JP2005034732A - 写真廃液の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高濃度のCOD寄与物質及びアンモニア性窒素成分を含んでいる写真廃液に対しても効果的にCOD及びアンモニア性窒素を低減できる写真廃液処理方法を提示すること。
【解決手段】 写真廃液中にオゾン含有空気を曝気して該廃液中のアンモニアをストリッピングしながら分解することにより該廃液中のアンモニア性窒素を低減することを特徴とする写真廃液の処理方法。さらに電解酸化処理を付加した廃液処理方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は写真廃液の処理方法に関するもので、より具体的には写真処理廃液のCOD及びアンモニア性窒素を下水道排水基準を満たすレベルまで処理可能な実用的且つ経済的な処理方法に関する。とくに現像所において実施可能な写真廃液のCOD及びアンモニア性窒素低減処理方法に関する。
写真廃液は、高濃度のBOD 、COD 、窒素、リンを含み、且つ、生物処理または化学処理によっても難分解性成分が多量に含まれている。写真廃液、特にカラー現像液は、種々の工業廃液の中でも最も処理が困難なものの1つであって、従来から多くの処理法が開示されているが、除去率・処理コストの両面で尚多くの問題がある。
そのため、現実的な対応策として、写真廃液は廃液回収業者により回収され、焼却処理されているが、大気環境及び水域環境中に環境有害物質物質を排出することなく焼却処理するには焼却温度を高くする必要があるので、中型や小型の焼却炉では高温での連続運転による焼却処理は困難なため大規模焼却装置で焼却されており、処理コストが高くならざるをえない。また、燃焼時に生じる酸化鉄等の高融点の無機塩による配管の閉塞や燃焼炉の消耗を回避するために、化学的な脱鉄工程の設置が必要であるので、工程及び操作がさらに複雑になる問題点も含んでいる。
このような事情から、焼却処理が現在の現実的な対応手段ではあっても満足な手段ではなく、写真廃液のより優れた処理技術が引き続き検討されている。
写真廃液処理に関して従来開示されている方法は、主として生物処理、化学処理及び物理処理である。生物処理法は、例えば活性汚泥法によるもので、通常廃液を10〜50倍に希釈したものを処理期間15〜50日でCOD の50〜80%、及びBOD の50〜80%が分解除去出来るとされている。
化学処理は、オゾン酸化法、過酸化水素−第一鉄塩法(フェントン法)、過硫酸酸化法、ハロゲン酸酸化法、電解酸化法等がある。オゾン酸化法は無機COD 成分の分解除去及び現像主剤である芳香族化合物のベンゼン環分解に有効であるが、有機BOD 成分を除去する効果は殆どない(例えば特許文献1)。一般に化学処理によるCOD の除去率は50%程度とされている。
物理処理には高圧加熱法、噴霧焼却法、蒸発乾燥法等がある。写真廃液中には多量のハロゲン化物イオンが含まれているので、反応装置の応力腐食が問題となる。また、熱回収のための熱交換器のスケール、残渣、廃ガス等の処理にも問題がある。
これらの開示された写真廃液処理手段は、難生分解性のものも含む無機、有機の多種の化合物が混在した写真処理廃液に対しては、COD値の低減を実現してはいるが、排水基準を満たすレベルまで低減させるにはなお酸化活性が十分ではない。そのため、上記した処理手段を組み合わせた複合処理、例えば化学酸化処理と生物処理、電解酸化処理と生物処理、活性汚泥処理とその濾別汚泥の電解処理、を組み合わせた処理方法が提示されている。
化学酸化処理を組み合せた複合処理としては、特許文献2にオゾンガスによる光化学酸化と生物処理の組み合わせにより、写真廃液のBOD及びCODの低減できることが開示されている。しかしながら、この開示された方法は、特殊な微生物(海洋微生物)を用いなければならないという問題を含んでいる。
また、特許文献3には、写真廃液にオゾンによる酸化処理を施した後電解酸化処理(2段電解も含む)を施すCOD低減方法が開示されている。この特許文献によれば、COD低減率は50%程度であり、この方法でも日本における下水道法の一律排水基準を満たすことはできない。
ところで近年下水道法では、上乗せ基準のみでなく一般排水基準にも全窒素量の規制が行われるようになり、その対応が必要になってきている。しかしながら、上記の従来開示された廃液処理方法は、いずれも写真廃液中のBOD及びCODの低減を目的としたものであって、全窒素量とくに写真廃液に多いアンモニア性窒素量に付いては低減効果が乏しい。
写真廃液中のアンモニア性窒素の電解による除去法に関しては、特許文献4に塩素イオン存在下、塩基性条件でアンモニア性窒素含有廃水の電解酸化を行い、発生する次亜塩素酸イオンによってアンモニア性窒素を硝酸化して除去する方法が記載されている。この方法は、化学量論以上の塩素化合物を必要とすることと処理済み排水が強酸化性となることのために写真排水に適用することは実際的でない。
一方、写真廃液以外の産業排水(例えばボイラー廃水)や生活廃水のアンモニア性窒素除去手段については、特許文献5には廃水中のアンモニアをストリッピングしたのち気相で接触酸化する方法、特許文献6にはストリッピングした廃水中のアンモニアを次亜ハロゲン酸をメディエーターとしてオゾンにより酸化する方法が開示されている。
