JP2005038020A - 指紋認証装置、計算機システム、およびネットワークシステム - Google Patents

指紋認証装置、計算機システム、およびネットワークシステム Download PDF

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剛 一色
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友彦 大塚
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Abstract

【課題】本発明は、小容量の媒体に登録指紋データを搭載することができ、応用範囲、使用条件の改善ができる指紋認証装置、計算機システム、およびネットワークシステムを提供することを目的とする。
【解決手段】指紋照合装置1は、指紋の隆線の端点および分岐点の特異点の位置情報とそれら特異点を起点とする特異点隆線形状情報を併せて100バイト以下の登録指紋データで、本人拒否率、他人受入率が商用の許容範囲の値をもつ。計算機システムまたはネットワークシステムは、計算機と指紋照合装置1とを組み合わせて、計算機単独またはネットワークを介して動作するソフトウエアの保護、使用制限、課金のために指紋認証を行う指紋認証付き計算機システムまたは指紋認証付きネットワークシステムである。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、指紋認証装置、計算機システム、およびネットワークシステムに関する。
具体的には、犯罪捜査から鍵やカードに代わる施錠装置、切符や定期券に代わる検札、クレジットカードや暗唱番号及び印鑑に代わるキャッシュレス信用取引、電話の声で本人を確認していた株式売買等の資産管理運用にも代わる電子商取引、医療カルテ又は社会福祉又はサービス業又は行政その他の履歴データ例えば戸籍謄本の検索、バッジ及び顔を目視することによる識別に頼っていた専任の守衛業務にまで応用できる指紋認証装置、計算機システム、およびネットワークシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の指紋認証システム等で応用されていた指紋照合装置では、登録指紋データのデータ量が100バイト以下で、本人拒否率、他人受入率が商用の許容範囲の値をもつ指紋照合装置は存在しなかった。そのため、単独の指紋照合や、単独またはネットワークを介して動作する計算機とともに利用する場合、大きなデータ領域を確保する必要があり、応用範囲、使用条件に制限があった。
【0003】
一方、情報処理能力に制約のある曲線識別システムにおいて、曲線の画像情報を局所的かつ断片的に認識処理し、当該曲線が回転及び移動した場合にも、特定可能であり、ノイズにも強い曲線識別システムが報告されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
【特許文献1】
特開2002−190031
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この曲線識別システムにおいては、小容量の媒体に登録指紋データを搭載することができるか、また応用範囲・使用条件の改善ができるかなどの検討がなされていない。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、小容量の媒体に登録指紋データを搭載することができ、応用範囲、使用条件の改善ができる指紋認証装置、計算機システム、およびネットワークシステムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の指紋認証装置は、指紋の隆線の端点および分岐点の特異点の位置情報とそれら特異点を起点とする特異点隆線形状情報を併せて100バイト以下の登録指紋データで、本人拒否率、他人受入率が商用の許容範囲の値をもつものである。
【0008】
上述の指紋照合装置は、指紋の隆線の端点および分岐点の特異点の登録において、複数の入力画像をリアルタイムで入力し、共通して抽出された良質特異点のみを、登録データとすることができる。
【0009】
上述の指紋照合装置は、入力指紋画像から特異点を抽出したデータと登録データとの間の対応する特異点を比較する際、類似度合いに応じて点数を加算するが、重要な要素が異なる場合は逆に点数を減算し、また、異常に特異点の数が多い場合は入力指紋画像の画質が悪いとして点数を減算する点数計算手段をもつことができる。
【0010】
上述の指紋照合装置は、入力指紋画像から特異点を抽出したデータと登録データとの間の対応する特異点を比較する際、入力指紋データと自分自身とから計算される入力指紋類似度満点と登録データと自分自身とから計算される登録データ類似度満点によって、入力指紋と登録指紋の類似度点数を規格化して最終的な規格化された類似度点数を計算する計算手段をもつことができる。
【0011】
上述の指紋照合装置は、登録時に、登録指紋データをバーコードに記憶し、照合時にバーコード読み取り装置を用いて登録指紋データを入力し、併せて入力指紋との指紋照合を行うことができる。
【0012】
上述の指紋照合装置は、登録指紋データを無線タグに搭載し、照合時にその無線通信を利用して登録指紋データを入力し、併せて入力指紋との指紋照合を行うことができる。
【0013】
上述の指紋照合装置は、登録指紋データを磁気カードに搭載し、照合時に磁気カード読み取り装置を利用して登録指紋データを入力し、併せて入力指紋との指紋照合を行うことができる。
【0014】
上述の指紋照合装置は、登録指紋データや日時等の他のデータから生成される暗号鍵を用いてファイル等の秘密データを暗号化し、指紋照合したときにのみ登録指紋データと日時等の他のデータから再び同じ暗号鍵を生成して、秘密データを復号化することができる。
【0015】
上述の指紋照合装置は、登録指紋データと付加情報に発行機関の電子署名を加えて発行された電子登録指紋証明書を利用して登録指紋データの真正性の確認と指紋照合を行う機能を備えることができる。
【0016】
上述の指紋照合装置は、パスワードで認証するソフトウエアシステムに付加する装置として、キー入力によるパスワード入力の代わりに登録指紋データ等から発生させるパスワードを入力することができる。
