JP2005025897A - 光ピックアップ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】超高密度光ディスク上に3ビームを良好に照射する。
【解決手段】レーザー光Lを回折格子13で回折して0次光と±1次光とによる3ビームに分離した後に、この3ビームをビーム整形・PBS合成プリズム14で拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形するにあたって、3ビームがビーム整形・PBS合成プリズム14により拡大する方向をx軸に設定し、且つ、このx軸と光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定した時に、回折格子13をx軸とy軸を含むxy面で形成し、且つ、xy面をy軸を中心にして回動させてxy面と光軸とがなす角度を直角以外の所定の角度θに設定して、xy面内に形成した凹凸状格子13b1がx軸と略平行になるように配置したことを特徴とする光ピックアップ装置10を提供する。
【選択図】 図4
【解決手段】レーザー光Lを回折格子13で回折して0次光と±1次光とによる3ビームに分離した後に、この3ビームをビーム整形・PBS合成プリズム14で拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形するにあたって、3ビームがビーム整形・PBS合成プリズム14により拡大する方向をx軸に設定し、且つ、このx軸と光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定した時に、回折格子13をx軸とy軸を含むxy面で形成し、且つ、xy面をy軸を中心にして回動させてxy面と光軸とがなす角度を直角以外の所定の角度θに設定して、xy面内に形成した凹凸状格子13b1がx軸と略平行になるように配置したことを特徴とする光ピックアップ装置10を提供する。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、とくに、狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体に対応して、対物レンズから超高密度光記録媒体の信号面上に照射する3ビームを良好に生成できる光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、円盤状の光ディスクやカード状の光カードなどの光記録媒体は、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】
この種の光記録媒体となる光ディスクとして例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などは既に市販されているが、最近になって光ディスクに対してより一層高密度化を図るために、上記したCD,DVDよりも狭トラック化を図って情報信号を超高密度に記録又は再生できる超高密度光ディスク(Blu Ray Disc)の開発が盛んに行われている。
【0004】
上記した超高密度光ディスクは、波長が450nm以下のレーザー光を開口数(NA)が0.75以上の対物レンズで絞って得たレーザービームを照射して、レーザービーム入射面から略0.1mm隔てた位置にある信号面上に情報信号を超高密度に記録又は再生できるように開発が進められている。この際、超高密度光ディスクの記録容量はディスク基板の直径が12cmの時に片面で25GB(ギガバイト)前後である。
【0005】
ところで、超高密度光ディスクを記録又は再生するための光ピックアップ装置は各種の構造形態があるものの、一例として、レーザー光の基準波長が400nm程度のレーザー光源と、レーザー光源と超高密度光ディスクの信号面との間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正する球面収差補正手段と、開口数が0.85より大とされ且つ軽量な非球面単玉対物レンズとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、光記録媒体を記録又は再生する際に、対物レンズから光記録媒体に照射する3ビームを生成するための光ピックアップ装置として、半導体レーザーと、半導体レーザーから出射したレーザー光を回折させて0次光と±1次光からなる3ビームを生成する回折格子(グレーティング)と、3ビームの径を拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形するビーム整形プリズムと、整形した3ビームを光記録媒体に照射する対物レンズと、光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを少なくとも備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−5032号公報(第9頁、第2図)
【0008】
【特許文献2】
特開2001−344805号公報(第6頁、第1図)
【0009】
図6は従来例1の光ピックアップ装置を示した構成図である。
【0010】
まず、図6に示した従来例1の光ピックアップ装置100は、上記した特許文献1(特開2003−5032号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
【0011】
図6に示した如く、従来例1の光ピックアップ装置100において、超高密度な情報記録媒体に対応して、レーザー光源101から出射された基準波長が400nm程度のレーザー光Lは、カップリングレンズ102,ビーム整形プリズムペア103,偏光ビームスプリッタ104,ビームエキスパンダ105,1/4波長板106,及び絞り107を順に通過し、開口数が0.85より大とされ且つ軽量な非球面単玉対物レンズ108によって絞られたレーザービームLaが情報記録媒体の保護層109を介して信号面109a上に照射される。この後、信号面109aで反射された戻り光Lbは、上記とは逆に非球面単玉対物レンズ108,絞り107,1/4波長板106,ビームエキスパンダ105を順に通過し、偏光ビームスプリッタ104によって反射されてシリンドリカルレンズ111,フォーカシングレンズ112を通過して光検出器113上に達して信号面情報が検出される。
【0012】
ここで、球面収差補正手段としてのビームエキスパンダ105は、負レンズ105Aと、1軸アクチュエータ105Bと、正レンズ105Cとを備え、且つ、負レンズ105Aが1軸アクチュエータ105Bにより正レンズ105Cに対して光軸方向に沿って変位可能になっている。また、非球面単玉対物レンズ108は2軸アクチュエータ110によりフォーカシング方向及びトラッキング方向に駆動される。
【0013】
上記のように構成した従来例1の光ピックアップ装置100では、レーザー光源101から出射したレーザー光Lの基準波長に対するバラツキ,環境変化,情報記録媒体の保護層109の厚さ誤差,非球面単玉対物レンズ108の製造誤差などに起因して、ビームエキスパンダ105を作動させることで、レーザー光源101と情報記録媒体の信号面109aとの間の光軸上に配置された集光光学系中で発生する球面収差を補正することができる。
【0014】
一方、光記録媒体(光ディスク)用の光ピックアップ装置において、トラッキングサーボ方式に回折格子を用いて半導体レーザーから出射したレーザー光を回折させて0次光と±1次光からなる3ビームを生成し、この3ビームを対物レンズにより光ディスクの信号面上に照射した際に、光記録媒体の信号面上のメイン信号を読み取るためのメインスポットと、このメインスポットから所定の距離はなれた位置にトラッキングのためのエラー信号を得るための一対のサブポットとを生成する方法があり、この方法は下記する従来例2の光ピックアップ装置で行われている。
【0015】
図7は従来例2の光ピックアップ装置を示した構成図、
図8は3ビームを光記憶媒体に照射した時に、トラッキングエラー信号を検出する状態を説明するための図である。
【0016】
図7に示した従来例2の光ピックアップ装置200は、上記した特許文献2(特開2001−344805号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献2を参照して簡略に説明する。
【0017】
図7に示した如く、従来例2の光ピックアップ装置200において、半導体レーザー201から出射されたレーザー光は、コリメータレンズ202により平行ビームに変換され、続く回折格子(グレーティング)203により回折されて0次光と±1次光からなる3本のビーム(以下、3ビームと記す)に分離され、この後、3ビームはビーム整形プリズム204に入射される。
【0018】
ここで、ビーム整形プリズム204は、アナモルフィックプリズムとも呼称されており、光学ガラスを用いて三角柱形状に形成することで横方向と縦方向の倍率が異なる像を生成するものであり、ビーム整形プリズム204中で所定のプリズム頂角に従って水平方向に対して傾斜させた入射面204aに対し、半導体レーザー201からのレーザー光の出射構造により水平方向が短い楕円光量分布のビームを入射させ、この入射面204aで屈折させることにより水平方向のビーム径を整形倍率に応じて広げている。この際、所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面204aにおける屈折では、紙面に対し垂直な方向のビームの幅は変わらないので、楕円光量分布のビームは略円光量分布のビームに整形される。
【0019】
更に、ビーム整形プリズム204によって整形された略円光量分布のビームは、光学ガラスを用いて立方体形状に形成した偏光ビームスプリッタ(PBS)205と、1/4波長板206とを順に通過し、対物レンズ207によって光記憶媒体208の信号面上に集光される。
【0020】
この際、図8(a),(b)に示したように、回折格子(グレーティング)203により回折された3ビームのうちで0次光によるメインビームは、対物レンズ207により光記憶媒体208の信号面上に螺旋状又は同心円状に形成した凹状のグルーブG上にメインスポットMとして集光される。一方、3ビームのうちで±1次光による一対のサブビームは、凹状のグルーブGの左右に隣り合って形成された凸状のランドL,L上に一対のサブスポットS1,S2として集光されており、これにより一対のサブスポットS1,S2はメインスポットMに対して光記憶媒体208の半径方向にトラックピッチTpの1/2だけずれた位置に配置されることになる。
【0021】
この際、メインスポットMを集光させるグルーブGが情報信号を記録又は再生するトラックとなるが、メインスポットMをランドL上に集光させて情報信号を記録又は再生するトラックとすることも可能である。
【0022】
図7に戻り、この後、光記憶媒体208の信号面で反射された戻り光は、上記とは逆に対物レンズ207,1/4波長板206を順に通過し、偏光ビームスプリッタ205の偏光分離面205bで反射されて略90°方向を転じられた後に検出レンズ209及びシリンドリカルレンズ210を順に通過して光検出器211上に達する。そして、光検出器211で光記憶媒体208の信号面からのメイン信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号が検出される。尚、以下の説明では、メイン信号の検出及びフォーカスエラー信号の検出についての説明を省略する。
【0023】
この際、対物レンズ207がトラッキング制御により大きく移動した場合(光軸ずれが生じた場合)、あるいは、光記憶媒体208と対物レンズ207との間に相対的な傾き(チルト)が生じた場合に、トラッキングエラー信号にオフセットが生じるが、このオフセットをキャンセルしながらトラッキングエラー信号を検出する方法としてDPP(Differential Push Pull)法が適用されており、上記した特許文献2ではメインスポットM及び一対のサブスポットS1,S2に対して光検出器211内に3個の2分割型受光素子(図示せず)を配置した例が開示されているものの、DPP法の検出精度を高めると共にメイン信号の検出及びフォーカスエラー信号の検出並びにトラッキングエラー信号の検出を4分割型受光素子で兼用できるトラッキングエラー信号検出回路50が図8(c)に示した構成で採用されている。
【0024】
