JP2005043058A - 乾式キャスクの使用済核燃料収納方法及び乾式キャスク - Google Patents
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Abstract
【課題】キャスク本体と内蓋との隙間、特に、内蓋のボルト孔やシール溝にプールの水が入り込まないようにする。仮に、水が侵入したとしても残存水を容易に除去することができる。
【解決手段】乾式キャスクの蓋をキャスク本体2から取り外した後、前記キャスク本体2にプール内で使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法である。前記キャスク本体2をプール内に引き入れた際、キャスク本体2のボルト孔27にプールの水wが入らないようにキャッピング治具41を取り付けたキャスク本体2をプール内で取り扱う。
【選択図】 図2
【解決手段】乾式キャスクの蓋をキャスク本体2から取り外した後、前記キャスク本体2にプール内で使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法である。前記キャスク本体2をプール内に引き入れた際、キャスク本体2のボルト孔27にプールの水wが入らないようにキャッピング治具41を取り付けたキャスク本体2をプール内で取り扱う。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾式キャスクの使用済核燃料収納方法及び乾式キャスク、更に詳しくは、使用済核燃料をプール内でキャスク本体に収納する際に、キャスク本体に設けられているボルト孔に水が侵入しないようにした乾式キャスクの使用済核燃料収納方法及びその際に使用する乾式キャスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乾式キャスクは、使用済核燃料をキャスク本体に収納する時、プール内にキャスク本体を沈めてから水中の使用済核燃料をキャスク本体に収納し、しかる後に、キャスク本体に内蓋を取り付けてプールから引き揚げ、更に、プールの床面上でキャスク本体内の水の排出した後、キャスク本体内を真空乾燥し、最後に、キャスク内にヘリウムなどの不活性ガスの充填を行なっている(例えば、は非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
「使用済燃料貯蔵施設規格、金属キャスク構造規格」,JSME S FA1−2001, 2001 年 8月, 財団法人 日本機械学会, 解説1−8 −解説1−9
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、乾式キャスクは、キャスク本体内の水を排出した後、キャスク本体内の真空乾燥を行なっているが、キャスク本体と内蓋との間の隙間の小さい部分(狭隘部)の水は、真空乾燥でもなかなか除去することができない。特に、内蓋のボルト孔やシール溝内の残存する水は、内蓋とキャスク本体の接合部に閉じ込められるために、特に、除去することが難しい。
【0005】
また、従来の技術として、「金属製密閉容器と金属製密閉容器の乾燥方法(特開2002−277585号公報参照。)」がある。本技術では、上記の問題を改良すべく対策が施されているが、下記の問題があった。
【0006】
(a)ボルトの中心に穴を設け、ボルト穴の残存水を除去するが、ボルトに穴を設けるため、ボルト強度が低下するとともに加工のコストアップになっている。
【0007】
(b)蓋の溝を径方向に設けるのみであるため、径方向の溝加工が多くなり、製造のコストアップになっている。
【0008】
本発明は、この点を改善すべく発明されたものであり、その目的とするところは、キャスク本体と内蓋との隙間、特に、内蓋のボルト孔やシール溝にプールの水が入り込まないようにし、仮に、水が侵入したとしてもこれら残存水を容易に除去することができる乾式キャスクの使用済核燃料収納方法及び乾式キャスクを提供することをある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明は、次のように構成されている。
【0010】
(1) 乾式キャスクの蓋をキャスク本体から取り外した後、前記キャスク本体にプール内で使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体をプール内に引き入れた際、キャスク本体のボルト孔にプールの水が入らないようにキャッピング治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0011】
(2) 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体の内蓋支持部に設けられたボルト孔にボルト孔防水キャップ治具を装着し、前記治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0012】
