.5,γ=0.25,δ=0を取得する。また、”コストボタン”が選択されていれば、パラメータセットとして、α=0,β=0.5,γ=0.5,δ=0を取得する。さらに、”快適ボタン”が選択されていれば、パラメータセットとして、α=0,β=0,γ=0.5,δ=0.5を取得する。なお、以下の説明においては、運転者または同乗者によって、”効率ボタン”が選択されているものとして説明する。
【0061】
次に、マイクロコンピュータ21は、記憶装置22に記憶している地図データおよび通行状態情報を利用して、候補経路のリンク1に関する距離、法定速度、道路種別および推定燃費を表す各情報を取得する。そして、マイクロコンピュータ21は、取得した各情報によって表される数値およびパラメータセットによって表されるパラメータ値を数1に代入して、リンク1の経路コストA1を計算する。
【0062】
次に、マイクロコンピュータ21は、リンク2の経路コストA2を数2に基づいて計算する。この場合においても、マイクロコンピュータ21は、記憶装置22から候補経路のリンク2に関する距離、法定速度、道路種別および推定燃費を表す各情報を取得する。そして、マイクロコンピュータ21は、経路コストA1の計算に用いた各パラメータ値をα,β,γ,δの順に変更して経路コストA2を計算する。
【0063】
すなわち、マイクロコンピュータ21は、制約2および制約3に基づいてαを変更して最小となる経路コストA2を計算する。このとき、マイクロコンピュータ21は、β,γ,δについて制約1から制約3を満足するように変更してαを決定し、経路コストA2が最小となるパラメータセットを決定する。以下、このαを変化させたときの経路コストを経路コストA2αという。
【0064】
また、マイクロコンピュータ21は、制約2および制約3に基づいてβを変更して最小となる経路コストA2を計算する。このとき、マイクロコンピュータ21は、γ,δについて制約1から制約3を満足するように変更してβを決定し、経路コストA2が最小となるパラメータセットを決定する。以下、このβを変化させたときの経路コストを経路コストA2βという。なお、この場合においては、αの値は変化させない。
【0065】
さらに、マイクロコンピュータ21は、制約2および制約3に基づいてγを変更して最小となる経路コストA2を計算する。このとき、マイクロコンピュータ21は、δについて制約1から制約3を満足するように変更してγを決定し、経路コストA2が最小となるパラメータセットを決定する。以下、このγを変化させたときの経路コストを経路コストA2γという。なお、この場合においては、αおよびβの値は変化させない。ここで、δは、決定されたα,βおよびγを利用して制約1に基づいて決定される。
【0066】
そして、マイクロコンピュータ21は、上記計算した経路コストA2α、A2βおよびA2γのうち最小となる経路コストを選択し、この選択した経路コストを経路コストA2として決定する。このように、リンク2の経路コストA2を決定すると、マイクロコンピュータ21は、リンク2の経路コスト計算と同様の計算を繰り返して、リンク3の経路コストA3、リンク4の経路コストA4、…、リンクiの経路コストAi、…、リンクjすなわち目的地に接続するリンクの経路コストAjを計算する。
【0067】
このように、一の候補経路の経路コストA1、…、経路コストAjを決定すると、マイクロコンピュータ21は、決定した経路コストを平均処理することにより、この候補経路のトータルの経路コストAを決定する。また、マイクロコンピュータ21は、他の候補経路の経路コストも同様に計算して決定し、これら決定した複数の候補経路の経路コストのうち、最小となる候補経路を案内経路として決定する。そして、マイクロコンピュータ21は、案内経路を決定すると、同決定した案内経路を表す案内経路情報を記憶装置22の所定記憶位置に記憶して、ステップS16に進む。
【0068】
また、前記ステップS13にて、運転者または同乗者により、所定の時間(例えば、10sec程度)が経過するまでに経路探索条件が選択されなければ、マイクロコンピュータ21は、「No」と判定して、ステップS15に進む。ステップS15においては、マイクロコンピュータ21は、前回の経路案内プログラム実行時に運転者または同乗者によって選択され、記憶装置22の所定記憶位置に記憶した経路探索条件に基づいて、目的地までの案内経路を探索する。ここで、ステップS15における経路探索処理は、前記ステップS14の経路探索処理と同様に、上記数1および数2に基づいて、リンクごとにパラメータセットを変化させて経路コストを計算する。そして、計算した経路コストが最小となるとなる候補経路を案内経路として決定し、決定した案内経路を表す案内経路情報を記憶装置22の所定記憶位置に記憶して、ステップS16に進む。
