JP2005023942A - 筒内噴射エンジンの制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高圧燃料ポンプがエンジン始動時から燃圧の上昇の促進を行い、エンジン始動時間の短縮化、排気ガス物質の削減及びエンジン出力の向上等を図ることができる筒内噴射エンジンの制御装置を提供する。
【解決手段】 気筒に備えられた燃料噴射弁と、該燃料噴射弁に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプと、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサとを有する筒内噴射エンジンを制御する筒内噴射エンジンの制御装置であって、前記高圧燃料ポンプは、該高圧燃料ポンプ内の燃料を加圧するプランジャと、該プランジャを駆動させるポンプ駆動カムと、該ポンプ駆動カムの位置を検出するカム角センサとを備え、前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記クランク角センサの信号検出時期から、該クランク角センサと前記カム角センサとの位相が確定する時期までに、前記高圧燃料ポンプに少なくとも2回以上の駆動信号を出力する駆動信号設定手段を備えてなる。
【選択図】 図21

Description

本発明は、高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置に係り、特に、燃料噴射弁のコモンレールに高圧燃料を圧送する高圧燃料ポンプの動作を制御する高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置に関する。
現在の自動車は、環境保全の観点から自動車の排気ガスに含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)等の排気ガス物質の削減が要求されており、これらの削減を目的としては、ダイレクトインジェクションエンジン(筒内噴射エンジン)の開発が行われている。該筒内噴射エンジンは、燃料噴射弁による燃料噴射を気筒の燃焼室内で直接に行うものであり、そして、該燃料噴射弁から噴射される燃料の粒径を小さくさせることによって前記噴射燃料の燃焼を促進し、排気ガス物質の削減及びエンジン出力の向上等を図っている。
ここで、前記燃料噴射弁から噴射される燃料の粒径を小さくするには、前記燃料の高圧化を図る手段が必要になり、前記燃料噴射弁に高圧の燃料を圧送する高圧燃料ポンプの技術が各種提案されている(例えば、特許番号第2690734号、特開平10−153157号公報等参照)。
前記特許番号第2690734号の技術は、燃料噴射装置のコモンレール(気筒間に共通した貯油通路)内に高圧燃料を圧送する可変吐出量高圧ポンプに関するものであり、該可変吐出量高圧ポンプは、シリンダと、該シリンダに内蔵されてエンジンによって駆動されるプランジャと、該プランジャの上端面と前記シリンダの内周面とによって形成される加圧室と、該加圧室に面するとともに前記シリンダに固定された電磁弁とからなり、該電磁弁を通電することによって前記加圧室に連通する低圧通路を閉塞し、さらに、前記プランジャの上昇によって前記加圧室内の燃料が昇圧されてコモンレールに圧送され、前記電磁弁の開閉動作を行うことによって前記コモンレールに対する燃料吐出量を調整するものである。
また、前記特開平10−153157号公報の技術は、電磁弁である燃料スピル弁によってエンジンに供給される燃料量を調整する可変吐出量高圧ポンプに関するものであり、該可変吐出量高圧ポンプは、シリンダと、該シリンダ内に内蔵されたプランジャと、該プランジャの上端面と前記シリンダの内周面とによって形成される加圧室とからなり、該加圧室には、低圧フィードポンプから燃料が流入される流入通路と、コモンレールに高圧燃料を圧送する供給通路と、前記加圧室から溢れる(スピル)燃料を燃料タンクに戻す燃料スピル弁に連通されるスピル通路とが接続され、前記燃料スピル弁の開閉動作を行うことによって、前記コモンレールに対する燃料吐出量を調整するものである。
特許番号第2690734号 特開平10−153157号公報
ところで、前記特許番号第2690734号の従来技術は、前記プランジャの吸入行程における前記加圧室内の圧力の大幅な低減によるベーパロックの発生を抑制するために、前記コモンレールの開閉を行っている電磁弁を常開式のものにしなければならず、前記加圧室から最大の流量が吐出される場合には、前記プランジャが圧縮行程に移る際に前記電磁弁の閉弁遅れによる加圧時間のロスが生じ、燃料吐出能力が低下するとともに、前記加圧室から小流量が吐出される場合には、前記プランジャによる圧縮行程の殆どの時間を前記電磁弁の開弁状態の維持に要するため、前記プランジャの吸入行程と圧縮行程とのわずかな時間内に前記電磁弁の開閉を行わなければならないという問題がある。
また、前記特開平10−153157号公報の従来技術は、前記流入通路と前記スピル通路とが別々に設けられており、前記プランジャの吸入行程と前記スピル弁の開閉とが燃料の流入に無関係であるため、前記問題点については解消されているが、前記スピル通路を設けることによる可変吐出量高圧ポンプの大型化のほか、前記流入通路の吸入弁と前記スピル通路のスピル弁とに対する2箇所の弁シートを要するとともに、該弁シートからの漏れによる吐出能力低下の防止を図るために弁シート加工精度の向上をも要するので、製造コストが高くなり、さらに、前記スピル弁を閉じている間は、連続通電しなければならないので消費電力が多くなるという不都合が生ずる。さらに、前記各従来技術は、いずれも前記プランジャの往復行程に前記電磁弁の動作を完全に同期させなければならず、前記電磁弁の高応答性及び同期信号の高精度化が必要になり、そのシステムが非常に高価になるという問題がある。
ここで、本出願人は、前記問題点の解決を図るために研究し、可変吐出量高圧ポンプの発明を先の出願として各種提案しており、例えば、カムの回転に伴って往復動をするプランジャによる加圧室内の容積の変化により、流入通路における吸入弁の下流側(前記加圧室側)の圧力が前記吸入弁の上流側(前記流入通路側)の圧力に対して同等、又はそれ以上になった場合には、前記吸入弁を閉弁させるように付勢する閉弁ばねを設けることによって前記吸入弁を閉弁させるとともに、前記吸入弁を開弁させるように付勢する開弁ばねを備えたプッシュロッドを設け、ソレノイドの通電・無通電によって前記プッシュロッドを作動させる可変吐出量高圧ポンプの技術がある。そして、前記吸入弁を前記電磁弁とを別にするとともに、前記吸入弁と前記プッシュロッドとを別にし、しかも、前記弁シートを2箇所にしない構成等により、前記問題点の解決を図っている。
ところで、前記可変吐出量高圧ポンプによるエンジン始動時からの動作タイミングチャートは、図22に示されており、エンジン始動からクランキングが開始されてクランク角信号が確定し、プランジャを駆動させるカム角信号とのプランジャ位相が確定するまでの時間は、ソレノイド制御信号を出力することができず、前記プランジャ位相が確定した後に始めて、REF信号に基づいて第1発目のソレノイド制御信号を出力し、コモンレールに高圧の燃料を圧送して燃圧が上昇し始め、第2発目のソレノイド制御信号が出力されてコモンレールに対する燃料の圧送が行われたときの燃料噴射弁は、燃圧22bを有することが分かる。
よって、図22に示すように、例え、前記プランジャ位相が確定するまでの時間中に、前記プランジャが停止位置22aから下死点を経て圧縮行程に移行している場合であっても前記吸入弁を閉じることができないことになり、この時間分については燃圧の上昇が図れず、目標燃圧に至るまでの時間遅れが生ずることになる。そして、これは、エンジン始動時間の長時間化を生じさせるとともに、燃料噴射弁による噴霧粒径の微粒化をも遅らせて、HCの排出量に大きな影響を与えるという問題がある。
そこで、本発明者は、前記クランキング開始から前記カム角信号とのプランジャ位相が確定するまでの間にも、前記コモンレールに高圧燃料の圧送が行えるように高圧燃料ポンプを制御する必要があるとの新たな知見を得たが、前記従来の技術は、前記エンジン始動時から燃圧の上昇の促進を図る点についてはいずれも格別の配慮がなされていない。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高圧燃料ポンプがエンジン始動時から燃圧の上昇の促進を行い、エンジン始動時間の短縮化、排気ガス物質の削減及びエンジン出力の向上等を図ることができる高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置を提供することである。
