JP2005026334A - ステージ装置及び荷電粒子線露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リニアモータの駆動に伴う渦電流の発生により起こる外乱磁場を低減できるステージ装置等を提供することを目的とする。
【解決手段】ステージ装置10のガイド部材13A(14A)の上下平板部には、移動方向に沿って複数並んだタイル状の永久磁石30が設けられている。一方、ステージ装置10のYスライダには、電磁コイル及びヒートパイプ41が取り付けられている。ヒートパイプ41の板長L(移動方向に沿う長さ)は、永久磁石30の磁極ピッチPの7倍に設定されている。そのため、ステージの駆動に伴ってヒートパイプ41に生じる渦電流を低減でき、外乱磁場の変動を低減することができる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感応基板やパターン原版(マスク、レチクル)等を載置して移動・位置決めするためのステージ装置、及び、そのようなステージ装置を備える荷電粒子線露光装置に関する。特には、リニアモータの駆動に伴う渦電流の発生により起こる外乱磁場を低減できるステージ装置等に関する。
【0002】
【背景技術】
半導体デバイスのリソグラフィに使用される投影露光装置内には、感応基板やパターン原版(マスク、レチクル)等を載置して移動・位置決めするためのステージ装置が備えられている。このようなステージ装置の駆動用アクチュエータとしては、高分解能の位置決め線形制御が可能で高推力のリニアモータが広く用いられている。
【0003】
リニアモータは、一般に、永久磁石と電磁コイルを有し、この電磁コイルへの印加電流を制御することで加速度等を制御する。リニアモータでは、通常、移動される側を移動子と呼び、固定される側を固定子と呼んでいる。ここで、ムービング・マグネット方式のリニアモータとは、移動子側に永久磁石が設けられ、固定子側に電磁コイルが設けられる方式をいう。ムービング・コイル方式のリニアモータとは、移動子側に電磁コイルが設けられ、固定子側に永久磁石が設けられる方式をいう。
【0004】
リニアモータは、駆動時に電磁コイルに電流を印加するが、この電流に作用する抵抗に起因して、電磁コイルから熱が生じる。この熱を逃がすために、ヒートパイプ等の金属製冷却板を用いることがある。この場合、発熱体となる電磁コイルにヒートパイプを接触させて配置し、このヒートパイプの端部に冷却水ジャケットを接続した構成が広く採用されている。電磁コイルから生じた熱は、ヒートパイプを伝わって冷却水で冷却され、ステージ装置外へと放熱される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らによる開発の過程で、ムービング・コイル方式のリニアモータにおいて移動子の電磁コイルを冷却するのにヒートパイプを用い、このようなリニアモータを電子線露光装置のステージ装置に装備した場合、ヒートパイプ部材中に渦電流が発生する問題が見出された。
【0006】
図9は、ステージ装置のリニアモータにおける渦電流の問題点を説明するための模式図である。
図9には、リニアモータの永久磁石(固定子)M1、M2の一部と、金属板からなるヒートパイプ(コイル冷却板)Hとが模式的に描かれている。この図では、永久磁石M1、M2は上側の2つのみ描かれているが、実際にはヒートパイプHを挟んで上下両側において、図中左右方向(移動方向)に沿って複数並んで配列されている。さらに、この図では描かれていないが、ヒートパイプHの上下面には、リニアモータの電磁コイルが複数並んで配置されている。ヒートパイプHは、電磁コイルとともに移動子を構成し、図中左右方向に移動可能となっている。
【0007】
このリニアモータの永久磁石M1、M2の間には、強い磁界が形成される。この磁界の磁束Bは、N極から出てS極へと向かう方向に作用する。そこで、この磁界中で移動子が移動してヒートパイプHが移動すると、ヒートパイプHには、磁束Bを打ち消す方向に磁束B′を発生させるような渦電流Iが流れる。そして、電子線露光装置のステージ装置において、このような渦電流Iが生じて外乱磁場が起こると、電子線の軌道が乱れ、パターン形成精度の劣化等が引き起こされる。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであって、リニアモータの駆動に伴う渦電流の発生により起こる外乱磁場を低減できるステージ装置を提供することを目的とする。