即ち、図8(c)に示した如く、DPP法を適用したトラッキングエラー検出回路50では、光検出器内の半導体基板(図示せず)上にメインスポットMを検出するための4分割型受光素子51と、一対のサブスポットS1,S2を検出するための一対の2分割型受光素子52,53とが配置されている。
【0025】
この際、4分割型受光素子51は受光領域a〜dを有し、一方、受光素子52は受光領域e,fを有し、受光素子53は受光領域g,hを有すると共に、受光素子52,53の受光領域(e,f),(g,h)の分割線は光記憶媒体208の径方向(ラジアル方向)と直交する方向である。
【0026】
ここで、トラッキングエラー検出回路50を説明すると、4分割型受光素子51は4分割した受光領域a〜dでメインスポットMを受光して、受光領域a,cの各出力を加算器54で加算すると共に、受光領域b,dの各出力を加算器55で加算する。この後、加算器54の出力と加算器55の出力との差分を減算器56で算出して、{(a+c)−(b+d)}の情報を持つプッシュプル信号TE1を減算器56から出力する。
【0027】
また、受光素子52は2分割した受光領域e,fで+1次光によるサブスポットS1を受光して、受光領域eの出力と受光領域fの出力との差分を減算器57で算出して、(e−f)の情報を持つプッシュプル信号TE2を減算器57から出力する。
【0028】
また、受光素子53は2分割した受光領域g,hで−1次光によるサブスポットS2を受光して、受光領域gの出力と受光領域hの出力との差分を減算器58で算出して、(g−h)の情報を持つプッシュプル信号TE3を減算器58から出力し、更に、プッシュプル信号TE3に対してゲインアンプ59でゲイン定数G2を乗算することでゲインアンプ59からゲイン出力G2・TE3を出力する。
【0029】
この後、減算器57からのプッシュプル信号TE2と、ゲインアンプ59からのゲイン出力G2・TE3とを加算器60で加算して加算出力(TE2+G2・TE3)を得て、更に、加算出力(TE2+G2・TE3)に対してゲインアンプ61でゲイン定数G1を乗算することでゲインアンプ61からゲイン出力G1・(TE2+G2・TE3)を出力する。
【0030】
更に、減算器56からのプッシュプル信号TE1と、ゲインアンプ61からのゲイン出力G1・(TE2+G2・TE3)との差分を減算器62で演算することにより、減算器62からトラッキング信号TE=TE1−G1・(TE2+G2・TE3)が得られる。
【0031】
そして、上記のように構成したトラッキングエラー検出回路50によれば、メインスポットMのプッシュプル信号に対して、サブスポットS1,S2のプッシュプル信号はスポットが光記憶媒体208のトラック(グルーブG,ランドL)を光記憶媒体208の半径方向に移動した場合に検出される出力がちょうど180°位相がずれて現れる。一方、レンズシフトなどにより、受光素子51〜53上の各スポットの相対位置がずれて光量バランスが崩れたときに発生する成分はメインスポットMとサブスポットS1,S2で同じ位相で変化する。従って、メインスポットMとサブスポットS1,S2との差動を取ることにより、レンズシフトにより発生するオフセットをキャンセルすることが可能となるものである。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体(超高密度光ディスク)に対応して、図6に示した従来例1の光ピックアップ装置100における球面収差補正手段105の技術的思想と、図7に示した従来例2の光ピックアップ装置200における3ビーム生成用の回折格子203及びビーム整形プリズ204の技術的思想とを組み合わせて、超高密度光記録媒体用として新たな光ピックアップ装置を開発するにあたって、従来例2の光ピックアップ装置200では3ビーム生成用の回折格子203及びビーム整形プリズム204に対して以下に説明するような光学的な問題点が生じることが判明し、この問題点について図9及び図10を用いて説明する。
【0033】
図9は従来例2の光ピックアップ装置において、3ビーム生成用の回折格子及びビーム整形プリズムに対する問題点が発生する構造形態を説明するために模式的に示した斜視図、
図10は図9に示したビーム整形プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して光記録媒体に照射した状態を示した平面図である。
【0034】
図9に示した如く、回折格子203で得られた3ビームをビーム整形プリズム204で拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形する時に、3ビームがビーム整形プリズム204により拡大する水平方向をx軸に設定し、且つ、このx軸とレーザー光の光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定すると、回折格子203はx軸とy軸を含む矩形状のxy面で表示でき、且つ、xy面はコリメータレンズ202(図7)側が入射面203aとなり、この入射面203aと対向する側が出射面203bとなる。
【0035】
そして、上記した回折格子203のxy面内で出射面203b上に凹凸状格子(図示せず)がx軸と平行に所定のピッチで凹凸状に複数形成され、且つ、入射面203a及び出射面203bの法線はレーザー光の光軸と一致しているので、xy面とレーザー光の光軸とがなす角度θがθが=90°となり、即ち、回折格子203のxy面がレーザー光の光軸と直交して設けられている。
【0036】
この状態で半導体レーザー201からのレーザー光が回折格子203の入射面203aに入射して、出射面203bからビーム整形プリズム204の入射面204aに向かって出射する時に、出射面203bに形成した凹凸状格子(図示せず)によりレーザー光が回折されて光軸上の点Oから3ビームに分離され、この3ビームがビーム整形プリズム204側に出射される。
【0037】
この際、3ビームのうちでメインビームとなる0次光はレーザー光の光軸に沿ってそのまま直進してビーム整形プリズム204の入射面204a上の点mに到達する一方、サブビームとなる±1次光は0次光を中心にして上下対称にそれぞれ角度αだけ回折されてビーム整形プリズム204の入射面204a上の点s1,s2に到達し、且つ、ビーム整形プリズム204の入射面204a上で点mを挟んで点s1と点s2とが垂直方向(y軸方向)に沿って一直線に並ぶ。
【0038】
ここで、回折格子203により回折された3ビームのうちで、レーザー光の光軸に対して角度を持たない0次光と、回折格子203の凹凸状格子(図示せず)で回折することでレーザー光の光軸に対してある角度αを持った±1次光とがビーム整形プリズム204中で所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面204aに入射する時点で、ビーム整形プリズム204の入射面204aに対する各ビームの入射角が異なるために、0次光に対して±1次光はビーム整形プリズム204により僅かに屈折方向に違いが生じる。
【0039】
即ち、0次光はビーム整形プリズム204の入射面204aに対してx方向の角度成分βxのみを持っているので、入射面204aに入射した光線の屈折方向はx方向のみであり、y方向の角度成分βy=90°である。これに対して、±1次光はビーム整形プリズム204の入射面204aに対してy方向にも角度をもって入射する。
【0040】
従って、±1次光がビーム整形プリズム204の入射面204aに対する入射角により、yの角度はy方向成分とx方向成分とに分解され、入射面204aに対するx方向の入射角が大きくなるにつれて、y方向の成分が減少し、x方向の成分が増加する。これに伴って、ビーム整形プリズム204の出射面204bを出射した各ビームは、0次光に対して、±1次光がx方向にも角度をもって出射し、且つ、y方向については回折格子203による回折方向で、0次光に対して対称な角度であるが、x方向については、+1次光と−1次光が同じ方向に角度をもって出射する。
【0041】
この後、整形された3ビームは、ビーム整形プリズム204の出射面204bから出射し、更に、偏光ビームスプリッタ205の入射面205aに入射して偏光分離面205bを通って出射面205cから出射した時に、0次光は点m’の位置となり、±1次光は点m’の位置を挟んだ上下で且つ点m’に対してx方向の左側(−x側)に偏った点s1’,s2’の位置となる。そして、点s1’と点m’と点s2’とを結んだ時に各点は一直線上になく、例えば「くの字」の左右を反転させた「逆くの字」状になる。勿論、3ビームがビーム整形プリズム204の出射面204bから出射した時も、偏光ビームスプリッタ205の出射面205cから出射したと同じ「逆くの字」状になっている。
【0042】
そして、図10に示したように、偏光ビームスプリッタ205の出射面205cから出射した3ビームを対物レンズ207(図7)を介して光記録媒体208上に照射して0次光によるメインスポットMと、±1次光によるサブスポットS1,S2とを光記録媒体208上に集光させながら回折格子203をグレーティング調整する。このグレーティング調整で、回折格子203をレーザー光の光軸を中心にしてごく僅かに回転させて、例えば一方のサブスポットS2をグルーブGの左側のランドLの中央位置(1/2トラック位置=Tp/2)に配置するように調整すると、メインスポットMはグルーブGの中央位置に配置される。しかしながら、偏光ビームスプリッタ205の出射面205cから出射した3ビームは上記したように「逆くの字」状になっているために、他方のサブスポットS1はグルーブGの右側のランドLの中央位置(1/2トラック位置=Tp/2)よりも僅かに左側にずれてしまい、サブスポットS1とメインスポットMとサブスポットS2とを結んだ線がごく僅かに「逆くの字」状になってしまう。従って、メインスポットMをグルーブGのセンターにおいた状態で、サブスポットS1,S2を完全に1/2トラックずらした位置に配置することができない。
【0043】
即ち、回折格子203から出射した0次光と±1次光とによる3ビームが、ビーム整形プリズム204の入射面204a上で垂直方向(y軸方向)に沿って一直線に入射した時に、入射面204aでの各ビームの屈折により出射面204bから出射する時には0次光に対して±1次光が例えばx方向の左側(−x側)に偏りが生じてしまうことになる。
【0044】
より具体的には、従来例2に示した構造形態で回折格子203で生成した3ビームをビーム整形プリズム204で屈折させた時の0次光と±1次光の光線の角度を下記する表1に示す。
【0045】
【表1】
表1において、ビーム整形プリズム204は、材質としてホウケイ酸クラウンガラス(BK7)を用い、整形倍率が1.5倍であり、且つ、プリズム頂角が33.2°であり、0次光の入射角が56.895°であり、回折格子203のグレーティングピッチが43μmであり、回折格子203の±1次光回折角が0.54365°である場合に、ビーム整形プリズム204から出射する0次光出射角度,+1次光出射角度,−1次光出射角度をそれぞれ示す。
【0046】
即ち、回折格子203を出た0次光は、ビーム整形プリズム204の入射面204aに対してx方向に56.895°、y方向に0°の角度で入射し、この後、プリズム頂角33.2°に従って水平方向に傾斜させた入射面204aでx方向にのみ屈折されて、ビーム整形プリズム204の出射面204bに対して、x方向,y方向ともに0°で出射する。
【0047】
一方、回折格子203を出た±1次光は、x方向については0次光と同じ角度56.895°、y方向については回折格子203で回折された角度0.54365°で入射し、この後、ビーム整形プリズム204の出射面204bから0次光に対してx方向に0.001479°、y方向に−0.54365°(+1次光),0.54365°(−1次光)の角度をもって出射する。
【0048】
従って、ビーム整形プリズム204に入射する前では0次光と±1次光でx方向の角度に差が無かったものが、ビーム整形プリズム204を通過した後はx方向に角度の差が生じる。
【0049】
次に、下記の表2は、対物レンズに焦点距離2mm、を使った場合の光ディスク上におけるスポットの位置関係を示したものである。
【0050】
【表2】
表2では、ビーム整形プリズム(アナモルフィックプリズム)を使用することにより、回折格子による0次光をセンターとして、±1次光の位置がx方向に約0.04μmずれている。このずれはDVDの場合にはトラックピッチに対して小さいので影響はほとんどでないが、波長が450nm以下の青紫色レーザー光を使った超高密度光ディスクでは、トラックピッチが0.32μm程度であり、DPP法を使用する場合、サブスポットはメインスポットに対して1/2トラック、すなわち0.16μm半径方向にずれて配置されるので、上記した約0.04μmのずれは、その1/4にあたり、無視することはできない。