前記目的を達成すべく、本発明に係る高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、基本的には、気筒に備えられた燃料噴射弁と、該燃料噴射弁に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプと、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサとを有し、前記高圧燃料ポンプは、該高圧燃料ポンプ内の燃料を加圧するプランジャと、該プランジャを駆動させるポンプ駆動カムと、該ポンプ駆動カムの位置を検出するカム角センサとを備え、前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記クランク角センサの信号検出時期から、該クランク角センサと前記カム角センサとの位相が確定する時期までに、前記高圧燃料ポンプに少なくとも2回以上の駆動信号を出力する駆動信号設定手段を備えていることを特徴としている。
また、気筒に備えられた燃料噴射弁と、該燃料噴射弁に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプとを有する筒内噴射エンジンを制御し、前記高圧燃料ポンプは、該高圧燃料ポンプ内の燃料を加圧するプランジャと、該プランジャを駆動させるポンプ駆動カムとを備え、前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記筒内噴射エンジンの始動時から前記プランジャが一回往復動する間に、前記高圧燃料ポンプに所定周期で所定幅の駆動信号を繰り返し出力する駆動信号設定手段を備えていることを特徴としている。
前記の如く構成された本発明の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号検出時期から、該クランク角センサと前記ポンプ駆動カムの位置を検出するカム角センサとの位相が確定する時期まで、すなわちエンジン始動時におけるプランジャ位相の検出ができない状態であっても、高圧燃料ポンプに所定周期で所定幅の駆動信号を繰り返し出力するため、プランジャの下死点付近で前記駆動信号のいずれかを適用させてエンジン始動時から燃圧を促進させ、エンジン始動時間の短縮化を図ることができるとともに、排気ガス物質の排出量の削減及びエンジン出力の向上等を図ることができる。
また、前記駆動信号設定手段は、エンジン始動時に拘わらず、前記高圧燃料ポンプに所定周期で所定幅の駆動信号を繰り返し出力させることもでき、これによって、クランク角センサ及びカム角センサの信号が断線等により全く検出できない状態になっても、燃料噴射弁に燃料を圧送することができ、フェイルセーフを達成することができる。
また、本発明に係る高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置の具体的態様は、該高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置が、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号の立上がり若しくは立下がりに同期して、又は立上がり及び立下がりに同期して、前記高圧燃料ポンプに駆動信号を出力していることを特徴としている。
さらに、前記ポンプ駆動カムは、前記気筒における排気弁若しくは吸気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号によって位置が検出されていること、又は前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号によって位置が検出されていることを特徴としている。
さらにまた、前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記気筒における排気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号が検出できない場合には、前記気筒における吸気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号若しくは前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号に切換える検出信号切換え手段を備えていること、前記気筒における吸気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号が検出できない場合には、前記気筒における排気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号若しくは前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号に切換える検出信号切換え手段を備えていること、又は前記気筒のクランク軸の位置を検出する前記クランク角センサの信号が検出できない場合には、前記高圧燃料ポンプに所定周期で所定幅の駆動信号を繰り返し出力する他の駆動信号設定手段を備えていることを特徴としている。
さらに、本発明に係る高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置の他の具体的態様は、該高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置が、前記気筒の吸気弁若しくは排気弁の開閉タイミングを調整する可変バルブタイミング駆動手段を備え、前記気筒における吸気弁若しくは排気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号が検出できない場合には、前記可変バルブタイミング駆動手段による開閉タイミングの調整を中止していること、前記可変バルブタイミング駆動手段による開閉タイミングの調整が中止されている場合には、前記高圧燃料ポンプに所定周期で所定幅の駆動信号を繰り返し出力する他の駆動信号設定手段を備えていること、又は前記可変バルブタイミング駆動手段による開閉タイミングの調整が再開された場合には、前記他の駆動信号設定手段から前記駆動信号設定手段に戻すことを特徴としている。
さらにまた、前記高圧燃料ポンプは、ポンプ室と、ソレノイド室と、シリンダ室とから構成され、前記ポンプ室は、前記ソレノイド室側に吸入弁を備えるとともに、該吸入弁を閉弁方向に付勢する閉弁ばねを備え、前記ソレノイド室は、ソレノイドと、前記吸入弁に係合する吸入弁係合部材と、前記吸入弁を開弁させる方向に付勢する開弁ばねとを備えていることを特徴としている。
また、本発明に係る高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、気筒に備えられた燃料噴射弁と、該燃料噴射弁に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプと、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサとを有する筒内噴射エンジンを制御し、前記高圧燃料ポンプは、ソレノイド信号に基づいて該高圧燃料ポンプ内の燃料を加圧するプランジャと、該プランジャを駆動させるポンプ駆動カムと、該ポンプ駆動カムの位置を検出するカム角センサとを備え、前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記クランク角センサ、前記燃料噴射弁に備えられた燃圧センサからの検出信号に基づいて、前記ソレノイド信号の基本角度を演算する基本角度演算手段と、目標燃圧を算出する目標燃圧算出手段と、実燃圧を出力する燃圧入力処理手段とを備えるとともに、これらの各手段に基づいて前記ソレノイド信号の基準角度を演算するソレノイド制御信号演算手段と、前記筒内噴射エンジンの状態を判定して遷移させる状態遷移判定手段と、前記高圧燃料ポンプのソレノイドを駆動させるソレノイド駆動手段とを備え、前記ソレノイド制御信号演算手段は、前記クランク角センサの信号検出時期から、該クランク角センサと前記カム角センサとの位相が確定する時期までに、前記高圧燃料ポンプに少なくとも2回以上の駆動信号を与える等間隔通電制御ブロックと、前記筒内噴射エンジンの完爆後のフィードバック制御ブロックとを有し、前記状態遷移判定手段によって前記各制御ブロックの遷移が行われていること、又は前記ソレノイド制御信号演算手段における前記ソレノイド信号の基準角度に基づいて、前記ソレノイドの作動遅れを補正するソレノイド作動遅れ補正手段を備えていることを特徴としている。
