JP2005024674A - 導電性ローラおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】帯電均一性が良い導電性ローラと、それを安定して製造する方法を提供する。
【解決手段】少なくとも隣り合った二つの導電性を持った層を備え、その両方に絶縁性粒子が分散されている事を特徴とする導電性ローラと、円筒状の成型金型を用い、絶縁性粒子を含有する未加硫組成物加硫の加硫と発泡を行った上に、絶縁性粒子を分散させた塗液を用いて被覆層を形成する事によって成形する導電性ローラの製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真プロセスを利用した画像形成装置に用いる帯電・転写ローラ、現像ローラ、或いは中間転写体等に用いる導電性ローラと、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、プリンター等の電子写真プロセスでは、まず、感光体の表面を一様に帯電させ、この感光体に光学系から映像を投射して、光の当たった部分の帯電を消去することによって潜像を形成し、次いで、トナーの付着によるトナー像の形成、紙等の記録媒体へのトナー像の転写により、プリントする方法がとられている。
【0003】
この場合、最初の感光体を帯電させる操作は、コロナ放電方式が一般的に採用されてきた。しかしながら、このコロナ放電方式は6〜10kVもの高電圧印加が必要とされるため、機械の安全保守の観点から好ましくない。また、コロナ放電中にオゾン等の有害物質が発生するため環境上の問題もある。
【0004】
このため、コロナ放電に比べて低い印加電圧で帯電を行うことができ、かつ、オゾン等の有害物質の発生を抑制することができる帯電方式への取り組みがなされてきている。かかる帯電方式の試みとして、電圧を印加した帯電用部材を感光体等の被帯電体に所定の圧力で当接させて被帯電体を帯電させる接触方式による方法が提案されている。
【0005】
図1に、接触帯電・転写部材を用いた電子写真装置の構成図を模式的に断面図で示した。1は被帯電体としての像担持体であり、アルミニウムを用いた導電性の基体層とその外周面に形成した光導電層の二層からなるドラム型の電子写真プロセスに用いる感光体である。2はこの感光体に接し、感光体面を所定の電位に一様に帯電させる帯電部材であり、本例はローラ形状のものを示す(以下、帯電ローラと呼ぶ)。
【0006】
この帯電ローラは、中心部の芯金と、その外周に形成した導電性弾性体の層を有する。この帯電ローラをバネ等の圧接手段(不図示)で感光体1に所定の圧接力をもって圧接され、感光体1の回転にともない従動回転する。また、この芯金部に直流+交流(又は、直流のみ)バイアスを印加することで感光体1を所定の電位に接触帯電される。つまり、良好な画像を得るためには、均一な接触状態と、導電性が必要になる。帯電部材2で所定の電位に帯電された感光体1の表面が、レーザー、LED等の露光手段3によって画像情報を露光されることによって、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0007】
次いで、その潜像を現像手段4によってトナー画像として可視像化する。このトナー画像は、転写部材6によって転写材5の裏からトナーと逆極性の帯電を行うことで感光体1の表面のトナー画像が転写材5の表面側に転写される。トナー画像の転写を受けた転写材5は感光体1から分離され、定着部材7によって熱、圧力で固着される。また、像転写後の感光体1の表面はクリーニング手段8で転写時における残留トナー等の付着物の除去を受けて清浄面化され、くり返し作像に供される。
【0008】
ただし、帯電均一性に関しては、コロナ帯電方式と比較してやや不利である。
【0009】
この帯電均一性を改善する為に、所望の被帯電体表面電位Vdに相当する直流電圧に帯電開始電圧(Vth)の2倍以上のピーク間電圧を持つ交流電圧成分(AC電圧成分)を重畳した電圧(脈流電圧:時間とともに電圧値が周期的に変化する電圧)を接触帯電部材に印加する「AC帯電方式」が用いられている。これはAC電圧による電位のならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位はAC電圧のピークの中央である電位Vdに収束し、環境等の外乱に影響されることなく、接触帯電方法として優れた方法である。
【0010】
しかしながら、直流電圧印加時における放電開始電圧(Vth)の2倍以上のピーク間電圧である高圧の交流電圧を重畳させるために、直流電源とは別に交流電源が必要となり、装置自体のコストアップの要因となる。更には交流電流を多量に消費することにより、帯電部材及び感光体の耐久性が低下し易いという問題があった。
【0011】
また、これらの問題点は、帯電部材に直流電圧のみを印加した帯電を行なうことにより解消されるものの、帯電部材に直流電圧のみを印加すると、以下の問題点があった。
【0012】
前記従来の帯電部材に直流電圧のみを印加すると、感光体等の被帯電体表面に所望の帯電電位以上に帯電された場合や電位が不足した場合に起因する帯電ムラが発生する。特に一次帯電前に感光体上の電位を消去するための工程である前露光のない電子写真プロセスにおいて、ハーフトーン画像領域の電位部に発生し易い。
【0013】
このような問題の発生する従来の帯電ローラを用いて、例えば、反転現像方式を用いた電子写真装置によりハーフトーン画像を出力すると、上記の帯電ムラは画像上、部分的に白スジ、白ポチ、あるいは黒スジ、黒ポチやガサついたハーフトーン画像面となって現われ、画像品質が低下する問題があった。この帯電電位ムラの発生は、低温低湿環境において、特に顕著に表れる傾向にある。