(3) 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体の内蓋取付部に設けられたボルト孔に排水孔付きボルト孔防水キャップ治具をねじ止め装着し、前記治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0013】
(4) 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体の外蓋取付け部に環状のフランジカバー形状キャップ治具をボルト止め装着し、前記治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0014】
(5) 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、
(a)使用済核燃料収納後、前記内蓋のボルト孔に周方向、径方向に連結する排水溝を有する内蓋を設置する工程、
(b)内蓋装着後、前記キャスク本体をプールから引き揚げ、前記ボルト孔付きボルト穴防水キャップ治具に設けられている排水孔から前記キャスク本体上部内面と内蓋側面の間、及び内蓋ボルト孔内に残存する水を吸引除去する工程からなる乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0015】
(6) 有底筒形のキャスク本体の開口部に、内蓋とそれより大径の外蓋とをボルト止めした乾式キャスクにおいて、前記内蓋の下面に、ガスケットを収納する周方向の内蓋シール溝を設けると共に、前記内蓋に設けた多数のボルト孔の周方向の排水溝により互いに連結させたことを特徴とする乾式キャスクである。
【0016】
(7) 前記乾式キャスクに、内蓋の側外面から内蓋シール溝までをつなぐ半径方向の排水溝を設け、前記ボルト孔を周方向で連結した排水溝とを互いに連結させたことを特徴とする乾式キャスクである。
【0017】
(8) 前記キャスク本体は、内蓋取付け部に多数のボルト孔を有し、該ボルト孔は、その開口部側に、ねじ部より大径で、かつ、ねじ溝のない滑らかなシール面を有することを特徴とする(7)記載の乾式キャスクである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、乾式キャスクの一部断面を含む斜視図である。図1において、1は、乾式キャスクであり、鍛造炭素鋼製の胴(キャスク本体)2の中には、格子状に組み付けられたバスケット3が内蔵されている。そして、このバスケット3の筒形空間4の中にそれぞれ使用済核燃料(図示せず)が収納されている。
【0019】
上記キャスク本体2は、エポキシなどの合成樹脂からなる中性子遮蔽体5および外筒6により覆われており、この外筒6とキャスク本体2は、伝熱フィン7によって互いに接続されている。また、上記キャスク本体2の開口部は、1次蓋(以下、内蓋という)8及び内蓋8より大径の2次蓋(以下、外蓋という)9により密閉されている。
【0020】
この乾式キャスク1は、その上部に木製の上部緩衝体10が装着され、その下部に木製の下部緩衝体11が装着されている。図中、12は上部トラニオン、13は下部トラニオンを示している。
【0021】
図2に示すように、内蓋8は、1次蓋ボルト(以下、内蓋ボルトという)14によってキャスク本体2の内側棚部(以下、内蓋取付端部という)21に固定され、外蓋9は、2次蓋ボルト(以下、内蓋ボルトという)15によってキャスク本体2の最端部の2次蓋取付端部(以下、外蓋取付端部という)22に固定されている。この内蓋8は、内蓋取付端部21に対向する部分に周方向の環状の内蓋シール溝16を有し、その中に金属ガスケット17を装着させている。また、内蓋8は、内蓋シール溝16に達するガス漏洩検査孔18を有している。
【0022】
図3に示すように、内蓋8は、加圧用貫通孔19、排水用貫通孔20及び内蓋ボルト孔27を有している。加圧用貫通孔19は、図7に示すように、蓋板23及びプラグ24を備えている。このプラグ24は、その頭部(大径部分)25の下面にゴム製のOリング26が装着されている。また、上記排水用貫通孔20は、上記加圧用貫通孔19と同様の部材を備えている。従って、排水用貫通孔20については、詳しい説明を省略する。
【0023】
図4及び図5に示すように、内蓋8は、その下面に内蓋ボルト孔27と連通する周方向の環状の排水溝28を有している。また、図4及び図6に示すように、内蓋8は、その下面に内蓋シール溝28と交差する半径方向の排水溝29を有している。この半径方向の排水溝29は、内蓋8に複数本、例えば、4本、放射状に設けられている。
【0024】
図8に示すように、外蓋9は、多数の外蓋ボルト孔31と、2つの圧力センサー用貫通孔32と、1つの加圧貫通孔33を備えている。
【0025】
次に、使用済核燃料をキャスク本体内に挿荷する手順について説明する。
【0026】
(1) 先ず、図示しない建屋内でキャスク本体2の内蓋取付端部21に設けられている内蓋ボルト孔27に内蓋ボルト孔防水キャップ治具41及びガイドピン42を取り付ける一方、キャスク本体2の外蓋取付端部22に外蓋フランジカバー43を取り付ける。その際、内蓋ボルト孔17には、内蓋ボルト孔防水キャップ治具41が数本のみ装着され、残りの内蓋ボルト孔27には、ガイドピン42が装着される(図9参照。)。