以上の説明から理解されるように、本発明に係る高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、クランク角信号の検出から高圧燃料ポンプに対する等間隔通電制御が行われるので、エンジン始動時から燃圧を促進させ、エンジン始動時間の短縮化を図ることができる。
また、燃料噴射時の燃圧を促進させることから、排気ガス物質の排出量の削減及びエンジン出力の向上等を図ることができる。
さらに、エンジン始動時のほか、通常の運転時においても高圧燃料ポンプに対する等間隔通電制御を適用させることにより、フェイルセーフを達成することもできる。
以下、図面に基づき本発明の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態の筒内噴射エンジン507の制御システムの全体構成を示したものである。筒内噴射エンジン507は4気筒からなり、各シリンダ507bに導入される空気は、エアクリーナ502の入口部502aから取り入れられ、空気流量計(エアフロセンサ)503を通り、吸気流量を制御する電制スロットル弁505aが収容されたスロットルボディ505を通ってコレクタ506に入る。前記コレクタ506に吸入された空気は、エンジン507の各シリンダ507bに接続された各吸気管501に分配された後、ピストン507a、前記シリンダ507b等によって形成される燃焼室507cに導かれる。
また、前記エアフロセンサ503からは、前記吸気流量を表わす信号が高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置(コントロールユニット)515に出力されている。さらに、前記スロットルボディ505には、電制スロットル弁505aの開度を検出するスロットルセンサ504が取り付けられており、その信号もコントロールユニット515に出力されるようになっている。
一方、ガソリン等の燃料は、燃料タンク50から燃料ポンプ51により一次加圧されて燃圧レギュレータ52により一定の圧力(例えば3kg/cm2)に調圧されるとともに、後述する高圧燃料ポンプ1でより高い圧力(例えば50kg/cm2)に2次加圧され、コモンレール53を介して各シリンダ507bに設けられている燃料噴射弁(インジェクタ)54から燃焼室507cに噴射される。該燃焼室507cに噴射された燃料は、点火コイル522で高電圧化された点火信号により点火プラグ508で着火される。
エンジン507のクランク軸507dに取り付けられたクランク角センサ516は、クランク軸507dの回転位置を表わす信号をコントロールユニット515に出力され、また、排気弁526のカム軸(図示省略)に取り付けられたカム角センサ511は、前記カム軸の回転位置を表わす基準角信号をコントロールユニット515に出力されるとともに、高圧燃料ポンプ1のポンプ駆動カム100の回転位置を表わす基準角信号をもコントロールユニット515に出力され、さらに、排気管519中の触媒520の上流に設けられたA/Fセンサ518は、排気ガスを検出し、その検出信号がコントロールユニット515に出力されている。なお、吸入弁514のカム軸510には、バルブタイミング駆動手段(図示省略)を介して吸入弁514の開閉タイミングの調整が図られている。
該コントロールユニット515の主要部は、図2に示すように、MPU603、EP−ROM602、RAM604及びA/D変換器を含むI/OLSI601等で構成され、クランク角センサ516、カム角センサ511、エンジン冷却水温センサ517、並びに燃圧センサ56を含む各種のセンサ等からの信号を入力として取り込み、所定の演算処理を実行し、この演算結果として算定された各種の制御信号を出力し、ソレノイド200、前記各インジェクタ54及び点火コイル522等に所定の制御信号を供給して、燃料吐出量制御、燃料供給量制御及び点火時期制御等を実行するものである。
図3及び図4は、前記高圧燃料ポンプ1について示しており、図3は、該高圧燃料ポンプ1を備えた燃料系システムの全体構成図を示し、図4は、該高圧燃料ポンプ1の縦断面図を示している。
前記高圧燃料ポンプ1は、燃料タンク50からの燃料を加圧してコモンレール53に高圧の燃料を圧送するものであり、シリンダ室7と、ポンプ室8と、ソレノイド室9とからなり、前記シリンダ室7は前記ポンプ室8の下方に配置され、前記ソレノイド室9は前記ポンプ室8の右方に配置されている。
前記シリンダ室7は、プランジャ2、リフタ3、プランジャ下降ばね4を有し、前記プランジャ2は、エンジン507における排気弁526の前記カム軸の回転に伴って回転するポンプ駆動カム100に圧接されたリフタ3を介して往復動し、ポンプ室8内の加圧室12の容積を変化させている。
前記ポンプ室8は、低圧燃料の吸入通路10、加圧室12、高圧燃料の吐出通路11から構成され、吸入通路10と加圧室12との間には吸入弁5が設けられており、該吸入弁5は、ポンプ室8からソレノイド室9に向かって吸入弁5の閉弁方向に付勢する閉弁ばね5aを介して、燃料の流通方向を制限する逆止弁である。前記加圧室12と吐出通路11との間には吐出弁6が設けられており、該吐出弁6もまた、ポンプ室8からソレノイド室9に向かって吐出弁6の閉弁方向に付勢する閉弁ばね6aを介して、燃料の流通方向を制限する逆止弁である。なお、閉弁ばね5aは、プランジャ2による加圧室12内の容積変化により、吸入弁5を挟んで、加圧室12側の圧力が流入通路10側の圧力に対して同等、又はそれ以上になった場合には、前記吸入弁5を閉弁させるように付勢するものである。
前記ソレノイド室9は、ソレノイド200、吸入弁係合部材201、開弁ばね202から構成されており、前記吸入弁係合部材201は、その先端が前記吸入弁5に接離自在に当接されているとともに、該吸入弁5に相対する位置に配設され、ソレノイド200の通電によって前記吸入弁5を閉弁させる方向に移動する。一方、ソレノイド200の通電が解かれている状態では、前記吸入弁係合部材201の後端に係合する開弁ばね202を介して前記吸入弁5を開弁させる方向に移動し、前記吸入弁5を開弁状態にする。
燃料タンク50から燃料ポンプ51及び燃圧レギュレータ52を介して一定圧力に調圧された燃料は、前記ポンプ室8の吸入通路10に導かれ、その後、前記ポンプ室8内の加圧室12で前記プランジャ2の往復動により加圧され、前記ポンプ室8の吐出通路11からコモンレール53に圧送される。
該コモンレール53には、エンジンの気筒数にあわせて設けられた各インジェクタ54のほか、リリーフ弁55、燃圧センサ56が備えられており、コントロールユニット515は、クランク角センサ516、カム角センサ511、並びに燃圧センサ56の各検出信号に基づいてソレノイド200の駆動信号を出力して燃料吐出の制御を行っているとともに、各インジェクタ54の駆動信号を出力して燃料噴射の制御を行っている。なお、リリーフ弁55は、前記コモンレール53内の圧力が所定値を超えた場合に開弁され、配管系破損の防止を図っている。
図5は、前記高圧燃料ポンプ1の動作タイミングチャートを示している。なお、ポンプ駆動カム100で駆動するプランジャ2の実際のストローク(実位置)は、図6に示すような曲線になるが、上死点と下死点の位置を分かり易くするために、以下、プランジャ2のストロークを直線的に表わすこととする。
プランジャ2は、前記カム100の回転によりプランジャ下降ばね4の付勢力に応じて上死点側から下死点側に移動すると、前記ポンプ室8の吸入行程が行われる。該吸入行程では、前記吸入弁係合部材201であるロッドの位置が開弁ばね202の付勢力に応じて吸入弁5と係合して該吸入弁5を開弁方向に移動させ、加圧室12内の圧力が低下する。
次に、プランジャ2が、前記カム100の回転によりプランジャ下降ばね4の付勢力に抗して下死点側から上死点側に移動すると、前記ポンプ室8の圧縮行程が行われる。該圧縮行程では、コントロールユニット515からソレノイド200の駆動信号が出力されてソレノイド200が通電(ON状態)にされると、前記吸入弁係合部材201であるロッドの位置が開弁ばね202の付勢力に抗して吸入弁5を閉弁方向に移動されるとともに、その先端が前記吸入弁5との係合を解かれ、該吸入弁5が閉弁ばね5aの付勢力に応じて閉弁方向に移動することにより、加圧室12内の圧力が上昇する。よって、吸入弁5は、ソレノイド200の応答性と無関係に最大吐出を行うことができる。
そして、前記吸入弁係合部材201がソレノイド200側に最も吸引され、プランジャ2の往復動に同期する吸入弁5が閉弁して加圧室12内の圧力が最高点に達すると、加圧室12内の燃料が吐出弁6を押圧し、該吐出弁6は、閉弁ばね6aの付勢力に抗して自動的に開弁し、加圧室12の容積減少分の高圧の燃料がコモンレール53側に吐出される。なお、ソレノイド200の駆動信号は、前記吸入弁係合部材201がソレノイド200側に最も吸引されると、その通電が停止(OFF状態)されるが、上記のように、前記加圧室12内の圧力が高いため、吸入弁5は閉弁状態で維持されてコモンレール53側への燃料の吐出が行われる。よって、ON−OFFの高応答性等を必要としない。
