JP2005017070A - 車両用サーミスタ式温度検出器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】センサケース2の孔部21の開口部21aよりも底部21d側において、孔部21とコネクタハウジング4の検出部4aとの間に隙間X、Yを形成し、サーミスタ3近傍の隙間である隙間Yの距離寸法G2を隙間Xの距離寸法G1より小さく設定し、隙間Y内に毛細管現象によりシリコンオイル8を保持するとともに、隙間Xに空気層を形成した。これにより、サーミスタ3とセンサケース2のネジ部23および六角部24との間の熱の移動を抑制できるので、高精度な温度検出が可能なオイル温度センサ1を実現することができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はケース内にサーミスタ素子を収納した車両用サーミスタ式温度検出器に関するもので、たとえば自動車に用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来のサーミスタ式温度検出器としては、たとえば、有底状の空間を有する金属ケースと、サーミスタと、サーミスタに電気的に接続された金属線と、サーミスタおよび金属線が一体的に樹脂成形された樹脂体とを備え、この樹脂体が金属ケースの空間内に収容されるとともに空間の開口部にて金属ケースに嵌合固定され、サーミスタは樹脂体内において金属ケースの底部側に配置されるとともに金属線の先端は樹脂体において開口部側に配置される構成のものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上述した従来のサーミスタ式温度検出器においては、金属ケースの有底状空間は、たとえば円筒状に形成され、一方、サーミスタを内蔵する樹脂体も円柱状に形成されている。そして、金属ケースと樹脂体との間の隙間には、電気絶縁性を有し且つ熱伝導性の良い物質(具体的にはシリコンオイル)が注入されている。
【0004】
従来のサーミスタ式温度検出器は、たとえば、エンジンのシリンダブロックに形成される潤滑油通路であるオイルギャラリに、金属ケースの一部、すなわちサーミスタを収容する部分を潤滑油中に浸漬させて潤滑油温度を検出可能に取り付けられている。この場合、潤滑油からの熱は、金属ケース、シリコンオイル、樹脂を経てサーミスタに伝達されるが、金属ケースと樹脂体との間の隙間に熱伝導性の良い物質であるシリコンオイルを充填しているので、サーミスタの熱応答性を向上させることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−206959号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、金属ケースには、サーミスタ式温度検出器をエンジン側の取り付け部位、たとえばシリンダブロックに形成される潤滑油通路であるオイルギャラリ、あるいはオイルパン等に取り付けるための取り付け部として、たとえばオネジ部が設けられている。このオネジ部は、一般には、金属ケースの樹脂体が嵌合固定される部分に設けられ、エンジン側の取り付け部位であるシリンダブロック、あるいはオイルパン等に設けられたメネジ部と螺号している。また、金属ケースのオネジ部近傍は必要な強度を確保するために厚肉状になっている。つまり、この部分の熱容量が大きくなっている。さらに、シリコンオイルは、このオネジ部付近まで充填されている。
【0007】
このため、シリコンオイルヘ伝達された潤滑油からの熱の多くがオネジ部へ伝達されてしまい、サーミスタにより潤滑油温度を正確に検出することが困難になる、という問題がある。
【0008】
そこで本発明は上記の各問題に鑑み、金属ケース内における樹脂体の取り付け方法に工夫を凝らして、温度検出精度の高い車両用サーミスタ式温度検出器を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成する為に以下の技術的手段を採用する。
【0010】
本発明の請求項1に記載の車両用サーミスタ式温度検出器は、有底状の空間を有する金属ケースと、サーミスタと、サーミスタに電気的に接続された金属線と、サーミスタおよび金属線が一体的に樹脂成形された樹脂体とを備え、樹脂体は空間内に収容されるとともに空間の開口部にて金属ケースに嵌合固定され、サーミスタは樹脂体内において底部側に配置されるとともに金属線の先端は樹脂体内において開口部側に配置されるサーミスタ式温度検出器であって、樹脂体の金属ケースとの嵌合部よりも底部側の部分と金属ケースとの間には隙間が形成され、隙間のサーミスタ近傍には熱伝達部材が充填され、それ以外の隙間には空気層が形成される構成とした。
【0011】
この場合、熱伝達部材、たとえばシリコングリス等は、金属ケースとの間には隙間の一部、すなわちサーミスタの周辺部のみに充填され、サーミスタ周辺を除いた部分は空気層となっている。
【0012】