この帯電ムラを抑制する手段として、抵抗分布の均一化、表面性向上が検討されてきた。
【0014】
このうち表面性に関しては、特許文献1では、最外層が表面粗さ5μm以下とすることで直流電圧のみを印加して被帯電体を均一に帯電させることが提案されている。しかしながら、追試を行なった結果、表面粗さが低い為、画像端部で黒スジが多く発生し、また画像中央部でも部分的に黒スジが発生した。
【0015】
また、表面粗さの制御手段として、特許文献2において、帯電部材の最外層であるマトリックス樹脂中に粒径7〜30μmの弾性体粒子を分散させ、表面粗さRzが7〜30μmに形成することが提案されている。しかしながら、追試を行なった結果、上記範囲で粒径の小さいもの単一で使用したときは、目標とする表面粗さを達成する為には、多量に添加する必要が生じる。この為、塗料の粘度アップを起こし、適正膜厚制御が困難となる。また表面層硬化時に膜自体の剛性がアップすることで、冷却時に弾性層との収縮性の差が大きく異なることによる表面シワの発生要因となった。また上記範囲でも大粒径のものを単一で使用し分散させた場合、その粒度分布中の大きい粒子径のものが比較的凝集物となりやすく、その部分が帯電電位不足となり、画像上黒ポチとなった。
【0016】
こうした帯電、転写、現像部材等に用いられるローラの製造方法としては、ポリマー原料と発泡剤と各種添加剤を配合し混練された原料組成物をチューブ状に押し出した物を加硫させた後に、あらかじめ接着剤を塗布した芯金に圧入し、円筒研磨機などを用いて研磨して外径を整える方法や、あらかじめ接着剤を塗布した芯金をクロスヘッドを用いて原料組成物と共に押出し、加硫させた後に、研磨によって外径を整える方法が知られている。
【0017】
或いは、前記原料組成物をあらかじめ接着剤を塗布された芯金の周囲に円筒状に押出した後に、成形金型の内部に配置し、成形金型を加熱することによって加硫を行い、芯金の周囲に弾性体を円筒状に形成することでローラを得ることができる。
【0018】
さらに円筒状の弾性体の周囲に、抵抗調整或いは表面性の調整のために導電層を形成することが行われる。この導電層の製造方法としては、各成分を含む塗料を調製し、この塗料をディッピング法やスプレー法により塗布して塗膜を形成する方法が用いられる。粗さを制御するための絶縁性粒子などは塗料の中に分散される。
【0019】
しかしながら、絶縁性粒子の大きさが大きいものを分散させた塗液を用い、ディッピング等で導電層を成形した場合には、大きな粒子が時間と共に沈降する恐れがあり、製造の安定上好ましくないなど、安定して所望の粗さにあらす事が難しかった。
【0020】
【特許文献1】
特開平5−341620号公報
【特許文献2】
特登録3024248号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の点の課題を解決しつつ、帯電均一性が良い表面形状と、それを安定して製造する方法を提供する事である。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題の改善に鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、少なくとも隣り合った二つの導電性を持った層を備え、その両方に絶縁性粒子が分散されている事を特徴とする導電性ローラである。
【0023】
また、芯金を成形金型内周面と同心軸上に保持するための蓋体を両端に有する円筒状の成型金型を用い、発泡体のポリマー原料と発泡剤と絶縁性粒子、各種添加剤を配合し混練された未加硫未発泡原料組成物を押し出すことで、芯金の外径より大きく円筒状の型の内径よりも小さい略円筒状に形成した後、芯金と共に金型内に配置して加硫と発泡を行う事によりローラを形成する工程と、絶縁性粒子を分散させた塗液を用いて該ローラ上に被覆層を形成する工程を少なくとも有する事を特徴とする導電性ローラの製造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】
本出願に関わる第1の発明は、
少なくとも隣り合った二つの導電性を持った層を備え、その両方に絶縁性粒子が分散されている事を特徴とする導電性ローラである。
【0025】
図7に模式的に、本発明のローラの側面図と断面図を示した。
【0026】
また、図8に模式的に、本発明のローラの断面図を拡大して示した。
【0027】
29は芯金であり、その外周面上に発泡層31、さらにその外周面上に非発泡層30を備えるものである。発泡層31において、発泡のセルは32であり、33は絶縁性粒子である。また、非発泡層30においても絶縁性粒子34を備える。
【0028】
隣り合った二つの絶縁性粒子を分散した層を設けることで、二種類のうねりの幅を独立に制御して所望の表面形状をもった導電性ローラを得る事ができる。
【0029】
本発明における絶縁性粒子とは、1012Ω・cm以上の抵抗値を持つものをいう。
【0030】
なお、紛体抵抗は粉末を100kg/cmでプレス成型したものについて測定した。
【0031】
さらには、二つの隣り合った導電層の上下に他の層があってもよく、弾性層として下に層を持つ場合や、保護層としてさらに外周部に薄い層があってもよい。
【0032】
本出願に関わる第2の発明は、本出願に関る第1の発明に関り、
前記外側の層に分散させている絶縁性粒子の粒径が、内側の層の絶縁性粒子の粒径よりも小さい事を特徴とする導電性ローラである。
