JP2005040394A - 血液浄化装置 - Google Patents

血液浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005040394A
JP2005040394A JP2003278426A JP2003278426A JP2005040394A JP 2005040394 A JP2005040394 A JP 2005040394A JP 2003278426 A JP2003278426 A JP 2003278426A JP 2003278426 A JP2003278426 A JP 2003278426A JP 2005040394 A JP2005040394 A JP 2005040394A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood
chamber
air
flow path
venous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003278426A
Other languages
English (en)
Inventor
Toru Niisato
徹 新里
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NOIESU KK
Original Assignee
NOIESU KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NOIESU KK filed Critical NOIESU KK
Priority to JP2003278426A priority Critical patent/JP2005040394A/ja
Publication of JP2005040394A publication Critical patent/JP2005040394A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • External Artificial Organs (AREA)

Abstract

【課題】 装置内の残留血液の回収操作が、余分なコストを掛けることなく、しかも簡単な作業にて実施され得る血液浄化装置を提供する。
【解決手段】 血液導入口21を通じて導入された血液をポンプ手段16によりダイアライザ10に供給する血液供給流路12上において、ポンプ手段16よりも血液流通方向上流側に、空気導入口42を、血液導入口21とは別個に設けると共に、血液供給流路12内に、空気と血液の何れか一方を、空気導入口42と血液導入口21の何れか一方を通じて、択一的に導入せしめる切換手段48を設けて構成した。
【選択図】 図 1

Description

本発明は、血液浄化装置に係り、特に、患者の体内から取り出した血液をダイアライザで浄化して、再び体内に戻すようにした血液浄化装置の改良された構造に関するものである。
近年、腎不全の患者の治療や生命の維持のために、患者の血液を浄化する血液浄化装置として、所謂人工腎臓が、広く用いられるようになってきている。そして、かかる装置には、函体内に、中空繊維状のセルロース膜、キュプロアンモニウムレーヨン膜、ポリアクリロニトリル膜等の半透膜が収容されてなるダイアライザ(透析器)が用いられ、例えば、血液透析操作を行う場合には、ダイアライザ内で、患者の血液が、半透膜を介して、透析液に接触せしめられることにより、患者の血液中に蓄積した尿素、尿酸、水等が透析、除去せしめられて、かかる血液が浄化されるようになっている。
また、このようなダイアライザを有する従来の血液浄化装置は、一般に、ダイアライザの血液の流入側に、血液導入口を有する血液供給流路が接続される一方、ダイアライザの血液の流出側に、血液返送流路が接続されており、更に、それらの流路のうち、血液供給流路上に、血液ポンプが設けられ、また、血液返送流路上には、静脈チャンバが配設されている。そして、血液供給流路の血液導入口と、血液返送流路の末端部とに、動脈側穿刺針と静脈側穿刺針とがそれぞれ取り付けられて、血液供給流路に取り付けられた動脈側穿刺針が、患者のシャント血管の上流側に穿刺される一方、血液返送流路に取り付けられた静脈側穿刺針が、患者のシャント血管の下流側に穿刺されることにより、血液回路を構成し得るようになっている。
かくして、従来の血液浄化装置にあっては、動脈側穿刺針を通じて、血液供給流路内に、血液導入口から導入された血液が、血液ポンプにて、ダイアライザ内に送出せしめられて、浄化された後、この浄化された血液が、ダイアライザ内から血液返送流路内に流出せしめられて、かかる血液返送流路上の静脈チャンバ内に、一旦貯留されると共に、そこで血液中に混入する空気が除去され、その後、静脈チャンバ内から、それよりも下流側に位置する血液返送流路部分と、その先端に設けられた静脈側穿刺針を通じて、患者に戻されるようになっているのである。
ところで、このような血液浄化装置を用いて、患者の血液の浄化操作を行う場合には、患者の負担の軽減を図る上で、血液浄化操作の終了後に、装置の内部、つまり、血液供給流路と血液返送流路とダイアライザと静脈チャンバのそれぞれの内部に残留する血液を、患者に出来るだけ多く戻してやることが望ましい。
そこで、従来では、血液の浄化操作の終了後に、動脈側穿刺針を患者のシャント血管から抜去した後、生理的食塩水が収容された容器に動脈側穿刺針を突き刺し、その後、血液ポンプを作動させることにより、動脈側穿刺針の先端開口部から生理的食塩水を取り入れ、そして、かかる生理的食塩水にて、装置内部に残留する血液を押し出して患者に戻す操作等の、所謂残留血液の回収操作が、実施されている。
ところが、このような従来より実施される残留血液の回収操作では、患者のシャント血管から動脈側穿刺針を抜去した後、上述の如き動脈側穿刺針を通じての装置内部への生理的食塩水の導入作業を行うと同時に、患者に対して、動脈側穿刺針を抜去した後の止血作業等の処理を行わなければならないため、動脈側穿刺針の抜去後の作業が極めて煩雑なものとなるばかりでなく、生理的食塩水の使用により、余分なコストが掛かるといった幾つかの問題が内在していたのである。
ここにおいて、本発明は、上述せる如き事情を背景にして為されたものであって、その解決課題とするところは、余分なコストを掛けることなく、しかも簡単な作業にて、血液浄化操作の終了後に装置内部に残留する血液を、患者に対して、より多く且つ確実に返送することが出来る血液浄化装置を提供することにある。
そして、本発明にあっては、かかる課題を解決するために、その第一の態様として、血液を浄化するダイアライザと、該ダイアライザに接続され、血液導入口を通じて導入された浄化されるべき血液を該ダイアライザに供給する血液供給流路と、該血液供給流路上に設けられて、血液を前記ダイアライザに送出するポンプ手段と、前記ダイアライザに接続され、該ダイアライザで浄化された血液を患者に返送するための血液返送流路と、かかる血液返送流路上に設けられて、該血液返送流路内の血液の一部を貯留する静脈チャンバとを備えた血液浄化装置において、前記血液供給流路上における前記ポンプ手段よりも血液流通方向上流側に位置して、空気を該血液供給流路内に導入する空気導入口を、前記血液導入口とは別個に設ける一方、それら空気導入口と血液導入口とを択一的に閉塞せしめることにより、該血液供給流路内に空気と血液の何れか一方のみを選択的に導入せしめる切換手段を設けて、かかる切換手段の作動により該血液供給流路内に空気を導入し、そして、その空気が、前記ポンプ手段によって前記血液返送流路の前記静脈チャンバ内に送り出されるように構成して、該静脈チャンバよりも血液流通方向の上流側に位置する血液返送流路部分内と前記ダイアライザ内と前記血液供給流路内の血液が、該静脈チャンバ内に押し出され、更に、該静脈チャンバ内から、それよりも血液流通方向下流側に位置する血液返送流路部分を通じて、患者に返送され得るように構成したことを特徴とする血液浄化装置を、その要旨とするものである。
また、本発明に従う血液浄化装置の第二の態様によれば、前記静脈チャンバに、該静脈チャンバ内の空気を排出するための空気排出口が設けられて、前記切換手段の作動により前記血液供給流路内に導入され、更に前記ポンプ手段によって該静脈チャンバ内に送り出された空気が、該空気排出口を通じて、該静脈チャンバ外に排出されるように構成される。
さらに、本発明に従う血液浄化装置の第三の態様によれば、空気を流通せしめ得る空気通路が、一端部において、前記静脈チャンバの前記空気排出口に接続される一方、他端部において、前記血液供給流路の前記空気導入口に接続された状態で、更に設けられて、該静脈チャンバ内の空気が、該空気通路を通じて該空気導入口から該血液供給流路内に導入され得るように構成されることにより、前記空気導入口よりも血液流通方向下流側に位置する血液供給流路部分と、前記ダイアライザと、前記静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分と、該静脈チャンバと、前記空気通路とにて、閉回路が形成される。
更にまた、本発明に従う血液浄化装置の第四の態様によれば、前記静脈チャンバに、大気中から空気を取り入れるための空気取入口が設けられると共に、かかる空気取入口に対して、それを任意に開放又は閉塞せしめて、空気の取入を許容又は阻止する第一の開閉手段が設けられる。