この構成により、金属ケースから熱伝達部材に伝えられた熱の大部分が樹脂体中のサーミスタへ伝達されるので、従来の車両用サーミスタ式温度検出器の場合のように熱伝達部材ヘ伝達された潤滑油からの熱の多くがオネジ部へ伝達されてしまい、サーミスタによる正確な温度検出ができないという不具合を防止できる。
【0013】
したがって、温度検出精度の高い車両用サーミスタ式温度検出器を実現できる。
【0014】
また、金属ケースと樹脂体との間で、熱伝達部材が充填されている部分以外の隙間は空気層、すなわち断熱層となっている。つまり、金属ケースの熱容量の大きい部分であり、相手部材との接合部分であるオネジ部とサーミスタとの間の熱伝達はほとんど無い状態となっている。したがって、金属ケースのオネジ部を経由する熱伝達の影響をサーミスタが受けることを確実に排除できるので、温度検出精度の高い車両用サーミスタ式温度検出器を実現できる。
【0015】
本発明の請求項2に記載の車両用サーミスタ式温度検出器は、サーミスタ近傍における隙間の大きさは、それ以外の部分における隙間の大きさよりも小さく形成される構成とした。
【0016】
これにより、金属ケースと樹脂体間に介在する熱伝達部材量を必要最小限度、すなわち、外部の熱を金属ケースから樹脂体、つまりサーミスタに伝達するために最低限必要な量として、サーミスタによる温度検出の応答性を向上することができる。
【0017】
本発明の請求項3に記載の車両用サーミスタ式温度検出器は、熱伝達部材はサーミスタ式温度検出器の使用状態において柔軟性を有する材質からなる構成とした。
【0018】
これにより、熱伝達部材は金属ケースおよび樹脂体の両方に確実に密着するので、外部の熱を金属ケースから樹脂体、つまりサーミスタに確実に伝達することができる。したがって、サーミスタによる温度検出精度、応答性を向上することができる。
【0019】
本発明の請求項4に記載の車両用サーミスタ式温度検出器は、熱伝達部材は液状物質からなるとともに、サーミスタ近傍における隙間の大きさは液状物質を毛細管現象により隙間内に保持可能であるような大きさに形成される構成とした。
【0020】
これにより、金属ケースと樹脂体間に介在する熱伝達部材量を必要最小限度、すなわち、外部の熱を金属ケースから樹脂体、つまりサーミスタに伝達するために最低限必要な量として、サーミスタによる温度検出の応答性を向上することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態による車両用サーミスタ式温度検出器を、自動車のエンジンに装着されて潤滑油の温度を検出するオイル温度センサ1に適用した場合を例として、図に基づいて説明する。なお、各図において、同一構成部分には同一符号を付してある。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1の全体構成を示す縦断面図である。
【0023】
オイル温度センサ1は、図1に示すように、金属製のセンサケース2と、このセンサケース2に取り付けられた樹脂よりなるコネクタハウジング4とから主に構成されている。このセンサケース2は、その先端部をエンジンのシリンダブロックに形成される潤滑油通路であるオイルギャラリ(図示せず)内に突き出させて取り付けられている。
【0024】
金属ケースであるセンサケース2は、たとえば真鍮等から形成されている。センサケース2は、有底状の空間である孔部21を備えている。孔部21は、図1に示すように、その開口側端部に形成された開口部21a、開口部21aの図1中下方に形成された第1円孔部21b、第1円孔部21bの図1中下方に形成された第2円孔部21cおよび底部21dから構成されている。ここで、第1円孔部21bの直径寸法はd1、第2円孔部21cの直径寸法はd2であり、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1においては、図1に示すように、d1>d2である。また、センサケース2には、図1に示すように、第2円孔部21cにほぼ対応して円筒部22が、第1円孔部21bにほぼ対応してオネジ部23が、開口部21aにほぼ対応して六角部24が形成されている。また、開口部21aの先端側(図1の上端側)には、後述するコネクタハウジング4を固定するためのカシメ部25が形成されている。
【0025】
オイル温度センサ1は、オネジ部23を、エンジンのシリンダブロック(図示せず)のメネジ部(図示せず)に螺合させて固定されている。固定作業は、スパナ等の工具により六角部24を回転させて行う。したがって、オネジ部24は、取り付け作業に耐え得る強度を確保するため、円筒部22に比べて直径が大きく形成されている。センサケース2の孔部21には、樹脂体であるコネクタハウジング4が収容固定されている。
【0026】
コネクタハウジング4は、図1に示すように、サーミスタ3と、サーミスタ3に電気的に接続された金属線であるリード線5a、5bと、各リード線5a、5bに電気的に接続された金属よりなるコネクタターミナル6a、6bとを一体的に樹脂モールドして形成されている。
