JP2005034599A - 加熱機能付容器 - Google Patents

加熱機能付容器 Download PDF

Info

Publication number
JP2005034599A
JP2005034599A JP2003312680A JP2003312680A JP2005034599A JP 2005034599 A JP2005034599 A JP 2005034599A JP 2003312680 A JP2003312680 A JP 2003312680A JP 2003312680 A JP2003312680 A JP 2003312680A JP 2005034599 A JP2005034599 A JP 2005034599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
container
reaction
heated
heating function
substance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003312680A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Shinohara
博 篠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2003312680A priority Critical patent/JP2005034599A/ja
Publication of JP2005034599A publication Critical patent/JP2005034599A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Packages (AREA)
  • Cookers (AREA)
  • Package Specialized In Special Use (AREA)

Abstract

【課題】 発熱化学反応の誤動作を生じることなく短時間で手軽に好みの加熱具合で被加熱物を加熱することができる加熱機能付容器を提供することである。
【解決手段】 上部及び下部に第1及び第2の開口部を備え底部に少なくとも1の連通孔15を有する押圧部14を設けこの押圧部14上に被加熱物12を収容した容器11を載置可能に収容する容器本体4と、容器11を押圧部14上に固定可能な押さえ部2と、第2の開口部を閉塞する反応容器9とからなる加熱機能付容器1であって、容器本体4の上部には少なくとも1の外部連通孔5を備え、反応容器9には反応誘発物質20と発熱物質17とが収容され、押圧部14を下方に移動させて反応誘発物質20と発熱物質17を混合させて加熱蒸気を発生させ反応誘発物質20と発熱物質17を混合させて加熱蒸気を発生し、連通孔15及び外部連通孔5に加熱蒸気を導くものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、発熱物質と反応誘発物質によって生じる発熱化学反応を用いて酒、スープ及びカレー等の飲食物を加熱する加熱機能付容器に関する。
一般に、日本酒はそのまま常温で飲むか、あるいは燗をつけたり、冷やしたりしてから飲まれることが多い。特に、冷やしてから飲む場合には単に日本酒を冷蔵庫に入れて任意時間冷却するだけで日本酒の風味を損なうことなく美味しい日本酒を味わうことができる。また、燗をつけて飲む場合には日本酒を徳利等に移し変えて湯せん、酒燗器または電子レンジで加熱することによって冷酒とは違った美味しさの日本酒を堪能することができ、温まり具合によっても香味の感じ方が異なるため様々な味を楽しむことができる。
しかしながら、日本酒を燗につけて飲む場合には日本酒を加熱する手段が必要であるため、自宅、飲食店及びホテル等のガス台や電子レンジがあるところでしか燗につけた日本酒を味わうことができないという課題があった。また、冷やした日本酒は冷却時間が長くなってもそれほど風味はなくならないため自動販売機で販売することができ外出先でも飲用することは可能であるが、燗をつけた日本酒は加熱時間が長すぎると香味のバランスが崩れて日本酒の臭いがきつくなり味を悪くしてしまうため自動販売機で販売できないという課題があった。
このような課題に対処するため、いくつかの発明及び考案が開示されている。
例えば、特許文献1には、「加熱機能付き容器」という名称で、発熱化学反応によって発生する水蒸気が容易に容器外へ排出される蓋構造とすることで高いレベルの安全性を確保した加熱機能付き容器に関する発明が開示されている。
以下、図6を参照しながら、特許文献1に開示された技術について説明する。図6は従来技術に係る加熱機能付き容器を示す縦断面図である。
図6は特許文献1に開示された加熱機能付き容器を反転させた状態を示しており、飲み口となる開口部が下方に通常底部となる部分が上方にくるように載置された状態を示している。図6に示すように加熱機能付き容器は、被加熱物である飲用可能な内容物33を収容した容器本体23と、飲み口となる開口部を閉塞している蓋32と、容器本体23底面開口部を閉塞し内側中央部に剥離用突起31aを備えかつ表面に円弧状のスリット(外側通気孔)31bを有した保護キャップ31と、この保護キャップ31に係止して容器本体23に没入されている反応室24とから構成されており、反応室24には小さく砕いた生石灰からなる発熱物質34が収容されている。また、発熱物質34は底壁24a及び側壁24bを介して内容物33と接している。符号25は容器本体23及び保護キャップ31の周側面を被覆している発泡シュリンクフィルムである。
さらに、反応室24の開口部には環状壁(円筒状縦壁)26b、円筒形の側壁(円筒状縦壁)26c及び外凸形状壁(上壁)27で一体に形成され内部に反応誘発液35を収容した液体容器26が係止収容されており、反応誘発液35は薄いアルミ箔のシート28を介して発熱物質34と接触している。シート28は接着剤で反応室24に貼付されている。そして、薄肉に作製された外凸形状壁(上壁)27は外凸形状壁(上壁)27中央部の突起27b,27cを押圧することで突起27bの周りに形成されている複数のV字溝の凹み27aが容易に凸凹反転される構造となっている。つまり、突起27bを押圧することで、図6に示すような凸形状の外凸形状壁(上壁)27が凹形状に変形されるのである。さらに、突起27cの凹部27dには先端に円形の切刃が設けられている押し棒29が嵌合されており、突起27bを押圧すると押し棒29の先端の切刃がシート28を破断して液体容器26内の反応誘発液35が反応室24内へと流入し発熱化学反応を開始する仕組みとなっている。符号26aは通気孔(内側通気孔)であり、符号30は反応室24及び液体容器26の開口部を閉塞する蓋である。