また、本発明に従う血液浄化装置の第五の態様によれば、前記静脈チャンバが、前記血液返送流路に接続された第一チャンバと、該第一チャンバとの間で空気や血液の流通を可能と為す連通路を介して、該第一チャンバに接続された第二チャンバとから構成され、更に、それら第一チャンバと第二チャンバとを接続する前記連通路に対して、それを任意に開放又は閉塞せしめて、該第一チャンバと該第二チャンバとの間での空気や血液の流通を許容又は阻止する第二の開閉手段が設けられる。
さらに、本発明に従う血液浄化装置の第六の態様によれば、前記第二チャンバが、前記第一チャンバよりも上方に位置する状態で、それら第一チャンバと第二チャンバとが上下に配置されて、前記連通路が、該第一チャンバの上部と該第二チャンバの下部との間に配設されると共に、該第一チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分が、該第二チャンバの下部よりも高い位置で二つに分岐せしめられて、それら二つの分岐流路のうちの一方が、該第一チャンバに接続される第一チャンバ接続流路とされる一方、それらのうちの他方が、該第二チャンバの上部に接続される第二チャンバ接続流路とされ、更に、該第二チャンバ接続流路に対して、それを任意に開放又は閉塞せしめて、該第二チャンバ接続流路を通じての該第二チャンバ内への空気や血液の流通を許容又は阻止する第三の開閉手段が設けられることとなる。
更にまた、本発明に従う血液浄化装置の第七の態様によれば、前記第二チャンバに、前記空気排出口が設けられる。
また、本発明に従う血液浄化装置の第八の態様によれば、前記第二チャンバが、柔軟性を有する袋体にて構成され、外部から押圧されることにより容易に潰れ変形せしめられ得るように構成される。
さらに、本発明に従う血液浄化装置の第九の態様によれば、前記血液供給流路が、前記ダイアライザに接続される本体流路と、該本体流路のダイアライザとの接続側とは反対側に接続されて延びる延長流路とから構成され、かかる延長流路の先端開口部にて前記血液導入口が構成されると共に、該血液導入口に対して、血液を採取するための穿刺針が取り付けられることとなる。
更にまた、本発明に従う血液浄化装置の第十の態様によれば、前記空気導入口が、前記延長流路に設けられることとなる。
また、本発明に従う血液浄化装置の第十一の態様によれば、前記血液返送流路が、一端部において前記ダイアライザに接続され、且つ中間部に前記静脈チャンバが設けられる本体流路と、該本体流路の他端部に接続されて延びる延長流路とにて構成される。
さらに、本発明に従う血液浄化装置の第十二の態様によれば、前記血液返送流路における前記静脈チャンバよりも血液流通方向下流側部分のうち、少なくとも一部が、柔軟性乃至は弾性を有するチューブからなり、且つ該チューブが、内孔内の圧力の低下に伴って、該内孔の容積が減少せしめられるように構成される。
更にまた、本発明に従う血液浄化装置の第十三の態様によれば、前記血液返送流路における前記静脈チャンバよりも血液流通方向下流側部分が、柔軟性乃至は弾性を有するチューブにて構成されると共に、かかるチューブを外部から押圧することにより潰れ変形せしめて、該チューブの内孔内の血液を絞り出す絞出し手段が、更に設けられる。
さらに、本発明に従う血液浄化装置の第十四の態様によれば、前記静脈チャンバを、前記血液返送流路における前記静脈チャンバよりも血液流通方向下流側部分の上方に位置せしめて保持する保持手段が更に設けられ、該静脈チャンバが、かかる保持手段にて保持せしめられることによって、該静脈チャンバ内に押し出された血液が、重力により、該静脈チャンバ内から流出され得るように構成される。
前述せる如く、本発明に従う血液浄化装置の第一の態様においては、血液供給流路上におけるポンプ手段よりも血液流通方向上流側に、血液導入口と空気導入口とがそれぞれ別個に設けられ、また、それら血液導入口と空気導入口とを択一的に閉塞せしめる切換手段が設けられており、かかる切換手段にて、血液導入口を閉塞させることにより、血液導入口からの血液の導入が阻止された状態下で、空気導入口を通じて、空気のみが血液供給流路内に導入されるようになっている。そして、そのようにして、血液供給流路内に導入された空気が、ポンプ手段にて静脈チャンバ内に送り出されることにより、静脈チャンバよりも血液流通方向の上流側に位置する血液返送流路部分内とダイアライザ内と血液供給流路内の血液が、静脈チャンバ内に押し出され、更に、かかる静脈チャンバ内から、それよりも血液流通方向下流側に位置する血液返送流路部分を通じて、患者に返送され得るように構成されている。
このような本発明に従う血液浄化装置にあっては、例えば、血液導入口に穿刺針を取り付けて、この穿刺針を患者のシャント血管に穿刺することにより、穿刺針を通じて血液供給流路内に導入される患者の血液を浄化する操作を行う場合において、かかる血液の浄化操作の終了後に、穿刺針を、患者のシャント血管から、何等抜去することなく、穿刺させたままで、単に、切換手段により、血液導入口を閉塞させて、ポンプ手段を作動させる簡単な作業を行うだけで、空気導入口から導入された空気にて、装置内部に残留する血液を押し出して患者に戻す、残留血液の回収操作が容易に実施され得る。
それ故、本発明に係る血液浄化装置では、装置内部の残留血液の回収操作の実施に際して、シャント血管から動脈穿刺針を抜去して、これを生理的食塩水が内部に収容される容器に突き刺し、更に、ポンプ手段を作動せしめて、装置内部に生理的食塩水を導入させる作業と、穿刺針を抜去した後の患者に対する処理とを同時に行う煩雑な作業から開放され得るのであり、また、生理的食塩水を使用に要されるコストが、有利に省かれ得る。
従って、かくの如き本発明に従う血液浄化装置を用いれば、余分なコストを掛けることなく、しかも簡単な作業にて、血液浄化操作の終了後に装置内部に残留する血液を患者に返送することが出来るのであり、その結果として、患者への負担と作業者の労力負担とが共に効果的に軽減され得る血液浄化操作が、経済的に有利に実施され得ることとなるのである。
また、本発明に従う血液浄化装置の第二の態様においては、静脈チャンバに空気排出口が設けられているところから、血液供給流路内の血液と、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分内の血液とが、空気導入口から導入された空気にて、静脈チャンバ内に押し出される際に、そのような静脈チャンバ内への血液の押出量から、静脈チャンバよりも血液流通方向下流側の血液返送流路部分への静脈チャンバ内の血液の流出量を差し引いた量に応じた分だけ、静脈チャンバ内に空気が、空気排出口を通じて排出されることとなり、それによって、血液供給流路内の血液と、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分内の血液とが、静脈チャンバ内に、無理なく確実に且つ容易に押し出され得る。
しかも、かかる本発明に従う血液浄化装置にあっては、空気導入口から血液供給流路内に導入されて、静脈チャンバ内に送り出された空気も、空気排出口を通じて、静脈チャンバ外に排出されるようになっているため、血液供給流路内の血液と、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分内の血液の全量が、静脈チャンバ内に押し出された状態下で、空気が、空気導入口から、更に継続的に導入されて、静脈チャンバ内に送り出されても、静脈チャンバの内圧が必要以上に高められて、静脈チャンバよりも血液流通方向下流側の血液返送流路部分への静脈チャンバ内の血液の流出に悪影響が及ぼされるようなことが、有利に回避され得る。
さらに、本発明に従う血液浄化装置の第三の態様においては、血液供給流路の空気導入口と静脈チャンバの空気排出口とが、空気通路を介して接続されて、空気導入口よりも血液流通方向下流側に位置する血液供給流路部分とダイアライザと静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する前記血液返送流路部分と静脈チャンバと空気通路とにて、閉回路が形成されるようになっているため、血液浄化操作の終了後に、切換手段にて、血液導入口が閉塞せしめられた状態下で、上記閉回路が形成されて、ポンプ手段が作動されると、空気通路と空気導入口を通じて静脈チャンバ内のみから血液供給流路内に導入された空気が、空気導入口よりも血液流通方向下流側に位置する血液供給流路部分とダイアライザと静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分のそれぞれの内部に残留する血液を静脈チャンバ内に押し出した後、閉回路内を循環せしめられる。
それ故、かかる本発明に従う血液浄化装置にあっては、血液浄化操作の終了後における残留血液の回収操作の実施時において、空気導入口を通じて血液供給流路内に導入され、ポンプ手段により静脈側チャンバ内に押し出された空気が、静脈チャンバ内から、静脈チャンバよりも血液流通方向下流側に位置する血液返送流路部分に溢れ出し、そして、この溢れ出した空気が、かかる血液返送流路部分を通じて患者の体内に送り込まれるようなことが、確実に回避され得る。