【0027】
コネクタハウジング4は、サーミスタ3およびリード線5a、5bを内蔵するとともにセンサケース2の第1円孔部21bおよび第2円孔部21c内に略同心状に配置される検出部4aと、センサケース2の開口部21aに嵌合する嵌合部である固定部4bと、オイル温度センサ1を外部と電気的に接続するためのコネクタ部4cとから構成されている。また、検出部4aは、直径寸法がD1となっている。また、固定部4bの検出部4a側端部には、段部4eが形成されている。この段部4eには、図1に示すように、O−リング7が装着されており、これによりオイル温度センサ1の内部、つまり検出部4aを気密的に維持している。
【0028】
センサケース2の第2円孔部21cとコネクタハウジング4の検出部4aとの間の隙間には、熱伝達部材であり液状物質として、シリコンオイル8が注入されている。このシリコンオイル8は熱伝導性の良好な液体であり、エンジンオイル(図示せず)からの熱は、円筒部22、シリコンオイル8、検出部4bの樹脂を経てサーミスタ3へ伝達される。すなわち、金属製の円筒部22と検出部4bの間に熱伝導性の良いシリコンオイル8を介在させることによりサーミスタ3の熱応答性を向上できる。
【0029】
次に、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1の特徴である、検出部4aとセンサケース2の孔部21との構成について説明する。
【0030】
本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1において、コネクタハウジング4の検出部4aの外径寸法、センサケース2の第1円孔部21bの内径寸法および第2円孔部21cの内径寸法は、図1に示すように、それぞれD1、d1、d2となっている。また、これらの大きさは、D1<d2<d1に設定されている。
【0031】
したがって、センサケース2の孔部21の開口部21aよりも底部21d側において、センサケース2の孔部21とコネクタハウジング4の検出部4aとの間には、図1に示すように隙間が形成されている。すなわち、センサケース2の第1円孔部21bにおいては隙間Xが形成され、第2円孔部21cにおいては隙間Yが形成されている。各隙間X、Yの距離寸法G1、G2は、G1=d1−D1、G2=d2−D1となっている。また、上述したようにd1>d2であるので、G1>G2となっている。また、サーミスタ3は、図1に示すように、隙間Y内に配置されている。
【0032】
本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1においては、隙間Yの距離寸法G2は、毛細管現象によりシリコンオイル8を隙間Y内に保持可能であるように設定するとともに、隙間Yの容積とほぼ同量のシリコンオイル8を隙間Y内に充填している。これにより、隙間Yは、シリコンオイル8で満たされる。さらに、オイル温度センサ1の姿勢が変化する、あるいは振動を受けることがあっても、隙間Yに、常にシリコンオイル8を保持することができる。一方、隙間Xの距離寸法G1は、毛細管現象により隙間X内にシリコンオイル8が保持されることのない大きさに設定されており、したがって、隙間X内には何も充填されない、すなわち隙間Xは空気層となっている。空気はシリコンオイル8に比べて熱伝導性が低く断熱材として機能するので、サーミスタ3、検出部4aのサーミスタ3近傍の樹脂、すなわち検出部4aの隙間Yに対応する部分と、センサケース2のオネジ部23および六角部24との間の熱流束は非常に小さくなる。つまり両者間の熱の移動量は非常に少なくなる。
【0033】
従来の車両用サーミスタ式温度検出器においては、金属ケース内の空間とサーミスタが一体成形された樹脂体との間の隙間のほぼ全体に、つまりオネジ部付近まで熱伝達部材(シリコンオイル等)が充填されている。このため、金属ケースのサーミスタ近傍部分から熱伝達部材(シリコンオイル等)ヘ伝達された潤滑油からの熱の多くが、熱伝達部材を介してオネジ部へ伝達されてしまい、サーミスタによる正確な温度検出が困難になる、という問題がある。
【0034】
これに対して、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1においては、サーミスタ3近傍の隙間、すなわち隙間Yのみにシリコンオイル8を充填し、それ以外の部分における隙間、すなわち隙間Xには空気層を形成している。
【0035】
これにより、円筒部22からシリコンオイル8へ伝達された潤滑油からの熱を効率良くサーミスタ3に伝達できるので、高精度な温度検出が可能なオイル温度センサ1を実現することができる。
【0036】
また、隙間Yの距離寸法G2は、シリコンオイル8を毛細管現象により保持可能であるように小さく設定されている。したがって、隙間Yの容積、すなわちシリコンオイル8の充填量も少なくなっている。これにより、オイル温度センサ1の温度検出の応答性を向上することができる。
【0037】