【0051】
実際に、サブスポットがずれた状態では、メインスポットのプッシュプル振幅が最大になる位置に対して、サブスポットのプッシュプルの振幅が最大になる位置がずれることになる。従って、これらから演算されるトラッキングエラー信号の振幅が低下する。また、オフセットも発生する。オフセットの電気的な補正を行わない場合には、オフトラックが発生し、信号の品質が低下するという問題があった。
【0052】
そこで、本発明は、回折格子とビーム整形プリズム(アナモルフィックプリズム)とを用いた光ピックアップにおいて、回折格子からの3ビームがビーム整形プリズムを通過することにより発生する、±1次光の位置の変化を補正し、トラッキングエラー信号の振幅低下やオフセットを発生させない光ピックアップ装置を供給することを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、レーザー光を出射する半導体レーザーと、前記レーザー光を平行ビームに変換するコリメータレンズと、前記平行ビームを回折して0次光と±1次光とによる3ビームに分離する回折格子と、前記3ビームの径を拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形するビーム整形プリズムと、整形された前記3ビームを光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを少なくとも備えた光ピックアップ装置において、
前記3ビームが前記ビーム整形プリズムにより拡大する方向をx軸に設定し、且つ、このx軸と光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定した時に、前記回折格子を前記x軸と前記y軸を含むxy面で形成し、且つ、前記xy面を前記y軸を中心にして回動させて前記xy面と光軸とがなす角度を直角以外の所定の角度θに設定して、前記xy面内に形成した格子が前記x軸と略平行になるように配置したことを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る光ピックアップ装置の一実施例を図1乃至図5を参照して詳細に説明する。
【0055】
図1は本発明に係る光ピックアップ装置の全体構成を示した構成図、
図2(a),(b)は図1に示した回折格子を拡大して示した平面図,側面図、
図3は図1に示した球面収差補正手段及び対物レンズ近傍を拡大して示した図である。
【0056】
図1に示した本発明に係る光ピックアップ装置10は、狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体(以下、超高密度光ディスクと記す)1の信号面1b上で情報信号を超高密度に記録及び/又は再生するために開発したものである。尚、実施例では、本発明に係る光ピックアップ装置10を、円盤状の超高密度光ディスク1に適用した場合について以下に説明するが、これに限ることなく、超高密度光記録媒体として矩形状の光カードなどにも適用することも可能である。
【0057】
まず、図1に示した如く、超高密度光ディスク(Blu Ray Disc)1は、レーザービーム入射面1aと信号面1bとの間のディスク基板厚さtが略0.1mmに薄く設定されて、この上に略1.1mmの補強板(図示せず)を貼り合せて合計厚さが略1.2mmに形成されている。
【0058】
上記した光ピックアップ装置10では、超高密度光ディスク1に対応して半導体レーザー11から波長が450nm以下のレーザー光Lが出射されており、この実施例ではレーザー光Lの基準波長が例えば408nmに設定されている。
【0059】
そして、半導体レーザー11から出射されたレーザー光Lは直線偏光の発散光であり、この発散光がコリメータレンズ12で平行ビームに変換された後、この平行ビームはレーザー光Lの光軸に対して所定の角度θまで回動させて配置した回折格子(グレーティング)13の平坦な入射面13aから入射し、図2(a),(b)に示したように出射面13bに形成した凹凸状格子13b1により回折され、凹凸状格子13b1のピッチと傾斜の角度に応じて0次回折光と±1次回折光からなる3本のビーム(以下、3ビームと記す)に分離される。
【0060】
この実施例では、従来例2と異なって、回折格子13を、上記したようにレーザー光Lの光軸に対して所定の角度θまで回動させて配置することで、3ビーム生成時に生じる従来の問題点を解決することを特徴とするものであるが、これについては後で詳述する。
【0061】
上記した回折格子(グレーティング)13は、図2(a),(b)に拡大して示したように、光透過性材料を用いて半導体レーザー11側及びコリメータレンズ12側の入射面13aが平坦面に形成され、且つ、入射面13a及びこの入射面13aと対向する出射面13bをx軸及びこのx軸に直交したy軸を含むxy面で表示した時に、出射面13b上に凹凸状格子13b1がx軸と平行に所定のピッチで凹凸状に複数形成されている。この際、z軸はxy面と直交してこのxy面の中心を通る法線である。尚、実施例では、回折格子13の出射面13b上に凹凸状格子13b1を形成したが、凹凸状格子13b1を入射面13a上にx軸と平行に所定のピッチで凹凸状に複数形成することも可能である。
【0062】
図1に戻り、この後、回折格子13で得れた3ビームは、回折格子13の出射面13bと対向する側に配置したビーム整形・PBS合成プリズム14中で所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面14aから入射させている。上記したビーム整形・PBS合成プリズム14は、従来例2で説明したような三角柱形状のビーム整形プリズム(アナモルフィックプリズム)と、立方体形状の偏光ビームスプリッタ(PBS)とを一体的に合体したものである。尚、この実施例では、ビーム整形・PBS合成プリズム14を用いているが、従来例2と同様に、三角柱形状のビーム整形プリズム(アナモルフィックプリズム)と、立方体形状の偏光ビームスプリッタ(PBS)とをそれぞれ別体で用いても良い。
【0063】
ここで、上記したビーム整形・PBS合成プリズム14では、半導体レーザー11からのレーザー光の出射構造により水平方向が短い楕円光量分布のビームを、入射面14aと偏光分離面14bを介して対向する第1出射面14cに対して水平方向(紙面方向)に所定のプリズム頂角に従って傾斜させた入射面14aで屈折させることにより水平方向のビーム径を整形倍率に応じて広げている。この際、所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面14aにおける屈折では、紙面に対し垂直な方向のビームの幅は変わらないので、楕円光量分布のビームは略円光量分布のビームに整形される。そして、整形された略円光量分布のビームは、ビーム整形・PBS合成プリズム14内で半透過反射膜を膜付けした偏光分離面14bを透過して第1出射面14cから出射して、球面収差補正手段15に入射され、この球面収差補正手段15で3ビームに対して球面収差を補正している。
【0064】
上記した球面収差補正手段15は、半導体レーザー11と超高密度光ディスク1の信号面1bとの間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正するものであり、図3にも拡大して示した如く、半導体レーザー11側に設けた凹レンズ(負レンズ)15Aと、凹レンズ15Aを光軸方向に沿って変位させるアクチュエータ15Bと、後述する対物レンズ18側に設けた凸レンズ(正レンズ)15Cとから構成されている。そして、凹レンズ15Aをアクチュエータ15Bによって凸レンズ15Cに対して光軸方向に変位させ、凹レンズ15Aと凸レンズ15Cとの間隔を制御して、対物レンズ18に入射する3ビームの平行度を調整して、対物レンズ18の倍率誤差による球面収差を発生させて他の球面収差と相殺することで球面収差を補正している。尚、球面収差補正手段として、実施例では凹レンズ15Aとアクチュエータ15Bと凸レンズ15Cとの組み合わせを用いたが、これに代えて液晶素子などを用いた波面変調素子を適用することも可能である。
【0065】
この後、球面収差補正手段15を通った3ビームは、立ち上げミラー16によって略90°方向を転じられた後に位相板17を透過して円偏光となる。この際、位相板17は、3ビームが透過する時に略1/4波長(90°)の位相差を与えるものである。
【0066】
更にこの後、位相板17を透過した3ビームは、超高密度光ディスク用として設計された対物レンズ18に入射される。上記した対物レンズ18は、超高密度光ディスク1に対応して開口数(NA)が0.75以上に設定され、且つ、互いに対向する第1,第2面18a,18bのうちで少なくとも1面が非球面に形成されたものである。この実施例における対物レンズ18は、開口数(NA)が0.85の単玉レンズであり、且つ、第1,第2面18a,18b共に非球面に形成されたものを使用している。この際、対物レンズ18はレンズホルダ19内の上方部位に取り付けられていると共に、このレンズホルダ19の外周にフォーカスコイル20とトラッキングコイル21とが一体的に取り付けられ、且つ、レンズホルダ19の外周に固着させた複数本のサスペンションワイヤ(図示せず)を介してレンズホルダ19と一体に対物レンズ18が超高密度光ディスク1のフォーカス方向とトラッキング方向とに揺動可能に支持されている。
【0067】
そして、対物レンズ18でここに入射した3ビームを絞ってO次光によるメインビームと±1次光による一対のサブビームとを得て、メインビームと一対のサブビームとを超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aから入射させて、超高密度光ディスク1の信号面1b上に照射すると、後述するように図5に示し超高密度光ディスク1の信号面1bのグルーブG上にメインスポットMが集光され、且つ、グルーブGの左右に隣り合うランドL,L上に一対のサブスポットS1,S2が集光される。この際、一対のサブスポットS1,S2はメインスポットMに対して超高密度光ディスク1の半径方向にトラックピッチTpの1/2だけずれた位置に配置される。
【0068】
この後、超高密度光ディスク1の信号面1bで反射された戻り光は、上記とは逆に、対物レンズ18,位相板17,立ち上げミラー16,球面収差補正手段15を通った後に、ビーム整形・PBS合成プリズム14の偏光分離面14bで反射されて略90°方向を転じられた後に第1出射面14cと直交する第2出射面14dから出射して凸レンズ22,シリンドリカルレンズ23を順に通過して光検出器24に達する。そして、光検出器24で超高密度光ディスク1の信号面1bからのメイン信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号が検出される。
【0069】
この際、トラッキングエラー信号は、先に図8(c)を用いて説明したDPP法を適用したトラッキングエラー信号検出回路50により検出している。
【0070】
ここで、本発明の要部となる3ビーム生成用の回折格子13及びビーム整形・PBS合成プリズム14に対する従来の問題点を解決するための構造形態について図4及び図5を用いて説明する。
【0071】
図4は本発明に係る光ピックアップ装置において、3ビーム生成用の回折格子及びビーム整形・PBS合成プリズムに対する従来の問題点を解決した構造形態を説明するために模式的に示した斜視図、
図5は図4に示したビーム整形・PBS合成プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して超高密度光ディスクに照射した状態を示した平面図である。
【0072】
先に図9を用いて「発明が解決しようとする課題」で説明したように、従来例2では回折格子203から出射した0次光と±1次光とによる3ビームが、ビーム整形プリズム204の入射面204a上で垂直方向(y軸方向)に沿って一直線に入射した時に、入射面204aでの各ビームの屈折により出射面204bから出射する時には0次光に対して±1次光が例えばx方向の左側(−x側)に偏りが生じてしまうことが予めわかっているので、本発明では、図4に示したように、回折格子13から出射した0次光と±1次光とによる3ビームを、ビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14a上に垂直方向(y軸方向)に沿って一直線に入射させずに、0次光に対して±1次光を、ビーム整形・PBS合成プリズム14での屈折により生じるx方向への偏りをキャンセルするように入射面14a上で逆方向に予め偏らせて入射させている。