従って、このような本発明に従う血液浄化装置を用いれば、残留血液の回収操作を行なった際に、誤って、空気が患者の体内に送り込まれるようなことがなく、患者の安全が、効果的に確保され得るのである。
さらに、本発明に従う血液浄化装置の第四の態様においては、例えば、血液浄化操作の終了後に、静脈側チャンバの空気取入口が、第一の開閉手段にて閉塞せしめられると共に、血液導入口が、切換手段にて閉塞させられた状態下で、ポンプ手段が作動せしめられることにより、静脈チャンバ内の空気のみが、空気通路と空気導入口を通じて、血液供給流路内に導入され、それによって、静脈チャンバ内から、静脈チャンバよりも血液流通方向下流側に位置する血液返送流路部分への空気の溢れ出しが阻止されつつ、空気導入口よりも血液流通方向下流側に位置する血液供給流路部分とダイアライザと静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分のそれぞれの内部に残留する血液の全量が、静脈チャンバ内に押し出され得る。そして、かくして、残留血液が、静脈チャンバ内に押し出された状態下で、静脈チャンバの空気取入口の開閉手段による閉塞が解消されて、かかる空気取入口を通じて、大気中の空気が取り入れられることにより、静脈チャンバ内の圧力が大気圧と略等しくされ、以て、静脈チャンバ内の血液が、静脈チャンバよりも血液流通方向下流側に位置する血液返送流路部分に、安定的に流出せしめられて、患者に対して確実に返送され得る。
従って、かくの如き本発明に従う血液浄化装置を用いれば、残留血液の回収操作が、安全に、且つより確実に実施され得ることとなる。
更にまた、本発明に従う血液浄化装置の第五の態様においては、静脈チャンバを構成する第一チャンバと第二チャンバとの間の連通路を第二の開閉手段にて閉塞せしめることにより、血液返送流路に接続された第一チャンバのみを、血液が貯留される静脈チャンバとして機能させることが出来、また、かかる第二の閉塞手段による連通路の閉塞を解消せしめれば、第一チャンバと第二チャンバの両方を、血液が貯留される静脈チャンバとして機能させることが出来るのであり、それによって、単に、第二の開閉手段による連通路の開閉を行うだけで、静脈チャンバの容積を実質的に増減させることが可能となる。
そして、かかる血液浄化装置では、例えば、第一チャンバの容積を、血液が可及的に少ない量で貯留される大きさに制限する一方、第一チャンバの容積と第二チャンバの容積の合計を、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分内の血液と、ダイアライザ内の血液と、空気導入口よりも血液流通方向下流側に位置する血液供給流路部分内の血液の全量が貯留され得るのに十分な大きさと為すことが出来る。
それ故、このような本発明に従う血液浄化装置にあっては、連通路を開閉手段にて閉塞せしめて、第一チャンバのみを静脈チャンバとして機能させることにより、静脈チャンバの容積を小さく為した状態下で、血液の浄化操作を行えば、何等かの原因で静脈チャンバの内圧が上昇して、静脈チャンバ内の空気が圧縮せしめられ、その分だけ、静脈チャンバ内の血液の貯留量が増加するようなことが生じても、静脈チャンバ内の全体の容積が小さくされていることによって、血液の貯留量の増加量が可及的に少なく抑えられ、その結果として、静脈チャンバ内の血液の貯留量の増加に起因する患者の血圧低下の発生が、効果的に解消乃至は抑制され得る。
また、その一方、かかる血液浄化装置においては、連通路を開放せしめて、第一チャンバと第二チャンバの両方を静脈チャンバとして機能させることにより、静脈チャンバの容積を大きくした状態下で、残留血液の回収操作を行えば、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分内とダイアライザ内と空気導入口よりも血液流通方向下流側に位置する血液供給流路部分内に残留する血液の全量を、静脈チャンバ内(第一チャンバ内と第二チャンバ内)に貯留させることが出来る。
そして、それによって、例えば、空気導入口よりも血液流通方向下流側に位置する血液供給流路部分と、ダイアライザと、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分と、静脈チャンバと、空気通路とにて、閉回路が形成されている場合において、静脈チャンバ内の容積が小さいために静脈チャンバ内に収容仕切れない血液が、かかる閉回路を再循環せしめられるようなことが有利に回避され得、その結果として、静脈チャンバ内の血液が、患者に対して、安定的に且つ安全に返送され得ることとなる。
また、本発明に従う血液浄化装置の第六の態様においては、例えば、第一チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分の分岐部と、第二チャンバ接続流路の第二チャンバへの接続部分とが、第二チャンバ内に流入せしめられて、貯留された血液の液面よりも高い所に位置せしめられるように為すことが出来る。
そして、このような血液浄化装置では、血液の浄化操作の終了後に、第一チャンバと第二チャンバとを接続する連通路の第二の開閉手段による閉塞を解消せしめると共に、第三の開閉手段による第二チャンバ接続流路の閉塞を解消せしめた状態下で、残存血液の回収操作を行うと、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側の部分に残存せしめられた血液が、空気導入口から導入された空気にて、第一チャンバ接続流路を通じて、先ず、第一チャンバ内に押し出され、この第一チャンバ内が血液にて満たされると、連通路を通じて、第二チャンバ内に送り込まれる。その後、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側の部分に残存せしめられた血液の全量が、第一チャンバ内と第二チャンバ内とに押し出されると、空気導入口から導入された空気が、第二チャンバ接続流路を通じて、第二チャンバ内に送り出されることとなる。
それ故、かくの如き本発明に従う血液浄化装置にあっては、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側の部分に残存せしめられた血液の全量が、静脈チャンバの第一チャンバ内と第二チャンバ内とに押し出された状態下において、第二チャンバ内に貯留された血液が、連通路を通じて、第一チャンバ内に安定的に送り出され得るのであり、それによって、第一チャンバ内と第二チャンバ内に貯留された血液が、患者に対して、極めて安定的に返送され得ることとなるのである。
さらに、本発明に従う血液浄化装置の第七の態様にあっては、静脈チャンバよりも血液流通方向上流側の部分に残存せしめられた血液の全量が、静脈チャンバの第一チャンバ内と第二チャンバ内とに押し出された状態下において、空気導入口から導入されて、第二チャンバ内に送り込まれた空気が、空気排出口を通じて、確実に外部に排出され得るのであり、これによっても、第一チャンバ内と第二チャンバ内に貯留された血液が、患者に対して、極めて安定的に返送され得ることとなる
更にまた、本発明に従う血液浄化装置の第八の態様にあっては、第二チャンバを潰れ変形せしめられた状態としておけば、静脈チャンバ、ひいては装置全体の嵩が有利に小さく為され得るのであり、それによって、持運びが容易となるといった利点が得られる。
更にまた、本発明に従う血液浄化装置の第十の態様によれば、空気導入口が、血液供給量路のダイアライザとの接続側とは反対側の端部に設けられることとなり、それによって、血液浄化操作の終了後の残留血液回収操作の実施時に、血液供給流路内に残留する血液のより多くが、空気導入口から導入される空気によって、静脈チャンバ内に押し出され得るのであり、以て、より多くの量の残留血液が、患者に返送され得ることとなる。
また、本発明に従う血液浄化装置の第十二及び第十三の態様によれば、静脈チャンバ内から、静脈チャンバよりも血液流通方向下流側に位置する血液返送流路部分内への血液の流出が終了せしめられた状態下において、血液返送流路における静脈チャンバよりも血液流通方向下流側部分のうち、柔軟性乃至は弾性を有するチューブにて構成される部分内に残留する血液が、かかるチューブの内圧の低下に伴うチューブの内孔の容積の減少や、絞出し手段による絞出しによって、患者に確実に返送され得るのであり、以て、より多くの量の残留血液が、患者に返送され得ることとなる。
さらに、本発明に従う血液浄化装置の第十四の態様によれば、血液浄化操作の終了後に、空気導入口からの空気の導入により静脈チャンバ内に押し出された血液を、特別な機器の使用による余分なコストを掛けることなく、患者に対して確実に返送することが可能となる。
以下、本発明をより具体的に明らかにするために、本発明に係る血液浄化装置の構成について、図面を参照しつつ、詳細に説明することとする。
先ず、図1には、本発明に従う血液浄化装置の一実施形態を示す系統図が、概略的に示されている。かかる図1において、10は、ダイアライザ(血液透析器)であって、従来と同様な構造を有しており、円筒形状の函体内部に、中空繊維状の半透膜が収容されて、構成されている。また、かかるダイアライザ10の軸方向の一端側には、患者の体内から血液を導くための血液供給流路12が接続されている一方、その他端側には、ダイアライザ10内で透析、浄化された血液を患者の体内に返送するための血液返送流路14が接続されている。そして、血液供給流路12上には、公知の構造を有する、ポンプ手段としての血液ポンプ16が設けられており、この血液ポンプ16の作動によって、血液供給流路12内に導入された血液が、ダイアライザ10内に送出されて、ダイアライザ10内を流通せしめられた後、ダイアライザ10内から血液返送流路14内に流出せしめられるようになっている。