この出願の発明に関連する前記の先行技術には、次ぎの文献がある。
特開平7−47347号公報 特開平5−96298号公報 特開平10−290987号公報 特開平7−100466号公報 特開平9−10779号公報 特開平6−335688号公報
以上に述べたように従来開示されているCOD低減を目的とする単独あるいは複合処理方法も、またアンモニア性窒素除去を目的とする電解酸化方法も、いずれも写真廃液に対してCOD又はアンモニア性窒素の分解能力、排出環境への影響、作業の容易さ、処理スペース、設備や処理のコストなどの何らかの点で実用上の制約がある。
また、アンモニアを含有する産業廃水をストリッピングしてアンモニアを捕集して処理する上記(特許文献5及び6)の方法は、アンモニア性窒素化合物に由来しないCODに対して低減効果はなく、かつ写真廃液のような高濃度のアンモニア性窒素を含む廃液には対しては分解負荷が過大となり、エネルギー消費が大きくなったり、装置の大型化が避けられないなどの実用的な制約が大きい点が問題となっている。
したがって、写真廃液に対して、BOD及びCODならびにアンモニア性窒素のいずれをも排水基準値以下に低減させ得る、かつ実用的な、特に現像所においても実施できる廃液処理手段が強く望まれている。
本発明は、上記した背景からなされたものであり、その目的は、高濃度のCOD寄与物質及びアンモニア性窒素成分を含んでいる写真廃液に対しても下水道への排出基準を満たすレベルまで効果的にCOD及びアンモニア性窒素を低減できる写真廃液処理方法を提示することである。
本発明者は、上記目的の解決方法を見出すために、写真廃液の酸化・無害化法を鋭意研究する中で、オゾンを含有する空気を用いて写真廃液中のアンモニアをストリッピングすると、写真廃液中にオゾンを注入する公知の化学酸化法や、ストリッピングによる気相アンモニアのオゾン酸化法では得られない顕著な分解効率が得られることを見出した。この発見に基づいてさらに検討を加えて下記の本発明に到達することができた。
(1)写真廃液にオゾン含有空気を曝気して該廃液中のアンモニアをストリッピングしながら分解することにより該廃液中のアンモニア性窒素を低減することを特徴とする写真廃液の処理方法。
(2)オゾン含有空気のオゾン濃度が0.1mg/L以上、500mg/L以下であり、かつ通気量が写真廃液1リットルにつき20L/Hr以上、10000L/Hr以下であることを特徴とする上記(1)に記載の写真廃液の処理方法。
(3)写真廃液にオゾン含有空気によるストリッピングを行う前又は後に該廃液に電解酸化処理を施すことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の写真廃液の処理方法。
(4)写真廃液のpHを10以上、14以下に調整したのちストリッピングを行うことを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかに記載の写真廃液の処理方法。
(5)写真廃液の温度が40℃以上、100℃以下のもとでストリッピングを行うことを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の写真廃液の処理方法。
本発明の写真廃液の処理方法の特徴は、オゾン含有空気を用いて写真廃液のストリッピングを行うこと、すなわち高いオゾン濃度の気体注入、高いレイノルズ数の気液攪拌及び液相と気相の両相酸化の3要素が協奏した酸化処理にあり、この方法によればオゾンの使用量当たりのCOD及びアンモニア性窒素の減少量すなわちオゾンの酸化当量が向上するとともに写真廃液中COD及びアンモニア性窒素の両方の低減量の顕著な増加すなわち分解率の向上が得られる。写真廃液中にオゾンを注入する公知の液中化学酸化法では、COD除去率が50%程度でアンモニア性窒素の除去率は極めて僅かであり、また、廃水から単純な空気/蒸気ストリッピングしたアンモニアガスの公知の気相オゾン酸化法では分解促進用触媒を必要とする上にアンモニア性窒素に由来しないCODを低減する作用はない。しかも本発明におけるアンモニア性窒素の分解についてのオゾン当量に関しては化学量論以上であり、大幅なオゾン使用量の節減が可能となる。このような顕著な分解効率とオゾン容量の増加の機構は不明であるが、まずオゾンが廃液中で発生するヒドロキシラジカル等の活性の高いラジカル種の働きがあると考えられる。これらラジカルは廃液中に残存するラジカルスカベンジャーにより阻害を受けるが、本発明ではストリッピングによりラジカルスカベンジャーとして作用し得るものを無効化できると考えられる。さらに元々廃液処理に利用できずに系外に排出されるオゾンもストリッピングされたアンモニアの除去に利用できることで、高活性な酸化環境を実現できたものと推定できる。
写真廃液にオゾン含有空気を曝気してアンモニアをストリッピングしながら分解する本発明の写真廃液の処理方法によって、アンモニア性窒素のみでなくCODも効果的に低減できる。単なる空気によるストリッピングやオゾン注入酸化に比較して顕著なアンモニア性窒素とCODの低減が可能である。また、電解酸化を合わせて行うことによって一層のアンモニア性窒素とCODの低減が可能となる。
以下、本発明をさらに具体的に詳述する。
なお、本明細書では「写真処理廃液」とその簡略表現である「写真廃液」は、同義である。