【0017】
上述の指紋認証装置は、計算機と指紋照合装置とを組み合わせて、計算機の使用許可を得る指紋認証付き計算機システムにおいて、指紋照合装置の取り付けにより自動的に計算機利用許可のためのソフトウエアが起動し、指紋照合装置の取り外しにより、自動的に計算機にロックをかけるものである。
【0018】
本発明の計算機システムまたはネットワークシステムは、計算機と、上述の何れか指紋照合装置とを組み合わせて、計算機単独またはネットワークを介して動作するソフトウエアの保護、使用制限、課金のために指紋認証を行う指紋認証付き計算機システムまたは指紋認証付きネットワークシステムである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、指紋認証装置、計算機システム、およびネットワークシステムにかかる発明の実施の形態について説明する。
【0020】
図1は、本発明の実施の一形態を示す、特異点隆線形状の数値化の説明図である。
【0021】
本実施の形態では、指紋の隆線の端点または分岐点の特異点の位置情報とそれら特異点を起点とする特異点隆線形状情報として、起点から始めてサンプル点と次のサンプル点の直線距離を一定にするサンプルを行い、隆線形状を同一長さの線分で近似する。
【0022】
図1において、隆線の端点または分岐点である特異点をM0とする。この特異点M0から隆線に沿って決められた距離D毎にサンプルした隆線上のサンプル点をM1, M2, M3, M4とする。距離Dは、250〜350μmの範囲内にあることが好ましい。距離Dが250μm以上であると、特異点と4点のサンプル点を結ぶ線分近似で十分に隆線形状を表すことが可能であるという利点がある。距離Dが350μm以下であると、入力指紋画像が現実的な範囲での移動や回転や歪に対しても、特異点と4点のサンプル点が指紋画像の外に出ないという利点がある。
【0023】
特異点隆線形状は、サンプル点が合計で4点あれば十分である。その理由は、特異点と4点のサンプル点を選ぶと、特異点と一番遠く離れたサンプル点の直線距離が1mm程度となり、隆線形状を他と区別するための十分の長さとなるからである。
【0024】
第一線分の角度を、第一線分と水平方向との間のなす角度と定義する。入力画像は、登録画像と比較して、水平にシフトし、しかも、ある中心点を軸に全体が回転すると考えられる。各特異点に対応する第一線分の角度も、全体的に回転し、角度はある回転角だけ増減すると考えられる。実際のシフト量、回転量を求めるには、各シフト量と各回転量に対して類似度点数を計算し、その値を最大にするシフト量と回転量を入力指紋画像のシフト量と回転量としている。
【0025】
第二乃至四線分の角度増加分を、各線分の水平方向との間のなす角度から、起点に近い側の隣接線分と水平方向との間のなす角度を引いた角度と定義する。
【0026】
これらを用ると、線分群を特定するのに、第一線分の角度、第二線分の角度増加分、第三線分の角度増加分、というような情報を用いると極めて少ないデータ量で線分群、ひいては隆線形状を表すことが可能となる。
【0027】
一つの特異点の情報を表すのに必要なデータ量について説明する。
特異点M0が端点か分岐点かの種類情報に1ビットを必要とする。特異点M0の位置情報に5ビットおよび6ビットを必要とする。標準的な面型のエリアセンサのピクセルサイズは、横224ピクセルx縦278ピクセルであり、新たなビットサイズとしては8ビットx9ビットで表すことができる。しかし、センサ位置については縦横とも8ピクセル程度の精度にしか採れないことがわかっている。したがって、縦横とも3ビットの細かな精度を確保できないため、横縦とも5ビット及び6ビット精度で十分である。
【0028】
隆線近似線分の角度は、32段階つまり5ビットで表す。標準的な近似線分の曲率半径を80ピクセルとするとき、誤差範囲を±8ピクセルを与える角度を求めると、ほぼπ/16が得られる。これより、360度の32分の1が誤差角度となる。したがって、32段階つまり5ビットで表せば、誤差範囲内の精度で角度を表すことになる。
【0029】
第二線分の角度増加分も4ビット内、第三線分の角度増加分も4ビット内、第四線分の角度増加分も4ビット内で表すことができる。
【0030】
この結果、特異点の位置情報、隆線形状を用いると、29ビットつまり4バイト程度のデータ量で、それぞれの特異点の情報を表すことができる。
【0031】
通常、一つの指紋認証には、指紋の特異点の数が20以上あれば十分であることが公知であるから、全体の指紋データとしても(4バイト/特異点)×20特異点=80バイト程度のデータ量で表すことができる。特異点を利用した指紋照合については、古くから犯罪関係に利用されており、裁判でも証拠能力のあるデータとして取り扱われている。その場合の有効指紋として1指に含まれている特異点の数が、12以上あることが必要条件になっている。現在の小型機器を用いた指紋照合システムでも、特異点の数の平均値は20であることが実験的に得られている。
【0032】
特異点位置だけでなく、隆線形状が他人と指紋を区別できる決定的なものであることが、実験的に判明している。実験方法としては、NIST(米国技術標準化機関)の約400指を対象として、それぞれのデータが10種類からなる総計約4000個の指紋画像データを利用する。10種類の同一指紋画像データの中の任意の一つを登録指紋画像データとし、残りを入力指紋画像データとする。特異点隆線形状アルゴリズムにしたがって、登録指紋画像データから特徴点を抽出する。入力指紋画像データから特異点隆線形状アルゴリズムにしたがって特徴点を抽出し、すべての登録指紋画像の特徴点と照合を行い、類似度の点を保存する。この操作をすべての入力指紋画像データに対して繰り返し行う。
その結果は、表1に示すとおりである。他人受入率(FAR)が0.001%、本人拒否率0.1%という他人と指紋を区別できる決定的なものであることが、判明している。
【0033】
【表1】
Figure 2005038020
【0034】
したがって、100バイト以下の小さい登録指紋データで、本人拒否率、他人受入率が商用の許容範囲の値をもつ指紋照合装置が実現できる。
