JP2005024976A - 画像投影方法及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光変調素子により光を変調してスクリーン上に結像し投影する画像投影方法であって、光変調素子は第1面と第2面とを有し、少なくともこれら第1面及び第2面の相対的移動によって異なる回折格子を構成して光変調し、集光レンズ12によって集光する光のビームウエスト位置からずらした位置に光変調素子13を配置して、光変調素子13から回折される光のうち1本の回折光のビームウエスト位置の像を結像する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源から出射された単一又は複数の光を、光変調素子により変調してスクリーン上に結像し投影する画像投影方法及び画像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタやプリンタなどの各種画像表示装置において、画像の解像度を上げる方法として、1次元の画像表示用光変調素子からの光束を光走査手段で走査しながら画像形成手段に投影し、2次元画像を形成する方法が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【0003】
この1次元の光変調素子として、米国シリコン・ライト・マシン(SLM)社が開発したGLV(Grating Light Valve)が知られている(例えば特許文献2及び3参照。)。
【0004】
このGLVは、光の回折を利用した位相反射型の回折格子より構成される。GLVの一例としては、図18に示すように、例えば3本ずつの可動リボンより成る第1面30aと固定リボンより成る第2面30bとが交互に配置されるリボン素子型構成が提案されている。
【0005】
このような構成のGLVに対し、基板(図示せず)側の共通電極33と第1面30aとの間に適切な電圧を印加することによって、第1面30aが適切量基板側に移動して変形し、入射光に対する回折格子が構成される。
このGLVにおける第1面及び第2面の形状は、その幅及び長さがそれぞれ例えば25μm、200μm程度と微小なサイズであるため、第1面即ち可動リボンの高速なスイッチング動作が可能であるという利点を有する。更にまた広い帯域幅の表示、すなわち可動リボンの動作距離に対応して回折光の反射率を変化させ、光量の変化の高い変調度が実現できることから、高い解像度で、低い動作電圧及び小型の画像表示装置を提供することが可能である。
【0006】
【特許文献1】
米国特許第5982553号
【特許文献2】
米国特許第3164824号
【特許文献3】
米国特許第5941579号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このようなGLV等の一次元状の光変調素子は、液晶パネルやマイクロミラーを用いるDMD(Digital Micromirror Device:テキサス・インスツルメンツ社)等の二次元状の光変調素子を用いる場合と比較すると、同一輝度を得るために必要な照射光密度は、例えば1080×1920画素表示に対し、約1920倍も高い。具体的に、劇場用プロジェクタなど10000[lm](ルーメン)の高輝度対応とする場合は、GLVへのレーザ照射パワーは50〜100W程度と非常に高出力であり、これをGLVのリボン表面に約25μm幅(光強度の1/e2のスポット径)の線状ビームに集光すると、GLVリボンにボイド又はヒロックが発生して劣化し、その結果ダークレベルの悪化、また極端な場合、電気的に断線し、機能しなくなるという問題が生じる。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みて、一次元状の光変調素子の表面におけるボイドやヒロック等の劣化の発生を抑制し得る画像投影方法を提供し、これにより小型で高輝度の画像表示装置において、信頼性の向上を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による画像投影方法は、光変調素子により光を変調してスクリーン上に結像し投影する画像投影方法であって、光変調素子は第1面と第2面とを有し、少なくともこれら第1面及び第2面の相対的移動によって異なる回折格子を構成して光変調し、集光レンズによって集光する光のビームウエスト位置からずらした位置に光変調素子を配置して、光変調素子から回折される光のうち1本の回折光のビームウエスト位置の像を結像する。
【0010】
また他の本発明による画像投影方法は、光変調素子により光を変調してスクリーン上に結像し投影する画像投影方法であって、光変調素子は第1面と第2面とを有し、少なくともこれら第1面及び第2面の相対的移動によって異なる回折格子を構成して光変調し、光変調素子に集光する集光レンズの有効開口を空間的にほぼ均等に分割して複数の入射光を照射し、集光レンズによって集光する光のビームウエスト位置からずらした位置に光変調素子を配置して、光変調素子から回折される光のうち1本の回折光の、ビームウエスト位置の像を結像する。
【0011】
また本発明は、上述の各画像投影方法において、光変調素子を、その第1面及び第2面が、基準面から所定の角度を有する斜面とされ、少なくとも一状態において、これら第1及び第2面がほぼ同一の平面に並置されて成るいわゆるブレーズ型構成の光変調素子を用いる。
また本発明による画像表示装置は、上述の各画像投影方法を用いる構成とする。
【0012】
上述したように本発明によれば、集光レンズによって集光する光のビームウエスト位置からずらした位置に光変調素子を配置するものであり、光変調素子をいわばデフォーカス照明することから、光変調素子をフォーカス位置に配置する従来方法と比較してスポット直径が大となり、表面温度上昇及び温度勾配の抑制を図り、光変調素子の劣化の低減化を図ることができる。