また、ダイアライザ10の血液流入側に接続された血液供給流路12は、ダイアライザ10と接続される本体流路18と、かかる本体流路18のダイアライザ10との接続側とは反対側の端部に、ジョイント19を介して連通状態で接続された延長流路20とにて構成されている。そして、この延長流路20の本体流路18側とは反対側の先端開口部が、血液供給流路12内に血液を導入する血液導入口21とされており、また、この血液導入口21には、患者のシャント血管に穿刺されて、血液を採取するための動脈側穿刺針22が取り付けられている。更に、かかる血液供給流路12の本体流路18上には、血液ポンプ16よりもダイアライザ10側に、動脈チャンバ24が、設けられている。この動脈チャンバ24は、公知の構造を有し、血液供給流路12内に導入された血液が一旦貯留されることにより、かかる血液内に混入する空気が除去されるようになっている。
一方、ダイアライザ10の血液流出側に接続側された血液返送流路14も、ダイアライザ10に接続される本体流路26と、ダイアライザ10との接続側とは反対側の端部に、ジョイント27を介して連通状態で接続された延長流路28とから構成されており、また、この延長流路28の本体流路26側とは反対側の先端開口部には、患者のシャント血管に穿刺可能な静脈側穿刺針30が取り付けられている。更に、このような血液返送流路14の本体流路26上には、ダイアライザ10内で浄化された血液が、一旦貯留されることにより、かかる血液中に混入する空気を除去する静脈チャンバ32が、設けられている。なお、この静脈チャンバ32は、保持手段としてスタンド33に対して、上下方向に移動可能に保持されている。
そして、それら血液供給流路12と血液返送流路14とが接続されたダイアライザ10には、従来装置と同様に、透析液を、その貯漕(図示せず)より、ダイアライザ10内に導くための透析液供給流路34が接続されていると共に、ダイアライザ10において半透膜を介して血液に接触せしめられ、半透膜の透析及び濾過作用により血液から取り出された不要物質乃至は有害物質を含むようになった透析液を排出するための透析液排出流路36が接続されている。
かくして、かかる本実施形態の血液浄化装置にあっては、動脈側穿刺針22が、図示しない患者のシャント血管に穿刺される一方、静脈側穿刺針30が、患者のシャント血管の血液流通方向下流側に穿刺されることによって、それら両穿刺針22,30と血液供給流路12と血液返送流路14とダイアライザ10とにて、患者の血液が体外循環せしめられる血液回路が構成されるようになっている。そして、かかる血液回路内において、動脈側穿刺針22から、血液導入口21を通じて血液供給流路12内に導入された、患者の浄化されるべき血液が、血液ポンプ16の作動に伴って、動脈チャンバ24内で、混入する空気が除去された後、血液供給流路12内からダイアライザ10に送り出されて、ダイアライザ10内で、半透膜を介して透析液に接触せしめられることにより浄化され、更に、この浄化された血液が、血液返送流路14を経て、静脈側穿刺針30から患者に返送され得るようになっている。
なお、ここでは、前述せる如く、血液返送流路14内に送り込まれた血液が、混入空気の更なる除去のために、静脈チャンバ32内に一旦貯留されることとなるが、この静脈チャンバ32は、前記スタンド33にて、血液返送流路14の静脈チャンバ32よりも下流側部分よりも高く、且つ静脈側穿刺針30の患者への穿刺位置よりも高い位置で保持されるようになっている。
而して、このような本実施形態の血液浄化装置においては、上述の如き患者の血液の体外循環による血液浄化操作の終了後に、装置内部に残留する血液を回収して、患者に返送する操作を有利に実施するための、従来装置には見られない特別な構造が、血液供給流路12と血液返送流路14とに対して付与されている。
すなわち、ここでは、血液供給流路12の延長流路20が、本体流路18側とは反対側の端部において、二つに分岐せしめられて、この二つの分岐流路のうちの一方が、前述せる如く、先端開口部が血液導入口21とされて、動脈側穿刺針22が取り付けられた血液導入路40とされている一方、他方の分岐流路が、先端開口部が外部に開口して、大気中の空気を導入する空気導入口42とされた空気導入路44とされており、更に、そのような二つの分岐流路からなる血液導入路40と空気導入路42を除く部分が、主流路46とされている。かくして、本実施形態においては、血液供給流路12の延長流路20に、空気導入口42が設けられているのである。
そして、このような延長流路20における血液導入路40と空気導入路44との分岐部分には、切換手段としての三方コック48が取り付けられている。この三方コック48は、従来と同様な構造を有しており、摘み部50の回動操作によって、延長流路20の主流路46と血液導入路40とが連通せしめられる一方、主流路46と空気導入路44とが非連通とされた状態と、主流路46と空気導入路44とが連通せしめられる一方、主流路46と血液導入路40とが非連通とされた状態とが、択一的に切り換えられ得るようになっている。
これによって、ここでは、血液供給流路12の血液導入口21に取り付けられた動脈側穿刺針22を患者のシャント血管に穿刺すると共に、三方コック48の摘み部50の回動操作にて、延長流路20の血液導入路40と空気導入路44のうち、血液導入路40のみが主流路46と連通状態と為した状態下で、血液ポンプ16を作動せしめれば、血液導入口21を通じて、患者の血液のみが、血液供給流路12内に導入されるようになっている。そして、患者のシャント血管から動脈側穿刺針22を抜去することなく、三方コック48の摘み部50を回動操作して、空気導入路44のみが主流路46と連通状態と為した状態で、血液ポンプ16を作動せしめれば、空気導入口42を通じて、大気中の空気のみが、血液に代えて、血液供給流路12内に導入されるようになっている。
また、血液返送流路14上に設けられた静脈チャンバ32は、硬質の材料からなる両側有底の筒体からなり、その容積が、前記延長流路20の血液導入路40と空気導入路44の分岐部分から血液返送流路14の静脈チャンバ32との接続部分までの血液回路内に収容される血液の体積よりも所定量だけ大きくされて、従来の血液浄化装置に設けられる静脈チャンバの容積よりも十分に大きくされている。更に、かかる静脈チャンバ32にあっては、その上底部に、静脈チャンバ32内の空気を外部に排出するための空気排出口52が、設けられており、そして、この空気排出口52には、それを閉塞するキャップ56が、容易に取外し可能に取り付けられている。
また、ここでは、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側部分が、特別なチューブにて構成されている。即ち、かかる血液返送流路14下流側部分のうち、先端開口部に静脈側穿刺針30が取り付けられた延長流路28は、内孔内の血液流量の変化による圧力変動に応じて変形させられて、内孔の容積が増減せしめられるチューブにて構成されている。そして、かかるチューブからなる延長流路28にあっては、特に、内孔内の血液流量の減少により、内孔内の圧力が、大気圧よりも少しだけ高い圧力以下の大きさとなったとき、具体的には、例えば、大気圧よりも5.33×103 Pa程度だけ高い圧力以下程度の大きさとなったときに、潰れ変形せしめられて、内孔内の容積が著しく減少せしめられるようになっている。
また、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側部分のうち、延長流路28を除く本体流路26部分は、外部から押圧されることによって容易に潰れ変形せしめられるような柔軟性を有するチューブにて構成されている。
さらに、そのようなチューブからなる、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側の本体流路26部分には、一対のローラ58,58が、かかる本体流路26部分の一部を、それぞれのローラ面の間に挟んで、互いに接近/離隔可能に配置されている。そして、そのような一対のローラ58,58にあっては、互いに接近せしめられることにより、それらの間に位置する、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側の本体流路26部分の一部を外部から押圧して、潰し変形せしめ得るようになっていると共に、相互の接近状態を維持しつつ、血液返送流路14に沿って、その血液流通方向下流側に向かって移動せしめられ得るようになっている。
かくして、かくの如き本実施形態の血液浄化装置にあっては、血液供給流路12の血液導入口21に取り付けられた動脈側穿刺針22を患者のシャント血管に穿刺して、血液供給流路12の延長流路20に設けられた三方コック48の摘み部50の回動操作により、延長流路20の主流路46と血液導入路40とを連通状態と為す一方、かかる主流路46と空気導入路44とを非連通状態と為し、更に、静脈チャンバ32の空気排出口52をキャップ56にて閉塞した状態下で、血液ポンプ16を作動せしめることにより、前述せる如き患者の血液の浄化操作が実施され得るようになっている。