【0069】
前記ステップS14または前記ステップS15の処理後、ステップS16にて、マイクロコンピュータ21は、運転者に対して、決定した案内経路の案内を開始する。具体的に説明すると、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS14または前記ステップS15の実行により、記憶装置22の所定記憶位置に記憶した案内経路情報を表示装置23に供給するとともに、液晶表示器上に案内画面を表示するように指示する。表示装置23は、同指示に従って、記憶装置22に記憶されている地図データを利用して、液晶表示器上に道路地図や背景を表示するとともに、供給された案内経路情報に基づく案内経路を表示する。また、マイクロコンピュータ21は、案内経路情報の音声データを、スピーカ26を介して再生し、運転者に対して、案内経路を音声によって案内する。
【0070】
前記ステップS16にて探索経路案内処理が実行された後、ステップS17にて、マイクロコンピュータ21は、車両が目的地に到着しているか否かを判定する。すなわち、マイクロコンピュータ21は、位置検出器10からの各検出値に基づいて、車両が目的地に到着していなければ、「No」と判定して、前記ステップS16に戻り、探索経路案内処理を実行する。そして、マイクロコンピュータ21は、車両が目的地に到着して「Yes」と判定されるまで繰り返し前記ステップS16の探索経路案内処理を実行する。一方、車両が目的地に到着していると判定すると、「Yes」と判定してステップS18に進み、運転者に対して、例えば、「目的地に到着しました。」などの音声案内を実行し、ステップS19にて経路案内プログラムの実行を終了する。
【0071】
以上の説明からも理解できるように、本第1実施形態によれば、運転者または同乗者は、経路探索条件を選択することができる。そして、マイクロコンピュータ21は、選択された経路探索条件を反映すべく、パラメータセットを経路コスト計算において制約1から制約3を満たしながら変更することができる。このように、パラメータセットを変更して計算した経路コストが最小となる候補経路を案内経路として決定することにより、運転者または同乗者が希望する経路探索条件における経路コスト計算を最適化することができる。これにより、運転者または同乗者が希望する経路探索条件に最も合致した案内経路を探索することができて、案内経路を好適に提供することができる。
【0072】
上記第1実施形態においては、車両に搭載された経路案内装置20のマイクロコンピュータ21がパラメータセットを構成する各パラメータ値を変更して候補経路の経路コストを計算した。そして、計算した経路コストが最小となる候補経路を、運転者または同乗者が選択した経路探索条件に最も適した案内経路として、案内するように実施した。しかしながら、経路案内装置20がセンターと通信可能であり、経路案内装置20が案内経路を表す案内経路情報を受信して案内経路を案内する場合には、センターにて、パラメータセットを構成する各パラメータ値を変更して経路コストを計算し、最適な案内経路を決定するように実施してもよい。以下、この第2実施形態について説明するが、上記第1実施形態と同一部分には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0073】
この第2実施形態に係る経路案内装置20は、図6に示すように、案内経路情報を提供するセンター30と通信可能とされている。そして、センター30は、交通情報を提供する交通情報センター40と通信可能に接続されている。この第2実施形態に係る経路案内装置20は、図7に示すように、上記第1実施形態の交通情報受信機27が省略されて、通信装置28が設けられている。通信装置28は、センター30との無線交信を可能とするものであり、無線交信するアンテナ28aが接続されている。
【0074】
センター30は、図8に示すように、互いに通信可能に接続された制御装置31、記憶装置32、通信装置33および外部通信インターフェース34(以下、外部通信I/F34という)を備えている。制御装置31は、CPU、ROM、RAM、タイマなどを主要構成部品とするもので、図9のセンター側プログラムを含む各種プログラムの実行により、記憶装置32、通信装置33および外部通信I/F34の作動を統括的に制御する。そして、経路案内装置20より受信した車両の現在地から目的地までの経路探索および提供などの処理を実行する。
【0075】