また、デフォーカス位置に光変調素子を配置しても、回折光のビームウエスト位置の像を結像することによって、スクリーン上においてはほぼ所望の画素サイズの像を投影することができる。
【0013】
例えば、光変調素子として前述のGLV等の回折格子型構成の光変調素子を用い、その回折格子を構成するリボンの表面反射層材料を一般的な反射材料であるAl合金とした場合、レーザの照射による劣化のメカニズムは、LSI配線技術におけるエレクトロマイグレーションの発生のメカニズムに対応させて考察することができる。以下これを説明する。
図19に回折格子を構成する各リボン素子30の長手方向をx軸、幅方向をy軸方向とした場合の、x方向(以下これをリボン長方向とする)の温度プロファイルTを模式的に示す。リボン素子30の基材31がSiN、反射層32がAlより成るとすると、破線v1及びv2で示す最高温度位置(温度T1)から距離x0離間した位置(温度T2)への歪みによる質量移動を表すストレスマイグレーションVは、以下の数1により求められる(例えば“Journal Applied Physics、74(2)、15 July 1993”参照。)。
【0014】
【数1】
【0015】
なお、上記Δσは以下の数2により求められる。
【0016】
【数2】
【0017】
この式から明らかなように、劣化の抑制には、レーザ照射によるリボン素子の温度上昇を出来るだけ抑えること、更にレーザ照射により生じるリボン長方向(すなわち回折格子を構成する長尺状部材の長手方向)の温度勾配を出来るだけ小さくすることの二点が特に重要と考えられる。
【0018】
上述したように、本発明においては、光変調素子の表面にはデフォーカス照明することによって、この照明領域の温度上昇を従来に比し抑えることができ、温度勾配の増加を抑えることができる。
これにより、特性の劣化が低減化され、高輝度表示用の劇場用プロジェクタ等各種画像表示装置において、光変調素子の劣化が低減化され、信頼性に優れ、より小型で解像度の高い画像表示装置を提供することができる。
特に光変調素子をブレーズ型構成とすることによって、単一の回折光をより効率よく利用してデフォーカス照明を行うことができ、高輝度表示に適した画像投影方法、画像表示装置を提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による画像投影方法及び画像表示装置の各実施の形態について図面を参照して説明するが、本発明は以下の例に限定されることなく、その他種々の変形、変更が可能であることはいうまでもない。
【0020】
図1に、本発明による画像投影方法を用いた画像表示装置の一例の概略構成を示す。図1において、10R、10G及び10Bはそれぞれ赤、緑及び青色レーザ等の光源であり、ここから出射されたレーザビームは、それぞれ集光レンズ12R、12G及び12Bを介して例えば前述のGLV等の回折格子型の光変調素子13R、13G及び13Bに入射される。
ここで、各光変調素子13R、13G及び13Bは、集光レンズ12R、12G及び12Bにより集光されるビームウエスト位置からずれた位置に配置する。
【0021】
そして、各光変調素子13R、13G及び13Bからの回折光は、例えばハーフミラー14、15を介して1本の光束に集束され、空間フィルター16を介して投影レンズ17により結像されて、スキャナー18により矢印gで示すように、スクリーン19の横方向に走査される。
【0022】
ここで光変調素子としては、例えば上述したような、第1面及び第2面の相対的移動によって回折格子を構成する光変調素子、具体的には、例えば3本ずつの可動リボンと固定リボンが交互に配置されたGLV素子を1次元アレイ上に配置した構成とすることができる。すなわち、可動リボンと固定リボンとが交互に配置されて成り、可動リボンに対する電圧印加等によって各リボンの反射面、即ち第1面及び第2面を相対的に移動させて回折格子を構成することによって、光変調を行う光変調素子を用いる。
【0023】
上述のGLV素子の代表的な構成例では、3本ずつの固定リボンと可動リボンとが交互に配置されるものであるが、光変調素子として、リボンの幅方向にGLV素子を画素数分、例えば1080個配置して構成することができる。
この1次元状の光変調素子に対し、円筒レンズを用いてその表面にリボン長方向には所定のスポットサイズに集光され、リボン幅方向には所定の幅にコリメートされたコリメート光を照射し、各GLV素子へ画像信号に対応した電圧を印加することにより、光変調素子から回折される回折光は、1次元状の所定の画素サイズ(長さ及び幅)を有し、画像信号に対応して変調されたビームとなる。これに対し、空間フィルター16を例えばフーリエ面に配置することによって、像はこの1次元の延長方向と直交する方向に延在する1次元状となり、スクリーン19上においては、矢印gと直交する方向に延在する像として表示され、スキャナー19の矢印gで示す方向の走査によって、2次元画像として表示される。
【0024】
〔1〕第1の実施の形態
次に、上述の構成による画像投影方法及び画像表示装置に本発明を適用した各実施の形態を以下に説明する。
本実施の形態においては、図2に画像投影方法の一例の配置構成を模式的に示すように、集光レンズ12によって集光される破線aで示すビームウエスト位置からデフォーカス量sだけずらした位置に、光変調素子13を配置する。このデフォーカス量sは、ビームウエスト位置から集光レンズ12に近接する位置でもよく、破線bで示すように、集光レンズ12から離間するように配置してもよい。
図2において、実線cは集光レンズ12の光軸、fは焦点距離を示す。
【0025】
そして光源から出射された単一の光Lを用いて光変調素子により変調して空間フィルターを介してスクリーン上に結像し投影する場合は、ビーム径Dの光を、光変調素子13に集光する集光レンズ12の開口数のほぼ全域にわたって照射する。
【0026】