また、そのような血液の浄化操作の終了後に、例えば、血液ポンプ16を作動させたままで、動脈側穿刺針22を患者のシャント血管から抜去することなく、血液供給流路12の延長流路20に設けられた三方コック48の摘み部50の回動操作を行って、延長流路20の主流路46と血液導入路40とを非連通状態と為す一方、かかる主流路46と空気導入路44とを連通状態と為し、更に、静脈チャンバ32の空気排出口52を閉塞するキャップ56を取り外して、静脈チャンバ32内の空気が、空気排出口52から外部に排出され得るように為すことにより、血液導入口21から血液供給流路12内への血液の導入が停止せしめられる一方、空気導入路44の空気導入口42から、大気中の空気が、空気導入路44を通じて血液供給流路12内に導入され得るようになっている。
そして、このような血液ポンプ16の作動に伴う空気導入口42から血液供給流路12内への大気中の空気の導入を継続的に行うことによって、かかる空気が、血液供給流路12から、ダイアライザ10内と血液返送流路14の静脈チャンバ32よりも血液流通方向上流側部分を経て、静脈チャンバ32内に送り出され、また、それによって、血液ポンプ16と動脈チャンバ24を含む血液供給流路12とダイアライザ10と血液返送流路14の静脈チャンバ32よりも血液流通方向上流側部分、つまり血液回路における静脈チャンバ32よりも血液流通方向上流側部分の内部に残留する血液の全量が、空気導入口42から導入される空気にて、静脈チャンバ32内に押し出されるようになっている。
一方、静脈チャンバ32内は、空気排出口52を通じて大気中に連通されていることによって、内圧が大気圧と等しい大きさとされており、また、静脈チャンバ32は、前述せる如く、静脈穿刺針30の患者への穿刺位置よりも高い位置で支持されている。このため、静脈チャンバ32内に押し出された血液は、重力により、静脈チャンバ32内から、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側の部分に流出せしめられ、また、かかる血液返送流路14の下流側部分から、静脈側穿刺針30を通じて、患者に返送され得るようになっている。
なお、血液回路における静脈チャンバ32よりも血液流通方向上流側部分内の残留血液が静脈チャンバ32内に押し出される際には、静脈チャンバ32内への血液の押出量から、静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側の血液返送流路14部分への血液の流出量を差し引いた量に応じた分だけ、静脈チャンバ32内の空気が、空気排出口52を通じて外部に排出されるため、上記残留血液が、静脈チャンバ32内に、無理なく確実に且つ容易に押し出されることとなる。また、その際には、静脈チャンバ32内から流出せしめられる血液の流量よりも、静脈チャンバ32内に押し出される残留血液の流量の方が多いため、静脈チャンバ32内の血液の貯留量が徐々に増加されることとなるが、前述せる如く、静脈チャンバ32の容積が、血液回路における静脈チャンバ32よりも血液流通方向上流側部分内の残留血液の全量の体積よりも大なる大きさとされているため、何等の問題が生じることもない。更に、かかる残留血液の全てが静脈チャンバ32内に押し出された後は、空気導入口42から導入される空気が、静脈チャンバ32内に送り込まれるが、そのような空気は、空気排出口52から外部に排出されるため、静脈チャンバ32内の圧力が必要以上に高められることはない。
また、ここでは、静脈チャンバ32内の血液が、重力の作用のみによって、静脈チャンバ32内から血液返送流路14の下流側部分内に流出せしめられるようになっているため、血液返送流路14の下流側部分内への静脈チャンバ32内の血液の流出が終了した後は、シャント血管内の圧力と、血液返送流路14の本体流路26内の血液の液面の高さが釣り合った時点で、静脈側穿刺針30を通じての患者への血液の返送が停止することとなるが、その際に、血液返送流路14における本体流路26の下流側部分の一部を挟んで配置された前記一対のローラ58,58を、血液の液面が存在する部位に移動させた後、それらのローラ58,58を互いに接近せしめて、それらの間に挟まれた、血液の液面の存在する血液返送流路14の本体流路26の下流側部分を潰し変形させた状態で、一対のローラ58,58を血液返送流路14に沿って、その血液流通方向下流側に向かって、ジョイント27まで移動せしめれば、血液返送流路14における本体流路26の下流側部分の内部に残留する血液が、患者に対して、確実に返送され得るように構成されている。
さらに、そのような血液返送流路14の下流側部分のうちの延長流路28にあっては、特に、上述の如き一対ローラ58,58による本体流路26に残留する血液の絞出しの後、内孔内の血液の流れの停止により、内孔内の圧力が、大気圧よりも5.33×103 Pa程度だけ高い圧力以下程度の大きさとなった際に、潰れ変形せしめられるようになっているため、このとき生ずる圧縮力により、延長流路28内に未だ残留する血液が、患者に対して、更に確実に返送され得るようになっている。
このように、本実施形態の血液浄化装置を用いれば、血液の浄化操作の終了後に、装置内部の残留血液の回収操作を実施するに際して、血液ポンプ16を作動させた状態で、動脈側穿刺針22を、患者のシャント血管から、何等抜去することなく、穿刺させたままで、単に、三方コック48の摘み部50を回動操作すると共に、静脈チャンバ32の空気排出口52のキャップ56を取り外すだけの極めて簡単な作業のみを行えば良い。それ故に、動脈側穿刺針22を患者のシャント血管から抜去すると同時に、残留血液の回収操作を開始するようにした従来装置を使用する場合とは異なって、残留血液の回収操作を開始するための操作と、動脈穿刺針22の抜去後の患者の後処理とを同時に行わなければならない煩雑な作業から有利に開放され得るのであり、また、生理的食塩水にて、装置内部の残留血液を押し出すようにした従来装置を用いる場合とも異なって、生理的食塩水が不要となる分だけ、コストが削減され得る。
従って、このような本実施形態に係る血液浄化装置にあっては、血液浄化操作の終了後に残留する血液が、余分なコストや面倒な手間を掛けることなく、患者に返送され得ることとなるのである。
また、かかる血液浄化装置においては、血液供給流路12における延長流路20の先端部分が二つに分岐されてなる血液導入路40と空気導入路44のそれぞれの先端開口部にて、血液導入口21と空気導入口42とが形成されていることにより、空気導入口42が、血液導入口21の近傍に位置せしめられているところから、空気が、空気導入口42を通じて、血液導入口21の近傍から、血液供給流路12内に導入されることとなり、それによって、血液供給流路12内の残留血液、ひいては装置内部の残留血液が、より多くの量において、患者に返送され得る。
さらに、本実施形態の血液浄化装置では、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側部分内の残留血液が、一対のローラ58,58にて絞り出されて、患者に対して確実に返送され得るようになっていると共に、かかる血液返送流路14の下流側部分のうち、延長流路28内に残留する血液も、血液の流れが停止することによる延長流路28の潰れ変形時に生ずる圧縮力により、患者に対して確実に返送され得るようになっており、これらによっても、装置内部の残留する血液のより多くが、患者に返送され得ることとなる。
更にまた、かかる血液浄化装置にあっては、静脈チャンバ32内に貯留された残留血液が、重力により、血液返送流路14の下流側部分に流出せしめられて、患者に返送されるようになっているところから、残留血液の患者への返送のために、特別な機器の使用によって、余分なコストが生ずるようなことが、有利に回避され得る。
次に、図2には、残留血液を回収するために付与された構造が、前記第一の実施形態とは一部異なる血液浄化装置の別の例が、示されている。なお、かかる図2及び後述する図3については、図1に示された前記第一の実施形態と同様な構造とされた部材及び部位に対して、図1と同一の符号を付すことにより、その詳細な説明を省略した。
すなわち、本実施形態の血液浄化装置では、空気が流通可能な空気通路60が、血液供給流路12や血液返送流路14とは別個に設けられており、この空気通路60が、その一端部において、血液返送流路14上の静脈チャンバ32に設けられた空気排出口52に接続されている一方、その他端部において、血液供給流路12の延長流路28における空気導入路44の空気導入口42に接続されている。
また、かかる血液浄化装置においては、静脈チャンバ32に対して、空気通路60が接続される空気排出口52とは別に、大気中の空気を静脈チャンバ32内に取り入れるための空気取入口64が設けられている。そして、この空気取入口64には、それを閉塞するキャップ66が、容易に取外し可能に取り付けられており、このキャップ66の装着状態下では、空気取入口64から静脈チャンバ32内への空気の取入が阻止されるようになっている。このことから明らかなように、ここでは、キャップ66にて、第一の開閉手段が構成されている。