さらに、そのようなステージ装置を備える荷電粒子線露光装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため、本発明の第1のステージ装置は、ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、 前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、 該リニアモータの固定子が、移動方向に沿って配列された複数の磁石を有し、 該リニアモータの移動子が、 移動方向に沿って配列された複数のコイルと、 該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、を有し、 該コイル冷却板の前記移動方向に沿う長さCLが、前記固定子の磁極ピッチPの奇数倍となっていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、リニアモータの駆動に伴ってコイル冷却板に生じる渦電流を低減でき、外乱磁場の変動を低減することができる。以下、その理由について説明する。
図7は、本発明者らの用いた実験用ステージ装置の概略構成を示す斜視図である。
図8は、図7の実験用ステージ装置を用いて外乱磁場の変動を測定した結果を表すグラフである。縦軸は正規化された磁場変動を示し、横軸は時間(sec)を示す。
【0011】
図7の実験用ステージ装置は、基台201上に配置された実験用リニアモータ固定子203を備えている。この固定子203はコ字状の断面を有し、内溝が図7中右側に向けて開口するように配置されている。固定子203の上下平板部には、長手方向(図中Y方向)に沿ってN極・S極が交互になるように複数並んだ永久磁石部205A、205Bが設けられている。上平板部の各永久磁石部205Aと下平板部の各永久磁石部205Bは、N極に対してS極が対向するように配置されている。この実験用ステージ装置においては、固定子203の磁極ピッチP(永久磁石のY基端面から隣接する永久磁石のY基端面までの長さ)は、37mmに設定されている。
【0012】
固定子203の内溝には、リニアモータ移動子に模したスライド板207の端部が差し込まれている。固定子203の内溝内において、スライド板207の端部にはヒートパイプ(移動子)209が取り付けられている。このヒートパイプ209は、実験用駆動テーブル(移動子)211に取り付けられている。駆動テーブル211がY方向に駆動するのに伴って、ヒートパイプ209はスライド板207とともに固定子203の内溝内をY方向にスライドする。一方、固定子203の背面側には、X方向に所定間隔隔てて支柱213が立ち上げられている。この支柱213には、磁気センサ215が取り付けられている。この磁気センサ215により、ヒートパイプ209を等速でスライドさせた際の磁場変動(ヒートパイプ209に生じた渦電流により発生する磁場変動)が計測される。
【0013】
本実験は、駆動テーブル211を駆動してスライド板207をY方向にスライドさせ、固定子203とヒートパイプ209間の磁場変動を磁気センサ215で測定した。図8に磁気センサ215の出力波形をモニタした結果を示す。本実験では、固定子203の磁極ピッチP=37mmに対して、ヒートパイプ209の板長を1P(37mm)、2P(74mm)、3P(111mm)、4P(148mm)とし、これら4種類について磁場変動の測定を行った。この結果からわかるように、奇数ピッチ長(1P(グラフA)又は3P(グラフC))のヒートパイプを用いた場合の磁場変動は、偶数ピッチ長(2P(グラフB)又は4P(グラフD))のヒートパイプを用いた場合の磁場変動よりも小さい。これは、ヒートパイプの板長が固定子の磁極ピッチPの奇数倍となっている場合に、外乱磁場の変動が低減でき、ヒートパイプに生じる渦電流が低減できることを意味している。
【0014】
本発明の第2のステージ装置は、ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、 前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、 該リニアモータの固定子が、移動方向に沿って配列された複数の磁石を有し、 該リニアモータの移動子が、 移動方向に沿って配列された複数のコイルと、 該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、 該コイル冷却板に添うように配置された板体(ダミー板)と、を有し、 前記コイル冷却板の前記移動方向に沿う長さCLと、前記ダミー板の前記移動方向に沿う長さDLとが、前記固定子の磁極ピッチPの奇数倍となっており、 前記長さCLを前記磁極ピッチPで割った値NC=CL/P(但し小数点以下切り捨て)と、前記長さDLを前記磁極ピッチPで割った値ND=DL/P(但し小数点以下切り捨て)とが、NC−ND=2を満たすことを特徴とする。
【0015】