【0073】
即ち、図4に示した如く、回折格子13で得られた3ビームをビーム整形・PBS合成プリズム14で拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形する時に、3ビームがビーム整形・PBS合成プリズム14により拡大する水平方向をx軸に設定し、且つ、このx軸とレーザー光の光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定すると、回折格子13はx軸とy軸を含む矩形状のxy面で表示でき、且つ、xy面は前述したようにコリメータレンズ12(図1)側が入射面13aとなり、この入射面13aと対向する側が出射面13bとなると共に、xy面内の出射面13b上には、前述したように、凹凸状格子13b1がx軸と平行に所定のピッチで凹凸状に複数形成されている。
【0074】
ここで、回折格子13は、xy面をy軸を中心にして回動させてxy面とレーザー光Lの光軸とがなす角度を直角以外の所定の角度θに設定している。この際、上記した所定の角度θは、回折格子13の出射面13bに形成した凹凸状格子13b1の±1次光への回折角と、ビーム整形・PBS合成プリズム14中で所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面14aの整形倍率とによって決定されるものである。
【0075】
そして、回折格子13をy軸を中心にして所定の角度θの位置まで回動させた状態で、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lを回折格子13の入射面13aから入射させると、このレーザー光Lが回折格子13の出射面13bに形成した凹凸状格子13b1の±1次光への回折角に応じて回折されて出射面13bの点Oから0次光と±1次光とによる3ビームが出射されるが、3ビームのうちで0次光は凹凸状格子13b1によって回折されることなくそのまま直進し、レーザー光Lの光軸に対してx方向、y方向ともに0°の状態を保ったままビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14a上で点mの位置に至り、ここでの入射角に応じて屈折される。
【0076】
一方、3ビームのうちで±1次光は凹凸状格子13b1によって回折されて、0次光に対してx方向、y方向ともに異なる角度で入射し、±1次光は0次光を中心にして上下対称にそれぞれ角度α’だけ回折されてビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14a上の点s1,s2に到達するものの、回折格子13がy軸を中心にして所定の角度θだけ予め回動しているために、入射面14a上の点s1,s2は点mに対してx方向の右側(+x側)に偏った位置となる。そして、入射面14a上の点s1と点mと点s2とを結んだ時に各点は一直線上になく、例えば「くの字」状になる。一方、ビーム整形・PBS合成プリズム14は従来の問題点で説明したように0次光に対して±1次光が「逆くの字」に出射される特性を持っているので、回折格子13の回動により0次光に対して±1次光が「くの字」に出射させて、ビーム整形・PBS合成プリズム14での屈折及び出射の方向をキャンセルさせることにより、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射する時には0次光と±1次光とが同じ線上で一直線になる。
【0077】
即ち、ビーム整形・PBS合成プリズム14は、前記したようにx方向の左側(−x側)に偏りを生じる性質を持っているために、x方向の右側(+x側)に偏って入射面14aに入射した3ビームは出射面14cから出射する時点でx方向の偏りがキャンセルされて、出射面14cから出射した時に、0次光は点m’の位置となり、±1次光は点m’の位置を挟んだ上下で且つ点m’と同一のy軸方向に沿った直線上に位置する。これを言い換えると、前述したように、y方向に角度を持った±1次光がx方向に傾いたビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14aに入射すると、x方向の屈折がy方向の角度に応じて0次光に対してずれ、このずれをキャンセルするように予めx方向の角度を0次光の角度と異なる角度でビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14aに入射させているものである。
【0078】
より具体的な例として、半導体レーザー11から基準波長が408nmのレーザー光を出射させ、このレーザー光を回折格子13の入射面13aから入射して出射面14c上でx軸と平行に所定のピッチとして43μmで形成した複数の凹凸状格子13b1により回折させて、0次光と±1次光とによる3ビームを生成する際に、回折格子13をy軸を中心にして角度θを変化させながら回動させた場合に、回折格子13の出射面13bから出射する±1次光のx方向の出射角のずれ量は下記の表3に示したようになり、本実施例では所定の角度θとしてθ=45°の場合を採用している。
【0079】
【表3】
この後、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射した3ビームは、前述の図1で示したように、球面収差を補正する球面収差補正手段15を通過し、光路を折り曲げる立ち上げミラー16、位相板17を順に通り、対物レンズ18へと入射する。
【0080】
そして、図5に示したように、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射した3ビームを対物レンズ18(図1)を介して超高密度光ディスク1の信号面1b上に照射して、0次光によるメインスポットMと、±1次光によるサブスポットS1,S2とを信号面1b上に集光させながら回折格子13をグレーティング調整する。このグレーティング調整で、回折格子13をレーザー光の光軸を中心にしてごく僅かに回転させて、例えば一方のサブスポットS2をグルーブGの左側のランドLの中央位置(1/2トラック位置=Tp/2)に配置するように調整すると、メインスポットMはグルーブGの中央位置に配置される。更に、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射した3ビームは前述したように一直線上にあるために、従来と異なって、他方のサブスポットS1もグルーブGの右側のランドLの中央位置(1/2トラック位置=Tp/2)に配置される。この時、サブスポットS1とメインスポットMとサブスポットS2とを結んだ線は、従来のような「逆くの字」にならずに一直線になる。また、メインスポットをグルーブGのセンターにおいた状態で、サブスポットS1,S2を完全に1/2トラックずらした位置に配置することができる。
【0081】
この際、0次光のメインスポットMに対して±1次光のサブスポットS1,S2は対物レンズ18の焦点距離fに応じて、下記の式で示される間隔で集光される。
f×tanδ(δ:±1次光の対物レンズへの入射角度)
従って、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射した3ビームを対物レンズ18(図1)を介して超高密度光ディスク1の信号面1b上に照射した後に、回折格子13をグレーティング調整すると、回折格子13の出射面13bに形成した凹凸状格子を13b1がx軸と略平行になるよう配置されることになる。
【0082】
上記からビーム整形・PBS合成プリズム14から出射した3ビームを対物レンズ18を介して狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体1の信号面1b上に照射した時に、超高密度光ディスク1の信号面1b上で0次光によるメインスポットMはグルーブG(又はランドL)上に集光され、且つ、±1次光による一対のサブスポットS1,S2はグルーブG(又はランドL)の左右に隣り合うランドL,L(又はグルーブG,G)上に確実に集光される。これを言い換えると、メインスポットMをグルーブG(又はランドL)のセンターにおいた状態で、一対のサブスポットS1,S2を完全に1/2トラックずらした位置に配置することができ、これに伴って、超高密度光ディスク1の信号面1b上からトラッキングエラー信号をDPP法によって確実に検出することができ、且つ、トラッキングエラー信号にオフセットや位相ずれが発生しないので、情報信号を超高密度に記録又は再生できる。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る光ピックアップ装置によると、とくに、半導体レーザーから出射したレーザー光を回折格子で回折して0次光と±1次光とによる3ビームに分離した後に、この3ビームをビーム整形プリズムで拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形するにあたって、3ビームがビーム整形プリズムにより拡大する方向をx軸に設定し、且つ、このx軸と光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定した時に、回折格子をx軸とy軸を含むxy面で形成し、且つ、xy面をy軸を中心にして回動させてxy面と光軸とがなす角度を直角以外の所定の角度θに設定して、xy面内に形成した格子がx軸と略平行になるように配置したため、0次光に対して±1次光を、ビーム整形プリズムの入射面での屈折により生じるx方向への偏りをキャンセルするように入射面上で逆方向に予め偏らせて入射させることができるので、ビーム整形プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体の信号面上に照射した時に、超高密度光ディスクの信号面上で0次光によるメインスポットはグルーブ(又はランド)上に集光され、且つ、±1次光による一対のサブスポットはグルーブ(又はランド)の左右に隣り合うランド(又はグルーブ)上に確実に集光される。これを言い換えると、メインスポットをグルーブ(又はランド)のセンターにおいた状態で、一対のサブスポットを完全に1/2トラックずらした位置に配置することができ、これに伴って、超高密度光ディスクの信号面上からトラッキングエラー信号をDPP法によって確実に検出することができ、且つ、トラッキングエラー信号にオフセットや位相ずれが発生しないので、情報信号を超高密度に記録又は再生できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ピックアップ装置の全体構成を示した構成図である。
【図2】(a),(b)は図1に示した回折格子を拡大して示した平面図,側面図である。
【図3】図1に示した球面収差補正手段及び対物レンズ近傍を拡大して示した図である。
【図4】本発明に係る光ピックアップ装置において、3ビーム生成用の回折格子及びビーム整形・PBS合成プリズムに対する従来の問題点を解決した構造形態を説明するために模式的に示した斜視図である。
【図5】図4に示したビーム整形・PBS合成プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して超高密度光ディスクに照射した状態を示した平面図である。
【図6】従来例1の光ピックアップ装置を示した構成図である。
【図7】従来例2の光ピックアップ装置を示した構成図である。
【図8】3ビームを光記憶媒体に照射した時に、トラッキングエラー信号を検出する状態を説明するための図である。
【図9】従来例2の光ピックアップ装置において、3ビーム生成用の回折格子及びビーム整形プリズムに対する問題点が発生する構造形態を説明するために模式的に示した斜視図、
【図10】図9に示したビーム整形プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して光記録媒体に照射した状態を示した平面図である。
【符号の説明】
1…超高密度光記録媒体(超高密度光ディスク)、
1a…レーザービーム入射面、1b…信号面、
10…光ピックアップ装置、
11…半導体レーザー、12…コリメータレンズ、