【0033】
基層に大きな粒子を分散させる事で基層に比較的大きなうねりをつくり、その上に微粒子にて微小なうねりをもたせることによって、帯電が均一で安定したローラを得る事ができる。
【0034】
本出願に関わる第3の発明は、本出願に関る第2の発明に関り、
前記外側の層の絶縁性粒子の平均粒径が1μm以上10μm未満であり、内側の層の絶縁性粒子の平均粒径が10μm以上50μm以下である事を特徴とする導電性ローラである。
【0035】
表面が荒れすぎていると、耐久に伴うトナー、紙紛などの付着に起因する画像不良やあたりむらによる画像不良が発生するため、好ましくなく、表面の粗さはRzで3μm〜25μmが好ましい。そのためには、外側の層の絶縁性粒子の平均粒径が1μm以上10μm未満であり、内側の層の絶縁性粒子の平均粒径が10μm以上50μm以下であることが好ましい。
【0036】
本出願に関わる第4の発明は、本出願に関る第1から3の発明に関り、
感光体表面に接触配置されて該感光体表面を帯電する帯電ローラであることを特徴とする導電性ローラである。
【0037】
帯電性が均一で、安定したローラを帯電ローラとして用いれば、製品として従来よりも長期に渡って安定して使用する事が可能となる。
【0038】
本出願に関わる第5の発明は、
芯金を成形金型内周面と同心軸上に保持するための蓋体を両端に有する円筒状の成型金型を用い、発泡体のポリマー原料と発泡剤と絶縁性粒子、各種添加剤を配合し混練された未加硫未発泡原料組成物を押し出すことで、芯金の外径より大きく円筒状の型の内径よりも小さい略円筒状に形成した後、芯金と共に金型内に配置して加硫と発泡を行う事によりローラを形成する工程と、絶縁性粒子を分散させた塗液を用いて被覆層を形成する工程を備えた事を特徴とする請求項1〜4に記載の導電性ローラの製造方法である。
【0039】
粒子を分散させた所望の表面を持つ下層を形成する方法としては、研磨や型内成形が挙げられる。ただし、絶縁性粒子が混合された非発泡の円筒状のローラを研磨して外径を整える場合には、研磨時に粒子の脱落等が生じる可能性が場合がある。また、発泡成形でない場合には、粒子が完全に埋まってしまって表面にうねりを形成することができない場合がある。従って、より好ましくは、型内で発泡して成形を行うとよい。
【0040】
そこで、型内で発泡成形を用い、適度な内圧と発泡倍率を得られるように配合と型内に仕込む原料組成物の量を調整することによって、所望の表面を形成できる事を見出した。
【0041】
図4には、前記円筒状の未加硫原料組成物を成形するために用いた押し出し機の概要を模式的に示した。18が押出し機本体であり、21の材料供給孔から未加硫組成物を投入し、クロスヘッド17の後方から芯金19を挿入して、芯金の周囲に円筒状の未加硫組成物を形成して押出すものである。
【0042】
また、金型と蓋体の一例を図2に模式的に示す。
芯金の周囲に円筒状の未加硫組成物を成形した状態で仕込めるように、金型本体10の両端部に芯金14を同心軸上に保持できる蓋体11を備える。芯金保持する蓋体11は、材料の軸方向の流れを規制する役割も果たし、さらに、発泡ガスをキャビティ内から抜くための穴12を備える。
【0043】
なお、円筒状の未加硫原料組成物のみを押出しによって成形し、芯金と共に金型内に仕込んでも良い。
【0044】
絶縁性粒子によって表面に大きなうねりを持たせたローラの外周面上に、小さなうねりを均一に成形するには、絶縁性粒子を分散させた液状の塗液を用いて、下層表面の形状にならうように被覆層を形成することにより所望の表面形状を実現できる。
【0045】
被覆層を形成する方法は、特に制限されるものではないが、各成分を含む塗料を調製し、この塗料をディッピング法やスプレー法により塗布して塗膜を形成する方法が好ましく用いられる。この場合、外層を複数層とする場合には、それぞれの層を形成する塗料を用いてディピングやスプレーを繰り返せばよい。
【0046】
本出願に関わる第6の発明は、
芯金を成形金型内周面と同心軸上に保持するための蓋体を両端に有する円筒状の成型金型を用い、発泡体のポリマー原料と発泡剤と各種添加剤を配合し混練された未加硫未発泡原料組成物と、ポリマー原料と絶縁性粒子、各種添加剤を配合し混練された未加硫非発泡原料組成物を、未加硫未発泡原料組成物の外周面上に未加硫非発泡原料組成物を一体的かつ、同時に押し出すことで、芯金の外径より大きく円筒状の型の内径よりも小さい略円筒状の積層体を形成した後、該積層体を芯金と共に金型内に配置して加硫と発泡を行う事により発泡層の外側に非発泡層を備えたローラを形成する工程と、
絶縁性粒子を分散させた塗液を用いて被覆層を形成する工程を備えた事を特徴とする請求項1〜4に記載の導電性ローラの製造方法である。
【0047】
図9に模式的に、本発明のローラの断面図を拡大して示した。
図9において、37が発泡層で36が非発泡層であり、同時一体的に成形される。さらにその外側に被覆層35を備える。
【0048】
図5には、前記円筒状の積層体を成形するために用いた押し出し機の概要を模式的に示した。
【0049】
未加硫未発泡の原料組成物、未加硫非発泡の原料組成物を、それぞれ22,23に示す別の押し出し機を用いてそれぞれ送り、押し出しヘッド24において、内側の未加硫未発泡の原料組成物と、外側の未加硫非発泡の原料組成物が合わさり、内側の未加硫未発泡の層の外周上に外側の未加硫非発泡の層が被覆される形で、円筒状の積層体が形成される。
【0050】