本発明の第3のステージ装置は、ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、 前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、 該リニアモータの固定子が、移動方向に沿って配列された複数の磁石を有し、 該リニアモータの移動子が、 移動方向に沿って配列された複数のコイルと、 該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、 該コイル冷却板に添うように配置された板体(ダミー板)と、を有し、 前記コイル冷却板の前記移動方向に沿う長さCLと、前記ダミー板の前記移動方向に沿う長さDLとが、前記固定子の磁極ピッチPの偶数倍となっており、 前記長さCLを前記磁極ピッチPで割った値NC=CL/P(但し小数点以下切り捨て)と、前記長さDLを前記磁極ピッチPで割った値ND=DL/P(但し小数点以下切り捨て)とが、NC−ND=2を満たすことを特徴とする。
【0016】
本発明者らが確認したところによると、2枚の板体を重ね合わせた場合、磁気センサ(図7参照)で検出される波形は、個々の板体それぞれから得られる波形の和であり、しかも各板体同士の電気的接続は無関係であることがわかった。すなわち、Aピッチの板長を有する板体と、Bピッチの板長を有する板体を重ね合わせた場合の磁界変動の関係は、
AピッチとBピッチの板体を重ね合わせた場合の磁界変動=Aピッチの板体の磁界変動+Bピッチの板体の磁界変動
で表されることがわかった。
【0017】
さらに、前述した図8によれば、ピッチ長1P(グラフA)と3P(グラフC)、あるいは、ピッチ長2P(グラフB)と4P(グラフD)では、位相がπ(=180度)ずれていることが確認できる。そのため、ある所定の板長を有するコイル冷却板からの磁界変動を打ち消したい場合は、同一の磁界変動強度を有し、且つ、位相がπずれる板長の2枚の板体(コイル冷却板とダミー板)を重ね合わせればよいといえる。
【0018】
本発明の荷電粒子線露光装置は、真空又は非空気雰囲気下で感応基板に荷電粒子線を選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、 前記感応基板及び/又はパターン原版(マスク、レチクル)を移動・位置決めするための前記請求項1〜3いずれか1項記載のステージ装置を備えることを特徴とする。
なお、前記荷電粒子線は、電子線、イオンビーム等である。また、露光の方式は特に限定されず、縮小投影露光や等倍近接転写、描画等であってよい。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ説明する。
まず、図6を参照しつつ、本発明に係るステージ装置を搭載可能な電子線露光装置の例について説明する。
図6は、本発明の一実施の形態に係る電子線露光装置を模式的に示す図である。
図6の電子線露光装置100の上部には、照明光学系鏡筒101が示されている。この照明光学系鏡筒101には真空ポンプ102が接続されており、同鏡筒101内を真空排気している。照明光学系鏡筒101の上部には、電子銃103が配置されており、下方に向けて電子線を放射する。電子銃103の下方には、コンデンサレンズ104aや電子線偏向器104bが配置されている。なお、図ではコンデンサレンズ104aは一段であるが、実際の照明光学系には複数段のレンズやビーム成形開口等が設けられている。
【0020】
照明光学系鏡筒101の下部には、定盤116上に載置されたレチクルチャンバ118が配置されている。このレチクルチャンバ118内は、図示せぬ真空ポンプで真空排気されている。レチクルチャンバ118内において、定盤116上にはレチクルステージ111が配置されている。レチクルRは、このレチクルステージ111に設けられたチャック110に静電吸着等により固定されている。レチクルステージ111には、図の左方に示す駆動装置112が接続されている。なお、実際の駆動装置112は、レチクルステージ111内に組み込まれている。この駆動装置112は、ドライバ114を介して制御装置115に接続されている。
【0021】
レチクルステージ111には、図の右方に示すレーザ干渉計113が付設されている。このレーザ干渉計113は、制御装置115に接続されている。レーザ干渉計113で計測されたレチクルステージ111の位置情報が制御装置115に入力されると、レチクルステージ111の位置を目標位置とすべく、制御装置115からドライバ114に指令が送出され、駆動装置112が駆動される。その結果、レチクルステージ111の位置をリアルタイムで正確にフィードバック制御することができる。
【0022】
照明光学系鏡筒101の電子銃103から放射された電子線は、コンデンサレンズ104aによって収束される。続いて、偏向器104bにより図の横方向に順次走査(スキャン)され、レチクルチャンバ118内(光学系の視野内)のレチクルステージ111上に吸着されたレチクルRの各小領域(サブフィールド)の照明が行われる。
【0023】