13…回折格子(グレーティング)、
13a…入射面、13b…出射面、13b1…凹凸状格子、
14…ビーム整形・PBS合成プリズム、14a…入射面、
14b…偏光分離面、14c…第1出射面、14d…第2出射面、
15…球面収差補正手段、15A…凹レンズ(負レンズ)、
15B…アクチュエータ、15C…凸レンズ(正レンズ)、
16…立ち上げミラー、17…位相板、
18…対物レンズ、18a…第1面、18b…第2面、19…レンズホルダ、
20…フォーカスコイル、21…トラッキングコイル、
22…凸レンズ、23…シリンドリカルレンズ、24…光検出器。
【発明の属する技術分野】
本発明は、とくに、狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体に対応して、対物レンズから超高密度光記録媒体の信号面上に照射する3ビームを良好に生成できる光ピックアップ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、円盤状の光ディスクやカード状の光カードなどの光記録媒体は、映像情報とか音声情報やコンピュータデータなどの情報信号を透明基板上で螺旋状又は同心円状に形成したトラックに高密度に記録し、且つ、記録済みのトラックを再生する際に所望のトラックを高速にアクセスできることから多用されている。
【0003】
この種の光記録媒体となる光ディスクとして例えばCD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などは既に市販されているが、最近になって光ディスクに対してより一層高密度化を図るために、上記したCD,DVDよりも狭トラック化を図って情報信号を超高密度に記録又は再生できる超高密度光ディスク(Blu Ray Disc)の開発が盛んに行われている。
【0004】
上記した超高密度光ディスクは、波長が450nm以下のレーザー光を開口数(NA)が0.75以上の対物レンズで絞って得たレーザービームを照射して、レーザービーム入射面から略0.1mm隔てた位置にある信号面上に情報信号を超高密度に記録又は再生できるように開発が進められている。この際、超高密度光ディスクの記録容量はディスク基板の直径が12cmの時に片面で25GB(ギガバイト)前後である。
【0005】
ところで、超高密度光ディスクを記録又は再生するための光ピックアップ装置は各種の構造形態があるものの、一例として、レーザー光の基準波長が400nm程度のレーザー光源と、レーザー光源と超高密度光ディスクの信号面との間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正する球面収差補正手段と、開口数が0.85より大とされ且つ軽量な非球面単玉対物レンズとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、光記録媒体を記録又は再生する際に、対物レンズから光記録媒体に照射する3ビームを生成するための光ピックアップ装置として、半導体レーザーと、半導体レーザーから出射したレーザー光を回折させて0次光と±1次光からなる3ビームを生成する回折格子(グレーティング)と、3ビームの径を拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形するビーム整形プリズムと、整形した3ビームを光記録媒体に照射する対物レンズと、光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを少なくとも備えたものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−5032号公報(第9頁、第2図)
【0008】
【特許文献2】
特開2001−344805号公報(第6頁、第1図)
【0009】
図6は従来例1の光ピックアップ装置を示した構成図である。
【0010】
まず、図6に示した従来例1の光ピックアップ装置100は、上記した特許文献1(特開2003−5032号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献1を参照して簡略に説明する。
【0011】
図6に示した如く、従来例1の光ピックアップ装置100において、超高密度な情報記録媒体に対応して、レーザー光源101から出射された基準波長が400nm程度のレーザー光Lは、カップリングレンズ102,ビーム整形プリズムペア103,偏光ビームスプリッタ104,ビームエキスパンダ105,1/4波長板106,及び絞り107を順に通過し、開口数が0.85より大とされ且つ軽量な非球面単玉対物レンズ108によって絞られたレーザービームLaが情報記録媒体の保護層109を介して信号面109a上に照射される。この後、信号面109aで反射された戻り光Lbは、上記とは逆に非球面単玉対物レンズ108,絞り107,1/4波長板106,ビームエキスパンダ105を順に通過し、偏光ビームスプリッタ104によって反射されてシリンドリカルレンズ111,フォーカシングレンズ112を通過して光検出器113上に達して信号面情報が検出される。
【0012】
ここで、球面収差補正手段としてのビームエキスパンダ105は、負レンズ105Aと、1軸アクチュエータ105Bと、正レンズ105Cとを備え、且つ、負レンズ105Aが1軸アクチュエータ105Bにより正レンズ105Cに対して光軸方向に沿って変位可能になっている。また、非球面単玉対物レンズ108は2軸アクチュエータ110によりフォーカシング方向及びトラッキング方向に駆動される。
【0013】
上記のように構成した従来例1の光ピックアップ装置100では、レーザー光源101から出射したレーザー光Lの基準波長に対するバラツキ,環境変化,情報記録媒体の保護層109の厚さ誤差,非球面単玉対物レンズ108の製造誤差などに起因して、ビームエキスパンダ105を作動させることで、レーザー光源101と情報記録媒体の信号面109aとの間の光軸上に配置された集光光学系中で発生する球面収差を補正することができる。
【0014】
一方、光記録媒体(光ディスク)用の光ピックアップ装置において、トラッキングサーボ方式に回折格子を用いて半導体レーザーから出射したレーザー光を回折させて0次光と±1次光からなる3ビームを生成し、この3ビームを対物レンズにより光ディスクの信号面上に照射した際に、光記録媒体の信号面上のメイン信号を読み取るためのメインスポットと、このメインスポットから所定の距離はなれた位置にトラッキングのためのエラー信号を得るための一対のサブポットとを生成する方法があり、この方法は下記する従来例2の光ピックアップ装置で行われている。
【0015】
図7は従来例2の光ピックアップ装置を示した構成図、
図8は3ビームを光記憶媒体に照射した時に、トラッキングエラー信号を検出する状態を説明するための図である。
【0016】
図7に示した従来例2の光ピックアップ装置200は、上記した特許文献2(特開2001−344805号公報)に開示されているものであり、ここでは特許文献2を参照して簡略に説明する。
【0017】
図7に示した如く、従来例2の光ピックアップ装置200において、半導体レーザー201から出射されたレーザー光は、コリメータレンズ202により平行ビームに変換され、続く回折格子(グレーティング)203により回折されて0次光と±1次光からなる3本のビーム(以下、3ビームと記す)に分離され、この後、3ビームはビーム整形プリズム204に入射される。
【0018】
ここで、ビーム整形プリズム204は、アナモルフィックプリズムとも呼称されており、光学ガラスを用いて三角柱形状に形成することで横方向と縦方向の倍率が異なる像を生成するものであり、ビーム整形プリズム204中で所定のプリズム頂角に従って水平方向に対して傾斜させた入射面204aに対し、半導体レーザー201からのレーザー光の出射構造により水平方向が短い楕円光量分布のビームを入射させ、この入射面204aで屈折させることにより水平方向のビーム径を整形倍率に応じて広げている。この際、所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面204aにおける屈折では、紙面に対し垂直な方向のビームの幅は変わらないので、楕円光量分布のビームは略円光量分布のビームに整形される。
【0019】
更に、ビーム整形プリズム204によって整形された略円光量分布のビームは、光学ガラスを用いて立方体形状に形成した偏光ビームスプリッタ(PBS)205と、1/4波長板206とを順に通過し、対物レンズ207によって光記憶媒体208の信号面上に集光される。
【0020】
この際、図8(a),(b)に示したように、回折格子(グレーティング)203により回折された3ビームのうちで0次光によるメインビームは、対物レンズ207により光記憶媒体208の信号面上に螺旋状又は同心円状に形成した凹状のグルーブG上にメインスポットMとして集光される。一方、3ビームのうちで±1次光による一対のサブビームは、凹状のグルーブGの左右に隣り合って形成された凸状のランドL,L上に一対のサブスポットS1,S2として集光されており、これにより一対のサブスポットS1,S2はメインスポットMに対して光記憶媒体208の半径方向にトラックピッチTpの1/2だけずれた位置に配置されることになる。
【0021】
この際、メインスポットMを集光させるグルーブGが情報信号を記録又は再生するトラックとなるが、メインスポットMをランドL上に集光させて情報信号を記録又は再生するトラックとすることも可能である。
【0022】
図7に戻り、この後、光記憶媒体208の信号面で反射された戻り光は、上記とは逆に対物レンズ207,1/4波長板206を順に通過し、偏光ビームスプリッタ205の偏光分離面205bで反射されて略90°方向を転じられた後に検出レンズ209及びシリンドリカルレンズ210を順に通過して光検出器211上に達する。そして、光検出器211で光記憶媒体208の信号面からのメイン信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号が検出される。尚、以下の説明では、メイン信号の検出及びフォーカスエラー信号の検出についての説明を省略する。
【0023】
この際、対物レンズ207がトラッキング制御により大きく移動した場合(光軸ずれが生じた場合)、あるいは、光記憶媒体208と対物レンズ207との間に相対的な傾き(チルト)が生じた場合に、トラッキングエラー信号にオフセットが生じるが、このオフセットをキャンセルしながらトラッキングエラー信号を検出する方法としてDPP(Differential Push Pull)法が適用されており、上記した特許文献2ではメインスポットM及び一対のサブスポットS1,S2に対して光検出器211内に3個の2分割型受光素子(図示せず)を配置した例が開示されているものの、DPP法の検出精度を高めると共にメイン信号の検出及びフォーカスエラー信号の検出並びにトラッキングエラー信号の検出を4分割型受光素子で兼用できるトラッキングエラー信号検出回路50が図8(c)に示した構成で採用されている。
【0024】
即ち、図8(c)に示した如く、DPP法を適用したトラッキングエラー検出回路50では、光検出器内の半導体基板(図示せず)上にメインスポットMを検出するための4分割型受光素子51と、一対のサブスポットS1,S2を検出するための一対の2分割型受光素子52,53とが配置されている。
【0025】
この際、4分割型受光素子51は受光領域a〜dを有し、一方、受光素子52は受光領域e,fを有し、受光素子53は受光領域g,hを有すると共に、受光素子52,53の受光領域(e,f),(g,h)の分割線は光記憶媒体208の径方向(ラジアル方向)と直交する方向である。
【0026】
ここで、トラッキングエラー検出回路50を説明すると、4分割型受光素子51は4分割した受光領域a〜dでメインスポットMを受光して、受光領域a,cの各出力を加算器54で加算すると共に、受光領域b,dの各出力を加算器55で加算する。この後、加算器54の出力と加算器55の出力との差分を減算器56で算出して、{(a+c)−(b+d)}の情報を持つプッシュプル信号TE1を減算器56から出力する。
【0027】
また、受光素子52は2分割した受光領域e,fで+1次光によるサブスポットS1を受光して、受光領域eの出力と受光領域fの出力との差分を減算器57で算出して、(e−f)の情報を持つプッシュプル信号TE2を減算器57から出力する。
【0028】