また、毛細管現象により隙間Y内にシリコンオイル8を保持しているので、オイル温度センサ1の姿勢が変化する、あるいは振動を受けることがあっても、隙間Yに、シリコンオイル8を常に保持することができる。
【0038】
次に、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1を用いた潤滑油温度検出装置100の電気回路構成および温度検出時の作動について説明する。
【0039】
図2には、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1を用いた潤滑油温度検出装置100の電気回路を説明する構成図である。
【0040】
図2に示すように、オイル温度センサ1は、制御回路101に接続されている。制御回路101は、イグニッションスイッチ102を介してバッテリ103にされて電力が供給されている。また、制御回路101には油温計表示部104が接続されている。油温計104は、指針計器あるいは液晶パネル等のデジタル表示器から構成されている。
【0041】
イグニッションスイッチ102がONされると、制御回路101はバッテリ103から電力を供給されて作動を開始する。
【0042】
制御回路101は、一定電圧をオイル温度センサ1、すなわちサーミスタ3に印加する。これにより、制御回路101とサーミスタ3間にはサーミスタ3の抵抗値により定まる大きさの電流が流れる。一方、サーミスタ3の抵抗値はその温度、すなわち潤滑油の温度によって定まるので、サーミスタ3を流れる電流値を測定することによりサーミスタ3の温度、すなわち潤滑油の温度を検出することができる。制御回路101は、サーミスタ3を流れる電流値に基づき油温計表示部104を駆動して油温計表示部104に検出した潤滑油温度を表示させる。
【0043】
なお、上述の制御回路101は、サーミスタ3に一定の電圧を印加して、サーミスタ3を流れる電流値を測定してサーミスタ3の温度、すなわち潤滑油温度を算出しているが、これに替えて、制御回路101から一定の電流をサーミスタ3に流し、サーミスタ3の両端の電圧、つまりターミナル61、6b間の電位差を測定してサーミスタ3の温度、すなわち潤滑油温度を算出してもよい。
【0044】
次に、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1の組付方法を説明する。
【0045】
先ず、センサケース2およびコネクタハウジング4を形成する。
【0046】
センサケース2は、六角柱状の真鍮棒材の表面および内部を切削して形成する。
【0047】
また、コネクタハウジング4は、たとえば、先ず所定の型の中にターミナル6a、6b、リード線5a、5b、サーミスタ3を入れ、ターミナル6a、6bを機械で把持することによってターミナル6a、6b、リード線5a、5b、サーミスタ3を型の中で位置決めする。そしてこの状態で型の中に樹脂を注入し固めた後、型から抜き取ることによりコネクタハウジング4が成形される。
【0048】
次に、センサケース2を開口部21aを上方にして保持して、第2円孔部21c内に所定量のシリコンオイル8を注入する。ここで、シリコンオイル8の所定量とは、オイル温度センサ1の完成状態における隙間Yの容積と同等量である。
【0049】
次に、コネクタハウジング4の段部4eにO−リング10を装着した後、コネクタハウジング4を、センサケース2の孔部21内に挿入、固定する。このとき、コネクタハウジング4の固定部4bの端面4dをセンサケース2の開口部21aの端面2eに当接させつつ、センサケース2のカシメ部25をかしめる。これにより、コネクタハウジング4はセンサケース2に固定される。また、シリコンオイル8は、隙間Yを満たした状態で、毛細管現象により隙間Y内に保持される。
【0050】
以上で、オイル温度センサ1の組み立てが完了する。
【0051】
以上説明した、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1においては、センサケース2の孔部21の開口部21aよりも底部21d側において、孔部21とコネクタハウジング4の検出部4aとの間に隙間X、Yを形成するとともに、サーミスタ3近傍の隙間である隙間Yの距離寸法G2を隙間Xの距離寸法G1より小さく設定している。さらに、隙間Yにシリコンオイル8を充填して毛細管現象によりシリコンオイル8を隙間Y内に保持するとともに、隙間Xに空気層を形成している。
【0052】
これにより、サーミスタ3、検出部4aのサーミスタ3近傍の樹脂、すなわち検出部4aの隙間Yに対応する部分と、センサケース2のオネジ部23および六角部24との間の熱流束は非常に小さくなる。つまり両者間の熱の移動量は非常に少なくなる。
【0053】
したがって、孔部21とコネクタハウジング4との隙間全体にシリコンオイル8が充填される従来の車両用サーミスタ式温度検出器における不具合、すなわち、シリコンオイル8ヘ伝達された潤滑油からの熱の多くが、シリコンオイル8を介してオネジ部23へ伝達されてしまい、サーミスタ3による正確な温度検出が困難になるという不具合を防止して、高精度な温度検出が可能なオイル温度センサ1を実現することができる。