更に、これらビームウエスト位置からずれた位置に配置された光変調素子13からの回折光は、図3に示すように、光変調素子13の表面からビームウエスト位置20が離間するものであるが、本発明においては、この回折される光のうち1本の回折光の、ビームウエスト位置の像を結像光学系によって結像する。
【0027】
光変調素子13として適用して好適なGLV素子としては、例えば以下の種類が挙げられる。
上述のGLV素子においては、各リボンが非動作時に表面がほぼ一平面上に配置される通常のGLVと、各リボンが、基準面(例えば光変調素子の基板面)から角度θをもって傾斜されて配置されるいわゆるブレーズ型GLVとが提案されている。これらの各タイプのGLV素子の一例の側面図を図4及び図5に模式的に示す。図4及び図5において30aは第1面(例えば固定リボン)、30bは第2面(例えば可動リボン)、Liは入射光、Lr(+1)及びLr(−1)はそれぞれ±1次回折光を示す。
【0028】
通常型では、図4に動作時の一例を示すように、第2面30bの移動量z1を例えば入射光の波長λに対しλ/4とすると、入射方向と逆向きに反射される0次回折光(図示せず)と、±1次回折光Lr(+1)及びLr(−1)が回折光として反射されるが、例えば0次回折光のみを利用することにより、1本の回折光だけを空間フィルターを通してスクリーン上に結像し、画像表示用に利用することができる。
【0029】
一方ブレーズ型では、図5に示すように、基準面から角度θをもって各リボンを傾斜して配置する。そして、一状態において、第2面30bがそれぞれ隣接する第1面30aのうち一方の第1面30bとその表面が一平面を成すように移動させ、例えば入射光の波長をλとしたときに、それぞれ一平面上に並列した一対のリボンと他の一平面上に並列した一対のリボンとの光路差z2をそれぞれλ/2となるように動作させると、+1次回折光のみが出射される。従って、この+1次回折光を用いて、1本の回折光だけを空間フィルターを通してスクリーン上に結像することができる。
【0030】
このように反射回折光のうち1本の回折光を利用する構成とすることにより、例えば60%以上の高い回折効率で画像を表示することができる。プロジェクタ等の画像表示装置用では、特に、印加電圧に対するダークレベルから中間階調の応答特性が緩やかで、高階調の画像表示が容易なブレーズ型GLVがより望ましい。
【0031】
一例として、このような単一の光を用いる場合のデフォーカス量sについて考察した例を示す。集光レンズ12の開口数NAは、
NA〜D/(2×f)
である。ここでDは上述したようにレンズの有効開口であり、この場合単一のビームLのビーム直径と同一とする。fは焦点距離である。
この開口数NAをフルに使い、GLV等より成る光変調素子13のリボン長方向に集光する。リボン長方向のスポット直径を2ω0とすると、
2ω0〜0.635×λ/NA
である。
スポット直径がビームウエスト径の√2倍となる焦点深度を±z0とすると、
z0=π×ω02/λ
である。
【0032】
ここで、焦点深度はクロストークを低減化するためには、できるだけ小さくすることが望ましい。これについて説明すると、先ず、光変調素子13から回折される光は、デフォーカスされるため、その表面からフォーカス位置に伝搬するまでの間にフラウンホーファー回折し、投影されたスクリーン上において、ある程度拡がりを持つこととなる。この拡がりによるクロストーク、即ち画素間の重なりをある程度以下に抑制する必要がある。
図6に、デフォーカス量とクロストーク量との関係を示す。この例では、画素サイズが25.5μmのブレーズ型GLVを用いて光変調素子を構成した場合の画素間クロストークとデフォーカス量との関係をスカラー回折計算した結果を示す。この図からわかるように、デフォーカス量が大きくなると共にクロストークは単調に増加するが、具体的に、200μmのデフォーカスでのクロストークは約11%程度と比較的低い。画質性能より求められるクロストークに対応してデフォーカス量を選定することが必要となる。
【0033】
(1)第1の実施例
光源からの単一のビームを用いるものとし、また光変調素子としてGLV素子を1次元アレイ状に配置した構成とした場合において、デフォーカス量の選定条件に鑑みて、焦点深度が比較的短い例えば数10μm以下となるようにレンズの開口数NAを選定した例について説明する。
一例としてNA=0.125と選定すると、
2ω0〜2.7μm
z0〜10.8μm
となり、数10μm以下に抑えられる。そして、図2に示すように、光変調素子13をビームウエスト位置ではなく、±sの例えば+s(集光レンズ12に近接する側)にデフォーカスした位置に配置する。
【0034】
光変調素子13の画素サイズが約25μmとすると、デフォーカス量sは光変調素子13の表面のスポット直径がこの画素サイズよりも大きくなるように、例えばリボン長方向のスポット直径が50μmとなるように選定する。リボン長が200μmとすると、50μmのスポット直径はリボン長200μmよりも十分小さいため、電圧印加によるリボン変形部分を越えて照射することを回避できることから、回折効率の低下は無視できる。スポット直径が50μmとなるデフォーカス量sは、入射光が伝播定数M2=1のガウシアンビームと仮定すると、200μmとなる。
【0035】
このように、リボン長方向にはスポット直径50μmとなるデフォーカス照明を行い、結像光学系では光変調素子13の表面をスクリーン上に結像するとその像は横50μm、縦25.5μmの約2:1の長方形サイズとなり使用できない。この場合は、リボン長方向にほぼ25.5μmのスポット径となる面をスクリーン上に投影するよう結像光学系を構成する。なお、リボン幅方向には、上述したように集光レンズ12によりコリメートされた光を照射するので、スポット直径は変わらない。
【0036】
上述したように、光変調素子13を例えば200μmデフォーカス照明し、結像光学系では光変調素子13の表面とは異なる、ほぼ画素サイズとなる面をスクリーンに投影、結像することによって、クロストークの増大を抑えた高解像度の画像表示を、光変調素子の劣化を抑制しつつ行うことができる。