【0027】
内蓋ボルト孔防水キャップ治具41は、図10に示すように、キャップ部44と、それより小径のガイド部45により構成されている。キャップ部44は、内蓋ボルト孔のねじ部46に螺合するねじ部47と、内蓋ボルト孔のねじ部46より大径の滑らかな非ねじ部(非ねじ面)48をシールするシール部49により構成されている。その上、このシール部49に設けた周溝50には、ゴム製のOリング51が装着されている。
【0028】
従って、内蓋ボルト孔防水キャップ治具41をキャスク本体2の内蓋取付端部21にある内蓋ボルト孔27に装着すると、内蓋ボルト孔防水キャップのキャップ部44によってプールの水が内蓋ボルト孔27に侵入するのを防止することができる。
【0029】
また、上記ガイド部45は、その軸芯部に蓋上部水排水孔52を備えている。この蓋上部水排水孔52は、その下端部に内蓋8の下面に設けた周方向の排水溝28に連通する横孔53を有している排水孔付きボルト孔防水キャップ治具もある。
【0030】
上記ガイドピン42は、内蓋ボルト孔防水キャップ治具41と同様の構造であるから詳しい説明を省略する。但し、このガイドピン42は、蓋上部水排水孔52及び横孔53を備えていない。
【0031】
一方、上記外蓋フランジカバー形状キャップ治具43は、図11に示すように、キャスク本体2の外蓋取付端部22と同様に環状形に形成されており、複数本のボルト54によってキャスク本体2の外蓋取付端部22に取り付けられている。この外蓋フランジカバー43とキャスク本体の外蓋取付端部22との間にはパッキン55が設けられ、このパッキン55によってプールの水がキャスク本体の外蓋取付端部22にある外蓋ボルト孔31に入るのを防止することができる。また、この仮止めボルト54は、頭部56の下面にOリング57を装着し、2次蓋ボルト孔31内にプールの水が入らないようにしている。
【0032】
(2) 図12に示すように、キャスク本体の外蓋取付端部22及び内蓋取付端部21に一体成形された環状で、かつ、段付きのフランジプロテクタ58を設置し、このフランジプロテクタ58によってキャスク本体の外蓋取付端部22及び内蓋取付端部21を保護する。
【0033】
(3) 次に、下記の(a)〜(f)工程を経て内蓋8の上部の水wが排水される(図13参照)。
すなわち、
(a)キャスク本体2内に水を張る工程、
(b)キャスク本体2を吊り上げ、プール内に移動する工程、
(c)使用済燃料をキャスク本体2内に収納する工程、
(d)フランジプロテクタ58を取り外す工程、
(e)内蓋8をキャスク本体2の内蓋取付部21に設置する工程、
(f)キャスク本体2を吊り上げ、フロアーに設置する工程、
(4) 図14に示すように、内蓋ボルト孔排水孔付き防水キャップ治具41に図示しない真空吸引装置に接続させて真空吸引する。図4乃至図6によって既に説明したように、内蓋ボルト孔排水孔付き防水キャップ治具41の横孔53が内蓋8の下面に設けた周方向の排水溝28に連通しているため、上記の真空吸引作業によって内蓋ボルト孔27の水wが排水される。
【0034】
また、周方向の排水溝28は、図4乃至図6によって既に説明したように、内蓋8の下面に設けた半径方向の排水溝29に連通しているので、金属ガスケットを収容した内蓋シール溝16及び内蓋8とキャスク本体2の間の隙間59にある水wが排出される。
【0035】
(5) 次に、下記の(a)〜(e)工程を経てキャスク本体2内の水wを排水する(図15参照)。
すなわち、
(a)ガイドピン42及び内蓋ボルト孔防水キャップ治具41を取り外す工程、
(b)外蓋フランジカバー43を取り外す工程、
(c)水分拭き取り工程、
(d)内蓋ボルト14を取り付ける工程、
(e)内蓋8の加圧貫通孔19及び排水貫通孔20に圧力調整装置61を取り付ける工程、
上記圧力調整装置61は、図16に示すように、ドレン又はベント管62を備えたハウジング63と、このハウジング63に取り付けられた回転ハンドル64と、既に説明したプラグ24を把持するためのプラグ固定ボルト65により構成されている。
【0036】
(5) 図15に示すように、バルブ67,68の開放後、一方の圧力調整装置61から空気aを圧入すると、キャスク本体2内の水wは、キャスク本体2内の配管69及び他方の圧力調整装置61を経て排水される。
【0037】
(6) 図17に示すように、両方の圧力調整装置61に図示しない真空吸引装置を接続し、キャスク本体2内を真空乾燥させる。
【0038】
(7) 図18に示すように、一方のバルブ68を閉鎖後、キャスク本体2内にヘリウムガスを封入する。
【0039】
(8) 図19に示すように、キャスク本体2の外蓋取付端部22に外蓋9をボルト止めした後、加圧貫通孔33に図示しない真空吸引装置を接続し、内蓋8と外蓋9との間の隙間70を真空乾燥させる。
【0040】
(9) 図20に示すように、内蓋8と外蓋9との間の隙間70にヘリウムガスを封入する。