また、受光素子53は2分割した受光領域g,hで−1次光によるサブスポットS2を受光して、受光領域gの出力と受光領域hの出力との差分を減算器58で算出して、(g−h)の情報を持つプッシュプル信号TE3を減算器58から出力し、更に、プッシュプル信号TE3に対してゲインアンプ59でゲイン定数G2を乗算することでゲインアンプ59からゲイン出力G2・TE3を出力する。
【0029】
この後、減算器57からのプッシュプル信号TE2と、ゲインアンプ59からのゲイン出力G2・TE3とを加算器60で加算して加算出力(TE2+G2・TE3)を得て、更に、加算出力(TE2+G2・TE3)に対してゲインアンプ61でゲイン定数G1を乗算することでゲインアンプ61からゲイン出力G1・(TE2+G2・TE3)を出力する。
【0030】
更に、減算器56からのプッシュプル信号TE1と、ゲインアンプ61からのゲイン出力G1・(TE2+G2・TE3)との差分を減算器62で演算することにより、減算器62からトラッキング信号TE=TE1−G1・(TE2+G2・TE3)が得られる。
【0031】
そして、上記のように構成したトラッキングエラー検出回路50によれば、メインスポットMのプッシュプル信号に対して、サブスポットS1,S2のプッシュプル信号はスポットが光記憶媒体208のトラック(グルーブG,ランドL)を光記憶媒体208の半径方向に移動した場合に検出される出力がちょうど180°位相がずれて現れる。一方、レンズシフトなどにより、受光素子51〜53上の各スポットの相対位置がずれて光量バランスが崩れたときに発生する成分はメインスポットMとサブスポットS1,S2で同じ位相で変化する。従って、メインスポットMとサブスポットS1,S2との差動を取ることにより、レンズシフトにより発生するオフセットをキャンセルすることが可能となるものである。
【0032】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体(超高密度光ディスク)に対応して、図6に示した従来例1の光ピックアップ装置100における球面収差補正手段105の技術的思想と、図7に示した従来例2の光ピックアップ装置200における3ビーム生成用の回折格子203及びビーム整形プリズ204の技術的思想とを組み合わせて、超高密度光記録媒体用として新たな光ピックアップ装置を開発するにあたって、従来例2の光ピックアップ装置200では3ビーム生成用の回折格子203及びビーム整形プリズム204に対して以下に説明するような光学的な問題点が生じることが判明し、この問題点について図9及び図10を用いて説明する。
【0033】
図9は従来例2の光ピックアップ装置において、3ビーム生成用の回折格子及びビーム整形プリズムに対する問題点が発生する構造形態を説明するために模式的に示した斜視図、
図10は図9に示したビーム整形プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して光記録媒体に照射した状態を示した平面図である。
【0034】
図9に示した如く、回折格子203で得られた3ビームをビーム整形プリズム204で拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形する時に、3ビームがビーム整形プリズム204により拡大する水平方向をx軸に設定し、且つ、このx軸とレーザー光の光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定すると、回折格子203はx軸とy軸を含む矩形状のxy面で表示でき、且つ、xy面はコリメータレンズ202(図7)側が入射面203aとなり、この入射面203aと対向する側が出射面203bとなる。
【0035】
そして、上記した回折格子203のxy面内で出射面203b上に凹凸状格子(図示せず)がx軸と平行に所定のピッチで凹凸状に複数形成され、且つ、入射面203a及び出射面203bの法線はレーザー光の光軸と一致しているので、xy面とレーザー光の光軸とがなす角度θがθが=90°となり、即ち、回折格子203のxy面がレーザー光の光軸と直交して設けられている。
【0036】
この状態で半導体レーザー201からのレーザー光が回折格子203の入射面203aに入射して、出射面203bからビーム整形プリズム204の入射面204aに向かって出射する時に、出射面203bに形成した凹凸状格子(図示せず)によりレーザー光が回折されて光軸上の点Oから3ビームに分離され、この3ビームがビーム整形プリズム204側に出射される。
【0037】
この際、3ビームのうちでメインビームとなる0次光はレーザー光の光軸に沿ってそのまま直進してビーム整形プリズム204の入射面204a上の点mに到達する一方、サブビームとなる±1次光は0次光を中心にして上下対称にそれぞれ角度αだけ回折されてビーム整形プリズム204の入射面204a上の点s1,s2に到達し、且つ、ビーム整形プリズム204の入射面204a上で点mを挟んで点s1と点s2とが垂直方向(y軸方向)に沿って一直線に並ぶ。
【0038】
ここで、回折格子203により回折された3ビームのうちで、レーザー光の光軸に対して角度を持たない0次光と、回折格子203の凹凸状格子(図示せず)で回折することでレーザー光の光軸に対してある角度αを持った±1次光とがビーム整形プリズム204中で所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面204aに入射する時点で、ビーム整形プリズム204の入射面204aに対する各ビームの入射角が異なるために、0次光に対して±1次光はビーム整形プリズム204により僅かに屈折方向に違いが生じる。
【0039】
即ち、0次光はビーム整形プリズム204の入射面204aに対してx方向の角度成分βxのみを持っているので、入射面204aに入射した光線の屈折方向はx方向のみであり、y方向の角度成分βy=90°である。これに対して、±1次光はビーム整形プリズム204の入射面204aに対してy方向にも角度をもって入射する。
【0040】
従って、±1次光がビーム整形プリズム204の入射面204aに対する入射角により、yの角度はy方向成分とx方向成分とに分解され、入射面204aに対するx方向の入射角が大きくなるにつれて、y方向の成分が減少し、x方向の成分が増加する。これに伴って、ビーム整形プリズム204の出射面204bを出射した各ビームは、0次光に対して、±1次光がx方向にも角度をもって出射し、且つ、y方向については回折格子203による回折方向で、0次光に対して対称な角度であるが、x方向については、+1次光と−1次光が同じ方向に角度をもって出射する。
【0041】
この後、整形された3ビームは、ビーム整形プリズム204の出射面204bから出射し、更に、偏光ビームスプリッタ205の入射面205aに入射して偏光分離面205bを通って出射面205cから出射した時に、0次光は点m’の位置となり、±1次光は点m’の位置を挟んだ上下で且つ点m’に対してx方向の左側(−x側)に偏った点s1’,s2’の位置となる。そして、点s1’と点m’と点s2’とを結んだ時に各点は一直線上になく、例えば「くの字」の左右を反転させた「逆くの字」状になる。勿論、3ビームがビーム整形プリズム204の出射面204bから出射した時も、偏光ビームスプリッタ205の出射面205cから出射したと同じ「逆くの字」状になっている。
【0042】
そして、図10に示したように、偏光ビームスプリッタ205の出射面205cから出射した3ビームを対物レンズ207(図7)を介して光記録媒体208上に照射して0次光によるメインスポットMと、±1次光によるサブスポットS1,S2とを光記録媒体208上に集光させながら回折格子203をグレーティング調整する。このグレーティング調整で、回折格子203をレーザー光の光軸を中心にしてごく僅かに回転させて、例えば一方のサブスポットS2をグルーブGの左側のランドLの中央位置(1/2トラック位置=Tp/2)に配置するように調整すると、メインスポットMはグルーブGの中央位置に配置される。しかしながら、偏光ビームスプリッタ205の出射面205cから出射した3ビームは上記したように「逆くの字」状になっているために、他方のサブスポットS1はグルーブGの右側のランドLの中央位置(1/2トラック位置=Tp/2)よりも僅かに左側にずれてしまい、サブスポットS1とメインスポットMとサブスポットS2とを結んだ線がごく僅かに「逆くの字」状になってしまう。従って、メインスポットMをグルーブGのセンターにおいた状態で、サブスポットS1,S2を完全に1/2トラックずらした位置に配置することができない。
【0043】
即ち、回折格子203から出射した0次光と±1次光とによる3ビームが、ビーム整形プリズム204の入射面204a上で垂直方向(y軸方向)に沿って一直線に入射した時に、入射面204aでの各ビームの屈折により出射面204bから出射する時には0次光に対して±1次光が例えばx方向の左側(−x側)に偏りが生じてしまうことになる。
【0044】
より具体的には、従来例2に示した構造形態で回折格子203で生成した3ビームをビーム整形プリズム204で屈折させた時の0次光と±1次光の光線の角度を下記する表1に示す。
【0045】
【表1】
表1において、ビーム整形プリズム204は、材質としてホウケイ酸クラウンガラス(BK7)を用い、整形倍率が1.5倍であり、且つ、プリズム頂角が33.2°であり、0次光の入射角が56.895°であり、回折格子203のグレーティングピッチが43μmであり、回折格子203の±1次光回折角が0.54365°である場合に、ビーム整形プリズム204から出射する0次光出射角度,+1次光出射角度,−1次光出射角度をそれぞれ示す。
【0046】
即ち、回折格子203を出た0次光は、ビーム整形プリズム204の入射面204aに対してx方向に56.895°、y方向に0°の角度で入射し、この後、プリズム頂角33.2°に従って水平方向に傾斜させた入射面204aでx方向にのみ屈折されて、ビーム整形プリズム204の出射面204bに対して、x方向,y方向ともに0°で出射する。
【0047】
一方、回折格子203を出た±1次光は、x方向については0次光と同じ角度56.895°、y方向については回折格子203で回折された角度0.54365°で入射し、この後、ビーム整形プリズム204の出射面204bから0次光に対してx方向に0.001479°、y方向に−0.54365°(+1次光),0.54365°(−1次光)の角度をもって出射する。
【0048】
従って、ビーム整形プリズム204に入射する前では0次光と±1次光でx方向の角度に差が無かったものが、ビーム整形プリズム204を通過した後はx方向に角度の差が生じる。
【0049】
次に、下記の表2は、対物レンズに焦点距離2mm、を使った場合の光ディスク上におけるスポットの位置関係を示したものである。
【0050】
【表2】
表2では、ビーム整形プリズム(アナモルフィックプリズム)を使用することにより、回折格子による0次光をセンターとして、±1次光の位置がx方向に約0.04μmずれている。このずれはDVDの場合にはトラックピッチに対して小さいので影響はほとんどでないが、波長が450nm以下の青紫色レーザー光を使った超高密度光ディスクでは、トラックピッチが0.32μm程度であり、DPP法を使用する場合、サブスポットはメインスポットに対して1/2トラック、すなわち0.16μm半径方向にずれて配置されるので、上記した約0.04μmのずれは、その1/4にあたり、無視することはできない。
【0051】
実際に、サブスポットがずれた状態では、メインスポットのプッシュプル振幅が最大になる位置に対して、サブスポットのプッシュプルの振幅が最大になる位置がずれることになる。従って、これらから演算されるトラッキングエラー信号の振幅が低下する。また、オフセットも発生する。オフセットの電気的な補正を行わない場合には、オフトラックが発生し、信号の品質が低下するという問題があった。
【0052】
そこで、本発明は、回折格子とビーム整形プリズム(アナモルフィックプリズム)とを用いた光ピックアップにおいて、回折格子からの3ビームがビーム整形プリズムを通過することにより発生する、±1次光の位置の変化を補正し、トラッキングエラー信号の振幅低下やオフセットを発生させない光ピックアップ装置を供給することを目的とする。