記憶装置32は、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROMなどの記録媒体および同記録媒体のドライブ装置を含むものであり、制御装置31で実行される前記プログラムを含む各種プログラムおよび各種データを記憶している。また、記憶装置32のハードディスク内には、全国の最新かつ詳細な地図データを記憶しておくための地図データベース32aが構築されている。ここで、地図データベース32aに記憶されている地図データは、上述した地図データと同様に構成されている。
【0076】
通信装置33は、経路案内装置20と無線通信可能とするものである。そして、通信装置33には、無線交信するためのアンテナ33aが接続されている。ここで、経路案内装置20とセンター30との間の交信は、アンテナ28aおよびアンテナ33aを用いて無線で行われるものであるが、通常の方法で行われて特徴を有するものではない。したがって、以降の説明において、受信、送信などと単にいう場合にはこれらに交信方法の適当な方法を採用しているものとする。外部通信I/F34は、通信回線NWに接続しており、交通情報センター40から提供される交通情報や渋滞情報を制御装置31に提供する。
【0077】
次に、上記のように構成した第2実施形態の動作について説明する。運転者によって図示しないイグニッションスイッチがオン状態とされると、経路案内装置20のマイクロコンピュータ21は、図8に示す経路案内装置側のプログラムの実行をステップS100にて開始する。
【0078】
そして、ステップS13にて、経路探索条件が選択されていれば、マイクロコンピュータ21は「Yes」と判定して、ステップS101に進む。ステップS101においては、マイクロコンピュータ21は、前記ステップS11にて検出した現在地を表す現在地情報、ステップS12にて入力された目的地を表す目的地情報および前記ステップS13にて選択された経路探索条件を表す経路探索条件情報をセンター30に送信する。
【0079】
また、ステップS13にて、所定時間内に経路探索条件が選択されていなければ、マイクロコンピュータ21は「No」と判定して、ステップS102に進む。ステップS102においては、マイクロコンピュータ21は、現在地情報、目的地情報および前回のプログラム実行時に運転者または同乗者によって選択されて記憶装置22の所定記憶位置に記憶した経路探索条件を表す経路探索条件情報をセンター30に送信する。
【0080】
センター30においては、制御装置31が、ステップC10にて、前記ステップS101またはステップS102の送信処理によって送信された各情報を受信するとともに、同受信した各情報を記憶装置32の所定記憶位置に記憶する。そして、各情報を記憶装置32に記憶すると、ステップC11に進む。
【0081】
ステップC11においては、制御装置31は、前記ステップC10にて受信した車両の現在地情報、目的地情報および経路探索条件情報に基づいて、車両の現在地から目的地までの案内経路を探索する。この制御装置31による案内経路の探索は、実質的に上記第1実施形態に係る経路案内装置20の案内経路の探索と同一であるため、その詳細な説明は省略するが、以下に簡単に説明する。
【0082】
制御装置31は、まず、外部通信I/F34を介して、交通情報センター40から交通情報や渋滞情報を取得するとともに、前記受信した経路探索条件情報によって表される経路探索条件に基づいて、車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索する。次に、制御装置31は、上記数1および数2を利用して、複数探索した候補経路の経路コストをそれぞれ計算する。制御装置31は、記憶装置32に予め設定されて記憶している図5に示すパラメータセットを取得するとともに、地図データベース32aに記憶している地図データを利用して、候補経路のリンク1に関する各情報を取得する。そして、制御装置31は、取得した各情報およびパラメータセットを上記数1に代入して、リンク1に経路コストA1を計算する。
【0083】
次に、制御装置31は、リンク2の経路コストを数2に基づいて計算する。このとき、制御装置31は、経路コストA1の計算に用いたパラメータセットの各パラメータ値を変更して経路コストA2を計算する。すなわち、制御装置31は、パラメータα,β,γおよびδをそれぞれ変更したときの経路コストA2α、A2βおよびA2γを比較して、最小となる経路コストを選択して、リンク2の経路コストA2を決定する。そして、制御装置31は、目的地に接続するリンクjの経路コストAjまで決定し、これら決定した経路コストを平均処理することにより、この候補経路のトータルの経路コストAを決定する。また、制御装置31は、他の候補経路についても同様に、トータルの経路コストを決定し、これら決定したトータルの経路コストを比較して、経路コストが最小となる候補経路を案内経路として決定する。このように、案内経路を決定すると、制御装置31は、同決定した案内経路を表す案内経路情報を記憶装置32の所定記憶位置に記憶して、ステップC12に進む。