内側の層を発泡体によって形成する場合には、絶縁性粒子の混合量によっては、ローラ硬度が高くなってしまうため好ましくない場合がある。その場合には、さらに下層に発泡層を形成すると同時に絶縁性粒子が混合された100μ〜2mmの厚さを持つ非発泡層をその外周面上に形成する事によって低硬度の所望の表面を持つローラを形成することができる。
【0051】
本出願に関わる第7の発明は、
芯金を成形金型内周面と同心軸上に保持するための蓋体を両端に有する円筒状の成型金型を用い、発泡体のポリマー原料と発泡剤と各種添加剤を配合し混練された未加硫未発泡原料組成物を押し出すことで、芯金の外径より大きく円筒状の型の内径よりも小さい略円筒状に形成した後、該円筒状の未加硫組成物の外周面に絶縁性粒子を塗布する工程と、該絶縁性粒子を塗布された円筒状の未加硫組成物を芯金と共に金型内に配置して加硫と発泡を行う事によりローラを形成する工程と、絶縁性粒子を分散させた塗液を用いて被覆層を形成する工程を備えた事を特徴とする請求項1〜4に記載の導電性ローラの製造方法。
【0052】
図10に模式的に、本発明のローラの断面図を拡大して示した。
【0053】
より粗さを制御したい場合、或いは絶縁性粒子を多く配合する事によって硬度を上げたくない場合には、導電性を持つ隣り合った二層の界面近傍に粒子が集中している事が好ましい。
【0054】
それは、未加硫状態の円筒状の原料組成物に絶縁性粒子を回転させながら塗布したものを、型内で加硫し、さらに絶縁性粒子が分散された塗液を用いて被覆層を形成する事によって、界面とその外周部に絶縁性粒子が集中して存在するローラを得る事ができる。
【0055】
従って、二層の界面より内側には絶縁性粒子は存在することがなく、低硬度が実現できる。
【0056】
硬度が低いローラを用いると、使用に伴って感光体を傷つけることなどが無く、また圧接状態も安定するため均一で安定した画像が得られるためより好ましい。
【0057】
なお、絶縁性粒子を未加硫組成物の表面に塗布する方法は、紛体を塗布する方法のほかに、溶剤や水などのに分散させてディッピングやスプレー等を用いて塗工する方法などを用いてもよい。
【0058】
以上のように本発明においては、
少なくとも隣り合った二つの導電性を持った層を備え、その両方に絶縁性粒子が分散されている事によって、帯電均一性がよいローラを安定して得る事ができる。
【0059】
未加硫組成物の加熱は、熱風炉、加硫缶、熱盤、遠・近赤外線、誘導加熱などいずれ手法でも良く、加熱温度は130度から250度で時間5分〜120分、好ましくは140度〜220度で時間10から40分で行われる。この後、必要に応じて2次加硫することもできる。
【0060】
導電性ローラーのポリマーとしては、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルゴム、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、エピクロルヒドリンゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム、ウレタンゴム、フッソゴム、塩素ゴムなど、いずれでも良い。
【0061】
前記ポリマー中に分散させる導電粉としてはカーボンブラック、導電性カーボン等のカーボン類、グラファイト、TiO2・SnO2・ZnOなどの金酸化物、SnO2とSb2O3の個溶体・ZnOとAl2O3の固溶体などの複酸化物、Cu・Agなどの金属粉等が挙げられ、前記ポリマー原料100重量部に対して5〜200重量部添加される。
【0062】
発泡発泡剤として、有機発泡剤ではADCA(アゾジカルボンアミド)系、DPT(ジニトロソペンタメチレンテトラアミン)系、TSH(P.トルエンスルホニルヒドラジド)系、OBSH(オキシビスベンゼンスルフェニルヒドラジド)系などいずれを用いても良い。その添加量は前記ポリマー原料100重量部に対して2〜30重量部である。無機発泡剤としては、例えば重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム等があげられる。また、前記発泡剤、発泡助剤等が適宜添加してもよい。
【0063】
加硫剤としては硫黄、金属酸化物、有機酸化物など、無機充填剤としてカーボンブラック、タルク、クレーなどがあげられ、その他公知の加硫促進剤、プロセスオイルなどが適宜添加される。
【0064】
被覆層の材料として、具体的には、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などが上げられ、有機系、水系のいずれのものも使用することができる。
【0065】
更に、この導電性樹脂層は必要に応じて架橋剤等の添加剤を必要に応じて適量添加することができる。この場合、架橋剤としては、所望の架橋効果が得られるものであればいずれのものでもよい。例えば、エポキシ系、オキサゾリン系、メラミン系、イソシアネート系、フェノール系の架橋剤を例示することができる。
【0066】
また被覆層には、導電剤を添加して導電性を付与又は調整することができ、この場合導電剤としては、特に制限されるものではないが、ケッチェンブラックEC、アセチレンブラック等の導電性カーボン、SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン、酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト、アンチモンドープの酸化錫、酸化チタン、酸化亜鉛、ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属及び金属酸化物等を用いることができる。