以上のような構造により、内容物33を加熱する場合にははじめに図6に示すように飲み口が下方に保護キャップ31が上方にくるように載置して、保護キャップ31の中央部を指等で押圧する。すると、保護キャップ31の下部に設けられている剥離用突起31aが蓋30の一部を剥離または破断するとともに外凸形状壁(上壁)27が押圧されて複数のV字溝の凹み27aが凸形状から凹形状へと変形され、突起27cに嵌合している押し棒29が先端の円形切刃でシート28を破断する。これにより、液体容器26内の反応誘発液35が反応室24内へと流入し発熱化学反応が開始されるので、飲み口が上方にくるように容器本体23を反転させる。ここで言う発熱物質34及び反応誘発液35は主に生石灰及び水であり生石灰と水との反応により水蒸気と熱が発生する。反応室24内で発生した熱は発熱化学反応が開始されてからしばらくすると反応室24の外周壁、すなわち、底壁24a及び側壁24bを加熱してさらに内容物33へと伝導され、内容物33を加熱する。
また、発生した水蒸気は液体容器26上部の通気孔(内側通気孔)26a及び保護キャップ31に設けられたスリット(外側通気孔)31bを通って外部へと排出されるため、反応室24内が高圧になることがないとともに、通気孔となる通気孔(内側通気孔)26a及びスリット(外側通気孔)31bは開口面積が小さいため高温高圧の水蒸気が勢いよく吹き出す恐れがないため、安全に被加熱物を加熱することができる。
また、特許文献2には、「加熱機能付容器」という名称で、被加熱物の加熱時間を短縮させることのできる加熱機能付容器に関する発明が開示されている。
以下、特許文献2に開示された技術について説明する。
特許文献2に開示された加熱機能付容器は、特許文献1と同様に被加熱物を収容した容器本体と、反応誘発液が収容された液体容器と、この液体容器を備えかつ発熱物質を収容した反応室と、反応室の開口部及びこれと反対の端の開口部を閉塞している下蓋及び上蓋と、液体容器底部から容器本体の内側に向って立設し先端に破断部材を備えた押し棒とから構成されており、発熱物質と反応誘発物質はシートを介して接触している。このため、下蓋中央部を指で押圧することにより押し棒がシートを破断して反応誘発液が発熱物質と混合されて発熱化学反応を起こし特許文献1と同様の原理で被加熱物を加熱する構造となっている。ここで言う反応誘発液、発熱物質、液体容器、反応室、押し棒及びシートは特許文献2ではそれぞれ液状反応助剤、発熱剤、内容器、発熱室、操作体及び膜状部材と記載されている。
加えて、特許文献2の加熱機能付容器では液体容器底部外側表面には下蓋に穿孔を行うための突起が設けられており、反応室内が減圧状態となっているため、押し棒によるシートの破断とともに反応室内が減圧状態から常圧状態に戻される。これにより、外部の空気が反応室へと入り込み、それに伴って反応誘発液が反応室内へと引き込まれる。したがって、特許文献1に比べて大量の反応誘発液が発熱物質に添加されるため発熱化学反応の反応速度が増加され、短時間で被加熱物を加熱することができる。さらに、反応室内に流入される空気によって発熱化学反応で生じた水蒸気や反応誘発液が反応室内へと押し戻されるため、これらが外部へ流出しないという効果がある。
また、特許文献3には、「加温容器」という名称で、発熱物質と誘発物質(特許文献1では反応誘発液と記載されている。)による発熱化学反応によって生じた高温の水蒸気を有効に使用することのできる加温容器に関する発明が開示されている。
以下、特許文献3に開示された技術について説明する。
特許文献3に加温容器は、特許文献1に開示された加熱機能付容器とほぼ同じ構造であり、反応室内の発熱物質と反応誘発液が層状、すなわち、発熱物質の中央部に袋等のパック体に収容された反応誘発液が収容された構造になっている。そして、反応室中央部に設けられたこのパック体を壊裂させることで発熱化学反応を開始させる仕組みとなっている。したがって、特許文献1のような二層構造ではなく反応誘発液を中間層に設けた三層構造とすることでパック体を壊裂させたときに反応誘発液が発熱物質に接触する面積を大きくし、確実に発熱化学反応を開始させることができる。
さらに、発熱物質の中に耐熱性の希釈兼保温材を混入させることで発熱化学反応によって生じる熱で被加熱物の加熱と保温の両方に利用することもできる。
特開平8−301364号公報 特開平8−217159号公報 特開平6−191565号公報
しかしながら、上述の従来の技術においては、特許文献1に開示された発明においては、保護キャップ中央部を指等で押圧することによって容易に発熱物質と反応誘発液による発熱化学反応を起こして内容物を加熱することができるものの、保護キャップの下方に設けられている液体容器のフランジ中央部にはスリットが円弧状に複数備えられているため柔軟性が増加して容易に押圧される可能性があり、誤って保護キャップ中央部が押圧された場合には発熱化学反応が開始されるという課題があった。また、発熱化学反応を起こす場合には容器本体を上下逆にして保護キャップを押圧し、その後再度反転させなければならないという手間が生じるという課題があった。
また、保護キャップ中央部の押圧により破断されるシートの面積が小さく、かつ、反応誘発液が発熱物質に添加される構造であるため、シート破断部分からの反応誘発液の流出量が少なく発熱化学反応が開始されて終了するまでに時間がかかり内容物を加熱するのに時間がかかるとともに、うまくシートが破断されない場合には発熱化学反応が開始されない可能性があるという課題があった。
さらに、反応室は容器本体と一体に形成されており取外し可能な構造ではないため内容物を一定の温度にしか加熱することができず内容物の加熱具合を調節することができないという課題があった。
特許文献2に開示された発明においては、発熱剤が収容された発熱室内を減圧状態にしておくことで操作体による膜状部材の破断とともに外部から発熱室内に取り込まれる空気によって大量の液状反応助剤が発熱室へと引き込まれるため、発熱化学反応の反応速度が増加され短時間で被加熱物を加熱することができるとともに、発熱化学反応で生じた水蒸気や液状反応助剤の外部への流出を防止することができるものの、特許文献1と同様に指等で容器本体底部を押圧して発熱化学反応を開始させる構造であるため誤動作によって発熱化学反応が開始される可能性があるという課題があった。また、発熱化学反応を開始させるために行われる反転動作に関する手間や、容器本体と発熱室が一体に形成されているため被加熱物の加熱具合を調節することができないという課題も特許文献1と同様であった。