また、プランジャ2が、前記カム100の回転によりプランジャ下降ばね4の付勢力に応じて上死点側から下死点側に移動すると、前記ポンプ室8の吸入行程が行われ、前記加圧室12内の圧力低下に伴って、前記吸入弁係合部材201が開弁ばね202の付勢力に応じて吸入弁5と係合されて開弁方向に移動するとともに、吸入弁5がプランジャ2の往復動に同期して自動的に開弁し、該吸入弁5の開弁状態が保持される。そして、加圧室12内は圧力の低下が生じていることにより吐出弁6の開弁が行われない。以後前記動作を繰り返す。
なお、加圧室12内の圧力が最高点に達する前の圧縮工程の途中で、ソレノイド200がON状態にされる場合には、このときから、コモンレール53への燃料圧送が行われ、また、燃料圧送が一度始まれば、加圧室12内の圧力は上昇しているので、その後に、ソレノイド200をOFF状態にしても、吸入弁5は閉塞状態を維持する一方で、吸入工程の始まりに同期して自動開弁することができ、ソレノイド200のONタイミングにより、コモンレール53側への燃料の吐出量を調節することができる。さらに、圧力センサ56の信号に基づき、コントロールユニット515にて適切な吐出タイミングを演算し、ソレノイド200をコントロールすることにより、コモンレール53の圧力を目標値にフィードバック制御させることもできる。
図7は、前記コントロールユニット515による高圧燃料ポンプ1の制御ブロック図である。前記コントロールユニット515の駆動信号設定手段716は、クランク角センサ516等の運転条件に基づいて、エンジン回転数NDATAとエンジン負荷LDATAとからソレノイド信号の基本角度を演算する基本角度演算手段701と、同じくエンジン回転数NDATAと負荷LDATAとからその動作点に最適な目標燃圧を算出する目標燃圧算出手段702と、燃圧センサ76からの信号をフィルタ処理して実燃圧を出力する燃圧入力処理手段703と、前記基本角度演算手段701、前記目標燃圧算出手段702及び前記燃圧入力処理手段703に基づいて高圧燃料ポンプ1のソレノイド200に対する制御信号を演算するソレノイド制御信号演算手段714と、筒内噴射エンジン507の状態を判定して遷移させる状態遷移判定手段710とを備えるとともに、バッテリ電圧に基づいてソレノイド200の作動遅れを補正するソレノイド作動遅れ補正手段711と、カム100の進角値に基づいてクランク軸507dと前記カム軸との位相差を補正するバルブタイミング補正手段712と、前記高圧燃料ポンプ1のソレノイド200に駆動信号を出力するソレノイド駆動手段713とから構成され、前記ソレノイド制御信号演算手段714におけるソレノイド信号の基準角度に、ソレノイド200の電磁力ひいては作動遅れ時間がバッテリ電圧により変化することを鑑みたソレノイド作動遅れ補正手段711による補正分、及び前記バルブタイミング駆動手段によるソレノイド200の駆動角度に対する影響を抑制させることを鑑みたバルブタイミング補正手段712による補正分をそれぞれ加えた最終角度をソレノイド駆動手段713に入力している。
前記ソレノイド制御信号演算手段714は、A制御(無通電制御)ブロック704、B制御(等間隔通電制御)ブロック705、C制御(全吐出制御)ブロック706、D制御(固定位相制御)ブロック707、F/B制御ブロック708、並びにF/B停止(無通電制御)ブロック709の後述する6つの制御ブロックで構成され、該各制御ブロックの遷移は、状態遷移判定手段710によって行われてソレノイド信号の基準角度が選択的に算出されている。
また、前記コントロールユニット515は、該高圧燃料ポンプ制御装置及びエンジン制御装置515の信頼性を高めるために、断線等により前記ポンプ駆動カム100等の位置を検出する前記カム角センサ511の信号が検出できない場合には、前記吸入弁514のカム角センサの信号若しくは前記クランク角センサ516の信号に切換える検出信号切換え手段715を備えている。なお、前記各センサ511、516等の信号がいずれも検出できない場合には、前記ROM602内に格納されたテーブルに基づいて高圧燃料ポンプ1に駆動信号を出力する他の駆動信号設定手段717を備えており、フェイルセーフが図られている。また、該他の駆動信号設定手段717は、上記のように断線等により前記各センサ511、516等の信号が検出できないために、前記バルブタイミング駆動手段が作動していないときにも、エンジン507の状態に応じて高圧燃料ポンプ1に駆動信号を出力し、前記バルブタイミング駆動手段が再び作動するまで続けられる。
図8は、前記ソレノイド制御信号演算手段714における前記A制御ブロック704から前記F/B停止ブロック709における各制御ブロックの状態遷移図である。
まず、イグニッションスイッチがOFFからONになり、コントロールユニット515のMPU603がリセット状態になると、A制御ブロック704である無通電制御状態になり、ソレノイド200に対する通電は行われない。
次に、前記イグニッションスイッチがONになり、エンジン507がクランキング状態となってクランク角信号CRANKを検出すると、条件1が成立してB制御ブロック705である等間隔通電制御状態に遷移する。ここで、B制御ブロック705は、クランク角信号CRANKのパルスは検出しているものの、REF信号であるプランジャ2のストロークの認識は行われておらず、未だクランク角信号CRANKとカム角信号CAMとのプランジャ位相が確定されていない状態であり、すなわち高圧燃料ポンプ1のプランジャ2が下死点位置に来る時期を認識できない状態である。本実施形態では、後述するB制御ブロック705を選択し、等間隔の通電を行って断続的なソレノイド制御信号を出力している。
そして、クランキング状態が初期から中期に入り、クランク角信号CRANKとカム角信号CAMとのプランジャ位相が確定し、REF信号が認識できると、条件3が成立してC制御ブロック706である全吐出制御状態に遷移し、プランジャ2の下死点から吸入弁5が閉じられるようにソレノイド制御信号を出力する。
また、エンジン507に初爆が起こり、クランキングを続けなくてもエンジン回転数が上昇することを認識すると、条件4が成立してD制御ブロック707である固定位相制御状態に遷移し、プランジャ2の下死点から所定角度経過したところで吸入弁5が閉じられるようにソレノイド制御信号を出力する。なお、エンジン回転数が所定値以下になると、条件5が成立してC制御ブロック706に遷移する。
さらに、エンジン507の完爆から所定時間が経過した場合には、条件6が成立してF/B制御ブロック708に遷移し、燃圧入力処理手段703で算出された実燃圧が、目標燃圧算出手段702で算出された目標燃圧になるように、吸入弁5が閉じ始める位相を変化させてフィードバック制御を行う。以降、前記イグニッションスイッチがOFF、又はエンストが生じない限り、該F/B制御ブロック708が継続する。しかし、前記F/B制御ブロック708において、車両の減速等による燃料カットが生ずる場合には、インジェクタ54による燃料噴射は行われず、コモンレール53からの燃料量の減少がないので、条件7が成立してF/B停止ブロック709に遷移し、高圧燃料ポンプ1からコモンレール53への燃料圧送が止まる。なお、前記F/B停止ブロック709からは、燃料カットの終了により条件8が成立してF/B制御ブロック708に遷移し、前記通常のフィードバック制御に戻る。なお、前記イグニッションスイッチがOFF、又はエンストが生じると、条件2、条件9乃至条件12が成立し、A制御ブロック704に遷移する。
図9は、前記コントロールユニット515の動作タイミングチャートである。コントロールユニット515は、カム角センサ511からの検出信号(CAM信号)とクランク角センサ516からの検出信号(CRANK信号)に基づいて各ピストン507aの上死点位置を検出し、燃料噴射制御及び点火時期制御を行っているとともに、前記カム角センサ511からの検出信号(CAM信号)と前記クランク角センサ516からの検出信号(CRANK信号)に基づいてプランジャ2のストロークを検出し、高圧燃料ポンプ1の燃料吐出制御であるソレノイド制御を行っている。なお、REF信号であるプランジャ2のストロークは、上記のように、CRANK信号とCAM信号とに基づいて生成される。