【0084】
ステップC12においては、制御装置31は、前記ステップC11にて記憶した案内経路情報を経路案内装置20に送信する。すなわち、制御装置31は、記憶装置32を利用して、記憶した案内経路情報を取得するとともに、同取得した案内経路情報を通信装置33に供給する。通信装置33は、供給された案内経路情報をアンテナ33aを介して、経路案内装置20に送信する。
【0085】
経路案内装置20においては、マイクロコンピュータ21が、ステップS103にて、前記ステップC12の送信処理によって送信された案内経路情報を通信装置28を介して受信する。そして、マイクロコンピュータ21は、受信した案内経路情報を記憶装置22の所定記憶位置に記憶して、ステップS16に進む。
【0086】
以上の説明からも理解できるように、この第2実施形態においても、運転者または同乗者は、経路探索条件を選択することができる。そして、センター30の制御装置31は、受信した経路探索条件情報により表される経路探索条件を反映すべく、パラメータセットを経路コスト計算において制約1から制約3を満たしながら変更することができる。このように、パラメータセットを変更して計算した経路コストが最小となる候補経路を案内経路として決定することにより、運転者または同乗者が希望する経路探索条件における経路コスト計算を最適化することができる。これにより、運転者または同乗者が希望する経路探索条件に最も合致した案内経路を探索することができて、案内経路を好適に提供することができる。
【0087】
ここで、上記第1実施形態および第2実施形態においては、運転者または同乗者の選択可能な経路探索条件を、”効率”、”時間”、”コスト”および”快適”として実施したが、本発明の目的を逸脱しない限り、これらの項目に限定されないことはいうまでもない。同様に、上記第1実施形態および第2実施形態においては、経路コストの計算において、パラメータセットを構成するパラメータをα,β,γおよびδとして実施したが、本発明の目的を逸脱しない限り、これらのパラメータに限定されないことはいうまでもない。さらに、上記第1実施形態および第2実施形態においては、各パラメータを変化させるときに、それぞれのパラメータを一つずつ変化させて、最小となる経路コストを計算するように実施したが、他の方法(例えば、動的計画法など)を利用して、経路コストを計算することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る経路案内装置の概略を示すブロック図である。
【図2】図1の経路案内装置にて実行される第1実施形態に係る経路案内プログラムのフローチャートである。
【図3】経路探索条件を説明するための図である。
【図4】パラメータの制約を説明するための図である。
【図5】記憶装置に記憶されているパラメータセットを説明するための図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る経路案内システムの全体を示す概略ブロック図である。
【図7】図6の経路案内装置の概略を示すブロック図である。
【図8】図6のセンターの概略を示すブロック図である。
【図9】図6の経路案内装置およびセンターにて実行される第2実施形態に係る経路案内プログラムのフローチャートである。
【符号の説明】
10…位置検出器、20…経路案内装置、21…マイクロコンピュータ、22…記憶装置、27…交通情報受信機、28…通信装置、30…センター、31…制御装置、32…記憶装置、33…通信装置、40…交通情報センター
Claims (24)
- 車両の現在地と同車両のユーザによって入力された目的地までの案内経路を探索し、同案内経路を前記車両のユーザに対して案内する経路案内装置において、
車両の走行可能な道路の地図データとともに、前記道路の属性を記憶する記憶手段と、
車両のユーザによって操作されて、車両の現在地から目的地までの経路探索に関する探索条件を選択するための探索条件選択手段と、
前記記憶手段に記憶した地図データを利用して前記車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索する候補経路探索手段と、
前記探索条件選択手段によって選択された探索条件を前記候補経路探索手段によって探索した候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の前記記憶手段に記憶した属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを計算する経路コスト計算手段と、