特許文献3に開示された発明においては、反応室内の構造を発熱物質の中央部に耐熱性の希釈兼保温材を混入させた誘発物質を収容した袋等のパック体を設ける構造とすることでパック体を壊裂させたときに誘発物質が発熱物質に接触する面積を大きくし確実に発熱化学反応を開始させることができるとともに、容器本体に保温効果を持たせて発熱化学反応によって生じる熱を有効に使用することができるものの、発熱作動用材でパック体の一部を貫通させる構造であるため反応室内に流出する誘発物質の量は少なく発熱化学反応が開始されて終了するまでに時間がかかるという課題があった。また、特許文献1及び特許文献2と同様に、発熱化学反応を起こす場合には容器本体の反転動作を行う必要があるとともに、収容室内の被加熱物の加熱具合を調節することができないという課題もあった。
本発明はかかる従来の事情に対処してなされたものであり、誤って発熱化学反応を生じることなく短時間で安全に加熱可能であり、また、手軽に使用者自身の所望の加熱具合で被加熱物を加熱することができる加熱機能付容器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明である加熱機能付容器は、上部及び下部に第1及び第2の開口部を備え底部に少なくとも1の連通孔を有する押圧部を設けこの押圧部上に被加熱物を収容した容器を載置可能な容器本体と、この容器本体上部に装着され容器を押圧部上に固定可能な押さえ部と、第2の開口部に装着して第2の開口部を閉塞する反応容器とからなる加熱機能付容器であって、容器本体の上部には少なくとも1の外部連通孔を備え、反応容器には反応誘発物質とこの反応誘発物質と混合することによって発熱する発熱物質とが収容され、押圧部を下方に移動させ反応誘発物質と発熱物質を混合させて加熱蒸気を発生し、連通孔及び外部連通孔に加熱蒸気を導くものである。
上記構成の加熱機能付容器においては、反応容器を第2の開口部に押込むことによって容器本体底部のほぼ全面に設けられた押圧部が下方に移動して反応誘発物質と発熱物質を一気に混合し発熱化学反応を開始させるという作用を有するとともに、発熱化学反応によって発生した加熱蒸気を連通孔及び外部連通孔を介して外部へ放出するという作用を有する。また、これにより被加熱物を収容した容器が容器底部及び周囲から加熱されるという作用を有する。
また、請求項2記載の発明である加熱機能付容器は、上部及び下部に第1及び第2の開口部を備え被加熱物を収容した容器を載置可能で底部に少なくとも1の第1の連通孔を有する被加熱物容器載置部とこの下部に設けられ少なくとも1の第2の連通孔を有する押圧部とを備えた容器本体と、この容器本体上部に装着され容器を被加熱物容器載置部に固定可能な押さえ部と、第2の開口部に装着して第2の開口部を閉塞する反応容器とからなる加熱機能付容器であって、容器本体の上部には少なくとも1の外部連通孔を備え、反応容器には反応誘発物質とこの反応誘発物質と混合することによって発熱する発熱物質とが収容され、押圧部を下方に移動させ反応誘発物質と発熱物質を混合させて加熱蒸気を発生し、第1の連通孔、第2の連通孔及び外部連通孔に加熱蒸気を導くものである。
上記構成の加熱機能付容器においては、請求項1と同様の作用を有するとともに、第1の連通孔、第2の連通孔及び外部連通孔を介して発熱化学反応によって生じた加熱蒸気を外部へ放出するという作用を有する。
また、請求項3記載の発明である加熱機能付容器は、請求項1又は請求項2に記載の加熱機能付容器において、容器本体側面には容器本体上部に備えられる外部連通孔の下部に流路が形成されているものである。
上記構成の加熱機能付容器においては、容器本体上部に備えられる外部連通孔から放出された加熱蒸気が容器本体側面に形成された流路を伝わり容器本体下部へと流れ落ちるという作用を有する。
請求項4記載の発明である加熱機能付容器は、請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の加熱機能付容器において、容器本体と反応容器の間に取外し可能な移動阻止部材が周設されているものである。
上記構成の加熱機能付容器においては、反応容器が誤って容器本体に押込まれるのを防止するという作用を有する。
また、請求項5記載の発明である加熱機能付容器は、請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の加熱機能付容器において加熱機能付容器の周側面に覆設される被覆部材を有するものである。
上記構成の加熱機能付容器においては、被覆部材が外部連通孔から蒸気が直に放出されることを阻止する。また、加熱機能付容器全体を被覆部材で覆う構造とすることで押さえ部、容器本体及び反応容器の軸方向や周方向への相対的な位置ずれを防止するという作用を有するとともに、請求項4に記載の加熱機能付容器に備えられる移動部材が容器本体下部から外れ落ちるのを防止するという作用を有する。加えて、加熱機能付容器の運搬・流通時における外部からの容器本体及び反応容器内への塵や埃等の侵入を阻止するという作用を有する。
以上説明したように、本発明の請求項1に記載の加熱機能付容器においては、反応容器を容器本体に押込むという簡単な操作で効率的に短時間で被加熱物を加熱することができるとともに、反応容器あるいは被加熱物が収容されている容器を容器本体から取外すことで被加熱物を好みの加熱具合で加熱することができる。
また、本発明の請求項2に記載の加熱機能付容器においては、請求項1の効果と同様の効果を有する。
本発明の請求項3に記載の加熱機能付容器においては、請求項1及び請求項2の効果に加えて、容器本体側面の外部連通孔の下部に流路を形成することで発熱化学反応により反応容器内で発生した加熱蒸気が外部に放出される際に結露した液体を導くことができる。
また、本発明の請求項4に記載の加熱機能付容器においては、請求項1乃至請求項3の効果に加えて取外し可能な移動阻止部材を容器本体と反応容器との間に設けることで、誤動作により発熱化学反応が開始されることがなく安全に加熱することができるという効果がある。
