JP2005037016A - 膨張弁およびその時定数調整方法 - Google Patents

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道雄 松本
Takeshi Watanabe
剛 渡辺
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    • F25B2341/0683Expansion valves combined with a sensor the sensor is disposed in the suction line and influenced by the temperature or the pressure of the suction gas

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Abstract

【課題】パワーエレメントへの伝熱が正確にでき、コストを上げることなく時定数の調整が可能な膨張弁を提供する。
【解決手段】パワーエレメント1のダイヤフラム6の直下にあって弁ケース3の接続穴22,23間の低圧通路に隣接した均圧室と低圧通路の冷媒流れ方向に対し直角方向に連通させる均圧穴13を設けた。均圧穴13は、ロアハウジング5の開口縁部に溶着されるホルダ12の外周を切り欠くことで形成され、その開口面積はパワーエレメントが感温する時定数に応じて設定される。低圧通路の冷媒は均圧穴13を介して均圧室を直接通過するため、パワーエレメント1は冷媒の温度を正確に感温することができ、均圧穴13の開口面積を変えるだけで、パワーエレメントが感温する時定数を容易に調整することができる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は膨張弁およびその時定数調整方法に関し、特に自動車用エアコンシステムの冷凍サイクルの中でエバポレータ出口における冷媒の状態が所定の過熱度になるようにエバポレータに供給する冷媒の流量を制御する温度式の膨張弁およびその時定数調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用エアコンシステムでは、コンプレッサによって圧縮された高温・高圧のガス冷媒をコンデンサで凝縮し、凝縮された液冷媒を膨張弁で断熱膨張させることにより低温・低圧の冷媒にし、それをエバポレータで蒸発させてコンプレッサに戻すような冷凍サイクルが形成されている。低温の冷媒が供給されるエバポレータは、車室内の空気と熱交換を行うことで、冷房を行う。
【0003】
膨張弁は、エバポレータ出口側の冷媒の温度および圧力の変化を感知して内部の圧力が昇降するパワーエレメントと、そのパワーエレメント内の圧力の昇降に基づいてエバポレータ入口側に供給する冷媒の流量を制御する弁部とから構成されている。パワーエレメントは、エバポレータから戻ってきた冷媒の温度および圧力を感知するダイヤフラムを有し、このダイヤフラムが冷媒の温度および圧力の変化を感知することによる軸線方向の変位を、軸線方向に延びるシャフトを介して弁部の弁体に伝達し、これにより弁部を開閉動作させて、冷媒の流量を制御するようにしている。
【0004】
パワーエレメントのダイヤフラムによる感圧は、エバポレータから戻ってきた冷媒が通過する低圧通路をダイヤフラム下部の均圧室に連通させることによって行われている。一方、ダイヤフラムによる感温は、ダイヤフラムによって仕切られた感温室内の作動流体に冷媒の温度を伝えることによって行われている。作動流体に冷媒の温度を伝える方法として、冷媒が通過する低圧通路を横切るように筒状部材を配置し、その筒状部材に穴を設けて中に冷媒を流通させるようにし、この筒状部材の中に配置されて感温室から延びる別の筒状部材の底部を流通する冷媒に曝す構造にし、その別の筒状部材の壁を介して流通する冷媒から作動流体に伝熱するようにした膨張弁がある(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
また、エバポレータから戻ってきた冷媒が通過する低圧通路を横切るようにダイヤフラム下部の均圧室に連通する筒状部材を配置し、その筒状部材に穴を設けて中に冷媒を流通させることにより、筒状部材の内部からダイヤフラム下部の均圧室に冷媒を流入させ、その冷媒の温度をダイヤフラムを介して感温室の作動流体に伝えるようにした膨張弁も知られている(たとえば、特許文献2参照。)。
【0006】
また、パワーエレメントから延びる筒状部材をエバポレータから戻ってきた冷媒が通過する低圧通路を横切るように配置し、その筒状部材に穴を設けて冷媒を通過させることにより、ダイヤフラムの変位を弁部へ伝達するシャフトと弁部が開弁する方向へのダイヤフラムの変位を規制する部材とダイヤフラムとを介して感温室の作動流体に伝えるようにした膨張弁も知られている(たとえば、特許文献3参照。)。