【0054】
なお、以上説明した、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1においては、コネクタハウジング4の検出部4aの直径寸法を検出部4aの全長に亘ってd2一定としているが、検出部4aの第1円孔部21bに対応する部分の直径寸法をd2より大きくする、あるいは小さくしてもよい。この場合も、隙間Xに空気層を形成することにより、上述の本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1と同様の効果が得られる。
【0055】
また、以上説明した、本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1においては、熱伝達部材としてシリコンオイル8を用いているが、シリコンオイル8に限る必要はなく、熱伝導性が高い他の材質、たとえばシリコングリス等を用いてもよい。
【0056】
また、以上説明した本発明の一実施形態は、車両用サーミスタ式温度検出器を自動車のエンジンに装着されて潤滑油の温度を検出するオイル温度センサ1に適用した場合を例に説明したが、その用途は自動車用のオイル温度センサ1に限らず、それ以外の車両用サーミスタ式温度検出器に適用してもよい。すなわち、温度検出対象を潤滑油に限る必要はなく、冷却水、燃料、空気等であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1の全体構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態によるオイル温度センサ1を用いた潤滑油温度検出装置100の電気回路を説明する構成図である。
【符号の説明】
1 オイル温度センサ(車両用サーミスタ式温度検出器)
2 センサケース(金属ケース)
21 孔部(空間)
21a 開口部(嵌合部)
21b 第1円孔部
21c 第2円孔部
21d 底部
21e 端面
22 円筒部
23 オネジ部
24 六角部
25 カシメ部
3 サーミスタ
4 コネクタハウジング(樹脂体)
4a 検出部
4b 固定部(嵌合部)
4c コネクタ部
4d 端面
4e 段部
5a、5b リード線(金属線)
6a、6b コネクタターミナル
7 O−リング
8 シリコンオイル(熱伝達手段、液状物質)
100 潤滑油温度検出装置
101 制御回路
102 イグニッションスイッチ
103 バッテリ
104 油温計表示部
D1 直径寸法
d1 直径寸法
d2 直径寸法
G1 距離寸法
G2 距離寸法
X、Y 隙間
Claims (4)
- 有底状の空間を有する金属ケースと、
サーミスタと、
前記サーミスタに電気的に接続された金属線と、
前記サーミスタおよび前記金属線が一体的に樹脂成形された樹脂体とを備え、
前記樹脂体は前記空間内に収容されるとともに前記空間の開口部にて前記金属ケースに嵌合固定され、
前記サーミスタは前記樹脂体内において前記底部側に配置されるとともに前記金属線の先端は前記樹脂体において前記開口部側に配置されるサーミスタ式温度検出器であって、
前記樹脂体の前記金属ケースとの嵌合部よりも前記底部側の部分と前記金属ケースとの間には隙間が形成され、前記隙間の前記サーミスタ近傍には熱伝達部材が充填され、それ以外の前記隙間には空気層が形成されることを特徴とする車両用サーミスタ式温度検出器。 - 前記サーミスタ近傍における前記隙間の大きさは、それ以外の部分における前記隙間の大きさよりも小さく形成されることを特徴とする請求項1に記載の車両用サーミスタ式温度検出器。
- 前記熱伝達部材はサーミスタ式温度検出器の使用状態において柔軟性を有する材質からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用サーミスタ式温度検出器。
- 前記熱伝達部材は液状物質からなるとともに、前記サーミスタ近傍における前記隙間の大きさは前記液状物質を毛細管現象により前記隙間内に保持可能であるような大きさに形成されることを特徴とする請求項2に記載の車両用サーミスタ式温度検出器。
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Legal Events
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A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070809 |
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A02 | Decision of refusal |
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