【0053】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、レーザー光を出射する半導体レーザーと、前記レーザー光を平行ビームに変換するコリメータレンズと、前記平行ビームを回折して0次光と±1次光とによる3ビームに分離する回折格子と、前記3ビームの径を拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形するビーム整形プリズムと、整形された前記3ビームを光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを少なくとも備えた光ピックアップ装置において、
前記3ビームが前記ビーム整形プリズムにより拡大する方向をx軸に設定し、且つ、このx軸と光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定した時に、前記回折格子を前記x軸と前記y軸を含むxy面で形成し、且つ、前記xy面を前記y軸を中心にして回動させて前記xy面と光軸とがなす角度を直角以外の所定の角度θに設定して、前記xy面内に形成した格子が前記x軸と略平行になるように配置したことを特徴とする光ピックアップ装置である。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る光ピックアップ装置の一実施例を図1乃至図5を参照して詳細に説明する。
【0055】
図1は本発明に係る光ピックアップ装置の全体構成を示した構成図、
図2(a),(b)は図1に示した回折格子を拡大して示した平面図,側面図、
図3は図1に示した球面収差補正手段及び対物レンズ近傍を拡大して示した図である。
【0056】
図1に示した本発明に係る光ピックアップ装置10は、狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体(以下、超高密度光ディスクと記す)1の信号面1b上で情報信号を超高密度に記録及び/又は再生するために開発したものである。尚、実施例では、本発明に係る光ピックアップ装置10を、円盤状の超高密度光ディスク1に適用した場合について以下に説明するが、これに限ることなく、超高密度光記録媒体として矩形状の光カードなどにも適用することも可能である。
【0057】
まず、図1に示した如く、超高密度光ディスク(Blu Ray Disc)1は、レーザービーム入射面1aと信号面1bとの間のディスク基板厚さtが略0.1mmに薄く設定されて、この上に略1.1mmの補強板(図示せず)を貼り合せて合計厚さが略1.2mmに形成されている。
【0058】
上記した光ピックアップ装置10では、超高密度光ディスク1に対応して半導体レーザー11から波長が450nm以下のレーザー光Lが出射されており、この実施例ではレーザー光Lの基準波長が例えば408nmに設定されている。
【0059】
そして、半導体レーザー11から出射されたレーザー光Lは直線偏光の発散光であり、この発散光がコリメータレンズ12で平行ビームに変換された後、この平行ビームはレーザー光Lの光軸に対して所定の角度θまで回動させて配置した回折格子(グレーティング)13の平坦な入射面13aから入射し、図2(a),(b)に示したように出射面13bに形成した凹凸状格子13b1により回折され、凹凸状格子13b1のピッチと傾斜の角度に応じて0次回折光と±1次回折光からなる3本のビーム(以下、3ビームと記す)に分離される。
【0060】
この実施例では、従来例2と異なって、回折格子13を、上記したようにレーザー光Lの光軸に対して所定の角度θまで回動させて配置することで、3ビーム生成時に生じる従来の問題点を解決することを特徴とするものであるが、これについては後で詳述する。
【0061】
上記した回折格子(グレーティング)13は、図2(a),(b)に拡大して示したように、光透過性材料を用いて半導体レーザー11側及びコリメータレンズ12側の入射面13aが平坦面に形成され、且つ、入射面13a及びこの入射面13aと対向する出射面13bをx軸及びこのx軸に直交したy軸を含むxy面で表示した時に、出射面13b上に凹凸状格子13b1がx軸と平行に所定のピッチで凹凸状に複数形成されている。この際、z軸はxy面と直交してこのxy面の中心を通る法線である。尚、実施例では、回折格子13の出射面13b上に凹凸状格子13b1を形成したが、凹凸状格子13b1を入射面13a上にx軸と平行に所定のピッチで凹凸状に複数形成することも可能である。
【0062】
図1に戻り、この後、回折格子13で得れた3ビームは、回折格子13の出射面13bと対向する側に配置したビーム整形・PBS合成プリズム14中で所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面14aから入射させている。上記したビーム整形・PBS合成プリズム14は、従来例2で説明したような三角柱形状のビーム整形プリズム(アナモルフィックプリズム)と、立方体形状の偏光ビームスプリッタ(PBS)とを一体的に合体したものである。尚、この実施例では、ビーム整形・PBS合成プリズム14を用いているが、従来例2と同様に、三角柱形状のビーム整形プリズム(アナモルフィックプリズム)と、立方体形状の偏光ビームスプリッタ(PBS)とをそれぞれ別体で用いても良い。
【0063】
ここで、上記したビーム整形・PBS合成プリズム14では、半導体レーザー11からのレーザー光の出射構造により水平方向が短い楕円光量分布のビームを、入射面14aと偏光分離面14bを介して対向する第1出射面14cに対して水平方向(紙面方向)に所定のプリズム頂角に従って傾斜させた入射面14aで屈折させることにより水平方向のビーム径を整形倍率に応じて広げている。この際、所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面14aにおける屈折では、紙面に対し垂直な方向のビームの幅は変わらないので、楕円光量分布のビームは略円光量分布のビームに整形される。そして、整形された略円光量分布のビームは、ビーム整形・PBS合成プリズム14内で半透過反射膜を膜付けした偏光分離面14bを透過して第1出射面14cから出射して、球面収差補正手段15に入射され、この球面収差補正手段15で3ビームに対して球面収差を補正している。
【0064】
上記した球面収差補正手段15は、半導体レーザー11と超高密度光ディスク1の信号面1bとの間の光軸上に配置された集光光学系によって発生する球面収差を補正するものであり、図3にも拡大して示した如く、半導体レーザー11側に設けた凹レンズ(負レンズ)15Aと、凹レンズ15Aを光軸方向に沿って変位させるアクチュエータ15Bと、後述する対物レンズ18側に設けた凸レンズ(正レンズ)15Cとから構成されている。そして、凹レンズ15Aをアクチュエータ15Bによって凸レンズ15Cに対して光軸方向に変位させ、凹レンズ15Aと凸レンズ15Cとの間隔を制御して、対物レンズ18に入射する3ビームの平行度を調整して、対物レンズ18の倍率誤差による球面収差を発生させて他の球面収差と相殺することで球面収差を補正している。尚、球面収差補正手段として、実施例では凹レンズ15Aとアクチュエータ15Bと凸レンズ15Cとの組み合わせを用いたが、これに代えて液晶素子などを用いた波面変調素子を適用することも可能である。
【0065】
この後、球面収差補正手段15を通った3ビームは、立ち上げミラー16によって略90°方向を転じられた後に位相板17を透過して円偏光となる。この際、位相板17は、3ビームが透過する時に略1/4波長(90°)の位相差を与えるものである。
【0066】
更にこの後、位相板17を透過した3ビームは、超高密度光ディスク用として設計された対物レンズ18に入射される。上記した対物レンズ18は、超高密度光ディスク1に対応して開口数(NA)が0.75以上に設定され、且つ、互いに対向する第1,第2面18a,18bのうちで少なくとも1面が非球面に形成されたものである。この実施例における対物レンズ18は、開口数(NA)が0.85の単玉レンズであり、且つ、第1,第2面18a,18b共に非球面に形成されたものを使用している。この際、対物レンズ18はレンズホルダ19内の上方部位に取り付けられていると共に、このレンズホルダ19の外周にフォーカスコイル20とトラッキングコイル21とが一体的に取り付けられ、且つ、レンズホルダ19の外周に固着させた複数本のサスペンションワイヤ(図示せず)を介してレンズホルダ19と一体に対物レンズ18が超高密度光ディスク1のフォーカス方向とトラッキング方向とに揺動可能に支持されている。
【0067】
そして、対物レンズ18でここに入射した3ビームを絞ってO次光によるメインビームと±1次光による一対のサブビームとを得て、メインビームと一対のサブビームとを超高密度光ディスク1のレーザービーム入射面1aから入射させて、超高密度光ディスク1の信号面1b上に照射すると、後述するように図5に示し超高密度光ディスク1の信号面1bのグルーブG上にメインスポットMが集光され、且つ、グルーブGの左右に隣り合うランドL,L上に一対のサブスポットS1,S2が集光される。この際、一対のサブスポットS1,S2はメインスポットMに対して超高密度光ディスク1の半径方向にトラックピッチTpの1/2だけずれた位置に配置される。
【0068】
この後、超高密度光ディスク1の信号面1bで反射された戻り光は、上記とは逆に、対物レンズ18,位相板17,立ち上げミラー16,球面収差補正手段15を通った後に、ビーム整形・PBS合成プリズム14の偏光分離面14bで反射されて略90°方向を転じられた後に第1出射面14cと直交する第2出射面14dから出射して凸レンズ22,シリンドリカルレンズ23を順に通過して光検出器24に達する。そして、光検出器24で超高密度光ディスク1の信号面1bからのメイン信号,フォーカスエラー信号,トラッキングエラー信号が検出される。
【0069】
この際、トラッキングエラー信号は、先に図8(c)を用いて説明したDPP法を適用したトラッキングエラー信号検出回路50により検出している。
【0070】
ここで、本発明の要部となる3ビーム生成用の回折格子13及びビーム整形・PBS合成プリズム14に対する従来の問題点を解決するための構造形態について図4及び図5を用いて説明する。
【0071】
図4は本発明に係る光ピックアップ装置において、3ビーム生成用の回折格子及びビーム整形・PBS合成プリズムに対する従来の問題点を解決した構造形態を説明するために模式的に示した斜視図、
図5は図4に示したビーム整形・PBS合成プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して超高密度光ディスクに照射した状態を示した平面図である。
【0072】
先に図9を用いて「発明が解決しようとする課題」で説明したように、従来例2では回折格子203から出射した0次光と±1次光とによる3ビームが、ビーム整形プリズム204の入射面204a上で垂直方向(y軸方向)に沿って一直線に入射した時に、入射面204aでの各ビームの屈折により出射面204bから出射する時には0次光に対して±1次光が例えばx方向の左側(−x側)に偏りが生じてしまうことが予めわかっているので、本発明では、図4に示したように、回折格子13から出射した0次光と±1次光とによる3ビームを、ビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14a上に垂直方向(y軸方向)に沿って一直線に入射させずに、0次光に対して±1次光を、ビーム整形・PBS合成プリズム14での屈折により生じるx方向への偏りをキャンセルするように入射面14a上で逆方向に予め偏らせて入射させている。
【0073】
即ち、図4に示した如く、回折格子13で得られた3ビームをビーム整形・PBS合成プリズム14で拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形する時に、3ビームがビーム整形・PBS合成プリズム14により拡大する水平方向をx軸に設定し、且つ、このx軸とレーザー光の光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定すると、回折格子13はx軸とy軸を含む矩形状のxy面で表示でき、且つ、xy面は前述したようにコリメータレンズ12(図1)側が入射面13aとなり、この入射面13aと対向する側が出射面13bとなると共に、xy面内の出射面13b上には、前述したように、凹凸状格子13b1がx軸と平行に所定のピッチで凹凸状に複数形成されている。
【0074】