【0067】
更に前記導電剤を有機系溶剤で使用する場合は、分散性を考慮し、導電剤の表面をシランカップリング処理等の表面処理を施すことが好ましい。
【0068】
絶縁性粒子としては、炭酸カルシウム、クレー、タルク、シリカ、メチルシロキサン網状重合体及び樹脂、酸化亜鉛等の金属酸化物、アクリル酸及びそのエステル、メタクリル酸及びそのエステル、ビニルアルコール、そのエステル及びそのエーテル、スチレン並びにαーメチルスチレン、SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、EPDM(エチレンプロピレンジエンターゴム)、IIR(ブチルゴム)、NBR(ニトリルブタジエンゴム)、シリコーンゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム等のゴムや、RB(ブタジエン樹脂)、SBS(スチレンブタジエンスチレンエラストマ−)等のポリスチレン樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン、PVC(ポリ塩化ビニル)、アクリル系樹脂、スチレン・酢酸ビニル共重合体、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体等からなるもののなかで、抵抗が10e+12Ω・cm以上のグレードであればいずれでも良い。
【0069】
また、前記絶縁性粒子には、塗料中に易分散しやすいように疎水性の表面処理が施されていてもよい。前記粒子の添加量は、樹脂100重量部対して、10〜50重量部の範囲とする。
【0070】
この被覆層の厚さは、5〜50μmとするのが好ましい。特に10〜30μmとすることが好ましく、外層13の厚さが50μmを超えると、外層13が硬くなって柔軟性が損なわれる場合があり、10μm以下では塗工が安定しない場合がある。
【0071】
【実施例】
以下、実施例に従って本発明をより詳細に説明する。なお実施例中の「部」は「質量部」を意味する。
【0072】
(実施例1)
本実施例で使用した発泡導電性ローラは以下のような方法で製造した。
【0073】
未加硫原料組成物としては、エチレンープロピレンージエン三元共重合体(EPT9070E 三井石油化学(株)製)120部に対して、導電剤としてケッチェンブラック(ケッチェンブラックEC 三菱化学社製)、SRFカーボンブラック(旭#35 旭カーボン社製)を50部、軟化剤としてパラフィンオイルを50部、加硫促進助剤として、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、架橋剤として硫黄2部、加硫促進剤としてメルカプトベンゾチアゾール(M)2部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)1部、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)1部、発泡剤としてADCA4部とOBSH8部、絶縁性粒子として平均粒子径30μmのウレタン粒子(アートパール、根上工業)20部をニーダ、オープンロールを用いて混合した。
【0074】
得られた原料組成物を芯金の周囲に成形するために、図4に模式的に示す押出し機に内径がФ9.6mmであるダイをセットし、あらかじめヘッドを50度に温調した。次にφ6mmの芯金を用意しゴムと同時に押出す事で、未発泡ローラの成形を行った。その後、原料組成物の長さを金型内の空孔部の長さ232mmに対し、略同一長さになるように余分な未加硫組成物部分の端部切断処理を行った。
【0075】
次に、図2に模式的に示すように、得られた未発泡ローラを金型筒内に挿入し、金型両端に設けられている蓋体で固定した。次に、あらかじめ160度に熱した加熱盤に挿入し、15分加熱することで、加硫、発泡を行い、直径Ф6mmの芯金上にゴム部の長さが232mm、ゴム部の直径がφ12.0mmである導電性ローラを得た。
【0076】
なお、本実施例で使用した加熱盤の模式図を図3に示す。
【0077】
円筒状の金型の最大外径と略同一の内径であって、かつ軸方向の長さは金型と略同一長さである空孔部15を有し、円筒状の成形金型の軸方向に平行に分割される装置であり、芯金と共に原料組成物を配置した金型を加熱することによって加硫と発泡を同時に行うものである。
【0078】
次に、導電性ローラの外周面上に被覆層を設けるために、
ラクトン変性アクリルポリオール(商品名「プラクセルDC2009(水酸基価 90KOHmg/g)」:ダイセル化学工業(株)製)137重量部を、463重量部のMIBK(メチルイソブチルケトン)に溶解し、固形分15.94重量%の溶液とした。このアクリルポリオール溶液200重量部に対して、導電性酸化錫粉体(商品名「SN−100P」:石原産業(株)製)を54.3重量部、シリコーンオイル(商品名「SH−28PA」:東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)を0.01重量部、絶縁性粒子として平均粒子径1.6μmのアクリル粒子(ケミスノー、綜研科学MX−180)を1.46重量部配合し、これにガラスビーズを加えて、ペイントシェーカーを使用して分散した。この分散液330重量部にイソホロンジイソシアネートのブロックタイプのイソシアヌレート型3量体(IPDI)(商品名「ベスタナートB1370」:デグサ・ヒュルス製)を25.4重量部と、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型3量体(HDI)(商品名「デュラネートTPA−B80E」:旭化成工業(株)製)を16.2重量部を、ボールミルで撹拌して混合して、塗料を得た。