[被処理廃液]
本発明の実施の形態の説明に先だって、発明の対象である写真処理廃液について述べる。写真処理廃液は、カラー写真或いはモノクローム写真の現像廃液の他、定着廃液または写真製版等写真工業で発生した多くの種類の廃液が含まれている。定着廃液は溶存している銀を回収した残液が処理の対象となる。通常これら種々の写真処理工程からの廃液は混合された状態で回収されて、処理される。
写真廃液を構成する現像廃液は、現像処理の各工程から排出された廃液であって、処理中に感光材料から溶出した例えばゼラチンや感光色素などの成分、処理中に生じた反応生成物、及び処理液処方に含まれて消費されなかった構成薬品(処理液処方の詳細は後述する)などを含んでいる廃液である。
したがって、現像廃液には、現像主薬及びその酸化生成物、アルカリ化合物及び緩衝剤、亜硫酸塩やヒドロキシルアミン誘導体などから選択される補恒剤、アルカリハライドなどを主体としており、定着廃液は、チオ硫酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩及び/又は亜硫酸のアンモニウム塩及び/又はナトリウム塩、アルカリハライドなどを主体としており、漂白廃液は、ポリアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩などの漂白剤とそれに由来する反応生成物、アルカリハライド(再ハロゲン化剤)、緩衝塩などを主体としており、漂白定着廃液は、定着廃液と漂白廃液に含まれるものとほぼ同様の成分を主体としており、その他の各工程から排出される廃液もそれらの工程液の機能性化合物とそれに由来する化合物を含有している。したがって、処理される写真廃液の成分は、現像液由来の成分や漂白液・定着液・漂白定着液由来の成分などが感光材料溶出物や処理中の反応生成物と混在しており、例えば緩衝剤(炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩など)、発色現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩、炭酸塩、硬水軟化剤、アルキレングリコール類、ベンジルアルコール類、界面活性剤(アルキルホスホン酸、アリールホスホン酸、脂肪酸カルボン酸、芳香族カルボン酸等)酸化剤(鉄(III)のEDTA錯塩、1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸錯塩など)、ハロゲン化物(臭化アルカリ、臭化アンモニウムなど)、チオ硫酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩)、酢酸塩など多岐に亘る化学成分を含んでいて、この多様性が効果的な廃液処理手段を見出すことを困難にしている。
写真廃液の組成は、処理の種類及びその処理の各工程からの廃液の混合比率によりかなり変動するが、おおよそCOD 30,000〜50,000 mg/l、BOD 5,000 〜15,000 mg/l、TOC(Total Organic Carbon) 10,000〜25,000 mg/l、ケルダール窒素 10,000 〜15,000 mg/l、トータル燐 100〜500mg/l の範囲である。COD:BOD:TOC の比率は概ね 4:1:1.5でCOD が高い特徴があり、またC:N:P の元素比率はほぼ 100:100:1でN の含有率が高い特徴がある。
[廃液処理工程]
<アンモニアストリッピング>
写真廃液のアンモニアストリッピングに用いるオゾン含有空気は、オゾナイザーで発生させたオゾン含有気に空気を混合させて所定のオゾン濃度としたオゾン含有空気、オゾナイザーに所定のオゾン濃度となるように直接大量の空気を送りこんで直接的に得たオゾン含有空気、あるいはオゾナイザーで発生させたオゾン含有気と混合用空気を別々にストリッピングカラムに送りこんでカラム内で所定のオゾン濃度となるように配した系、などのいずれの方法をも用いることができる。
オゾン含有空気のオゾン濃度は、0.1mg/L以上、500mg/L以下であり、好ましくは0.1mg/L以上、200mg/L以下であり、より好ましくは1mg/L以上、100mg/L以下である。
また、通気量が写真廃液1リットルにつき20L/Hr以上、10000L/Hr以下、好ましくは50L/Hr以上、5000L/Hr以下である。
公知の写真廃液のオゾン酸化法との基本的な相違は、公知の方法は、オゾンは注入した廃液中で消費されることが前提であり、処理後の排気中に残留するオゾンは、亜硫酸塩水溶液で洗浄するなどの無害化処理の後に環境中に放出される。したがって、洗浄負荷を少なくするためからもオゾナイザーで得られるオゾン含有空気にさらに空気を混合させることは行わない。一方、本発明ではオゾン酸化は廃液中でも、気相でも行われる。
一方、公知のアンモニアストリッピングを利用した産業廃水酸化法では、オゾンはストリップした気相アンモニアに対してのみ適用される。
これら液中酸化及び気相酸化のいずれのオゾン酸化方法も、高酸素/オゾン比、高レイノルズ数攪拌及び気液両相酸化を特徴とする本発明で得られるような効果は得られない。
オゾンを得るには、既存のオゾナイザー(オゾン発生装置)のいずれを用いてもよい。