【0041】
【発明の効果】
上記のように、本発明の方法は、有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する乾式キャスクの使用済核燃料収納方法であって、
(a)前記キャスク本体の内蓋支持部に設けられたボルト孔にガイドピン及びボルト孔排水孔付き又は無し防水キャップ治具を装着する工程、
(b)前記キャスク本体の外蓋取付部に環状のフランジカバー形状キャップ治具をボルト止めする工程、
(c)使用済核燃料収納後、前記内蓋のボルト穴を互いに連通する排水溝を有する内蓋を、前記キャスク本体に装着する工程、
(d)内蓋装着後、前記キャスク本体をプールから引き揚げ、前記排水孔付きボルト孔防水キャップ治具に設けられている排水孔から前記キャスク本体と内蓋との間に残存する水を吸引除去する工程とから構成されている。
【0042】
上記のように、本発明は、キャスク本体の内蓋取付部に設けられた内蓋ボルト孔にガイドピン及び内蓋ボルト孔防水キャップ治具を装着するので、使用済核燃料をプール内でキャスク本体内に収納する際に、キャスク本体の内蓋取付部に設けられている内蓋ボルト孔にプールの水が侵入するのを未然に防止することができる。
【0043】
また、本発明は、前記キャスク本体の外蓋取付部に環状のフランジカバーをねじ止めするので、使用済核燃料をプール内でキャスク本体内に収納する際に、前記キャスク本体の外蓋取付部に設けられている外蓋ボルト孔にプールの水が侵入するのを防止することができる。
【0044】
また、本発明は、内蓋装着後、前記キャスク本体をプールから引き揚げ、前記排水孔付きボルト孔防水キャップ治具に設けられている排水孔から前記キャスク本体と内蓋との間に残存する水を吸引除去するので、キャスク本体と内蓋の隙間に侵入している水を容易に、且つ、完全に除去することができる。
【0045】
一方、本発明の乾式キャスクは、有底筒形のキャスク本体の開口部に、内蓋とそれより大径の外蓋とをボルト止めした乾式キャスクにおいて、前記内蓋の下面に、ガスケットを収納する周方向の内蓋シール溝を設けると共に、前記内蓋に設けた多数のボルト孔を周方向の排水溝により互いに連通させ、更に、前記内蓋シール溝と前記周方向の排水溝とを半径方向の排水溝により互いに連通させたことを特徴としている。
【0046】
従って、内蓋とキャスク本体との間の隙間に入ったプールの水を、内蓋に設けた排水溝を利用して容易に除去することができる。
【0047】
また、本発明のキャスク本体は、内蓋取付部に多数のボルト孔を有し、該ボルト孔は、その開口部側に、ねじ部より大径で、かつ、ねじ溝のない滑らかなシール面を有しているので、内蓋ボルト孔のシール部をシールすることにより、内蓋ボルト孔内への水の侵入を未然に食い止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾式キャスクの一部断面を含む斜視図である。
【図2】乾式キャスクの蓋密封部の断面図である。
【図3】1次蓋の平面図である。
【図4】1次蓋の要部拡大底面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】プラグの基本構造図である。
【図8】2次蓋の平面図である。
【図9】ガイドピンなどの取付け工程図である。
【図10】1次蓋ボルト孔防水キャップ治具の断面図である。
【図11】2次蓋フランジカバー形状キャップ治具の斜視図である。
【図12】フランジプロテクタの装着説明図である。
【図13】蓋上部水排水工程図である。
【図14】蓋上部水排水工程の詳細説明図である。
【図15】内部水排水工程図である。
【図16】圧力調整装置の断面図である。
【図17】内部真空乾燥工程図である。
【図18】ヘリウムガス封入工程図である。
【図19】蓋間真空乾燥工程図である。
【図20】蓋間ヘリウムガス封入工程図である。
【符号の説明】
2 キャスク本体
21 内蓋取付部
22 外蓋取付部
27 内蓋ボルト孔
28 周方向の排水溝
29 半径方向の排水溝
41 内蓋ボルト孔防水キャップ治具
42 ガイドピン
43 フランジカバー
52 内蓋ボルト孔防水キャップ治具に設けられている排水孔
w 水
【発明の属する技術分野】
本発明は、乾式キャスクの使用済核燃料収納方法及び乾式キャスク、更に詳しくは、使用済核燃料をプール内でキャスク本体に収納する際に、キャスク本体に設けられているボルト孔に水が侵入しないようにした乾式キャスクの使用済核燃料収納方法及びその際に使用する乾式キャスクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
乾式キャスクは、使用済核燃料をキャスク本体に収納する時、プール内にキャスク本体を沈めてから水中の使用済核燃料をキャスク本体に収納し、しかる後に、キャスク本体に内蓋を取り付けてプールから引き揚げ、更に、プールの床面上でキャスク本体内の水の排出した後、キャスク本体内を真空乾燥し、最後に、キャスク内にヘリウムなどの不活性ガスの充填を行なっている(例えば、は非特許文献1参照。)。