ここで、図9のCRANK信号の信号が欠けた部分(点線で示す)は、基準位置となるものであり、CYL#1の上死点、又はCYL#4の上死点から所定の位相分ずれた位置にある。そして、コントロールユニット515は、前記CRANK信号の信号が欠けた時に、前記CAM信号がHi又はLoであるかによって、CYL#1側又はCYL#4側であるかを判別する。なお、前記バルブタイミング駆動手段によって吸入弁514の前記カム軸の位相がずれている場合には、一点鎖線と実線とに示すように、CRANK信号に対してCAM信号の位相がVVT分ずれることになる。
ところで、本実施形態では、前記バルブタイミング駆動手段によるカム位相が最遅角である場合(一点鎖線で示す)の位相を基準にしてソレノイド制御を行い、前記バルブタイミング補正手段712でVVT分進めた信号を出力している。そして、高圧燃料ポンプ1からの燃料の吐出は、ソレノイド信号の立上がりからソレノイド200の作動遅れ分の所定時間経過後に開始される一方で、この吐出は、ソレノイド信号が立下がっても、加圧室12からの圧力によって吸入弁5が押されているので、プランジャストロークが上死点に達するまで続けられる。
図10は、前記コントロールユニット515による燃圧の制御に対するソレノイド制御信号の出力開始角度STANG及び出力終了角度ENDANGに用いられる各パラメータを示したものである。
CRANK信号とCAM信号に基づいて生成されるREF信号と、プランジャ2のストロークと、ソレノイド制御信号とから前記ソレノイド信号の出力開始角度STANG及び出力終了角度ENDANGが求められ、まず、前記出力開始角度STANGは、数1のように求めることができる。
[数1]
STANG=REFANG−CAMADV−PUMRE
ここで、REFANGは基本角度であり、エンジン507の運転状態に基づいて基本開度算出手段701(図7)で算出され、CAMADVはカム進角値であり、VVT分(図9)の角度に相当する。PUMREはポンプ遅れ角度であり、ソレノイド作動遅れ補正手段711(図7)で算出され、例えば、バッテリ電圧により変化するソレノイド通電に基づいた吸入弁係合部材201の作動遅れを表している。
また、前記出力終了角度ENDANGは、数2のように求めることができる。
[数2]
ENDANG=REFANG−CAMADV+KEPU#
ここで、KEPU#はポンプ保持角度であり、ポンプ通電時間を表している。なお、ポンプ保持時間KEPU#を加えて出力終了角度を遅らせるのは、燃料の全吐出において、プランジャ2の下死点から吐出を開始したい場合に、万一、ソレノイド200の電磁力が切れて吸入弁係合部材201と吸入弁5とが係合しても、加圧室12内の圧力によって吸入弁5が閉じられるようになるまで前記吸入弁係合部材201を保持させておくためである。
図11乃至図13は、前記コントロールユニット515による高圧燃料ポンプ1の制御のタイミングチャートであり、まず、図11は、コントロールユニット515におけるA制御ブロックからB制御ブロックの動作タイミングチャートである。
まず、コントロールユニット515は、無通電制御状態であるA制御ブロックから、前記イグニッションスイッチがONになり、エンジン507がクランキングを開始して第1番目のクランク角信号CRANKを検出すると、等間隔通電制御状態であるB制御ブロックに遷移し、該B制御ブロックは、前記プランジャ2が一回往復動する間に、高圧燃料ポンプ1のソレノイド200に少なくとも2回以上の駆動信号を出力する等間隔の通電を行い、連続的にソレノイド制御信号のON−OFFを繰り返すものであり、このON−OFF信号は、クランク角センサ516の信号の立上がりに同期して所定の周期MDLINT#(例えば50ms)で、所定角度(時間)MDLWID#(例えば20ms)のON期間に設定されており、前記CRANK信号の信号が欠けた時に前記CAM信号がHi又はLoであるかによって、REF信号が生成されて認識できるまで出力される。
これにより、CRANK信号歯欠け部及びCAM信号を検出するまで、すなわち高圧燃料ポンプ1のプランジャ2の下死点位置の来る時期が認識できない場合であっても、プランジャ2の下死点位置に拘わらず、コモンレール53に対する高圧燃料の最大吐出し量の圧送を可能にし、インジェクタ54の燃圧をエンジン始動時からできる限り高めることを図っている。そして、前記REF信号が認識されると、C制御ブロックに遷移する。
図12は、前記コントロールユニット515におけるB制御ブロックからC制御ブロックの動作タイミングチャートである。
上記のように、コントロールユニット515で前記REF信号が認識されてプランジャ位相が確定すると、B制御ブロックから全吐出制御であるC制御ブロックに遷移し、前記REF信号の認識から所定の前記出力開始角度STANG及び所定の前記出力終了角度ENDANGにおいて、プランジャ2の下死点を挟むようなソレノイド制御信号の出力が行われる。そして、エンジン回転数の上昇が認識されると、D制御ブロックに遷移する。
図13は、コントロールユニット515におけるC制御ブロックから制御の動作タイミングチャートである。
コントロールユニット515は、エンジン回転数の上昇を認識すると、C制御ブロックから固定位相制御であるD制御ブロックに遷移する。D制御ブロックは、C制御ブロックの全吐出制御とF/B制御ブロックとの繋がりを良くするために、前記REF信号の認識から所定の前記出力開始角度STANG及び所定の前記出力終了角度ENDANGに基づいて、エンジン完爆後の所定時間(例えば200ms間)で吐出を開始するようなソレノイド制御信号の出力が行われる。そして、これ以後は、前記エンジン完爆後の前記所定時間が経過すると、前記F/B制御ブロックに遷移する。
図14乃至図20は、前記コントロールユニット515による高圧燃料ポンプ1の制御のフローチャートであり、まず、図14は、図7の各処理のフローチャートである。
ステップ1401では、例えば10ms毎のように時間に同期した割込み処理が行われる。なお、該割込み処理は、クランク角度180°毎のように回転に同期したものでも良い。
ステップ1402では、状態遷移判定手段710でエンジン507の状態遷移判定の処理が行われ、A制御ブロック乃至F/B停止ブロックのうちどの状態に遷移するかを決定し、ステップ1403では、前記状態遷移判定手段710で決定された状態に応じて、ソレノイド制御信号演算手段714でソレノイド制御信号が演算され、ステップ1404では、ソレノイド作動遅れ補正手段711でソレノイド200の作動遅れの補正が行われ、ステップ1405では、バルブタイミング補正手段712で可変バルブタイミング分の補正が行われる。
次に、ステップ1406では、求められたソレノイド信号の基準角度に基づいて最終角度を計算し、ステップ1407では、該最終角度に基づいてソレノイド駆動手段713でソレノイド200に対する駆動パルスが出力される。
図15乃至図20は、前記状態遷移判定手段710におけるエンジン507の状態遷移判定の処理のフローチャートであり、図15は、コントロールユニット515のA制御ブロックでの状態遷移判定処理のフローチャートである。
ステップ1501は、前記ステップ1401と同様の割込み処理であり、ステップ1502では、前記イグニッションスイッチがONであるか否かを判定し、ONである場合、すなわちYESのときにはステップ1503に進み、クランク角信号CRANKの検出がされているか否かを判定する。一方、前記イグニッションスイッチがOFFのときにはステップ1505に進んでA制御ブロックが保持され、イニシャル状態として、ソレノイド200に対する通電は行われずにステップ1506に進み、本ルーチンを終了する。
ステップ1503でクランキングを開始して第1番目のクランク角信号CRANKの検出がされている場合、すなわちYESのときにはステップ1504に進んでB制御ブロックに遷移され、ステップ1506に進んで本ルーチンを終了する。一方、第1番目のクランク角信号CRANKの検出がされていないときには、ステップ1505に進んでA制御ブロックが保持させる。
図16は、コントロールユニット515のB制御ブロックでの状態遷移判定処理のフローチャートである。
ステップ1601は、前記ステップ1401と同様の割込み処理であり、ステップ1602では、REF信号が認識されたか否かを判定し、認識された場合、すなわちYESのときにはステップ1607に進み、C制御ブロックに遷移されてステップ1608に進んで本ルーチンを終了する。一方、前記REF信号が認識されていないときにはステップ1603に進んで前記イグニッションスイッチがONであるか否かを判定し、ONである場合、すなわちYESのときにはステップ1604に進み、前記イグニッションスイッチがOFFのときにはステップ1606に進んでA制御ブロックに遷移され、ソレノイド200に対する通電は行われずにステップ1608に進み、本ルーチンを終了する。