最後に、本発明の請求項5に記載の加熱機能付容器においては、被覆部材で加熱機能付容器の周側面を覆うことによって、加熱時に放出される蒸気による利用者の火傷を防止することができる。また、容器本体等の軸方向や周方向への相対的な位置のずれを防ぐとともに請求項4に記載の移動阻止部材の容器本体下部からの外れ落ちを防止し、誤動作により発熱反応が開始されるのを防止することができる。加えて、外部から塵や埃等が加熱機能付容器内部に侵入するのを防ぎ、運搬・流通時における商品の衛生を保つことができる。
安全かつ正確に発熱化学反応を発生させて短時間で所望の加熱具合に被加熱物を加熱するという目的を、簡単な構造で生産コストを向上させることなく実現した。
以下に、本発明に係る加熱機能付容器の実施の形態を図1乃至図5に基づき説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器の概念図である。
加熱機能付容器1は被加熱物を収容した容器を収容する容器本体4と、容器本体4の上部に装着され被加熱物が収容された容器を押さえている蓋2と、発熱化学反応を起こすための生石灰等の発熱物質及び水等の反応誘発物質が収容された反応容器9とから構成されている。
蓋2は、必ずしも容器本体4の上部を完全に覆って閉塞するような構造でなくともよく、本実施の形態にように中央部を円形状に切除することで、蓋2と被加熱物を収容した容器との間に商品表示のラベル等を挿入した場合にこれを外部から見ることができる構造とすることができる。また、蓋2の内周面と容器本体4の外周面には螺合する雌ネジ(図示せず)と雄ネジ(図示せず)がそれぞれ螺刻されており、反応容器9の外周面と容器本体4の内周面には螺合する雄ネジ(図示せず)と雌ネジ(図示せず)がそれぞれ螺刻されており、蓋2及び反応容器9は加熱機能付容器1に螺着されている。
なお、蓋2と容器本体4は、必ずしも雄ネジと雌ネジを内周面と外周面に螺刻することによって螺着する構造にする必要はなく、むしろワンタッチで装着可能な構造、例えば、一組の突起部と溝部を周面に備えて、これらのかみ合わせによって着脱可能なものとする方が手間が省けるために望ましい。
符号3,10は、それぞれ蓋2及び反応容器9を回転させる際の指の滑り止めであり、符号7は飲用時に容器を落とさないための滑り止めである。
また、被加熱物の加熱は発熱物質と反応誘発物質の混合によって反応容器9内で起こる発熱化学反応で発生する高温の加熱蒸気及び熱によって行われ、反応容器9内で発生した加熱蒸気は容器本体4内を通って容器本体4上方の連通孔5から放出される。
図1には図示していないが蓋2、容器本体4及び反応容器9の周側面にはフィルムが巻かれている。そのため、連通孔5から放出された加熱蒸気はこのフィルムと容器本体4側面の流路6によって形成された隙間を通って蒸気溜め4aに貯留される構造となっている。また、特にフィルムを用いない場合には、連通孔5を覆う構造物を設けて蒸気を下方へ逃がすようにしておけば、結露して水となった蒸気は流路6によって蒸気溜め4aに貯留させることが可能である。加熱機能付容器1の詳しい構造については図2で説明する。符号8は誤動作により反応容器9が容器本体4底部に押込まれるのを防止するためのストッパーである。ストッパー8は、切除部8aを備えて容器本体4下部に周設されている。この切除部8aに指を入れてストッパー8端部をつまみ周方向に剥がしてストッパー8を取り外すことができる。このストッパー8を取り外してはじめて反応容器9は容器本体4内側に螺入され発熱化学反応を開始するのである。
なお、本実施の形態においては、蓋2と容器本体4は螺着させる構造としたが、特に螺着させることに限定するものではなく、着脱可能な構造であればよい。また、反応容器9も容器本体4と螺着される必要は必ずしもなく、ストッパー8を除いた場合に容器本体4に対して移動可能な構造であればよく、例えば単純に上下にスライド可能な構造としてもよい。
図2は図1におけるA−A線矢視断面図である。図2において、図1に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
前述のとおり加熱機能付容器1は蓋2と、容器本体4及び反応容器9とから構成されており、これらの周側面はフィルム22によって覆われている。フィルム22には蓋2下部及びストッパー8の上部に相当する部分にミシン目22a,22bが設けられており、これらのミシン目に沿って加熱機能付容器1からフィルム22を部分的に取り除くことができるようになっている。そして、容器本体4の底部には複数の孔15を有した凹凸形状の押圧部材14が設けられており、この上に被加熱物12を収容した容器11を載置できる構造となっている。符号13は容器11の開口部を密閉している封止材である。
一方、底面に突起21が立設された反応容器9下部には反応誘発物質20が収容され、反応容器9上部には発熱物質17が収容された発熱物質収容部16が、封止材18bで封止された開口部を下にして収容されている。さらに、反応容器9と容器本体4の押圧部材14間には封止材18aが設けられており、反応誘発物質20の反応容器9からの万一の漏出を防止している。
また、発熱物質収容部16の上部の中心部には、周囲に切込み16aを備えてその頭部19aを発熱物質収容部16の閉口部と略同一面にして埋設された突起19が備えられている。なお、符号9aは反応容器9の内周面に周設され発熱物質収容部16を係止している係止部であるが、これは発熱物質収容部16の反応容器9内での不用意な摺動を妨げるものであり、発熱物質収容部16と反応容器9の摩擦力が十分である場合には特に設けなくともよい。
このような構造により、ストッパー8をはずして矢印Bの方向へ反応容器9を容器本体4に螺入させると容器本体4底部に備えられた押圧部材14が矢印Cの方向へと移動して、容器本体4内部と反応容器9を仕切っていた封止材18aを突き破って発熱物質収容部16の上部を押圧する。押圧された発熱物質収容部16は下方へ移動し、反応容器9の底部に立設された突起21は、封止材18bを破るとともに突起19を支持するため、切込み16aにより突起19の頭部19aとこれ以外の発熱物質収容部16上部が分離される。したがって、頭部19a以外の発熱物質収容部16上部が反応容器9の下方へと押込まれる。
すなわち、封止材18bが破れて発熱物質収容部16内の発熱物質17が一気に反応誘発物質20へと押込まれ、ここで発熱化学反応が開始される仕組みである。
