JP2005039898A - リニアモータ用固定子およびリニアモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】金属板と、この金属板の表面に、間隔をあけて、且つ交互に磁極が異なるようにして平行に並べられ、固定された複数の永久磁石と、この永久磁石間に並設されたブロックと、上記永久磁石とブロックとを封止する樹脂とを備えたリニアモータ用固定子であって、上記ブロックに、上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での縦弾性係数が上記封止樹脂硬化物の縦弾性係数より大きく、且つ上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での線膨張係数が上記封止樹脂硬化物の線膨張係数より大きいものを用いる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアモータ用固定子、特に、金属板に複数の永久磁石が配列されたリニアモータ用固定子と、この固定子を用いたリニアモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のリニアモータにおける固定子は、複数の永久磁石が、交互に磁極が異なるようにして平行に並べ、且つ所定の間隔をあけて金属平板上に固定された構造をしている。これら永久磁石の金属平板への固定には、接着剤が用いられ、さらに接着された永久磁石の周縁がモールド樹脂でモールドされている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来のリニアモータ用固定子では、リニアモータの組み立て時や使用時において、金属平板表面上に突出している永久磁石の破損を防止するため、樹脂で封止されている。
【0003】
【特許文献】
特開2002−369490号公報(第2−3頁、第2図)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
リニアモータは、高精度の位置決め装置に使用されており、リニアモータ用固定子には高い平面度が要求される。しかし、リニアモータ用固定子を形成する、金属板と永久磁石と封止樹脂とは線膨張係数が異なるので、金属板上に永久磁石を固定し、この金属板上の永久磁石を加熱硬化型の樹脂で封止した場合、リニアモータ用固定子を封止樹脂の硬化温度から室温に戻す時に反りが発生する。
しかも、リニアモータの小形化・軽量化を実現するため、永久磁石を搭載する金属板および封止樹脂の厚さが薄くなってきており、また、リニアモータの生産性向上のため、金属板になるべく多数の永久磁石を搭載する必要があり、リニアモータ用固定子に用いる金属板の可動子が移動する方向の長さが長くなってきており、リニアモータ用固定子の反りが大きくなるとの問題があった。
【0005】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、その目的は、永久磁石を搭載する金属板および封止樹脂の厚さが薄くても、永久磁石を搭載する金属板の可動子が移動する方向の長さが長くても、反りが小さくて、平面性に優れたリニアモータ用固定子と、この固定子を用いたリニアモータとを得るものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のリニアモータ用固定子は、金属板と、この金属板の同じ表面に、間隔をあけて、且つ交互に磁極が異なるようにして平行に並べられ、固定された複数の永久磁石と、この永久磁石間に並設されたブロックと、上記金属板表面に設けられ且つ上記永久磁石と上記ブロックとを封止する樹脂とを備えたリニアモータ用固定子であって、上記ブロックが、上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での縦弾性係数が上記封止樹脂硬化物の縦弾性係数より大きく、且つ上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での線膨張係数が上記封止樹脂硬化物の線膨張係数より大きいものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1におけるリニアモータ用固定子の横断面模式図(a)および上面模式図(b)である。上面模式図(b)には、封止樹脂の一部が取り除かれ、金属板と永久磁石とブロックとが見える状態も示している。