【0003】
【非特許文献1】
「使用済燃料貯蔵施設規格、金属キャスク構造規格」,JSME S FA1−2001, 2001 年 8月, 財団法人 日本機械学会, 解説1−8 −解説1−9
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、乾式キャスクは、キャスク本体内の水を排出した後、キャスク本体内の真空乾燥を行なっているが、キャスク本体と内蓋との間の隙間の小さい部分(狭隘部)の水は、真空乾燥でもなかなか除去することができない。特に、内蓋のボルト孔やシール溝内の残存する水は、内蓋とキャスク本体の接合部に閉じ込められるために、特に、除去することが難しい。
【0005】
また、従来の技術として、「金属製密閉容器と金属製密閉容器の乾燥方法(特開2002−277585号公報参照。)」がある。本技術では、上記の問題を改良すべく対策が施されているが、下記の問題があった。
【0006】
(a)ボルトの中心に穴を設け、ボルト穴の残存水を除去するが、ボルトに穴を設けるため、ボルト強度が低下するとともに加工のコストアップになっている。
【0007】
(b)蓋の溝を径方向に設けるのみであるため、径方向の溝加工が多くなり、製造のコストアップになっている。
【0008】
本発明は、この点を改善すべく発明されたものであり、その目的とするところは、キャスク本体と内蓋との隙間、特に、内蓋のボルト孔やシール溝にプールの水が入り込まないようにし、仮に、水が侵入したとしてもこれら残存水を容易に除去することができる乾式キャスクの使用済核燃料収納方法及び乾式キャスクを提供することをある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明は、次のように構成されている。
【0010】
(1) 乾式キャスクの蓋をキャスク本体から取り外した後、前記キャスク本体にプール内で使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体をプール内に引き入れた際、キャスク本体のボルト孔にプールの水が入らないようにキャッピング治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0011】
(2) 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体の内蓋支持部に設けられたボルト孔にボルト孔防水キャップ治具を装着し、前記治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0012】
(3) 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体の内蓋取付部に設けられたボルト孔に排水孔付きボルト孔防水キャップ治具をねじ止め装着し、前記治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0013】
(4) 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体の外蓋取付け部に環状のフランジカバー形状キャップ治具をボルト止め装着し、前記治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0014】
(5) 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、
(a)使用済核燃料収納後、前記内蓋のボルト孔に周方向、径方向に連結する排水溝を有する内蓋を設置する工程、
(b)内蓋装着後、前記キャスク本体をプールから引き揚げ、前記ボルト孔付きボルト穴防水キャップ治具に設けられている排水孔から前記キャスク本体上部内面と内蓋側面の間、及び内蓋ボルト孔内に残存する水を吸引除去する工程からなる乾式キャスクの使用済核燃料収納方法である。
【0015】
(6) 有底筒形のキャスク本体の開口部に、内蓋とそれより大径の外蓋とをボルト止めした乾式キャスクにおいて、前記内蓋の下面に、ガスケットを収納する周方向の内蓋シール溝を設けると共に、前記内蓋に設けた多数のボルト孔の周方向の排水溝により互いに連結させたことを特徴とする乾式キャスクである。
【0016】
(7) 前記乾式キャスクに、内蓋の側外面から内蓋シール溝までをつなぐ半径方向の排水溝を設け、前記ボルト孔を周方向で連結した排水溝とを互いに連結させたことを特徴とする乾式キャスクである。
【0017】
(8) 前記キャスク本体は、内蓋取付け部に多数のボルト孔を有し、該ボルト孔は、その開口部側に、ねじ部より大径で、かつ、ねじ溝のない滑らかなシール面を有することを特徴とする(7)記載の乾式キャスクである。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、乾式キャスクの一部断面を含む斜視図である。図1において、1は、乾式キャスクであり、鍛造炭素鋼製の胴(キャスク本体)2の中には、格子状に組み付けられたバスケット3が内蔵されている。そして、このバスケット3の筒形空間4の中にそれぞれ使用済核燃料(図示せず)が収納されている。