ストッパー8は単に一部に切除部8aを備えたリングを容器本体4下部に周設させた単純な構造であり、何らかの原因で切除部8aに指等が引っ掛かって外れる可能性がある。しかしながら、本発明の加熱機能付容器1は蓋2、容器本体4及び反応容器9等からなる加熱機能付容器1全体がフィルム22で覆われているため、ストッパー8もフィルム22によって容器本体4下部に固定されている。したがって、発熱化学反応を開始させる目的でフィルム22のストッパー8上部に相当する部分のミシン目22bに沿って加熱機能付容器1からフィルム22を取外さない限り、ストッパー8はフィルム22によって容器本体4下部に押さえられ保持されている。そのため、不用意に容器本体4下部からストッパー8が外れて発熱化学反応が開始されているという誤作動を生じることはない。
また、フィルム22と容器本体4あるいは反応容器9との間に摩擦力が生じ、反応容器9のスライドや回転による下方への移動が阻止されるため、その意味でも反応容器9による発熱化学反応の誤作動を生じることがない。なお、容器本体4には凹凸状の流路6や滑り止め7を備えているためフィルム22との摩擦力がより強く発揮されることになる。
さらに、フィルム22を透明にした場合には、蓋2と被加熱物を収容した容器との間に挿入された商品表示のラベルや容器本体4側面に貼付された商品広告や商品取扱い方法の表示ラベル等を加熱機能付容器1にフィルム22を覆設した状態で外部から見ることができる構造とすることができる。
なお、図2ではフィルム22を加熱機能付容器1の周側面のみに設けた構造としているが、容器11の封止材13及び/又は反応容器9の底面にもフィルム22を覆設して加熱機能付容器1の側面のみならず、上面や底面あるいは加熱機能付容器1全体を覆う構造としてもよい。このような構造においては、外部からのゴミ等の侵入を防ぎ加熱機能付容器1の運搬時や流通時の衛生状態をさらに向上させることができる。
また、段落0031で述べたように蓋2と被加熱物を収容した容器11との間に商品表示のラベルなどを挿入した場合に、上面を覆うフィルムによってラベルを封止材13の上により良く保持することができる。本実施の形態ではフィルム22としては、加熱して縮むプラスチック材料が包装上好ましいが、加熱機能付容器1全体に覆設されるものであれば、紙製やその他の材料で構成されてもよく、材料を限定するものではない。
図3(a)は本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器の容器本体底部に設けられた押圧部材を示す平面図であり、図3(b)は本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器の反応容器を示す平面図であり、図3(c)は本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器の発熱物質収容部の突起を示す概念図である。図3において、図1及び図2に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
容器本体4底部に設けられる凹凸形状の押圧部材14は図3(a)に示すように被加熱物12が収容された容器11を載置できるように中央部14aは平面凸形状になっており、底部14bは反応容器9を容器本体4に螺入した際に反応容器9の上部に備えられた発熱物質収容部16を押圧できるように凹形状になっており、容器本体4内周面との連結部14cは凸形状になっている。また、発熱物質17と反応誘発物質20の発熱化学反応によって発生した加熱蒸気が容器本体4上部に流入できるように押圧部材14は図3(a)に示すように放射状に複数の孔15が形成された構造となっている。
なお、押圧部材14の形状は図2及び図3に示す形状に限られたものではなく、例えば、複数の突起が連結して周設される構造のように、容器11が上部に載置可能な構造であり、下部に突起が形成されてこの突起によって発熱物質収容部16を下方に押圧できるような構造であればよい。
また、図3(b)に示すように反応容器9の底部に設けられた突起21は断面十字状に形成されており、押圧部材14によって発熱物質収容部16が下方に押し下げられたときに発熱物質収容部16の開口部に設けられた封止材18bが破れやすい形状となっている。
さらに、図3(c)に示すとおり、発熱物質収容部16の上部に設けられた突起19は、突起21によって支持され、その頭部19aを発熱物質収容部16の上面から分離させるために突起21と符合する位置及び形状で設けられている。
ここで、本発明の加熱機能付容器の使用方法について図2及び図4を用いて説明する。図4は本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器において発熱物質と反応誘発物を反応させ被加熱物を加熱している状態を示す縦断面図である。図4において、図1乃至図3に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
加熱機能付容器1を用いて容器本体4内の被加熱物12を加熱する場合には、まず反応容器9及びストッパー8を覆っているフィルム22部分をミシン目22bに沿って取外し、さらに、ストッパー8を反応容器9から取外す。そして、反応容器9を図2中矢印Bで示す方向へと螺入する。すると、これに伴い容器本体4底部の押圧部材14が矢印Cの方向へと移動して封止材18aを破り、反応容器9上部に収容されている発熱物質収容部16の上部を矢印Cの方向へと押圧する。これにより、発熱物質収容部16が矢印Cの方向へ移動し、発熱物質収容部16の下面に備えられた封止材18bが突起21に当接し、さらに移動することで封止材18bが突起21によって突き破られる。このとき、発熱物質収容部16内に収容されていた発熱物質17が一気に反応容器9下部に収容されていた反応誘発物質20内へと混入され、発熱物質17と反応誘発物質20による発熱化学反応が開始されて高温の蒸気が発生する。
その後、発熱物質収容部16を移動させると突起19が突起21に当接するが、さらに移動させると突起19の頭部19aと発熱物質収容部16上部が切込み16aによって分断されて図4に示すように突起19だけが突起21に支持されて残る。
そして、図4に示すように発生した高温の加熱蒸気は突起19と発熱物質収容部16との間に形成された連通孔16bから容器本体4へと送出され、さらに、押圧部材14に設けられた孔15を通って容器11側面と容器本体4内側面によって形成された隙間を通って連通孔5から放出される。このとき、発熱化学反応によって生じた蒸気の熱は容器11から被加熱物12へと伝導されるため、容器11内の被加熱物12が加熱される。