オゾンを発生させるには無声放電を行わせたり、コロナ放電を利用したりあるいは電解反応を利用するなどの方法が採られているが、本発明に用いるオゾン発生装置は、いずれであっても特に制約はなく通常市販されているオゾン発生装置から選択して使用することができる。その中では無声放電を利用する方法が好ましい。無声放電は2つの電極の間に誘電体を介して交流高電圧をかけたとき、その間隙に起る放電現象を指すもので、放電の際にその空間に介在する酸素の一部がオゾンに変化する。誘電体は普通ガラスを用い、空間々隙は数mm、電圧は交流50〜500サイクル数千ボルトから場合によっては2万ボルトぐらいまでが使われる。
オゾン発生装置は、平板型の相対する電極群からなるものや、筒状のオゾン発生管を縦型又は横型に配置したものなどがあるが、本発明にはそのいずれも使用できる。また原料は酸素、空気いずれでもよいが、本発明においては空気を使用する方が安価で好ましい。
本発明では、オゾン含有空気によるストリッピングの際に、液相又は気相あるいはその両方に紫外光による照射処理を行なってもよい。オゾン含有空気の送気と同時に紫外光を照射するとオゾンが活性化されて酸化効率が向上する。紫外光はストリッピングカラム底部、内部又は上部気相空間部あるいはカラム周囲に設置した水銀ランプ等の光源より照射される。水銀ランプはランプ内部の水銀蒸気圧により低圧、高圧、超高圧に分類されていてそれぞれ遠紫外の輝線,近遠紫外の輝線,紫外連続スペクトルを発するが、オゾンガスは励起波長領域が広いので本発明の目的にはどの型のものでも使用でき、そのランプの電力量は、COD値と廃液成分の分解性によって異なるが、目安として廃液量100kgに対して5WHrから600WHrが好ましく、中でも20WHrから500WHrがより好ましい。
液相酸化の方法の一態様としては、紫外光を効率良く透過するストリッピングカラムに処理水を導びき入れオゾン含有空気をカラム底部に設けたガラスボールフィルター(気孔径40〜50μm)を通して送気する形式が挙げられる。
写真廃液中のアンモニアを廃液からストリッピングするための装置としては、オゾンに対する耐腐食性を備えているものであれば、公知の装置を用いることができる。好ましい装置は、ストリッピングカラムである。この際、廃液のpHは、中性乃至アルカリ性であれば支障はないが、アンモニアのストリッピング効率を高めるために、好ましくは苛性ソーダ等でpH10〜14のアルカリ性に、より好ましくはpHを10〜13のアルカリ性に調整される。使用される水酸化アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムなどの水溶液又は固形物を用いることができるが、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液又は固形物を用いることが、価格や溶解度のなどの点から好ましい。
アルカリ性にpH調整された廃液は、ストリッピングカラム中で、加熱や吹き込み水蒸気等によって更に加熱されることが好ましく、アンモニアガスがストリッピングされる。ストリッピング温度は、常温以上で行われるが、好ましくは常温よりも高い温度が用いられる。その温度は、廃液中のアンモニアの濃度によって差異はあるが、好ましくは40〜100℃であり、より好ましくは50〜100℃である。100℃あるいはそれに近い温度でストリッピングが行われる場合は、オゾン含有空気又はオゾン含有気と空気の混合空気と、水蒸気とを別々にストッピングカラムに導入する方式が好ましい。
本工程で使用される好ましいストリッピングカラムは、棚段塔や充填塔であるが、アンモニアガスが効率よくストリッピングされるカラムであれば特に限定されない。又、カラムの操作条件も特に限定されることなくストリッピング及び酸化に適した条件が選択される。
ストリッピングされたアンモニアは、気相酸化によって窒素ガスと水に酸化分解される。その際アンモニア分解・酸化触媒を存在させてもよい。酸化触媒としては、アンモニアの酸化に使用される従来公知の酸化触媒が全て使用出来、例えば、白金、ロジウム等が挙げられる。
ストリッピングされたアンモニアの気相オゾン酸化処理を施された後、装置からの排出ガスは、必要により熱交換を行い、さらに亜硫酸塩水溶液などのオゾン・アンモニア捕集液で処理したり、又は触媒によって分解除去したりするなど、残存しているかもしれない未反応オゾンやアンモニアを吸収除去してから排出するが、触媒による分解除去が好ましい。触媒としては、活性炭、金属酸化物などが用いられるが、金属酸化物は触媒の損失が少ない点で好ましい。
また、排気された使用済み混合空気の一部は、オゾン捕集液で処理しないで循環・再使用してもよい。
上記のオゾンおよびオゾンと紫外光による処理については、その実施態様の具体化に際して、水処理技術第32巻1号3頁(1991)、工業用水第349号15頁(1987)、ACS Symposium Ser.(Am. Chem. Soc.) 第259号195頁(1984)などの記載を参考にすることができる。
<電解酸化処理>
写真廃液にオゾン含有空気によるアンモニアストリッピングを施す前又は後に電解酸化処理を行ってもよい。電解酸化処理の付加によって、COD及びアンモニア性窒素、とくにCODの分解率はさらに向上する。