【0079】
前記塗料をディッピングにより、前記導電性ローラの表面に塗工した。ディッピング後、30分間風乾後、オーブンで160℃×1時間乾燥した。このとき膜厚は15μmであった。この二層の導電性ローラの電気抵抗は約1.0×10Ωであった。なお、ローラの硬度はアスカーC(500g荷重)で51であった。
【0080】
なお、導電性ローラのローラ抵抗は、図6に模式的に示すように、ローラ25を円柱状のアルミドラム27に当接させ、回転させた状態で、ドラムとの間に電源28から直流100Vの電圧を印加し、抵抗にかかる電圧を測定する事により計算した。
【0081】
上記のようにして得られた導電性ローラを帯電ローラとして用い、以下に示すような画像評価を行なった。
【0082】
本試験で使用した電子写真式レーザープリンターはA4縦出力用のマシンで、記録メディアの出力スピードは、94mm/secで画像解像度は1200dpiである。感光体はアルミシリンダーに膜厚18μmのOPC層をコートした反転現像方式の感光ドラムであり、最外層は変性ポリカーボネートをバインダー樹脂とする電荷輸送層である。トナーは、ワックスを中心に電荷制御剤と色素等を含有するスチレンとブチルアクリレートのランダムコポリマーを重合させ、更に表面にポリエステル薄層を重合させシリカ微粒子を外添した。このトナーのガラス転移温度は63℃、体積平均粒子径6μmの重合トナーである。
【0083】
画像の評価は全て、低温低湿環境(L/L:15℃×10%Rh)で行い、ハーフトーン(感光体の回転方向と垂直方向に幅1ドット、間隔2ドットの横線を描く画像)画像を出力し、耐久前と15000枚の連続耐久を実施し、耐久前後の帯電ムラが発生しないかどうかを見た。帯電ムラが発生しないものを◎、少し発生したものを○、中程度に発生するものを△、非常にムラが大きかったものを×とした。
【0084】
画像評価の結果を表1に示した。本実施例の帯電ローラは、比較例に見られるような耐久前後の画像ムラの発生も無く、安定していた。
【0085】
(実施例2)
本実施例で使用した発泡導電性ローラは以下のような方法で製造した。
【0086】
未加硫未発泡の原料組成物としては、エチレンープロピレンージエン三元共重合体(EPT9070E 三井石油化学(株)製)120部に対して、導電剤として、SRFカーボンブラック(旭#35 旭カーボン社製)を60部、軟化剤としてパラフィンオイルを50部、加硫促進助剤として、酸化亜鉛5部、ステアリン酸1部、架橋剤として硫黄2部、加硫促進剤としてメルカプトベンゾチアゾール(M)2部、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛(ZnBDC)1部、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)1部、発泡剤としてADCA4 部とOBSH8部、絶縁性粒子として平均粒子径30μmのウレタン粒子(アートパール、根上工業)20部をニーダ、オープンロールを用いて混合した。
【0087】
未加硫非発泡の原料組成物としては、エピクロルヒドリンーエチレンオキサイドーアリルグリシジルエーテル3元共重合体(CG102 ダイソー社製)100部に対して、イオン導電剤としてテトラブチルアンモニウムパークロレート1部、炭カル(シルバーW)60部、加工助剤としてステアリン酸1部、可塑剤としてアジピン酸エステル(W305ELS)20部、加硫剤として硫黄0.5部、架橋助剤としてTRA1.5部をオープンロールにて混合した。
【0088】
得られた未加硫非発泡原料組成物と未加硫未発泡原料組成物は、図5に模式的に示した押し出し機、及び芯金を同時押出しできるクロスヘッドに、内径がФ10.0mmであるダイをセットして同時一体的に押し出す事で、芯金と一体となった円筒状の積層体を形成し、金型内の空孔部の長さ224mmに対し、略同一長さにゴム部をカットして芯金の周囲に円筒状の積層体を作成した。なお、非発泡層と発泡層の厚さは各押出し機の回転数の比率を制御する事で行う。本実施例では、非発泡層の厚さが約500μmになるように調整を行った。
【0089】
その後、上記円筒状の積層体を用い、実施例1と同様にして金型内に仕込み、加熱を行い、さらに絶縁性粒子を平均粒子径1.6μmのアクリル粒子(ケミスノー、綜研科学MX−180)1.46部に変更した以外は実施例1と同様にして被覆層を塗工する事によって、約1.0×10 Ωの二層ローラを得た。ローラ硬度は実施例1と同様に測定して、47であった。
【0090】
画像評価を結果は表1に示した。比較例に見られるような耐久前後の画像ムラの発生も無く、安定していた。
【0091】
(実施例3)
本実施例では、内側の層の絶縁性粒子として平均粒子径30μmのウレタン粒子(アートパール、根上工業)20部を用い、外側の層の絶縁性粒子を平均粒子径5μmのシリコーン粒子(トスパール、東芝シリコーン)1.46部を用いた以外は、実施例2と同様の手順で導電性ローラを作成した。
【0092】
画像評価を結果は表1に示した。比較例に見られるような耐久前後の画像ムラの発生も無く、安定していた。
【0093】
(実施例4)