被加熱物12の加熱が終了し被加熱物12を飲用する場合にはフィルム22のミシン目22aに沿って蓋2部分のフィルム22を取外し、続いて蓋2を容器本体4から取外して容器11の封止材13を取り除き、再度蓋2を容器本体4に装着する。このような状態にして、容器11内に収容された被加熱物12を飲用すると容器11が押圧部材14上に固定されるため容器11が容器本体4から外れて飲用者側へ落ちることがない。したがって、容易にしかも安全に飲用できる。
また、蓋2を装着した状態で飲用するため、飲用者の唇に当接する蓋2の外周部の上端部、あるいは円形状に切除した箇所の内周部は面取り加工を施すことでよりよい状態で飲用することができる。
なお、本実施の形態においては、容器11の封止材13も蓋2によって押さえられている構造として示したため、被加熱物12の飲用にはまず蓋2を一旦外して封止材13を剥がすことが必要であるが、この封止材13の径を蓋2の円形に切除した部分の内径よりも小さくすることによれば、封止材13を剥がす際に蓋2を外さなくともよい。
以上のことより、本発明では特許文献1乃至特許文献3のように発熱物質に反応誘発物質を加えて発熱化学反応を起こさせるのではなく反応誘発物質20に発熱物質17を一気に加えて発熱化学反応を起こさせる構造とすることで、一度に発熱物質17と反応誘発物質20が接触する面積が大きく短時間で発熱化学反応を終了させることができる。つまり、短時間で被加熱物12を加熱することができる。加えて、発熱物質17と反応誘発物質20が確実に混合される構造であるため、発熱化学反応が未反応に終わるということもない。さらには、発熱化学反応の起こる反応室から外側へと熱を放出して内側から被加熱物を加熱する構造の特許文献1乃至特許文献3とは異なり、被加熱物12が収容されている容器11の外側を加熱蒸気が移動し外側から被加熱物12を加熱する構造としているため、蒸気が被加熱物12を加熱せずに放出されることがなく、しかも容器11外側全体から効率的に加熱可能な構造となっており被加熱物12をさらに短時間で加熱することが可能である。また、容器11の注ぎ口、すなわち、容器本体4の蓋2側を上方にした状態で被加熱物12を加熱することが可能であるという点においても、特許文献1乃至特許文献3のように容器本体を何度も反転させるという動作を行わなくてよいという効果がある。図4中の矢印Dは加熱蒸気の移動方向を示している。
また、蓋2及び容器本体4表面にはフィルム22が巻かれているため、連通孔5から放出された加熱蒸気は流路6を通ってフィルム22と蒸気溜め4aによって形成された貯留部分へと貯留される仕組みとなっている。これにより、加熱蒸気が外部へ排出されて加熱機能付容器1の利用者が火傷をすることがないだけでなく、冷えた蒸気が外部へ流出したり飲用の際に手についたりするということもないという効果がある。
さらには、本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器1は反応容器9を容器本体4に対して取外し可能に設けているため、発熱化学反応が完全に終了していない場合でも反応容器9を容器本体4から螺脱させて途中で被加熱物12の加熱を止めることができる。これにより、被加熱物12を好みの加熱具合で加熱することが可能となる。また、特許文献1乃至特許文献3のように容器本体に被加熱物が直接収容された構造ではなく容器本体4の内部に一体に形成されていない別の容器、つまり、容器11に被加熱物12が収容される構造としているため、反応容器9を螺脱させる代わりに被加熱物12の温度が適温になったところで容器本体4から容器11を取り出すことで被加熱物12を好みの加熱具合に加熱することができるとともに、容器11を交換することで様々な種類の被加熱物12を加熱することが可能となる。
加熱機能付容器1を被っているフィルム22はミシン目22a,22bで切取り可能であるため、ミシン目22bを切り取って発熱化学反応発生操作を行った後やミシン目22aを切り取って容器11内の被加熱物12を飲用している最中でもミシン目22a,22bによって切り取られなかった部分、つまり、フィルム22の中央部分は残ったままである。したがって、前述したようにフィルム22と容器本体4との間に商品表示のラベルや使用上の注意書き等を挿入しておけば、加熱機能付容器1の使用前から使用後に亘ってラベル等が使用者の目に触れるため、商品の宣伝効果を維持させることができ、また、使用上の注意や内容物の確認を常に行うことができるという効果がある。
図5は本発明の第2の実施の形態に係る加熱機能付容器を示す概念図である。図5において、図1乃至図4に記載されたものと同一部分については同一符号を付し、その構成についての説明は省略する。
図5に示す加熱機能付容器1は図2及び図4に示す加熱機能付容器1の押圧部材14の代わりにこれと同様の機能を有する被加熱物容器載置部14dと押圧部14eを別個独立に容器本体4底部に設けたものである。図5に示すように被加熱物容器載置部14dは被加熱物12を収容した容器11を載置できる水平面を有した構造に、押圧部14eは封止材18aと発熱物質収容部16上部を押圧することのできる凹凸形状になっており、被加熱物容器載置部14d及び押圧部14eには発熱物質17と反応誘発物質20の発熱化学反応によって反応容器9内で発生した加熱蒸気を容器本体4上部へと流入できるように、例えば、図3(a)に示すような放射線状に複数の孔15a,15bが形成されている。したがって、図5の加熱機能付容器1においても図1乃至図4に示した第1の実施の形態の加熱機能付容器と同様の効果を有する。
第1の実施の形態においては、容器11は蓋2によって押圧部材14に固定されていたが、本実施の形態においては被加熱物容器載置部14dに固定されることになる。また、飲用の際の蓋2に関する作用効果は第1の実施の形態で説明したとおりである。
なお、被加熱物容器載置部14d及び押圧部14eの形状は図5に示す形状に限定する必要はなく、容器11を載置できる構造及び発熱物質収容部16を押圧できる構造であり、かつ、複数の孔を有し発熱化学反応により反応容器9内で発生した加熱蒸気を容器本体4内に放出できる構造のものであればよい。
最後に、本発明の加熱機能付容器の加温性について従来品と図1乃至図4に示す本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器を用いて比較検討した。
従来品は特許文献1の加熱機能付き容器、すなわち、図6に示す加熱機能付き容器とほぼ同じ構造をしたものであり、反応室24及び容器本体23はアルミニウムで作製されている。これに対して、本発明の加熱機能付容器の容器本体4及び反応容器9はプラスチック製であり、被加熱物を収容した容器11は紙製である。