電解酸化法について述べる。写真廃液中には、一般的に若干量のハロゲン化イオンが存在するので電解により塩素(ハロゲン)イオンは陽極で酸化されて更に水と反応して次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)イオンが生成するが、その生成量は写真廃液中の高濃度のCOD寄与成分やアンモニア性窒素化合物の量に対して化学量論的に到底及ばない。
一方、写真廃液は高い腐食性をもっているので、電解槽はこれらの成分に耐える耐食性材料である白金、フェライト、ステンレス、酸化皮膜が速やかに形成される鉄、硬質プラスチック等を選択する必要がある。
陽極は、酸化され難い耐蝕材質である白金、ステンレス、カーボン(とくにグラファイトや基板上に層形成されたダイヤモンド)、チタン、酸化皮膜が速やかに形成される鉄等が好ましい。
陰極は、電解酸化反応には直接関与しないが、廃液に対して不活性な材質である白金、ステンレス、チタン、カーボン等が好ましい。
例えば、陽極にはステンレス、ダイヤモンド層、酸化皮膜が速やかに形成される鉄を、陰極にはステンレス、チタンなどの電極が好ましい。また、反応液中には多量の懸濁成分が含まれているため、電極への懸濁物の沈澱を防止して均一な酸化反応を起こさせ、電流効率を高めるためには回転電極を用いることも好ましい。
本発明においては、電解槽の構造は公知の各種の構成で用いることができる。すなわち、単一室セルであってもよく、又は陽極と陰極が膜で仕切られた分割セルであってもよい。最も簡単な実施態様は、単一室セルである。単一室セルでは、陽極と陰極を隔てるバリヤーがなく、したがって溶質は陽極と陰極間を移動するのに制限を受けない。このような単一室方式は、一般的には陽極で酸化された成分がその後陰極で還元されるという可能性を持っているが、写真廃液成分の電気的酸化分解反応の場合は、酸化種の大半は非可逆的な酸化を受けるのでそのリスクの可能性は殆どない。
2室セルにおいては、イオン交換膜、ミクロろ過膜、半透膜、多孔性膜例えば多孔性セラミックスなどの通電性隔膜を陽極と陰極の間に挿入する。イオン交換膜はあるタイプのイオン種のみを陽極液から陰極液へ又はその逆方向へ通過させることができる。膜の機能は、陽極液と陰極液が混合することなく電気的中性を保持することである。また、適当な膜を用いれば、その膜を通過して移動するイオンの性質を制御することができる。例えば、陰極室でチオ硫酸イオンや亜硫酸イオンが還元されて生成した硫黄イオンにとって硫化銀が生成して沈殿し、陰極室内で捕集する本発明の好ましい態様が可能である。なかでもイオン交換膜、半透膜、セラミックスなどが両極を分ける隔膜として好ましい。
電解酸化処理の温度は常温或いはこれよりやや高い温度が好ましく、また、電圧は5.0 〜8.0 V 、電流密度は、0.5〜100 A/dm2が好ましく、より好ましくは5 〜50 A/dm2がよい。
また、電解は回分法でも連続法の何れでもよい。回分式の好ましい電圧印加方式としては、電解初期(COD低減目標値の2〜10%相当の間)は4〜6A/dm2の比較的低電流密度を適用し、電解の進行と共に電流密度を高めてCOD低減目標値の10%相当程度に電解した後は、定常的な電流密度、例えば12〜20A/dm2 の電流密度を適用することによって電気分解を続けるのも好ましい態様である。
写真廃液には、写真処理液由来の界面活性剤が含まれているが、電解酸化中の発泡を抑制するために、さらにノニオン性界面活性剤のような消泡剤を使用することができる。例えば、BASF社によって上市されているPluronic(登録商標)シリーズからのもの、好ましくはPluronic−31R1Polyol(登録商標)(メタノール溶液のポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとの序列コポリマー)を用いてもよい。しかし、消泡剤を使用する場合、泡の形成を避けるために必要な最低量で使用する。例えば、Pluronic−31R1Polyol(登録商標)消泡剤ではその添加量は、0.15mL/処理廃液L以下でよい。
電解酸化処理の程度にもよるが、好ましい条件ではこの処理過程で廃液中のCOD の10〜40%、多くの場合10〜20%が低減される。しかしながら、電解酸化処理の大きな利点は、COD の低減効果以上に、前記したように電解酸化処理後の廃液は物理化学的酸化処理による分解率が向上することある。実際に、物理化学的酸化処理では分解性がない現像主薬成分、EDTA、Fe+3−EDTA錯塩等の化合物の大部分が電解酸化処理によって物理化学的に酸化分解可能な物質に変化する。
本発明の廃水処理方法における電解酸化処理では、高速度攪拌の電解酸化処理装置を用いると効果が増加する。本発明に適用される高速度電解酸化処理装置には、振動板を備えた攪拌装置を用いて電解液を振動板の振動のよって攪拌させて電解酸化を行なう処理方式も好ましく、振動周波数を適当に選択することによって、極めて高い電解酸化速度とCOD低減効果が得られる。
本発明に好ましく用いられる攪拌装置の例としては、振動板を電動機と結合させて電動機の回転を振動板の振動に変換させ、その振動によって電解液に攪拌作用を及ぼさせる方式のものが挙げられる。その振動周波数は、10cycle/sec以上100cycle/sec以下であり、好ましくは15cycle/sec以上80cycle/sec以下であり、より好ましくは20cycle/sec以上60cycle/sec以下である。