【0019】
上記キャスク本体2は、エポキシなどの合成樹脂からなる中性子遮蔽体5および外筒6により覆われており、この外筒6とキャスク本体2は、伝熱フィン7によって互いに接続されている。また、上記キャスク本体2の開口部は、1次蓋(以下、内蓋という)8及び内蓋8より大径の2次蓋(以下、外蓋という)9により密閉されている。
【0020】
この乾式キャスク1は、その上部に木製の上部緩衝体10が装着され、その下部に木製の下部緩衝体11が装着されている。図中、12は上部トラニオン、13は下部トラニオンを示している。
【0021】
図2に示すように、内蓋8は、1次蓋ボルト(以下、内蓋ボルトという)14によってキャスク本体2の内側棚部(以下、内蓋取付端部という)21に固定され、外蓋9は、2次蓋ボルト(以下、内蓋ボルトという)15によってキャスク本体2の最端部の2次蓋取付端部(以下、外蓋取付端部という)22に固定されている。この内蓋8は、内蓋取付端部21に対向する部分に周方向の環状の内蓋シール溝16を有し、その中に金属ガスケット17を装着させている。また、内蓋8は、内蓋シール溝16に達するガス漏洩検査孔18を有している。
【0022】
図3に示すように、内蓋8は、加圧用貫通孔19、排水用貫通孔20及び内蓋ボルト孔27を有している。加圧用貫通孔19は、図7に示すように、蓋板23及びプラグ24を備えている。このプラグ24は、その頭部(大径部分)25の下面にゴム製のOリング26が装着されている。また、上記排水用貫通孔20は、上記加圧用貫通孔19と同様の部材を備えている。従って、排水用貫通孔20については、詳しい説明を省略する。
【0023】
図4及び図5に示すように、内蓋8は、その下面に内蓋ボルト孔27と連通する周方向の環状の排水溝28を有している。また、図4及び図6に示すように、内蓋8は、その下面に内蓋シール溝28と交差する半径方向の排水溝29を有している。この半径方向の排水溝29は、内蓋8に複数本、例えば、4本、放射状に設けられている。
【0024】
図8に示すように、外蓋9は、多数の外蓋ボルト孔31と、2つの圧力センサー用貫通孔32と、1つの加圧貫通孔33を備えている。
【0025】
次に、使用済核燃料をキャスク本体内に挿荷する手順について説明する。
【0026】
(1) 先ず、図示しない建屋内でキャスク本体2の内蓋取付端部21に設けられている内蓋ボルト孔27に内蓋ボルト孔防水キャップ治具41及びガイドピン42を取り付ける一方、キャスク本体2の外蓋取付端部22に外蓋フランジカバー43を取り付ける。その際、内蓋ボルト孔17には、内蓋ボルト孔防水キャップ治具41が数本のみ装着され、残りの内蓋ボルト孔27には、ガイドピン42が装着される(図9参照。)。
【0027】
内蓋ボルト孔防水キャップ治具41は、図10に示すように、キャップ部44と、それより小径のガイド部45により構成されている。キャップ部44は、内蓋ボルト孔のねじ部46に螺合するねじ部47と、内蓋ボルト孔のねじ部46より大径の滑らかな非ねじ部(非ねじ面)48をシールするシール部49により構成されている。その上、このシール部49に設けた周溝50には、ゴム製のOリング51が装着されている。
【0028】
従って、内蓋ボルト孔防水キャップ治具41をキャスク本体2の内蓋取付端部21にある内蓋ボルト孔27に装着すると、内蓋ボルト孔防水キャップのキャップ部44によってプールの水が内蓋ボルト孔27に侵入するのを防止することができる。
【0029】
また、上記ガイド部45は、その軸芯部に蓋上部水排水孔52を備えている。この蓋上部水排水孔52は、その下端部に内蓋8の下面に設けた周方向の排水溝28に連通する横孔53を有している排水孔付きボルト孔防水キャップ治具もある。
【0030】
上記ガイドピン42は、内蓋ボルト孔防水キャップ治具41と同様の構造であるから詳しい説明を省略する。但し、このガイドピン42は、蓋上部水排水孔52及び横孔53を備えていない。
【0031】
一方、上記外蓋フランジカバー形状キャップ治具43は、図11に示すように、キャスク本体2の外蓋取付端部22と同様に環状形に形成されており、複数本のボルト54によってキャスク本体2の外蓋取付端部22に取り付けられている。この外蓋フランジカバー43とキャスク本体の外蓋取付端部22との間にはパッキン55が設けられ、このパッキン55によってプールの水がキャスク本体の外蓋取付端部22にある外蓋ボルト孔31に入るのを防止することができる。また、この仮止めボルト54は、頭部56の下面にOリング57を装着し、2次蓋ボルト孔31内にプールの水が入らないようにしている。
【0032】
(2) 図12に示すように、キャスク本体の外蓋取付端部22及び内蓋取付端部21に一体成形された環状で、かつ、段付きのフランジプロテクタ58を設置し、このフランジプロテクタ58によってキャスク本体の外蓋取付端部22及び内蓋取付端部21を保護する。
【0033】
(3) 次に、下記の(a)〜(f)工程を経て内蓋8の上部の水wが排水される(図13参照)。