【0007】
さらに、冷媒が通過する低圧通路を横切るように感温室から延びる筒状部材を配置し、その筒状部材の中に熱バラスト材を入れた樹脂製チューブを配置して、エバポレータから戻ってきた冷媒から感温室内の作動流体に伝熱する速度、つまり時定数を調節して、パワーエレメントが冷媒温度に敏感に反応することにより生じるハンチング現象を抑えるようにした膨張弁も知られている(たとえば、特許文献4参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−351440号公報(段落番号〔0025〕,図1)
【特許文献2】
特開平8−152232号公報(段落番号〔0021〕,図1〜図3)
【特許文献3】
特開2002−350010号公報(段落番号〔0013〕,図1)
【特許文献4】
特開2000−320706号公報(段落番号〔0023〕,図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の膨張弁では、冷媒が通過する低圧通路内に配置された筒状部材は、感温のために冷媒を通過させる穴が冷媒の流れに対して平行に設けられ、その穴とダイヤフラム直下の均圧室との間に距離があって、その間では冷媒の流れがなく、冷媒が滞留する構造になっているため、流入してきた冷媒の温度をパワーエレメントに正確に伝達する妨げとなっているという問題点があった。
【0010】
また、流入冷媒の温度を熱バラスト材および樹脂製チューブを介してパワーエレメントに伝える膨張弁では、時定数調整のための構成部品が余分に必要であり、部品定数が増えてコストが高くなるという問題点があった。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、パワーエレメントへの伝熱が正確にでき、コストを上げることなく時定数の調整が可能な膨張弁およびその時定数調整方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記問題を解決するために、高圧の冷媒流量を制御する弁部と低圧通路を流れる冷媒の温度および圧力に応じたダイヤフラムの変位により前記弁部を開閉するパワーエレメントとを有する膨張弁機能部を弁ケースに装着して構成され、前記弁ケースの低圧冷媒導出入口である接続穴の内径よりも前記弁部のボディの外形の方が小さい膨張弁において、前記パワーエレメントのハウジングに設けられ、前記弁ケースに形成された前記低圧通路と前記ダイヤフラム直下の均圧室との間で前記低圧通路の冷媒流れ方向に対し直角方向に連通していて、前記パワーエレメントが感温する時定数に応じて開口面積が決定される少なくとも2つの均圧穴を有していることを特徴とする膨張弁が提供される。
【0013】
また、本発明によれば、高圧の冷媒流量を制御する弁部と低圧通路を流れる冷媒の温度および圧力に応じたダイヤフラムの変位により前記弁部を開閉するパワーエレメントとを有する膨張弁機能部を弁ケースに装着して構成され、前記弁ケースの低圧冷媒導出入口である接続穴の内径よりも前記弁部のボディの外形の方が小さい膨張弁の時定数調整方法において、前記弁ケースに形成された前記低圧通路と前記ダイヤフラム直下の均圧室との間で前記低圧通路の冷媒流れ方向に対し直角方向に連通している少なくとも2つの冷媒流出入口の開口面積を可変して前記パワーエレメントが感温する時定数を調整するようにしたことを特徴とする膨張弁の時定数調整方法が提供される。
【0014】
このような膨張弁およびその時定数調整方法によれば、低圧通路を通過する冷媒の一部が均圧穴を介し、ダイヤフラムの直下にあって低圧通路に隣接した均圧室を直接通過するため、パワーエレメントは冷媒の温度を正確に感温することができ、均圧穴の開口面積を変えるだけで、パワーエレメントが感温する時定数を容易に調整することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態に係る膨張弁の構成を示す中央縦断面図、図2は図1のA−A矢視断面図である。
【0016】
第1の実施の形態に係る膨張弁は、一体に構成されたパワーエレメント1および弁部2からなる膨張弁機能部と、この膨張弁機能部が挿入される弁ケース3とを備えている。
【0017】
パワーエレメント1は、金属製のアッパーハウジング4およびロアハウジング5を有しており、アッパーハウジング4とロアハウジング5との間には、これらによって囲まれた空間を仕切るように可撓性を有する薄い金属製のダイヤフラム6が配置されている。
【0018】
ダイヤフラム6とアッパーハウジング4とによって囲まれた空間は、たとえば冷媒ガスを充填した後に金属ボール7を溶接して閉止され、これにより感温室8を構成している。ダイヤフラム6の図の下面には、ダイヤフラム受け盤であるディスク9が配置されている。