本実施例では、内側の層の絶縁性粒子として平均粒子径30μmのウレタン粒子(アートパール、根上工業)20部を用い、外側の層の絶縁性粒子を平均粒子径19μmのアクリル粒子(ケミスノー、MX−2000)1.46部を用いた以外は、実施例2と同様の手順で導電性ローラを作成した。
【0094】
画像評価を結果は表1に示した。比較例1に見られるような不良はなかったものの、初期状態でも若干のムラがあり、また耐久後には画像ムラの発生量が多少増加し、△レベルであった。
【0095】
(実施例5)
本実施例では、内側の層の絶縁性粒子として平均粒子径5μmのシリコーン粒子(トスパール、東芝シリコーン)20部を用い、外側の層の絶縁性粒子として平均粒子径1.6μmのアクリル粒子(ケミスノー、綜研科学MX−180)1.46部を用いた以外は、実施例2と同様の手順で導電性ローラを作成した。
【0096】
画像評価を結果は表1に示した。比較例1に見られるような耐久前後の画像ムラの発生はなかったものの、耐久前後で若干のムラが確認でき、○レベルであった。
【0097】
(実施例6)
本実施例では、内側の層の絶縁性粒子として平均粒子径30μmのウレタン粒子(アートパール、根上工業)20部を用い、外側の層の絶縁性粒子として一次粒径0.02μmのシリカ1.46部を用いた以外は、実施例2と同様の手順で導電性ローラを作成した。
【0098】
画像評価を結果は表1に示した。比較例1に見られるような画像ムラはなかったものの、耐久前後の画像ムラが確認でき、そのレベルは△レベルであった。
【0099】
(実施例7)
本実施例では、内側の層の絶縁性粒子として平均粒子径90μmの砂状炭酸カルシウム(G60 三共製粉)20部を用い、外側の層の絶縁性粒子として平均粒子径1.6μmのアクリル粒子(ケミスノー、綜研科学MX−180)1.46部を用いた以外は、実施例2と同様の手順で導電性ローラを作成した。
【0100】
画像評価を結果は表1に示した。初期状態では比較例1に見られるような画像ムラの発生は無かったものの、耐久後には画像ムラの発生が確認でき、そのレベルは×であった。
【0101】
(実施例8)
本実施例では、まず内側の層の絶縁性粒子を抜いた配合で実施例1と同様にして単層の未発泡ローラを作成した。次に、未発泡ローラを回転させながら、未発泡ローラと逆に回転し、かつ絶縁性粒子が供給されるブラシに押し付けることによって未発泡ローラ全面に塗布した後に、実施例1と同様にして型内に仕込み、加硫発泡を行った。
【0102】
なお、絶縁性粒子としては、平均粒子径30μmのウレタン粒子(アートパール、根上工業)を用いた。
【0103】
さらに、外側の被覆層を設けるために、絶縁性粒子として平均粒子径1.6μmのアクリル粒子(ケミスノー、綜研科学MX−180)1.46部を用いた以外は、実施例2と同様の手順で被覆層の形成を行い、導電性ローラを作成した。
【0104】
ローラ硬度は実施例1と同様に測定して、42であり、実施例1、2と比較して硬度が低いものを作成することができた。
画像評価を結果は表1に示した。比較例に見られるような耐久前後の画像ムラの発生も無く、安定していた。
【0105】
(比較例1)
本比較例では、以下に示す方法で導電性ローラを作成した。
【0106】
エピクロルヒドリンーエチレンオキサイドーアリルグリシジルエーテル3元共重合体(CG102 ダイソー社製)100部に対して、イオン導電剤としてテトラブチルアンモニウムパークロレート1部、炭カル(シルバーW)60部、加工助剤としてステアリン酸1部、可塑剤としてアジピン酸エステル(W305ELS)20部、加硫剤として硫黄0.5部、架橋助剤としてTRA1.5部をオープンロールにて混合した。
【0107】
これをゴム押出機で、外径15mm、内径5.5mmの円筒形に押出し、240mmの長さに裁断後、加硫缶で160℃の水蒸気で30分間加硫して加硫チューブを得た。次にあらかじめ接着剤を塗布した直径6mmの芯金を加硫チューブに挿入し、その後、熱風炉で160℃×30分の接着剤硬化を行い、未研磨品を得た。この未研磨品のゴム部分の両端を突っ切り、ゴム部分の長さを232mmとした後、回転砥石で研磨し、ゴム部の直径がφ12.0mmの単層の導電性ローラを得た。
【0108】
さらに実施例1と絶縁性粒子を抜いた以外は同様にして、その外周面上に被覆層を形成し二層の導電性ローラを得た。
【0109】
画像評価の結果は表1に示すように耐久前後で×レベルの画像ムラの発生が確認された。
【0110】
(比較例2)
本比較例では、外側の層の絶縁性粒子として平均粒子径1.6μmのアクリル粒子(ケミスノー、綜研科学MX−180)16.06部を用いた以外は、比較例1と同様の手順で導電性ローラを作成した。
【0111】
画像評価の結果は表1に示すように耐久前後ともに画像ムラの発生が確認でき、そのレベルは△レベルであった。
【0112】
(比較例3)
本比較例では、外側の層の絶縁性粒子として、平均粒子径1.6μm アクリル粒子(ケミスノー、綜研科学MX−180)1.46部と平均粒子径30μmのウレタン粒子(アートパール、根上工業)14.6部の二つを共に用いた以外は、比較例1と同様の手順で導電性ローラを作成した。
【0113】
画像評価の結果は表1に示すように耐久前後でも画像ムラの発生は確認できるものの、程度は良く○レベルであった。
【0114】
しかし、同様にして多数本作成した場合、4時間後に作成したらサンプルにはウレタン粒子の沈降のためと思われる粗さの変化が確認され、画像ムラのレベルも△であった。
【0115】
(比較例4)
本比較例では、内側の層の絶縁性粒子として平均粒子径30μmのウレタン粒子(アートパール、根上工業)20部を用いる以外は同様にして、内側の層を形成した以外は比較例1と同様にの手順で導電性ローラを作成した。