すなわち、
(a)キャスク本体2内に水を張る工程、
(b)キャスク本体2を吊り上げ、プール内に移動する工程、
(c)使用済燃料をキャスク本体2内に収納する工程、
(d)フランジプロテクタ58を取り外す工程、
(e)内蓋8をキャスク本体2の内蓋取付部21に設置する工程、
(f)キャスク本体2を吊り上げ、フロアーに設置する工程、
(4) 図14に示すように、内蓋ボルト孔排水孔付き防水キャップ治具41に図示しない真空吸引装置に接続させて真空吸引する。図4乃至図6によって既に説明したように、内蓋ボルト孔排水孔付き防水キャップ治具41の横孔53が内蓋8の下面に設けた周方向の排水溝28に連通しているため、上記の真空吸引作業によって内蓋ボルト孔27の水wが排水される。
【0034】
また、周方向の排水溝28は、図4乃至図6によって既に説明したように、内蓋8の下面に設けた半径方向の排水溝29に連通しているので、金属ガスケットを収容した内蓋シール溝16及び内蓋8とキャスク本体2の間の隙間59にある水wが排出される。
【0035】
(5) 次に、下記の(a)〜(e)工程を経てキャスク本体2内の水wを排水する(図15参照)。
すなわち、
(a)ガイドピン42及び内蓋ボルト孔防水キャップ治具41を取り外す工程、
(b)外蓋フランジカバー43を取り外す工程、
(c)水分拭き取り工程、
(d)内蓋ボルト14を取り付ける工程、
(e)内蓋8の加圧貫通孔19及び排水貫通孔20に圧力調整装置61を取り付ける工程、
上記圧力調整装置61は、図16に示すように、ドレン又はベント管62を備えたハウジング63と、このハウジング63に取り付けられた回転ハンドル64と、既に説明したプラグ24を把持するためのプラグ固定ボルト65により構成されている。
【0036】
(5) 図15に示すように、バルブ67,68の開放後、一方の圧力調整装置61から空気aを圧入すると、キャスク本体2内の水wは、キャスク本体2内の配管69及び他方の圧力調整装置61を経て排水される。
【0037】
(6) 図17に示すように、両方の圧力調整装置61に図示しない真空吸引装置を接続し、キャスク本体2内を真空乾燥させる。
【0038】
(7) 図18に示すように、一方のバルブ68を閉鎖後、キャスク本体2内にヘリウムガスを封入する。
【0039】
(8) 図19に示すように、キャスク本体2の外蓋取付端部22に外蓋9をボルト止めした後、加圧貫通孔33に図示しない真空吸引装置を接続し、内蓋8と外蓋9との間の隙間70を真空乾燥させる。
【0040】
(9) 図20に示すように、内蓋8と外蓋9との間の隙間70にヘリウムガスを封入する。
【0041】
【発明の効果】
上記のように、本発明の方法は、有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する乾式キャスクの使用済核燃料収納方法であって、
(a)前記キャスク本体の内蓋支持部に設けられたボルト孔にガイドピン及びボルト孔排水孔付き又は無し防水キャップ治具を装着する工程、
(b)前記キャスク本体の外蓋取付部に環状のフランジカバー形状キャップ治具をボルト止めする工程、
(c)使用済核燃料収納後、前記内蓋のボルト穴を互いに連通する排水溝を有する内蓋を、前記キャスク本体に装着する工程、
(d)内蓋装着後、前記キャスク本体をプールから引き揚げ、前記排水孔付きボルト孔防水キャップ治具に設けられている排水孔から前記キャスク本体と内蓋との間に残存する水を吸引除去する工程とから構成されている。
【0042】
上記のように、本発明は、キャスク本体の内蓋取付部に設けられた内蓋ボルト孔にガイドピン及び内蓋ボルト孔防水キャップ治具を装着するので、使用済核燃料をプール内でキャスク本体内に収納する際に、キャスク本体の内蓋取付部に設けられている内蓋ボルト孔にプールの水が侵入するのを未然に防止することができる。
【0043】
また、本発明は、前記キャスク本体の外蓋取付部に環状のフランジカバーをねじ止めするので、使用済核燃料をプール内でキャスク本体内に収納する際に、前記キャスク本体の外蓋取付部に設けられている外蓋ボルト孔にプールの水が侵入するのを防止することができる。
【0044】
また、本発明は、内蓋装着後、前記キャスク本体をプールから引き揚げ、前記排水孔付きボルト孔防水キャップ治具に設けられている排水孔から前記キャスク本体と内蓋との間に残存する水を吸引除去するので、キャスク本体と内蓋の隙間に侵入している水を容易に、且つ、完全に除去することができる。
【0045】
一方、本発明の乾式キャスクは、有底筒形のキャスク本体の開口部に、内蓋とそれより大径の外蓋とをボルト止めした乾式キャスクにおいて、前記内蓋の下面に、ガスケットを収納する周方向の内蓋シール溝を設けると共に、前記内蓋に設けた多数のボルト孔を周方向の排水溝により互いに連通させ、更に、前記内蓋シール溝と前記周方向の排水溝とを半径方向の排水溝により互いに連通させたことを特徴としている。
【0046】
従って、内蓋とキャスク本体との間の隙間に入ったプールの水を、内蓋に設けた排水溝を利用して容易に除去することができる。