前記経路コスト計算手段の前記経路コストの計算に併せて、前記複数のパラメータをそれぞれ所定の変動幅で変更するパラメータ変更手段と、
前記経路コスト計算手段によって計算した前記複数の候補経路の経路コストを比較し、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定する案内経路比較決定手段とを備えたことを特徴とする経路案内装置。 - 請求項1に記載した経路案内装置において、
さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得する通行状態取得手段を備えて、
前記候補経路探索手段は、前記通行状態取得手段によって取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索することを特徴とする経路案内装置。 - 前記道路の属性は、
前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものである請求項1または請求項2に記載した経路案内装置。 - 前記パラメータ変更手段は、
動的計画法に基づいて、前記複数のパラメータを最適化して変更する請求項1ないし請求項3のうちのいずれか一つに記載した経路案内装置。 - 前記パラメータ変更手段は、
前記複数のパラメータの和を一定として変更する請求項1ないし請求項4のうちのいずれか一つに記載した経路案内装置。 - 前記所定の変動幅は、
前記案内経路比較決定手段によって決定した案内経路と、前記車両のユーザによって実際に走行された走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差である請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一つに記載した経路案内装置。 - 外部の車両に対して、同車両の現在地から目的地までの案内経路を探索し、同探索した案内経路を前記車両に提供するセンターにおいて、
外部の車両より、同車両の現在地を表す現在地情報、目的地を表す目的地情報および現在地から目的地までの経路探索の探索条件を表す探索条件情報を受信する受信手段と、
車両の走行可能な道路の地図データとともに、前記道路の属性を記憶する記憶手段と、
前記受信手段によって受信した現在地情報および目的地情報に基づいて、前記記憶手段に記憶した地図データを利用して、前記現在地情報により表される現在地から前記目的地情報により表される目的地までの複数の候補経路を探索する候補経路探索手段と、
前記受信手段によって受信した探索条件情報によって表される探索条件を前記候補経路探索手段によって探索した候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の前記記憶手段に記憶した属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを計算する経路コスト計算手段と、
前記経路コスト計算手段の前記経路コストの計算に併せて、前記複数のパラメータを所定の変動幅で変更するパラメータ変更手段と、
前記経路コスト計算手段によって計算した前記複数の候補経路の経路コストを比較し、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定する案内経路比較決定手段と、
前記案内経路比較決定手段によって決定した案内経路を表す案内経路情報を前記外部の車両に送信する案内経路情報送信手段を備えたことを特徴とするセンター。 - 請求項7に記載したセンターにおいて、
さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得する通行状態取得手段を備えて、
前記候補経路探索手段は、前記通行状態取得手段によって取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索することを特徴とするセンター。 - 前記道路の属性は、
前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものである請求項7または請求項8に記載したセンター。 - 前記パラメータ変更手段は、
動的計画法に基づいて、前記複数のパラメータを最適化して変更する請求項7ないし請求項9のうちのいずれか一つに記載したセンター。 - 前記パラメータ変更手段は、
前記複数のパラメータの和を一定として変更する請求項7ないし請求項10のうちのいずれか一つに記載したセンター。 - 前記所定の変動幅は、
前記案内経路比較決定手段によって決定した案内経路と、前記外部の車両が実際に走行した走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差である請求項7ないし請求項11のうちのいずれか一つに記載したセンター。 - 車両の現在地から同車両のユーザによって入力された目的地までの案内経路を探索する経路探索方法において、