定盤116の下面側には、投影光学系鏡筒121が配置されている。この投影光学系鏡筒121には真空ポンプ122が接続されており、同鏡筒121内を真空排気している。投影光学系鏡筒121内には、コンデンサレンズ(投影レンズ)124aや偏向器124b等を含む投影光学系124、及びウェハWが配置されている。なお、図ではコンデンサレンズ124aは一段であるが、実際の投影光学系中には複数段のレンズや収差補正用のレンズやコイル等が設けられている。
【0024】
投影光学系鏡筒121の下部には、定盤136上に載置されたウェハチャンバ138が配置されている。このウェハチャンバ138内は、図示せぬ真空ポンプで真空排気されている。ウェハチャンバ138内において、定盤136上にはウェハステージ131が配置されている。ウェハWは、このウェハステージ131の上部に設けられたチャック130に静電吸着等により固定されている。ウェハステージ131には、図の左方に示す駆動装置132が接続されている。なお、実際の駆動装置132は、ウェハステージ131内に組み込まれている。この駆動装置132は、ドライバ134を介して制御装置115に接続されている。
【0025】
ウェハステージ131には、図の右方に示すレーザ干渉計133が付設されている。このレーザ干渉計133は、制御装置115に接続されている。レーザ干渉計133で計測されたウェハステージ131の位置情報が制御装置115に入力されると、ウェハステージ131の位置を目標位置とすべく、制御装置115からドライバ134に指令が出され、駆動装置132が駆動される。その結果、ウェハステージ131の位置をリアルタイムで正確にフィードバック制御することができる。
【0026】
レチクルチャンバ118内のレチクルステージ111上のレチクルRを通過した電子線は、投影光学系鏡筒121内のコンデンサレンズ124aにより収束される。このコンデンサレンズ124aを通過した電子線は、偏向器124bにより偏向され、ウェハW上の所定の位置にレチクルRの像が結像される。
【0027】
次に、本発明の一実施の形態に係るステージ装置について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るステージ装置を示す平面図である。
図2は、同ステージ装置の断面図(図1のA−A線断面図)である。
図3(A)は同ステージ装置のリニアモータの固定子(永久磁石)を示す平面図であり、図3(B)は永久磁石の磁極ピッチとヒートパイプの板長の関係を説明するための模式的側面図である。
図4(A)は同ステージ装置のリニアモータの移動子の一部を示す平面図であり、図4(B)は図4(A)の側面図である。
以下の説明において、X、Y、Z方向とは、図1、図2に示す矢印方向を指すものとする。
【0028】
このステージ装置10は、図6の電子線露光装置におけるウェハステージ131に相当する。同ステージ装置10のステージ25は、図1中に矢印で示すY方向には精密な位置決めの必要な連続移動(スキャン)を行い、X方向には間欠的な移動・停止(ステップ)を行うよう構成されている(スキャン露光方式対応型のステージ装置)。
【0029】
図1及び図2に示すステージ装置10は、図6の電子線露光装置における定盤136上に配置されている。図1に示すように、このステージ装置10の四隅には、定盤136上に立ち上げられたポスト11a〜11dが設けられている。ポスト11aと11b間、ならびに、ポスト11cと11d間には、Y方向に沿って互いに平行に延びるY固定ガイド(兼リニアモータ固定子)13、14がそれぞれ架け渡されて固定されている。
【0030】
これらの各Y固定ガイド13(14)は、図2に示すように、それぞれZ方向上下のガイド部材13A、13B(14A、14B)を備えている。各Y固定ガイド13(14)の両ガイド部材13A、13B(14A、14B)は、コ字状の断面を有し、内溝が外側(図2の左右)に向けて開口するように配置されている。これらガイド部材13A、13B(14A、14B)には、図3に示すような複数の永久磁石30(後に詳述)が埋め込まれている。これらガイド部材13A、13B(14A、14B)及び永久磁石30により、ステージを駆動するリニアモータの固定子が構成される。
【0031】
図2に示すように、上下のガイド部材13A、13B(14A、14B)間には、Yスライダ17(18)が係合している。各Yスライダ17(18)はコ字状の断面を有し、上下ガイド部材13A、13B(14A、14B)の内溝に外側から差し込まれている。各Yスライダ17(18)は、ガイド部材13A、13B(14A、14B)に沿ってY方向(スキャン方向)にスライド可能である。各Yスライダ17(18)には、図4に示すような複数の電磁コイル40及びヒートパイプ41(後に詳述)が取り付けられている。これらYスライダ17(18)及び電磁コイル40により、ステージを駆動するリニアモータの移動子が構成される。
【0032】