【0035】
本実施の形態は、特異点の位置だけでなく、隆線の形状情報をいかに有効に使うかが一つのポイントである。隆線形状は位置情報と異なり、より多くの情報量を含んでいるからである。この隆線形状を2次元ベクトルで表すのではデータ量の増加を招き好ましくない。ここでは隆線を長さ一定の線分近似をすることにより、曲線を少ないデータ量で表すことに成功している。それと同時に、隆線を特異点を起点とする特定の特異点隆線に選ぶことにより、特異点の位置すなわち線分近似の起点位置と各線分の角度というスカラーで表すことになっている。さらに、第二番目以降の線分については角度の代わりに、隣接線分との角度差を採用することにより、更なるデータ量の圧縮を行っている。各線分の角度は32通りあるため5ビット必要であるが、これらの各線分の角度は、それらの線分が同一の隆線形状を表すものであるならば、それぞれ独立な値をとるものではなく、お互い相関性をもっている。この相関性を利用すると、隣接線分との角度差は、角度に比べてその分布範囲が小さくなる。実際、角度差は4ビットあれば十分であるので、データ量の圧縮ができるのである。
【0036】
本実施の形態によれば、従来の指紋システムと異なり、極めて小さなメモリ領域でも登録指紋データを格納できるため、従来の応用システムのスリム化、高速化が可能である。また、従来の指紋照合システムで不可能と思われた新たな領域での指紋照合応用が可能である。
【0037】
図2は、本発明の実施の一形態を示す、登録指紋画像の説明図である。
【0038】
実時間(リアルタイム)で指紋の登録や照合を行う指紋照合システムでは、指紋の高い隆線部分と低い谷線の画像をディジタルデータとしてシステムに入力する指紋センサが用いられる。指紋センサは指表面の凹凸である隆線や谷線の情報を光や圧力や電荷などの情報として検知し、その情報をディジタル化して出力する入力装置である。
【0039】
この入力装置は人間と機械とのインタフェースを行うものであり、センサが指紋データを読み取る時間の間、指をセンサの上で動かないよう試みたとしても、連続した指紋画像から同一の指紋特異点を抽出することは非常にむずかしい。指紋画像にわずかな雑音が追加されたり、指自身が微妙に変動する。指紋画像の汚れ、歪み、指の微妙な揺れなどの多くの理由で、指紋データが変動してしまい、どれをもって個人の指紋データとしたら良いのか判定が難しい。このような実際の状況で、正しく指紋画像を入力できると指紋照合システム全体の性能に大きく影響する。
【0040】
本実施の形態では連続して入力される指紋画像毎に特異点を抽出してみると、指紋画像毎に特異点が新たに現れたり、消滅することを前提にした。そこで実時間で指紋センサが指紋画像を複数枚連続して入力し、各画像毎に指紋データを抽出する。連続した3つの指紋画像に共通に現れる特異点および特異点隆線形状を良質特異点情報と定義する。
【0041】
各指紋画像について特異点を抽出し、各特異点について出現回数を計算する。現在、J番目の指紋画像から特異点を抽出することを考え、それまでに得られた特異点にはそれぞれ出現回数が記されていると仮定する。
J番目の指紋画像から特異点を抽出し、次に、(J−1)番の指紋画像まで抽出した特異点との間で同一性の判定を行う。その結果に基づき、J番目の指紋画像から抽出された特異点の出現回数を1増加させる。今回初めて出現した特異点の出現回数を1にする。また、前回までの特異点で今回出現しなかった特異点は除去する。出現回数が3以上の特異点を良質特異点とする。
表2には第1から第5指紋画像までで良質特異点が得られる様子を示している。5枚の指紋画像のあと、連続出現回数3回以上の(1),(2),(4),(5)の4つの特異点が良質特異点として抽出される。
【0042】
【表2】
Figure 2005038020
【0043】
特異点隆線形状の中で、隆線上のサンプル点が指紋画像の枠外になることがあり、その場合に限り、サンプル点が少ない特異点隆線形状もできる。これらの特異点隆線形状はサンプル点の範囲内での照合を行う。
【0044】
この良質特異点の個数によって入力指紋画像が正常かどうかを判定できることが実験より明らかになった。実際のセンサの上に指を置き、連続して入力指紋画像を取り込み、良質特異点の数が12以上になるところで指紋入力を停止する実験を、160の指について実施した。その結果、以下のような良質特異点の数と指の種類数との統計が得られた。
【0045】
【表3】
Figure 2005038020
【0046】
この結果と実際の指紋画像品質を十分に比較検討した結果、良質特異点の数があまりにも大きい場合(50以上)は、傷等の模様により十分の良質な指紋画像が得られていないことが判定できることがあきらかになった。
【0047】
この良質特異点情報の数がある一定値を超える場合に、指紋データの登録を行う。良質特異点の数の最小値は12に設定しており、これ以下の良質特異点である場合は、画像処理や何らかの理由で特徴点抽出が正しく機能していないことが判定できる。
【0048】
この方法を指紋登録操作に利用することにより、良好な画質の指紋画像から指紋登録データを作成できる。このようにすると、登録データとして良質でない特異点情報が登録されないため、指紋照合率を格段に向上させることが可能である。
【0049】
図2に3枚のKフレーム、K+1フレーム、K+2フレームの特異点の様子を示す。黒で示した特異点はいずれも他のフレームデータに現れない。したがって、登録指紋画像としては3フレームに共通に現れた良質特異点とその隆線形状を記憶している。
【0050】
本実施の形態によれば、従来の3回程度指紋画像を入力してその中から登録画像を決定して登録指紋データを生成する方法と比較して、見かけ上一回の操作でしかも複数の指紋画像データの中から登録画像として適当なものを選んだのと同じ効果が得られる。ユーザー側から見ると指紋登録が簡単なものになる効果がある。
【0051】
図3は、本発明の実施の一形態を示す、指紋照合の相違度も含めた類似度関数の説明図である。
【0052】