かくして、かくの如き構造とされた血液浄化装置にあっては、血液の浄化操作の終了後に、例えば、血液ポンプ16を作動させたままで、動脈側穿刺針22を患者のシャント血管から抜去することなく、血液供給流路12の延長流路20に設けられた三方コック48の摘み部50の回動操作を行って、延長流路20の主流路46と血液導入路40とを非連通状態と為す一方、かかる主流路46と空気導入路44とを連通状態と為し、更に、静脈チャンバ32の空気取入口64を閉塞するキャップ66を取り外して、静脈チャンバ32内に、大気中の空気が流通するように為すことにより、血液導入口21から血液供給流路12内への血液の導入が停止せしめられる一方、空気通路60を通じて、静脈チャンバ32内の空気が吸引されて、かかる空気が、空気導入口42から血液供給流路12内に導入され得るようになっている。
そして、血液ポンプ16の作動を継続せしめることによって、静脈チャンバ32内から吸引された空気が、血液供給流路12から、ダイアライザ10内と血液返送流路14の静脈チャンバ32よりも血液流通方向上流側部分を経て、静脈チャンバ32内に、再び送り出され、それによって、血液回路における静脈チャンバ32よりも血液流通方向上流側部分の内部に残留する血液の全量が、空気導入口42を通じて導入される空気にて、静脈チャンバ32内に押し出されるようになっている。
そしてまた、静脈チャンバ32内に押し出された血液が、重力により、静脈チャンバ32内から、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側の部分に流出せしめられ、更に、かかる血液返送流路14の下流側部分から、静脈側穿刺針30を通じて、患者に返送され得るようになっている。
このように、本実施形態の血液浄化装置にあっても、前記第一の実施形態と同様に、血液の浄化操作の終了後に、血液ポンプ16を作動させた状態で、動脈側穿刺針22を患者のシャント血管から何等抜去することなく、穿刺させたままで、単に、三方コック48の摘み部50を回動操作すると共に、空気取入口64を閉塞するキャップ66を取り外すだけの極めて単純且つ簡易な作業を行うことにより、装置内部の残留血液の回収操作を実施することが出来るのであり、従って、余分なコストや面倒な手間を掛けることなく、残留血液を患者に返送することが出来るといった、前記第一の実施形態において奏され得る効果が、有効に享受され得るのである。
また、このような血液浄化装置においては、特に、装置内部の残留血液の回収操作を実施するに際して、例えば、静脈チャンバ32の空気取入口64を閉塞するキャップ66を取り外すことなく、三方コック48の摘み部50の回動操作のみを行って、空気導入口42から空気を導入せしめ、かかる空気にて、血液回路における静脈チャンバ32よりも上流側部分内の残留血液の全量が静脈チャンバ32内に押し出されようにすれば、静脈チャンバ32と、空気通路60と、延長流路20の空気導入路44及び主流路46と、血液供給流路12における延長流路20よりも血液流通方向下流側部分(血液ポンプ16と動脈チャンバ24を含む)と、ダイアライザ10と、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向上流側部分とによって、閉回路が構成される。そして、それによって、血液回路における静脈チャンバ32よりも上流側部分内の残留血液の全量が静脈チャンバ32内に押し出された後には、装置内部と外部との間での空気の出入りが阻止された状態下で、空気が、かかる閉回路内を循環せしめられる。また、そのような状態下において、静脈チャンバ32の空気取入口64を閉塞するキャップ66を取り外せば、静脈チャンバ32内に貯留された残留血液が、重力により、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側部分に流出せしめられることとなる。
それ故、かかる血液浄化装置では、上述の如き閉回路が形成された状態下において空気導入口42から導入された空気が、静脈チャンバ32内に送り込まれたときに、静脈チャンバ32内から、血液返送流路14の静脈チャンバ32よりも下流側部分に押し出されるようなことが、有利に防止され得る。
従って、このような本実施形態の血液浄化装置を用いれば、残留血液の回収操作を行なう際に、誤って、空気が患者の体内に送り込まれるようなことが未然に防止され得て、患者の安全が、効果的に確保され得ることとなる。
また、図3には、静脈チャンバの構造が前記第一の実施形態とは異なる血液浄化装置の更に別の例が、示されている。即ち、本実施形態の血液浄化装置においては、静脈チャンバ68が、第一チャンバ70と第二チャンバ72の二つのチャンバにて、構成されている。そして、第一チャンバ70は、上底部と下底部とを備えた硬質の筒体からなり、且つ従来の血液浄化装置に設けられる静脈チャンバと略同じ大きさの容積を有して、構成されている。
一方、第二チャンバ72は、外部から押圧されることにより容易に潰れ変形せしめられる柔軟な袋体からなり、且つ容積が、第一チャンバ70の容積との合計において、血液供給流路12における延長流路20の血液導入路40と空気導入路44の分岐部分から、血液返送流路14の静脈チャンバ32との接続部分までの血液回路内に収容される血液の体積よりも所定量大きくなるように構成されている。また、かかる第二チャンバ72の上部には、空気排出口52が設けられており、更に、この空気排出口52には、それを閉塞するキャップ56が、容易に取り外し可能に取り付けられている。
そして、そのような第一チャンバ70と第二チャンバ72は、第二チャンバ72を上側に位置せしめた状態で、上下に並んで配置されて、第一チャンバ70の上部と第二チャンバ72の下部とが、上下方向に延びる、柔軟なチューブからなる連通路74にて接続されていることによって、互いに連通せしめられている。また、かかる連通路74の延出方向の中間部分には、例えば、クリップやピンチコック等からなるクランプ部材76が配置されており、このクランプ部材76にて、連通路74の中間部分がクランプされることによって、第一チャンバ70と第二チャンバ72とが非連通状態とされるようになっている。
さらに、ここでは、血液返送流路14における静脈チャンバ68よりも血液流通方向上流側部分が、第二チャンバ72の下部よりも高い位置、つまり第二チャンバ72の高さ方向の中間部乃至は上部に相当する位置で、上下に分かれて延びるように、二つに分岐せしめられている。そして、そのような二つの分岐流路のうち、かかる分岐部分から下方に延び出す流路が、第一チャンバ70の上部に連通状態で接続される第一チャンバ接続流路78とされている一方、分岐部分から上方に延びる流路が、第二チャンバ72の上部に連通状態で接続される第二チャンバ接続流路80とされている。また、この第二チャンバ接続流路80の延出方向の中間部分には、例えば、クリップやピンチコック等からなるクランプ部材82が配置されており、このクランプ部材82にて、第二チャンバ接続流路80の中間部分がクランプされることによって、血液返送流路14における静脈チャンバ68よりも血液流通方向上流側部分と第二チャンバ72とが非連通状態とされるようになっている。
かくして、本実施形態の血液浄化装置においては、二つのクランプ部材76,82にて、連通路74と第二チャンバ接続流路80とを、それぞれクランプしたままで、血液導入口21から血液供給流路12内に血液を導入することによって、静脈チャンバ68の第一チャンバ70内に送り込まれた血液の第二チャンバ72内への流入が阻止された状態で、血液の浄化操作が行われるようになっている。
そして、そのような血液の浄化操作の終了後に、連通路74のクランプ部材76によるクランプと、第二チャンバ接続流路80のクランプ部材82によるクランプとを共に解消する一方で、動脈側穿刺針22を患者のシャント血管から抜去することなく、空気排出口52のキャップ56を取り外すと共に、血液供給流路12の三方コック48を回動操作して、血液導入口21から血液供給流路12内への血液の導入を停止させ、その代わりに、大気中の空気を、空気導入口42から血液供給流路12内に導入することにより、かかる空気にて、血液回路の静脈チャンバ68よりも上流側部分内の残留血液が静脈チャンバ68内に押し出され、更に、静脈チャンバ68内の血液が、血液返送流路14を通じて患者に返送される残留血液の回収操作が行われ得るようになっている。
なお、ここでは、前述せる如く、残留血液の回収操作の実施時において、二つのクランプ部材76,82による連通路74と第二チャンバ接続流路80のクランプが解消されているため、血液回路の静脈チャンバ68よりも上流側部分内の残留血液が、先ず、血液返送流路14における第一チャンバ接続流路78を通じて、静脈チャンバ68の第一チャンバ70内に押し出され、第一チャンバ70内が血液で満たされると、連通路74を通じて、第二チャンバ72内に、血液が送り込まれる。そして、血液回路の上流側部分内の残留血液の全量が、静脈チャンバ68の第一及び第二チャンバ70,72内に押し出された後に、空気導入口42から導入される空気が、血液返送流路14における第二チャンバ接続流路80を通じて、静脈チャンバ68の第二チャンバ72内における貯留血液の液面よりも高い位置に送り込まれるようになっている。