両Yスライダ17、18間には、Xガイド21が架け渡されて固定されている。このXガイド21には、Xスライダ23が係合している。このXスライダ23は、Xガイド21に沿ってX方向(ステップ方向)にスライド可能である。Xスライダ23の上面には、ステージ25が取り付けられている。この例のステージ25は円盤状であって、上面側にウェハを固定するための静電チャック(図示されず)が設けられている。ステージ25は、Xスライダ23とともにXガイド21に沿ってスライドする。
【0033】
図2及び図3に示すように、ガイド部材13A(14A)の上下平板部には、Y方向に沿って複数並んだタイル状の永久磁石30が設けられている。各ガイド部材13A(14A)の各永久磁石30は、Y方向に沿ってN極・S極が交互になるように配置されている(図3(A)参照)。これらの永久磁石30は、上板部13A′(14A′)ではS極、N極、S極、N極・・・の順で配置されており、下板部13A″(14A″)ではN極、S極、N極、S極・・・の順で配置されている(図3(B)参照)。そのため、各永久磁石30は、Z方向にはN極に対してS極が対向するように配置されている。
【0034】
なお、ガイド部材13Aの各永久磁石30と、ガイド部材14Aの各永久磁石30は、X方向にはステージ25を挟んでS極とN極とが対向するように配置されている。さらに、図2に示すように、Xガイド21を挟んでZ方向下側のガイド部材13B(14B)には、ガイド部材13A(14A)と同様に、それぞれ永久磁石30が配置されている。
【0035】
図2に示すように、各Yスライダ17(18)の上下板部17′、17″(18′、18″)のそれぞれには、ヒートパイプ41が設けられている。このヒートパイプ41は、厚さ数mmのステンレス鋼板製等の導電材であって、内部に熱媒体の流通する細い流路が形成された熱移送部材である。ヒートパイプ41の一辺は、図示せぬ冷却水ジャケットに接続されており、熱をステージ装置10外部に逃がすことができるようになっている。
【0036】
このヒートパイプ41の板長は、永久磁石30の磁極ピッチの奇数倍となっている。本実施の形態においては、図3に示すように、ヒートパイプ41の板長L(移動方向(Y方向)に沿う長さ)が、永久磁石30の磁極ピッチP(永久磁石のY基端面から隣接する永久磁石のY基端面までの長さ)の7倍に設定されている(すなわちL=7P)。
【0037】
図4に示すように、ヒートパイプ41の上下面には、Y方向(スキャン方向)に沿って複数並んだ小判状の電磁コイル40が設けられている。各電磁コイル40は、電源に繋がる導線(図4(A)の符号43)が接続されており、リニアモータの制御電流が印加されるようになっている。各電磁コイル40の間の隙間には、モールド材が充填されている。
【0038】
このようなステージ装置10は、前述の通り、ヒートパイプ41の板長Lが永久磁石30の磁極ピッチPの7倍(奇数倍)に設定されている。したがって、図8を参照しつつ前述したように、ステージの駆動に伴ってヒートパイプ41に生じる渦電流を低減でき、外乱磁場の変動を低減することができる。
【0039】
次に、本発明に係る他の実施の形態について説明する。
図5は、本発明に係るリニアモータの他の例を示す説明図であり、永久磁石の磁極ピッチとヒートパイプの板長の関係を説明するための模式的側面図である。
この図5に示す例では、前述の図3(B)に示すヒートパイプ41(板長L=7P)の上面に、板長L´=5Pのダミー板51が重ね合わせられている。ダミー板51自体は単なる板体であってヒートパイプではないが、ヒートパイプ41と同材質・同板厚の性状を有する。ダミー板51は、ヒートパイプ41上面の中央寄り(ヒートパイプ41板長の2P〜6Pの範囲)に重ね合わされている。
【0040】
この場合、前述した通り、2枚の板体(ヒートパイプ41及びダミー板51)を重ね合わせた場合の磁界変動の関係は、
ヒートパイプ41とダミー板51とを重ね合わせた場合の磁界変動=ヒートパイプ41の磁界変動+ダミー板51の磁界変動
で表されることとなる。そして、図8を参照しつつ前述したように、板長L=7Pのヒートパイプ41と、板長L´=5Pのダミー板51とでは、磁界変動の位相がπ(=180度)ずれることとなる。したがって、これらヒートパイプ41及びダミー板51を重ね合わせることで、ヒートパイプ41の磁界変動を打ち消すことが可能となる。
【0041】
なお、図5では板長L=7Pのヒートパイプと、板長L′=5Pのダミー板とを重ね合わせた例についてのみ挙げているが、前述した通り、偶数ピッチ長同士、例えば、板長L=8Pのヒートパイプと板長L′=6Pのダミー板とを重ね合わせた場合も、磁界変動の位相がπ(=180度)ずれることとなり、同様の効果を得ることができる。一般的な条件は、ヒートパイプの板長をCL、ダミー板の板長をDL、磁極ピッチをPとするとき、値CL/Pから値DL/Pを引いた値が2となるような板長の組み合わせとする。ここで、値CL/P、DL/Pが自然数値とならない場合は、小数点以下は切り捨てる。