また、前記の好ましい攪拌装置は、少なくとも1個の振動板を有するものであるが、好ましくは複数個の振動板を配列させた構成である。複数個の振動板からなる攪拌装置の場合は、振動板の配列の形態は、好ましくは振動板の板面が一平面内になるように一列に並べた形態、振動板を板面を並行にして板面方向に直角方向に重ね合わせた多段式の形態、あるいは振動板の板面同士は並行であるが、板面が重ね方向と斜めになるように重ね合わせた斜め多段式形態のいずれであってもよいが、いずれの場合も各振動板の間に液流が確保されるように振動板同士は互いに一定間隔を置いて配列される。その間隔は、1〜200mmであり、好ましくは2〜150mm、より好ましくは、3〜100mmである。
また、振動板の形状は矩形、楕円形、梯形、正方形、矩形又は正方形の各稜に丸みを持たせた形のいずれでもよいが、好ましくは矩形又はその稜に丸みを与えた形である。振動板のサイズは、電解酸化槽の大きさに応じて適宜選択することができる。目安としては振動板の片面の面積が電解槽断面積の1/1000〜1/5であり、好ましくは1/50〜1/5である。その厚みは振動板が金属板の場合はその長辺(長径)の1/100〜1/5であり、好ましくは1/10〜1/20であり、振動板が樹脂板の場合は、1/50〜1/5であり、好ましくは1/20〜1/10である。
[写真処理液]
写真処理液は、カラー感光材料と黒白感光材料の処理に用いられるが、処理されるカラー感光材料としてはカラーペーパー、カラー反転ペーパー、撮影用カラーネガフィルム、カラー反転フィルム、映画用ネガもしくはポジフィルム、直接ポジカラー感光材料などを挙げることができ、黒白感光材料としては、Xレイフィルム、印刷用感光材料、マイクロフィルム、撮影用黒白フィルムなどを挙げることができる。
本発明に適用される写真処理廃液は、写真処理液成分を主成分としているが、写真処理廃液には、写真処理液に添加されている素材のほか写真処理過程で生成した現像主薬の酸化体、硫酸塩、ハライドなどの反応生成物や、感光材料から溶け出した微量のゼラチン、感光色素、界面活性剤などの成分が含まれている。
写真処理液にはカラー処理液、黒白処理液、製版作業に伴う減力液、現像処理タンク洗浄液などがあり、黒白現像液、カラー現像液、定着液、漂白液、漂白定着液、画像安定化液などが挙げられる。
カラー現像液は、通常、芳香族第一級アミンカラー現像主薬を主成分として含有する。それは主にp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例はN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミノアニリンである。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩である。該芳香族第一級アミン現像主薬の含有量は現像液1リットル当り約0.5g〜約10gの範囲である。
また黒白現像液中には、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3−ピラゾリドン、N−メチル−p−アミノフェノール及びその硫酸塩、ヒドロキノン及びそのスルホン酸塩などが含まれている。
カラー及び黒白現像液には保恒剤として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩や、カルボニル亜硫酸付加物を含有するのが普通で、これらの含有量は現像液1リットル当たりカラー現像液では5g以下、多くは3g以下(無添加も含む)、黒白現像液では0g〜50gである。
カラー及び黒白現像液中には、保恒剤として種々のヒドロキシルアミン類を含んでいる。ヒドロキシルアミン類は置換又は無置換いずれも用いられる。置換体としてはヒドロキシアルミン類の窒素原子が低級アルキル基によって置換されているもの、とくに2個のアルキル基(例えば炭素数1〜3)によって置換されたN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミン類が挙げられる。またN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミンとトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンの組合せも用いられる。ヒドロキシルアミン類の含有量は現像液1リットル当り0〜5gである。
カラー及び黒白現像液は、pH9〜12である。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤が用いられる。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシン塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性やpH9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であるといった利点を有し、これらの緩衝剤が多く用いられる。該緩衝剤の現像液への添加量は通常現像液1リットル当たり0.1モル〜1モルである。