ステップ1604では、クランク角信号を検出してから所定時間MDLTIM(例えば1sec)以上経過しているか否かを判定し、所定時間MDLTIM以上経過している場合、すなわちYESのときにはステップ1606に進んでA制御ブロックに戻り、所定時間MDLTIM以上経過していないときには、1605に進んでB制御ブロックに保持されてステップ1608に進み、本ルーチンを終了する。
なお、前記のように、ステップ1604からステップ1606へのパスがあるのは、クランキングの途中でエンストした場合にB制御ブロックが連続して行われることによるバッテリ上がりを防止するためである。
図17は、コントロールユニット515のC制御ブロックでの状態遷移判定処理のフローチャートである。
ステップ1701は、前記ステップ1401と同様の割込み処理であり、ステップ1702では、エンジン回転数がNKTH(例えば1000rpm)以上であるか否か、つまり完爆したかどうか判定し、所定回転数NKTH以上である場合、すなわちYESのときにはステップ1707に進み、D制御ブロックに遷移されてステップ1708に進んで本ルーチンを終了する。一方、前記エンジン回転数が所定回転数NKTH以上でないときにはステップ1703に進んで前記イグニッションスイッチがONであるか否かを判定し、ONである場合、すなわちYESのときにはステップ1704に進み、前記イグニッションスイッチがOFFのときにはステップ1706に進んでA制御ブロックにジャンプして遷移され、ソレノイド200に対する通電は行われずにステップ1608に進み、本ルーチンを終了する。
ステップ1704では、エンジン回転数が所定回転数NENST(例えば200rpm)以下であるか否かを判定し、所定回転数NENST以下である場合、すなわちYESのときにはエンストと判定してステップ1706に進んでA制御ブロックにジャンプして戻り、エンジン回転数が所定回転数NENST以上のときには、1705に進んでC制御ブロックに保持されてステップ1708に進み、本ルーチンを終了する。
図18は、コントロールユニット515のD制御ブロックでの状態遷移判定処理のフローチャートである。
ステップ1801は、前記ステップ1401と同様の割込み処理であり、ステップ1802では、前記イグニッションスイッチがONであるか否かを判定し、ONである場合、すなわちYESのときにはステップ1803に進み、前記イグニッションスイッチがOFFのときにはステップ1809に進んでA制御ブロックにジャンプして遷移され、ソレノイド200に対する通電は行われずにステップ1608に進み、本ルーチンを終了する。
ステップ1803では、エンジン回転数が所定回転数NENST(例えば200rpm)以下であるか否かを判定し、所定回転数NENST以下である場合、すなわちYESのときにはエンストと判定し、ステップ1809でA制御ブロックにジャンプして戻り、一方、エンジン回転数が所定回転数NENST以上のときには、ステップ1804に進んでエンジン回転数が所定回転数NDOK(例えば400rpm)以下かどうか判定し、所定回転数NDOK以下の場合、すなわちYESのときにはステップ1808に進んでC制御ブロックに遷移されてステップ1810に進み、本ルーチンを終了する。
一方、ステップ1804でエンジン回転数が所定回転数NDOK以上のときには、ステップ1805に進み、D制御ブロックが所定時間FBINT(例えば300ms)以上継続しているか否かを判定し、所定時間FBINT以上継続している場合、すなわちYESのときにはステップ1807に進んでF/B制御ブロックに遷移されてステップ1810に進み、本ルーチンを終了する。また、ステップ1805で所定時間FBINT以上継続していないときには、ステップ1806に進んでD制御ブロックに保持されてステップ1810に進み、本ルーチンを終了する。
図19は、コントロールユニット515のF/B制御ブロックでの状態遷移判定処理のフローチャートである。
ステップ1901は、前記ステップ1401と同様の割込み処理であり、ステップ1902では、前記イグニッションスイッチがONであるか否かを判定し、ONである場合、すなわちYESのときにはステップ1903に進み、前記イグニッションスイッチがOFFのときにはステップ1907に進んでA制御ブロックにジャンプして遷移され、ソレノイド200に対する通電は行われずにステップ1908に進み、本ルーチンを終了する。
ステップ1903では、エンジン回転数が所定回転数NENST(例えば200rpm)以下であるか否かを判定し、所定回転数NENST以下である場合、すなわちYESのときにはエンストと判定し、ステップ1907でA制御ブロックにジャンプして戻り、ソレノイド200に対する通電は行われずにステップ1908に進み、本ルーチンを終了する。一方、エンジン回転数が所定回転数NENST以上のときには、ステップ1904に進む。
ステップ1904では、燃料カット中であるか否かを判定し、燃料カット中である場合、すなわちYESのときにはステップ1906に進んでF/B停止ブロックに遷移される。これは、コモンレール53から各インジェクタ54に向かう燃料が0の場合には、高圧燃料ポンプ1からの燃料圧送を止めてコモンレール53の圧力上昇を防止するためであり、そして、ステップ1908に進んで本ルーチンを終了する。一方、燃料カット中でないときには、ステップ1905に進んでF/B制御ブロックに保持されてステップ1908に進み、本ルーチンを終了する。
図20は、コントロールユニット515のF/B停止ブロックでの状態遷移判定処理のフローチャートである。
ステップ2001は、前記ステップ1401と同様の割込み処理であり、ステップ2002では、前記イグニッションスイッチがONであるか否かを判定し、ONである場合、すなわちYESのときにはステップ2003に進み、前記イグニッションスイッチがOFFのときにはステップ2007に進んでA制御ブロックにジャンプして遷移され、ソレノイド200に対する通電は行われずにステップ2008に進み、本ルーチンを終了する。
ステップ2003では、エンジン回転数が所定回転数NENST(例えば200rpm)以下であるか否かを判定し、所定回転数NENST以下である場合、すなわちYESのときにはエンストと判定し、ステップ2007でA制御ブロックにジャンプして戻り、ソレノイド200に対する通電は行われずにステップ2008に進んで本ルーチンを終了する。一方、エンジン回転数が所定回転数NENST以上のときには、ステップ2004に進む。
ステップ2004では、燃料カット中であるか否かを判定し、燃料カット中である場合、すなわちYESのときにはステップ2005に進んでF/B停止ブロックに保持され、ソレノイド200に対する通電は行われずにステップ2008に進んで本ルーチンを終了する。一方、燃料カット中でないときにはステップ2006に進んでF/B制御ブロックに遷移されてステップ2008に進み、本ルーチンを終了する。
以上のように、本発明の前記実施形態は、上記の構成によって次の機能を奏するものである。
前記実施形態のコントロールユニット515は、シリンダ507bに備えられたインジェクタ54と、該インジェクタ54に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプ1と、前記クランク軸507dの位置を検出するクランク角センサ516とを有するエンジン507を制御し、前記高圧燃料ポンプ1は、ソレノイド信号に基づいて該ポンプ室8内の燃料を加圧するプランジャ2と、該プランジャ2を駆動させるポンプ駆動カム100と、該ポンプ駆動カム100の位置を検出するカム角センサ511とを備え、前記コントロールユニット515は、前記クランク角センサ516、燃圧センサ56からの検出信号に基づいて、前記ソレノイド信号の基本角度を演算する基本角度演算手段701と、目標燃圧を算出する目標燃圧算出手段702と、実燃圧を出力する燃圧入力処理手段703とを備えるとともに、これらの各手段に基づいて前記ソレノイド信号の基準角度を演算するソレノイド制御信号演算手段714と、前記コントロールユニット515の状態を判定して遷移させる状態遷移判定手段710と、前記高圧燃料ポンプ1のソレノイド200を駆動させるソレノイド駆動手段713とを備え、前記ソレノイド制御信号演算手段714は、前記クランク角センサ516の信号検出時期から、該クランク角センサ516と前記カム角センサ511との位相が確定する時期までに、前記高圧燃料ポンプ1に少なくとも2回以上の駆動信号を与える等間隔通電制御ブロック705と、前記コントロールユニット515の完爆後のフィードバック制御ブロック708等とを有し、前記状態遷移判定手段710によって前記6つの各制御ブロックの遷移が行われているので、プランジャ2の位置がどこにあるか認識できない時期であっても、エンジン507の始動時からプランジャ2の一往復行程内でコモンレール53に燃料を確実に吐出させることができる。