【0037】
〔2〕第2の実施の形態
この例では、光源から出射された複数の光を、光変調素子により変調して空間フィルターを介してスクリーン上に結像し投影する場合について説明する。この場合、ビーム径dの光を、集光レンズ12の開口数を空間的にほぼ均等に分割して照射する。
【0038】
例えば、一般に出力50〜100W以上の高出力RGB(赤、緑、青色の)レーザは、単一レーザとしては現状では入手が極めて困難であり、少なくとも2本以上、例えば出力10Wのレーザを5〜10本組み合わせて使用せざるを得ない。
その場合、図7に模式的な構成を示すように、光源から出射された複数の光L1、L2、L3及びL4…を、それぞれビーム径dとして、集光レンズ12の有効開口D内を、光変調素子13のリボン長方向に空間的にほぼ均等に分割するように照射する。図7において、図2と対応する部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0039】
このように、複数のレーザビームを空間的にほぼ均等に分割することによって、集光レンズ12の有効開口をフルに利用して、光変調素子に均等なデフォーカスを設定することができる。
次に、このように複数の入射光を用いる場合の実施例について説明する。
【0040】
(2)第2の実施例
この場合、複数の各ビームのビームウエストを2ω0’とすると、
2ω0’〜1.27×f×λ/d
となり、またその焦点深度を±z0’とすると、
z0’=π×ω0’2/λ
となる。具体的に、NA=0.125に対し、焦点距離f=40mm、d=2mmでは2ω0’〜13.5μm、z0’=269μmとなる。
【0041】
このように、複数のビームを用いる場合は焦点深度は数10μm以下とはならない。これは、比較的ビーム径の小さいビームは緩やかに絞られ、広がるためである。しかしながら、マルチビーム全体のビームスポット直径2ω(m)は、レンズの開口数NAに対し、
2ω(m)〜2NA×s
と変化する。従って、シングルビームの場合とほぼ同様に、マルチビームとしてs〜200μmのデフォーカス照明を行うと、光変調素子の表面でのスポット直径をリボン長方向に50μmとすることができる。なお、複数のレーザを用いる場合は、レーザ間は位相差が保たれないのでコヒーレント光でなくなり、単純に強度が足し算されたスポットになる。
【0042】
以上前述の第1の実施例及び上記第2の実施例で説明したように、単一及び複数の入射光を用いる場合共に、集光レンズの開口数NAを焦点深度z0が数10μm以下と成る条件で選定し、レンズへの入射条件を上記のように選定することにより、200μm程度の小さなデフォーカス量で光変調素子表面のスポット直径を50μm程度までリボン長方向に拡大することができる。
【0043】
前述したように、光変調素子の表面のスポット直径はリボン劣化を回避するために出来るだけ大きくすることが望ましいが、上限は、回折効率低下、或いは、リボンパターンの外側にある配線パターンなどからの迷光増大を避ける条件より規定され、例えば典型的なGLV素子を用いて光変調素子を構成する場合は、画素サイズ25.5μm、リボン長200μmであることから、リボン劣化の抑制と回折効率低下の抑制などを満足させるため、スポット直径を50μm程度とするデフォーカス量が両条件を満足する値となる。
【0044】
次に、上述の第1及び第2の実施例において共通してスポット直径をリボン長方向に50μm程度とした場合の効果について考察した結果を示す。
光変調素子のリボン長方向のスポット直径と、リボン温度との関係を有限要素法で計算した結果を図8に示す。リボン温度はスポット径25μmでは約295℃であるが、50μmでは約240℃に低下する。即ち図8においてΔTで示すスポット直径50μmと25μmとの場合の温度差は約55℃である。また、スポット中心から約20μmの距離での温度勾配も50μmスポット直径の方が約1/1.5程度小さくなる。
【0045】
従って、上記第1の実施例において説明したデフォーカス照明では、光変調素子の例えばGLV素子表面にはスポットサイズをリボン長方向に約50μm(リボン幅方向に約25.5μm)で照明し、スクリーン上においてはリボン長方向に25.5μmのスポット直径となるように結像させること、また更に望ましくは、デフォーカス量を図6において説明した画素間クロストークが画像特性から求められる限度以下となるように選定することによって、10000[lm]程度の高輝度表示を行う場合でも光変調素子の温度上昇を抑え、且つ温度勾配を低減化することができることがわかり、これにより光変調素子のリボンの劣化を抑え、即ちボイドやヒロックの発生を確実に抑制することができて、高解像度の画像表示を長期間安定表示することが可能となる。
【0046】
次に、本発明の他の実施の形態として、光変調素子のリボン材料、周囲ガス及び第1面及び第2面との間隔に着目して、これらを適切に選定した場合の耐レーザ照射特性を向上させた例について説明する。
【0047】
〔3〕第3の実施の形態
光変調素子の第1面及び第2面の材料として、AlCu合金材料を用いることによって、その耐レーザ照射特性を向上させ、ボイドの発生等の劣化を抑えることができた。
先ず、光変調素子のリボン材料として、Alに0.3wt%(重量%)のCuと、0.1wt%のSiとを添加した2種類の材料を用いる場合のレーザ照射後の劣化状態を検討した。この結果をそれぞれ図9及び図10に示す。各例ともに、波長532nmの緑色レーザの出力を調整してスポットサイズを変化させ、光変調素子のリボン表面に1時間照射してリボン表面の変化を顕微鏡で観察した結果を示し、リボン表面にボイドが発生した場合を×、変色が見られた場合を△、変化なしの場合を○とし、有限要素法により計算した温度に対応して示す。そして変化なしの場合(○)と変色が見られた場合(△)の境界をそれぞれ実線E及びFとして示し、図10においては図9における実線Eと同じ位置に破線E’を示す。なお、実線e1〜e4、f1〜f4はNDフィルターの透過率をそれぞれ100%、50%、40%及び30%とした場合を示す。