【0019】
このディスク9は、その中央部に形成されてダイヤフラム6と当接している平面に対して斜めに傾斜された斜面10と、ロアハウジング5の内壁面と摺接する摺動部11とを有し、ロアハウジング5の水平の内壁面と当接してダイヤフラム6の変位幅を規制する部分と一体に形成されている。
【0020】
ロアハウジング5の下方の開口端には、ホルダ12が溶着されている。ホルダ12は、ロアハウジング5に溶着されるフランジ部を有し、その外周縁部には、図2に示したように、3箇所の切り欠きを有し、ディスク9が配置されているダイヤフラム6の下側の均圧室を開放する均圧穴13を構成している。
【0021】
弁部2は、そのボディ14の軸線方向に進退自在に配置されたシャフト15を有し、そのシャフト15の上端部は、ホルダ12を貫通し、ダイヤフラム6の下側の均圧室に延びていて、ディスク9の斜面10に当接している。シャフト15の下端部は、ボール形状の弁体16がスポット溶接されており、したがって、この弁体16は、シャフト15の進退動作に連動してボディ14に一体に形成された弁座17に対し接離自在にされている。
【0022】
シャフト15は、また、その上方位置に溝が周設されていて、その溝にはストッパ18が嵌合されている。ストッパ18とボディ14内に形成された段部との間には、ワッシャを介してスプリング19がシャフト15を取り巻くように配置されている。これにより、スプリング19は、ボディ14に関しシャフト15をディスク9の斜面10に常時付勢してシャフト15に横荷重を与え、シャフト15の軸線方向の微振動を抑制するようにしている。
【0023】
ボディ14は、ホルダ12と螺着されていて、ホルダ12に螺入する量を調節することにより、スプリング19の荷重を変え、これによって、この膨張弁のセット値を調整するようにしている。
【0024】
弁ケース3は、コンデンサからの配管が接続される接続穴20と、エバポレータへの配管が接続される接続穴21と、エバポレータからの配管が接続される接続穴22と、コンプレッサへの配管が接続される接続穴23とを有し、上部には、装着穴が設けられ、その装着穴には、パワーエレメント1のロアハウジング5が螺着され膨張弁を構成している。弁ケース3に膨張弁機能部を装着した状態では、接続穴20と接続穴21との間に弁部2が配置され、接続穴22から接続穴23へと冷媒が流れる低圧通路は、穴24を介してパワーエレメント1の下部に連通し、さらに、ロアハウジング5とホルダ12との間に形成された均圧穴13を介してダイヤフラム6の直下の均圧室に低圧通路に対して直角方向に連通されている。なお、この膨張弁は、弁ケース3に形成されてエバポレータからの配管およびコンプレッサへの配管が接続される接続穴22,23の内径よりもボディ14の外形の方が小さく形成されている。
【0025】
以上の構成の膨張弁において、コンプレッサからコンデンサを介して圧送された高温・高圧冷媒は、接続穴20に入り、弁体16と弁座17との間の隙間を通ることにより断熱膨張されて低温・低圧の冷媒となり、接続穴21からエバポレータに供給される。エバポレータで蒸発された冷媒は、接続穴22に戻り、接続穴23を介してコンプレッサに戻る。エバポレータから戻ってきた冷媒が接続穴22,23間の低圧通路を通過するとき、冷媒の一部が穴24とボディ14との間の開口部と均圧穴13とを通って均圧室に流入し、さらに、均圧穴13および穴24とボディ14との間の開口部を通って接続穴22,23間の低圧通路に流出する。冷媒が均圧室を通過する際に、冷媒の圧力がダイヤフラム6に伝えられるとともに、冷媒の温度がダイヤフラム6を介して感温室8内の作動流体に正確に伝えられることになる。
【0026】
ここで、たとえば車室内の温度が低くなってエバポレータから戻ってくる冷媒の温度が低くなった場合、感温室8内の温度が下がり、感温室8内の圧力が低下して、ダイヤフラム6が図の上方に変位する。このとき、シャフト15は、スプリング19によって図の上方へ押し上げられているので、ディスク9とともに上方へ移動し、弁体16が弁座17の側に移動して弁開度が小さくなり、この弁部2を通過する冷媒流量が減らされる。
【0027】
逆に、車室内の温度が高くなって、エバポレータから戻ってくる冷媒の温度が高くなると、感温室8内の温度および圧力が上がるため、ダイヤフラム6は図の下方へ変位し、ディスク9を介してシャフト15がスプリング19の付勢力に抗して図の下方へ押し下げられる。これにより、弁体16と弁座17との間の流路面積が増加し、エバポレータに供給される冷媒流量が増加する。
【0028】
なお、シャフト15がディスク9の斜面10に当接したままスプリング19によって図の上方へ押し上げられていることにより、シャフト15には図の左方向への横荷重が働き、弁体16が受ける高圧の冷媒の圧力変動に対して軸線方向の動きが抑制されるとともに、ディスク9が受ける反力によって摺動部11をロアハウジング5の内壁面に押し付ける作用をするので、そのときの摺動抵抗によっても、シャフト15の軸線方向の動きを抑制している。