図21は、前記コントロールユニット515における前記高圧ポンプ1によるエンジン始動時の動作タイミングチャートであり、エンジン始動からクランキングが開始されて第1番目のクランク角信号が確定すると、B制御ブロックに遷移して等間隔通電制御がなされ、ソレノイド200に対するON−OFFの制御信号が繰り返される。ここで、ON信号毎に吸入弁係合部材201が吸入弁5を閉弁させる方向に作動し、プランジャ2が停止位置21aから下死点を経て圧縮行程に移行しているものの、その下死点に来る時期が判別できない場合であっても、該プランジャ2の下死点付近におけるいずれかのON信号がトリガーとなり、前記高圧燃料ポンプ1によるコモンレール53への燃料吐出が開始され、従来に比して燃料の圧送を1サイクル程早く行うことができ、エンジン始動時間の長時間化の抑制を図ることができる。
そして、プランジャ位相確定以降は、REF信号に基づいて角度又は時間制御でソレノイド制御信号が出力され、各インジェクタ54による燃料噴射時の燃圧21bは、従来の燃料噴射時の燃圧22b(図22)に比して高くさせることができ、燃圧の上昇が促進され、各インジェクタ54からの噴霧粒径の微粒化を促進させることができるとともに、HCの排出量の低減も達成することができる。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱することなく設計において種々の変更ができるものである。
例えば、前記実施形態では、高圧燃料ポンプ1が排気弁526のカム軸上に配置されているが、吸入弁514のカム軸上に配置、又はシリンダ507bのクランク軸507dに同期させたものであっても良く、この場合にも、前記検出信号切換え手段715、他の駆動信号設定手段717を信号の断線等に対して適用させることができるとともに、前記バルブタイミング駆動手段によるタイミングの調整をも行うことができる。
また、前記B制御のソレノイド駆動信号は、エンジン始動時において所定周期で所定幅の駆動信号を繰り返し出力する等間隔通電制御がなされているが、エンジン始動時のほか、例えば、通常の運転中に信号の断線等によって、前記クランク角信号516及び前記カム角信号511等からの信号が全く検出できない状態に陥った場合にも前記等間隔通電制御を適用させることができ、これによりコモンレール53を介してインジェクタ54に対する燃料の供給を行い、自動車を安全な地点に移動させて運転者の安全を確保することができる。さらに、クランク角センサ516の信号の立上がりに同期させているが、前記クランク角センサ516の信号の立下がりに同期、又は立上がりと立下がりとに同期させたものであっても良く、さらにまた、前記クランク角センサ516の信号の歯欠け部による検出については、他の特徴のある信号を検出するものであっても良いものである。
本実施形態の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置を備えたエンジンの全体構成図。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置の内部構成図。 図1の高圧燃料ポンプを備えた燃料系システムの全体構成図。 図3の高圧燃料ポンプの縦断面図。 図3の高圧燃料ポンプの動作タイミングチャート。 図5の動作タイミングチャートの補足説明図。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置による高圧燃料ポンプの制御ブロック図。 図7の状態遷移図。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置の動作タイミングチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置の動作タイミングチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置におけるA制御ブロックからB制御ブロックの動作タイミングチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置におけるB制御ブロックからC制御ブロックの動作タイミングチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置におけるC制御ブロックからD制御ブロックの動作タイミングチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置の動作フローチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置のA制御ブロックでの状態遷移判定処理の動作フローチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置のB制御ブロックでの状態遷移判定処理の動作フローチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置のC制御ブロックでの状態遷移判定処理の動作フローチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置のD制御ブロックでの状態遷移判定処理の動作フローチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置のF/B制御ブロックでの状態遷移判定処理の動作フローチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置のF/B停止ブロックでの状態遷移判定処理の動作フローチャート。 図1の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置におけるエンジン始動時の動作タイミングチャート。 従来の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置におけるエンジン始動時の動作タイミングチャート。
符号の説明
1 高圧燃料ポンプ
2 プランジャ
5 吸入弁
5a 閉弁ばね
7 シリンダ室
8 ポンプ室
9 ソレノイド室
54 燃料噴射弁(インジェクタ)
56 燃圧センサ
100 ポンプ駆動カム
200 ソレノイド
201 吸入弁係合部材
202 開弁ばね
507 筒内噴射エンジン
507b 気筒
507d クランク軸
511 カム角センサ
514 吸気弁
515 高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置(コントロールユニット)
516 クランク角センサ
526 排気弁
701 基本角度演算手段
702 目標燃圧算出手段
703 燃圧入力処理手段
705 等間隔通電制御ブロック
708 フィードバック制御ブロック
710 状態遷移判定手段
711 ソレノイド作動遅れ補正手段
712 バルブタイミング補正手段
713 ソレノイド駆動手段
714 ソレノイド制御信号演算手段
715 検出信号切換え手段
716 駆動信号設定手段
717 他の駆動信号設定手段

Claims (16)

  1. 気筒に備えられた燃料噴射弁と、該燃料噴射弁に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプと、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサとを有する筒内噴射エンジンを制御する高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置において、
    前記高圧燃料ポンプは、該高圧燃料ポンプ内の燃料を加圧するプランジャと、該プランジャを駆動させるポンプ駆動カムと、該ポンプ駆動カムの位置を検出するカム角センサとを備え、
    前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記クランク角センサの信号検出時期から、該クランク角センサと前記カム角センサとの位相が確定する時期までに、前記高圧燃料ポンプに少なくとも2回以上の駆動信号を出力する駆動信号設定手段を備えていることを特徴とする高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  2. 気筒に備えられた燃料噴射弁と、該燃料噴射弁に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプとを有する筒内噴射エンジンを制御する高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置において、