通常、指紋登録データと入力した指紋画像から抽出された指紋データと照合するとき、各特異点毎に類似度を計算し、すべての特異点についてこの類似度を加算した総合的な類似度の大小によって、照合が正しいか正しくないかを判定することが行われる。指紋登録データの各特異点が、入力指紋データのどの特異点と対応するかを特定して類似度計算を行うことが従来行われている。このため、この対応関係を特定するのに多大の計算時間がかかるという欠点があった。
【0053】
本実施の形態においては、特異点の対応関係を特定しないで類似度計算を行い、それに加えて重要な要素の値が異なる場合は逆に点数を減算する。
【0054】
対応関係を特定しないで類似度計算を行う方法として、指紋登録データと入力指紋データの特異点の任意の組み合わせについて、類似度合いに応じて点数を加算する類似度計算を行うが、特異点隆線形状の最初のベクトル方向が異なる組み合わせについては類似度計算の際、点数を減算することにより、自動的に特異点の対応関係を特定したのと同じ効果をもった類似度計算ができる。
【0055】
特異点の位置、第一線分の角度、第二乃至第四線分の角度について、それぞれ登録指紋と入力指紋の差が大きいほど減点法で類似度は小さくなる。また、それらの重みに差をつけるため、重み係数を異なるものにしている。したがって、
Figure 2005038020
を用いている。
【0056】
さらに、異常に特異点の数が多い場合は入力指紋画像の画質が悪いとして点数を減算する。点数を減算して0点にする。入力指紋画質が大幅に劣化した場合は、見かけ上特異点の数が異状に多くなることが判明している。その場合は点数を減算することにより、強制的に照合結果を正しくないと出力させる。
【0057】
本実施の形態によれば、類似点だけの比較による加点だけでなく、相違点の比較によるマイナス点も考慮することにより、より正確に指紋照合の判定が行える。このような加算・減算ルールを導入すると、指紋照合率が格段に向上する。その結果として他人受け入れ率や本人拒否率を向上させることができる。
【0058】
図4は、本発明の実施の一形態を示す、指紋照合の規格化類似度関数の説明図である。
【0059】
入力指紋画像から特異点を抽出したデータと登録データとの間の対応する特異点を比較する際、入力指紋画像から抽出されたデータに含まれる特異点の数は大きく変動する。同様に、登録時の入力指紋画像から抽出されたデータに含まれる特異点の数は大きく変動する。
【0060】
そこで、入力指紋画像から特異点を抽出したデータと登録データとの間の対応する特異点を比較する際、入力指紋データと自分自身とから計算される入力指紋類似度満点と登録データと自分自身とから計算される登録データ類似度満点によって、入力指紋と登録指紋の類似度点数を規格化して最終的な規格化された類似度点数を計算する。これにより指紋照合率が格段に向上できる。
【0061】
具体的な計算方法を、図4を用いて説明する。
まず図4Aに示すように、類似度関数を用いて登録指紋画像の類似度満点を計算する。二つの指紋画像の類似度点数を計算する類似度計算式を用い、登録時に登録データを2つの入力画像とする登録データ類似度を計算することにより、特異点の点数に応じた登録データ類似度満点が計算できる。この満点データを登録指紋データ毎にメモリに格納する。
【0062】
つぎに、図4Bに示すように、照合持には類似度関数を用いて入力指紋画像の類似度満点を計算する。すなわち、入力指紋画像から特異点を抽出したデータから同様に、入力指紋類似度満点を計算する。
【0063】
つぎに、図4Cに示すように、類似度関数を用いて登録と入力指紋画像間の類似度を計算する。すなわち、入力指紋データと各登録データとの間の類似度点数を計算する。
【0064】
最後に、登録、入力指紋画像満点で規格化する。すなわち、入力指紋と登録データの類似度満点で除して規格化を行う。規格化は次式により行う。類似度点数=(入力指紋と登録指紋の類似度点数)/(入力指紋類似度満点×登録データ類似度満点)
【0065】
これによって入力および登録データの特異点の点数の違いによる類似度点数の比較を公平に行える。すなわち、ある固定の定数値または閾値として、この類似度点数が閾値より大きければ照合、小さければ不照合との判定を行う。
【0066】
本実施の形態によれば、登録時、照合時の繰り返しに対して安定して照合特性の精度を確保することが可能となる。登録時の指紋画像データに含まれる特異点隆線形状の個数が同一人物でも指紋画像位置、画質によって異なる。同様に照合時の指紋画像データに含まれる特異点隆線形状の個数が同一人物でも指紋画像位置、画質によって異なる。登録時と照合時の特異点の比較を行い、その類似度点数がある閾値に到達するか否かで照合判定を行っているので、特異点の数の増減により類似度点数が絶対的に変動してしまう。これらはこの発明で述べる登録データ類似度満点と入力データ類似度満点を使った規格化によって解決されている。したがって、どのような登録、入力指紋画像に対しても同じ判定が適用でき、正しい照合判定が行える。
【0067】
図5は、本発明の実施の一形態を示す、登録指紋バーコードを利用した指紋照合装置の説明図である。
【0068】
この指紋照合装置は、登録時に、登録指紋データをバーコードに記憶し、照合時にバーコード読み取り装置を用いて登録指紋データを入力し、併せて入力指紋との指紋照合を行う。
【0069】
パスポートや免許証や身分証明書などにバーコードの形で印刷しておけば、指紋とバーコードデータとの照合により個人認証が可能となる。また、飛行機の搭乗券の印刷発行の際に指紋データをバーコードの形で印刷し、搭乗口で指紋照合による個人認証がバーコードの印刷という安価な手段で可能になる。
【0070】
本実施の形態は、100バイト以下という登録指紋データ量の小さいことに依存している。従来の登録指紋データ量は300〜400バイトが普通であるため、1次元バーコードに登録指紋データを記憶できず、2次元バーコードを用いる方法しかなかった。1次元と2次元のバーコードシステムは、データを読み、書きする装置の値段、およびその性能が格段に異なる。
【0071】