【0048】
これら図9及び図10の結果から、スポット直径を大としてすなわちデフォーカス量を増加させることにより、リボン温度は低くなり、リボンの劣化が抑制されることがわかる。ここで、図9に示すCu添加の場合は、変化なし(○)となる領域がSi添加の場合と比べて、境界位置が温度上昇方向にずれており、温度上昇に対する耐性に優れていることがわかる。従って、本発明において、レーザ照射による光変調素子の劣化を更に抑制するために、光変調素子のリボン表面の材料として、AlにCuを添加した材料を用いることが望ましいことがわかる。
【0049】
レーザ照射によるAl反射層の劣化のメカニズムは、前述の図19において説明したように、レーザ照射により生じたリボン表面の温度上昇とAlリボン長方向の温度勾配に起因するストレスマイグレーションであると考察することができる。従って、これは本質的にはエレクトロマイグレーションと同じ現象といえる。
【0050】
そして、上述したように、Cuを添加したAlの方がSiを添加したAlよりも耐性に優れていることは、LSIの配線パターンとしてAlを用いた場合に見られるエレクトロマイグレーションについて、Cuを添加したAlの方がSiを添加したAlよりも耐性が強いという報告(C.K.Hu et al.,“Electromigration in Al(Cu) two−level structures:Effect of Cu and kinetics of damage formation”、Journal Applied Physics,Vol.74,(1993),p969参照)と一致している。
また上記報告には、Alに対するCuの添加量が0.5wt%から2wt%と増大するにつれて、エレクトロマイグレーション耐性が向上することが示されている。
【0051】
したがって、図9においてはAlにCuを0.3wt%添加した場合のみの結果であるが、Cu添加量としては、0.1wt%以上程度であれば効果が得られるものと思われ、またCu添加量を0.5wt%程度まで増大させることでレーザ耐性が向上することが予想できる。
よって本発明においては、光変調素子を構成する第1面及び第2面の材料としてAlCu合金材料を用いることが望ましく、更に好ましくはAlにCuを0.1wt%以上0.5wt%以下添加したAlCu合金材料を用いるものとする。
【0052】
〔4〕第4実施の形態
次に、光変調素子のリボン素子周囲の周囲ガスとして水素ガス又はヘリウムガスを含むガス、もしくはこれら両方を含む混合ガスを用いた実施の形態について説明する。図11は、GLV等の光変調素子の一例の断面構成を示す図であり、Si等より成る基板21の上に上述のAlCu合金等より成るリボン素子(図示せず)が例えば画素数分形成され、例えば基板21の周囲を所定のシール材料より成る封止部材22によってガラス板等の光透過性カバー材23に覆われて気密に封止され、例えば窒素ガス等の周囲ガスが封入されて構成される。
【0053】
また各リボン素子と基板の間は、図12にその要部の断面構成を示すように、例えば高さhをもって基板21から離間している。通常のGLV素子においては、この高さhは約1μm程度とされている。なお、各リボン素子30の間の間隔をgで示す。
【0054】
このように、リボン素子30は周辺部から離間しておりその断熱効果のため、レーザ照射時にリボン温度が上昇し易い構造となっている。図13にリボン素子の温度とリボン素子の周囲ガスの熱伝導率との関係を計算した結果を示す。当然ではあるが、リボン素子の温度は熱伝導率が大きい程低く抑えることができる。
【0055】
本発明においては、この周囲ガスとして、熱伝導率の大きい水素ガス(熱伝導率0.18W/(m・K))、ヘリウムガス(熱伝導率0.15W/(m・K))を用いるものであるが、上述したように間隔が0.1μm程度の空間では実効的な熱伝導率はそれぞれ、水素が0.12W/(m・K)、ヘリウムが0.08W/(m・K)と見積もることができる。
【0056】
一方、これらのガスは実効粘性係数が小さく、このため、GLVのリボン素子の応答特性に影響を及ぼす。即ち、GLV等の光変調素子においては電圧印加等の動作状態から非動作状態に戻す際にリボン素子が振動するいわゆるリンギングが発生するものであるが、この振動を抑え、より短い時間で減衰させることが望ましい。周囲ガスとして水素ガスやヘリウムガスを用いることにより、リンギングの減衰時間はやや長くなり、応答特性は多少低下する。
【0057】
従って、上述したように熱伝導率を上昇させるために、少なくとも減衰時間が一画素相当時間より長くならない範囲において水素ガス又はヘリウムガスを用いることが望ましい。
以上の考察から、周囲ガスとしては、実効粘性係数の大きい、例えばAr、N2などを主体として、熱伝導率の大きい水素ガス又はヘリウムガスを10%以上含有させたものを用いることが望ましい。
【0058】
リボン素子としてAlにCuを0.3wt%混入した合金を用い、水素(H2)ガス10%、Heガス10%、N2ガス80%の混合ガスを周囲ガスとした場合と、N2ガス100%を周囲ガスとして用いた場合のレーザ照射後の劣化状態を検討した結果をそれぞれ図14及び図15に示す。
【0059】
図14及び図15において実線j1〜j4、k1〜k4は、それぞれNDフィルターの透過率を100%、50%、40%、30%とした場合を示す。各例ともに、波長532nmの緑色レーザ光の出力を調整してスポット直径を変化させ、光変調素子のリボン表面に1時間照射し、リボン表面の変化を顕微鏡で観察した結果を調べ、リボン表面にボイドが発生した場合を×、変色が見られた場合を△、変化なしの場合を○とし、有限要素法により計算した温度に対応して示す。そして変化なしの場合(○と)変色が見られた場合(△)の境界をそれぞれ実線G及びHとして示す。