【0029】
ところで、冷媒の温度がダイヤフラム6を介して感温室8内の作動流体に伝えられる時間、すなわち時定数は、膨張弁が組み込まれる冷凍サイクルの規模によってある程度最適な値がある。次に、この膨張弁の時定数の調整方法について説明する。
【0030】
図3は第1の実施の形態に係る膨張弁の時定数の調整方法を説明する図である。
膨張弁の時定数は、接続穴22から接続穴23へと冷媒が流れる低圧通路とパワーエレメント1のダイヤフラム6下部の均圧室とを連通する冷媒流出入口の開口面積を変更することにより調整することができる。すなわち、時定数は、冷媒流出入口の開口面積を大きくすることにより、早くすることができ、冷媒流出入口の開口面積を小さくすることにより、遅くすることができる。
【0031】
冷媒流出入口の開口面積を大きくするには、図3に示したように、ロアハウジング5に溶着されるホルダ12のフランジ部の面積を小さくして均圧穴13を大きくする方法と、均圧穴13に部分的にオーバラップするように形成された弁ケース3の穴24の径を大きくする方法とがある。冷媒流出入口の開口面積を大きくすることによって、均圧室に流入する冷媒流量が多くなり、時定数を早くすることができる。
【0032】
逆に、冷媒流出入口の開口面積を小さくするには、ロアハウジング5に溶着されるホルダ12のフランジ部の面積を大きくして均圧穴13を小さくする方法と、弁ケース3の穴24の径を小さくして均圧穴13とオーバラップする量を増やす方法とがある。冷媒流出入口の開口面積を小さくすることによって、均圧室に流入する冷媒流量が少なくなり、時定数を遅くすることができる。
【0033】
なお、図3に示した均圧穴13および弁ケース3の穴24は、図示の都合上、寸法的に誇張して描いてある。
図4は第2の実施の形態に係る膨張弁の構成を示す中央縦断面図、図5は図4のB−B矢視断面図である。この図4および図5において、図1および図2に示した構成要素と同じまたは同等の機能を有する構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0034】
第2の実施の形態に係る膨張弁は、ホルダ12のフランジ部に2つの切り欠きを設けて2つの均圧穴13を形成するようにしている。2つの均圧穴13は、シャフト15の中心軸に対して対称に配置され、好ましくは、図5に示したように、膨張弁機能部を弁ケース3に装着するときに、低圧通路の冷媒流れ方向に整列されるようにするとよい。
【0035】
この構成の膨張弁では、エバポレータから接続穴22に戻ってきた冷媒は、接続穴22,23間の低圧通路を通過するとき、冷媒の一部が穴24とボディ14との間の開口部と上流側の均圧穴13とを通って均圧室に流入し、さらに、下流側の均圧穴13および穴24とボディ14との間の開口部を通って低圧通路に流出する。冷媒が均圧室を通過する際に、冷媒の圧力がダイヤフラム6に伝えられるとともに、冷媒の温度がダイヤフラム6を介して感温室8内の作動流体に正確に伝えられることになる。
【0036】
このとき、パワーエレメント1が感温する時定数は、この膨張弁が適用されるシステムに合わせて、図3に示した方法にて低圧通路と均圧室との間の冷媒通路の開口面積を変更することによって調整される。
【0037】
図6は第3の実施の形態に係る膨張弁の構成を示す中央縦断面図、図7は図6のC−C矢視断面図である。この図6および図7において、図1および図2に示した構成要素と同じまたは同等の機能を有する構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0038】
第3の実施の形態に係る膨張弁は、ホルダ12のフランジ部に円周方向にスリットを形成して均圧穴13を形成するようにしている。この構成の膨張弁においても、エバポレータから戻ってきた冷媒が接続穴22,23間の低圧通路を通過する際に、冷媒の一部が穴24とボディ14との間の開口部と均圧穴13とを通って均圧室に流入し、さらに、均圧穴13および穴24とボディ14との間の開口部を通って低圧通路に流出する。このとき、冷媒の圧力がダイヤフラム6に伝えられるとともに、冷媒の温度がダイヤフラム6を介して感温室8内の作動流体に正確に伝えられる。
【0039】
この場合も、パワーエレメント1が感温する時定数は、この膨張弁が適用されるシステムに合わせて、図3に示した方法にて低圧通路と均圧室との間の冷媒通路の開口面積を変更することによって調整される。
【0040】