このように、本実施形態においても、前記第一及び第二の実施形態と同様に、血液浄化操作の終了後に、動脈側穿刺針22を患者の動脈から抜去することなく、単に、血液供給流路12の三方コック48を回動操作するだけで、残留血液の回収操作が実施され得るようになっているのであり、それによって、余分なコストや面倒な手間を掛けることなく、残留血液を患者に返送することが出来るといった、前記第一及び第二の実施形態において奏され得る効果が、有効に享受され得るのである。
そして、特に、本実施形態の血液浄化装置にあっては、静脈チャンバ68の第一チャンバ70内から第二チャンバ72内への血液の流入が阻止されて、第一チャンバ70内のみに血液が貯留されるようにされた状態で、血液の浄化操作が行われるようになっているところから、例えば、何等かの原因で、第一チャンバ70の内圧が上昇して、第一チャンバ70内の空気が圧縮せしめられ、その分だけ、第一チャンバ70内の血液の貯留量が増加するようなことがあっても、第一チャンバ70内の容積が小さくされているため、血液貯留量の増加量が可及的に少なく抑えられ、その結果として、静脈チャンバ68内の血液の貯留量の増加に起因する患者の血圧低下の発生が、効果的に解消乃至は抑制され得る。
また、かかる血圧浄化装置においては、血液浄化操作の終了後に実施される残留血液の回収操作では、静脈チャンバ68の第一チャンバ70内と第二チャンバ72内とに、残留血液が満たされた状態下で、静脈チャンバ68内に送り込まれる空気が、第二チャンバ接続流路80を通じて、静脈チャンバ68の第二チャンバ72内における貯留血液の液面よりも高い位置に送り込まれるようになっているところから、例えば、静脈チャンバ68内に送り込まれる空気が、残留血液が貯留される第一チャンバ70内から第二チャンバ72内に、連通路74を通じて送り込まれるようになっている場合とは異なって、第二チャンバ72内の貯留血液が、連通路74を通じて、第一チャンバ70内に安定的に送り出され得るのであり、それによって、第一チャンバ70内と第二チャンバ72内に貯留された血液が、患者に対して、極めて安定的に返送され得ることとなるのである。
さらに、本実施形態の血液浄化装置では、静脈チャンバ68を構成する二つのチャンバ70,72のうち、第二チャンバ72が、外部から押圧されることにより容易に潰れ変形せしめられる柔軟な袋体にて構成されているため、例えば、装置の非使用状態下で、第二チャンバ72を潰したり、変形させたりしておけば、装置全体の嵩を可及的に小さくすることが出来、それによって、持運びが容易となるといった利点が得られる。
以上、本発明の具体的な構成について詳述してきたが、これはあくまでも例示に過ぎないのであって、本発明は、上記の記載によって、何等の制約をも受けるものではない。
例えば、前記実施形態では、血液供給流路12に設けられた三方コック48にて切換手段が構成されていたが、この切換手段は、血液導入口21と空気導入口42とを択一的に閉塞せしめることにより、血液供給流路12内に血液と空気の何れか一方のみを選択的に導入せしめ得るように構成されるものであれば、その構造が、何等限定されるものではない。
従って、かかる切換手段として、三方コック48以外の手動の切換装置を用いたり、或いは、例えば、電気や油圧、空気圧等によって自動的に作動せしめられる適当なアクチュエータ等からなる自動切換装置を使用することも、可能である。
また、空気導入口42の配設位置や配設個数も、例示のものに、特に限定されるものではなく、血液供給流路12上における血液ポンプ16よりも血液流通方向上流側に位置せしめられておれば良いのである。
さらに、静脈チャンバ32に設けられる空気取入口64を開閉せしめる第一の開閉手段(前記実施形態では、キャップ66にて構成される)の構造や、静脈チャンバ68を構成する第一チャンバ70と第二チャンバ72とを互いに連通せしめる連通路74を開閉させる第二の開閉手段(前記実施形態では、クランプ部材76にて構成される)の構造、或いは第二チャンバ接続流路80を開閉させる第三の開閉手段(前記実施形態では、クランプ部材82にて構成される)の構造も、例示のものに、決して限定されるものでないことは、言うまでもないところである。
また、静脈チャンバ68を第一チャンバ70と第二チャンバ72とにて構成する場合には、例えば、空気通路を、それぞれの端部において、第二チャンバ72に設けられた空気排出口52と、血液供給流路12に設けられた空気導入口42とに接続して、空気導入口42よりも血液流通方向下流側に位置する血液供給流路12部分と、ダイアライザ10と、静脈チャンバ68よりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路14部分と、静脈チャンバ68と、空気通路とにて、閉回路を形成するように為すことも、勿論可能である。これによって、前記第三の実施形態において奏される効果に加えて、前記第二の実施形態において、空気通路60の形成により得られる効果が、極めて有効に享受され得ることとなる。なお、かくの如き構成を採用する場合には、好ましくは、第二チャンバ72に、空気取入口と、それを任意に開放又は閉塞せしめる開閉手段が、設けられる。
さらに、静脈チャンバ68を第一チャンバ70と第二チャンバ72とにて構成する場合には、静脈チャンバ68よりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路14部分に、前記第三の実施形態において例示される如き分岐部分を何等設けることなく、かかる血液返送流路14部分を、第一チャンバ70に対して直接に接続せしめても、何等差し支えない。
更にまた、静脈チャンバ68を構成する第一チャンバ70と第二チャンバ72とを互いに連通せしめる連通路74の配設位置や配設個数も、例示のものに、特に限定されるものではない。
また、前記三つの実施形態では、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側の本体流路26部分内に血液だけが、一対のローラ58,58にて絞り出されるようになっていたが、かかる血液返送流路14の下流側の延長流路28内の血液も、一対のローラ58,58にて絞り出すように為すことも可能であり、また、血液返送流路14における静脈チャンバ32よりも血液流通方向下流側部分の全部を、延長流路28にて構成しても良い。
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもないところである。
本発明に従う血液浄化装置の一例を示す系統図である。 本発明に従う血液浄化装置の別の例を示す系統図である。 本発明に従う血液浄化装置の更に別の例を示す系統図である。
符号の説明
10 ダイアライザ 12 血液供給流路
14 血液返送流路 16 血液ポンプ
21 血液導入口 32、68 静脈チャンバ
42 空気導入口 48 三方コック
52 空気排出口 60 空気通路
64 空気取入口 70 第一チャンバ
72 第二チャンバ 74 連通路
78 第一チャンバ接続流路 80 第二チャンバ接続流路

Claims (14)

  1. 血液を浄化するダイアライザと、該ダイアライザに接続され、血液導入口を通じて導入された浄化されるべき血液を該ダイアライザに供給する血液供給流路と、該血液供給流路上に設けられて、血液を前記ダイアライザに送出するポンプ手段と、前記ダイアライザに接続され、該ダイアライザで浄化された血液を患者に返送するための血液返送流路と、かかる血液返送流路上に設けられて、該血液返送流路内の血液の一部を貯留する静脈チャンバとを備えた血液浄化装置において、
    前記血液供給流路上における前記ポンプ手段よりも血液流通方向上流側に位置して、空気を該血液供給流路内に導入する空気導入口を、前記血液導入口とは別個に設ける一方、それら空気導入口と血液導入口とを択一的に閉塞せしめることにより、該血液供給流路内に空気と血液の何れか一方のみを選択的に導入せしめる切換手段を設けて、かかる切換手段の作動により該血液供給流路内に空気を導入し、そして、その空気が、前記ポンプ手段によって前記血液返送流路の前記静脈チャンバ内に送り出されるように構成して、該静脈チャンバよりも血液流通方向の上流側に位置する血液返送流路部分内と前記ダイアライザ内と前記血液供給流路内の血液が、該静脈チャンバ内に押し出され、更に、該静脈チャンバ内から、それよりも血液流通方向下流側に位置する血液返送流路部分を通じて、患者に返送され得るように構成したことを特徴とする血液浄化装置。
  2. 前記静脈チャンバに、該静脈チャンバ内の空気を排出するための空気排出口が設けられて、前記切換手段の作動により前記血液供給流路内に導入され、更に前記ポンプ手段によって該静脈チャンバ内に送り出された空気が、該空気排出口を通じて、該静脈チャンバ外に排出されるようになっている請求項1に記載の血液浄化装置。
  3. 空気を流通せしめ得る空気通路が、一端部において、前記静脈チャンバの前記空気排出口に接続される一方、他端部において、前記血液供給流路の前記空気導入口に接続された状態で、更に設けられて、該静脈チャンバ内の空気が、該空気通路を通じて該空気導入口から該血液供給流路内に導入され得るように構成されることにより、前記空気導入口よりも血液流通方向下流側に位置する血液供給流路部分と、前記ダイアライザと、前記静脈チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分と、該静脈チャンバと、前記空気通路とにて、閉回路が形成されている請求項2に記載の血液浄化装置。