【0060】
前述の図9及び図10の結果と同様に、スポット直径を大として、即ちデフォーカス量を大とすることによって、リボン温度が抑制されることがわかる。そして、図14及び図15の結果を比較すると変化なしの状態(○)と変色が見られた状態(△)との境界線が、熱伝導率の高い周囲ガスを混入した場合のほうが高い温度側に存在することがわかる。つまり、より高い温度となる場合でも周囲ガスからの熱伝導によりリボン素子の温度勾配を低減化し、表面の変質、劣化を抑制することができ、耐熱性が向上していることがわかる。
【0061】
したがって、本発明においては、気密封止される光変調素子において第1面及び第2面の周囲ガスとして、水素ガス又はヘリウムガスを含むガス、もしくはこれら両方を含むガスを用いることが望ましい。
なお、水素ガス又はヘリウムガスを混入する割合としては、10%以上であれば熱伝導率上昇による耐熱性向上の効果が得られる。一方、水素ガスを30%を越えて混入する場合、またヘリウムガスを50%を超えて混入する場合は環境への負荷を考慮する必要が生じる恐れがある。
したがって、本発明においては、水素ガスを10%以上30%以下、ヘリウムガスを10%以上50%以下混入させた周囲ガスを用いるものとする。
【0062】
〔5〕第5の実施の形態
次に、光変調素子の第1面及び第2面の間隔を選定して回折効率を向上させることにより、レーザ照射出力を低減化して、レーザ照射による劣化を抑制する例について説明する。
図16及び図17は、前述の図4及び図5において説明した通常型及びブレーズ型のGLV構成の光変調素子における第1面及び第2面、すなわちリボン間の間隔、即ち前述の図12においてgで示す距離に対する回折効率の変化を示す。通常型GLVにおいては、間隔gを0μmとしても回折効率は73%が上限であるが、ブレーズ型GLVでは、間隔gが小さいほど回折効率は上昇し、約0.4μm以下では通常のGLVの上限値を上回ることがわかる。
【0063】
GLVの回折効率が高くなると、同一輝度を実現する時のレーザ出力を低く抑えることができ、その結果、高輝度プロジェクタを構成する場合のGLV素子の信頼性が向上する。また、隣接するリボン素子間の間隔gが小さくなると、その部分を直接透過して、Si等より成る基板に入射して吸収されるレーザパワーも低減化することができ、リボン素子の温度上昇を抑制できることとなる。
【0064】
したがって、上述したように光変調素子に対しデフォーカス照明し、且つ光変調素子としてブレーズ型GLVを用いて、そのリボン素子の間隔を0.4μm以下とすることによって、より高効率で耐熱性、信頼性の高い画像投影方法、画像表示装置を提供することができることがわかる。
この間隔gとしては、0.4μm以下なるべく小さくすることが望まれるが、上述したようにリボン素子間の周囲ガスによる熱発散の効果が低減すること、またフォトリソグラフィ等による製造上の限界に起因する信頼性の問題から、0.1μm未満とすることは難しい。また実用上、光変調素子の第1面と第2面との間隔を非常に微細化すると、電圧印加時等の動作状態において、各面が横方向に移動する恐れがある。したがって、本発明においては、この第1面と第2面との間隔を、0.1μm以上0.4μm以下とすることが望ましい。
【0065】
以上説明したように、本発明においては、光変調素子を集光レンズからのビームウエスト位置からずらしてデフォーカス照明し、且つ、望ましくはこのデフォーカス量を画素間クロストークが増大しないように選定することによって、光変調素子に対し10000[lm]程度の高輝度のレーザ照射を行って高輝度表示を行う場合においても、光変調素子表面の温度上昇による急激な温度勾配の発生を抑制し、劣化を十分抑えて信頼性の向上、寿命の長期化を図ることができる。
【0066】
更に、デフォーカス照明すると共に光変調素子の第1面及び第2面の材料をAlCu合金材料より構成することによって、耐熱性の向上を図り、同様に高輝度表示を行う場合においても信頼性の向上を図ることができる。
また更に、気密封止した光変調素子の第1面及び第2面の周囲ガスとして、水素ガス又はヘリウムガスを含むガス、もしくはこれら両方を含むガスを用いることにより、更に耐熱性、信頼性の向上を図ることができる。
【0067】
また、特に光変調素子としてブレーズ型GLVを用いる場合に、第1面及び第2面の間隔を0.4μm以下とすることにより、高い回折効率とすることができ、これによりレーザ照射強度を抑制することを可能として、同様に耐熱性、信頼性の向上を図ることができる。
【0068】
特に、デフォーカス照明すると共に、上述の第1面及び第2面の材料、又は周囲ガス、もしくは第1面と第2面との間隔を、上述したように選定する各構成を2つ以上採用することによって、より高い輝度の表示に適用する場合においても、光変調素子の温度上昇による劣化を抑制し、信頼性の高い高輝度表示装置を適用することができる。
【0069】
以上本発明の各実施の形態及び各実施例について説明したが、本発明構成は上述の各例に限定されることなく、その画像表示装置の光学系の配置構成、また光変調素子の各リボンの材料、リボン支持態様の構成などにおいて本発明構成を逸脱することなく種々の変形、変更が可能であることは言うまでもない。
【0070】
【発明の効果】
上述したように、本発明による画像投影方法によれば、光変調素子を集光レンズのビームウエスト位置からずれた位置に配置することによって、光変調素子のリボン表面のスポット直径を従来に比し大としてリボン表面の温度上昇を抑え、且つ温度勾配を低減化することができる。これにより光変調素子のリボンの劣化を抑え、即ちボイドやヒロックの発生を確実に抑制することができる。
【0071】
また、光変調素子として、回折格子を構成する第1面及び第2面が基準面から所定の角度をもって傾斜される構成とするブレーズ型構成の光変調素子を用いることによって、より効率よく回折光を利用することができ、高輝度の表示を実現するにあたり、光変調素子の劣化を抑制し、信頼性の向上を図ることができる。