図1に示すように、リニアモータ用固定子(固定子と略記する)1は、長尺の金属板2と、この金属板2の表面に設けられた永久磁石3とブロック4と封止樹脂5とから形成されている。
永久磁石3は、金属板2の長手方向に対して略垂直な方向に沿って複数のものが、交互に磁極が異なるようにして平行に並べられ、且つ所定の間隔をあけて金属板2に設けられている。ブロック4は、永久磁石3と略同じ長さを有した細長いものであり、隣接する永久磁石間の全ての個所に、永久磁石3と略平行に設けられている。封止樹脂5は、永久磁石3と、ブロック4と、永久磁石3とブロック4とが設けられた金属板2の表面とを、覆うようにして設けられている。
そして、固定子1は、単独または必要に応じて長手方向に接続して複数で用いられる。
【0008】
本実施の形態で用いられる金属板2としては、加工性、入手性の点から、例えば鋼板が挙げられる。
本実施の形態で用いられる永久磁石3としては、例えば、ネオジ磁石、フェライト磁石が挙げられが、磁力が強いものであれば、特にこれらに限定されるものではない。
本実施の形態で用いられる封止樹脂5としては、例えば、シリカ等の無機充填剤を含有した液状樹脂が挙げられ、特に、耐熱性、絶縁性、機械特性の点から、液状樹脂としてはエポキシ樹脂が好ましい。
【0009】
本実施の形態で用いられるブッロク4は、ブロック4の永久磁石3に対向する方向(X方向と記す)の縦弾性係数(Ex)が硬化した封止樹脂5の縦弾性係数(Er)より大きく、ブロック4のX方向の線膨張係数(αx)が硬化した封止樹脂5の線膨張係数(αr)より大きなブロックである。
ブロック4として、具体的には、亜鉛やアルミニウム等の金属、樹脂を織布や不織布で強化した繊維強化樹脂積層体(積層体と略記する)が用いられる。
上記積層体に用いられる樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、または、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。積層体に用いられる織布や不織布としては、ガラス繊維やシリカ繊維等の無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維および炭素繊維の織布や不織布が挙げられる。
本実施の形態では、上記積層体は、図2に示すように、その積層面がX方向に向くようにして金属板2に取り付けられることにより、ブロック4として用いられる。
【0010】
本実施の形態における固定子1は、金属板2に、複数の永久磁石3を所定の間隔をあけて接着剤を用いて接着し、隣接する永久磁石3間にブロック4を接着剤で接着する。この時、接着剤を永久磁石3およびブロック4の接合面に塗布して、金属板2に接着しても良く、また、金属板2に接着剤を塗布して、永久磁石3とブロック4とを所定の位置に接着しても良い。接着剤の塗布は、例えばロールコータ法等が用いられる。
永久磁石3とブロック4とを金属板2に固定するための接着剤が硬化した後、永久磁石3とブロック4とが固定された金属板2を型に設置し、この型に樹脂を注入し、注入樹脂を加熱硬化して、永久磁石3とブロック4と金属板2の表面とを封止することにより、固定子1を製造する。封止樹脂の注入は、注形法であっても、トランスファー成形法であっても良い。
【0011】
固定子1を、このような構造にすることにより、金属板2と封止樹脂5の厚さが薄く、金属板2の長手方向の長さが長くても、反りが小さく、平面性が優れ、多数の永久磁石3が搭載できる固定子1が実現でき、小形・軽量で、生産性に優れたリニアモータ用固定子が得られる。
【0012】
実施の形態2
図3は、この発明の実施の形態2におけるリニアモータ用固定子の横断面模式図(a)および上面模式図(b)である。上面模式図(b)には、封止樹脂の一部が取り除かれ、金属板と永久磁石とブロックとが見える状態も示している。
図3に示すように、本実施の形態の固定子1は、永久磁石3間に設けるブロックの全てが、実施の形態1で用いたブロック4ではなく、実施の形態1で用いたブロック4と同様な、ブロックのX方向の縦弾性係数(EX1)が硬化後の封止樹脂の縦弾性係数(Er)より大きく、ブロックのX方向の線膨張係数(αX1)が硬化後の封止樹脂の線膨張係数(αr)より大きい第1のブロック4aと、ブロックのX方向の縦弾性係数(EX2)が硬化後の封止樹脂の縦弾性係数(Er)より大きく、ブロックのX方向の線膨張係数(αX2)が硬化後の封止樹脂の線膨張係数(αr)より小さい第2のブロック4bとを併用するものであり、これ以外は実施の形態1と同様な固定子1である。