その他、現像液中にはカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤として、或いは現像液の安定性向上のために各種キレート剤が添加される。その代表例としてニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ−N,N,N−トリメリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等を挙げることができる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用されることもある。
現像液は、各種の現像促進剤を含有する。現像促進剤としては、チオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合物、チオン型化合物、イミダゾール類等である。
多くのカラーペーパー用カラー現像液は、上記のカラー現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩、炭酸塩、硬水軟化剤などと共にシルキレングリコール類やベンジルアルコール類を含んでいる。一方カラーネガ用現像液、カラーポジ用現像液、一部のカラーペーパー用現像液は、これらのアルコール類を含んでいない。
また、現像液中には、カブリ防止の目的で、臭素イオンを含有することが多いが、塩化銀を主体とする感光材料に対しては臭素イオンを含まない現像液を用いることもある。その他、無機カブリ防止剤としてNaClやKClなどの塩素イオンを与える化合物を含有していることがある。また各種有機カブリ防止剤を含有していていることも多い。有機カブリ防止剤としては、例えば、アデニン類、ベンズイミダゾール類、ベンズトリアゾール類及びテトラゾール類を含有していてせよい。これらのカブリ防止剤の含有量は現像液1リットル当り0.010g〜2gである。これらのカブリ防止剤は処理中に感光材料中から溶出し、現像液中に蓄積するものも含まれる。特に本発明において上記したような臭素イオンや塩素イオン等の総ハロゲンイオン濃度が混合液1リットル当たり1ミリモル以上であるような廃液においても有効に処理することができる。特に臭素イオン濃度が混合液1リットル当たり1ミリモル以上の場合に有効である。
また、現像液中には、アルキルホスホン酸、アリールホスホン酸、脂肪酸カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を含有している。
黒白写真処理においては、現像処理の後に定着処理が行なわれる。カラー写真処理においては、現像処理と定着処理の間に通常漂白処理が行なわれ、漂白処理は定着処理と同時に漂白定着(ブリックス)で行なわれることもある。漂白液には、酸化剤として鉄(III) 又はCo(III) のEDTA、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸塩、ホスホノカルボン酸塩そのほか過硫酸塩、キノン類などが含まれている。そのほか、臭化アルカリ、臭化アンモニウムなどの再ハロゲン化剤、硼酸塩類、炭酸塩類、硝酸塩類を適宜含有する場合もある。定着液や漂白定着液には通常チオ硫酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩)、酢酸塩、ホウ酸塩、アンモニウム又はカリ明ばん亜硫酸塩などを含有していている。
ハロゲン化銀写真感光材料の処理においては、定着処理あるいは漂白定着処理行なった後、水洗及び/又は安定処理を行なうことが一般的である。水洗処理においては、その処理槽にバクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じることがある。このような問題の解決策として、水洗水に特開昭61−131632号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を用いることができる。また、特開昭57−8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」に記載の殺菌剤を用いることもある。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明の範囲をなんら限定するものではない。
[実施例1]
(廃液の調整)
銀回収系廃液(カラー写真処理CN−16 の定着液、CN−16Qの漂白液と定着液の混合液、CP−20の漂白定着液、CP−23の漂白定着液、および水を各々4、1、3、2、2の体積比で混合した後銀回収処理を施したもの)と現像液系廃液(カラー写真処理CN−16、CN−16Q、CP−20、CP−23各々の現像液および水を各々4、1、3、2、2の体積比で混合したもの)とを体積比で1対1で混合した。このように調製された廃液のpHは7.5であった。この液のCODは45000mg/L、NH4 −Nは8000mg/Lであった。上記した各液CN−16、CN−16Q、CP−20、CP−23、はいずれも富士写真フイルム(株)製の処理液の商品名である。
(廃液の処理)
本実施例においては以下A〜Cの処理を単独あるいは組み合わせて行った。
A.ストリッピング処理