【0072】
また本発明において、光変調素子を構成する第1面及び第2面の材料をAlCu合金材料とすることによって、更に光変調素子の劣化を抑制し、信頼性の向上を図ることができる。
【0073】
更にまた、本発明において、気密に封止された光変調素子の第1面及び第2面の周囲ガスとして、水素ガス又はヘリウムガスを含むガス、もしくはその両方を含むガスを用いることによって、第1面及び第2面の温度上昇による劣化を抑制し、同様に信頼性の向上を図ることができる。
【0074】
また本発明において、光変調素子をブレーズ型構成とし、第1面及び第2面の間隔を0.4μm以下とすることにより、回折効率を向上させ、これによりレーザ照射出力を抑えて高輝度表示を可能とし、光変調素子の劣化を抑制して信頼性の向上を図ることができる。
【0075】
更に、上述の本発明による各画像投影方法を適用することによって、高輝度の画像表示を長期間安定表示することが可能な特性に優れた画像表示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像表示装置の一例の概略構成図である。
【図2】画像投影方法の一例の説明図である。
【図3】ビームウエスト位置の説明図である。
【図4】光変調素子の一例の説明図である。
【図5】ブレーズ型光変調素子の一例の説明図である。
【図6】デフォーカスとクロストークとの関係を示す図である。
【図7】画像投影方法の一例の説明図である。
【図8】スポット直径の温度特性を示す図である。
【図9】AlCuを用いる場合のスポット直径に対する温度特性を示す図である。
【図10】AlSiを用いる場合のスポット直径に対する温度特性を示す図である。
【図11】光変調素子の一例の概略断面構成を示す図である。
【図12】光変調素子の一例の要部の略線的断面図である。
【図13】光変調素子の周囲ガスの熱伝導率に対する温度上昇を示す図である。
【図14】周囲ガスとして水素ガス及びヘリウムガスを含むガスを用いた場合のスポット直径に対する温度特性を示す図である。
【図15】周囲ガスとして窒素ガスを用いた場合のスポット直径に対する温度特性を示す図である。
【図16】通常型光変調素子の第1面及び第2面の間隔に対する回折効率の変化を示す図である。
【図17】ブレーズ型光変調素子の第1面及び第2面の間隔に対する回折効率の変化を示す図である。
【図18】光変調素子の一例の構成図である。
【図19】ストレスマイグレーションの説明図である。
【符号の説明】
10R 光源、10G 光源、10B 光源、12R 集光レンズ、12G 集光レンズ、12B 集光レンズ、13 光変調素子、13R 光変調素子、13G 光変調素子、13B 光変調素子、14 ハーフミラー、15 ハーフミラー、16 空間フィルター、17 投影レンズ、18 スキャナー、19 スクリーン、20 ビームウエスト位置、21 基板、22 封止部材、23 光透過性カバー材、30 リボン素子、30a 第1面、30b 第2面、31 基材、32 反射層、33 共通電極
Claims (28)
- 光変調素子により光を変調してスクリーン上に結像し投影する画像投影方法であって、
上記光変調素子は第1面と第2面とを有し、少なくとも上記第1面及び第2面の相対的移動によって異なる回折格子を構成して光変調され、
集光レンズによって集光する光のビームウエスト位置からずらした位置に上記光変調素子を配置して、
上記光変調素子から回折される光のうち1本の回折光のビームウエスト位置の像を結像する
ことを特徴とする画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面及び第2面が、基準面から所定の角度を有する斜面とされ、
少なくとも一状態において、上記第1及び第2面がほぼ同一の平面に並置されて成る
ことを特徴とする請求項1記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面及び第2面を、AlCu合金材料より構成する
ことを特徴とする請求項1記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面及び第2面を、AlCu合金材料より構成する
ことを特徴とする請求項2記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子が気密に封止されて成り、上記第1面及び第2面の周囲ガスを水素又はヘリウムを含むガス、もしくはその両方を含むガスとして構成する
ことを特徴とする請求項1記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子が気密に封止されて成り、上記第1面及び第2面の周囲ガスを水素又はヘリウムを含むガス、もしくはその両方を含むガスとして構成する
ことを特徴とする請求項2記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子が気密に封止されて成り、上記第1面及び第2面の周囲ガスを水素又はヘリウムを含むガス、もしくはその両方を含むガスとして構成する
ことを特徴とする請求項3記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子が気密に封止されて成り、上記第1面及び第2面の周囲ガスを水素又はヘリウムを含むガス、もしくはその両方を含むガスとして構成する
ことを特徴とする請求項4記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面と第2面との間隔を、0.4μm以下として構成する
ことを特徴とする請求項2記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面と第2面との間隔を、0.4μm以下として構成する