  4. 前記静脈チャンバに、大気中から空気を取り入れるための空気取入口が設けられていると共に、かかる空気取入口に対して、それを任意に開放又は閉塞せしめて、空気の取入を許容又は阻止する第一の開閉手段が設けられている請求項3に記載の血液浄化装置。
  5. 前記静脈チャンバが、前記血液返送流路に接続された第一チャンバと、該第一チャンバとの間で空気や血液の流通を可能と為す連通路を介して、該第一チャンバに接続された第二チャンバとから構成され、更に、それら第一チャンバと第二チャンバとを接続する前記連通路に対して、それを任意に開放又は閉塞せしめて、該第一チャンバと該第二チャンバとの間での空気や血液の流通を許容又は阻止する第二の開閉手段が設けられている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の血液浄化装置。
  6. 前記第二チャンバが、前記第一チャンバよりも上方に位置する状態で、それら第一チャンバと第二チャンバとが上下に配置されて、前記連通路が、該第一チャンバの上部と該第二チャンバの下部との間に配設されると共に、該第一チャンバよりも血液流通方向上流側に位置する血液返送流路部分が、該第二チャンバの下部よりも高い位置で二つに分岐せしめられて、それら二つの分岐流路のうちの一方が、該第一チャンバに接続される第一チャンバ接続流路とされる一方、それらのうちの他方が、該第二チャンバの上部に接続される第二チャンバ接続流路とされ、更に、該第二チャンバ接続流路に対して、それを任意に開放又は閉塞せしめて、該第二チャンバ接続流路を通じての該第二チャンバ内への空気や血液の流通を許容又は阻止する第三の開閉手段が設けられている請求項5に記載の血液浄化装置。
  7. 前記第二チャンバに、前記空気排出口が設けられている請求項5又は請求項6に記載の血液浄化装置。
  8. 前記第二チャンバが、柔軟性を有する袋体にて構成され、外部から押圧されることにより容易に潰れ変形せしめられ得るようになっている請求項5乃至請求項7の何れかに記載の血液浄化装置。
  9. 前記血液供給流路が、前記ダイアライザに接続される本体流路と、該本体流路のダイアライザとの接続側とは反対側に接続されて延びる延長流路とから構成され、かかる延長流路の先端開口部にて前記血液導入口が構成されると共に、該血液導入口に対して、血液を採取するための穿刺針が取り付けられている請求項1乃至請求項8の何れかに記載の血液浄化装置。
  10. 前記空気導入口が、前記延長流路に設けられている請求項9に記載の血液浄化装置。
  11. 前記血液返送流路が、一端部において前記ダイアライザに接続され、且つ中間部に前記静脈チャンバが設けられる本体流路と、該本体流路の他端部に接続されて延びる延長流路とにて構成されている請求項1乃至請求項10の何れかに記載の血液浄化装置。
  12. 前記血液返送流路における前記静脈チャンバよりも血液流通方向下流側部分のうち、少なくとも一部が、柔軟性乃至は弾性を有するチューブからなり、且つ該チューブが、内孔内の圧力の低下に伴って、該内孔の容積が減少せしめられるようになっている請求項1乃至請求項11の何れかに記載の血液浄化装置。
  13. 前記血液返送流路における前記静脈チャンバよりも血液流通方向下流側部分が、柔軟性乃至は弾性を有するチューブにて構成されると共に、かかるチューブを外部から押圧することにより潰れ変形せしめて、該チューブの内孔内の血液を絞り出す絞出し手段が、更に設けられている請求項1乃至請求項12の何れかに記載の血液浄化装置。
  14. 前記静脈チャンバを、前記血液返送流路における前記静脈チャンバよりも血液流通方向下流側部分の上方に位置せしめて保持する保持手段が更に設けられ、該静脈チャンバが、かかる保持手段にて保持せしめられることによって、該静脈チャンバ内に押し出された血液が、重力により、該静脈チャンバ内から流出され得るようになっている請求項1乃至請求項13の何れかに記載の血液浄化装置。
JP2003278426A 2003-07-23 2003-07-23 血液浄化装置 Pending JP2005040394A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003278426A JP2005040394A (ja) 2003-07-23 2003-07-23 血液浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003278426A JP2005040394A (ja) 2003-07-23 2003-07-23 血液浄化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005040394A true JP2005040394A (ja) 2005-02-17

Family

ID=34264839

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003278426A Pending JP2005040394A (ja) 2003-07-23 2003-07-23 血液浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005040394A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011160924A (ja) * 2010-02-08 2011-08-25 Nikkiso Co Ltd 血液浄化装置及び血液浄化装置における血液回路内の液体排出方法
JP2020081302A (ja) * 2018-11-22 2020-06-04 旭化成メディカル株式会社 体液分離システム及び体液分離システムの作動方法
CN114569188A (zh) * 2022-03-10 2022-06-03 郑州大学第一附属医院 一种用于辅助进行血液净化的护理装置
WO2022264553A1 (ja) * 2021-06-14 2022-12-22 日機装株式会社 血液浄化装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011160924A (ja) * 2010-02-08 2011-08-25 Nikkiso Co Ltd 血液浄化装置及び血液浄化装置における血液回路内の液体排出方法
JP2020081302A (ja) * 2018-11-22 2020-06-04 旭化成メディカル株式会社 体液分離システム及び体液分離システムの作動方法
JP7183006B2 (ja) 2018-11-22 2022-12-05 旭化成メディカル株式会社 体液分離システム及び体液分離システムの作動方法
WO2022264553A1 (ja) * 2021-06-14 2022-12-22 日機装株式会社 血液浄化装置
JP2022190446A (ja) * 2021-06-14 2022-12-26 日機装株式会社 血液浄化装置
JP7292331B2 (ja) 2021-06-14 2023-06-16 日機装株式会社 血液浄化装置
CN114569188A (zh) * 2022-03-10 2022-06-03 郑州大学第一附属医院 一种用于辅助进行血液净化的护理装置
CN114569188B (zh) * 2022-03-10 2023-07-25 郑州大学第一附属医院 一种用于辅助进行血液净化的护理装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6685374B2 (ja) 血液浄化装置及びそのプライミング方法
KR100713606B1 (ko) 자동 혈액투석장치
JP5356853B2 (ja) 血液浄化装置
JP4091873B2 (ja) 透析装置
JP5294985B2 (ja) 血液浄化装置及びそのプライミング方法
JP5519427B2 (ja) 血液透析装置
JP4286165B2 (ja) 血液浄化装置のプライミング方法および血液浄化装置
JP5707190B2 (ja) 血液浄化装置
JP5588692B2 (ja) 透析装置
JP5399218B2 (ja) 血液浄化装置
WO2007113936A1 (ja) 血液回路のプライミング方法
WO2013183599A1 (ja) 血液浄化装置及びそのプライミング方法
JP5192241B2 (ja) 血液浄化装置及びそのプライミング方法
JP2005040394A (ja) 血液浄化装置
JP4442826B2 (ja) 血液浄化装置及びそのプライミング方法
WO2017159872A1 (ja) 血液透析装置及び制御プログラム
JP5404458B2 (ja) 血液浄化装置及び血液浄化装置における血液回路内の液体排出方法
JP4137751B2 (ja) 血液浄化装置
JP2020103709A (ja) 血液浄化装置
JP4313264B2 (ja) 血液浄化装置
JP2006006836A (ja) 血液の除水方法と血液の除水装置
JP2006314343A (ja) 血液浄化装置
JP7114466B2 (ja) 血液浄化装置およびプライミング方法
JP4183608B2 (ja) 血液浄化装置
JP5822152B2 (ja) 血液透析装置