    前記高圧燃料ポンプは、該高圧燃料ポンプ内の燃料を加圧するプランジャと、該プランジャを駆動させるポンプ駆動カムとを備え、
    前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記プランジャが一回往復動する間に、前記高圧燃料ポンプに所定周期で所定幅の駆動信号を繰り返し出力する駆動信号設定手段を備えていることを特徴とする高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  3. 前記駆動信号設定手段は、前記筒内噴射エンジンの始動時から前記プランジャが一回往復動する間に、前記駆動信号を出力していることを特徴とする請求項1又は2記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  4. 前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号の立上がり若しくは立下がりに同期して、又は立上がり及び立下がりに同期して、前記高圧燃料ポンプに駆動信号を出力していることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  5. 前記ポンプ駆動カムは、前記気筒における排気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号によって位置が検出されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  6. 前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記気筒における排気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号が検出できない場合には、前記気筒における吸気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号若しくは前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号に切換える検出信号切換え手段を備えていることを特徴とする請求項5記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  7. 前記ポンプ駆動カムは、前記気筒における吸気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号によって位置が検出されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  8. 前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記気筒における吸気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号が検出できない場合には、前記気筒における排気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号若しくは前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号に切換える検出信号切換え手段を備えていることを特徴とする請求項7記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  9. 前記ポンプ駆動カムは、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号によって位置が検出されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  10. 前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサの信号が検出できない場合には、前記高圧燃料ポンプに所定周期で所定幅の駆動信号を繰り返し出力する他の駆動信号設定手段を備えていることを特徴とする請求項9記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  11. 前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記気筒の吸気弁若しくは排気弁の開閉タイミングを調整する可変バルブタイミング駆動手段を備え、前記気筒における吸気弁若しくは排気弁のカム軸の位置を検出するカム角センサの信号が検出できない場合には、前記可変バルブタイミング駆動手段による開閉タイミングの調整を中止していることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  12. 前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記可変バルブタイミング駆動手段による開閉タイミングの調整が中止されている場合には、前記高圧燃料ポンプに所定周期で所定幅の駆動信号を繰り返し出力する他の駆動信号設定手段を備えていることを特徴とする請求項11記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  13. 前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記可変バルブタイミング駆動手段による開閉タイミングの調整が再開された場合には、前記他の駆動信号設定手段から前記駆動信号設定手段に戻すことを特徴とする請求項12記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  14. 前記高圧燃料ポンプは、ポンプ室と、ソレノイド室と、シリンダ室とから構成され、前記ポンプ室は、前記ソレノイド室側に吸入弁を備えるとともに、該吸入弁を閉弁させる方向に付勢する閉弁ばねを備え、前記ソレノイド室は、ソレノイドと、前記吸入弁に係合する吸入弁係合部材と、前記吸入弁を開弁させる方向に付勢する開弁ばねとを備えていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  15. 気筒に備えられた燃料噴射弁と、該燃料噴射弁に燃料を圧送させる高圧燃料ポンプと、前記気筒のクランク軸の位置を検出するクランク角センサとを有する筒内噴射エンジンを制御する高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置において、
    前記高圧燃料ポンプは、ソレノイド信号に基づいて該高圧燃料ポンプ内の燃料を加圧するプランジャと、該プランジャを駆動させるポンプ駆動カムと、該ポンプ駆動カムの位置を検出するカム角センサとを備え、
    前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記クランク角センサ、前記燃料噴射弁に備えられた燃圧センサからの検出信号に基づいて、前記ソレノイド信号の基本角度を演算する基本角度演算手段と、目標燃圧を算出する目標燃圧算出手段と、実燃圧を出力する燃圧入力処理手段とを備えるとともに、これらの各手段に基づいて前記ソレノイド信号の基準角度を演算するソレノイド制御信号演算手段と、前記筒内噴射エンジンの状態を判定して遷移させる状態遷移判定手段と、前記高圧燃料ポンプのソレノイドを駆動させるソレノイド駆動手段とを備え、
    前記ソレノイド制御信号演算手段は、前記クランク角センサの信号検出時期から、該クランク角センサと前記カム角センサとの位相が確定する時期までに、前記高圧燃料ポンプに少なくとも2回以上の駆動信号を与える等間隔通電制御ブロックと、前記筒内噴射エンジンの完爆後のフィードバック制御ブロックとを有し、前記状態遷移判定手段によって前記各制御ブロックの遷移が行われていることを特徴とする高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
  16. 前記高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置は、前記ソレノイド制御信号演算手段における前記ソレノイド信号の基準角度に基づいて、前記ソレノイドの作動遅れを補正するソレノイド作動遅れ補正手段を備えていることを特徴とする請求項15記載の高圧燃料ポンプ制御装置及び筒内噴射エンジン制御装置。
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