【0013】
第1のブロック4aと第2のブロック4bとを併用すると、反りに加えうねりも小さくなり平面性が向上する。第1のブロック4aと第2のブロック4bとの使用割合は特に限定されないが、第2のブロック4bが数量割合で50%以下の場合にうねりが小さくなり、第2のブロック4bの使用割合が40〜50%において、特にうねりが小さくなる。
【0014】
第1のブロック4aとしては、実施の形態1のブロック4に用いたものと同様なものであり、実施の形態1のブロック4と同様にして用いられる。
第2のブロック4bとしては、炭素鋼等の金属、アルミナ、シリカ等の無機材料、樹脂を織布や不織布で強化した積層体が用いられる。
上記積層体に用いられる樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂、または、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の熱可塑性樹脂が挙げられる。積層体に用いられる織布や不織布としては、ガラス繊維やシリカ繊維等の無機繊維、アラミド繊維等の有機繊維および炭素繊維の織布や不織布が挙げられる。
本実施の形態では、上記積層体は、図4に示すように、その積層面が金属板2と平行で、X方向とも平行に金属板2に取り付けられるか、または、図5に示すように、その積層面が金属板2と垂直で、X方向とは平行に金属板2に取り付けられることにより、第2のブロック4bとして用いられる。
【0015】
本実施の形態の固定子1は、金属板2と封止樹脂5との厚さが薄く、金属板2の長手方向の長さが長くても、反りとうねりとが小さく、平面性に優れ、多数の永久磁石3が搭載できる固定子1が実現でき、小形・軽量で、生産性に優れたリニアモータ用固定子が得られる。
【0016】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3におけるリニアモータ用固定子の横断面模式図(a)および上面模式図(b)である。上面模式図(b)には、封止樹脂の一部が取り除かれ、金属板と永久磁石とブロックとが見える状態も示している。
図6に示すように、本実施の形態の固定子1は、実施の形態1で用いたのと同様なブロック4を、永久磁石3間の全ての個所に設けるのではなく、永久磁石3間の一部の個所に設けたものであり、これ以外は実施の形態1と同様な固定子1である。図6では、1つ置きの永久磁石間にブロック4が設けられているが、本実施の形態では、ブロック4を設ける個所は特に限定されない。
本実施の形態における固定子1も、金属板2と封止樹脂5との厚さが薄く、金属板2の長手方向の長さが長くても、実施の形態1の固定子1と同様、反りが小さく、平面性が優れており、多数の永久磁石3が搭載できる固定子1であり、小形・軽量で、生産性に優れたリニアモータ用固定子が得られる。
【0017】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4におけるリニアモータ用固定子の横断面模式図(a)および上面模式図(b)である。上面模式図(b)には、封止樹脂の一部が取り除かれ、金属板と永久磁石とブロックとが見える状態も示している。
図7に示すように、本実施の形態の固定子1は、実施の形態2で用いたのと同様な第1のブロック4aと第2のブロック4bとを、永久磁石3間の全ての個所に設けるのではなく、永久磁石3間の一部の個所に設けたものであり、これ以外は実施の形態2と同様な固定子1である。図7では、1つ置きの永久磁石間に、第1のブロック4aと第2のブロック4bとを交互に設けているが、本実施の形態では、第1のブロック4aと第2のブロック4bとを設ける個所は特に限定されない。
本実施の形態における固定子1も、金属板2と封止樹脂5との厚さが薄く、金属板2の長手方向の長さが長くても、実施の形態2の固定子1と同様、反りが小さく、平面性が優れており、多数の永久磁石3が搭載できる固定子1であり、小形・軽量で、生産性に優れたリニアモータ用固定子が得られる。
【0018】
実施の形態5.