予め記憶している車両の走行可能な道路の地図データを利用して、車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索し、
前記車両のユーザによって選択された前記車両の現在地から目的地までの経路探索の探索条件を前記候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の予め記憶している属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを前記複数のパラメータを変化させて計算し、
前記計算した複数の候補経路のそれぞれの経路コストを比較して、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定するようにしたことを特徴とする経路探索方法。 - 請求項13に記載した経路探索方法において、
さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得し、
同取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索することを特徴とする経路探索方法。 - 前記道路の属性は、
前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものである請求項13または請求項14に記載した経路探索方法。 - 前記複数のパラメータを、
動的計画法に基づいて最適化して変更する請求項13ないし請求項15のうちのいずれか一つに記載した経路探索方法。 - 前記複数のパラメータを、
前記複数のパラメータの和が一定として変更する請求項13ないし請求項16のうちのいずれか一つに記載した経路探索方法。 - 前記複数のパラメータを
前記決定した案内経路と、前記車両のユーザによって実際に走行された走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差内で変更する請求項13ないし請求項17のうちのいずれか一つに記載した経路案内方法。 - 車両に搭載された経路案内装置と交信可能なセンターが前記車両の現在地から目的地までの案内経路を探索する経路探索方法において、
経路案内装置は、
検出した車両の現在地を表す現在地情報、車両のユーザによって入力された目的地を表す目的地情報および前記ユーザによって選択された前記現在地から前記目的地までの経路探索の探索条件を表す経路探索条件情報をセンターに送信し、
前記センターは、
前記送信された現在地情報、目的地情報および経路探索条件情報を受信し、
前記受信した現在地情報および目的地情報に基づいて、予め記憶している車両の走行可能な道路の地図データを利用して、前記車両の現在地から目的地までの複数の候補経路を探索し、
前記受信した経路探索条件情報により表される探索条件を前記候補経路に反映する複数のパラメータと、前記候補経路を構成する道路の予め記憶している属性とを少なくとも含んで、前記探索条件に合致する候補経路の優先度を表す経路コストを前記複数のパラメータを変化させて計算し、
前記計算した複数の候補経路のそれぞれの経路コストを比較して、同経路コストのうち、最小の経路コストを有する候補経路を案内経路として決定し、
前記決定した案内経路を表す案内経路情報を前記経路案内装置に送信するようにしたことを特徴とする経路探索方法。 - 請求項19に記載した経路探索方法において、
前記センターは、
さらに、外部から道路の通行状態に関する通行状態情報を取得し、
同取得した通行状態情報を利用して、前記複数の候補経路を探索することを特徴とする経路探索方法。 - 前記道路の属性は、
前記道路の種別、前記道路の距離、前記道路の法定速度および前記道路の通行に要する費用を少なくとも含むものである請求項19または請求項20に記載した経路探索方法。 - 前記複数のパラメータを、
動的計画法に基づいて最適化して変更する請求項19ないし請求項21のうちのいずれか一つに記載した経路探索方法。 - 前記複数のパラメータを、
前記複数のパラメータの和が一定として変更する請求項19ないし請求項22のうちのいずれか一つに記載した経路探索方法。 - 前記複数のパラメータを
前記決定した案内経路と、前記車両のユーザによって実際に走行された走行経路との差分に基づいて算出される標準偏差内で変更する請求項19ないし請求項23のうちのいずれか一つに記載した経路案内方法。
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