【0116】
画像評価の結果は表1に示すように耐久前には△レベルの画像ムラのが確認され、耐久後には×レベルの画像ムラが確認された。
【0117】
【表1】
Figure 2005024674
【0118】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、少なくとも隣り合った二つの導電性を持った層を備え、その両方に絶縁性粒子を分散することによって、帯電が均一で安定しているローラと、それを安定して製造する事ができる。
【0119】
さらに、耐久後も安定して帯電が可能なため、製品としての安定性・高画質化も実現した。
【図面の簡単な説明】
【図1】接触帯電・転写部材を用いた電子写真装置の構成を模式的に示したものである。
【図2】本発明の実施例1に用いた金型・蓋体の一例を模式的に表したものであり、芯金、原料組成物を仕込んだ状態での断面図を模式的に表したものである。
【図3】本発明を実施するための熱盤の一例を模式的に表したものである。
【図4】本発明を実施するための押出し機の一例を模式的に表したものである。
【図5】本発明を実施するための二層押し出し機の一例を模式的に表したものである。
【図6】本発明における抵抗測定を実施するための測定装置を模式的に示したものである。
【図7】本発明における三層の導電性ローラの拡大図を模式的に示したものである。
【図8】本発明における二層の導電性ローラを模式的に示したものである。
【図9】本発明における二層の導電性ローラの拡大図を模式的に示したものである。
【図10】本発明におけるの導電性ローラの拡大図を模式的に示したものである。
【符号の説明】
1 像担持体
2 帯電ローラ
3 露光手段
4 現像部材
5 転写ローラ
6 転写材
7 定着部材
8 クリーニング部材
9 トナー
10 金型本体
11 蓋体(芯金保持部材)
12 ガス抜き孔
13 未加硫原料組成物
14 芯金
15 金型を挿入する空孔部
16 熱盤(上下に分割可能)
17 クロスヘッド
18 押出し機
19 芯金
20 未加硫組成物
21 材料供給孔
22 押し出し機(発泡層用)
23 押し出し機(非発泡層用)
24 二層用クロスヘッド
25 導電性ローラ
26 芯金
27 アルミドラム
28 電源
29 芯金
30 非発泡層
31 発泡層
32 セル
33 絶縁性粒子
34 絶縁性粒子
35 被覆層
36 非発泡層
37 発泡層

Claims (7)

  1. 少なくとも隣り合った二つの導電性を持った層を備え、その両方に絶縁性粒子が分散されている事を特徴とする導電性ローラ。
  2. 前記隣り合った二つの導電層のうち、外側の層に分散させている絶縁性粒子の平均粒径が、内側の層の絶縁性粒子の平均粒径よりも小さい事を特徴とする請求項1に記載の導電性ローラ。
  3. 前記隣り合った二つの導電層のうちの外側の層の絶縁性粒子の平均粒径が1μm以上10μm未満であり、前記隣り合った二つの導電層の内側の層の絶縁性粒子の平均粒径が10μm以上50μm以下である事を特徴とする請求項1または2に記載の導電性ローラ。
  4. 前記導電性ローラが、感光体表面に接触配置されて、該感光体表面を帯電する帯電ローラであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の導電性ローラ。
  5. 芯金を成形金型内周面と同心軸上に保持するための蓋体を両端に有する円筒状の成型金型を用い、発泡体のポリマー原料と発泡剤と絶縁性粒子、各種添加剤を配合し混練された未加硫未発泡原料組成物を押し出すことで、芯金の外径より大きく円筒状の型の内径よりも小さい略円筒状に形成した後、芯金と共に金型内に配置して加硫と発泡を行う事によりローラを形成する工程と、
    絶縁性粒子を分散させた塗液を用いて被覆層を形成する工程を少なくとも有する事を特徴とする導電性ローラの製造方法。
  6. 芯金を成形金型内周面と同心軸上に保持するための蓋体を両端に有する円筒状の成型金型を用い、発泡体のポリマー原料と発泡剤と各種添加剤を配合し混練された未加硫未発泡原料組成物と、ポリマー原料と絶縁性粒子、各種添加剤を配合し混練された未加硫非発泡原料組成物を、未加硫未発泡原料組成物の外周面上に未加硫非発泡原料組成物を一体的かつ、同時に押し出すことで、芯金の外径より大きく円筒状の型の内径よりも小さい略円筒状の積層体を形成した後、該積層体を芯金と共に金型内に配置して加硫と発泡を行う事により発泡層の外側に非発泡層を備えたローラを形成する工程と、
    絶縁性粒子を分散させた塗液を用いて被覆層を形成する工程を少なくとも有する事を特徴とする請求項5に記載の導電性ローラの製造方法。
  7. 芯金を成形金型内周面と同心軸上に保持するための蓋体を両端に有する円筒状の成型金型を用い、発泡体のポリマー原料と発泡剤と各種添加剤を配合し混練された未加硫未発泡原料組成物を押し出すことで、芯金の外径より大きく円筒状の型の内径よりも小さい略円筒状に形成した後、該円筒状の未加硫組成物の外周面に絶縁性粒子を塗布する工程と、該絶縁性粒子を塗布された円筒状の未加硫組成物を芯金と共に金型内に配置して加硫と発泡を行う事によりローラを形成する工程と、
    絶縁性粒子を分散させた塗液を用いて被覆層を形成する工程を少なくとも有する事を特徴とする請求項5または6に記載の導電性ローラの製造方法。
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