本実施の形態によれば、登録指紋データを紙に印刷するという最も安価なデータ保持方法を提供できる。切符、入場券、搭乗券、パスポートなどの印刷物に印刷するだけで個人認証が行える。認証時には、バーコードリーダーによるデータ読み取りと指紋入力による照合操作が必要となる。2次元バーコードの場合は1Kバイト以上のデータが容易に表現できるが、一次元バーコードの場合は通常の読み取り器で30〜40文字程度が一般的である。登録指紋データはバイナリーデータであるため、キャラクタデータへの変換が必要であるが、64バイトの登録指紋データであれば、3行程度の1次元バーコードで表現可能である。応用領域により異なるが、一次元バーコードのリーダー/ライターは2次元のものと比較して、安価で高性能であるため一次元バーコードへの利用は重要である。
【0072】
図6は、本発明の実施の一形態を示す、登録指紋無線タグを利用した指紋照合装置の説明図である。
【0073】
この指紋照合装置は、登録指紋データを無線タグに搭載し、照合時にその無線通信を利用して登録指紋データを入力し、併せて入力指紋との指紋照合を行う。
【0074】
本実施の形態は、100バイト以下という登録指紋データ量の小さいことに依存している。自分自身の電源をもたない受動型無線タグでは、従来データ識別のためのユーザーID程度のデータを記憶し、指紋データは別の媒体に記憶するのが通常であった。
【0075】
本実施の形態は、100バイト以下のデータ容量の無線タグに登録指紋データを搭載すると、携帯することにより指紋照合による入退室制御や自動車キーなどの個人認証に利用できる。
【0076】
本実施の形態によれば、極めて小容量の無線タグに登録指紋データを格納することになり、無線タグに個人データ等を格納して照合を行う応用領域に、安価に指紋による個人認証を導入できる。
【0077】
図7は、本発明の実施の一形態を示す、登録指紋磁気カードを利用した指紋照合装置の説明図である。
【0078】
この指紋照合装置は、登録指紋データを磁気カードに搭載し、照合時に磁気カード読み取り装置を利用して登録指紋データを入力し、併せて入力指紋との指紋照合を行う。
【0079】
本実施の形態は、100バイト以下という登録指紋データ量の小さいことに依存している。100バイト以下のデータを磁気カードに搭載することによって、銀行のATMやクレジットカードに登録指紋データを搭載し、銀行業務やクレジット業務のセキュリティ水準を個人認証を含めるところまで発展できる。
【0080】
本実施の形態によれば、磁気カードなどの小容量データ記憶媒体に登録指紋データを搭載して、個人認証を可能にする。
【0081】
図8は、本発明の実施の一形態を示す、指紋暗号鍵を利用したファイルの暗号化の説明図である。
【0082】
PC上のファイルの暗号化はファイルの内容に関するセキュリティを確保するための一手段である。このとき暗号のための暗号鍵をどのようにどこに保存するかが問題となる。安全性を高めるためにはある程度のデータのビット数が必要であるため、ユーザーが記憶したり、記載しておくのは現実的ではない。
【0083】
本実施の形態の指紋認証装置は、登録指紋データや日時等の他のデータから生成される暗号鍵を用いてファイル等の秘密データを暗号化し、指紋照合したときにのみ登録指紋データと日時等の他のデータから再び同じ暗号鍵を生成して、秘密データを復号化する。
【0084】
図8の登録時に示すように、暗号鍵を、登録指紋データと暗号化したときの年月日などの情報を利用して決められた規則で発生させる。ファイル等の暗号化の秘密鍵として利用する。
【0085】
図8の照合持に示すように、暗号鍵を、登録指紋データと暗号化したときの年月日などの情報を利用して決められた規則で発生させる。ファイル等の復号化の秘密鍵として利用する。
【0086】
本実施の形態によれば、秘密に保持することが要求される暗号化のための暗号鍵を、登録指紋データや日時等の他のデータから生成することにより、各個人特有の暗号鍵を生成できる。暗号鍵の保存の必要がなく、しかもいつも同じ値にならない。暗号鍵を記憶する必要性を除去するものである。
【0087】
それに代わって登録指紋データの記憶が必要となるが、指紋照合と組み合わせることにより、本人のみ暗号鍵を生成することを可能にする
【0088】
また、登録指紋データはそのサイズが100バイト程度の小規模データ量であれば、指紋画像を入力する装置に記憶させることは簡単である。
【0089】
また、暗号鍵の生成にファイルの年月日を利用すると、ファイル毎に暗号鍵を異なる一時的な暗号鍵にすることができる。
【0090】
ファイルの暗号年月日等は通常のファイル管理システムで保存されているプロパティの一つであるので、復号化の際に参照することが可能である。
【0091】
このようなシステムでは常に暗号鍵を生成するため、極めてセキュリティレベルの高いシステムが指紋照合装置との組み合わせで簡単にできる。この暗号鍵を用いて秘密データを暗号化し、指紋照合したときにのみ登録指紋データと日時等の他のデータから再び同じ暗号鍵を生成して、秘密データを復号化することにより極めて高いセキュリティが確保できる。
【0092】
図9は、本発明の実施の一形態を示す、電子登録指紋証明書付登録指紋データを利用した指紋照合装置の説明図である。
【0093】
この指紋認証装置は、登録指紋データのデータ量が少ないことを利用して、登録指紋データと付加情報に発行機関の電子署名を加えて発行された電子登録指紋証明書を利用して登録指紋データの真正性の確認と指紋照合を行う機能を備えている。付加情報とは、アカウント名、パスワードや、その他重要個人データのことを指している。 )
【0094】
本実施の形態では、指紋データを登録する登録機関が、指紋登録データに電子署名し、両者を一組としたデータを電子登録証明書付登録指紋データとする。ここでは簡単に証明付登録データと呼ぶ。
【0095】
電子署名は、100バイト程度の指紋登録データからハッシュ関数を用いて例えば128ビットのデータを生成する。更に、このデータに登録機関の公開鍵方式における秘密鍵で暗号化したデータを電子署名として利用する。
【0096】
登録機関の公開鍵は一般に公開される。この証明付登録データは、電子署名を公開鍵で復号化したデータと、指紋登録データから公開されているハッシュ関数を用いて生成されるデータとが一致するときのみ、真正な登録指紋データと判定できる。
【0097】