ここで、回折格子13は、xy面をy軸を中心にして回動させてxy面とレーザー光Lの光軸とがなす角度を直角以外の所定の角度θに設定している。この際、上記した所定の角度θは、回折格子13の出射面13bに形成した凹凸状格子13b1の±1次光への回折角と、ビーム整形・PBS合成プリズム14中で所定のプリズム頂角に従って水平方向に傾斜させた入射面14aの整形倍率とによって決定されるものである。
【0075】
そして、回折格子13をy軸を中心にして所定の角度θの位置まで回動させた状態で、半導体レーザー11から出射したレーザー光Lを回折格子13の入射面13aから入射させると、このレーザー光Lが回折格子13の出射面13bに形成した凹凸状格子13b1の±1次光への回折角に応じて回折されて出射面13bの点Oから0次光と±1次光とによる3ビームが出射されるが、3ビームのうちで0次光は凹凸状格子13b1によって回折されることなくそのまま直進し、レーザー光Lの光軸に対してx方向、y方向ともに0°の状態を保ったままビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14a上で点mの位置に至り、ここでの入射角に応じて屈折される。
【0076】
一方、3ビームのうちで±1次光は凹凸状格子13b1によって回折されて、0次光に対してx方向、y方向ともに異なる角度で入射し、±1次光は0次光を中心にして上下対称にそれぞれ角度α’だけ回折されてビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14a上の点s1,s2に到達するものの、回折格子13がy軸を中心にして所定の角度θだけ予め回動しているために、入射面14a上の点s1,s2は点mに対してx方向の右側(+x側)に偏った位置となる。そして、入射面14a上の点s1と点mと点s2とを結んだ時に各点は一直線上になく、例えば「くの字」状になる。一方、ビーム整形・PBS合成プリズム14は従来の問題点で説明したように0次光に対して±1次光が「逆くの字」に出射される特性を持っているので、回折格子13の回動により0次光に対して±1次光が「くの字」に出射させて、ビーム整形・PBS合成プリズム14での屈折及び出射の方向をキャンセルさせることにより、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射する時には0次光と±1次光とが同じ線上で一直線になる。
【0077】
即ち、ビーム整形・PBS合成プリズム14は、前記したようにx方向の左側(−x側)に偏りを生じる性質を持っているために、x方向の右側(+x側)に偏って入射面14aに入射した3ビームは出射面14cから出射する時点でx方向の偏りがキャンセルされて、出射面14cから出射した時に、0次光は点m’の位置となり、±1次光は点m’の位置を挟んだ上下で且つ点m’と同一のy軸方向に沿った直線上に位置する。これを言い換えると、前述したように、y方向に角度を持った±1次光がx方向に傾いたビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14aに入射すると、x方向の屈折がy方向の角度に応じて0次光に対してずれ、このずれをキャンセルするように予めx方向の角度を0次光の角度と異なる角度でビーム整形・PBS合成プリズム14の入射面14aに入射させているものである。
【0078】
より具体的な例として、半導体レーザー11から基準波長が408nmのレーザー光を出射させ、このレーザー光を回折格子13の入射面13aから入射して出射面14c上でx軸と平行に所定のピッチとして43μmで形成した複数の凹凸状格子13b1により回折させて、0次光と±1次光とによる3ビームを生成する際に、回折格子13をy軸を中心にして角度θを変化させながら回動させた場合に、回折格子13の出射面13bから出射する±1次光のx方向の出射角のずれ量は下記の表3に示したようになり、本実施例では所定の角度θとしてθ=45°の場合を採用している。
【0079】
【表3】
この後、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射した3ビームは、前述の図1で示したように、球面収差を補正する球面収差補正手段15を通過し、光路を折り曲げる立ち上げミラー16、位相板17を順に通り、対物レンズ18へと入射する。
【0080】
そして、図5に示したように、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射した3ビームを対物レンズ18(図1)を介して超高密度光ディスク1の信号面1b上に照射して、0次光によるメインスポットMと、±1次光によるサブスポットS1,S2とを信号面1b上に集光させながら回折格子13をグレーティング調整する。このグレーティング調整で、回折格子13をレーザー光の光軸を中心にしてごく僅かに回転させて、例えば一方のサブスポットS2をグルーブGの左側のランドLの中央位置(1/2トラック位置=Tp/2)に配置するように調整すると、メインスポットMはグルーブGの中央位置に配置される。更に、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射した3ビームは前述したように一直線上にあるために、従来と異なって、他方のサブスポットS1もグルーブGの右側のランドLの中央位置(1/2トラック位置=Tp/2)に配置される。この時、サブスポットS1とメインスポットMとサブスポットS2とを結んだ線は、従来のような「逆くの字」にならずに一直線になる。また、メインスポットをグルーブGのセンターにおいた状態で、サブスポットS1,S2を完全に1/2トラックずらした位置に配置することができる。
【0081】
この際、0次光のメインスポットMに対して±1次光のサブスポットS1,S2は対物レンズ18の焦点距離fに応じて、下記の式で示される間隔で集光される。
f×tanδ(δ:±1次光の対物レンズへの入射角度)
従って、ビーム整形・PBS合成プリズム14の出射面14cから出射した3ビームを対物レンズ18(図1)を介して超高密度光ディスク1の信号面1b上に照射した後に、回折格子13をグレーティング調整すると、回折格子13の出射面13bに形成した凹凸状格子を13b1がx軸と略平行になるよう配置されることになる。
【0082】
上記からビーム整形・PBS合成プリズム14から出射した3ビームを対物レンズ18を介して狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体1の信号面1b上に照射した時に、超高密度光ディスク1の信号面1b上で0次光によるメインスポットMはグルーブG(又はランドL)上に集光され、且つ、±1次光による一対のサブスポットS1,S2はグルーブG(又はランドL)の左右に隣り合うランドL,L(又はグルーブG,G)上に確実に集光される。これを言い換えると、メインスポットMをグルーブG(又はランドL)のセンターにおいた状態で、一対のサブスポットS1,S2を完全に1/2トラックずらした位置に配置することができ、これに伴って、超高密度光ディスク1の信号面1b上からトラッキングエラー信号をDPP法によって確実に検出することができ、且つ、トラッキングエラー信号にオフセットや位相ずれが発生しないので、情報信号を超高密度に記録又は再生できる。
【0083】
【発明の効果】
以上詳述した本発明に係る光ピックアップ装置によると、とくに、半導体レーザーから出射したレーザー光を回折格子で回折して0次光と±1次光とによる3ビームに分離した後に、この3ビームをビーム整形プリズムで拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形するにあたって、3ビームがビーム整形プリズムにより拡大する方向をx軸に設定し、且つ、このx軸と光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定した時に、回折格子をx軸とy軸を含むxy面で形成し、且つ、xy面をy軸を中心にして回動させてxy面と光軸とがなす角度を直角以外の所定の角度θに設定して、xy面内に形成した格子がx軸と略平行になるように配置したため、0次光に対して±1次光を、ビーム整形プリズムの入射面での屈折により生じるx方向への偏りをキャンセルするように入射面上で逆方向に予め偏らせて入射させることができるので、ビーム整形プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して狭トラック化を図って形成した超高密度光記録媒体の信号面上に照射した時に、超高密度光ディスクの信号面上で0次光によるメインスポットはグルーブ(又はランド)上に集光され、且つ、±1次光による一対のサブスポットはグルーブ(又はランド)の左右に隣り合うランド(又はグルーブ)上に確実に集光される。これを言い換えると、メインスポットをグルーブ(又はランド)のセンターにおいた状態で、一対のサブスポットを完全に1/2トラックずらした位置に配置することができ、これに伴って、超高密度光ディスクの信号面上からトラッキングエラー信号をDPP法によって確実に検出することができ、且つ、トラッキングエラー信号にオフセットや位相ずれが発生しないので、情報信号を超高密度に記録又は再生できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ピックアップ装置の全体構成を示した構成図である。
【図2】(a),(b)は図1に示した回折格子を拡大して示した平面図,側面図である。
【図3】図1に示した球面収差補正手段及び対物レンズ近傍を拡大して示した図である。
【図4】本発明に係る光ピックアップ装置において、3ビーム生成用の回折格子及びビーム整形・PBS合成プリズムに対する従来の問題点を解決した構造形態を説明するために模式的に示した斜視図である。
【図5】図4に示したビーム整形・PBS合成プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して超高密度光ディスクに照射した状態を示した平面図である。
【図6】従来例1の光ピックアップ装置を示した構成図である。
【図7】従来例2の光ピックアップ装置を示した構成図である。
【図8】3ビームを光記憶媒体に照射した時に、トラッキングエラー信号を検出する状態を説明するための図である。
【図9】従来例2の光ピックアップ装置において、3ビーム生成用の回折格子及びビーム整形プリズムに対する問題点が発生する構造形態を説明するために模式的に示した斜視図、
【図10】図9に示したビーム整形プリズムから出射した3ビームを対物レンズを介して光記録媒体に照射した状態を示した平面図である。
【符号の説明】
1…超高密度光記録媒体(超高密度光ディスク)、
1a…レーザービーム入射面、1b…信号面、
10…光ピックアップ装置、
11…半導体レーザー、12…コリメータレンズ、
13…回折格子(グレーティング)、
13a…入射面、13b…出射面、13b1…凹凸状格子、
14…ビーム整形・PBS合成プリズム、14a…入射面、
14b…偏光分離面、14c…第1出射面、14d…第2出射面、
15…球面収差補正手段、15A…凹レンズ(負レンズ)、
15B…アクチュエータ、15C…凸レンズ(正レンズ)、
16…立ち上げミラー、17…位相板、
18…対物レンズ、18a…第1面、18b…第2面、19…レンズホルダ、
20…フォーカスコイル、21…トラッキングコイル、
22…凸レンズ、23…シリンドリカルレンズ、24…光検出器。
Claims (1)
- レーザー光を出射する半導体レーザーと、前記レーザー光を平行ビームに変換するコリメータレンズと、前記平行ビームを回折して0次光と±1次光とによる3ビームに分離する回折格子と、前記3ビームの径を拡大しながら楕円光量分布から略円光量分布に整形するビーム整形プリズムと、整形された前記3ビームを光記録媒体に照射する対物レンズと、前記光記録媒体からの反射光を検出する光検出器とを少なくとも備えた光ピックアップ装置において、
前記3ビームが前記ビーム整形プリズムにより拡大する方向をx軸に設定し、且つ、このx軸と光軸とを含む面に直交する軸をy軸に設定した時に、前記回折格子を前記x軸と前記y軸を含むxy面で形成し、且つ、前記xy面を前記y軸を中心にして回動させて前記xy面と光軸とがなす角度を直角以外の所定の角度θに設定して、前記xy面内に形成した格子が前記x軸と略平行になるように配置したことを特徴とする光ピックアップ装置。
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