図8は第4の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部を示す中央縦断面図、図9は第4の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部を示す底面図である。この図8および図9において、図1および図2に示した膨張弁機能部の構成要素と同じまたは同等の機能を有する構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0041】
第4の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部は、パワーエレメント1のロアハウジング5が閉じられていて、そのロアハウジング5の底面にスリーブ25の上縁部が溶着されている。スリーブ25は、その下方開口部に弁部2のボディ14が圧入されている。ボディ14を貫通してその軸線方向に進退自在に配置されたシャフト15は、その上端部がロアハウジング5の中心に設けられた穴を介してダイヤフラム6の下部の均圧室に進入しており、ディスク9の斜面10に当接している。ロアハウジング5のスリーブ25が溶着されている部分の回りには、複数個、図示の例では3個の円弧状の均圧穴13が設けられている。均圧穴13の1つには、ディスク9の摺動部11が延びていて、均圧穴13の内壁と摺接している。したがって、シャフト15は、スプリング19によりディスク9の斜面10に常時付勢されて、横荷重を受け、ディスク9は、その摺動部11が均圧穴13の内壁面に押し付けられていることになる。これにより、シャフト15は、コンデンサから供給される冷媒の圧力変動に起因する軸線方向の微振動が抑制されている。また、この膨張弁のセット値は、スリーブ25に圧入されるボディ14の圧入量を調整し、これによりスプリング19の荷重を変えることによって調整されている。
【0042】
以上の構成の膨張弁機能部を図示しない弁ケースに装着することにより、エバポレータから戻ってきた冷媒の一部が低圧通路の上流側に位置した均圧穴13から均圧室に流入し、さらに、その均圧室から下流側に位置した均圧穴13を通って低圧通路に流出するようになる。これにより、均圧室では、冷媒の温度をダイヤフラム6に正確に伝えられる。
【0043】
この場合も、パワーエレメント1が感温する時定数は、この膨張弁が適用されるシステムに合わせて、図3に示した方法にて低圧通路と均圧室との間の冷媒通路の開口面積を変更することによって調整される。
【0044】
図10は第5の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部を示す中央縦断面図、図11は第5の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部を示す底面図である。この図10および図11において、図8および図9に示した構成要素と同じまたは同等の機能を有する構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0045】
第5の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部は、第4の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部に比較して、均圧穴13の形状と位置を変更している。すなわち、ロアハウジング5のシャフト15が貫通している穴の回りに、複数個、図示の例では3個の円形の均圧穴13が設けられている。この均圧穴13と重なるように、スリーブ25がロアハウジング5の底面に溶着されている。
【0046】
以上の構成の膨張弁機能部を図示しない弁ケースに装着することにより、エバポレータから戻ってきた冷媒の一部が低圧通路の上流側に位置した均圧穴13から均圧室に流入し、さらに、その均圧室から下流側に位置した均圧穴13を通って低圧通路に流出する冷媒の流通路が形成され、冷媒が均圧室を通過するときに、冷媒の温度がダイヤフラム6に正確に伝えられる。
【0047】
この膨張弁機能部の場合も、パワーエレメント1が感温する時定数は、この膨張弁が適用されるシステムに合わせて、図3に示した方法にて低圧通路と均圧室との間の冷媒通路の開口面積を変更することによって調整される。また、均圧穴13の開口面積は、その直径を変えるか、開口位置を半径方向にずらすことによっても変更することができる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、ダイヤフラムの直下にあって低圧通路に隣接した均圧室と低圧通路の冷媒流れ方向に対し直角方向に連通させる均圧穴をパワーエレメントのハウジングに設ける構成にした。これにより、低圧通路を通過する冷媒の一部が均圧穴を介して均圧室を直接通過するようになるため、パワーエレメントは冷媒の温度を正確に感温することができ、均圧穴の開口面積を変えるだけで、パワーエレメントが感温する時定数を容易に調整することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る膨張弁の構成を示す中央縦断面図である。