例えば、会社組織で社員全員の証明付登録データを入社時に人事課で生成したとする。各種の指紋照合システムを各会社部門で個別に利用する場合、その度に指紋登録を繰り返し行うのは無駄が多い。一度会社全体で証明付登録データを社員全体で生成しておけば、部門ごとの要求に対して、人事課が保管する証明付登録データを各部門に提供することにより、新たに指紋登録を行う必要なしに、各部門の指紋照合を利用した各種システムが可能となる。
【0098】
ネットワークを利用した例では、公安委員会等の公の認証機関が発行する証明付登録データは、ネットワークシステムのユーザー認証に利用する場合、特別な指紋認証サーバーを構築せずに、ネットワーク端末に接続された指紋認証装置内に、証明付登録データを保管し、指紋認証装置で指紋認証を行い、その結果をサーバーに伝達するシステムが構築できる。
【0099】
公安委員会で発行された免許証上に指紋データがバーコードの形で添付されていれば、バーコードリーダーから電子登録指紋証明書を読み込み、電子署名を用いて登録指紋データの真正性の確認を行った後に、指紋照合を行うことが可能である。
【0100】
本実施の形態によれば、電子登録指紋証明者により指紋データを各種のシステムに依存しない独立したものとして取り扱うことが可能となる。
【0101】
電子署名付の電子証明書では、データの改ざんが出来ないため、極めてセキュリティ・レベルが高いシステムを構築できる。この証明付登録データを改ざんした場合にはこの真正性の判定で検出される。したがって、この証明付登録データが登録機関と異なる場所に移動されたとしても常に真正な登録データかどうかの判定が可能である。
【0102】
電子登録指紋証明書付の指紋登録データをセットで用いることにより、一度公認機関で登録された指紋データを別の用途にも使い回すことを可能にしている。指紋登録には本人の指が押されたことが重要であるが、それを電子証明書で保証している。このことにより、電子登録指紋証明書付の登録指紋データが流通し、応用システム毎に指紋登録を行う手間を省くことが可能になる。
【0103】
図10は、本発明の実施の一形態を示す、指紋パスワードを利用した指紋認証システムの説明図である。
【0104】
通常、パスワードによるユーザー認証が行われているシステムを、指紋照合によるユーザー認証に置き換えた場合、システムの構成を大幅に変更することが要求される。
【0105】
本実施の形態の指紋認証装置は、パスワードで認証するソフトウエアシステムに付加する装置として、キー入力によるパスワード入力の代わりに登録指紋データ等から発生させるパスワードを入力する。
【0106】
図10の登録時に示すように、パスワードを登録指紋データを利用して発生させる。パスワードをシステムに登録する。登録時は指紋登録データを指紋照合装置に格納するとともに、指紋登録データ等に依存するパスワードを発生させ、このパスワードをシステムの認証サーバーに登録する。
【0107】
図10の照合時に示すように、パスワードを登録指紋データを利用して発生させる。パスワードをシステムに送付してユーザー認証を行う。照合時は指紋照合結果が肯定された場合にパスワードを発生させそれを認証サーバーに送付し、正しいパスワードが送付されるので認証サーバーで認証されてシステムの稼動が始める。
【0108】
本実施の形態は、従来のパスワードを利用したユーザー認証をそのまま利用するのであるが、パスワードは本人に登録させるのではなく、指紋登録を行う際に登録指紋データから機械的に発生させ、それをサーバー側に登録する。認証の際は指紋照合を行い、結果が肯定されたときに決められた規則で指紋登録データからパスワードを再発生させ、それをサーバー側に送付することによりサーバーでのユーザー認証を行う。
【0109】
本実施の形態よれば、各種システムの端末装置に指紋認証装置を接続して、ネットワークの利用制限に指紋認証を利用することができる。パスワードによるユーザー認証部分は変更することなしに、指紋認証機能を付加する形で実現できる。
【0110】
このシステムによれば、システム上ではパスワード認証、端末では局所的な指紋認証というシステムで、安価な指紋機能の追加である点、指紋データがシステム上で移動しない点、指紋認証が局所的で高速である点が、指紋認証をシステム上で行う場合と比較して大幅なメリットである。
ネットワーク上では従来のパスワード認証のまま、端末側だけに指紋認証装置を追加して、個人レベルまでのユーザー認証が可能となる。
【0111】
上述した暗号鍵と同様に、パスワードを指紋データから生成することにより、ユーザーがパスワードを記憶する必要性をなくし、しかも、在来のパスワードを用いたユーザー認証に指紋による個人認証機能を付加できる利点をもっている。パスワードは通常のものより長く複雑なものでも問題ないため、セキュリティのレベルを一段と高くすることができる。
【0112】
指紋認証装置の他の例を説明する。計算機と指紋照合装置とを組み合わせて、計算機の使用許可を得る指紋認証付き計算機システムにおいて、指紋照合装置の取り付けにより自動的に計算機利用許可のためのソフトウエアが起動し、指紋照合装置の取り外しにより、自動的に計算機にロックをかける指紋認証装置である。
【0113】
この装置は、USBキーとして市販されているパスワードによるログインの指紋照合付バージョンで、USB指紋キーと呼べるものである。このキーにより、鍵のようにユーザーが持ち運ぶことができ、コンピュータの利用時にキーをUSB端子に挿すのと同時に指紋入力を行って直ちにコンピュータを起動し、コンピュータの利用終了時にキーをUSB端子から引き抜くと、コンピュータには直ちにロックがかかり、ユーザーはキーを持ち帰ることができる。この装置はあたかもドアのキーのようにコンピュータに鍵をかけるイメージになるためユーザーの利便性は極めて良く、しかも指紋照合を利用することによりパスワードを記憶、打鍵する手間も省略できる利便性がある。
【0114】
図11は、本発明の実施の一形態を示す、指紋照合装置を利用したPCシステムおよびネットワークシステムの説明図である。
【0115】
このネットワークシステムは、計算機と、上述した何れかの指紋照合装置とを組み合わせて、計算機単独またはネットワークを介して動作するソフトウエアの保護、使用制限、課金のために指紋認証を行う指紋認証付き計算機システムまたは指紋認証付きネットワークシステムである。
【0116】