処理廃液1Lを反応容器に入れpHを水酸化ナトリウム溶液で11に調整し、液温度を40℃に設定した後、容器上部より差し込まれた2個のボールフィルター(孔径グレード2G、25mmφ、木下理化工業製)付ガラス管から空気を2L/minの速度で5時間通気させた。通気中の処理液は、pHスタット(FC−10東京理化製)を設置してpHが一定値に維持されるようにした。また、温度はサーモスタットによって40℃に維持された。
B.オゾン含有空気による処理
処理廃液1Lを反応容器に入れ、容器上部より差し込まれた2個のボールフィルター(孔径グレード2G、25mmφ、木下理化工業製)付ガラス管からオゾン発生装置(OZSD−3000A、荏原実業製)で発生させたオゾンを通気した。このときオゾン含有空気の通気速度は0.5L/min、オゾンの通気速度は1.5g/hrの速度で5時間通気させた。反応中の処理液は、pHスタット(FC−10東京理化製)を設置してpHが一定値(原料の写真廃液のpH、すなわち7.5)に維持されるようにした。また、温度はサーモスタットによって15℃に維持された。
C.電解処理
純粋な白金でコーティングした金属チタン陽極(ショーワ製)と、交互に積層したチタン陰極からなる小型電解槽に、処理廃液1000mLを、600mL/分の速度で電極に直角に循環させた。電流密度は3.33A/dm2 であった。電気分解を定電流電解方式で実施し、電流の強さを10Aに設定した。温度を25℃に維持した。開始時のpHは水酸化ナトリウム水溶液を添加することで9に調整し、24時間電気分解処理を行った。
以上3種の処理を上記調整廃液に対して単独処理、組み合わせ処理あるいは組み合わせ順序を変えた処理を実施した。組み合わせ処理は以下の内容である。
A、B組合わせとは、Bの処理で処理廃液のpHを水酸化ナトリウム溶液で11に、液温度を40℃に設定することを意味する。
A、C組合わせとは、Cの処理で処理廃液のpHを水酸化ナトリウム溶液で11に、液温度を40℃に設定し、空気を1L/minの速度で電解槽に空気を送り込んで曝気させることを意味する。
なお、反応容器からの気体出口にはガストラップを設け、通気を行った場合は揮散したアンモニア量を定量した。
実施内容と処理後の廃液中のCOD及び、NH−Nの測定濃度値、及びストリッピングにより揮散したNH−N(廃液中の濃度分に換算)を表1に示した。COD及びアンモニア性窒素の測定方法は、いずれもJIS K0102 (工業排水の試験方法)記載の方法によった。
Figure 2005034732
表1に示した結果から、試験1の処理Aのストリッピングによって廃液中のアンモニアは大部分揮散できるが、当然ストリッピングのみではCODを低減する効果はほとんどないこと、処理Bのオゾン処理、処理Cの電解処理のいずれも単独処理ではCOD低減効果が不十分であるだけでなく、溶存アンモニアの除去がほとんど進まないことが判る。処理A,B組み合わせ、すなわちストリッピング法にオゾンを用いることで、それぞれの単独処理の結果からは予想できないレベルまでアンモニア、CODを効率的に除去できる上に、ストリッピング後の気体中のアンモニアは、追加の分散処理が必要ないレベルまで除去されていることがわかる。さらに、電解処理を施した後にオゾン曝気によるストリッピングを行う方法、及びオゾン曝気によるストリッピングの後に残留液を電解処理する方法は、いずれもCOD、アンモニア除去に対する効果が特に大きく、ここに写真廃液の溶存CODとアンモニアを除去できる有効な手段を提供することが可能となった。

Claims (5)

  1. 写真廃液にオゾン含有空気を曝気して該廃液中のアンモニアをストリッピングしながら分解することにより該廃液中のアンモニア性窒素を低減することを特徴とする写真廃液の処理方法。
  2. オゾン含有空気のオゾン濃度が0.1mg/L以上、500mg/L以下であり、かつ通気量が写真廃液1リットルにつき20L/Hr以上、10000L/Hr以下であることを特徴とする請求項1に記載の写真廃液の処理方法。
  3. 写真廃液にオゾン含有空気によるストリッピングを行う前又は後に該廃液に電解酸化処理を施すことを特徴とする請求項1又は2に記載の写真廃液の処理方法。
  4. 写真廃液のpHを10以上、14以下に調整したのちストリッピングを行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の写真廃液の処理方法。
  5. 写真廃液の温度が40℃以上、100℃以下のもとでストリッピングを行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の写真廃液の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007185579A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 水処理方法及びシステム
JP4663012B2 (ja) * 2005-06-14 2011-03-30 韓国電力技術株式会社 窒素化合物の逆転電気透析−電気化学的廃水処理工程
JP2019141824A (ja) * 2018-02-23 2019-08-29 住友金属鉱山株式会社 液体の処理方法

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