【0042】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、リニアモータの駆動に伴う渦電流の発生により起こる外乱磁場を低減できるステージ装置等を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るステージ装置を示す平面図である。
【図2】同ステージ装置の断面図(図1のA−A線断面図)である。
【図3】図3(A)は同ステージ装置のリニアモータの固定子(永久磁石)を示す平面図であり、図3(B)は永久磁石の磁極ピッチとヒートパイプの板長の関係を説明するための模式的側面図である。
【図4】図4(A)は同ステージ装置のリニアモータの移動子の一部を示す平面図であり、図4(B)は図4(A)の側面図である。
【図5】本発明に係るリニアモータの他の例を示す説明図であり、永久磁石の磁極ピッチとヒートパイプの板長の関係を説明するための模式的側面図である。
【図6】本発明の一実施の形態に係る電子線露光装置を模式的に示す図である。
【図7】本発明者らの用いた実験用ステージ装置の概略構成を示す斜視図である。
【図8】図7の実験用ステージ装置を用いて外乱磁場の変動を測定した結果を表すグラフである。縦軸は正規化された磁場変動を示し、横軸は時間(sec)を示す。
【図9】ステージ装置のリニアモータにおける渦電流の問題点を説明するための模式図である。
【符号の説明】
10 ステージ装置
11a〜11d ポスト 13、14 Y固定ガイド
13A、13B、14A、14B ガイド部材
13A′、14A′ 上板部 13A″、14A″ 下板部
17、18 Yスライダ 21 Xガイド
23 Xスライダ 25 ステージ
30 永久磁石 40 電磁コイル
41 ヒートパイプ 51 ダミー板
131 ウェハステージ 136 定盤
L ヒートパイプの板長 L′ ダミー板の板長
P 磁極ピッチ

Claims (4)

  1. ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、該リニアモータの固定子が、移動方向に沿って配列された複数の磁石を有し、該リニアモータの移動子が、移動方向に沿って配列された複数のコイルと、該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、を有し、該コイル冷却板の前記移動方向に沿う長さCLが、前記固定子の磁極ピッチPの奇数倍となっていることを特徴とするステージ装置。
  2. ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、該リニアモータの固定子が、移動方向に沿って配列された複数の磁石を有し、該リニアモータの移動子が、移動方向に沿って配列された複数のコイルと、該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、該コイル冷却板に添うように配置された板体(ダミー板)と、を有し、前記コイル冷却板の前記移動方向に沿う長さCLと、前記ダミー板の前記移動方向に沿う長さDLとが、前記固定子の磁極ピッチPの奇数倍となっており、
    前記長さCLを前記磁極ピッチPで割った値NC=CL/P(但し小数点以下切り捨て)と、前記長さDLを前記磁極ピッチPで割った値ND=DL/P(但し小数点以下切り捨て)とが、NC−ND=2を満たすことを特徴とするステージ装置。
  3. ステージを移動・位置決めするステージ装置であって、前記ステージの駆動用アクチュエータとしてのリニアモータを具備し、該リニアモータの固定子が、移動方向に沿って配列された複数の磁石を有し、該リニアモータの移動子が、移動方向に沿って配列された複数のコイルと、該配列された複数のコイルに添うように配置されたコイル冷却板と、該コイル冷却板に添うように配置された板体(ダミー板)と、を有し、前記コイル冷却板の前記移動方向に沿う長さCLと、前記ダミー板の前記移動方向に沿う長さDLとが、前記固定子の磁極ピッチPの偶数倍となっており、
    前記長さCLを前記磁極ピッチPで割った値NC=CL/P(但し小数点以下切り捨て)と、前記長さDLを前記磁極ピッチPで割った値ND=DL/P(但し小数点以下切り捨て)とが、NC−ND=2を満たすことを特徴とするステージ装置。
  4. 感応基板に荷電粒子線を選択的に照射してパターン形成する露光装置であって、
    前記感応基板及び/又はパターン原版(マスク、レチクル)を移動・位置決めするための前記請求項1〜3いずれか1項記載のステージ装置を備えることを特徴とする荷電粒子線露光装置。
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