このような条件のもとそれぞれの操作方法、つまり、従来品では容器本体底部を指で押圧する操作、本発明では反応容器9を容器本体4に螺入させる操作を行うことで発熱化学反応を起こして被加熱物である日本酒180mlを加熱し、その液温を測定した。この結果を表1に示す。なお、発熱物質及び反応誘発物質として生石灰及び水を用い、図6では反応誘発液35及び内容物33が反応誘発物質及び被加熱物に相当する。測定時の室温はともに26.0℃である。
発熱化学反応を開始してからの被加熱物の温度の変化を見ると、本発明では被加熱物が収容されている容器が紙製であるのにもかかわらず、反応時間0〜4分において、被加熱物の収容容器に熱伝導性の高いアルミ製の容器を使用している従来品よりも被加熱物の温度が急激に上昇していることがわかる。これは、従来品と異なり本発明では発熱物質を一気に反応誘発物質に混合させる構造であること、そして、内側からではなく外側から加熱蒸気で被加熱物が収容された容器を包み込むようにして加熱する構造であることによるものである。これより、本発明は従来品よりも短時間で発熱化学反応を終了する、すなわち、短時間で被加熱物を加熱することができるということが理解される。
被加熱物を短時間で所望の加熱具合に加熱することができ、日本酒、スープ、コーヒー、お茶及び紅茶等を電子レンジやガス台等の加熱手段がない場所で加熱する加熱機能付容器に適用できる。
本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器の概念図である。 図1におけるA−A線矢視断面図である。 (a)は本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器の容器本体底部に設けられた押圧部材を示す平面図であり、(b)は本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器の反応容器を示す平面図であり、(c)は本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器の発熱物質収容部の突起を示す概念図である。 本発明の第1の実施の形態に係る加熱機能付容器において発熱物質と反応誘発物を反応させ被加熱物を加熱している状態を示す縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る加熱機能付容器を示す縦断面図である。 従来技術に係る加熱機能付き容器を示す縦断面図である。
符号の説明
1…加熱機能付容器 2…蓋 3…滑り止め 4…容器本体 4a…蒸気溜め 5…連通孔 6…流路 7…滑り止め 8…ストッパー 8a…切除部 9…反応容器 9a…係止部 10…滑り止め 11…容器 12…被加熱物 13…封止材 14…押圧部材 14a…中央部 14b…底部 14c…連結部 14d…被加熱物容器載置部 14e…押圧部 15,15a,15b…孔 16…発熱物質収容部 16a…切込み 16b…連通孔 17…発熱物質 18a,18b…封止材 19…突起 19a…頭部 20…反応誘発物質 21…突起 22…フィルム 22a,22b…ミシン目 23…容器本体 24…反応室 24a…底壁 24b…側壁 25…発泡シュリンクフィルム 26…液体容器 26a…通気孔(内側通気孔) 26b…環状壁(円筒状縦壁) 26c…側壁(円筒状縦壁) 27…外凸形状壁(上壁) 27a…V字溝の凹み 27b…突起 27c…突起 27d…凹部 28…シート 29…押し棒 30…蓋 31…保護キャップ 31a…剥離用突起 31b…スリット(外側通気孔) 32…蓋 33…内容物 34…発熱物質 35…反応誘発液

Claims (5)

  1. 上部及び下部に第1及び第2の開口部を備え底部に少なくとも1の連通孔を有する押圧部を設けこの押圧部上に被加熱物を収容した容器を載置可能な容器本体と、この容器本体上部に装着され前記容器を前記押圧部上に固定可能な押さえ部と、前記第2の開口部に装着して前記第2の開口部を閉塞する反応容器とからなる加熱機能付容器であって、前記容器本体の上部には少なくとも1の外部連通孔を備え、前記反応容器には反応誘発物質とこの反応誘発物質と混合することによって発熱する発熱物質とが収容され、前記押圧部を下方に移動させ前記反応誘発物質と前記発熱物質を混合させて加熱蒸気を発生し、前記連通孔及び外部連通孔に前記加熱蒸気を導くことを特徴とする加熱機能付容器。
  2. 上部及び下部に第1及び第2の開口部を備え被加熱物を収容した容器を載置可能で底部に少なくとも1の第1の連通孔を有する被加熱物容器載置部とこの下部に設けられ少なくとも1の第2の連通孔を有する押圧部とを備えた容器本体と、この容器本体上部に装着され前記容器を前記被加熱物容器載置部に固定可能な押さえ部と、前記第2の開口部に装着して前記第2の開口部を閉塞する反応容器とからなる加熱機能付容器であって、前記容器本体の上部には少なくとも1の外部連通孔を備え、前記反応容器には反応誘発物質とこの反応誘発物質と混合することによって発熱する発熱物質とが収容され、前記押圧部を下方に移動させ前記反応誘発物質と前記発熱物質を混合させて加熱蒸気を発生し、前記第1の連通孔、前記第2の連通孔及び前記外部連通孔に前記加熱蒸気を導くことを特徴とする加熱機能付容器。
  3. 前記容器本体側面には、前記容器本体上部に備えられる前記外部連通孔の下部に流路が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の加熱機能付容器。
  4. 前記容器本体と前記反応容器の間には取外し可能な移動阻止部材が周設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の加熱機能付容器。
  5. 前記加熱機能付容器の周側面に覆設される被覆部材を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1に記載の加熱機能付容器。
JP2003312680A 2003-06-30 2003-09-04 加熱機能付容器 Pending JP2005034599A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003312680A JP2005034599A (ja) 2003-06-30 2003-09-04 加熱機能付容器