ことを特徴とする請求項4記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面と第2面との間隔を、0.4μm以下として構成する
ことを特徴とする請求項6記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面と第2面との間隔を、0.4μm以下として構成する
ことを特徴とする請求項8記載の画像投影方法。 - 光変調素子により光を変調してスクリーン上に結像し投影する画像投影方法であって、
上記光変調素子は第1面と第2面とを有し、少なくとも上記第1面及び第2面の相対的移動によって異なる回折格子を構成して光変調され、
上記光変調素子に集光する集光レンズの有効開口を空間的にほぼ均等に分割して複数の光を照射し、
上記集光レンズによって集光する光のビームウエスト位置からずらした位置に上記光変調素子を配置して、
上記光変調素子から回折される光のうち1本の回折光の、ビームウエスト位置の像を結像する
ことを特徴とする画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面及び第2面が、基準面から所定の角度を有する斜面とされ、
少なくとも一状態において、上記第1及び第2面がほぼ同一の平面に並置されて成る
ことを特徴とする請求項13記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面及び第2面を、AlCu合金材料より構成する
ことを特徴とする請求項13記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面及び第2面を、AlCu合金材料より構成する
ことを特徴とする請求項14記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子が気密に封止されて成り、上記第1面及び第2面の周囲ガスを水素又はヘリウムを含むガス、もしくはその両方を含むガスとして構成する
ことを特徴とする請求項13記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子が気密に封止されて成り、上記第1面及び第2面の周囲ガスを水素又はヘリウムを含むガス、もしくはその両方を含むガスとして構成する
ことを特徴とする請求項14記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子が気密に封止されて成り、上記第1面及び第2面の周囲ガスを水素又はヘリウムを含むガス、もしくはその両方を含むガスとして構成する
ことを特徴とする請求項15記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子が気密に封止されて成り、上記第1面及び第2面の周囲ガスを水素又はヘリウムを含むガス、もしくはその両方を含むガスとして構成する
ことを特徴とする請求項16記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面と第2面との間隔を、0.4μm以下として構成する
ことを特徴とする請求項14記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面と第2面との間隔を、0.4μm以上として構成する
ことを特徴とする請求項16記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面と第2面との間隔を、0.4μm以下として構成する
ことを特徴とする請求項18記載の画像投影方法。 - 上記光変調素子の上記第1面と第2面との間隔を、0.4μm以下として構成する
ことを特徴とする請求項20記載の画像投影方法。 - 光変調素子に変調された光がスクリーン上に結像されて投影される画像表示装置であって、
上記光変調素子は第1面と第2面とを有し、少なくとも上記第1面及び第2面の相対的移動によって異なる回折格子を構成して光変調され、
集光レンズによって集光する光のビームウエスト位置からずらした位置に上記光変調素子が配置されて、
上記光変調素子から回折される光のうち1本の回折光の、ビームウエスト位置の像が結像される
ことを特徴とする画像表示装置。 - 上記光変調素子の上記第1面及び第2面が、基準面から所定の角度を有する斜面とされ、
少なくとも一状態において、上記第1及び第2面がほぼ同一の平面に並置されて成る
ことを特徴とする請求項25記載の画像表示装置。 - 光変調素子により変調された光がスクリーン上に結像されて投影される画像表示装置であって、
上記光変調素子は第1面と第2面とを有し、少なくとも上記第1面及び第2面の相対的移動によって異なる回折格子を構成して光変調され、
上記光変調素子に集光する集光レンズの有効開口を空間的にほぼ均等に分割して複数の光が照射され、
上記集光レンズによって集光する光のビームウエスト位置からずらした位置に上記光変調素子が配置されて、
上記光変調素子から回折される光のうち1本の回折光の、ビームウエスト位置の像が結像される
ことを特徴とする画像表示装置。 - 上記光変調素子の上記第1面及び第2面が、基準面から所定の角度を有する斜面とされ、
少なくとも一状態において、上記第1及び第2面がほぼ同一の平面に並置されて成る
ことを特徴とする請求項27記載の画像表示装置。
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JP2006231439A (ja) * | 2005-02-23 | 2006-09-07 | Sony Corp | 微小機械素子とその製造方法、半導体装置、ならびに通信装置 |
-
2003
- 2003-07-03 JP JP2003191277A patent/JP4470401B2/ja not_active Expired - Lifetime
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