図11においては、暗号鍵、パスワードなどの形式で指紋認証結果を、または電子登録証明書付登録指紋データの形式で指紋データを、PCシステムまたはネットワークシステムで利用する。補助装置18は、バーコード、無線タグ、磁気カードなどの記憶媒体に登録指紋データを格納する。
【0117】
上述した指紋照合装置をPCに接続して、PC上で動作するソフトウエアの使用権限、パスワードや暗号鍵などの秘密パラメータの使用権限等を指紋照合装置を用いて個人認証することが可能である。PCのログイン制御、スクリーンセーバー、ログファイルのセキュリティに指紋照合装置を利用した個人認証が利用できる。また、ファイルやフォルダーの暗号化などに必要な暗号鍵の保存場所として指紋照合装置を用い、その利用許可に指紋照合システムを利用することができる。
【0118】
また、ネットワークを介して動作する各種システムの端末装置に指紋認証装置を接続して、ネットワークの利用制限に指紋認証を利用することができる。例えば、ネットワークを介してセンターから送られてくる学習教材を家庭などに設置した端末装置を利用して学習する電子学習システムが考えられる。この遠隔電子学習システムの利用に、事前の登録で有償にする場合、登録者または利用代金支払い者に限定した利用制限を設けたい場合が想定される。この事前の登録と同時に指紋データの登録等を行い、利用時には指紋入力および登録データとの比較による登録者の認証に指紋認証装置を用いることを可能としたネットワークシステムである。
【0119】
また、ネットワークを介して動作する電子商取引の個人認証による利用料金、商取引の代金支払いなどに指紋認証装置を用いたシステムを構築できる。例えば、ネットワークを介した通信販売の場合の代金支払い者の特定に指紋認証装置を利用できる。
【0120】
上述した何れかの指紋照合装置は、単独で動作する指紋照合装置またはバーコード、無線タグ、磁気テープの読み取り装置との組み合わせで実現できる。これに更にパソコン(計算機)を組み合わせて、計算機単独またはネットワークを介して動作するソフトウエアの保護、使用制限、課金のために指紋認証を行うシステムに拡張できる。別の形式としては、指紋照合装置は指紋入力のためのセンサーのみとして、指紋照合機能はパソコンのソフトウエアで実現する指紋認証応用も考えられる。
【0121】
本実施の形態よれば、単独の装置や計算機上で実現された上述の個人認証技術をネットワークを介したシステムにもそのまま拡張することを可能にし、しかも指紋照合による個人認証機能は在来ネットワークシステムに局所的に付加する形で極めて廉価に実現できる。
【0122】
以上のことから、本実施の形態によれば、指紋認証装置は、指紋の隆線の端点や分岐点の特異点の位置情報とそれら特異点を起点とする特異点隆線形状情報を併せて100バイト以下の小さい登録指紋データで、本人拒否率、他人受入率が商用の許容範囲の値をもつ。このような小さな登録指紋データであれば、従来指紋情報の蓄積は不可能であったバーコード、無線タグ、磁気カード、ICカードなどのデバイスにも登録指紋データが蓄積でき、指紋による個人認証システムとしての応用範囲が拡大され、使用条件も緩やかにできる。また、電子的なデータのままでも、登録データバイト数が小さいことを利用すると、電子署名を添付した電子証明書にこの指紋データを応用すると、電子指紋登録証明書と呼べる電子証明書を小さいデータ量で作成できるため、電子商取引等に必要なネットワーク上の個人認証が、オンライン認証サーバーといった指紋照合のための新たなサーバーを設置せずに既存のネットワーク応用に追加の形でオフラインだけで実施できるという利点が生まれる。
【0123】
また、ファイルやファルダ等の暗号鍵が必要になるが、暗号鍵が固定であるため、秘密性を高くすることができない。この暗号鍵に登録指紋データや日時等の他のデータから生成される鍵を用いると、暗号鍵で暗号化した後では暗号鍵を破棄しても、復号化するときに再び暗号鍵を生成することも可能である。しかも、その暗号鍵は暗号時の日時などの時間的に変化するデータになるため、秘密性も高くなる。
【0124】
また、従来のパスワードによるユーザー使用許可を行うネットワークシステムは広く利用されているが、このパスワードの代わりに、指紋照合装置とパスワード発生機構を利用すると、従来のシステムを大幅に変更することなしに、指紋照合結果で発生させたパスワードを利用することにより、パスワードはユーザー本人にも知らせずに個人認証機能のセキュリティを強化した指紋照合付きネットワークシステムを構築することが可能となる。
【0125】
本発明はかかる従来のセキュリティ製品に指紋照合機能を追加する際に、登録データバイト数が100バイト数と極めて小さいデータ容量であることを利用すると、小メモリの媒体の利用、オフライン用電子登録指紋証明書、指紋データに基づく暗号鍵、指紋認証によるパスワード発生機構が導入でき、指紋照合機能を追加したセキュリティ製品を安価に提供することができる。
【0126】
なお、本発明は上述の実施の形態に限らず本発明の要旨を逸脱することなくその他種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0127】
【発明の効果】
本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
【0128】
請求項1に係る発明によれば、小さなメモリ領域でも登録指紋データを格納できる
【0129】
請求項2に係る発明によれば、見かけ上一回の操作でしかも複数の指紋画像データの中から登録画像として適当なものを選んだのと同じ効果が得られる。
【0130】
請求項3に係る発明によれば、類似点だけの比較による加点だけでなく、相違点の比較によるマイナス点も考慮することにより、より正確に指紋照合の判定が行える。
【0131】
請求項4に係る発明によれば、登録時、照合時の繰り返しに対して安定して照合特性の精度を確保することが可能となる。
【0132】
請求項5に係る発明によれば、登録指紋データを紙に印刷するという最も安価なデータ保持方法を提供できる。
【0133】
請求項6に係る発明によれば、小容量の無線タグに登録指紋データを格納することになり、安価に指紋による個人認証を導入できる。
【0134】
請求項7に係る発明によれば、小容量データ記憶媒体に登録指紋データを搭載して、個人認証が可能になる