【0047】
また、本発明のキャスク本体は、内蓋取付部に多数のボルト孔を有し、該ボルト孔は、その開口部側に、ねじ部より大径で、かつ、ねじ溝のない滑らかなシール面を有しているので、内蓋ボルト孔のシール部をシールすることにより、内蓋ボルト孔内への水の侵入を未然に食い止めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乾式キャスクの一部断面を含む斜視図である。
【図2】乾式キャスクの蓋密封部の断面図である。
【図3】1次蓋の平面図である。
【図4】1次蓋の要部拡大底面図である。
【図5】図4のA−A断面図である。
【図6】図4のB−B断面図である。
【図7】プラグの基本構造図である。
【図8】2次蓋の平面図である。
【図9】ガイドピンなどの取付け工程図である。
【図10】1次蓋ボルト孔防水キャップ治具の断面図である。
【図11】2次蓋フランジカバー形状キャップ治具の斜視図である。
【図12】フランジプロテクタの装着説明図である。
【図13】蓋上部水排水工程図である。
【図14】蓋上部水排水工程の詳細説明図である。
【図15】内部水排水工程図である。
【図16】圧力調整装置の断面図である。
【図17】内部真空乾燥工程図である。
【図18】ヘリウムガス封入工程図である。
【図19】蓋間真空乾燥工程図である。
【図20】蓋間ヘリウムガス封入工程図である。
【符号の説明】
2 キャスク本体
21 内蓋取付部
22 外蓋取付部
27 内蓋ボルト孔
28 周方向の排水溝
29 半径方向の排水溝
41 内蓋ボルト孔防水キャップ治具
42 ガイドピン
43 フランジカバー
52 内蓋ボルト孔防水キャップ治具に設けられている排水孔
w 水
Claims (8)
- 乾式キャスクの蓋をキャスク本体から取り外した後、前記キャスク本体にプール内で使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体をプール内に引き入れた際、キャスク本体のボルト孔にプールの水が入らないようにキャッピング治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法。
- 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体の内蓋支持部に設けられたボルト孔にボルト孔防水キャップ治具を装着し、前記治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法。
- 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体の内蓋取付部に設けられたボルト孔に排水孔付きボルト孔防水キャップ治具をねじ止め装着し、前記治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法。
- 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、前記キャスク本体の外蓋取付け部に環状のフランジカバー形状キャップ治具をボルト止め装着し、前記治具を取り付けたキャスク本体をプール内で取り扱う乾式キャスクの使用済核燃料収納方法。
- 有底筒形のキャスク本体の開口部にボルト止めされた内蓋と、それより大径の外蓋とをプール外で取り外した後、プール内で前記キャスク本体に使用済核燃料を収納する使用済核燃料の収納方法であって、
(a)使用済核燃料収納後、前記内蓋のボルト孔に周方向、径方向に連結する排水溝を有する内蓋を設置する工程、
(b)内蓋装着後、前記キャスク本体をプールから引き揚げ、前記ボルト孔付きボルト孔防水キャップ治具に設けられている排水孔から前記キャスク本体上部内面と内蓋側面の間、及び内蓋ボルト孔内に残存する水を吸引除去する工程からなる乾式キャスクの使用済核燃料収納方法。 - 有底筒形のキャスク本体の開口部に、内蓋とそれより大径の外蓋とをボルト止めした乾式キャスクにおいて、前記内蓋の下面に、ガスケットを収納する周方向の内蓋シール溝を設けると共に、前記内蓋に設けた多数のボルト孔の周方向の排水溝により互いに連結させたことを特徴とする乾式キャスク。
- 前記乾式キャスクに、内蓋の側外面から内蓋シール溝までをつなぐ半径方向の排水溝を設け、前記ボルト孔を周方向で連結した排水溝とを互いに連結させたことを特徴とする乾式キャスク。
- 前記キャスク本体は、内蓋取付け部に多数のボルト孔を有し、該ボルト孔は、その開口部側に、ねじ部より大径で、かつ、ねじ溝のない滑らかなシール面を有することを特徴とする請求項7記載の乾式キャスク。
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-
2003
- 2003-07-22 JP JP2003199710A patent/JP2005043058A/ja active Pending
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