図8は、この発明の実施の形態5におけるリニアモータの正面断面模式図である。
図8に示すように、本実施の形態のリニアモータ10は、ステージ11と、このステージ11の表面中央に設けられた固定子1と、ステージ11の両側端にステージ11の長手方向に沿ってそれぞれ固定された左右一対のガイドレール12と、この左右一対のガイドレール12の表面に面接されてステージ11の長手方向に沿ってスライドされる左右一対のスライドブロック13と、この左右一対のスライドブロック13の表面に固定される可動子14とから構成されている。そして、可動子14は、スライドブロック13に接合する可動子本体15と、この可動子本体15の上記固定子1と対向する面の中央に、上記固定子1から所定の間隔を隔てて固定されたコイルユニット16とからなる。
【0019】
本実施の形態における固定子1には、実施の形態1ないし4のいずれかのリニアモータ用固定子が用いられる。
本実施の形態のリニアモータは、固定子が実施の形態1ないし4のいずれかのリニアモータ用固定子であるので、固定子1を構成する金属板2と封止樹脂5との厚さが薄くできるとともに、固定子1は反りやうねりが小さく平面性が優れているので、薄肉、長尺のリニアモータが実現できる。
【0020】
【実施例】
次に、実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明する。
【0021】
実施例1.
リニアモータ用固定子1を構成する部材には、金属板2としてS45C鋼板を、永久磁石3として、ネオジ磁石{NEOMAX−44H:住友特殊金属(株)製}を、ブロック4として、ガラス強化エポキシ樹脂積層体{MEL−E−679:日立化成工業(株)製}を、封止樹脂5として、エポキシモールド樹脂{V−558:菱電化成(株)製}を用いる。表1に金属板2と永久磁石3とブロック4との寸法を示す。
【0022】
【表1】
【0023】
リニアモータ用固定子1は以下のようにして作製される。42個の永久磁石3を、金属板2の幅方向と平行にし、4mmの間隔を設けて、金属板2に固定する。この時、両端にある永久磁石3は、金属板2の長手方向の各端部から2mmの位置に設けられている。次に、41個の隣接永久磁石間の全てに、ブロック4を永久磁石3と平行にして、金属板2に固定する。この時、ブロック4として用いたガラス強化エポキシ樹脂積層体は、図2に示すように積層面がブロック4の幅方向、すなわち永久磁石3と対向する方向(X方向)に向くように金属板2に固定される。永久磁石3およびブロック4の金属板2への固定は、接着剤を用い接着により行う。
次に、永久磁石3とブロック4とを設けた金属板2を、この金属板2の周囲を囲う金型内に入れ、この金型内に、永久磁石3の上面から0.5mmの高さまで封止樹脂5である上記エポキシモールド樹脂を注入し、120℃で所定時間加熱して、上記エポキシモールド樹脂を硬化して、リニアモータ用固定子1を得る。
【0024】
得られたリニアモータ用固定子1を20℃で水平な定盤におき、定盤面と金属板2の下面との最大隙間を測定し、リニアモータ用固定子1の平面性を評価した。求められた最大隙間の値を、本実施例に用いた封止樹脂5の縦弾性係数(Er)と線膨張係数(αr)、および、ブロック4のX方向の縦弾性係数(EX)と線膨張係数(αX)とともに表2に示した。
【0025】
実施例2〜3.
ブロック4として、亜鉛(実施例2)またはアルミニウム(実施例3)を用いた以外、実施例1と同様にして、リニアモータ用固定子1を得る。得られたリニアモータ用固定子1の平面性を実施例1と同様にして評価した。求められた最大隙間の値を、本実施例に用いた封止樹脂5の縦弾性係数(Er)と線膨張係数(αr)、および、ブロック4のX方向の縦弾性係数(EX)と線膨張係数(αX)とともに表2に示した。
【0026】
実施例4.