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003186231 2003-06-30
JP2003312680A JP2005034599A (ja) 2003-06-30 2003-09-04 加熱機能付容器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005034599A true JP2005034599A (ja) 2005-02-10

Family

ID=34220434

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003312680A Pending JP2005034599A (ja) 2003-06-30 2003-09-04 加熱機能付容器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005034599A (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006129451A1 (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Masato Murakami 液体加熱容器
JP2008535546A (ja) * 2005-03-17 2008-09-04 オンテック デラウェア インク. 内容物を加熱または冷却するための一体型モジュールを備えた容器
KR101087678B1 (ko) * 2008-11-20 2011-11-30 삼성중공업 주식회사 해난 사고용 담수화 장치
CN103332397A (zh) * 2013-07-16 2013-10-02 吴江华鹏制罐厂 一种可加热制冷的饮料罐
WO2014069679A1 (ko) * 2012-10-29 2014-05-08 주식회사 스피코 순간가열 포장용기
CN109969617A (zh) * 2018-05-15 2019-07-05 昆明牛火科技有限公司 一种自热瓶
CN110274502A (zh) * 2019-06-03 2019-09-24 中山市华宝勒生活用品实业有限公司 一种温度调节装置及其容器
JP2020090315A (ja) * 2018-12-07 2020-06-11 オネスト フード カンパニー リミテッド 食べ物調理用の発熱容器

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008535546A (ja) * 2005-03-17 2008-09-04 オンテック デラウェア インク. 内容物を加熱または冷却するための一体型モジュールを備えた容器
WO2006129451A1 (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Masato Murakami 液体加熱容器
KR101087678B1 (ko) * 2008-11-20 2011-11-30 삼성중공업 주식회사 해난 사고용 담수화 장치
WO2014069679A1 (ko) * 2012-10-29 2014-05-08 주식회사 스피코 순간가열 포장용기
CN103332397A (zh) * 2013-07-16 2013-10-02 吴江华鹏制罐厂 一种可加热制冷的饮料罐
CN109969617A (zh) * 2018-05-15 2019-07-05 昆明牛火科技有限公司 一种自热瓶
JP2020090315A (ja) * 2018-12-07 2020-06-11 オネスト フード カンパニー リミテッド 食べ物調理用の発熱容器
CN110274502A (zh) * 2019-06-03 2019-09-24 中山市华宝勒生活用品实业有限公司 一种温度调节装置及其容器

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6078679B2 (ja) インスタント自己発熱ディスペンサー
US20080017184A1 (en) Self Heating Or Cooling Container
US20050051156A1 (en) Reagent mixtures for self-contained temperature-change container assemblies
US20130247591A1 (en) Thermal Container
US20180029777A1 (en) Single use self-heating cup
JP2005034599A (ja) 加熱機能付容器
US20020144676A1 (en) Container assembly for warming beverages and method of forming and using it
US20090314667A1 (en) Container for receiving a cartridge for heating or cooling the contents of the container
US20070006872A1 (en) System for and method of making an arrangement for changing the temperature of a product
JP6416100B2 (ja) 温度変更装置
KR20100073200A (ko) 자체 발열식 용기
GB2450552A (en) Thermic module for heating of container
KR20090081074A (ko) 자가 발열 용기
JPH01240472A (ja) 加熱食品容器
KR20110065160A (ko) 발열용기
JPH0621411Y2 (ja) 加熱機能付き容器
JP2016182309A (ja) 加熱用容器
JP3154695U (ja) カップ入り飲料
JP2018143388A (ja) 加熱用容器
AU2016228257B2 (en) Instant self-heating containers
RU2438947C2 (ru) Саморазогревающаяся емкость
JPH0518291Y2 (ja)
KR100577316B1 (ko) 발열체를 갖는 일회용 음료용기
JP2004331212A (ja) オーバーキャップ及び包装体
KR20100042724A (ko) 냉온용기 캡슐