【0135】
請求項8に係る発明によれば、暗号鍵を記憶する必要性を除去することができる。また、本人のみが暗号鍵を生成できる。
【0136】
請求項9に係る発明によれば、電子登録指紋証明書付の指紋登録データをセットで用いることにより、一度公認機関で登録された指紋データを別の用途にも使い回すことが可能になる。
【0137】
請求項10に係る発明によれば、パスワードを指紋データから生成することにより、ユーザーがパスワードを記憶する必要性をなくし、しかも、在来のパスワードを用いたユーザー認証に指紋による個人認証機能を付加できる。
【0138】
請求項11に係る発明によれば、この装置がドアのキーのようにコンピュータに鍵をかけるイメージになるためユーザーの利便性は極めて良く、しかも指紋照合を利用することによりパスワードを記憶、打鍵する手間も省略できる。
【0139】
請求項12および13に係る発明によれば、単独の装置や計算機上で実現された個人認証技術をネットワークを介したシステムにもそのまま拡張できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】特異点隆線形状の数値化の説明図である。
【図2】登録指紋画像の説明図である。
【図3】指紋照合の相違度も含めた類似度関数の説明図である。
【図4】指紋照合の規格化類似度関数の説明図である。
【図5】登録指紋バーコードを利用した指紋照合装置の説明図である。
【図6】登録指紋無線タグを利用した指紋照合装置の説明図である。
【図7】登録指紋磁気カードを利用した指紋照合装置の説明図である。
【図8】指紋暗号鍵を利用したファイルの暗号化の説明図である。
【図9】電子登録指紋証明書付登録指紋データを利用した指紋照合装置の説明図である。
【図10】指紋パスワードを利用した指紋認証システムの説明図である。
【図11】指紋照合装置を利用したPCシステムおよびネットワークシステムの説明図である。
【符号の説明】
1‥‥指紋照合装置、2‥‥印刷装置、3‥‥指紋1次元バーコード、4‥‥バーコード読み取り装置、5‥‥無線タグ書き込み装置、6‥‥無線タグ、7‥‥無線受信装置、8‥‥磁気カード書き込み装置、9‥‥磁気カード、10‥‥磁気カード読み取り装置、11‥‥暗号鍵、12‥‥64バイトの登録指紋データ、13‥‥圧縮データ、14‥‥電子署名、15‥‥復号データ、16‥‥パスワード、17‥‥PCシステムまたはネットワークシステム端末、18‥‥補助装置、19‥‥WWWサーバー等

Claims (13)

  1. 指紋の隆線の端点および分岐点の特異点の位置情報とそれら特異点を起点とする特異点隆線形状情報を併せて100バイト以下の登録指紋データで、本人拒否率、他人受入率が商用の許容範囲の値をもつことを特徴とする指紋照合装置。
  2. 指紋の隆線の端点および分岐点の特異点の登録において、複数の入力画像をリアルタイムで入力し、共通して抽出された良質特異点のみを、登録データとすることを特徴とする請求項1に記載の指紋照合装置。
  3. 入力指紋画像から特異点を抽出したデータと登録データとの間の対応する特異点を比較する際、類似度合いに応じて点数を加算するが、重要な要素が異なる場合は逆に点数を減算し、また、異常に特異点の数が多い場合は入力指紋画像の画質が悪いとして点数を減算する点数計算手段をもつことを特徴とする請求項1に記載の指紋照合装置。
  4. 入力指紋画像から特異点を抽出したデータと登録データとの間の対応する特異点を比較する際、入力指紋データと自分自身とから計算される入力指紋類似度満点と登録データと自分自身とから計算される登録データ類似度満点によって、入力指紋と登録指紋の類似度点数を規格化して最終的な規格化された類似度点数を計算する計算手段をもつことを特徴とする請求項1に記載の指紋照合装置。
  5. 登録時に、登録指紋データをバーコードに記憶し、照合時にバーコード読み取り装置を用いて登録指紋データを入力し、併せて入力指紋との指紋照合を行うことを特徴とする請求項1に記載の指紋照合装置。
  6. 登録指紋データを無線タグに搭載し、照合時にその無線通信を利用して登録指紋データを入力し、併せて入力指紋との指紋照合を行うことを特徴とする請求項1に記載の指紋照合装置。
  7. 登録指紋データを磁気カードに搭載し、照合時に磁気カード読み取り装置を利用して登録指紋データを入力し、併せて入力指紋との指紋照合を行うことを特徴とする請求項1に記載の指紋照合装置。
  8. 登録指紋データや日時等の他のデータから生成される暗号鍵を用いてファイル等の秘密データを暗号化し、指紋照合したときにのみ登録指紋データと日時等の他のデータから再び同じ暗号鍵を生成して、秘密データを復号化することを特徴とする請求項1に記載の指紋認証装置。
  9. 登録指紋データと付加情報に発行機関の電子署名を加えて発行された電子登録指紋証明書を利用して登録指紋データの真正性の確認と指紋照合を行う機能を備えることを特徴とする請求項1に記載の指紋認証装置。
  10. パスワードで認証するソフトウエアシステムに付加する装置として、キー入力によるパスワード入力の代わりに登録指紋データ等から発生させるパスワードを入力することを特徴とした請求項1に記載の指紋認証装置。
  11. 計算機と指紋照合装置とを組み合わせて、計算機の使用許可を得る指紋認証付き計算機システムにおいて、指紋照合装置の取り付けにより自動的に計算機利用許可のためのソフトウエアが起動し、指紋照合装置の取り外しにより、自動的に計算機にロックをかけることを特徴とする請求項1に記載の指紋認証装置。
  12. 計算機と、請求項1乃至請求項11の何れか1つの請求項に記載の指紋照合装置とを組み合わせて、計算機単独で動作するソフトウエアの保護、使用制限、課金のために指紋認証を行うことを特徴とする指紋認証付き計算機システム。
  13. 計算機と、請求項1乃至請求項11の何れか1つの請求項に記載の指紋照合装置とを組み合わせて、ネットワークを介して動作するソフトウエアの保護、使用制限、課金のために指紋認証を行うことを特徴とする指紋認証付きネットワークシステム。
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