実施例1に用いたブロックに替えて、実施例1と同じ材質のガラス強化エポキシ樹脂積層体であり、図2に示すように、積層面がブロックの幅方向、すなわちX方向に向くように金属板2に固定された第1のブロック4aと、実施例1と同じ材質のガラス強化エポキシ樹脂積層体であり、図4に示すように、積層面がブロックの厚さ方向を向き、X方向と平行となるように金属板2に固定された第2のブロック4bとを、永久磁石3間に交互に設ける以外実施例1と同様にして、リニアモータ用固定子1を得る。得られたリニアモータ用固定子1の平面性を実施例1と同様にして評価した。求められた最大隙間の値と、本実施例で用いた封止樹脂5の縦弾性係数(Er)と線膨張係数(αr)、第1のブロック4aのX方向の縦弾性係数(EX1)と線膨張係数(αX1)、第2のブロック4bのX方向の縦弾性係数(EX2)と線膨張係数(αX2)の各々とを表2に示した。
【0027】
実施例5.
実施例1に用いたブロックに替えて、実施例1と同じ材質のガラス強化エポキシ樹脂積層体であり、図2に示すように、積層面がブロックの幅方向、すなわちX方向に向くように金属板2に固定された第1のブロック4aと、実施例1と同じ材質のガラス強化エポキシ樹脂積層体であり、図5に示すように、積層面がブロックの長さ方向を向き、X方向と平行となるように金属板2に固定された第2のブロック4bとを、永久磁石3間に交互に設ける以外実施例1と同様にして、リニアモータ用固定子1を得る。得られたリニアモータ用固定子1の平面性を実施例1と同様にして評価した。求められた最大隙間の値と、本実施例で用いた封止樹脂5の縦弾性係数(Er)と線膨張係数(αr)、第1のブロック4aのX方向の縦弾性係数(EX1)と線膨張係数(αX1)、第2のブロック4bのX方向の縦弾性係数(EX2)と線膨張係数(αX2)の各々とを表2に示した。
【0028】
実施例6.
実施例1で用いたブロック4を、図6に示すように、1つ置きの永久磁石間に設けた以外実施例1と同様にして、リニアモータ用固定子1を得る。得られたリニアモータ用固定子1の平面性を実施例1と同様にして評価した。求められた最大隙間の値を、本実施例で用いた封止樹脂5の縦弾性係数(Er)と線膨張係数(αr)、および、ブロック4のX方向の縦弾性係数(EX)と線膨張係数(αX)とともに表2に示した。
【0029】
実施例7.
実施例4で用いた第1のブロック4aと第2のブロック4bとを、図7に示すように、1つ置きの永久磁石間に交互に設けた以外実施例4と同様にして、リニアモータ用固定子1を得る。得られたリニアモータ用固定子1の平面性を実施例1と同様にして評価した。求められた最大隙間の値と、本実施例で用いた封止樹脂5の縦弾性係数(Er)と線膨張係数(αr)、第1のブロック4aのX方向の縦弾性係数(EX1)と線膨張係数(αX1)、第2のブロック4bのX方向の縦弾性係数(EX2)と線膨張係数(αX2)の各々とを表2に示した。
【0030】
比較例1.