【図2】図1のA−A矢視断面図である。
【図3】第1の実施の形態に係る膨張弁の時定数の調整方法を説明する図である。
【図4】第2の実施の形態に係る膨張弁の構成を示す中央縦断面図である。
【図5】図4のB−B矢視断面図である。
【図6】第3の実施の形態に係る膨張弁の構成を示す中央縦断面図である。
【図7】図6のC−C矢視断面図である。
【図8】第4の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部を示す中央縦断面図である。
【図9】第4の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部を示す底面図である。
【図10】第5の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部を示す中央縦断面図である。
【図11】第5の実施の形態に係る膨張弁の膨張弁機能部を示す底面図である。
【符号の説明】
1 パワーエレメント
2 弁部
3 弁ケース
4 アッパーハウジング
5 ロアハウジング
6 ダイヤフラム
7 金属ボール
8 感温室
9 ディスク
10 斜面
11 摺動部
12 ホルダ
13 均圧穴
14 ボディ
15 シャフト
16 弁体
17 弁座
18 ストッパ
19 スプリング
20,21,22,23 接続穴
24 穴
25 スリーブ

Claims (8)

  1. 高圧の冷媒流量を制御する弁部と低圧通路を流れる冷媒の温度および圧力に応じたダイヤフラムの変位により前記弁部を開閉するパワーエレメントとを有する膨張弁機能部を弁ケースに装着して構成され、前記弁ケースの低圧冷媒導出入口である接続穴の内径よりも前記弁部のボディの外形の方が小さい膨張弁において、
    前記パワーエレメントのハウジングに設けられ、前記弁ケースに形成された前記低圧通路と前記ダイヤフラム直下の均圧室との間で前記低圧通路の冷媒流れ方向に対し直角方向に連通していて、前記パワーエレメントが感温する時定数に応じて開口面積が決定される少なくとも2つの均圧穴を有していることを特徴とする膨張弁。
  2. 前記均圧穴は、前記ダイヤフラムの変位を前記弁部に伝達するシャフトを保持するように前記パワーエレメントの前記ハウジングの開口縁部に固着されたホルダの外周を切り欠くことによって形成されていることを特徴とする請求項1記載の膨張弁。
  3. 前記均圧穴は、前記ダイヤフラムの変位を前記弁部に伝達するシャフトを保持するように前記パワーエレメントの前記ハウジングの開口縁部に固着されたホルダの外周近傍にて円弧状のスリットにより円周方向に形成されていることを特徴とする請求項1記載の膨張弁。
  4. 前記均圧穴は、前記均圧室を構成する前記パワーエレメントの前記ハウジングにて前記弁部が固着されている部分の周りに配置された円弧状の穴によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の膨張弁。
  5. 前記均圧穴は、前記均圧室を構成する前記パワーエレメントの前記ハウジングにて前記ダイヤフラムの変位を前記弁部に伝達するシャフトを保持するための穴の周りに配置された円形の穴によって形成されていることを特徴とする請求項1記載の膨張弁。
  6. 高圧の冷媒流量を制御する弁部と低圧通路を流れる冷媒の温度および圧力に応じたダイヤフラムの変位により前記弁部を開閉するパワーエレメントとを有する膨張弁機能部を弁ケースに装着して構成され、前記弁ケースの低圧冷媒導出入口である接続穴の内径よりも前記弁部のボディの外形の方が小さい膨張弁の時定数調整方法において、
    前記弁ケースに形成された前記低圧通路と前記ダイヤフラム直下の均圧室との間で前記低圧通路の冷媒流れ方向に対し直角方向に連通している少なくとも2つの冷媒流出入口の開口面積を可変して前記パワーエレメントが感温する時定数を調整するようにしたことを特徴とする膨張弁の時定数調整方法。
  7. 前記冷媒流出入口は、前記低圧通路と前記ダイヤフラム直下の均圧室との間を連通するように前記パワーエレメントのハウジングに設けられた均圧穴の大きさを可変することにより開口面積を変えるようにしたことを特徴とする請求項6記載の膨張弁の時定数調整方法。
  8. 前記冷媒流出入口は、前記弁部の前記ボディが前記低圧通路を横切って配置されるように前記低圧通路に開口する弁ケースの穴の径を可変することにより前記ボディとの間に形成される開口の面積を変えるようにしたことを特徴とする請求項6記載の膨張弁の時定数調整方法。
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