永久磁石間にブロックを設けなかった以外、実施例1と同様にして、リニアモータ用固定子1を得る。得られたリニアモータ用固定子1の平面性を実施例1と同様にして評価した。求められた最大隙間の値と本実施例に用いた封止樹脂5の縦弾性係数(Er)と線膨張係数(αr)とを表2に示した。
【0031】
表2の実施例に示すように、永久磁石に対向する方向での縦弾性係数と線膨張係数とが上記のような特性であるブロックを永久磁石間に設けた、上記構成のリニアモータ用固定子は、表2に示す最大隙間の値が小さく、金属板および封止樹脂の厚さが薄く、薄肉で長さが長くても、反りやうねりが小さく平面性に優れたリニアモータ用固定子を得ることができる。これらのリニアモータ用固定子を用いると、薄肉で長尺のリニアモータが実現できる。
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
この発明のリニアモータ用固定子は、金属板と、この金属板の同じ表面に、間隔をあけて、且つ交互に磁極が異なるようにして平行に並べられ、固定された複数の永久磁石と、この永久磁石間に並設されたブロックと、上記金属板表面に設けられ且つ上記永久磁石と上記ブロックとを封止する樹脂とを備えたリニアモータ用固定子であって、上記ブロックが、上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での縦弾性係数が上記封止樹脂硬化物の縦弾性係数より大きく、且つ上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での線膨張係数が上記封止樹脂硬化物の線膨張係数より大きいものであり、金属板および封止樹脂の厚さが薄く薄肉であるとともに、長さが長くても、反りやうねりが小さく平面性に優れたリニアモータ用固定子を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1におけるリニアモータ用固定子の横断面模式図(a)および上面模式図(b)である。
【図2】この発明の実施の形態1におけるリニアモータ用固定子のブロックとして、繊維強化樹脂積層体を用いた状態を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態2におけるリニアモータ用固定子の横断面模式図(a)および上面模式図(b)である。
【図4】この発明の実施の形態2におけるリニアモータ用固定子の第2のブロックとして、繊維強化樹脂積層体を積層面がX方向と金属板とに平行となるようにして用いた状態を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態2におけるリニアモータ用固定子の第2のブロックとして、繊維強化樹脂積層体を積層面がX方向と平行で金属板に垂直となるようにして用いた状態を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態3におけるリニアモータ用固定子の横断面模式図(a)および上面模式図(b)である。
【図7】この発明の実施の形態4におけるリニアモータ用固定子の横断面模式図(a)および上面模式図(b)である。
【図8】この発明の実施の形態5におけるリニアモータの正面断面模式図である。
【符号の説明】
1 リニアモータ用固定子、2 金属板、3 永久磁石、4 ブロック、4a第1のブロック、4b 第2のブロック、5 封止樹脂、10 リニアモータ、11 ステージ、12 ガイドレール、13 スライドブロック、14 可動子、15 可動子本体、16 コイルユニット。
Claims (4)
- 金属板と、この金属板の同じ表面に、間隔をあけて、且つ交互に磁極が異なるようにして平行に並べられ、固定された複数の永久磁石と、この永久磁石間に並設されたブロックと、上記金属板表面に設けられ且つ上記永久磁石と上記ブロックとを封止する樹脂とを備えたリニアモータ用固定子であって、上記ブロックが、上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での縦弾性係数が上記封止樹脂硬化物の縦弾性係数より大きく、且つ上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での線膨張係数が上記封止樹脂硬化物の線膨張係数より大きいものであるリニアモータ用固定子。
- 金属板と、この金属板の同じ表面に、間隔をあけて、且つ交互に磁極が異なるようにして平行に並べられ、固定された複数の永久磁石と、この永久磁石間に並設されたブロックと、上記金属板表面に設けられ且つ上記永久磁石と上記ブロックとを封止する樹脂とを備えたリニアモータ用固定子であって、上記ブロックが、上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での縦弾性係数が上記封止樹脂硬化物の縦弾性係数より大きく、且つ上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での線膨張係数が上記封止樹脂硬化物の線膨張係数より大きい第1のブロックと、上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での縦弾性係数が上記封止樹脂硬化物の縦弾性係数より大きく、且つ上記ブロックの上記永久磁石に対向する方向での線膨張係数が上記封止樹脂硬化物の線膨張係数より小さい第2のブロックとからなるリニアモータ用固定子。
- 隣接する永久磁石間の少なくとも1箇所が、封止樹脂のみが充填された部分であることを特徴とする請求項1または2に記載のリニアモータ用固定子。
- ステージと、このステージに載置された請求項1ないし3のいずれかに記載のリニアモータ用固定子と、上記リニアモータ用固定子に対向し、上記ステージの長手方向に往復移動自在に配設された可動子とからなるリニアモータ。
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